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JPH07184598A - ハムカツまたはソーセージカツの製造方法 - Google Patents

ハムカツまたはソーセージカツの製造方法

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Publication number
JPH07184598A
JPH07184598A JP5347081A JP34708193A JPH07184598A JP H07184598 A JPH07184598 A JP H07184598A JP 5347081 A JP5347081 A JP 5347081A JP 34708193 A JP34708193 A JP 34708193A JP H07184598 A JPH07184598 A JP H07184598A
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JP
Japan
Prior art keywords
ham
sausage
cutlet
oil
starch
Prior art date
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Application number
JP5347081A
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English (en)
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JP3177084B2 (ja
Inventor
Shigeko Kanbe
成子 神辺
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NISSHIN HAM KK
Original Assignee
NISSHIN HAM KK
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Publication date
Application filed by NISSHIN HAM KK filed Critical NISSHIN HAM KK
Priority to JP34708193A priority Critical patent/JP3177084B2/ja
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Publication of JP3177084B2 publication Critical patent/JP3177084B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハム又はソーセージ類に、油脂加工澱粉及び
酸化澱粉の少なくとも一方から主としてなる打粉をまぶ
し、次いで衣液を付着させ、更に2メッシュの篩を通過
し40メッシュの篩上に残留するものが90重量%以上
で且つ8メッシュの篩上に残留するものが20重量%以
上である粒度を有するパン粉を付着させることからなる
ハムカツ又はソーセージカツの製造方法。 【効果】 打粉として油脂加工澱粉および/または酸化
澱粉を用い、更に上記特定粒度のパン粉を用いる本発明
による場合は、油で揚げたときに衣の剥離に伴う衣の膨
れや破れがなく、しかもソフトでジューシィ感に富む食
感的にも良好なハムカツおよびソーセージカツを製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハムカツおよびソーセー
ジカツの製造方法、並びにカツに適したハムおよびソー
セージに関する。詳細には、油で揚げたときに衣の剥離
に伴う衣の膨れや破れがなく、しかもソフトでジューシ
ィ感に富み食感的にも良好なハムカツおよびソーセージ
カツの製造方法、並びにそれらのカツに適したハムおよ
びソーセージ類に関する。
【0002】
【従来の技術】ハムやソーセージに衣液およびパン粉を
順に付着させて油で揚げたいわゆるハムカツおよびソー
セージカツは近年その消費が伸びており、特にサンドイ
ッチの中身(具)などとして汎用されるようになってい
る。例えば業務用のハムカツおよびソーセージカツで
は、ハムまたはソーセージに小麦粉(打粉)をまぶした
後、または打粉をまぶさずに、衣液およびパン粉を順に
付着させ、これをそのまま直接冷凍して、または油で揚
げたものをそのまま又は冷凍して流通販売されている。
【0003】このようなハムカツやソーセージカツで
は、中身のハムやソーセージが豚肉などの生肉と比べて
衣の付着性が一般に低く、また油で揚げたときにハムや
ソーセージに含まれている水分や油脂分が蒸気となって
衣を持ち上げるために、衣が中身のハムやソーセージか
ら剥離して膨れたり破れたりしてその外観や食感が低下
し易いという欠点がある。そこで、衣の剥離を防止する
ために、ハムやソーセージ中における澱粉などのつなぎ
粉の配合量を多くして衣の付着性を増す方法や、ハムや
ソーセージ中の水分含量や油脂含量を減らす方法が従来
採られている。しかし、澱粉等のつなぎ粉の配合量を多
くしたり、水分含量や油脂含量を減らすと、ハムやソー
セージの食感が硬くなってソフトさに欠け、しかもジュ
ーシー感が失われて、食感が低下するという問題があ
る。また、衣の剥離防止の他の方法として衣を二度付け
する方法、すなわち衣液付けおよびパン粉付けを2回繰
り返す方法があるが、工程が複雑になると共に衣の部分
が厚くなり食感的にも劣りしかも剥離防止効果が顕著で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中身
を構成するハムやソーセージの食感を良好に保ちなが
ら、油で揚げたときに衣が剥離して膨れたり破れたりし
ない、良好な食感および外観を有するハムカツおよびソ
ーセージカツの製造方法を提供することである。そして
本発明の目的は、そのような優れたハムカツおよびソー
セージカツに使用するのに適するハムおよびソーセージ
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記の目的
を達成すべく種々検討を重ねた結果、ハムまたはソーセ
ージに特定の打粉をまぶし、これに衣液と特定粒度のパ
ン粉を順次付着させると、油で揚げた時に衣の剥離に伴
う膨れや破れのない、外観および食感の良好なハムカツ
およびソーセージカツが得られることを見出して本発明
を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、ハムまたはソーセー
ジ類に、油脂加工澱粉および酸化澱粉の少なくとも一方
から主としてなる打粉をまぶし、次いで衣液を付着さ
せ、更に2メッシュの篩を通過し40メッシュの篩上に
残留するものが90重量%以上で且つ8メッシュの篩上
に残留するものが20重量%以上である粒度を有するパ
ン粉を付着させることを特徴とするハムカツまたはソー
セージカツの製造方法である。そして、本発明は上記方
法により製造されたハムカツおよびソーセージカツを包
含する。
【0007】本発明では、ハムおよびソーセージとして
種々のものが使用でき、例えば、豚、牛、羊、山羊、
馬、鶏、兎、魚等の肉や場合によってはかかる動物の内
臓肉を細断して小肉塊にし、それを挽肉等の結着剤で結
着させて製造するいわゆるプレスハム類;混合プレスハ
ム類;チョップドハム類;ボンレスハム、ロースハム、
ショルダーハム、ベリーハム、ラックハム等の豚のもも
肉、ロース肉、肩肉、ばら肉等の塊を整形して製造する
いわゆるハム類;牛肉、馬肉、羊肉、鶏鶏、家兎鶏など
を使用するハム類;豚、牛、羊、山羊、馬、鶏、兎、魚
等の肉や場合によってはかかる動物の内臓肉を挽肉しま
たはすりつぶして製造するボロニアソーセージ、ウイン
ナーソーセージ、フランクフルトソーセージ、リオナソ
ーセージ、レバーソーセージ、ソフトサラミソーセー
ジ、ポークソーセージ、混合ソーセージ、魚肉ソーセー
ジ等を使用することができる。
【0008】本発明で使用するハムおよびソーセージの
製造方法や成分組成などは特に制限されないが、従来の
ハムカツやソーセージカツにおけるように衣の剥離防止
のためにつなぎ用の穀粉の含量を増やしたり、水分含量
や油脂含量を低減させると得られるカツの食感が低下す
るので、そのようなものをあまり使用しないのが好まし
い。特に、水分含量が60〜70重量%、好ましくは6
5〜70重量%、油脂含量が3〜9重量%、好ましくは
4〜6重量%およびつなぎ用粉の含量が7〜14重量%
であるハム、および水分含量が58〜70重量%、好ま
しくは63〜70重量%、油脂含量が8〜20重量%、
好ましくは14〜19重量%およびつなぎ用粉の含量が
5〜15重量%、好ましくは7〜12重量%であるソー
セージを使用した場合には、油で揚げた時の衣の剥離が
一層良好に防止され得ると共に、ジューシーさとソフト
さに優れる食感の良好なハムカツまたはソーセージカツ
を経済的に得ることができるので、本発明はこれらのカ
ツ用のハムおよびソーセージを包含する。その場合に、
つなぎ用粉としては、従来からハムやソーセージの製造
に一般に用いられているものでよく、例えば澱粉類、小
麦粉などの穀粉類、植物性蛋白粉などを使用することが
できる。また油脂としては、ハムやソーセージの製造に
際して従来から用いられている種々の動植物油脂を使用
することができる。
【0009】そして本発明では、ハムまたはソーセージ
に油脂加工澱粉および酸化澱粉の少なくとも一方から主
としてなる打粉をまぶすことが重要である。打粉は油脂
加工澱粉のみからなっていても、酸化澱粉のみからなっ
ていても、または油脂加工澱粉と酸化澱粉の混合物であ
ってもよい。また、本発明で使用する打粉は、油脂加工
澱粉および/または酸化澱粉と共に、必要に応じて少量
(一般に打粉の全重量に基づいて50重量%以下)の他
の成分を含有していてもよい。
【0010】本発明で打粉として用いる油脂加工澱粉
は、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉、甘薯澱粉、豆澱粉などの澱粉類また
はそれらの澱粉類を加工して得られる加工澱粉類に、植
物油、動物油脂、それらの水添物などからなる食用油脂
類を添加し、必要に応じて加熱処理を施すことによって
得られるが、本発明では従来既知の油脂加工澱粉のいず
れもが使用できる。例えば、特公昭39−2000号公
報、特公昭45−32898号公報、特開昭54−11
247号公報、特開昭54−11248号公報、特開昭
54−11249号公報、特開昭63−39556号公
報などに記載の方法によってつくられたものなどを使用
することができる。
【0011】また、本発明で用いる酸化澱粉としては従
来既知の方法で製造された酸化澱粉のいずれもが使用で
き特に制限されない。限定されるものではないが、例え
ばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、
タピオカ澱粉、甘薯澱粉、豆澱粉などの澱粉類の45%
濃度の懸濁液に希薄カセイソーダー溶液を加えてpHを
8〜11にし、温度を40〜50℃に調節した後、有効
塩素濃度約10%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を注加し
て反応を開始させ、カセイソーダー溶液を滴下しながら
pHを一定水準に保持して所定時間反応させることによ
り得られる酸化澱粉を使用することができる。また、こ
れ以外にも特開平1−313501号公報に記載されて
いる方法によって得られる酸化澱粉なども使用できる。
【0012】本発明で打粉として油脂加工澱粉と酸化澱
粉の混合物を用いる場合は、両者を任意の割合で混合し
て用いればよい。また、油脂加工澱粉および/または酸
化澱粉と共に、少量の他の成分を含有する打粉を使用す
る場合は、そのような他の成分として油脂加工澱粉およ
び酸化澱粉以外の澱粉類、小麦粉、コーンフラワー、植
物性蛋白粉末、食塩、香辛料、糖類、粉乳類、調味料な
どを使用することができる。
【0013】ハムまたはソーセージに打粉をまぶす方法
は特に制限されず、ハムまたはソーセージの全面に打粉
を均一またはほぼ均一に付着させ得る方法であればいず
れでもよく、例えば打粉をハムまたはソーセージにふり
かける方法、打粉の中でハムまたはソーセージをころが
す方法、浮遊する打粉内をハムまたはソーセージを通過
させる方法などを挙げることができる。そして、ハムま
たはソーセージの全表面が打粉で均一またはほぼ均一に
薄く覆われた状態になったら、余分な打粉を落として、
その上に衣液を付着させる。
【0014】本発明で使用する衣液はいわゆるバッター
と称されている揚げ物用の衣液であり、一般に小麦粉、
澱粉などの穀粉類を水で溶き、これに必要に応じて更に
卵、牛乳、乳化剤、タンパク質、増粘剤、調味料、食
塩、糖類、香辛料、膨張剤、pH調整剤、油脂類などを
加えて調製される。そして、本発明ではカツ類を製造す
るのに従来から使用されている衣液のいずれもが使用で
きる。特に、打粉として使用する上記した油脂加工澱粉
および/または酸化澱粉を衣液用として用いると、ハム
やソーセージにおける水分含量が高い場合であっても衣
の剥離が生じなくなるので好ましい。その場合に、小麦
粉などの他の成分を油脂加工澱粉および/または酸化澱
粉と共に用いて衣液を調製する場合は、小麦粉などの他
の成分の割合を油脂加工澱粉および/または酸化澱粉の
重量に基づいて50重量%以下にするのが望ましい。
【0015】打粉をまぶしたハムまたはソーセージへの
衣液の付着方法は特に制限されず、ハムまたはソーセー
ジの全面に衣液を均一付着させ得る方法であればいずれ
でもよく、一般に打粉をまぶしたハムまたはソーセージ
を衣液中に浸ける方法が採用される。
【0016】次いで、衣液の上に、特定の粒度を有する
パン粉を付着させる。使用するパン粉の種類は生パン
粉、乾燥パン粉、生および乾燥パン粉の混合物などのい
ずれでもよい。パン粉の粒度が細かすぎるとフライ後に
剥離し易くなるので、粗めのパン粉を使用するのが好ま
しく、特に本発明では、2メッシュの篩を通過し40メ
ッシュの篩上に残留するものが90重量%以上で且つ8
メッシュの篩上に残留するものが20重量%以上である
粒度を有するパン粉を使用することが重要である。パン
粉の粒度がこれよりも細かいと衣の剥離が生じ、一方こ
れよりも粗いと均一に付着せず外観上および食感上好ま
しくない。パン粉の付着方法は特に制限されず、従来既
知の方法のいずれの方法で行ってもよい。
【0017】上記で得られたパン粉を付着させたハムま
たはソーセージは、そのままの状態で冷蔵などして流通
販売しても、油で揚げて流通販売しても、油で揚げる前
に冷凍して流通販売しても、または油で揚げた後に冷凍
して流通販売してもよい。冷凍する場合は、−18℃以
下の温度に急速冷凍すると、食感が良好でしかも衣の剥
離のない冷凍ハムカツまたはソーセージカツが得られ
る。油で揚げてないものをそのまま冷凍した冷凍ハムカ
ツおよびソーセージカツでは、その使用時や食する際
に、凍結したままで直接油で揚げることができ、それに
より衣の剥離のない外観が良好で、美味な揚げたてのカ
ツをつくることができる。以下に本発明を実施例などに
より具体的に説明するが本発明はそれにより限定されな
い。
【0018】
【実施例】
《実施例 1》 (1) 豚赤肉30重量部(以下単に部という)、馬肉
25部、羊肉25部および水20部からなる原料肉混合
物(約3cm角の立方体に切断したもの)100部に、
食塩2.4部、粉末水あめ7.3部、亜硝酸ナトリウム
0.08部、重合リン酸塩1.0部、酸化防止剤0.1
部、増粘多糖類1.1部および化学調味料0.2部から
なる混合物を加えてよく混合し、これを約2℃の温度で
4日間冷蔵して塩漬を行った。 (2) これとは別にツナギとして、豚赤肉(ミンチ
状)30部、家兎肉(ミンチ状)30部、羊肉(ミンチ
状)20部および水20部からなるミンチ状肉混合物
に、食塩4.3部、重合リン酸塩0.4部、酸化防止剤
0.08部、砂糖2.0部および亜硝酸ナトリウム0.
02部を混合してよく練り込んだ。 (3) 前記(1)で得た塩漬肉混合物45部に前記
(2)で得たツナギ用混合物30部、角切り豚脂肪4.
5部、粗ゼラチン10部、馬鈴薯澱粉10.5部、香辛
料0.06部、化学調味料0.5部および砂糖1.4部
を加えて均一に混合した。これを直径90mmのポリエ
ステルフイルム製のケーシングに充填した後、リテーナ
ーに入れて85℃の熱湯中で150分間加熱した。冷却
後、出来上がったプレスハムをリテーナーから取り出し
た。得られたプレスハムにおける油脂含量は6.0重量
%および水分含量は65.0重量%であった。
【0019】(4) 上記(3)で得られたプレスハム
を厚さ2.5mmにスライスたものを20枚用意し、こ
れに打粉として酸化澱粉[松谷化学(株)]を50重量
%含有し、その他の澱粉、小麦粉および食塩を含有する
打粉組成物を用いて、ハムの表面にまぶして付着させ
た。 (5) 小麦粉[日清製粉(株)製「雪」]と水を1:
1.6の重量比で混合して調製した温度約10℃の衣液
に、上記(4)で準備した酸化澱粉をまぶしたハムを入
れて衣液を付着させ、次いで乾燥パン粉[兵庫パン粉
(株)製「赤玉No.31」;粒度4メッシュ篩通過分1
00重量%、40メッシュ篩上残留分90重量%、8メ
ッシュ篩上残留分25重量%]を表面に付着させて、調
理前のハムカツを製造した。
【0020】(6) 上記(5)で得られたハムカツの
半数(10枚)はそのまま直接約180℃の油で揚げ、
残りの半数(10枚)は−20℃に冷凍した。冷凍品の
方は温度−20℃で1日間貯蔵した後、冷凍庫より取り
出して、凍結したまま約180℃の油で揚げた。油で揚
げて得られたハムカツの外観(衣の剥離の有無)および
食感を下記の表1に示した評価基準にしたがって5名の
パネラーに評価してもらってその平均値を採ったとこ
ろ、下記の表2に示す結果を得た。
【0021】《比較例 1》実施例1の(1)で得られ
たプレスハムを厚さ2.5mmにスライスしたもの20
枚に、小麦粉[日清製粉(株)製「雪」]を打粉として
用いてまぶし、それ以外は実施例1と同様にして、ハム
カツを製造し、そのうち10枚は直接そのまま油で揚
げ、残りの10枚は−20℃に冷凍した後、温度−20
℃で1日間貯蔵してから取り出して、凍結したまま油で
揚げた。油で揚げて得られたハムカツの外観(衣の剥離
の有無)および食感を実施例1と同様にして5名のパネ
ラーにより評価してもらって、その平均値を採ったとこ
ろ、表2に示す結果を得た。
【0022】《比較例 2》スライスしたハムに打粉を
まぶさずに衣液を直接付着させた以外は実施例1と同様
にしてハムカツを製造した。非冷凍ハムカツおよび冷凍
ハムカツを油で揚げて得られたものの外観(衣の剥離の
有無)および食感を実施例1と同様にして5名のパネラ
ーにより評価してもらって、その平均値を採ったとこ
ろ、表2に示す結果を得た。
【0023】《比較例 3》実施例1の(1)において
プレスハムの製造時に加える馬鈴薯澱粉の量を16部と
多くした以外は実施例1の(1)と同様にしてプレスハ
ムを製造した。その結果得られたプレスハムを厚さ2.
5mmにスライスしたもの20枚に、比較例1で使用し
たのと同じ小麦粉を打粉として用いてまぶし、それ以外
は実施例1と同様にして、ハムカツを製造し、そのうち
10枚は直接そのまま油で揚げ、残りの10枚は−20
℃に冷凍した後、温度−20℃で1日間貯蔵してから取
り出して、凍結したまま油で揚げた。油で揚げて得られ
たハムカツの外観(衣の剥離の有無)および食感を実施
例1と同様にして5名のパネラーにより評価してもらっ
て、その平均値を採ったところ、表2に示す結果を得
た。
【0024】
【表1】 油で揚げたハムカツの品質の評価基準 外 観(衣の剥離の有無) : 5点:10個のカツで衣の剥離なくて衣の膨れや破れが生じておらず、 外観極めて良好 4点:8〜9個のカツで衣の剥離がなくて衣の膨れや破れが生じておらず、 外観良好 3点:6〜7個のカツで衣の剥離がなくて衣の膨れや破れが生じておらず、 外観ほぼ良好 2点:5〜6個のカツで衣の剥離に伴う膨れや破れが生じており外観不良 1点:7個以上のカツで衣の剥離に伴う膨れや破れが生じており外観極め て不良 食 感 : 5点:ハムまたはソーセージの部分がソフトで且つジューシィであり、 衣が適度な硬さとソフトを備えており、食感極めて良好 4点:ハムまたはソーセージの部分がソフトで且つジューシィであり、 衣がほぼ適度な硬さとソフトさを備えており、食感良好 3点:ハムまたはソーセージの部分がほぼソフトでジューシィであるが、 衣が多少柔らかくなり過ぎていて歯ざわりが多少失われている 2点:ハムまたはソーセージの部分にソフトさとジューシィさが多少失わ れており、衣が柔らかくなり過ぎていて歯ざわりがなく不良 1点:ハムまたはソーセージの部分にソフトさとジューシィさがなく、 衣が破れていて柔らかくなり過ぎており、食感極めて不良
【0025】
【表2】 外観(衣の剥離の有無) 食 感 非冷凍品 冷凍品 非冷凍品 冷凍品 実施例1 3.8 3.6 3.6 3.5 比較例1 1.4 1.0 1.0 1.0 比較例2 1.4 1.0 1.0 1.0 比較例3 4.2 4.0 2.4 2.0
【0026】上記の表2の結果から、酸化澱粉を打粉と
して用いた実施例1の場合には、油で揚げた時に衣がハ
ムから剥離せず、膨れたり破れたりしないで外観が極め
て良好であり、しかも食感的にも優れたハムカツが得ら
れるのに対して、打粉として従来の小麦粉を使用した比
較例1の場合および打粉を使用しなかった比較例2の場
合は、油で揚げた時に衣がハムから剥離し膨れたり破れ
たりして外観が不良になり、しかも食感的にも劣ったも
のになることがわかる。また、プレスハムの製造時に馬
鈴薯澱粉を多量に配合した比較例3の場合は、比較例1
および比較例2に比べて油で揚げたときの衣の剥離は少
ないが、ハム自体の味が硬くてソフトさがなく、しかも
ジューシィ感がなく、食感が劣ることがわかる。
【0027】《実施例 2》 (1) 鶏肉(ミンチ状)32.5部、家兎肉(ミンチ
状)20.2部、植物性蛋白粉末5.3部、カゼインナ
トリウム0.6部、豚脂肪7.5部、小麦澱粉6.8
部、水27.3部、食塩1.7部、重合リン酸塩0.3
部、亜硝酸ナトリウム0.03部、砂糖1.0部、香辛
料0.3部、化学調味料0.5部および酸化防止剤0.
1部からなる原料配合をサイレントカッターに入れて充
分に練り合わせを行った。これを直径約90mmのポリ
エステルフイルム製の円筒状のケーシングに充填してリ
テーナーに入れ、80℃の湯中に入れて150分間湯煮
を行った。冷却後、リテーナーから取り出してソーセー
ジを得た。得られたソーセージにおける油脂含量は1
5.2重量%および水分含量は63.7重量%であっ
た。
【0028】(2) 上記(1)で得られたソーセージ
を厚さ4.0mmにスライスして、その表面に油脂加工
澱粉[日本食品加工(株)製]を90重量%含有し、食
塩、糖類および香辛料を含む打粉組成物をまぶして付着
させた。 (3) 小麦粉[日清製粉(株)製「雪」]と水を1:
1.6の重量比で混合して調製した温度約10℃の衣液
に、上記(2)で準備した油脂加工澱粉をまぶしたソー
セージを入れて衣液を付着させ、次いでその表面に実施
例1で用いたのと同じ乾燥パン粉を付着させて、未調理
のソーセージカツを製造した。
【0029】(4) 上記(3)で得られたソーセージ
カツの半数(10枚)はそのまま直接約180℃の油で
揚げ、残りの半数(10枚)は−20℃に冷凍した。冷
凍品の方は温度−20℃で1日間貯蔵した後、冷凍庫よ
り取り出して、凍結したまま約180℃の油で揚げた。
油で揚げて得られたソーセージカツの外観(衣の剥離状
態)および食感を上記の表1に示した評価基準にしたが
って5名のパネラーに評価してもらってその平均値を採
ったところ、下記の表3に示す結果を得た。
【0030】《実施例 3》衣液として、油脂加工澱粉
[日本食品加工(株)製]を60重量%含有し、その他
に小麦粉、コーンフラワー、糊料、食塩、糖類およびベ
ーキングパウダーを含有するバッターミックスと水を
1:1.8の割合で混合した液を使用した以外は実施例
2と同様にしてソーセージカツを製造し、その外観およ
び食感を5名のパネラーに評価してもらって平均値を採
った。その結果を表3に示す。
【0031】《比較例 4》打粉として小麦粉[日清製
粉(株)製「雪」]を用いた以外は実施例2と同様にし
て、ソーセージカツを製造し、外観および食感を5名の
パネラーに評価してもらって平均値を採った。その結果
を表3に示す。
【0032】《比較例 5》パン粉として、乾燥パン粉
[兵庫パン粉(株)製「赤玉No.33」;粒度6メッシ
ュ篩通過分100重量%、40メッシュ篩上残留分90
重量%、8メッシュ篩上残留分10重量%]を付着させ
た以外は実施例2と同様にして、ソーセージカツを製造
し、外観および食感を5名のパネラーに評価してもらっ
て平均値を採った。その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 外観(衣の剥離の有無) 食 感 非冷凍品 冷凍品 非冷凍品 冷凍品 実施例2 3.8 4.2 3.8 3.6 実施例3 4.2 4.8 4.2 4.4 比較例4 1.5 1.0 1.0 1.0 比較例5 1.8 2.6 2.6 2.4
【0034】上記の表3の結果から、油脂加工澱粉を打
粉として用い、かつ特定粒度のパン粉を用いた実施例2
および実施例3の場合には、油で揚げた時に衣がソーセ
ージから剥離せず、膨れたり破れたりしないで外観が極
めて良好であり、しかも食感的にも優れたソーセージが
得られること、そして衣液をも油脂加工澱粉から調製し
た場合には、それらの効果が一層優れていることがわか
る。それに対して、打粉として従来の小麦粉を使用した
比較例3の場合および粒度の細かいパン粉を使用した比
較例4の場合は、油で揚げた時に衣がソーセージから剥
離し膨れたり破れたりして外観が不良になり、しかも食
感的にも劣ったものになることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明による場合は、油で揚げたときに
衣の剥離に伴う衣の膨れや破れがなく、しかもソフトで
ジューシィ感に富む食感的にも良好なハムカツおよびソ
ーセージカツを製造することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハムまたはソーセージ類に、油脂加工
    澱粉および酸化澱粉の少なくとも一方から主としてなる
    打粉をまぶし、次いで衣液を付着させ、更に2メッシュ
    の篩を通過し40メッシュの篩上に残留するものが90
    重量%以上で且つ8メッシュの篩上に残留するものが2
    0重量%以上である粒度を有するパン粉を付着させるこ
    とを特徴とするハムカツまたはソーセージカツの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 衣液が油脂加工澱粉および酸化澱粉の少
    なくとも一方を含有している請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 パン粉を付着させて得られたハムカツま
    たはソーセージカツを、油で揚げる前または油で揚げた
    後に冷凍する請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 水分含量が60〜70重量%、油脂含量
    が3〜9重量%およびつなぎ用粉の含量が7〜14重量
    %であるカツ用ハム、または水分含量が58〜70重量
    %、油脂含量が8〜20重量%およびつなぎ用粉の含量
    が5〜15重量%であるカツ用ソーセージ。
  5. 【請求項5】 ハムまたはソーセージ類として請求項4
    のハムまたはソーセージを用いてハムカツまたはソーセ
    ージカツを製造する請求項1〜3のいずれか1項の方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3および請求項5のいずれか
    1項の方法により製造されたハムカツまたはソーセージ
    カツ。
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