JPH07156003A - 多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 - Google Patents
多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法Info
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- JPH07156003A JPH07156003A JP5306428A JP30642893A JPH07156003A JP H07156003 A JPH07156003 A JP H07156003A JP 5306428 A JP5306428 A JP 5306428A JP 30642893 A JP30642893 A JP 30642893A JP H07156003 A JPH07156003 A JP H07156003A
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- Ceramic Products (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の焼結ダイヤモンド工具の適用領域は勿
論、さらに耐熱性の問題で性能的に満足されていなかっ
た条件下でも優れた性能が発揮できる新規な多結晶ダイ
ヤモンド工具を提供すること。 【構成】 実質的に殆ど鉄族金属を含有しない超高圧焼
結ダイヤモンドを素材として工具母材にロウ付け接合し
た切削工具であって、該工具素材の刃先形成がレーザー
加工により行われていることを特徴とする多結晶ダイヤ
モンド工具。具体的には、焼結ダイヤモンドとして90
〜99.5容量%のダイヤモンドと0.1〜1容量%の
鉄族金属と残容量%の空孔から構成される。
論、さらに耐熱性の問題で性能的に満足されていなかっ
た条件下でも優れた性能が発揮できる新規な多結晶ダイ
ヤモンド工具を提供すること。 【構成】 実質的に殆ど鉄族金属を含有しない超高圧焼
結ダイヤモンドを素材として工具母材にロウ付け接合し
た切削工具であって、該工具素材の刃先形成がレーザー
加工により行われていることを特徴とする多結晶ダイヤ
モンド工具。具体的には、焼結ダイヤモンドとして90
〜99.5容量%のダイヤモンドと0.1〜1容量%の
鉄族金属と残容量%の空孔から構成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に耐熱性ならびに強度
に優れたダイヤモンド工具に関するものである。
に優れたダイヤモンド工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは硬度と熱伝導率が高いな
どの優れた特性を有することを活かし、切削工具や耐摩
工具の素材として多用されている。特に、特公昭52−
12126号公報に記載されているような、ダイヤモン
ド微粒子を鉄族金属結合材で焼結した焼結ダイヤモンド
は、単結晶ダイヤモンドの欠点であるへき開による欠損
が生じにくいためAl合金の仕上げ加工用工具として用
いられている。しかしながら、この焼結ダイヤモンドに
は耐熱性に問題があることが知られている。すなわち、
この焼結体は750℃以上の温度では、マイクロクラッ
クの発生や硬度・強度の低下が見られ、さらに900℃
以上の温度では焼結体が破壊するという問題がある。こ
れらの現象は、高温下でダイヤモンド粒子と結合材であ
る鉄系金属との界面においてダイヤモンドの黒鉛化が生
じること、ならびに両者の熱膨張率の差に基づいて発生
する熱応力によるものと考えられる。実切削、特に刃先
の温度上昇が著しい高速切削や粗加工工程での切削など
において、焼結ダイヤモンド工具に著しい摩耗が生じた
り、刃先のチッピングや欠損が起こり問題となっている
のは、上記の現象が工具素材の焼結ダイヤモンドで微視
的に生じているものと考えられている。
どの優れた特性を有することを活かし、切削工具や耐摩
工具の素材として多用されている。特に、特公昭52−
12126号公報に記載されているような、ダイヤモン
ド微粒子を鉄族金属結合材で焼結した焼結ダイヤモンド
は、単結晶ダイヤモンドの欠点であるへき開による欠損
が生じにくいためAl合金の仕上げ加工用工具として用
いられている。しかしながら、この焼結ダイヤモンドに
は耐熱性に問題があることが知られている。すなわち、
この焼結体は750℃以上の温度では、マイクロクラッ
クの発生や硬度・強度の低下が見られ、さらに900℃
以上の温度では焼結体が破壊するという問題がある。こ
れらの現象は、高温下でダイヤモンド粒子と結合材であ
る鉄系金属との界面においてダイヤモンドの黒鉛化が生
じること、ならびに両者の熱膨張率の差に基づいて発生
する熱応力によるものと考えられる。実切削、特に刃先
の温度上昇が著しい高速切削や粗加工工程での切削など
において、焼結ダイヤモンド工具に著しい摩耗が生じた
り、刃先のチッピングや欠損が起こり問題となっている
のは、上記の現象が工具素材の焼結ダイヤモンドで微視
的に生じているものと考えられている。
【0003】このような問題点を回避するために、例え
ば特開昭53−114589号公報には耐熱性を改善し
た焼結ダイヤモンドが開示されている。この焼結ダイヤ
モンドは、従来の焼結ダイヤモンドに酸処理を施して大
部分の金属結合材を除去する方法により製造されるが、
その残留金属量や空孔の量によっては耐欠損性が著しく
低下するという問題があるため、その用途は限定された
ものであった。また、特開昭59−161268号公報
や特開昭61−33865号公報には結合材にSiやN
i−Si合金を用いたものが開示されている。これらの
焼結体では耐熱性の改善は見られるが、結合材の含有量
が多くダイヤモンド粒子間結合が弱いため、通常の切削
条件下で耐摩耗性に劣るという新たな問題が生じてい
る。さらに、特開平1−212767号公報に記載され
ているように結合材を含有しないものとして低圧気相法
により合成された多結晶ダイヤモンドを用いた工具が開
示されている。この多結晶ダイヤモンドはその合成方法
の特徴に依存して断面構造が柱状組織を呈しているた
め、均質粒状組織を示す焼結ダイヤモンドに比べて、素
材の厚さ方向の強度が低く耐欠損性に劣る点が問題とな
っている。
ば特開昭53−114589号公報には耐熱性を改善し
た焼結ダイヤモンドが開示されている。この焼結ダイヤ
モンドは、従来の焼結ダイヤモンドに酸処理を施して大
部分の金属結合材を除去する方法により製造されるが、
その残留金属量や空孔の量によっては耐欠損性が著しく
低下するという問題があるため、その用途は限定された
ものであった。また、特開昭59−161268号公報
や特開昭61−33865号公報には結合材にSiやN
i−Si合金を用いたものが開示されている。これらの
焼結体では耐熱性の改善は見られるが、結合材の含有量
が多くダイヤモンド粒子間結合が弱いため、通常の切削
条件下で耐摩耗性に劣るという新たな問題が生じてい
る。さらに、特開平1−212767号公報に記載され
ているように結合材を含有しないものとして低圧気相法
により合成された多結晶ダイヤモンドを用いた工具が開
示されている。この多結晶ダイヤモンドはその合成方法
の特徴に依存して断面構造が柱状組織を呈しているた
め、均質粒状組織を示す焼結ダイヤモンドに比べて、素
材の厚さ方向の強度が低く耐欠損性に劣る点が問題とな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明においてこれら
の問題点を踏まえ、従来の焼結ダイヤモンド工具の適用
領域は勿論、さらに耐熱性の問題で性能的に満足されて
いなかった条件下でも優れた性能が発揮できる新規な多
結晶ダイヤモンド工具を提供しようとするものである。
の問題点を踏まえ、従来の焼結ダイヤモンド工具の適用
領域は勿論、さらに耐熱性の問題で性能的に満足されて
いなかった条件下でも優れた性能が発揮できる新規な多
結晶ダイヤモンド工具を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、先ず本発明者等は特開昭53−114589号公
報記載の耐熱性焼結ダイヤモンドを工具素材に用いた場
合に生じる問題について解析を行った。その結果、残留
金属結合材の量や空孔量は一定の範囲を越えると耐欠損
性が著しく低下することを見出した。さらに、耐欠損性
は刃先の加工状態すなわち加工損傷の程度に大きく依存
するものであることも明らかになった。従って、これら
の耐欠損性に影響を及ぼす要因について改良を行うこと
により上記の目的を達成しうるとの知見が得られた。本
発明では、実質的に殆ど鉄族金属を含有しない超高圧焼
結ダイヤモンドを素材として工具母材にロウ付け接合し
た切削工具であって、該工具素材の刃先形成がレーザー
加工により行われていることを特徴とする多結晶ダイヤ
モンド工具が有効であること見出した。さらに具体的に
は、焼結ダイヤモンドとして90〜99.5容量%のダ
イヤモンドと0.1〜1容量%の鉄族金属と残容量%の
空孔から構成されるものであることを特徴とするものが
有効であることを見出した。すなわち、特開昭53−1
14589号公報開示の耐熱性焼結ダイヤモンドの組成
を改良すると共に最適な刃先形成法を適用することで工
具性能を飛躍的に向上させたものである。
めに、先ず本発明者等は特開昭53−114589号公
報記載の耐熱性焼結ダイヤモンドを工具素材に用いた場
合に生じる問題について解析を行った。その結果、残留
金属結合材の量や空孔量は一定の範囲を越えると耐欠損
性が著しく低下することを見出した。さらに、耐欠損性
は刃先の加工状態すなわち加工損傷の程度に大きく依存
するものであることも明らかになった。従って、これら
の耐欠損性に影響を及ぼす要因について改良を行うこと
により上記の目的を達成しうるとの知見が得られた。本
発明では、実質的に殆ど鉄族金属を含有しない超高圧焼
結ダイヤモンドを素材として工具母材にロウ付け接合し
た切削工具であって、該工具素材の刃先形成がレーザー
加工により行われていることを特徴とする多結晶ダイヤ
モンド工具が有効であること見出した。さらに具体的に
は、焼結ダイヤモンドとして90〜99.5容量%のダ
イヤモンドと0.1〜1容量%の鉄族金属と残容量%の
空孔から構成されるものであることを特徴とするものが
有効であることを見出した。すなわち、特開昭53−1
14589号公報開示の耐熱性焼結ダイヤモンドの組成
を改良すると共に最適な刃先形成法を適用することで工
具性能を飛躍的に向上させたものである。
【0006】
【作用】本発明の実施に際し、工具素材には実質的に殆
ど鉄族金属を含有しない超高圧焼結ダイヤモンドを用い
る。現状の技術で量産対応可能なものとして、より具体
的には、90〜99.5容量%のダイヤモンドと0.1
〜1容量%の鉄族金属と残容量%の空孔から構成される
超高圧焼結ダイヤモンドを用いる。この焼結ダイヤモン
ドは、特開昭53−114589号公報が開示している
ように、ダイヤモンド粉末と鉄族金属を超高圧焼結して
得られた焼結ダイヤモンドを酸処理することにより鉄族
金属のみを溶解・抽出する方法により製造することがで
きる。すなわち、硝酸・弗酸・塩酸・硫酸等の鉄族金属
を溶解できるもの、或はこれらの混酸を用いた酸処理で
ある。酸処理を行うに際しては、これらの酸に侵されな
いテフロンやガラス等からなる容器に焼結ダイヤモンド
とこれらの酸を充填・密閉することで行うのが一般的で
ある。また、処理を効率よく行うために、容器全体を2
00℃程度まで強制的に加熱する方法により溶解反応を
促進させることは極めて有効である。この方法によれ
ば、概ね数十時間で酸処理を完了することができる。
尚、酸処理を施す焼結ダイヤモンドは、90〜99.5
容量%のダイヤモンドと残容量%の鉄族金属から構成さ
れるものを用いる。この範囲の組成の焼結ダイヤモンド
を酸処理することにより、本発明の工具の素材である焼
結ダイヤモンドが製造できる。ここでダイヤモンドの含
有量を上記の範囲に限定する理由は、90容量%未満で
は耐摩耗性が不充分であること、99.5容量%を越え
るものは現状の技術では製造困難であることにある。ま
た、残留金属量の範囲は耐熱性が低下する限界と製造技
術的な限界から規定している。空孔量の規定については
上記のダイヤモンドと残留金属の量によって自ずと決定
されるものである。ダイヤモンドの粒径としては、0.
5〜50μmが好ましく、また最適範囲としては0.5
〜15μmであることが望ましい。0.5μm未満では
微粒すぎて耐摩耗性が低下する。また、50μmよりも
粗粒であると粒内破壊の規模が大きくなり耐欠損性が低
下するので好ましくない。
ど鉄族金属を含有しない超高圧焼結ダイヤモンドを用い
る。現状の技術で量産対応可能なものとして、より具体
的には、90〜99.5容量%のダイヤモンドと0.1
〜1容量%の鉄族金属と残容量%の空孔から構成される
超高圧焼結ダイヤモンドを用いる。この焼結ダイヤモン
ドは、特開昭53−114589号公報が開示している
ように、ダイヤモンド粉末と鉄族金属を超高圧焼結して
得られた焼結ダイヤモンドを酸処理することにより鉄族
金属のみを溶解・抽出する方法により製造することがで
きる。すなわち、硝酸・弗酸・塩酸・硫酸等の鉄族金属
を溶解できるもの、或はこれらの混酸を用いた酸処理で
ある。酸処理を行うに際しては、これらの酸に侵されな
いテフロンやガラス等からなる容器に焼結ダイヤモンド
とこれらの酸を充填・密閉することで行うのが一般的で
ある。また、処理を効率よく行うために、容器全体を2
00℃程度まで強制的に加熱する方法により溶解反応を
促進させることは極めて有効である。この方法によれ
ば、概ね数十時間で酸処理を完了することができる。
尚、酸処理を施す焼結ダイヤモンドは、90〜99.5
容量%のダイヤモンドと残容量%の鉄族金属から構成さ
れるものを用いる。この範囲の組成の焼結ダイヤモンド
を酸処理することにより、本発明の工具の素材である焼
結ダイヤモンドが製造できる。ここでダイヤモンドの含
有量を上記の範囲に限定する理由は、90容量%未満で
は耐摩耗性が不充分であること、99.5容量%を越え
るものは現状の技術では製造困難であることにある。ま
た、残留金属量の範囲は耐熱性が低下する限界と製造技
術的な限界から規定している。空孔量の規定については
上記のダイヤモンドと残留金属の量によって自ずと決定
されるものである。ダイヤモンドの粒径としては、0.
5〜50μmが好ましく、また最適範囲としては0.5
〜15μmであることが望ましい。0.5μm未満では
微粒すぎて耐摩耗性が低下する。また、50μmよりも
粗粒であると粒内破壊の規模が大きくなり耐欠損性が低
下するので好ましくない。
【0007】本発明においては、酸処理を施す前に超高
圧焼結ダイヤモンドをワイヤー放電加工により0.1〜
0.5mmの厚さに加工しておくことが重要である。厚
さをこのように限定する理由は、0.1mmよりも薄い
とロウ付け時に亀裂が生じやすく、また0.5mmより
も厚いと性能面での顕著な向上が見られないにも拘らず
コストが増大するため好ましくないからである。このよ
うにして得られた焼結ダイヤモンドの薄板は、超硬合金
製の台金にロウ付けされる。この際、焼結ダイヤモンド
は少なくともその一表面がRmax表示で0.05〜
0.1μm鏡面状態に加工されていることが必要であ
り、その鏡面が工具すくい面となるように配置してロウ
付けすることが重要である。これはすくい面が上記の範
囲を越えた粗い状態であると、特にアルミ合金等の切削
で被削材の溶着が生じやすくなり好ましくないためであ
る。下限のRmax0.05μmは適用する焼結ダイヤ
モンドに空孔が存在するという材質的な特徴と現状の研
磨技術の限界から規定している。尚、この鏡面研磨加工
はどの段階で行っても良いが、研磨工程での焼結体の保
持等の作業性の点からワイヤー放電加工前に実施するこ
とが好ましい。
圧焼結ダイヤモンドをワイヤー放電加工により0.1〜
0.5mmの厚さに加工しておくことが重要である。厚
さをこのように限定する理由は、0.1mmよりも薄い
とロウ付け時に亀裂が生じやすく、また0.5mmより
も厚いと性能面での顕著な向上が見られないにも拘らず
コストが増大するため好ましくないからである。このよ
うにして得られた焼結ダイヤモンドの薄板は、超硬合金
製の台金にロウ付けされる。この際、焼結ダイヤモンド
は少なくともその一表面がRmax表示で0.05〜
0.1μm鏡面状態に加工されていることが必要であ
り、その鏡面が工具すくい面となるように配置してロウ
付けすることが重要である。これはすくい面が上記の範
囲を越えた粗い状態であると、特にアルミ合金等の切削
で被削材の溶着が生じやすくなり好ましくないためであ
る。下限のRmax0.05μmは適用する焼結ダイヤ
モンドに空孔が存在するという材質的な特徴と現状の研
磨技術の限界から規定している。尚、この鏡面研磨加工
はどの段階で行っても良いが、研磨工程での焼結体の保
持等の作業性の点からワイヤー放電加工前に実施するこ
とが好ましい。
【0008】ロウ付けに際しては、工具台金の材質とし
て超硬合金を用いることが好ましい。これは、超硬合金
は熱膨張係数の大きさが焼結ダイヤモンドのそれに近い
ものが選定できることから、銅等の熱膨張係数が大きい
材料とのろう付けで発生しやすいロウ付け亀裂の問題が
生じないことによる。超硬合金としては、WC−Co等
の通常用いられる任意のものを用いることができる。特
に、結合材の含有量が10重量%以下のものは熱膨張係
数が小さいため好ましい。また、主成分である硬質炭化
物にはWCのみならず、周期律表第IVa・Va族の炭
化物を含有或は固溶していても差し支えない。また、ロ
ウ付けは周期律表第IVa族〜第VIIa族の少なくと
も1種の金属とAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびN
iの少なくとも1種を構成成分とに含有し、融点が80
0〜1,300℃のロウ材により行うことが重要であ
る。ロウ材の組成及び融点はダイヤモンドと超硬合金を
直接接合できること、ならびに接合強度の信頼性の観点
から規定されたものである。組成に関して、周期律表第
IVa族〜第VIIa族の少なくとも1種の金属を含有
するのは、これらの金属とダイヤモンドがロウ付け時に
反応することによってこれらの金属の炭化物を形成し接
合強度が高められるものである。また、融点を800〜
1,300℃に規定するのはロウ材および焼結ダイヤモ
ンドの耐熱性に起因している。すなわち、本工具では薄
板状の焼結ダイヤモンドの直下にロウ材が位置する構造
をとるため、融点が800℃よりも低いロウ材を使用す
ると工具として使用した場合に切削加工熱の影響でロウ
材が軟化流動しやすくなるという問題が生じる。従っ
て、本工具では高融点のロウ材を使用することが望まし
いが、焼結ダイヤモンドの耐熱性の限界が1300℃で
あるため、この温度をロウ材の融点の上限と定めたもの
である。上記ロウ材の組成は、周期律表第IVa族〜第
VIIa族の金属が1〜10重量%程度で、残部がA
u、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの少なくとも1
種以上を主成分として含有するものが一般的である。
尚、ロウ材の構成成分としては本発明に規定したロウ材
に要求される特性を損なわない範囲で、これらの元素以
外に周期律表IIb・IIIb・IVb族金属等を含有
していても差し支えない。ロウ付け後の刃付け加工は、
従来の焼結ダイヤモンド工具同様にダイヤモンド砥石を
用いた研削加工が可能であるが、高品質な刃先状態とす
るためにレーザー加工技術を適用することが望ましい。
て超硬合金を用いることが好ましい。これは、超硬合金
は熱膨張係数の大きさが焼結ダイヤモンドのそれに近い
ものが選定できることから、銅等の熱膨張係数が大きい
材料とのろう付けで発生しやすいロウ付け亀裂の問題が
生じないことによる。超硬合金としては、WC−Co等
の通常用いられる任意のものを用いることができる。特
に、結合材の含有量が10重量%以下のものは熱膨張係
数が小さいため好ましい。また、主成分である硬質炭化
物にはWCのみならず、周期律表第IVa・Va族の炭
化物を含有或は固溶していても差し支えない。また、ロ
ウ付けは周期律表第IVa族〜第VIIa族の少なくと
も1種の金属とAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびN
iの少なくとも1種を構成成分とに含有し、融点が80
0〜1,300℃のロウ材により行うことが重要であ
る。ロウ材の組成及び融点はダイヤモンドと超硬合金を
直接接合できること、ならびに接合強度の信頼性の観点
から規定されたものである。組成に関して、周期律表第
IVa族〜第VIIa族の少なくとも1種の金属を含有
するのは、これらの金属とダイヤモンドがロウ付け時に
反応することによってこれらの金属の炭化物を形成し接
合強度が高められるものである。また、融点を800〜
1,300℃に規定するのはロウ材および焼結ダイヤモ
ンドの耐熱性に起因している。すなわち、本工具では薄
板状の焼結ダイヤモンドの直下にロウ材が位置する構造
をとるため、融点が800℃よりも低いロウ材を使用す
ると工具として使用した場合に切削加工熱の影響でロウ
材が軟化流動しやすくなるという問題が生じる。従っ
て、本工具では高融点のロウ材を使用することが望まし
いが、焼結ダイヤモンドの耐熱性の限界が1300℃で
あるため、この温度をロウ材の融点の上限と定めたもの
である。上記ロウ材の組成は、周期律表第IVa族〜第
VIIa族の金属が1〜10重量%程度で、残部がA
u、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの少なくとも1
種以上を主成分として含有するものが一般的である。
尚、ロウ材の構成成分としては本発明に規定したロウ材
に要求される特性を損なわない範囲で、これらの元素以
外に周期律表IIb・IIIb・IVb族金属等を含有
していても差し支えない。ロウ付け後の刃付け加工は、
従来の焼結ダイヤモンド工具同様にダイヤモンド砥石を
用いた研削加工が可能であるが、高品質な刃先状態とす
るためにレーザー加工技術を適用することが望ましい。
【0009】研削加工の場合は、ダイヤモンド砥石によ
る機械的な加工であるため加工時の損傷が生じやすく1
0μm以上の大きさのチッピングは避けられない。#
3,000〜#5,000程度(1〜6μm程度)の細
かい粒度の砥石を選定すればこのチッピングの発生は抑
制されるが、加工能率が極端に低下するためコストが増
加し好ましくない。 これに対してレーザー加工は機械
的な負荷がかからない熱的な加工方法であるため加工損
傷が殆ど生じないためチッピングの大きさは0.5〜5
μmに低減することができる。さらに、レーザー加工に
よれば切断と同時に刃付けができるので研削加工による
刃付けの1/10以下の時間で刃先形成ができ低コスト
加工が容易に実現できる。
る機械的な加工であるため加工時の損傷が生じやすく1
0μm以上の大きさのチッピングは避けられない。#
3,000〜#5,000程度(1〜6μm程度)の細
かい粒度の砥石を選定すればこのチッピングの発生は抑
制されるが、加工能率が極端に低下するためコストが増
加し好ましくない。 これに対してレーザー加工は機械
的な負荷がかからない熱的な加工方法であるため加工損
傷が殆ど生じないためチッピングの大きさは0.5〜5
μmに低減することができる。さらに、レーザー加工に
よれば切断と同時に刃付けができるので研削加工による
刃付けの1/10以下の時間で刃先形成ができ低コスト
加工が容易に実現できる。
【0010】以下に本発明の実施態様を要約した形で示
す。 (1)ダイヤモンドの粒径が0.5〜15μmである請
求項1または2記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (2)超高圧焼結ダイヤモンドの厚さが0.1〜0.5
mmである上記(1)に記載の多結晶ダイヤモンド工
具。 (3)工具すくい面の面粗度がRmax表示で0.05
〜0.1μmの鏡面状態である上記(1)または(2)
に記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (4)工具素材と工具母材の接合が、周期律表第IVa
族〜第VIIa族の1種ないし全種の金属のうちのいず
れかとAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの1種
ないし全種の金属を構成成分として含有したものからな
り、融点が800〜1,300℃のロウ材により行われ
た請求項1ないし5のいずれか、または上記(1)ない
し(3)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (5)工具母材が超硬合金からなる上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (6)刃先のチッピングの大きさが0.5〜5μmであ
る上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の多結晶ダ
イヤモンド工具。 (7)ダイヤモンドの粒径が0.5〜15μmである請
求項9または10記載の多結晶ダイヤモンド工具の製造
方法。 (8)酸処理を施す前に、超高圧焼結ダイヤモンドをワ
イヤー放電加工により0.1〜0.5mmの厚さに加工
しておく上記(7)記載の多結晶ダイヤモンド工具の製
造方法。 (9)少なくともその一表面がRmax表示で0.05
〜0.1μmの鏡面状態に加工された工具素材を、該鏡
面加工面が工具すくい面となるように配置する上記
(7)または(8)記載の多結晶ダイヤモンド工具の製
造方法。 (10)工具素材と工具母材の接合を、周期律表第IV
a族〜第VIIa族の1種ないし全種の金属のうちのい
ずれかとAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの1
種ないし全種の金属を構成成分として含有したものから
なり、融点が800〜1,300℃のロウ材により行う
請求項9ないし13のいずれか、または上記(7)ない
し(9)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具の
製造方法。 (11)刃先のチッピングの大きさが0.5〜5μmで
ある上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の多結
晶ダイヤモンド工具の製造方法。 (12)刃先形成を、YAGレーザーまたはエキシマレ
ーザーで行う上記(7)ないし(11)のいずれかに記
載の多結晶ダイヤモンド工具の製造方法。
す。 (1)ダイヤモンドの粒径が0.5〜15μmである請
求項1または2記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (2)超高圧焼結ダイヤモンドの厚さが0.1〜0.5
mmである上記(1)に記載の多結晶ダイヤモンド工
具。 (3)工具すくい面の面粗度がRmax表示で0.05
〜0.1μmの鏡面状態である上記(1)または(2)
に記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (4)工具素材と工具母材の接合が、周期律表第IVa
族〜第VIIa族の1種ないし全種の金属のうちのいず
れかとAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの1種
ないし全種の金属を構成成分として含有したものからな
り、融点が800〜1,300℃のロウ材により行われ
た請求項1ないし5のいずれか、または上記(1)ない
し(3)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (5)工具母材が超硬合金からなる上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 (6)刃先のチッピングの大きさが0.5〜5μmであ
る上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の多結晶ダ
イヤモンド工具。 (7)ダイヤモンドの粒径が0.5〜15μmである請
求項9または10記載の多結晶ダイヤモンド工具の製造
方法。 (8)酸処理を施す前に、超高圧焼結ダイヤモンドをワ
イヤー放電加工により0.1〜0.5mmの厚さに加工
しておく上記(7)記載の多結晶ダイヤモンド工具の製
造方法。 (9)少なくともその一表面がRmax表示で0.05
〜0.1μmの鏡面状態に加工された工具素材を、該鏡
面加工面が工具すくい面となるように配置する上記
(7)または(8)記載の多結晶ダイヤモンド工具の製
造方法。 (10)工具素材と工具母材の接合を、周期律表第IV
a族〜第VIIa族の1種ないし全種の金属のうちのい
ずれかとAu、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの1
種ないし全種の金属を構成成分として含有したものから
なり、融点が800〜1,300℃のロウ材により行う
請求項9ないし13のいずれか、または上記(7)ない
し(9)のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具の
製造方法。 (11)刃先のチッピングの大きさが0.5〜5μmで
ある上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の多結
晶ダイヤモンド工具の製造方法。 (12)刃先形成を、YAGレーザーまたはエキシマレ
ーザーで行う上記(7)ないし(11)のいずれかに記
載の多結晶ダイヤモンド工具の製造方法。
【0011】このような方法で製造された工具は、従来
の焼結ダイヤモンド工具に比べ、特に刃先の温度が上昇
する過酷な条件下での耐欠損性や耐摩耗性が向上し優れ
た切削性能を示すものである。従来の焼結ダイヤモンド
では先に述べたように耐熱性が不充分であるため、過酷
な条件下ではチッピングが発生しやすくかつそれが進展
して大破に至る傾向が強い。これに対して本発明の焼結
ダイヤモンドでは、耐熱性に優れることからチッピング
の発生が抑制され、かつ空孔の存在によってチッピング
の進展が止まるため大きな損傷に至らないという特徴が
ある。さらに、チッピングの発生が抑制される要因とし
ては刃先形成後の加工損傷が少ない点も寄与していると
考えられる。
の焼結ダイヤモンド工具に比べ、特に刃先の温度が上昇
する過酷な条件下での耐欠損性や耐摩耗性が向上し優れ
た切削性能を示すものである。従来の焼結ダイヤモンド
では先に述べたように耐熱性が不充分であるため、過酷
な条件下ではチッピングが発生しやすくかつそれが進展
して大破に至る傾向が強い。これに対して本発明の焼結
ダイヤモンドでは、耐熱性に優れることからチッピング
の発生が抑制され、かつ空孔の存在によってチッピング
の進展が止まるため大きな損傷に至らないという特徴が
ある。さらに、チッピングの発生が抑制される要因とし
ては刃先形成後の加工損傷が少ない点も寄与していると
考えられる。
【0012】
【実施例1】粒径10μmのダイヤモンド粉末と粒径1
μmのCo粉末を重量で9:1の割合で調合し、アセト
ンを媒体とした湿式ボールミルによって混合を行った。
この混合物を真空中800℃で熱処理した後、超硬合金
製のカプセルに充填して圧力:5万気圧・温度:1,4
00℃の条件で20分間超高圧焼結を行った。回収した
焼結体(A)には異常粒成長等は見られず、ダイヤモン
ド同志が強固に結合し4容量%のCoを含有したもので
あった。この焼結体の表面をダイヤモンド研磨機により
ラッピングを行い表面粗さをRmax表示で0.08μ
mとした。その後、厚さが0.4mmとなるようにワイ
ヤー放電加工機により薄板状に切断を行った。次に、切
断された薄板状焼結ダイヤモンドを熱王水中に20時間
浸漬してCo結合材の溶解抽出を行った。分析の結果、
酸処理後回収した焼結体(B)は97.5容量%のダイ
ヤモンドと0.6容量%のCoと1.9容量%の空孔か
ら構成されるものであることが明らかとなった。焼結体
(A)および(B)を素材として、表1に示す異なるロ
ウ材を用いて接合した工具を作製した。なお、台金材質
としては95WC−5Co(重量比)の組成を有するK
10種超硬合金を用いた。
μmのCo粉末を重量で9:1の割合で調合し、アセト
ンを媒体とした湿式ボールミルによって混合を行った。
この混合物を真空中800℃で熱処理した後、超硬合金
製のカプセルに充填して圧力:5万気圧・温度:1,4
00℃の条件で20分間超高圧焼結を行った。回収した
焼結体(A)には異常粒成長等は見られず、ダイヤモン
ド同志が強固に結合し4容量%のCoを含有したもので
あった。この焼結体の表面をダイヤモンド研磨機により
ラッピングを行い表面粗さをRmax表示で0.08μ
mとした。その後、厚さが0.4mmとなるようにワイ
ヤー放電加工機により薄板状に切断を行った。次に、切
断された薄板状焼結ダイヤモンドを熱王水中に20時間
浸漬してCo結合材の溶解抽出を行った。分析の結果、
酸処理後回収した焼結体(B)は97.5容量%のダイ
ヤモンドと0.6容量%のCoと1.9容量%の空孔か
ら構成されるものであることが明らかとなった。焼結体
(A)および(B)を素材として、表1に示す異なるロ
ウ材を用いて接合した工具を作製した。なお、台金材質
としては95WC−5Co(重量比)の組成を有するK
10種超硬合金を用いた。
【0013】ロウ付後、焼結体(A)を素材とした工具
については#3,000のダイヤモンド砥石を用いた研
削加工で、また、焼結体(B)を素材とした工具につい
てはYAGレーザーによる熱加工で刃先の形成を行っ
た。いずれの工具も刃先のチッピングの大きさは、3μ
m程度であった。これらの工具のうち、ロウ付け後に焼
結ダイヤモンドに亀裂が入ったB−3以外について以下
の条件により切削性能の評価を行った。 〈切削条件〉 工具型番:TPGN160304 被削材:A390(Al−17%Si)長手方向にV字
状断面の溝が6本形成されたもの V=800m/min,d=1.2mm,f=0.2m
m,湿式
については#3,000のダイヤモンド砥石を用いた研
削加工で、また、焼結体(B)を素材とした工具につい
てはYAGレーザーによる熱加工で刃先の形成を行っ
た。いずれの工具も刃先のチッピングの大きさは、3μ
m程度であった。これらの工具のうち、ロウ付け後に焼
結ダイヤモンドに亀裂が入ったB−3以外について以下
の条件により切削性能の評価を行った。 〈切削条件〉 工具型番:TPGN160304 被削材:A390(Al−17%Si)長手方向にV字
状断面の溝が6本形成されたもの V=800m/min,d=1.2mm,f=0.2m
m,湿式
【0014】
【表1】 その結果、表2に示す性能が得られた。
【0015】
【表2】
【0016】この結果から本発明の規定範囲内であるB
−1は、従来の焼結ダイヤモンド工具(A−1、A−
2、A−3)では不充分であった耐摩耗性の問題や耐欠
損性の不安定さが解消されたものであることが明らかと
なった。尚、工具B−3でロウ付け後の焼結ダイヤモン
ドに亀裂が発見されたのは、台金に熱膨張係数が大きい
鋼を用いているためロウ付け後の冷却過程での収縮が焼
結ダイヤモンドに比べ大きく、その結果として焼結ダイ
ヤモンド中の残留応力が大きくなったためと考えられ
る。
−1は、従来の焼結ダイヤモンド工具(A−1、A−
2、A−3)では不充分であった耐摩耗性の問題や耐欠
損性の不安定さが解消されたものであることが明らかと
なった。尚、工具B−3でロウ付け後の焼結ダイヤモン
ドに亀裂が発見されたのは、台金に熱膨張係数が大きい
鋼を用いているためロウ付け後の冷却過程での収縮が焼
結ダイヤモンドに比べ大きく、その結果として焼結ダイ
ヤモンド中の残留応力が大きくなったためと考えられ
る。
【0017】
【実施例2】表3に示したダイヤモンド粉末と鉄族金属
粉末を重量で9:1の割合で混合し、これらを原料とし
て圧力:5万気圧、温度:1,400℃で焼結を行い焼
結ダイヤモンドを作製した。
粉末を重量で9:1の割合で混合し、これらを原料とし
て圧力:5万気圧、温度:1,400℃で焼結を行い焼
結ダイヤモンドを作製した。
【0018】
【表3】
【0019】回収したそれぞれの焼結体はその表面にダ
イヤモンド研磨機によるラッピング加工が施された。こ
れらの焼結体をワイヤー放電加工機により薄板状に切断
を行った後、80℃に加熱された弗硝酸の中に30時間
浸漬して金属結合材の溶解抽出を行った。表4には酸処
理後回収された焼結体をICP分析(誘導結合プラズマ
発光分光分析)により判定された組成をまとめた。また
同表にはそれぞれの焼結体を工具素材として作製した工
具のロウ材の仕様と切削性能評価の結果を併せて示す。
尚、上記の工具の刃付け加工はいずれもYAGレーザー
で行った。また、切削性能の評価は以下の条件により行
ない、比較としてNo.Cの焼結体の酸処理を施さなか
ったを素材とし研削加工で刃付けを行った工具(C′)
も併せて評価した。台金材質としては92.5WC−
1.5NbC−6Co(重量比)の組成を有するK10
種超硬合金を用いた。
イヤモンド研磨機によるラッピング加工が施された。こ
れらの焼結体をワイヤー放電加工機により薄板状に切断
を行った後、80℃に加熱された弗硝酸の中に30時間
浸漬して金属結合材の溶解抽出を行った。表4には酸処
理後回収された焼結体をICP分析(誘導結合プラズマ
発光分光分析)により判定された組成をまとめた。また
同表にはそれぞれの焼結体を工具素材として作製した工
具のロウ材の仕様と切削性能評価の結果を併せて示す。
尚、上記の工具の刃付け加工はいずれもYAGレーザー
で行った。また、切削性能の評価は以下の条件により行
ない、比較としてNo.Cの焼結体の酸処理を施さなか
ったを素材とし研削加工で刃付けを行った工具(C′)
も併せて評価した。台金材質としては92.5WC−
1.5NbC−6Co(重量比)の組成を有するK10
種超硬合金を用いた。
【0020】〈切削条件〉 工具型番:SPGN120308 被削材:ADC12(Al−12%Si)長手方向にU
字状断面の溝が4本形成されたもの V=1,500m/min,d=3mm,f=0.4m
m,t=30min,湿式
字状断面の溝が4本形成されたもの V=1,500m/min,d=3mm,f=0.4m
m,t=30min,湿式
【0021】
【表4】
【0022】この結果から、本発明の規定範囲内である
工具(No.C,E,F,I,J,K)はいずれも欠損
がなく、従来の焼結ダイヤモンドに比べて良好な耐摩耗
性を示すことが明らかとなった。尚、No.DとHで欠
損が生じたのは、それぞれダイヤモンドの含有量が少な
くかつ空孔量が多いこと(D)、ダイヤモンドの粒径が
75μmと大きすぎたこと(H)によると考えられる。
さらに、No.Gでは耐摩耗性の著しい向上が見られな
かったが、これはダイヤモンドの粒径が0.1μmと小
さすぎたためと考えられる。
工具(No.C,E,F,I,J,K)はいずれも欠損
がなく、従来の焼結ダイヤモンドに比べて良好な耐摩耗
性を示すことが明らかとなった。尚、No.DとHで欠
損が生じたのは、それぞれダイヤモンドの含有量が少な
くかつ空孔量が多いこと(D)、ダイヤモンドの粒径が
75μmと大きすぎたこと(H)によると考えられる。
さらに、No.Gでは耐摩耗性の著しい向上が見られな
かったが、これはダイヤモンドの粒径が0.1μmと小
さすぎたためと考えられる。
【0023】
【実施例3】粒径5μmのダイヤモンド粉末と粒径0.
5μmのNi粉末を重量で8:2の割合で調合し、エタ
ノールを媒体とした湿式ボールミルによって混合を行っ
た。この混合物を真空中1,000℃で熱処理した後、
Ni製のカプセルに充填して圧力:5万5千気圧・温
度:1,500℃の条件で15分間超高圧焼結を行っ
た。回収した焼結体(L)は、ダイヤモンドの粒径が5
μmに維持されかつ相互に結合した組織を呈していた。
また、ICP分析によりこの焼結体は、表5に示した組
成であることが判明した。この焼結体の表面をダイヤモ
ンド研磨機によるラッピング加工で表面粗さをRmax
表示で0.06μmの鏡面状態にした後、厚さが0.3
mmとなるようにワイヤー放電加工機により薄板状に切
断を行った。次に、切断された薄板状焼結ダイヤモンド
を70℃に保温された弗硝酸に浸漬してNi結合材の溶
解抽出を行った。表5には上記の分析法によって得られ
た回収焼結体の残存Ni結合材の量と浸漬した時間の関
係をまとめた。これらの焼結体を融点が1,000℃の
Cu−Ni−Tiロウ材により超硬合金製の工具母材と
接合を行った後、エキシマレーザーで刃先形成を行っ
た。超硬合金としては71.8WC−8.2TiC−1
4.4(Ta2,Nb)C−5.6Co(重量比)の組
成のP10種のものを用いた。これらの工具について、
以下の条件で正面フライス切削を行い性能評価を行っ
た。尚、比較として従来の焼結ダイヤモンドである焼結
体Lについても、融点が650℃のAg−Cu−Zn−
Snロウ材で超硬合金母材に接合しダイヤモンド砥石に
よる研削刃付けで工具を作製した。
5μmのNi粉末を重量で8:2の割合で調合し、エタ
ノールを媒体とした湿式ボールミルによって混合を行っ
た。この混合物を真空中1,000℃で熱処理した後、
Ni製のカプセルに充填して圧力:5万5千気圧・温
度:1,500℃の条件で15分間超高圧焼結を行っ
た。回収した焼結体(L)は、ダイヤモンドの粒径が5
μmに維持されかつ相互に結合した組織を呈していた。
また、ICP分析によりこの焼結体は、表5に示した組
成であることが判明した。この焼結体の表面をダイヤモ
ンド研磨機によるラッピング加工で表面粗さをRmax
表示で0.06μmの鏡面状態にした後、厚さが0.3
mmとなるようにワイヤー放電加工機により薄板状に切
断を行った。次に、切断された薄板状焼結ダイヤモンド
を70℃に保温された弗硝酸に浸漬してNi結合材の溶
解抽出を行った。表5には上記の分析法によって得られ
た回収焼結体の残存Ni結合材の量と浸漬した時間の関
係をまとめた。これらの焼結体を融点が1,000℃の
Cu−Ni−Tiロウ材により超硬合金製の工具母材と
接合を行った後、エキシマレーザーで刃先形成を行っ
た。超硬合金としては71.8WC−8.2TiC−1
4.4(Ta2,Nb)C−5.6Co(重量比)の組
成のP10種のものを用いた。これらの工具について、
以下の条件で正面フライス切削を行い性能評価を行っ
た。尚、比較として従来の焼結ダイヤモンドである焼結
体Lについても、融点が650℃のAg−Cu−Zn−
Snロウ材で超硬合金母材に接合しダイヤモンド砥石に
よる研削刃付けで工具を作製した。
【0024】〈切削条件〉 工具型番:SDC42R・10枚刃 被削材:AC8A(Al−12%Si)被削面に幅10
mmの溝を20本形成されたもの V=1,000〜3,000m/min,d=3mm,
f=0.2mm,t=60min,湿式 結果を表5に併せて示す。これより本発明の規定範囲内
であるNo.N・O・Qは従来の焼結体であるNo.L
に比べ特に高速切削で良好な耐摩耗性を示すことが明ら
かとなった。この結果は本発明の焼結体の優れた耐熱性
が、高速切削での刃先温度上昇に伴う焼結ダイヤモンド
の熱劣化現象を抑制したものと考えられる。
mmの溝を20本形成されたもの V=1,000〜3,000m/min,d=3mm,
f=0.2mm,t=60min,湿式 結果を表5に併せて示す。これより本発明の規定範囲内
であるNo.N・O・Qは従来の焼結体であるNo.L
に比べ特に高速切削で良好な耐摩耗性を示すことが明ら
かとなった。この結果は本発明の焼結体の優れた耐熱性
が、高速切削での刃先温度上昇に伴う焼結ダイヤモンド
の熱劣化現象を抑制したものと考えられる。
【0025】
【表5】
【0026】尚、No.Mでは顕著な耐摩耗性が発揮さ
れなかったが、これは酸処理の時間が短く残留Niが多
く耐熱性が不充分であったためと推定される。また、N
o.Pはこれ以上に酸処理時間が短かったため、Niの
溶解抽出が殆ど生ぜず高融点のロウ付けに耐えられず、
熱劣化したものと考えられる。
れなかったが、これは酸処理の時間が短く残留Niが多
く耐熱性が不充分であったためと推定される。また、N
o.Pはこれ以上に酸処理時間が短かったため、Niの
溶解抽出が殆ど生ぜず高融点のロウ付けに耐えられず、
熱劣化したものと考えられる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来に比
べて耐熱性に優れた焼結ダイヤモンド工具が得られるの
で、特に高速加工や粗加工等の刃先温度が上昇する途中
で耐摩耗性や耐欠損性の良好な切削工具が実現できる。
べて耐熱性に優れた焼結ダイヤモンド工具が得られるの
で、特に高速加工や粗加工等の刃先温度が上昇する途中
で耐摩耗性や耐欠損性の良好な切削工具が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 37/02 B // B23K 35/30 310 Z
Claims (12)
- 【請求項1】 実質的に殆ど鉄族金属を含有しない超高
圧焼結ダイヤモンドを素材として工具母材にロウ付け接
合した切削工具であって、該工具素材の刃先形成がレー
ザー加工により行われていることを特徴とする多結晶ダ
イヤモンド工具。 - 【請求項2】 超高圧焼結ダイヤモンドが、90〜9
9.5容量%のダイヤモンドと0.1〜1容量%の鉄族
金属と残容量%の空孔から構成されるものであることを
特徴とする請求項1記載の多結晶ダイヤモンド工具。 - 【請求項3】 ダイヤモンドの粒径が0.5〜50μm
であることを特徴とする請求項1または2記載の多結晶
ダイヤモンド工具。 - 【請求項4】 超高圧焼結ダイヤモンドの厚さが0.1
〜0.5mmであることを特徴とする請求項1ないし3
のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 - 【請求項5】 工具すくい面の面粗度がRmax表示で
0.05〜0.1μmの鏡面状態であることを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載の多結晶ダイヤモ
ン晶ダイヤモンド工具。 - 【請求項6】 工具素材と工具母材の接合が、周期律表
第IVa族〜第VIIa族の少なくとも1種の金属とA
u、Ag、Cu、Pt、Pdおよび Niの少なくとも
1種を構成成分として含有し、融点が800〜1,30
0℃のロウ材により行われたことを特徴とする請求項1
ないし5のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具。 - 【請求項7】 ダイヤモンド粉末と鉄族金属を超高圧焼
結した焼結ダイヤモンドを酸処理することによって鉄族
金属のみを溶解・抽出して実質的に殆ど鉄族金属を含有
しない状態としたものを工具素材とし、該工具素材を工
具母材にロウ付け接合した後に刃先形成をレーザー加工
によって行うことを特徴とする多結晶ダイヤモンド工具
の製造方法。 - 【請求項8】酸処理を施す超高圧焼結ダイヤモンドが、
90〜99.5容量%のダイヤモンドと残部容量%の鉄
族金属から構成されていることを特徴とする請求項9記
載の多結晶ダイヤモンド工具の製造方法。 - 【請求項9】ダイヤモンドの粒径が0.5〜50μmで
あることを特徴とする請求項9または10記載の多結晶
ダイヤモンド工具の製造方法。 - 【請求項10】少なくともその一表面がRmax表示で
0.05〜0.1μmの鏡面状態に加工された工具素材
を、該鏡面加工面が工具すくい面となるように配置する
ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載
の多結晶ダイヤモンド工具の製造方法。 - 【請求項11】工具素材と工具母材の接合を、周期律表
第IVa族〜第VIIa族の少なくとも1種の金属とA
u、Ag、Cu、Pt、PdおよびNiの少なくとも1
種を構成成分として含有し、融点が800〜1,300
℃のロウ材により行うことを特徴とする請求項9ないし
13のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具の製造
方法。 - 【請求項12】刃先形成を、YAGレーザーまたはエキ
シマレーザーで行うことを特徴とする請求項9ないし1
5のいずれかに記載の多結晶ダイヤモンド工具の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306428A JPH07156003A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306428A JPH07156003A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07156003A true JPH07156003A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17956904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5306428A Pending JPH07156003A (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 多結晶ダイヤモンド工具及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07156003A (ja) |
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