JPH07223232A - ポリウレタンチップを原料とするモールド成形型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バリのない高品質な製品を効率よく生産する
ことができるポリウレタンチップを原料とするモールド
成形型を提供すること。 【構成】 下型１と上型２とで形成されるキャビティ内
にウレタンチップを充填して加圧成形するポリウレタン
チップを原料とするモールド成形型において、前記上型
２の下部外周面に凹欠部６を設けてこれに周面が該上型
２の外周面より僅かに突出して下型１の内周面との隙間
Ｓを埋める弾性体４を周設したもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バリのない高品質なポ
リウレタンモールド製品を効率よく生産することができ
るポリウレタンチップを原料とするモールド成形型に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自動車用内装材の基材にはポ
リウレタンモールド製品が多く使用されているが、従来
のこの種ポリウレタンモールド製品は、例えば実開昭５
８−１６００００号公報に見られるように、下型と上型
とで形成されるキャビティ内にポリウレタンチップを充
填して上型を下降させることにより所定形状に加圧成形
するのを普通としているが、このようなポリウレタンチ
ップを原料とするモールド成形型においては、前記上型
を下型内の所定位置まで噛み込み不良を生ずることなく
下降させる必要性から、上型の外周壁面と下型の内周壁
面との間にクリアランスに相当する分だけの僅かな隙間
を設けておくのが普通である。

【０００３】ところが、従来のこの種モールド成形型で
は、加圧成形時において前記隙間内に原料であるポリウ
レタンチップがはみ出してこれが成形後にバリと称され
る突起物として残されることとなって不良品発生率が高
くなるという問題点や、前記バリを除去するために二次
加工を施す必要があり生産効率が劣るという問題点があ
った。更には、上型と下型とのクリアランスを噛み込み
不良が生ずることなく且つバリの発生も少なくしようと
すると、型の寸法精度を極めて良くする必要があり、型
の制作費および管理費が著しく高くなるという問題点も
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、バリのない高品質な製品を二
次加工を施すことなく効率的に生産することができ、し
かも、上型と下型の寸法精度をシビアに管理する必要が
なくて型の制作費および管理費を低くできるポリウレタ
ンチップを原料とするモールド成形型を提供することを
目的として完成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明のポリウレタンチップを原料とする
モールド成形型は、下型と上型とで形成されるキャビテ
ィ内にウレタンチップを充填して加圧成形するポリウレ
タンチップを原料とするモールド成形型において、前記
上型の下部外周面に凹欠部を設けてこれに周面が該上型
の外周面より僅かに突出して下型の内周面との隙間を埋
める弾性体を周設したことを特徴とするものである。

【０００６】

【実施例】次に、本発明を図示の自動車用内装基材を成
形する場合を実施例として詳細に説明する。図中１は所
定形状のキャビティ形成用の型凹部を有する下型、２は
該下型１の型凹部内に上方側から押し込まれる上型、３
は上型２を上下動するためのエアシリンダ等に連結され
た昇降用ロッドである。なお、下型１の内周壁面の開口
部分には上型２の押し込みを容易に行えるよう開口部に
向け裾拡がりのテーパ面１ａが形成されている。

【０００７】この上型２と下型１との嵌合面である下型
１の内周面と上型２の外周面との間には、従来と同様ク
リアランスに相当する分だけの僅かな隙間Ｓが設けられ
ているが、該隙間Ｓは従来のように０．１〜０．３mm程
度という寸法精度の高いものではなく、０．５〜１．０
mm程度の相当にラフな寸法精度のものとなっている。そ
して、前記上型２の下部外周面には凹欠部６が全周にわ
たって設けられていてこの凹欠部６に基部が埋められた
状態で周面が該上型２の外周面より僅かに突出して下型
１の内周面との隙間Ｓを埋める弾性体４が周設されてい
る。この弾性体４は上型２が下型１の型凹部内へ下降す
る際に、キャビティ内に充填された原料のポリウレタン
チップ２０が前記隙間Ｓから飛び出したり下型１の内周
面に付着したまま残存することがないよう、隙間Ｓを密
着状態で埋めるためのものであり、この結果、隙間Ｓか
らウレタンチップ２０が飛び出してバリを形成すること
を確実に防止するものである。

【０００８】前記の弾性体４としては、何サイクルも繰
り返される圧縮成形に耐えられるように、耐摩耗性、耐
溶剤性、耐水蒸気性が良好なアクリルゴムのようなオレ
フィン系ゴムや、アクリロニトリル・ブタジエンゴムや
クロロプレンゴムのようなジエン系ゴムなどの合成ゴム
が用いられる。また、この弾性体４の形状としては、オ
ーリングのようなパッキン状のものとして上型２の下部
外周面に形成してある凹部に嵌めて装着されるものの
他、図３に示されるような剣山状のものや、図４に示さ
れるような毛ブラシ状のもの等、任意の形状を採用する
ことができる。

【０００９】なお、図５に示されるように上型２をユニ
バーサルジョイント機構５を介して昇降用ロッド３に連
結したものとしておくこともでき、この場合には原料の
ポリウレタンチップ２０の充填状況に応じて上型２と下
型１の当たり具合が調整可能となり、より寸法精度の優
れた高品質の製品を生産できるとともに、型同志の干渉
を防いで耐久性も大幅に向上できることとなる。

【００１０】

【作用】このように構成されたものは、図２に示される
ように上型２を上昇させた状態で下型１の型凹部内に原
料のポリウレタンチップ２０を充填した後、図１に示さ
れるように上型２を所定位置まで下降させて加圧成形す
るものである点は従来のこの種ポリウレタンチップを原
料とするモールド成形型と同様であるが、前記上型２の
下部外周面には弾性体４が周設されていて下型１の内周
壁面との隙間Ｓを密着状態で埋めているため、上型２の
下降に伴い弾性体４が下型１の内周面に付着しているポ
リウレタンチップ２０を全て拭い取ってキャビティ内へ
押し込めることとなり、成形後の製品にバリが生ずるこ
とを確実に防止できることとなる。その後は、上型２を
再び上昇させて成形品を取り出して、以下同様の手順に
より圧縮成形サイクルが繰り返されることとなる。な
お、前記弾性体４としては耐摩耗性、耐溶剤性、耐水蒸
気性が良好なオレフィン系またはジエン系の合成ゴムと
しておけば、何サイクルも繰り返し用いても十分に圧縮
成形に耐えられることとなり、また上下型間の隙間Ｓが
十分に確保されているため型同志の干渉もなく優れた耐
久性を発揮できることとなる。

【００１１】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明はバリのない高品質な製品を二次加工を施すことなく
効率的に生産することができ、また、上型と下型の寸法
精度をシビアに管理する必要がないので型の制作費およ
び管理費を経済的に行うことができるものであり、更に
は、上型と下型との間のクリアランスも従来よりも大き
くとれるため、型同志の干渉がなくなり耐久性を大幅に
向上することができるという利点もある。よって本発明
は従来の問題点を一掃した圧縮成形用金型として、産業
の発展に寄与するところは極めて大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す縦断正面図である。

【図２】本発明の実施例を型開き状態で示す縦断正面図
である。

【図３】本発明の他の実施例を示す縦断正面図である。

【図４】同じく本発明の他の実施例を示す縦断正面図で
ある。

【図５】同じく本発明の他の実施例を示す縦断正面図で
ある。

【符号の説明】

１ 下型 ２ 上型 ３ 昇降用ロッド ４ 弾性体 ５ ユニバーサルジョイント機構 ６ 凹欠部 Ｓ 隙間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下型(1) と上型(2) とで形成されるキャ
   ビティ内にウレタンチップを充填して加圧成形するポリ
   ウレタンチップを原料とするモールド成形型において、
   上型(2) の下部外周面に凹欠部(6) を設けてこれに周面
   が該上型(2)の外周面より僅かに突出して下型(1) の内
   周面との隙間(S) を埋める弾性体(4)を周設したことを
   特徴とするポリウレタンチップを原料とするモールド成
   形型。
2. 【請求項２】 弾性体(4) がオレフィン系またはジエン
   系の合成ゴムからなる請求項１に記載のポリウレタンチ
   ップを原料とするモールド成形型。
3. 【請求項３】 上型(2) がユニバーサルジョイント機構
   (5) を介して昇降用ロッド(3) に連結されている請求項
   １または請求項２に記載のポリウレタンチップを原料と
   するモールド成形型。