JPH0715566U - 柔軟容器の保持器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨てされる注出口付き柔軟容器をきわめ
て簡単に装入保持し、大形且つ大重量であっても容易に
傾けて内容物を手に付着させることなく取出せるように
する。 【構成】 周側壁１５、底壁１６および頂壁１７を有
し、周側壁１５の対向位置に柔軟容器を出し入れするた
め下部を残して上端まで形成した開口２０と柔軟容器の
一部を突出させるため下部に形成した窓孔１９とを設
け、頂壁１７に開口２０へ開口から斜めに差込み注出口
を案内溝に嵌込んで直立させる。また、周側壁１５に外
側方へ突出した把手１８を設け、内容物重量で反対側が
低くなる回転力を利用して注出口から内容物を取出すよ
うにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は頂部上方に突出した注出口を有していて傾けることにより内容物が取 出される袋状の柔軟容器を装入保持して一体に取扱う保持器に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

家庭用の液状洗剤、食用油、液状調味料などの容器は一般に使い捨てされるが 、廃棄物が環境汚染の原因となるので可撓性あるフィルム状材料で袋状に形成し て廃棄物の減量を計することが考えられている。

【０００３】 これらの柔軟容器は自立性に乏しく不安定であるので、容器として働く硬質の 保持器で包み直立性をもたせることが内容物を分与器（デイスペンサ）によって 取出すようにしたものについて提案されている（実公平１−２３５６１号公報、 実開平５−３４１８４号参照）。即ち、分与器を保持器の上方へ突出させて柔軟 容器に装着し、この分与器を指先でポンプ操作することにより内容物を取出すも のであって、分与器と保持器とは繰返して使用されるが柔軟容器は使い捨てされ る。

【０００４】 一方、家庭用の液状洗剤、食用油、液状調味料などを充填する容器の多くは１ ｌまたは１．８ｌ入りであってかなり大形である。このような容器を廃棄物減量 のためフィルム状材料で作るとともに、価格低減を計るため分与器を使用しない こととし、柔軟容器を内装した保持器を傾けて柔軟容器の頂部上方に突出形成し た注出口から内容物を流出させて取出すようにすることが考えられる。

【０００５】 このようにすると、例えば食用油を一時に大量に鍋に移すことができるなど、 一般家庭での利用に便利な点があるが、前記の分与器付きの二重構造容器におけ る保持器のようにテーブルなどに置いたままの直立状態で内容物を取出すことが できることから単純な円筒形または箱形に作られているものをそのまま使用した 場合、かなり大形で大重量の柔軟容器を内装したものを持上げて傾けるのは取扱 いにくく不便であるばかりか、注出した内容物が外面を伝わって流れ手に付着し て汚れたり滑って落下させる、という心配がある。

【０００６】 更に、前記の分与器付きのものにおいては柔軟容器をねじ込みまたはスライド によって保持器に装入し保持させるのでかなり面倒であり、一般家庭のさまざま な人の中に取扱い困難な人がいるのを避けられない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、頂部上方に突出した注出口を有する柔軟容 器を内装して保持させ、傾けることによって注出口から内容物を取出させる保持 器であって、柔軟容器が大形で大重量であっても内容物を取出しやすいとともに 内容物を手に付着させる心配なく取扱うことができ、しかも柔軟容器の装入と保 持をきわめて簡単に行なうことができるものが提供されていない、という点であ る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案は周側壁、底壁および頂壁を有し柔軟容器 をほぼ隙間なく装入する大きさに作り、周側壁には外側方へ突出した把手と下部 に設けた窓孔と中心を挟んで窓孔に対向する部分に下部を残して上端まで設けた 開口とを具えさせ、また頂壁には開口に一端を開放した案内溝を具えさせ、柔軟 容器を開口から注出口を案内溝に嵌合して装入する構成としたものであり、この ような保持器を用いることによって大形で大重量の柔軟容器から内容物を容易に 取出せるとともに手に付着させる心配なく取扱うことができ、しかも柔軟容器を 装入して保持させる作業がきわめて簡単に行なえる、という目的が達成される。

【０００９】

【作用】

柔軟容器を開口から斜めに差込み、次に直立させて注出口を案内溝に嵌込んだ 状態で装入する。その際に柔軟容器の差込み方向へ向かって先端側下部を窓孔か ら突出させることにより隙間が殆んどない保持器にも簡単に装入し保持させるこ とができる。次に、把手を握って持上げると柔軟容器の重量によって把手の反対 側が低くなる回転力を生じるので、必要な角度だけ傾けることにより内容物を注 出口から把手の反対側へ流出させて取出す。即ち、大形で大重量の柔軟容器であ っても簡単に装入し且つ片手で容易に傾けて内容物を手に付着させる心配なく流 出させ取出すことができるものである。

【００１０】

【実施例】

図面を参照して本考案の実施例を説明すると、先ず柔軟容器１は合成樹脂フィ ルムまたはこれに金属箔、紙、セロファンを適宜に組合せて積層した柔軟なフィ ルム状材料で平面長方形の箱形に形成されており、その長辺側の前面壁２と後面 壁３とを頂部において合掌状に合せて溶着または接着により形成した封止部４の 中央部に注出筒体５が取付けられている。

【００１１】 注出筒体５は一般に硬質合成樹脂で作られており、封止部４に挟まれる基部に 平面三角形状の舌状片６を外側方へ突出させて有しており、前面壁２と後面壁３ とは封止部４の互いの接合面からこの舌状片６を経て注出筒体５の外側周面にな めらかに湾曲して互いに溶着または接着により気密に接合させられている。また 、この注出筒体５は前記の接合個所の上方に位置させて二つのフランジ７，７を 有しそれらの隙間の封止部４と直交する部分は互いに平行な係合溝８，８を形成 しているとともに、更にその上方の外側周面にキャップ１２を装着するためのね じ９を有し、上下に貫通した中空部は注出口１０として働く。

【００１２】 次に、前記の柔軟容器１を装入して保持するのに適した本考案に係る保持器は 一般に硬質合成樹脂で形成された周側壁１５、底壁１６および頂壁１７を有し、 柔軟容器１をほぼ隙間なく装入する大きさの平面長方形に作られている。

【００１３】 周側壁１５の四つの壁部分は上部に中心へ向かって傾斜する部分を有しており 、対向する短辺側の二つの壁部分１５ａ，１５ｂの内で一方の壁部分１５ａの中 央部に把手１８が外側方へ突出して一体形成により設けられている。また、対向 する長辺側の一方の壁部分１５ｃは下部に全幅に亘って窓孔１９を有し、対向す るもう一方の壁部分１５ｄは窓孔１９に対向してその高さとほぼ等しい高さで形 成され、それより上方は頂壁１７に至るまで開放されて開口２０を形成している 。

【００１４】 頂壁１７には開口２０に一端を開放した案内溝２１が設けられており、その側 縁部２２，２２に係止突起２３，２３が対向して設けられている。

【００１５】 このような構成の本実施例は、柔軟容器１を上端の頂壁１７と下部の壁部分１ ５ａとを避けて開口２０から斜めに差込む。このとき、差込み方向へ向かって先 端側下部を窓孔１９から突出させて基端側下部を底壁１６に載せ（図４のＡ参照 ）、次に例えば注出筒体５を押すことによって基端側下部を底壁１６に沿ってす べらせながら直立方向へ回動させる。これにより、注出筒体５が案内溝２１に進 入しその係合溝８，８が側縁部２２，２２に嵌合して係止突起２３，２３を通過 し案内溝２１の先端に接するに至る。この状態で柔軟容器１は直立し、前面壁２ 、後面壁３および短辺側の両側面が壁部分１５ｃ，１５ｄおよび壁部分１５ａ， １５ｂに対しそれぞれ僅かな隙間を有し注出筒体５が頂壁１６の上方へ突出する （図３，図４のＢ参照）。また、この柔軟容器１は底面が底壁１７に接触するか 或いは僅かに離れて係合溝８，８と側縁部２２，２２との係合により保持される 。

【００１６】 キャップ１２を外して注出口１０を開放し、把手１８を握って持上げると、柔 軟容器１の内容物の重量により把手１８の反対側の壁部分１５ｂの方が低くなる 回転力を生じる。従って、把手１８を強く持って回転力による傾きを適当な角度 で阻止するか、或いは回転力による傾き以上に傾けることにより、内容物が注出 口１０から把手１８の反対側へ流出して取出される。このため、内容物が外面を 伝わって流れても手に付着するということがない。

【００１７】 内容物を使用しつくしたときは注出筒体５を案内溝２１に沿い開口２０の方へ 移動させ空の柔軟容器１を引張り出して新しい柔軟容器１を前述の要領で装入す る。

【００１８】 本実施例によると、柔軟容器１を周側壁１５と僅かな隙間を与えて装入し且つ 係合溝８，８を案内溝２１の側縁部２２，２２に係合することにより前後左右お よび上下の動きを規制しているので、内容物を取出すため或いは移動のため持上 げた際に傾いても柔軟容器１を内部で大きく動かしたり或いは外したりする心配 がなく、安定よく取扱うことができる。

【００１９】 また、周側壁１５の上部、殊に把手１８の反対側の壁部分１５ｂの上部が傾斜 させてあるので、鍋などの容器に内容物を移すときそれらの縁に傾斜部分を接近 または接触させて注出口１０を容器内側の上方へ大きく突出させた状態とし、外 部にこぼす心配なく注出することができる。

【００２０】 尚、周側壁１５の上部が傾斜していなくても本考案の目的を達成できることは 勿論である。また、柔軟容器１の形状によっては底壁１６と頂壁１７とで上下動 を防止できるので、案内溝２１は注出口１０を単に突出させるだけのものであっ てもよい。更に、窓孔１９と開口２０とは把手１８に直交する位置に設けたが、 この位置関係に拘束されるものではない。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように、本考案によると柔軟容器を出し入れするための開口を周側壁に 下部を残して上端まで形成するとともに、中心を挟んで対向する部位の下部に柔 軟容器の一部を突出させるための窓孔を設け、頂壁に注出口を嵌合させるための 開口へ開放させた案内溝を設けた構成であるから、柔軟容器を開口から斜めに差 込んで直立させることにより、大形で大重量の柔軟容器であってもがたつきの原 因となる隙間を必要としないできわめて簡単に装入し、且つ全周に亘って周側壁 が存在することにより安定よく保持させることができる。

【００２２】 また、把手を握って持上げると内容物の重量によってその反対側が低くなる方 向の回転力を生じ、大形で大重量であっても自然に傾いた状態で内容物を一時に 大量に或いは任意量取出すことができる。しかも、その際に内容物は手の反対方 向へ注出されるとともに、手は高い方の外側方に位置するので内容物が付着する ことが全くなく、このため手を汚したり或いはすべって落下させる心配なく取扱 うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図。

【図２】図１の反対側から見た斜視図。

【図３】柔軟容器を装入保持した状態の縦断面図。

【図４】柔軟容器を装入する説明図。

【符号の説明】

１， 柔軟容器， １０ 注出口， １５ 周側壁，
１６ 底壁， １７，頂壁， １８ 把手， １９ 窓
孔， ２０ 開口， ２１ 案内溝，

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頂部上方に突出した注出口を有する柔軟
   容器を装入保持するための保持器であって、周側壁、底
   壁および頂壁を有し前記柔軟容器をほぼ隙間なく装入す
   る大きさに作られていて、前記周側壁は外側方へ突出し
   た把手と下部に開設した窓孔と中心を挟んで前記窓孔に
   対向する部分に下部を残して上端まで開設した開口とを
   具えているとともに、前記頂壁は前記開口に一端を開放
   した案内溝を具えており、前記柔軟容器を前記開口から
   前記注出口を前記案内溝に嵌合して装入させる構成とし
   たことを特徴とする保持器。