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JPH07196881A - 含フッ素系エラストマー加硫組成物 - Google Patents

含フッ素系エラストマー加硫組成物

Info

Publication number
JPH07196881A
JPH07196881A JP30275893A JP30275893A JPH07196881A JP H07196881 A JPH07196881 A JP H07196881A JP 30275893 A JP30275893 A JP 30275893A JP 30275893 A JP30275893 A JP 30275893A JP H07196881 A JPH07196881 A JP H07196881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
weight
vulcanization
divalent metal
extrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30275893A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Toda
圭一 戸田
Hiroshi Saito
廣 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Priority to JP30275893A priority Critical patent/JPH07196881A/ja
Priority to EP95904057A priority patent/EP0739378A1/en
Priority to PCT/US1994/012825 priority patent/WO1995015359A1/en
Publication of JPH07196881A publication Critical patent/JPH07196881A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0025Crosslinking or vulcanising agents; including accelerators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
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    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/14Peroxides

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)結合臭素を含有し特定の分子量分布を
もった含フッ素エラストマー、(B)ポリオール加硫配
合剤、ポリアミン配合剤、あるいはその両方、(C)有
機過酸化物、(D)多官能性不飽和化合物を含有してな
る含フッ素オラストマー加硫酸組成物。 【効果】 本発明の含フッ素系エラストマー加硫組成物
は、優れた押出加工性、ロール加工性を持ち、なおかつ
優れた物性、耐溶剤抽出性をあわせ持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な加硫性含フッ素系
エラストマー組成物に関するものである。さらに詳しく
いえば、本発明は良好な耐熱性、耐溶剤性、耐化学薬品
性を有する上、機械物性及び圧縮永久歪が改善された加
硫物を与えることができ、例えば燃料系統のホースをは
じめ、O−リング、シールリング、パッキン、ガスケッ
トなどのシール材やダイアフラム、ソレノイドバルブ、
ニードルバルブ、複写機ブレードや密着ロール、工業用
各種バルブ、あるいはその他異種材料との複合部品の材
料などに用いられ、特に耐化学薬品性や耐溶剤性が要求
される燃料ホース、バルブ、O−リングなどの材料とし
て好適に用いられる加硫酸性含フッ素系エスラトマー組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来含フッ素系エラストマーは、優れた
耐熱性、耐油性などを有していることから、各種の工業
分野、例えば自動車、船舶、航空機、油圧機器、一般機
械工業、公害防止関連部門などにおいて、Oリング、ガ
スケット、オイルシール、ダイヤフラム、ホース、ロー
ル、シート材などに用いられている。自動車分野におい
ては、その耐熱性、耐油性を利用して燃料系の部品、と
りわけホース類に多用されている。具体的には燃料ホー
ス、インタンクホース、フィラーホース等である。また
工業分野において長尺物のシートの用途がある。これら
ホース類、長尺物のシート類は押出加工によって得られ
る。しかし、これらの優れた性能を有するフッ素系エラ
ストマーであるが他のエラストマーに比べて加工性が劣
り、押出加工性などにおいて満足のいくものではない。
加工性を改良するためには分子量を下げる方法が一般に
取られるが、分子量を下げて流動性を上げた含フッ素系
エラストマーにおいては、ロール粘着が激しく作業上問
題があるばかりでなく低分子量成分はポリオール加硫に
おいて架橋しにくいため、圧縮永久歪などの重要な物性
も悪くなる。
【0003】そこで加工性を改良するために、高級脂肪
酸エステル、シリコーン化合物、低分子量ポリエチレン
などの加工助剤が使用されている(例えば特公昭52−
44896)。しかしながら、加工助剤は小量では十分
な効果が得られず、また十分に加工性の改良が達成され
るのに必要な量を使用した場合には引張強度や高温にお
けるシール性の大幅な低下が見られる。また、分子量分
布を多ピーク型にして押出性を改良する方法が提案され
ている(特開平2−160810)。この方法は非常に
効果的であるが、低分子量が比較的多いため作業条件に
よってはロールやスクリューへの粘着があり、従来のポ
リオール加硫では低分子量成分が充分に加硫できず物性
が劣っていた。また、含フッ素系エラストマーは種々の
加硫方法、例えばポリアミン加硫、ポリオール加硫、パ
ーオキサイド加硫などが知られており、用途に応じて最
適な加硫方法が選定されている。
【0004】しかしながら、最近、押出加工性、型流れ
性などの成形加工性を要求される用途、他の材料と組み
合わせて複合材として使用される用途、アルコール存在
下などの厳しい条件下で使用される用途などにおいて、
従来のポリオール加硫、ポリアミン加硫、パーオキサイ
ド加硫法によって加硫する従来技術では要求性能を満た
すことが難しくなっている。前記加硫法の中において、
ポリアミン加硫法は一般に加硫物の強度が低く、かつ圧
縮永久歪が悪いし、ポリオール加硫法は現在最も多用さ
れている加硫法であるが、得られる加硫物は耐溶剤性、
耐化学薬品性、耐アルカリ性、耐スチーム性に劣るとい
う問題点がある。またこれらの2つの方法は分子量の低
いポリマーは加硫しにくい。
【0005】これに対しパーオキサイド加硫法はこのよ
うな問題点が解決され、比較的良好な物性を有する加硫
物を与えることが知られているが、金属接着性が劣り、
オイルシールやバルブなど、金属と組み合わせて使用す
るようとには使用が難しいだけでなく、加硫時に空気に
ふれると加硫が極端に進まなくなり、そのため成形時の
バリが取れにくくて金型が汚染されやすいなどの欠点を
有している。また分子量が高いポリマーは加硫しにく
く、強度やC−SET(圧縮永久ひずみ試験)が劣る。
このため、それぞれの加硫法における難点を同時に解決
する方法がこれまでにいくつか試みられ、例えば2種類
のポリマーをブレンドして、ポリオールまたはポリアミ
ン加硫剤とパーオキサイド加硫剤によって共加硫する方
法が提案されている(特開昭60−72950号公報、
同62−30142号公報、同62−30143号公
報)。これらはいずれもビニリデンフルオライド/ヘキ
サフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン3元共
重合体とテトラフルオロエチレン/プロピレン2元共重
合体とのブレンド物である。また、その加硫反応は脱ヨ
ウ素ラジカル、脱臭素ラジカル反応を伴わないので、加
硫反応が進みにくい。また、ポリオール加硫配合剤とパ
ーオキサイド加硫配合剤を組み合わせて使用することも
提案されている(特開昭62−79251号公報)。こ
れは含臭素のビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロ
プロピレン/テトラフルオロエチレン3元共重合体とテ
トラフルオロエチレン/プロピレン2元共重合体とのブ
レンド物である。しかしながらこの方法は異種のポリマ
ーをブレンドしており、異種ポリマー間の接着が弱いた
め物性が満足のいくものではない。
【0006】また、フッ素ゴムとNBRの接着性を改善
するためにフッ素ゴムにポリオール加硫剤とパーオキサ
イド加硫剤とを組み合わせて配合されたフッ素ゴムとN
BRの積層体が提案されている(特開昭61−2445
45号公報)。しかしこの積層体はフッ素ゴムについて
なんら規定しておらず、従って加工性、ロール粘着性な
どについて改善されていない。本発明者等はすでにヨウ
素を含むバイモダルポリマーと、ポリオール加硫系及び
ポリアミン加硫系とパーオキサイド加硫系の混合加硫か
らなる組成物が優れた性能を持つことを見出している
(特開平4−209643号公報)。発明者等はこの知
見をもとにヨウ素にかえて臭素を結合した本発明の含フ
ッ素エラストマーは従来の含フッ素エラストマーに比べ
て押出加工性に優れ、前記ヨウ素を結合した含フッ素エ
ラストマーに比べて光安定性が良好であるなどの優れた
性能を有することを見出し本発明に至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のポリア
ミン加硫、ポリオール加硫、パーオキサイド加硫が有す
る前記の従来技術の欠点を克服し、強度などの機械物性
や圧縮永久歪みが改善されるとともに、耐化学薬品性や
耐溶剤性、耐溶剤抽出性などが大幅に向上しかつ良好な
金属接着性を有する加硫物を与えることができる上、成
型時のバリが取れやすく、さらに金型が汚染されにく
く、さらに低分子量成分も高分子量成分も同時に充分加
硫することができるので、加工性特に押出加工性に優れ
ているなど、種々の優れた特性を有する加硫性含ッ素系
エラストマーを提供することを目的としてなされたもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこの様な優
れた特性を有する加硫性含フッ素系エラストマーを開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の結合臭素を有する
含フッ素系エラストマーに、特定の加硫配合剤と有機過
酸化物を配合することにより、前記目的を達成しうるこ
とを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は(A)(イ)ビニリデンフルオ
ライド単位と(ロ)ヘキサフルオロプロピレン単位及び
場合により(ハ)35重量%以下のテトラフルオロエチ
レン単位からなり、かつ(イ)単位と(ロ)単位の重量
が40:60ないし80:20であり、極限粘度数が4
0から200ml/g、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比Mw/Mnが3から25の範囲に
あり、結合臭素を含有し、その分子量分布が多ピーク型
である含フッ素エラストマーと、(B)(ニ)ポリヒド
ロキシ芳香族化合物と(ホ)アンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩及びイミニウム塩の中から選ばれた少なくとも1
種と、(ヘ)二価の金属酸化物及び二価の金属水酸化物
の中から選ばれた少なくとも1種とからなるポリオール
加硫配合剤、又は(ト)ポリアミン化合物と(チ)二価
の金属酸化物とからなるポリアミン加硫配合剤、あるい
はその両方、(C)有機過酸化物、及び(D)多官能性
不飽和化合物を含有してなる含ッ素エラストマー組成物
を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0009】本発明組成物において、(A)成分として
用いられる含フッ素エラストマーは、ビニリデンフルオ
ライド(以下VDFと略記する)単位、ヘキサフルオロ
プロピレン(以下HFPと略記する)単位及び場合によ
りテトラフルオロエチレン(以下TFEと略記する)単
位とからなる含フッ素エラストマーであって、これらの
含フッ素エラストマーにおける該VDF単位とHFP単
位との割合は、重量比で40:60ないし80:20の
範囲にあることが必要である。該VDF単位がこれより
も少ないと、重合速度が極めて遅く、かつ高分子量のも
のが得られにくいし、これよりも多いと得られる含フッ
素エラストマーは樹脂状となって弾性が低下する傾向に
ある。また、TFEを含む3元系含フッ素エラストマー
においては、TFEの含有量は35重量%以下、好まし
くは5〜25重量%の範囲にあることが必要であり、こ
の含有量が35重量%を超えると得られる含フッ素エラ
ストマーは弾性が低下する傾向にある。またVDF単位
とHFP単位との好ましい割合は、TFE単位を含まな
い2元系含フッ素エラストマーにおいては重量比55:
45ないし75:25の範囲で選ばれ、TFEを含む3
元系含フッ素エラストマーにおいては、45:55ない
し70:30の範囲で選ばれる。2元系含フッ素系エラ
ストマーは低フッ素含量(65重量%)の必要な用途に
使用され3元系含フッ素エラストマーは高フッ素含量
(66重量%以上)を要求する用途、例えば耐油性、耐
薬品性の必要な自動車部品や化学装置部品などに使用さ
れる。
【0010】この含ッ素エラストマーは、分子量分布が
2つ以上のピークから形成される多ピーク型であること
が必要である。通常の含フッ素系エラストマーは分子量
分布が1つのピークで形成されるのに対して、本発明の
ようにその分子量分布を多ピーク型にすることにより高
分子量成分で主として優れた物性を持たせ、低分子量成
分で優れた加工性を持たせることが可能となる。1山の
分子量成分を持つエラストマーではこのように物性と加
工性の両者を同時に満足させることは非常に困難であ
る。また、この含フッ素エラストマーは分子量を示す指
標である極限粘度数〔η〕が40〜200ml/gの範
囲にあることが必要である。この〔η〕が40ml/g
未満では低分子量のものが多くなりすぎて、耐圧縮永久
歪み特性や機械物性が低下する上に、ロール混練時の粘
着性が大きくなるとともに金型離型性が低下する恐れが
あるし、一方200ml/gを超えると分子量が高すぎ
て、流動性が低下し、良好な押出成形ができにくくな
る。また特にフッ素含量の多い範囲においてロールを用
いて厚みの厚いシートを作ることが困難になる。
【0011】また該フッ素系エラストマーにおいては、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
Mw/Mnが3から25の範囲にあることが必要であ
る。このMw/Mnが25を超えると超高分子量成分が
相対的に多く含まれ、押出成形時のダイスウェルが悪く
なる傾向となる。また、Mw/Mnが3未満のエラスト
マーは分子量分布を多ピーク型にした効果が顕著に現れ
ない。さらに含フッ素エラストマーとしては特定の分子
量分布を持つものが好適に用いられる。即ち、本発明に
おける多ピーク型の分子量分布について、ある特定の分
子量分布の量比を持ったエラストマーは優れた押出特
性、ロール加工性を示し、さらに優れた加硫物物性、耐
溶剤性などを示す。かかる含フッ素エラストマーとして
以下に述べるような3つのタイプを挙げることができ
る。好ましいタイプのひとつは下記の(a)〜(e)に
規定するようなものである。
【0012】(a)多ピーク型であること (b)極限粘度数が100〜170ml/gであること (c)分子量5万以下の低分子量重合体量比(M5)
(重量%)と極限粘度数〔η〕の比M5/〔η〕が0.
25〜0.60であること (d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比、Mw/Mnが10〜25であり (e)分子量1万以下の低分子量重合体量比(M1)が
15重量%未満であること (f)分子量200万以上の高分子量重合体量比(M2
00)が4〜10%重量%であること このようなフッ素系エラストマーにおいては、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/M
nが10から25の範囲にあることが望ましい。このM
w/Mnが25を超えると超高分子量成分が相対的に多
く含まれ、押出成形時のダイスウェルが悪くなる傾向と
なる。また、Mw/Mnが10未満のエラストマーは、
分子量分布が狭いため低分子量成分が相対的に少なく押
出速度や押出肌などの押出成形性が劣る。
【0013】また、分子量を示す指標である極限粘度数
〔η〕は100〜170ml/gの範囲にあることが望
ましい。この〔η〕が100ml/g未満ではロール混
練時の粘着性が大きくなる恐れがあるし、170ml/
gを超えると分子量が高すぎて、流動性が低下し、良好
な押出成形ができにくくなる。さらに、分子量5万以下
の成分の低分子量体量比5(重量%)と極限粘度数
〔η〕(ml/g)との比M5/〔η〕は0.25から
0.60、好ましくは0.30〜0.50の範囲にある
ことが望ましい。このM5及び〔η〕は互いに影響しあ
って押出成形性を左右しており、M5が大きくなると押
出速度や押出肌が改善される傾向があり、一方〔η〕が
大きくなると押出速度及び押出肌ともに劣化する傾向が
ある。
【0014】したがって、良好な押出成形性を有するた
めには、M5/〔η〕の値は前記範囲にあることが望ま
しい。このM5/〔η〕が0.25未満では押出が困難
となり、押出速度や押出肌が著しく劣化すると、0.6
0を超えるとグリーン強度が低下し、押出成形時に変化
し易い上、加硫物の機械強度が低下する恐れがある。ま
た、分子量1万以下の低分子量重合体M1は15重量%
未満、好ましくは12重量%以下であることが望まし
い。このM1は加硫成形物をメタノールなどの溶剤に浸
漬した際の溶剤への抽出量との相関関係があり、M1が
大きいほど溶剤への抽出量が大きい。したがって、この
M1が15重量%未満であれば、抽出量を実用上問題の
ないレベルまで保持することができる。さらに分子量2
00万以上の高分子量重合体量比M200は4〜10重
量%の範囲にあることが望ましい。M200が4重量%
未満ではグリーン強度が低下し、押出成形時に変化しや
すいし、10重量%以上では押出時のダイスウェルが大
きくなる傾向になる。好ましいタイプのもうひとつのタ
イプは下記の(a)〜(d)に規定するようなものであ
る。
【0015】(a)多ピーク型であること (b)極限粘度数が60〜130ml/gであること (c)分子量5万以下の低分子量重合体量比(M5)
(重量%)と極限粘度数〔η〕の比M5/〔η〕が0.
15〜0.60であること (d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比、Mw/Mnが4以上8未満であること このようなフッ素系エラストマーにおいては重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mn
が4以上8未満の範囲にあることが望ましい。このMw
/Mnが4未満では分子量の広がりが小さく、低分子量
成分が少なくなって、押出速度や押出肌などの押出成形
性が劣ったり、あるいは高分子量成分が少なくって、機
械強度が低下したり、ロールなどへの粘着が大きくな
り、一方8以上では極低分子量成分が増加するので、加
硫物の耐溶剤抽出性が悪くなる。好ましいMw/Mnの
範囲は5〜7の範囲で選ばれる。また分子量の指標であ
る極限粘度数〔η〕は60から130ml/g、好まし
くは70〜120ml/gの範囲にあることが望まし
い。この〔η〕が60ml/g未満ではロール混練時の
粘着性が大きくなる恐れがあるし、130ml/gを超
えると分子量が大きすぎて、流動性が低下し、良好な押
出成形ができなくなる恐れがある。
【0016】さらに分子量5万以下の成分の低分子量体
量比5(重量%)と極限粘度数〔η〕(ml/g)との
比M5/〔η〕0.15から0.60、好ましくは0.
20〜0.50の範囲にあることが望ましい。このM5
及び〔η〕は互いに影響しあって押出成形性を左右して
おり、M5が大きくなると押出速度や押出肌が改善され
る傾向があり、一方〔η〕が大きくなると押出速度及び
押出肌ともに劣化する傾向がある。したがって、良好な
押出成形性を有するためには、M5/〔η〕の値は前記
範囲にあることが望ましい。このM5/〔η〕が0.1
5未満では押出が困難となり、押出速度や押出肌が著し
く劣化すると、0.60を超えるとグリーン強度が低下
し、押出成形時に変化し易い上、加硫物の機械強が低下
する恐れがある。好ましいタイプのさらになもうひとつ
は下記の(a)〜(e)に規定するようなものである。
【0017】(a)多ピーク型であること (b)極限粘度数が50〜150ml/gであること (c)分子量5万以下の低分子量重合体量比(M5)
(重量%)と極限粘度数〔η〕の比M5/〔η〕が0.
30〜0.70であること (d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比、Mw/Mnが8〜20であり (e)分子量200万以上の高分子量重合体量比(M2
00)が4重量%未満であること このようなフッ素系エラストマーにおいては、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/M
nが8から20の範囲にあることが望ましい。このMw
/Mnが20を超えると超高分子量成分が相対的に多く
含まれ、押出成形時のダイスウェルが悪くなる傾向とな
る。また、Mw/Mnが8未満のエラストマーは、分子
量分布が狭いため低分子量成分が相対的に少なく押出速
度や押出肌などの押出成形性が劣る。また、分子量を示
す指標である極限粘度数〔η〕は50〜150ml/g
の範囲にあることが望ましい。この〔η〕が50ml/
g未満ではロール混練時の粘着性が大きくなる恐れがあ
るし、150ml/gを超えると分子量が高すぎて、流
動性が低下し、良好な押出成形ができにくくなる。
【0018】さらに、分子量5万以下の成分の低分子量
体量比M5(重量%)と極限粘度数〔η〕(ml/g)
との比M5/〔η〕は0.30から0.70、好ましく
は0.25〜0.65の範囲にあることが望ましい。こ
のM5及び〔η〕は互いに影響しあって押出成形性を左
右しており、M5が大きくなると押出速度や押出肌が改
善される傾向があり、一方〔η〕が大きくなると押出速
度及び押出肌ともに劣化する傾向がある。したがって、
良好な押出成形性を有するためには、M5/〔η〕の値
は前記範囲にあることが望ましい。このM5/〔η〕が
0.30未満では押出が困難となり、押出速度や押出肌
が著しく劣化するし、0.70を超えるとグリーン強度
が低下し、押出成形時に変化し易い上、加硫物の機械強
度が低下する恐れがある。また、分子量200万以下の
低分子量重合体M200は4重量%未満であることが望
ましい。このM200が4重量%を超えるとダイスウェ
ルや押出肌が悪くなる傾向となる。
【0019】前記3つのタイプのポリマーはそれぞれ特
徴があるので適時使い分けが可能である。例えばMw/
Mnが4以上8未満のエラストマーは、極低分子量が少
ないのでロール混練作業時にロール表面が比較的高温の
場合においても粘着することなく容易に混練作業ができ
る。またMw/Mnが10〜25でM200が4から1
0%のエラストマーにおいては高分子量成分と低分子量
成分が多いので物性を低下させることなく良好な押出加
工性を有している。またMw/Mnが8〜20でM20
0が4重量%未満のエラストマーは比較的低分子量成分
が多いので押出加工性が極めてよく、低い押出温度にお
いても良好な押出特性が得られる。押出成形機などの加
工機械では押出温度やスクリュー、ダイの大きさやデザ
インにより、押出に最適なエラストマーも変わってく
る。使用する装置及びその運転条件によって分子量分布
の異なるポリマーの選択が必要である。
【0020】本発明の組成物において前記(A)成分と
して用いられるフッ素系エラストマーは分子鎖中に臭素
が結合してあることが必要である。この臭素は加硫時に
有機過酸化物によって脱離してポリマー鎖中にラジカル
を形成させ、このラジカルが架橋点となる。特に低分子
量成分はポリオール加硫では加硫しにくいので、低分子
量成分に臭素を結合させポリオールとパーオキサイドを
併用して加硫することにより極めて良好な物性が得ら
れ、また加硫物から低分子量成分が溶剤等により抽出さ
れることもない。ポリマー鎖中へ臭素を導入する方法と
しては、臭素化合物の存在下で重合する方法(特公平3
−42302号公報)、臭素を含むモノマーを共重合す
る方法(特公昭53−4115号公報など)などがあ
る。
【0021】臭素化合物の存在下で重合する方法におい
て、使用する臭素化合物としては臭化アルキル化合物及
びそのパーフルオロ化合物が好ましく用いられる。例え
ば、CF2Br2,CF2BrCF2Br,CF3CFBr
CF2Br,CF3Br,CH3Br,CH2Br2などで
ある。臭素を含むモノマーを共重合する方法において使
用する臭素を含むモノマーとしては臭素含有オレフィン
が好ましく用いられる。例えばブロモトリフルオロエチ
レン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブ
テン−1、臭化ビニル、ブロモジフルオロエチレンなど
である。ポリマー中の臭素含有量は通常0.01〜5重
量%、好ましくは0.1〜2.5重量%の範囲から選ば
れる。0.01重量%未満では架橋が不十分となり、5
重量%を超えると弾性体が得られにくくなる。
【0022】本発明におけるフッ素系エラストマーは公
知の種々の重合法、例えば懸濁重合、乳化重合などで重
合することができる。本発明でいう多ピーク型のフッ素
系エラストマーは例えばそれぞれ別個に製造された高分
子量重合体と低分子量重合体をブレンドすることにより
製造することができるし、又、重合中に連鎖移動剤を添
加して重合を継続することによってもできる。この中
で、懸濁重合法により重合中に連鎖移動剤を追添する方
法が、比較的シャープなピークを持った多ピーク型の分
子量分布のポリマーが得られるので望ましい。この場合
に用いる連鎖移動剤としては前記例示の臭素化合物を用
いることができる。この懸濁重合法の好適な一例につい
て説明すると、まず所定の混合モノマー(仕込モノマ
ー)を存在した不活性有機溶媒を水媒体中に分散させ、
さらに懸濁安定剤、油溶性触媒を添加し、さらに必要に
応じ、前記連鎖移動剤を添加し、機械的にかき混ぜなが
ら50〜60℃に保ち、圧力が好ましくは5〜17kg
/cm2・Gの範囲で一定となるように新たな前記混合
モノマー(追添モノマー)を添加して重合を進める。生
成するフッ素系エラストマー中のモノマー単位の組成は
仕込モノマー組成と追添モノマー組成との関係によって
決定され。なお、モノマー組成はガスクロマトグラフ、
エラストマー中のモノマー単位の組成はF−NMRで測
定する。また、重合の途中で、前記連鎖移動剤を添加す
ることにより、分子量分布の調整、及び臭素の導入を行
う。
【0023】不活性有機溶媒としては1,1,2−トリ
クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等が用いられ
る。懸濁安定剤としてはメチルセルロース等が用いられ
る。油溶性触媒としてはジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネートなどのジアルキルパーオキシジカーボネート
が高温の分解温度を有しているので好ましい。本発明の
(B)成分としてポリオール加硫配合剤、ポリアミン加
硫配合剤のうち少なくとも1種からなる加硫剤が用いら
れる。ポリオール加硫配合剤は、(ニ)ポリヒドロキシ
芳香族化合物と(ホ)アンモニウム塩、ホスホニウム塩
及びイミニウム塩の中から選ばれた少なくとも1種と、
(ヘ)二価の金属酸化物及び二価の金属水酸化物の中か
ら選ばれた少なくとも1種とからなる。
【0024】(ニ)のポリヒドロキシ芳香族化合物とし
ては例えばビスフェノールAF、ビスフェノールA、ビ
スフェノールS、ジヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロ
キノン、2,4,6−トリカプト−S−トリアジン、
4,4’−チオジフェノール及びそれらの金属塩などが
挙げられる。本発明のフッ素系エラストマー加硫組成物
における架橋剤の配合割合は、通常(A)成分100重
量部に対して、0.1〜10重量部であり、望ましくは
0.5〜5重量部である。 (ホ)のアンモニウム塩、ホスホニウム塩、イミニウム
塩としては例えば以下のものが用いられる。具体的には
テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアン
モニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、ビス
(ベンジルジフェニルホスフィン)イミニウムクロリ
ド、DBU塩などである。本発明のフッ素系エラストマ
ー加硫組成物における加硫促進剤の配合割合は、通常
(a)成分100重量部に対して、0.05〜10重量
部であり、望ましくは0.1〜5重量部である。 (ヘ)の二価の金属水酸化物及び酸化物としては、例え
ばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの水酸化物
及び酸化物が挙げられる。二価金属水酸化物及び二価金
属酸化物は、通常(A)成分100重量部に対して、各
々1〜10重量部であり、両者を合わせると2〜20重
量部である。
【0025】また必要に応じ、加硫を促進させるため
に、種々の加硫促進活性剤を添加することができる。こ
の加硫促進活性剤の代表的なものとしては、ジメチルス
ルホン、ジクロロジフェニルスルホンなどのスルホン化
合物を挙げることができる。ポリアミン加硫配合剤は、
(ト)ポリアミン化合物と(チ)二価の金属酸化物とか
らなる。 (ト)ポリアミン化合物としては、例えばヘキサメチレ
ンジアミンカルバメイト、N,N’−ジシンナミリデン
−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス
(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメイトなどを挙
げることができる。その添加量は通常エラストマー10
0重量部あたり0.1から10重量部、好ましくは0.
5から5重量部である。 (チ)の二価の酸化物としては、例えばマグネシウム、
カルシウム、亜鉛、鉛などの酸化物が挙げられる。二価
の金属酸化物は通常(A)成分100重量部に対して、
各々1〜30重量部であり、好ましくは2〜20重量部
である。
【0026】本発明の(C)成分である有機過酸化物は
例えば以下のものが挙げられる。有機過酸化物としては
熱によって容易にパーオキシラジカルを発生するものが
好ましく、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイドが好
適である。その添加量は活性酸素量や分解温度などによ
り選ばれるが、通常エラストマー100重量部あたり
0.05から10重量部、好ましくは0.05から5重
量部の範囲で選ばれる。本発明の(D)成分である多官
能性不飽和化合物としては、例えばトリアリルイソシア
ヌレート、トリアリルシアルレートなどが好適である。
その配合量はエラストマー100重量部あたり0.01
重量部から10重量部、好ましくは0.1から5重量部
の範囲で選ばれる。
【0027】さらに本発明のフッ素系エラストマー加硫
組成物においては、必要に応じ、他の成分、例えばカー
ボンブラック、オースチンブラック、グラファイト、シ
リカクレー、ケイソウ土、タルク、ウォラストナイト、
炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、フッ化カルシウム、
硫酸バリウム、スルホン化合物、燐酸エステル、脂肪族
アミン、高級脂肪酸エステル、脂肪酸カルシウム、脂肪
酸アマイド、低分子量ポリエチレン、シリコーンオイ
ル、シリコーングリース、金属石鹸、ステアリン酸、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、チタンホ
ワイト、ベンガラなどの充填剤、加工助剤、可塑剤、着
色剤等を配合することができる。このようにして得られ
たフッ素系エラストマー加硫組成物の加硫成形方法とし
ては、例えば開放型練りロール又は密閉式練りロール
(バンバリーミキサー、加圧式ニーダー等)で十分に混
練の後、加硫組成物をリボン状に切り出し押出成形によ
り成形し、ついで加硫する方法が挙げられる。加硫方法
としては蒸気加硫する方法や連続式の加硫装置で加硫す
る方法がある。また、他の加硫手段として、圧縮成形に
より一次加硫し、次に二次加硫する方法や、あるいはメ
チルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などの1
種または2種以上を媒体とする溶液もしくは分散液を調
整し、これで紙、繊維、フィルム、シート、板、チュー
ブ、パイプ、タンク、大型容器その他の成形品の表面上
を被覆し加硫する方法などを用いることもできる。また
他種のゴム、例えばNBR、アクリルゴム、EPゴムな
どと多層にして多層シート、多層ホースなど積層体成形
物をつくることもできる。
【0028】本発明において用いられる含フッ素エラス
トマーは結合臭素を有しており、この臭素は加硫時に有
機過酸化物によって脱離する。そして脱離部分で多官能
性不飽和化合物を介して複数の分子鎖同士が共有結合で
結合され架橋構造を形成する。さらに臭素を低分子量成
分に導入することにより、ポリオール加硫しにくい低分
子量成分をパーオキサイドで加硫させることができる。
従ってポリオール加硫配合剤やポリアミン加硫配合剤と
併用することによって、低分子量成分から高分子量成分
に至るまで充分に加硫され、高強度でかつ高伸びを示し
優れた物性を示す加硫物が得られる。さらに加硫密度が
上がるので圧縮永久歪みが改善される。また、ポリオー
ル加硫やポリアミン加硫では加硫できない極低分子量成
分も加硫できるので、加硫物は耐ガソリン透過性や耐ガ
ソリン抽出性が大幅に向上する。
【0029】従来のポリオールやポリアミン加硫では、
架橋点が炭素と水素や炭素と窒素で結合しているため、
耐化学薬品性に劣るが、本発明によればパーオキサイド
加硫による炭素炭素結合で形成された網目鎖で補強され
るので、耐化学薬品性も改善される。また、従来のパー
オキサイド加硫では、空気に触れると加硫反応が進みに
くくなるため、空気に触れたバリの部分が加硫不十分で
取れにくくなり、金型に付着して汚染する。これに対し
て、本発明では空気に触れた部分もポリオール加硫剤や
ポリアミン加硫剤で充分に加硫するため、バリは取れや
すく、金型を汚染することもない。本発明においてさら
にある限定された分子量分布を持つエラストマーを用い
ることによって、加工性、特に押出加工性に非常に優
れ、なおかつ加硫物性において優れた性能を持つエラス
トマー配合物を得ることができる。即ち低分子量成分と
高分子量成分の二つ以上のピークからなり、さらに少な
くとも低分子量成分に臭素を含むエラストマーを用いる
ことにより、低分子量成分により優れた加工性を持た
せ、しかも低分子量成分は臭素により加硫するので優れ
た加硫物性を持つ。また溶剤や燃料油に浸漬したときに
低分子量成分が抽出されることもない。近年、燃料ホー
スや自動車のエンジン回りの部品に代表されるような、
耐熱性、耐溶剤性、耐燃料油性が要求され、なおかつ押
出成形や射出成形で作られたり、また複雑な形状をして
いるので加工の難しい部品が増えている。さらには燃料
油に浸漬したときの抽出分が低いことも要求されてい
る。本発明の配合物はこのような要求を満足できるので
最も好適に用いられる。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらによってなんら限定されるもの
ではない。なおフッ素系エラストマーの各物性、加工性
は次に示す方法により求めた。 (1)極限粘度数:メチルエチルケトンを溶媒とする
0.1g/100mlの濃度溶液を毛細管粘度計を用い
て35℃で測定する。 (2)分子量分布:液体クロマトグラフLC−3A型
〔島津製作所(株)製〕 カラムKF80M(2本)+KF800P〔昭和電工
(株)製〕 検出器ERC−7510S〔エルマ光学(株)製〕 展開溶媒テトラヒドロフラン 濃度0.1重量% 温度35℃ (3)ポリマー中の臭素の有無:蛍光X線法 (4)加硫物の硬さ〔JIS−A〕、100%引張応
力、引張強さ、伸びはJIS−K6301に準じて測定
した。
【0031】(5)ロール粘着性:8インチロール混練
機を用いて、生ゴムをロールに巻き付けて加硫剤、カー
ボン等の配合剤を練り込んだ後のロールからのはがれ易
さで評価した。 (6)押出試験:ブラベンダー社製エクストルーダー1
0W型(D=19.1mm、L/D=10)を用いて、
チューブダイ(外径10mm内径8mm)のダイスによ
りスクリュー温度60℃ヘッド温度100℃、スクリュ
ー回転数50rpmの条件下で行った。押出肌は目視で
表面肌のきめの細かさを見て5段階(優れている順に5
から1まで)で示した。押出速度は単位時間あたりの吐
出長より算出した。スクリュー粘着量は500g押出し
た後、スクリューを抜き取りスクリューに付着したゴム
量から判断した。
【0032】(7)メタノール抽出性:加硫ゴム50g
を5mm角に裁断しメタノールに60℃×5日間浸漬の
後、その浸漬液を濃縮乾固し析出物の重量を測定する。
【0033】参考例1 電磁誘導式撹拌機を備えた内容積約50リットルのオー
トクレーブを窒素ガスで充分に掃気し、減圧−窒素充填
を3回繰り返して、窒素置換した後、減圧状態で脱酸素
した純水23.6kg、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフルオルエタン(以下フロン113とい
う)2.96リットル及び懸濁安定剤としてのメチルセ
ルロース(粘度50cp)23.6gを仕込み、80r
pmでかき混ぜながら、温度を50℃に保った。ついで
VDF14.5重量%、HFP79.1重量%及びTF
E6.4重量%からなる混合モノマーを仕込ガスとし
て、15kg/cm2・Gとなるまで仕込んだ。次に触
媒としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート2
0.1重量%を含有したフロン113溶液57.0gを
圧入し重合を開始させた。重合により圧力が14.5k
g/cm2・Gまで低下したらVDF43.5重量%、
HFP29.5重量%、TFE27.0重量%からなる
混合モノマーを追添ガスとして追添し、再び圧力を15
kg/cm2・Gに戻した。このような操作を繰り返し
重合反応を行った。
【0034】重合開始後、6.3時間経過した時点で、
ジブロモテトラフルオロエタン(CF2BrCF2Br)
226g及びジイソプロピルパーオキシジカーボネート
20.1重量%を含有したフロン113溶液57.0g
を添加し、同様に圧力14.5〜15kg/cm2・G
で重合反応をさらに15.8時間続け、全体で22.1
時間重合反応を行った。重合反応終了後、残存する混合
モノマーを掃気し、得られた懸濁液を遠心分離機で脱水
し、充分水洗した後、100℃で真空乾燥してエラスト
マー約25.4kgを得た。得られたフッ素系エラスト
マーをF−NMRで分析したところ、VDF単位44重
量%、HFP単位30重量%、TFE単位26重量%で
あった。このエラストマーの〔η〕は119ml/g、
分子量分布のチャートの形状は2山であり、Mnは2.
5×104、Mw/Mnは18.4であった。また、M
5/〔η〕は0.49、M1は8.8%、M200は
6.8%であった。さらにエラストマー中には臭素が検
出された。
【0035】参考例2 また市販の押出用含フッ素エラストマー(3M社製、フ
ローレルFT2320)を購入し、F−NMRで分析し
たところ、VDF単位44重量%、HFP単位30重量
%、TFE単位26重量%であった。このエラストマー
の〔η〕は65ml/g、分子量分布のチャートの形状
は1山であり、Mnは5.3×104、Mw/Mnは
4.6であった。また、M5/〔η〕は0.36、M1
は2.7%であった。さらにエラストマー中には臭素は
検出されなかった。またこのエラストマーはあらかじめ
ポリオール加硫配合剤が内添されていた。
【0036】参考例1,2のエラストマーを用い、表1
に示す配合組成で混練して加硫させ、各種の物性・特性
を測定した。その結果を表1に示す。本発明の組成物は
優れた物性を示すとともに、ロール加工性、押出時のス
クリューの粘着についても、粘着がなく優れた作業性を
示すことがわかる。またメタノールに代表されるフッ素
ゴムを侵しやすい溶剤に対しても、本発明の含フッ素エ
ラストマー加硫組成物は低分子量成分が多いにもかかわ
らず抽出量が低いことがわかる。なお、配合物は以下の
ものを用いた。
【0037】・SRFカーボン:東海カーボン株式会社
製「シーストS」 ・Ca(OH)2:近江化学工業株式会社製「カルビッ
ト」 ・MgO(#150):協和化学工業株式会社製「キョ
ーワマグ150」 ・AC−30:旭化成工業株式会社製ポリオール加硫剤 ・AC−40:旭化成工業株式会社製ポリオール加硫促
進剤 ・パーヘキサ25B40:日本油脂株式会社製有機過酸
化物 ・TAIC:日本化成株式会社製「タイク」(トリアリ
ルイソシアヌレート)
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の含フッ素系エラ
ストマー加硫組成物は、優れた押出加工性、ロール加工
性を持ち、なおかつ優れた物性、耐溶剤抽出性をあわせ
持つものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)ビニリデンフルオライド単
    位と(ロ)ヘキサフルオロプロピレン単位からなり、か
    つ(イ)単位と(ロ)単位の重量が40:60ないし8
    0:20であり、極限粘度数が40から200ml/
    g、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
    比Mw/Mnが3から25の範囲にあり、結合臭素を含
    有し、その分子量分布が多ピーク型である含フッ素系エ
    ラストマーと、 (B)(ニ)ポリヒドロキシ芳香族化合物と(ホ)アン
    モニウム塩、ホスホニウム塩及びイミニウム塩の中から
    選ばれた少なくとも1種と、(ヘ)二価の金属酸化物及
    び二価の金属水酸化物の中から選ばれた少なくとも1種
    とからなるポリオール加硫配合剤、又は(ト)ポリアミ
    ン化合物と(チ)二価の金属酸化物とからなるポリアミ
    ン加硫配合剤、あるいはその両方、 (C)有機過酸化物、及び (D)多官能性不飽和化合物 を含有してなる含フッ素系エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)(イ)ビニリデンフルオライド単
    位と(ロ)ヘキサフルオロプロピレン単位及び(ハ)3
    5重量%以下のテトラフルオロエチレン単位からなり、
    かつ(イ)単位と(ロ)単位の重量が40:60ないし
    80:20であり、極限粘度数が40から200ml/
    g、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
    比Mw/Mnが3から25の範囲にあり、結合臭素を含
    有し、その分子量分布が多ピーク型である含フッ素エラ
    ストマーと、 (B)(ニ)ポリヒドロキシ芳香族化合物と(ホ)アン
    モニウム塩、ホスホニウム塩及びイミニウム塩の中から
    選ばれた少なくとも1種と、(ヘ)二価の金属酸化物及
    び二価の金属水酸化物の中から選ばれた少なくとも1種
    とからなるポリオール加硫配合剤、又は(ト)ポリアミ
    ン化合物と(チ)二価の金属酸化物とからなるポリアミ
    ン加硫配合剤、あるいはその両方、 (C)有機過酸化物、及び (D)多官能性不飽和化合物 を含有してなる含フッ素エラストマー組成物。
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