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JPH07205781A - 車両用自動ブレーキ装置 - Google Patents

車両用自動ブレーキ装置

Info

Publication number
JPH07205781A
JPH07205781A JP6007284A JP728494A JPH07205781A JP H07205781 A JPH07205781 A JP H07205781A JP 6007284 A JP6007284 A JP 6007284A JP 728494 A JP728494 A JP 728494A JP H07205781 A JPH07205781 A JP H07205781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
hydraulic
brake pedal
automatic
piston
Prior art date
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Granted
Application number
JP6007284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3175461B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Miichi
善紀 見市
Tetsushi Mimuro
哲志 御室
Tadashi Sugawara
正 菅原
Takahiro Maemura
高広 前村
Tadao Tanaka
忠夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP00728494A priority Critical patent/JP3175461B2/ja
Publication of JPH07205781A publication Critical patent/JPH07205781A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3175461B2 publication Critical patent/JP3175461B2/ja
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  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車における自動操縦等に用い
て好適の車両用自動ブレーキ装置に関し、自動ブレーキ
系がフェイルしても、ドライバのブレーキペダル操作に
より通常のブレーキ力を得られるようにするとともに、
応答性がよく高い制御性能で自動ブレーキを行なえるよ
うにすることを目的とする。 【構成】 ブレーキペダルの踏み込み力をアシストする
真空倍力機構1を利用して、該ブレーキペダルが踏み込
まれていなくても該真空倍力機構1の要部3をブレーキ
操作側へ駆動してブレーキ力を与える自動ブレーキ用ア
クチュエータ4をそなえ、該自動ブレーキ用アクチュエ
ータ4が、該真空倍力機構1の要部3を駆動しうるが該
ブレーキペダルの踏み込みによるブレーキ操作を妨げな
いようにそなえられたピストン14と、該ピストン14
をブレーキ操作側へ駆動する油圧を与えうる油圧室15
と、該油圧室15内の油圧を調整する油圧調整機構と、
該ピストン14を反ブレーキ操作側へ付勢するリターン
スプリング17とをそなえて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車における自動操
縦等に用いて好適の、車両用自動ブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両(一般には、自動
車)の暴走を防止するなど、自動的に車両を制動させる
車両用の自動ブレーキ装置が開発されているが、このよ
うな自動ブレーキ装置の重要な構成要素として、ブレー
キアクチュエータ(即ち、自動ブレーキ用アクチュエー
タ)がある。また、このような自動ブレーキ装置では、
通常のドライバの操作によるブレーキ(従来のブレー
キ)の性能を低下させることなく自動ブレーキを作動さ
せることができなくてはならなず、特に、ブレーキアク
チュエータの構成が重要になる。
【0003】かかるブレーキアクチュエータとしては、
例えばアンチロックブレーキシステム(以下、これをA
BSという)に用いられる油圧式ブレーキアクチュエー
タを利用することが考えられている。また、かかるブレ
ーキアクチュエータとして、例えば図11に示すような
電動モータ方式のものも考えられる。この方式は、キャ
リパ101側の図示しない油圧ピストンを駆動するため
の油圧ライン102(即ち、ブレーキの操作に対応した
油圧を供給する、従来の油圧ライン)とは並列的に設け
られた電動モータ式油圧給排ライン103と、これらの
従来の油圧ライン102と電動モータ式油圧給排ライン
103との何れかを選択して該キャリパ101側へ導入
させることができる切換弁(OR弁)104とからな
る。
【0004】電動モータ式油圧給排ライン103は、電
動モータ105と、この電動モータ105とギヤ機構1
07を介して接続されたボールネジ式ピストン機構10
6とからなり、ボールネジ式ピストン機構106は、ギ
ヤ機構107に接続されたボールネジ108とボールネ
ジ108と螺合してボールネジ108の回転を受けて進
退するピストン109と、このピストン109の進退で
拡縮する油室110とからなる。
【0005】そして、切換弁104がこの電動モータ式
油圧給排ライン103を開通させていると、電動モータ
105の回転をギヤ機構107を介してボールネジ10
8に伝達してピストン109を前進駆動させることで、
油室110か縮小して、キャリパ101側の図示しない
油圧ピストンを駆動しブレーキ力を発生させるようにな
っている。
【0006】また、特開平4−262957号公報,特
開平4−303060号公報,特開平4−310460
号公報,特開平4−339066号公報には、負圧式ブ
レーキブースタ(即ち、真空倍力機構)を自動ブレーキ
用のブレーキアクチュエータに適用する提案が開示され
ている。これらのブレーキブースタの自動ブレーキへの
適用例は、ブレーキブースタ特有の負圧室と大気圧室と
の圧力バランスを直接制御することで、キャリパ側の油
圧ピストンを駆動するためのブレーキ液圧を調整するよ
うにするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ABSに用いられる油圧式ブレーキアクチュエータを利
用する自動ブレーキ装置では、自動ブレーキ時は、ブレ
ーキの液圧がアクチュエータによりブレーキペダルの踏
込量に関係なく制御され、アクチュエータのフェイル時
にブレーキペダルを踏み込んでもブレーキ圧を高められ
ずに制動できないおそれがある。
【0008】また、この油圧式ブレーキブースタを用い
た従来の自動ブレーキ装置では、ブレーキの液圧を直接
制御するため、ブレーキフィーリングが不自然なものと
なってしまったり、油圧源のポンプから生じる騒音も大
きくなりやすいという課題がある。また、上述の電動モ
ータ方式の自動ブレーキ装置では、切換弁(OR弁)1
04のフェイル時対策が必要であり、ボールネジ式ピス
トン機構106にフリクションが生じるので、制御応答
性を高めにくく、自動ブレーキとして十分な制御性能を
得ることが困難であるという課題がある。また、自動ブ
レーキに真空倍力機構等のアシストを利用できないの
で、電動モータの出力を大きくする必要があり、装置の
大型化や重量増大化や消費エネルギ増大化やコスト増を
招く。
【0009】そして、上述の真空倍力機構を利用した自
動ブレーキ装置では、フェイル時対応は容易であるもの
の、ブレーキ液圧を調整するための制御圧が圧縮性流体
である空気圧により与えられるので、最大制御圧を大き
くとれず、また、ブレーキ液圧の最大昇圧速度を大きく
できず、急制動を発生できないという課題がある。本発
明は、このような課題に鑑み創案されたもので、自動ブ
レーキ系がフェイルしても、ドライバのブレーキペダル
操作により通常のブレーキ力を得られるようにするとと
もに、応答性がよく高い制御性能で自動ブレーキを行な
えるようにした、車両用自動ブレーキ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用自動ブレーキ装置は、ブレーキペダル
と連動して進退しマスタシリンダを操作するブレーキペ
ダル連動部材と、該ブレーキペダル連動部材に接続され
たダイヤフラムと、該ダイヤフラムで仕切られた負圧室
及び大気圧室と、該ブレーキペダルの踏み込み時に該ブ
レーキペダルの踏み込み力をアシストするために該ブレ
ーキペダル連動部材と連動して該負圧室内と該大気圧室
内との間に圧力差を生じせしめる開閉弁とから構成され
た真空倍力機構をそなえるとともに、該ブレーキペダル
が踏み込まれていなくても該ブレーキペダル連動部材を
ブレーキ操作側へ駆動して該マスタシリンダを操作しう
る自動ブレーキ用アクチュエータをそなえ、該自動ブレ
ーキ用アクチュエータが、該ブレーキペダル連動部材に
対して該ブレーキ操作側へ押圧しうるが該ブレーキペダ
ルの踏み込みによる該ブレーキペダル連動部材の該ブレ
ーキ操作側への前進を妨げないように、該ブレーキペダ
ル連動部材に当接しうるように設置されたピストンと、
該ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を
与えうる油圧室と、該油圧室内の油圧を調整する油圧調
整機構と、該ピストンを該ブレーキ操作側とは反対方向
へ付勢するリターンスプリングとをそなえて構成されて
いることを特徴としている。
【0011】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置は、請求項1記載の構成において、該ブレ
ーキペダル連動部材が該真空倍力機構の本体の中心を貫
通するように配設された軸状の部材であって、該ブレー
キペダル連動部材の外周に、該ブレーキ操作側へ向けて
押圧力を受ける受圧面が形成されて、該ピストンに、該
受圧面に当接して該ブレーキ操作側への押圧力を与える
押圧面が形成されていることを特徴としている。
【0012】また、請求項3記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置は、請求項1又は2記載の構成において、
該真空倍力機構本体のケース部材の後端を覆うカバー部
材が装着され、該カバー部材と該ケース部材の後端面と
で覆われた閉空間内に、該ピストンが内装されているこ
とを特徴としている。また、請求項4記載の本発明の車
両用自動ブレーキ装置は、請求項1〜3のいずれかに記
載の構成において、該油圧調整機構が、油圧源と、該油
圧源と該圧力室との間に介設された油路と、該油路の途
中に介装されて、該油圧源からの作動油を該圧力室に送
給する送給モードと送給を停止する停止モードとをそな
えた切換弁と、該切換弁を通じて送給された作動油の油
圧を制御する圧力制御弁とから構成されていることを特
徴としている。
【0013】また、請求項5記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置は、請求項4記載の構成において、該油圧
調整機構の油圧源及び油路の一部が、車両用油圧式四輪
操舵装置と併用されていることを特徴としている。ま
た、請求項6記載の本発明の車両用自動ブレーキ装置
は、請求項4又は5記載の構成において、該油圧調整機
構の油圧源及び油路の一部が、車両用自動操舵装置と併
用されていることを特徴としている。
【0014】また、請求項7記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置は、請求項4〜6のいずれかに記載の構成
において、該油圧源が、タンクから作動油を吸い上げる
作動油駆動手段と、該作動油駆動手段からの作動油を貯
留する蓄圧手段とから構成されていることを特徴として
いる。
【0015】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の車両用自動ブレ
ーキ装置では、自動ブレーキ用アクチュエータでは、油
圧調整機構を通じて油圧室内に油圧が与えることで、ピ
ストンをブレーキ操作側へ駆動することができ、ピスト
ンがブレーキ操作側へ進むと、ブレーキペダルが踏み込
まれていなくても、ブレーキペダル連動部材がブレーキ
操作側へ駆動されるので、マスタシリンダがブレーキ力
の発生する側へ操作される。これにより、自動的にブレ
ーキを与えることができる。
【0016】また、このとき、真空倍力機構では、開閉
弁がブレーキペダル連動部材と連動して負圧室内と大気
圧室内との間に圧力差を生じせしめるので、ブレーキペ
ダル連動部材のブレーキ操作側への駆動がこの真空倍力
機構によってアシストされ、より速やかに、自動的なブ
レーキを与えることができる。また、該ピストンは、該
ブレーキペダルの踏み込みによる該ブレーキペダル連動
部材の該ブレーキ操作側への前進を妨げないように設置
されているので、ドライバが車両にブレーキを加えたけ
れば、ブレーキペダルを踏み込んで該ブレーキペダル連
動部材を該ブレーキ操作側へ移動させて該真空倍力機構
によるアシストを利用しながら、マスタシリンダをブレ
ーキ力の発生する側へ操作して、車両にブレーキを与え
ることができる。
【0017】上述の請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置では、上記請求項1にかかるピストンの動
作時に、該ピストンがブレーキ操作側へ駆動されると、
該ピストンに形成された押圧面が、該ブレーキペダル連
動部材の外周に形成された受圧面に当接してブレーキ操
作側へ向けて押圧力を与える。これにより、該ブレーキ
ペダル連動部材が該ブレーキ操作側へ駆動されるので、
マスタシリンダがブレーキ力の発生する側へ操作され、
自動ブレーキが与えられる。
【0018】一方、該ピストンの押圧面は、該ブレーキ
ペダル連動部材の受圧面に当接するが特に結合していい
ないので、該受圧面は該押圧面から自由に離隔でき、こ
れにより、該ピストンが該ブレーキペダルの踏み込みに
よる該ブレーキペダル連動部材の該ブレーキ操作側への
前進を妨げないという状態が達成される。上述の請求項
3記載の本発明の車両用自動ブレーキ装置では、該真空
倍力機構本体のケース部材の後端にカバー部材を装着す
るとともに、この内部にピストンが内装することで、ピ
ストン及び油圧室を設けることができるので、既存の真
空倍力機構本体を利用してカバー部材やピストンを後付
けするなどしても、本装置を形成することが可能にな
る。
【0019】上述の請求項4記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置では、上記の油圧調整機構において、切換
弁を送給モードと停止モードとのいずれかに設定する
が、送給モードに設定されると、該油圧源からの作動油
を油路を介して該圧力室に送給できるようになり、圧力
制御弁によって、この切換弁を通じて送給された作動油
の油圧を制御しながら、該圧力室の油圧調整を行なう。
また、切換弁が停止モードに設定されると、該油圧源か
らの該圧力室への作動油の送給が停止される。
【0020】上述の請求項5記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置では、油圧系の構成が簡素化される。上述
の請求項6記載の本発明の車両用自動ブレーキ装置で
は、油圧系の構成が簡素化される。上述の請求項7記載
の本発明の車両用自動ブレーキ装置では、作動油駆動手
段が、タンクから作動油を吸い上げると、この作動油駆
動手段からの作動油が蓄圧手段に貯留される。このた
め、油圧源として安定した作動油圧が得られるようにな
る。
【0021】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用自動ブレーキ装置について説明すると、図1は
その自動ブレーキ用アクチュエータの要部構成を示す真
空倍力機構の部分断面図、図2はその自動ブレーキ用ア
クチュエータの油圧調整機構を示す模式的な構成図、図
3はその真空倍力機構を示す断面図である。
【0022】図2に示すように、本車両用自動ブレーキ
装置は、マスターバック(真空倍力機構)1をそなえた
ブレーキ装置に付設されたものである。このマスターバ
ック1は、ブレーキペダル2と連動するオペレーティン
グロッド(ブレーキペダル連動部材)3のブレーキ操作
側への動きを加勢するが、本車両用自動ブレーキ装置の
自動ブレーキ用アクチュエータ(以下、ブレーキアクチ
ュエータ)4はこのオペレーティングロッド3をブレー
キ操作側へ駆動することで、図示しないマスタシリンダ
を通じてキャリパ側のブレーキピストン(図示略)を駆
動してブレーキ操作を行なうようになっている。
【0023】まず、マスターバック1について詳述する
と、図3に示すように、このマスターバック1は、図示
しないマスタシリンダの後部(即ち、ブレーキペダル2
とマスタシリンダとの間)にそなえられれており、ケー
ス6内に、ブレーキペダル2と結合するオペレーティン
グロッド3とマスタシリンダと結合するプッシュロッド
5との間に介装された可動ベース部材7をそなえてい
る。
【0024】可動ベース部材7は、オペレーティングロ
ッド3及びプッシュロッド5と同軸上にそなえられ、こ
の可動ベース部材7の外周とケース6の内周との間に
は、ダイヤフラム8が介設されている。ケース6内はこ
のダイヤフラム8及び可動ベース部材7によって、エン
ジン負圧を導かれる負圧室9と大気圧を導かれる大気圧
室10とに区画されている。
【0025】また、可動ベース部材7とケース6の内壁
との間には、可動ベース部材7を反ブレーキ操作側(即
ち、図3中、右方)へ付勢するリターンスプリング11
が介装されており、負圧室9と大気圧室10との圧力差
がこのリターンスプリング11の付勢力よりも大きい力
を発揮すると、ダイヤフラム8及び可動ベース部材7が
ブレーキ操作側(即ち、図3中、左方)へ駆動されるよ
うになっている。
【0026】そして、負圧室9と大気圧室10との間に
は、これらの各室9,10を連通しうるバルブ12が設
けられている。このバルブ12は、可動ベース部材7に
介装され、オペレーティングロッド3が可動ベース部材
7に対して後退していると、開放して、負圧室9と大気
圧室10との圧力差を解消させ、オペレーティングロッ
ド3が可動ベース部材7に対してブレーキ操作側(即
ち、図3中、左方)に前進すると、閉鎖して、負圧室9
と大気圧室10との間に圧力差を発生させるようになっ
ている。また、オペレーティングロッド3は外力を受け
なければ可動ベース部材7に対してバルブ12を開放す
る初期位置に戻るようにリターンスプリング13により
付勢されている。
【0027】これにより、オペレーティングロッド3に
ブレーキ操作力(ブレーキペダルの踏み込み力)が働か
なければ、負圧室9と大気圧室10との圧力差が減少し
てリターンスプリング11の付勢力によりダイヤフラム
8及び可動ベース部材7が反ブレーキ操作側へ駆動され
るが、オペレーティングロッド3にブレーキ操作力が働
けば、負圧室9と大気圧室10との圧力差が増大してリ
ターンスプリング11の付勢力によりダイヤフラム8及
び可動ベース部材7がブレーキ操作側へ駆動され、オペ
レーティングロッド3へのブレーキ操作力を加勢するよ
うになっている。
【0028】オペレーティングロッド3をブレーキ操作
側へ駆動する力、即ち、ブレーキ操作力は、通常はブレ
ーキペダル2を通じてドライバの踏力で与えられるが、
本車両用自動ブレーキ装置のブレーキアクチュエータ4
は、このドライバの踏力に代わってオペレーティングロ
ッド3にブレーキ操作力を与えるように構成されてい
る。
【0029】ここで、ブレーキアクチュエータ4につい
て説明すると、このブレーキアクチュエータ4は、図2
に示すように、オペレーティングロッド3に当接しうる
ピストン14と、このピストン14をブレーキ操作側へ
駆動するような油圧を与えるための油圧室15と、この
油圧室15内の油圧を調整する油圧調整機構16と、ピ
ストン14を反ブレーキ操作側へ付勢するリターンスプ
リング17とをそなえて構成される。
【0030】このうち、ピストン14は、図1に示すよ
うに、マスターバック1の後端部(ブレーキペダル2側
の端部)に、オペレーティングロッド3をブレーキ操作
側へ押圧しうるがブレーキペダルの踏み込みによるオペ
レーティングロッド3のブレーキ操作側への前進を妨げ
ないように、設けられている。即ち、マスターバック1
のケース6の後端には、カバー6Aが装着されており、
このカバー6Aの内部で且つオペレーティングロッド3
の外周上に環状のピストン14がオペレーティングロッ
ド3の軸心上に沿うように配設されている。そして、ピ
ストン14に設けられたフランジ部14Aの押圧面14
aがオペレーティングロッド3に設けられたフランジ部
3Aの受圧面3aにブレーキ操作側(マスターバック1
の外側であって、図2中、右方)から当接しており、ピ
ストン14がブレーキ操作側へ移動するとオペレーティ
ングロッド3に押圧力を与えてブレーキ操作側へ駆動す
るが、ピストン14がブレーキ操作側へ移動しなくても
オペレーティングロッド3は自由にブレーキ操作側へ移
動しうるようになっている。なお、28はダッシュパネ
ルを示す。
【0031】また、油圧調整機構16は、図2に示すよ
うに、リザーバタンク18と、このタンク18から油圧
室15に至る油圧回路19とをそなえ、この油圧回路1
9内には、作動油駆動手段としてのポンプ20,分流弁
21,逆止弁22,蓄圧手段としてのアキュムレータ2
3,自動ブレーキ切換弁24,圧力制御弁(減圧弁)2
5が介設されている。すなわち、この油圧回路では、ポ
ンプ20とアキュムレータ23とから油圧源が構成され
ている。
【0032】ポンプ20は、タンク18から作動油を吸
い上げるが、これにより吸い上げられた作動油は、分流
弁21で分流されてその一部を4輪操舵系(4WS)へ
供給されるようになっている。そして、残りの作動油
が、パワーステアリング系(P/S)と本自動ブレーキ
装置へと供給されるようになっている。そして、本自動
ブレーキ装置へ供給された作動油は、逆止弁22及びア
キュムレータ23により、所定の圧力レベルに調整され
たうえで、自動ブレーキ切換弁24及び圧力制御弁25
へと導かれるようになっている。
【0033】自動ブレーキ切換弁24は、圧力制御弁2
5へ作動油を供給する自動ブレーキ作動モードと圧力制
御弁25へ作動油を供給しない自動ブレーキ非作動モー
ドとのいずれかをとる弁体24Aをそなえ、弁体24A
は、リターンスプリング24Bにより弁閉鎖側即ち自動
ブレーキ非作動モードの側へ付勢されており、ソレノイ
ド24Cが通電されて磁力を発揮すると、弁開放側即ち
自動ブレーキ作動モード側へ駆動され、ソレノイド24
Cが通電されなければ、図2に示すように、リターンス
プリング24Bにより弁閉鎖側即ち自動ブレーキ非作動
モード側へ駆動されるようになっている。
【0034】圧力制御弁25は、吐出圧を調整しうる弁
体25Aをそなえ、弁体25Aは、リターンスプリング
25Bにより閉鎖側へ付勢されており、ソレノイド25
Cが通電されて磁力を発揮すると、その磁力に応じて開
放しながら磁力に応じた吐出圧の作動油を油圧室15へ
供給して過剰な作動油はタンク18に戻し、逆に、油圧
室15側の圧力が高ければ油圧室15側の圧力をソレノ
イド25Cの磁力に応じた吐出圧まで下げるべく油圧室
15側の作動油をタンク18に戻すようになっている。
【0035】即ち、自動ブレーキ切換弁24のソレノイ
ド24Cへ電流を供給すると自動ブレーキを作動させる
ことができ、ソレノイド24Cへ電流供給を停止すると
自動ブレーキを停止させることができ、また、自動ブレ
ーキの作動時には、圧力制御弁25のソレノイド25C
への電流を調整することで、油圧室15内の油圧を調整
しこれにより自動ブレーキのブレーキ力を調整すること
ができるようになっている。
【0036】そして、各ソレノイド24C,25Cは、
電子制御ユニット(ECU)26により、制御されるよ
うになっている。例えば、ECU26では、図4に示す
ように、車両に装備された図示しない前方状況検出セン
サで前方の車両との車間距離Lを検出して、この車間距
離Lが一定値以下になったら、マップA(図5参照)で
示すように、その車間距離Lに応じて自動ブレーキを作
用させ、前方の車両との接近度合(即ち、負の相対速
度:−dL/dt)に応じて、接近度合が一定度合以上
になったら、マップB(図6参照)で示すように、その
接近度合いに応じて自動ブレーキを作用させたりするよ
うに設定されている。そして、自動ブレーキをどの程度
作用させるかは、車間距離Lや接近度合(−dL/d
t)に応じて目標減速度αa を設定する一方で、車両の
実減速度αr を図示しないセンサで検出しながら、実減
速度αr が目標減速度αa に達するまで自動ブレーキを
作動させて、実減速度αr が目標減速度α a に達っした
ら自動ブレーキを作動させるようになっている。
【0037】また、自動ブレーキを作動させる場合に
は、圧力制御弁25をフィードバックによらずフィード
フォワード制御するようになっている。つまり、例え
ば、図7に示すように、目標減速度αa に応じた指示電
流Iを設定し、この指示電流Iをソレノイド25Cに供
給して、油圧室15内の油圧を目標減速度αa に応じた
ものに調整して自動ブレーキのブレーキ力を制御するの
である。実際には、ECU26は、目標減速度αa に応
じた指示電圧Vを設定し、この指示電圧Vをバルブ駆動
回路27の増幅回路(Kamp )に送ると、バルブ駆動回
路27では指示電圧Vに応じたバルブ駆動電流(指示電
流)Iを圧力制御弁25に出力するようになっている。
したがって、実際の制御では、この目標減速度αa に応
じた指示電圧Vを設定する必要がある。
【0038】なお、図8は、乾燥アスファルト路(ブレ
ーキ路)上で所定速度から指示電圧Vを代えた種々のモ
ードで減速させた実験結果であり、指示電圧Vに対する
減速度αa の変化(減速度制御性)を示している。図示
するように、指示電圧Vに基づいて、減速度αa の制御
を行なえることがわかる。本発明の一実施例としての車
両用自動ブレーキ装置は、上述のように構成されるの
で、例えば図9に示すような流れで、自動ブレーキを作
動させる。即ち、図示しないセンサで車両の実減速度α
r を検出し(ステップS1)、この一方で、例えば、図
4に示すようにして、前方の車両との車間距離Lや前方
の車両との接近度合(−dL/dt)に応じて、各マッ
プ(図5,6参照)から目標減速度α a を設定する(ス
テップS2)。
【0039】ついで、実減速度αr が目標減速度αa
下かを判断し(ステップS3)、実減速度αr が目標減
速度αa 以下ならば、ステップS4に進んで、自動ブレ
ーキ切換弁24をオンにセットして、自動ブレーキを作
動させる。即ち、自動ブレーキ切換弁24のソレノイド
24Cへ電流を供給して、自動ブレーキ切換弁24を開
通する。
【0040】そして、ステップS5に進んで、圧力制御
弁(減圧弁)25の作動を制御する。即ち、ECU26
で、目標減速度αa に応じた指示電圧Vをバルブ駆動回
路に送ってバルブ駆動回路から指示電圧Vに応じたバル
ブ駆動電流(指示電流)Iを圧力制御弁25に出力す
る。これにより、油圧室15内の油圧が調整されて、こ
の油圧に応じて、ピストン14がブレーキ操作側へ駆動
され、これに伴いオペレーティングロッド3もブレーキ
操作側へ駆動される。そして、オペレーティングロッド
3に連動してプッシュロッド5がブレーキ操作側へ移動
してマスタシリンダを作動させて、キャリパ側のブレー
キピストン(図示略)が駆動され、目標減速度αa に応
じるようなブレーキ力が車輪を通じて与えられる。
【0041】そして、このような圧力制御弁25の制御
を行なって、実減速度αr が目標減速度αa に達した
ら、ステップS3からステップS6へ進んで、自動ブレ
ーキ切換弁24をオフに切り換えて、自動ブレーキを停
止させる。即ち、自動ブレーキ切換弁24のソレノイド
24Cへの電流供給を停止して、自動ブレーキ切換弁2
4を閉鎖するのである。
【0042】このようにして、本車両用自動ブレーキ装
置では、圧縮性流体である空気を用いるのでなく、非圧
縮性流体である作動油(液体)を用いて、自動ブレーキ
のブレーキ制御が行なわれるので、制御応答性を良好に
でき、また、最大制御圧力も大きく設定しやすい。さら
に、このような自動ブレーキの作動時にも、オペレーテ
ィングロッド3のブレーキ操作側への移動に伴い、マス
ターバック1のバルブ12が閉鎖されて、負圧室9と大
気圧室10との圧力差による力が、オペレーティングロ
ッド3へのブレーキ操作力を加勢する。
【0043】このように、非圧縮性流体を用いること、
及び、マスターバック1の加勢を利用することにより、
油圧室15内への供給油圧を比較的小さく設定しても、
マスターバック1の加勢により、マスタシリンダを十分
な速度で十分な量だけ駆動することができる。即ち、ブ
レーキアクチュエータ4を小型化しながらも、十分な制
御応答性や十分な最大制御量を得られるようになる利点
がある。勿論、消費エネルギの増大を招くことなくブレ
ーキ制御を行なえ、また、十分なブレーキ力も得られ
る。
【0044】また、自動ブレーキを作動させない場合に
は、自動ブレーキ切換弁24のソレノイド24Cへ電流
の供給を停止する。これにより、ピストン14は後退位
置に保持されるが、オペレーティングロッド3はピスト
ン14に拘束されることなく自由にブレーキ操作側へ移
動しうるので、ブレーキペダル2が踏み込まれると、オ
ペレーティングロッド3がブレーキ操作側へ移動し、マ
スターバック1の加勢を受けながら、オペレーティング
ロッド3,プッシュロッド5がブレーキ操作側へ移動し
てマスタシリンダを作動させ、キャリパ側のブレーキピ
ストンが駆動され、ブレーキペダル2の踏み込みに応じ
たブレーキ力が車輪を通じて与えられる。
【0045】また、本車両用自動ブレーキ装置の制御系
がフェイルした場合、即ち、自動ブレーキ切換弁24の
ソレノイド24Cや圧力制御弁25のソレノイド25C
への電流の供給を行なえない場合には、ピストン14が
後退位置に保持され、上述と同様に、ブレーキペダル2
に応じたブレーキ性能は何ら損なわれることなく確保さ
れる。
【0046】また、本車両用自動ブレーキ装置は、マス
ターバック1をそなえた既存の車両用ブレーキ装置に、
ブレーキアクチュエータ4、即ち、ピストン14,油圧
室15,油圧調整機構16及びリターンスプリング17
を追加するだけで、既存の装置を最大限生かしながら容
易に設置することができ、コスト的にも有利である。も
ちろん、本実施例のブレーキ装置のように、パワーステ
アリングの油圧系をそなえていれば、このパワーステア
リングの油圧系を油圧調整機構16に利用できて、コス
ト的に更に有利になる。
【0047】ところで、図7又は図8に示すようなマッ
プに基づいて、目標減速度αa に応じて、指示電流I又
は指示電圧Vを制御する手段は、自動ブレーキの作動中
にドライバがブレーキペダル2を踏み込んだ場合を考慮
していないが、本装置では、自動ブレーキの作動中にド
ライバが自由にブレーキペダル2を踏み込んでブレーキ
力を加えることができるので、この点を考慮する必要が
ある。
【0048】即ち、図10に示すように、ECU26で
指示電圧Vが設定されると、バルブ駆動回路27からこ
の指示電圧Vに応じたバルブ駆動電流Iが圧力制御弁
(減圧弁)25に供給されて、圧力制御弁25を通じて
バルブ駆動電流Iに応じた油圧Pが出力される。する
と、ピストン14からは、この油圧Pとピストン14の
面積Aとの積に応じた力A・Pがオペレーティングロッ
ド押圧力(自動ブレーキによるブレーキ操作力)F1
(=A・P)としてオペレーティングロッド3に与えら
れる。
【0049】一方、ドライバがブレーキペダル2を踏み
込むと、ドライバの踏力にブレーキペダル2のペダル比
を掛けた力F2がオペレーティングロッド押圧力(ドラ
イバによるブレーキ操作力)としてオペレーティングロ
ッド3に与えられる。結果として、オペレーティングロ
ッド(図10中のand回路が相当する)3には、二つ
の押圧力F1,F2の合力F3(=F1+F2)が入力
されることになる。マスタバック1には、この合力F3
からリターンスプリング11の反力kxを減じた力F4
(F3−kx)が働き、マスタシリダでは、マスタバッ
ク特性図10中の特性図参照)に応じて(この入力F4
に対応した吐出圧Pbが出力される。そして、この吐出
圧Pbとキャリパ側のブレーキシリンダのピストン面積
Amとの積に応じた力Am・Pがブレーキ力F5(=A
m・P)として車両に与えられる。
【0050】このように、制御パラメータVは、and
回路に相当するオペレーティングロッド3の上流側であ
るが、制御目標はオペレーティングロッド3の下流側で
あるため、制御系としては、結合部(and回路)より
も下流側のパラメータをフィードバック制御又はフィー
ドフォワード制御により制御量(制御パラメータV)を
設定する必要がある。
【0051】この一手段としては、例えばドライバのブ
レーキペダル2を踏み込み状態から、結合部(and回
路)よりも下流側のパラメータであるブレーキ液圧を予
測して、この予測に基づく、フィードフォワード制御が
考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用自動ブレーキ装置によれば、ブレーキペダ
ルと連動して進退しマスタシリンダを操作するブレーキ
ペダル連動部材と、該ブレーキペダル連動部材に接続さ
れたダイヤフラム,該ダイヤフラムで仕切られた負圧室
及び大気圧室,該ブレーキペダルの踏み込み時に該ブレ
ーキペダルの踏み込み力をアシストするために該ブレー
キペダル連動部材と連動して該負圧室内と該大気圧室内
との間に圧力差を生じせしめる開閉弁とから構成された
真空倍力機構をそなえるとともに、該ブレーキペダルが
踏み込まれていなくても該ブレーキペダル連動部材をブ
レーキ操作側へ駆動して該マスタシリンダを操作しうる
自動ブレーキ用アクチュエータをそなえ、該自動ブレー
キ用アクチュエータが、該ブレーキペダル連動部材に対
して該ブレーキ操作側へ押圧しうるが該ブレーキペダル
の踏み込みによる該ブレーキペダル連動部材の該ブレー
キ操作側への前進を妨げないように、該ブレーキペダル
連動部材に当接しうるように設置されたピストンと、該
ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を与
えうる油圧室と、該油圧室内の油圧を調整する油圧調整
機構と、該ピストンを該ブレーキ操作側とは反対方向へ
付勢するリターンスプリングとをそなえて構成されるこ
とにより、以下のような効果や利点を得ることができる
ようになる。 (1)非圧縮性流体を用いること及び真空倍力機構の加
勢を利用することから自動ブレーキ用アクチュエータを
小型化しながら十分な制御応答性や十分な最大制御量
(即ち、ブレーキ力)を得られるようになる利点があ
る。勿論、消費エネルギの増大を招くことなくブレーキ
制御を行なえる。 (2)本自動ブレーキ装置の作動時にも、ブレーキペダ
ルを通じての通常のブレーキ操作を加えることが可能で
あり、また、本自動ブレーキ装置の制御系等がフェイル
した場合にも、ブレーキペダルを通じての通常のブレー
キ操作性能を確保できる。 (3)真空倍力機構をそなえた既存の車両用ブレーキ装
置に、ブレーキアクチュエータを追加するだけで設置で
き、既存の装置を最大限生かしながら低コストで且つ容
易に設置することができる。
【0053】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項1記載の構成において、
該ブレーキペダル連動部材が該真空倍力機構の本体の中
心を貫通するように配設された軸状の部材であって、該
ブレーキペダル連動部材の外周に、該ブレーキ操作側へ
向けて押圧力を受ける受圧面が形成されて、該ピストン
に、該受圧面に当接して該ブレーキ操作側への押圧力を
与える押圧面が形成されていることにより、上述の
(2)の効果、即ち、自動ブレーキ装置の作動時にもブ
レーキペダルを通じての通常のブレーキ操作を加えるこ
とが可能となり、また、本自動ブレーキ装置の制御系等
がフェイルした場合にもブレーキペダルを通じての通常
のブレーキ操作性能を確保できる、という効果を、より
確実に得られるようになる。
【0054】また、請求項3記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項1又は2記載の構成にお
いて、該真空倍力機構本体のケース部材の後端を覆うカ
バー部材が装着され、該カバー部材と該ケース部材の後
端面とで覆われた閉空間内に、該ピストンが内装されて
いることにより、上述の(3)の効果、即ち、既存の装
置を最大限生かしながら低コストで且つ容易に設置する
ことができる効果を、より確実に得られるようになる。
【0055】また、請求項4記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項1〜3のいずれかに記載
の構成において、該油圧調整機構が、油圧源と、該油圧
源と該圧力室との間に介設された油路と、該油路の途中
に介装されて、該油圧源からの作動油を該圧力室に送給
する送給モードと送給を停止する停止モードとをそなえ
た切換弁と、該切換弁を通じて送給された作動油の油圧
を制御する圧力制御弁とから構成されていることによ
り、適切な油圧制御を行なえるようになって、自動ブレ
ーキの性能を向上させることができる。
【0056】また、請求項5記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項4記載の構成において、
該油圧調整機構の油圧源及び油路の一部が、車両用油圧
式四輪操舵装置と併用されていることにより、油圧系の
構成が簡素化されて、車両の総合的な自動制御を構成す
るうえで、装置の小型化や設置コストの低減等の利点が
得られる。
【0057】また、請求項6記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項4又は5記載の構成にお
いて、該油圧調整機構の油圧源及び油路の一部が、車両
用自動操舵装置と併用されていることにより、油圧系の
構成が簡素化されて、車両の総合的な自動制御を構成す
るうえで、装置の小型化や設置コストの低減等の利点が
得られる。
【0058】また、請求項7記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項4〜6のいずれかに記載
の構成において、該油圧源が、タンクから作動油を吸い
上げる作動油駆動手段と、該作動油駆動手段からの作動
油を貯留する蓄圧手段とから構成されていることによ
り、安定した油圧源油圧が得られるようになり、油圧制
御を精度良く行なえるようになって、自動ブレーキの性
能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ用アクチュエータの要部構成を示す
真空倍力機構の部分断面図である。
【図2】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ用アクチュエータの油圧調整機構を
示す模式的な構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置をそなえたブレーキ系に装備される真空倍力機構の
断面図である。
【図4】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めの信号処理系を示す図である。
【図5】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めのマップを示す図である。
【図6】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めのマップを示す図である。
【図7】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御における減速度と指示電流との
関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御における減速度と制御電圧との
関係の実験結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御の手順を示すフローチャートで
ある。
【図10】本発明の一実施例としての車両用自動ブレー
キ装置をそなえたブレーキ系のブレーキ力の伝達経路を
示す模式的なブロック図である。
【図11】従来の電動モータ方式のアクチュエータヲ用
いた車両用自動ブレーキ装置を示す模式的な構成図であ
る。
【符号の説明】
1 マスターバック(真空倍力機構) 2 ブレーキペダル 3 オペレーティングロッド(ブレーキペダル連動部
材) 3A フランジ部 3a 受圧面 4 自動ブレーキ用アクチュエータ(ブレーキアクチュ
エータ) 5 プッシュロッド 6 ケース 6A カバー 7 可動ベース部材 8 ダイヤフラム 9 負圧室 10 大気圧室 11 リターンスプリング 12 バルブ 13 リターンスプリング 14 ピストン 14A フランジ部 14a 押圧面 15 油圧室 16 油圧調整機構 17 リターンスプリング 18 リザーバタンク 19 油圧回路 20 作動油駆動手段としてのポンプ(油圧源) 21 分流弁 22 逆止弁 23 蓄圧手段としてのアキュムレータ(油圧源) 24 自動ブレーキ切換弁 25 圧力制御弁(減圧弁) 24A 弁体 24B リターンスプリング 24C ソレノイド 25A 弁体 25B リターンスプリング 25C ソレノイド 26 電子制御ユニット(ECU) 27 バルブ駆動回路 28 ダッシュパネル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 5/07 B 8510−3D (72)発明者 前村 高広 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルと連動して進退しマスタ
    シリンダを操作するブレーキペダル連動部材と、該ブレ
    ーキペダル連動部材に接続されたダイヤフラムと、該ダ
    イヤフラムで仕切られた負圧室及び大気圧室と、該ブレ
    ーキペダルの踏み込み時に該ブレーキペダルの踏み込み
    力をアシストするために該ブレーキペダル連動部材と連
    動して該負圧室内と該大気圧室内との間に圧力差を生じ
    せしめる開閉弁とから構成された真空倍力機構をそなえ
    るとともに、 該ブレーキペダルが踏み込まれていなくても該ブレーキ
    ペダル連動部材をブレーキ操作側へ駆動して該マスタシ
    リンダを操作しうる自動ブレーキ用アクチュエータをそ
    なえ、 該自動ブレーキ用アクチュエータが、 該ブレーキペダル連動部材に対して該ブレーキ操作側へ
    押圧しうるが該ブレーキペダルの踏み込みによる該ブレ
    ーキペダル連動部材の該ブレーキ操作側への前進を妨げ
    ないように、該ブレーキペダル連動部材に当接しうるよ
    うに設置されたピストンと、 該ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を
    与えうる油圧室と、 該油圧室内の油圧を調整する油圧調整機構と、 該ピストンを該ブレーキ操作側とは反対方向へ付勢する
    リターンスプリングとをそなえて構成されていることを
    特徴とする、車両用自動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 該ブレーキペダル連動部材が該真空倍力
    機構の本体の中心を貫通するように配設された軸状の部
    材であって、 該ブレーキペダル連動部材の外周に、該ブレーキ操作側
    へ向けて押圧力を受ける受圧面が形成されて、 該ピストンに、該受圧面に当接して該ブレーキ操作側へ
    の押圧力を与える押圧面が形成されていることを特徴と
    する、請求項1記載の車両用自動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 該真空倍力機構本体のケース部材の後端
    を覆うカバー部材が装着され、 該カバー部材と該ケース部材の後端面とで覆われた閉空
    間内に、該ピストンが内装されていることを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の車両用自動ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 該油圧調整機構が、 油圧源と、 該油圧源と該圧力室との間に介設された油路と、 該油路の途中に介装されて、該油圧源からの作動油を該
    圧力室に送給する送給モードと送給を停止する停止モー
    ドとをそなえた切換弁と、 該切換弁を通じて送給された作動油の油圧を制御する圧
    力制御弁とから構成されていることを特徴とする、請求
    項1〜3のいずれかに記載の車両用自動ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 該油圧調整機構の油圧源及び油路の一部
    が、 車両用油圧式四輪操舵装置と併用されていることを特徴
    とする、請求項4記載の車両用自動ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 該油圧調整機構の油圧源及び油路の一部
    が、 車両用自動操舵装置と併用されていることを特徴とす
    る、請求項4又は5記載の車両用自動ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 該油圧源が、タンクから作動油を吸い上
    げる作動油駆動手段と、 該作動油駆動手段からの作動油を貯留する蓄圧手段とか
    ら構成されていることを特徴とする、請求項4〜6のい
    ずれかに記載の車両用自動ブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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