JPH07197354A - 編地の製造方法 - Google Patents
編地の製造方法Info
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- JPH07197354A JPH07197354A JP35315293A JP35315293A JPH07197354A JP H07197354 A JPH07197354 A JP H07197354A JP 35315293 A JP35315293 A JP 35315293A JP 35315293 A JP35315293 A JP 35315293A JP H07197354 A JPH07197354 A JP H07197354A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 防風性を要求される外衣に用いることができ
る編地の製造方法を提供する。 【構成】 編地の製造方法において、沸騰水収縮率が2
5%、最大熱応力が0.5g/d、ピーク温度が132℃
である30D/12Fのポリエステル系フィラメント糸
条を2本引き揃えたものと綿とを交撚させた複合糸を用
いて製編し、収縮処理を施し、カバーファクターCF=
0.72で、通気度が30.4cm3/cm2/sec である編地を得
る。
る編地の製造方法を提供する。 【構成】 編地の製造方法において、沸騰水収縮率が2
5%、最大熱応力が0.5g/d、ピーク温度が132℃
である30D/12Fのポリエステル系フィラメント糸
条を2本引き揃えたものと綿とを交撚させた複合糸を用
いて製編し、収縮処理を施し、カバーファクターCF=
0.72で、通気度が30.4cm3/cm2/sec である編地を得
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防風性を要求される外
衣に用いることができる編地の製造方法に関するもので
ある。
衣に用いることができる編地の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、編地は、織物に比べると密度
が高くないため、通気性がよく防風性に乏しいため防風
性を要求される外衣としてはあまり用いられていない。
しかし、柔軟性を持つ編地を外衣として用いるために、
防風性を備えた編地を製造する方法として、編地に樹脂
コーティングを施す方法やを高密度の編地を製造する方
法があった。
が高くないため、通気性がよく防風性に乏しいため防風
性を要求される外衣としてはあまり用いられていない。
しかし、柔軟性を持つ編地を外衣として用いるために、
防風性を備えた編地を製造する方法として、編地に樹脂
コーティングを施す方法やを高密度の編地を製造する方
法があった。
【0003】高密度の編地を製造する方法としては、編
密度を高くする方法、あるいは高収縮と低収縮の2種の
フィラメントによる複合糸を用いて製編した後、収縮処
理を施す方法等があった。
密度を高くする方法、あるいは高収縮と低収縮の2種の
フィラメントによる複合糸を用いて製編した後、収縮処
理を施す方法等があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来法のうち、
編地に樹脂コーティングを施す方法では、樹脂コーティ
ングされた編地は、風合いが硬く、蒸れ感があり、着用
時にスレ音が気になるという問題があった。また、樹脂
コーティング加工のために工程を増やさなければならな
いという欠点があった。
編地に樹脂コーティングを施す方法では、樹脂コーティ
ングされた編地は、風合いが硬く、蒸れ感があり、着用
時にスレ音が気になるという問題があった。また、樹脂
コーティング加工のために工程を増やさなければならな
いという欠点があった。
【0005】編密度を高くする方法では、密度に限界が
あり、また、特殊な編機が必要となり生産効率上問題が
あった。また、高収縮と低収縮の2種のフィラメントに
よる複合糸を用いて製編した後、収縮処理を施す方法で
は、得られた編地の風合いが硬く、吸放湿性が小さいた
め蒸れる等の問題があった。
あり、また、特殊な編機が必要となり生産効率上問題が
あった。また、高収縮と低収縮の2種のフィラメントに
よる複合糸を用いて製編した後、収縮処理を施す方法で
は、得られた編地の風合いが硬く、吸放湿性が小さいた
め蒸れる等の問題があった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑み、編地の密度が
十分高く防風性を有し、しかも風合いが柔軟で蒸れ感の
ない編地の製造方法を提供することを目的とする。
十分高く防風性を有し、しかも風合いが柔軟で蒸れ感の
ない編地の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、沸
水収縮率が20%以上、最大熱応力が0.4g/d以上、
かつピーク温度が100℃以上であるポリエステル系フ
ィラメント糸20〜70重量%とセルロース系ステープ
ル80〜30重量%とからなる複合糸を少なくとも50
重量%含有するように製編し、収縮処理を施して、カバ
ーファクターCF=0.65以上とすることを特徴とする
編地の製造方法に関するものである。
水収縮率が20%以上、最大熱応力が0.4g/d以上、
かつピーク温度が100℃以上であるポリエステル系フ
ィラメント糸20〜70重量%とセルロース系ステープ
ル80〜30重量%とからなる複合糸を少なくとも50
重量%含有するように製編し、収縮処理を施して、カバ
ーファクターCF=0.65以上とすることを特徴とする
編地の製造方法に関するものである。
【0008】また、沸水収縮率が20%以上、最大熱応
力が0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上で
あるポリエステル系フィラメント糸20〜70重量%と
セルロース系ステープル80〜30重量%とからなる複
合糸を少なくとも50重量%含有するように製編し、収
縮処理を施して、通気度を40cm3 /cm 2・sec
以下とすることを特徴とする編地の製造方法に関するも
のである。
力が0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上で
あるポリエステル系フィラメント糸20〜70重量%と
セルロース系ステープル80〜30重量%とからなる複
合糸を少なくとも50重量%含有するように製編し、収
縮処理を施して、通気度を40cm3 /cm 2・sec
以下とすることを特徴とする編地の製造方法に関するも
のである。
【0009】本発明において、沸水収縮率の測定方法は
次にとおりである。糸条の一端を固定し、他端に糸条の
1/10g/dの初荷重を吊し、正しく500mmの間
隔を図って両端に印を付け、初荷重を取り、これを沸騰
水中に30分間浸漬した後、取り出して軽く吸取紙また
は布で水を切り、水平状態で自然乾燥後、再び初荷重を
掛けて前記両端間の長さLを計り、下式により沸水収縮
率を算出する。 A=〔(500−L)/500〕×100 ここで、Aは沸水収縮率(%)とする。また、本発明に
おいて、最大熱応力、ピーク温度は以下の値とする。カ
ネボウエンジニアリング社製のKET−1型熱応力測定
器を用い、試料に0.015g/dの初荷重を掛け、昇温
速度180秒/300℃で昇温を行って熱応力曲線を得
て、この曲線の最大を示す値をもって最大熱応力とす
る。また、前記の最大熱応力の測定において、熱応力が
最大値を示すときの温度をもってピーク温度とする。
次にとおりである。糸条の一端を固定し、他端に糸条の
1/10g/dの初荷重を吊し、正しく500mmの間
隔を図って両端に印を付け、初荷重を取り、これを沸騰
水中に30分間浸漬した後、取り出して軽く吸取紙また
は布で水を切り、水平状態で自然乾燥後、再び初荷重を
掛けて前記両端間の長さLを計り、下式により沸水収縮
率を算出する。 A=〔(500−L)/500〕×100 ここで、Aは沸水収縮率(%)とする。また、本発明に
おいて、最大熱応力、ピーク温度は以下の値とする。カ
ネボウエンジニアリング社製のKET−1型熱応力測定
器を用い、試料に0.015g/dの初荷重を掛け、昇温
速度180秒/300℃で昇温を行って熱応力曲線を得
て、この曲線の最大を示す値をもって最大熱応力とす
る。また、前記の最大熱応力の測定において、熱応力が
最大値を示すときの温度をもってピーク温度とする。
【0010】本発明において使用するポリエステル系フ
ィラメント糸は、沸水収縮率が20%以上、最大熱応力
が0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上であ
る必要がある。
ィラメント糸は、沸水収縮率が20%以上、最大熱応力
が0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上であ
る必要がある。
【0011】ポリエステル系フィラメント糸の沸水収縮
率は、20%以上であることが必要であり、特に30〜
50%であるのが好ましい。沸水収縮率が20%未満に
なると、本発明において使用するセルロース系ステープ
ルとの収縮差が少なくなって、編地の表面に主としてセ
ルロース系ステープルを顕現させることが困難になる。
率は、20%以上であることが必要であり、特に30〜
50%であるのが好ましい。沸水収縮率が20%未満に
なると、本発明において使用するセルロース系ステープ
ルとの収縮差が少なくなって、編地の表面に主としてセ
ルロース系ステープルを顕現させることが困難になる。
【0012】ポリエステル系フィラメント糸の最大熱応
力は、0.4g/d以上であることが必要であり、特に
0.5〜0.7g/dであることが好ましい。最大熱応力が
0.4g/d未満になると、編地に十分な収縮を与えるこ
とができず、その表面に主としてセルロース系ステープ
ルを顕現させることが困難になる。製編した後、収縮処
理によりポリエステル系フィラメント糸を十分に収縮さ
せるためには、沸水収縮率だけでなく、加熱されたとき
に収縮する力である熱応力も十分に大きいことが必要で
ある。
力は、0.4g/d以上であることが必要であり、特に
0.5〜0.7g/dであることが好ましい。最大熱応力が
0.4g/d未満になると、編地に十分な収縮を与えるこ
とができず、その表面に主としてセルロース系ステープ
ルを顕現させることが困難になる。製編した後、収縮処
理によりポリエステル系フィラメント糸を十分に収縮さ
せるためには、沸水収縮率だけでなく、加熱されたとき
に収縮する力である熱応力も十分に大きいことが必要で
ある。
【0013】ポリエステル系フィラメント糸のピーク温
度は、100℃以上である必要がある。ピーク温度が1
00℃未満であると、低温で収縮する恐れがあり、収縮
工程以外の工程、たとえば製編工程等で収縮し、ポリエ
ステル系フィラメント糸の特性が収縮工程に至るまでに
低下したり、染色加工工程等において編地にシワを発生
させる恐れがあるので好ましくない。ここでピーク温度
とは熱応力が最大値を示すときの温度である。
度は、100℃以上である必要がある。ピーク温度が1
00℃未満であると、低温で収縮する恐れがあり、収縮
工程以外の工程、たとえば製編工程等で収縮し、ポリエ
ステル系フィラメント糸の特性が収縮工程に至るまでに
低下したり、染色加工工程等において編地にシワを発生
させる恐れがあるので好ましくない。ここでピーク温度
とは熱応力が最大値を示すときの温度である。
【0014】本発明において使用するポリエステル系フ
ィラメント糸は、前述した三条件を満足することが必要
である。例えば、沸水収縮率が40%であっても最大熱
応力値が0.4g/d未満であると、編地に十分な収縮を
与えることができない。また、最大熱応力値が0.4g/
d以上であっても沸水収縮率が20%未満であると、編
地に十分な収縮を与えることができない。すなわち、本
発明の目的とする収縮を編地に与えるには、従来の目安
であった沸水収縮率だけでは不十分であり、沸水収縮率
と最大熱応力値との両者が特定範囲であることが必要な
のである。
ィラメント糸は、前述した三条件を満足することが必要
である。例えば、沸水収縮率が40%であっても最大熱
応力値が0.4g/d未満であると、編地に十分な収縮を
与えることができない。また、最大熱応力値が0.4g/
d以上であっても沸水収縮率が20%未満であると、編
地に十分な収縮を与えることができない。すなわち、本
発明の目的とする収縮を編地に与えるには、従来の目安
であった沸水収縮率だけでは不十分であり、沸水収縮率
と最大熱応力値との両者が特定範囲であることが必要な
のである。
【0015】以上のごときポリエステル系フィラメント
糸は、ある特定のポリエステル重合体を溶融紡糸して得
ることができる。すなわち、エチレングリコールとテレ
フタル酸の合計が85モル%以上であり、イソフタル酸
等が15モル%以下よりなる三元共重合体ポリエステル
を使用して得ることができる。
糸は、ある特定のポリエステル重合体を溶融紡糸して得
ることができる。すなわち、エチレングリコールとテレ
フタル酸の合計が85モル%以上であり、イソフタル酸
等が15モル%以下よりなる三元共重合体ポリエステル
を使用して得ることができる。
【0016】本発明において使用するセルロース系ステ
ープルとしては、綿・麻・絹・毛・レーヨン・キュプラ
等の天然繊維が挙げられる。これらのうちでも綿は、風
合い等が良いため好ましい。
ープルとしては、綿・麻・絹・毛・レーヨン・キュプラ
等の天然繊維が挙げられる。これらのうちでも綿は、風
合い等が良いため好ましい。
【0017】本発明は、前記ポリエステル系フィラメン
ト糸20〜70重量%とセルロース系ステープル80〜
30重量%とからなる複合糸を使用する。複合糸中のポ
リエステル系フィラメント糸が20重量%未満になると
編地に十分なハリ、コシを与えることができなくなるの
で好ましくない。一方、複合糸中のポリエステル系フィ
ラメント糸が70重量%を越えると得られる編地の表面
にポリエステル系フィラメント糸が多く顕現する恐れが
生じるため好ましくない。
ト糸20〜70重量%とセルロース系ステープル80〜
30重量%とからなる複合糸を使用する。複合糸中のポ
リエステル系フィラメント糸が20重量%未満になると
編地に十分なハリ、コシを与えることができなくなるの
で好ましくない。一方、複合糸中のポリエステル系フィ
ラメント糸が70重量%を越えると得られる編地の表面
にポリエステル系フィラメント糸が多く顕現する恐れが
生じるため好ましくない。
【0018】また、複合糸の作成方法としては、前記ポ
リエステル系フィラメント糸とセルロース系ステープル
とを、混繊・交絡および/または交撚・精紡交撚等すれ
ばよい。混繊・交絡方法は公知の混繊・交絡糸の製造方
法によって適切な条件を選択することにより達成され
る。具体的には、流体交絡付与装置、例えばタスラン加
工ノズルやインターレース加工ノズルを用いて達成され
る。交撚方法も公知の交撚糸の製造方法によればよい。
精紡交撚に関しては、フィラメント糸を芯にしてこの周
囲をセルロース系ステープルで被覆した精紡交撚糸の作
り方として、フィラメント糸とセルロース系ステープル
粗糸を精紡段階で複合させるリング精紡長短複合式等が
ある。
リエステル系フィラメント糸とセルロース系ステープル
とを、混繊・交絡および/または交撚・精紡交撚等すれ
ばよい。混繊・交絡方法は公知の混繊・交絡糸の製造方
法によって適切な条件を選択することにより達成され
る。具体的には、流体交絡付与装置、例えばタスラン加
工ノズルやインターレース加工ノズルを用いて達成され
る。交撚方法も公知の交撚糸の製造方法によればよい。
精紡交撚に関しては、フィラメント糸を芯にしてこの周
囲をセルロース系ステープルで被覆した精紡交撚糸の作
り方として、フィラメント糸とセルロース系ステープル
粗糸を精紡段階で複合させるリング精紡長短複合式等が
ある。
【0019】得られた複合糸を使用して従来公知の編機
にて製編するが、複合糸は、編地中に少なくとも50重
量%以上含有されている必要がある。複合糸の量が50
重量%未満になると、編地に十分な収縮を与えることが
できないので好ましくない。編地の編組織は従来公知の
種々のものを任意に採用することができる。また、編地
の経密度及び緯密度は、40〜60コース及び20〜4
0ウェール程度のものでよい。
にて製編するが、複合糸は、編地中に少なくとも50重
量%以上含有されている必要がある。複合糸の量が50
重量%未満になると、編地に十分な収縮を与えることが
できないので好ましくない。編地の編組織は従来公知の
種々のものを任意に採用することができる。また、編地
の経密度及び緯密度は、40〜60コース及び20〜4
0ウェール程度のものでよい。
【0020】製編した後、熱処理による収縮処理を施し
てポリエステル系フィラメント糸を収縮させ、本発明の
編地を得る。熱処理は、乾熱でも湿熱でも、又それらの
併用でもよく、できるだけ張力を掛けず、繊維の持つ収
縮力が最大限に発揮されて均一に熱処理されればよい。
特に湿熱処理の場合には、90〜130℃の浴中でビー
ティングや液噴射、揉みなどを行い収縮を助長すること
が好ましい。すると織編物の表面はセルロース系ステー
プルでカバーされ、ポリエステル系フィラメント糸は内
部で織編物にハリ、コシを与え、風合い、外観ともに優
れた本発明の織編物を得る。
てポリエステル系フィラメント糸を収縮させ、本発明の
編地を得る。熱処理は、乾熱でも湿熱でも、又それらの
併用でもよく、できるだけ張力を掛けず、繊維の持つ収
縮力が最大限に発揮されて均一に熱処理されればよい。
特に湿熱処理の場合には、90〜130℃の浴中でビー
ティングや液噴射、揉みなどを行い収縮を助長すること
が好ましい。すると織編物の表面はセルロース系ステー
プルでカバーされ、ポリエステル系フィラメント糸は内
部で織編物にハリ、コシを与え、風合い、外観ともに優
れた本発明の織編物を得る。
【0021】収縮処理を施した後は、分散染料や酸性染
料等を用いて、従来公知の方法で染色を行ったり、ある
いは従来公知の仕上げ加工を行ってもよい。
料等を用いて、従来公知の方法で染色を行ったり、ある
いは従来公知の仕上げ加工を行ってもよい。
【0022】前記糸条を用いて製編し、収縮処理を施し
た編地は、下式で計算したカバーファクターCFが0.6
5以上であるのが望ましい。CF=1/L・M1/2ここ
でLは編地の1ループの平均長さ(cm)、Mは仕上げ
後の綿番手とする。
た編地は、下式で計算したカバーファクターCFが0.6
5以上であるのが望ましい。CF=1/L・M1/2ここ
でLは編地の1ループの平均長さ(cm)、Mは仕上げ
後の綿番手とする。
【0023】前記糸条を用いて製編し、収縮処理を施し
た編地の通気度は40cm3 /cm2 ・sec以下であ
るのが望ましい。40cm3 /cm2 ・secを越える
と防風性を備えているとはいいがたい。
た編地の通気度は40cm3 /cm2 ・sec以下であ
るのが望ましい。40cm3 /cm2 ・secを越える
と防風性を備えているとはいいがたい。
【0024】
【作用】本発明は、前記特定の沸水収縮率と最大熱応力
およびピーク温度を有するポリエステル系フィラメント
糸とセルロース系ステープルとからなる複合糸を用いて
製編し、収縮処理を施すことによって、密度の高い編地
の製造が可能となったものである。すなわち、前記複合
糸を用いて製編し、収縮処理を施すことによって、ポリ
エステル系フィラメント糸は十分に収縮し、一方セルロ
ース系ステープルは相対的に殆ど変位しない。よって、
ポリエステル系フィラメント糸とセルロース系ステープ
ル間に糸長差が増大し、セルロース系ステープルがポリ
エステル系フィラメント糸を被覆する構造となり、十分
に収縮させた編地の表面にはポリエステル系フィラメン
ト糸が看取されなくなり、セルロース系ステープルが顕
現する。また、ポリエステル系フィラメント糸の収縮に
より、編地の組織は高密度となり、編地にハリ、コシを
付与する。よって、樹脂コーティング等による樹脂で編
地が拘束されず、通気性が保たれ、吸湿性の高いセルロ
ース系ステープルが肌に接し、風合いが良好でムレ感の
ない防風性に優れた編地が得られる。
およびピーク温度を有するポリエステル系フィラメント
糸とセルロース系ステープルとからなる複合糸を用いて
製編し、収縮処理を施すことによって、密度の高い編地
の製造が可能となったものである。すなわち、前記複合
糸を用いて製編し、収縮処理を施すことによって、ポリ
エステル系フィラメント糸は十分に収縮し、一方セルロ
ース系ステープルは相対的に殆ど変位しない。よって、
ポリエステル系フィラメント糸とセルロース系ステープ
ル間に糸長差が増大し、セルロース系ステープルがポリ
エステル系フィラメント糸を被覆する構造となり、十分
に収縮させた編地の表面にはポリエステル系フィラメン
ト糸が看取されなくなり、セルロース系ステープルが顕
現する。また、ポリエステル系フィラメント糸の収縮に
より、編地の組織は高密度となり、編地にハリ、コシを
付与する。よって、樹脂コーティング等による樹脂で編
地が拘束されず、通気性が保たれ、吸湿性の高いセルロ
ース系ステープルが肌に接し、風合いが良好でムレ感の
ない防風性に優れた編地が得られる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 エチレングリコール成分とテレフタル酸成分以外にイソ
フタル酸成分を12モル%添加したポリエステルを溶融
紡糸して、沸水収縮率が25%、最大熱応力が0.5g/
d、ピーク温度が132℃であるポリエステル系フィラ
メント糸を得た。そして、ポリエステル系フィラメント
糸で構成した30デニール/12フィラメントのポリエ
ステル系フィラメント糸条を得た。前記30デニール/
12フィラメントのポリエステル系フィラメント糸条を
2本引き揃えたものと綿の粗糸を交撚させて、40S/
1、エステル/綿の混率が46/54、撚り数が28.5
T/inchである複合糸を得た。該複合糸を用いて製
編し、経密度54コース/inch、緯密度30ウェー
ル/inchの天竺組織の生機を得た。得られた生機
を、温度100℃、60分間の条件で液流染色機を用い
て過酸化水素で晒処理を施した後、温度130℃、30
分間の条件で分散染料によりポリエステル染色を行うと
同時に収縮処理を行った。次いで、水洗、乾燥させて本
発明による編地を得た。また、得た編地の10ループを
解編した時の1ループの平均長さは0.24cm、仕上げ
後の糸条は34S/1であった。
フタル酸成分を12モル%添加したポリエステルを溶融
紡糸して、沸水収縮率が25%、最大熱応力が0.5g/
d、ピーク温度が132℃であるポリエステル系フィラ
メント糸を得た。そして、ポリエステル系フィラメント
糸で構成した30デニール/12フィラメントのポリエ
ステル系フィラメント糸条を得た。前記30デニール/
12フィラメントのポリエステル系フィラメント糸条を
2本引き揃えたものと綿の粗糸を交撚させて、40S/
1、エステル/綿の混率が46/54、撚り数が28.5
T/inchである複合糸を得た。該複合糸を用いて製
編し、経密度54コース/inch、緯密度30ウェー
ル/inchの天竺組織の生機を得た。得られた生機
を、温度100℃、60分間の条件で液流染色機を用い
て過酸化水素で晒処理を施した後、温度130℃、30
分間の条件で分散染料によりポリエステル染色を行うと
同時に収縮処理を行った。次いで、水洗、乾燥させて本
発明による編地を得た。また、得た編地の10ループを
解編した時の1ループの平均長さは0.24cm、仕上げ
後の糸条は34S/1であった。
【0027】比較例1 44デニール/24フィラメントのレギュラーポリエス
テル系フィラメント糸条と綿の粗糸とを交撚させて40
S/1、エステル/綿の混率が34/66である複合糸
を得た以外は、実施例1と同様にして比較例1の編地を
得た。また、得た編地の10ループを解編した時の1ル
ープの平均長さは0.26cm、仕上げ後の糸条は40S
/1であった。
テル系フィラメント糸条と綿の粗糸とを交撚させて40
S/1、エステル/綿の混率が34/66である複合糸
を得た以外は、実施例1と同様にして比較例1の編地を
得た。また、得た編地の10ループを解編した時の1ル
ープの平均長さは0.26cm、仕上げ後の糸条は40S
/1であった。
【0028】比較例2 比較例1で得た編地に樹脂コーティングを施して比較例
2の編地を得た。実施例1、比較例1〜2で得られた編
地の厚さ、カバーファクター、通気度を測定し、その結
果を表1にまとめた。また、得た編地の10ループを解
編した時の1ループの平均長さは0.26cm、仕上げ後
の糸条は39S/1であった。
2の編地を得た。実施例1、比較例1〜2で得られた編
地の厚さ、カバーファクター、通気度を測定し、その結
果を表1にまとめた。また、得た編地の10ループを解
編した時の1ループの平均長さは0.26cm、仕上げ後
の糸条は39S/1であった。
【0029】
【表1】
【0030】表1からわかるように、実施例1で得られ
た編地は、加工後の収縮率が高く、加工後の目付が大き
く、厚みがあり、カバーファクターCFの値は大きく、
通気度が小さいものであった。また、適度のハリ、コシ
を有し、風合い及び外観の優れたものであった。比較例
1で得られた編地は、加工後の収縮率は低く、加工後の
目付が小さく、厚みのないものであり、カバーファクタ
ーCFの値は小さく、通気度の大きいものであった。ま
た、ハリ、コシに欠けるものであり、表面にイラツキが
みられた。比較例2で得られた編地は、加工後の収縮率
が低く、加工後の目付が大きく、厚みがあり、カバーフ
ァクターCFの値は小さいが、通気度の小さいものであ
った。しかし、風合いが悪くゴワゴワし、ムレ感があ
り、また表面にイラツキがみられた。
た編地は、加工後の収縮率が高く、加工後の目付が大き
く、厚みがあり、カバーファクターCFの値は大きく、
通気度が小さいものであった。また、適度のハリ、コシ
を有し、風合い及び外観の優れたものであった。比較例
1で得られた編地は、加工後の収縮率は低く、加工後の
目付が小さく、厚みのないものであり、カバーファクタ
ーCFの値は小さく、通気度の大きいものであった。ま
た、ハリ、コシに欠けるものであり、表面にイラツキが
みられた。比較例2で得られた編地は、加工後の収縮率
が低く、加工後の目付が大きく、厚みがあり、カバーフ
ァクターCFの値は小さいが、通気度の小さいものであ
った。しかし、風合いが悪くゴワゴワし、ムレ感があ
り、また表面にイラツキがみられた。
【0031】
【発明の効果】以上のごとく、本発明に係る方法により
得られた編地は、ハリ、コシを有し、通気度の小さい高
密度のものである。また、表面の感触がよく、ムレ感も
なく、外観にも優れたものである。よって、衣料用等、
特に防風性が要求される外衣等にも用いることができる
ものである。
得られた編地は、ハリ、コシを有し、通気度の小さい高
密度のものである。また、表面の感触がよく、ムレ感も
なく、外観にも優れたものである。よって、衣料用等、
特に防風性が要求される外衣等にも用いることができる
ものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 沸水収縮率が20%以上、最大熱応力が
0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上である
ポリエステル系フィラメント糸20〜70重量%とセル
ロース系ステープル80〜30重量%とからなる複合糸
を少なくとも50重量%含有するように製編し、収縮処
理を施して、カバーファクターCF=0.65以上とする
ことを特徴とする編地の製造方法。 - 【請求項2】 沸水収縮率が20%以上、最大熱応力が
0.4g/d以上、かつピーク温度が100℃以上である
ポリエステル系フィラメント糸20〜70重量%とセル
ロース系ステープル80〜30重量%とからなる複合糸
を少なくとも50重量%含有するように製編し、収縮処
理を施して、通気度を40cm3 /cm 2・sec以下
とすることを特徴とする編地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35315293A JPH07197354A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 編地の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35315293A JPH07197354A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 編地の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07197354A true JPH07197354A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18428919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35315293A Pending JPH07197354A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 編地の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07197354A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002235263A (ja) * | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Unitica Fibers Ltd | 防風性に優れたソフトな風合いの編物及びその製造方法 |
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US6828003B2 (en) | 1999-07-02 | 2004-12-07 | Malden Mills Industries, Inc. | Velour fabric articles having flame retardance and improved dynamic insulation performance |
US7560399B2 (en) | 1998-08-28 | 2009-07-14 | Mmi-Ipco, Llc | Multi-layer composite fabric garment |
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KR101498015B1 (ko) * | 2013-06-19 | 2015-03-03 | 주식회사 성안 | 방풍성 편성물 |
JP2016125147A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 東洋紡Stc株式会社 | ウォータースポーツウエア用低伸度編地 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35315293A patent/JPH07197354A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8129296B2 (en) | 1999-07-02 | 2012-03-06 | Mmi-Ipco, Llc | Velour fabric articles having improved dynamic insulation performance |
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