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JPH07138156A - 免疫抑制剤 - Google Patents

免疫抑制剤

Info

Publication number
JPH07138156A
JPH07138156A JP28961793A JP28961793A JPH07138156A JP H07138156 A JPH07138156 A JP H07138156A JP 28961793 A JP28961793 A JP 28961793A JP 28961793 A JP28961793 A JP 28961793A JP H07138156 A JPH07138156 A JP H07138156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agent
immunosuppressive
immunosuppressive agent
plants
loriolide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28961793A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Uramoto
昌和 浦本
Naomasa Okada
尚正 岡田
Katsutoshi Shirata
勝利 白田
Mitsuru Niwano
満 庭野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP28961793A priority Critical patent/JPH07138156A/ja
Publication of JPH07138156A publication Critical patent/JPH07138156A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毒性の低い新規な免疫抑制剤を提供する。 【構成】 下式 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
低級アルキル基を示す)で示されるテルペン誘導体およ
び医薬として許容される担体を含有することを特徴とす
る免疫抑制剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫抑制剤に関し、より
詳しくは副作用の少ない免疫抑制剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】免疫系は、T細胞やB細胞などのさまざ
まな機能を有する免疫細胞群が相互に作用することによ
ってその恒常性を維持している。その機構は精密をきわ
めたものであり、その微妙なバランスが崩壊すると、重
篤な病変を誘導する様になる。例えば、膠原病、全身性
エリトマトーデス、リュウマチ様関節炎、各種アレルギ
ー性疾患などの疾患は、この免疫細胞の制御機構が崩壊
した結果、自己に対する抗体が産生されたり、過剰な免
疫反応が誘導されて発病する疾患である。この様な疾患
の治療には、前者の場合は免疫力を増強させる免疫賦活
剤が与えられ、後者の場合は免疫力を低下させる免疫抑
制剤が用いられる。本発明は後者の免疫抑制剤に関する
ものであって、既知の免疫抑制剤としてはシクロスポリ
ンA、ミゾリビン、アザチオプリンなどが用いられてい
るが、これらの免疫抑制剤には腎毒性や骨髄機能抑制な
どの重篤な副作用が見られ、大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、毒性の
低い新規な免疫抑制剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の免疫抑制剤は、
下式
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1およびR2はそれぞれ同一また
は異なって、低級アルキル基を示す)で示されるテルペ
ン誘導体および医薬として許容される担体を含有するこ
とに要旨を有するものである。
【0007】
【作用】まず、上式のR1およびR2において用いられる
低級アルキル基とは、炭素原子1〜6個を有するアルキ
ル基を意味し、その好ましい例としては、直鎖もしくは
分枝鎖脂肪族炭化水素残基が挙げられ、たとえばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げら
れ、より好ましくはR1およびR2が共にメチル基である
場合(この化合物はロリオライドと呼ばれる)である。
【0008】本発明の有効成分の一つであるロリオライ
ドは、ドクムギ科(Loliumm perenne )[R. Hodges e
t.al., Tetrahedron, 20, 1463-1467, 1964]の植物;
褐藻類(ホンダワラ,Sargassum crassifolium)[M.
Kuniyoshi, Botanica Marina,28, 501-503, 1985]、
紅藻類(イワノカワ,Peyssonnelia caulifera)[Su,J
ingyu et al., Zhongguo Haiyang Yaowu, 11(3), 1-3,
1992 ]などの藻類;お茶や生薬として用いられている
杜仲(トチュウ、Eucommia ulmoides O.)などの植物に
含有されている。
【0009】ロリオライドの調製方法としては、例えば
以下の様な方法が挙げられる。杜仲の葉を天日で乾燥
し、この乾燥葉2kgを用いてクロロホルム6Lで3回
抽出を繰り返して行い、減圧濃縮を行うことによりクロ
ロホルム抽出物53gを得た。次に、この抽出物を順相
のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、クロロ
ホルム3L、クロロホルム−メタノールの混液(97.
5:2.5)3Lで溶出した。このクロロホルム−メタ
ノール溶出部から溶媒を減圧下で除去した後、さらに高
速液体クロマトグラフィー(TSKgel OH-120 )で2回精
製することにより、ロリオライド20mgを得た。ま
た、他のテルペン誘導体は、公知のラクトン環形成反応
によって製造できる。
【0010】ロリオライドは上述の様に食用植物などに
広く含有されているが、これらの植物による副作用は未
だ報告されていない。また、マウス脾臓のリンパ球細胞
に対する細胞障害性を検討したところ、シクロスポリン
AのIC50が0.038μg/mlであるのに対し、ロ
リオライドのIC50は20μg/mlであり、ロリオラ
イドは細胞障害性が低いことがわかる。さらに、マウス
およびラットを用いた急性経口毒性試験を行ったとこ
ろ、2g/kgを投与しても死亡は認められなかった。
【0011】本発明の薬剤は、経口剤及び非経口剤のい
ずれの形態でも提供可能であり、投与経路や投与対象等
に応じた最適の剤型を選ぶことができる。経口投与に適
した剤型としては、錠剤、散剤、顆粒剤、軟・硬カプセ
ル剤、舌下剤、各種液剤等が例示され、非経口に適した
剤型としては、水溶性懸濁液、油性製剤などの皮下、静
脈あるいは筋肉注射、点滴剤、固体状または懸濁粘稠液
状の坐薬等が非限定的に例示される。
【0012】本発明の免疫抑制剤の製剤化に当たって
は、常法に従い、界面活性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及
び必要に応じて医薬的に許容し得る皮膜形成物質、コー
ティング助剤等の医薬として許容される担体を用いるこ
とができ、以下にその具体例を挙げる。
【0013】本発明薬剤を経口投与するときの消化管内
での崩壊・溶出を良好にするために、界面活性剤、たと
えばツイーン60、ポリソルベート80で代表されるよ
うなアルコール、エステル類、ポリエチレングリコール
誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪族
アルコール類の1種あるいは2種以上を添加することが
できる。
【0014】また、賦形剤としては、例えばショ糖、乳
糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニット、軽質無
水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸
マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム等の1種または2種
以上を組み合わせて添加することができる。
【0015】滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、硬化油等を1種または2種以上添加
することができ、矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッ
カリン、ショ糖、マンニット、オレンジ油、カンゾウエ
キス、クエン酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、
リンゴ酸などの甘味剤、香料、着色料、保存料等を含有
させても良い。
【0016】懸濁剤や浸潤剤の様な佐剤としては、例え
ば、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳
酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含有させ
ることができる。また皮膜形成物質としては、例えば酢
酸フタル酸セルロース(CAP)、またアクリル酸メチ
ル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル・メタ
クリル酸共重合体等が挙げられる。
【0017】また上記皮膜形成物質をコーティングする
に際しては、通常使用されるコーティング助剤、例えば
可塑剤のほか、コーティング操作時の薬剤相互の付着防
止のための各種添加剤を添加することによって皮膜形成
剤の性質を改良したり、コーティング操作をより容易な
らしめることができる。なお皮膜形成物質を用いて有効
成分をマイクロカプセル化してから賦形剤等と混合した
剤型としても良い。
【0018】本発明薬剤の投与量は、症状の程度、患者
の全身状態、年齢、体重等に応じて十分な免疫抑制能を
発揮し得る量であり、投与経路や剤型等を考慮して適宜
決定されるものであるが、有効成分であるロリオライド
の量として、経口投与の場合、一般に約0.01〜10
0mg/kg/日の範囲であるが、好ましくは約5〜1
5mg/kg/日とする。また非経口投与の場合、約
0.001〜10mg/kg/日の範囲であるが、好ま
しくは0.5〜1.5mg/kg/日程度である。
【0019】発明の免疫抑制剤は、単独で投与しても免
疫抑制効果を発揮し得るが、既知の免疫抑制剤であるシ
クロスポリンAなどとの併用投与も可能であり、このこ
とにより更に免疫抑制作用を増強することが期待され
る。以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術的範囲に包含される。
【0020】
【実施例】本実施例に用いられる化合物としてロリオラ
イドを選択し、以下の製剤化および実験を行った。製剤例1 :錠剤 常法に従って下記の組成で錠剤を作成した。 ロリオライド 1mg ラクトース 76mg トウモロコシデンプン 20mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 無水珪酸 100mg
【0021】製剤例2:カプセル剤 常法に従って下記の組成でカプセル剤を作成した。 ロリオライド 1mg トウモロコシデンプン 289mg ヒドロキシプロピルセルロース 8mg ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0022】製剤例3:顆粒剤 常法に従って下記の組成で顆粒剤を作成した。 ロリオライド 1mg マンニトール 979mg ヒドロキシプロピルセルロース 20mg
【0023】実験例1(免疫抑制活性の測定) マウスの脾臓より分離したリンパ球の増殖を測定するこ
とにより、免疫抑制活性を調べた(R.F. Ashman, 'Fund
amental Immunology' ed. by W.E. Paul, Ravan Press,
New York, 267, 1984)。すなわち、試料液として、本
発明に用いられるロリオライド(5.0μg/ml、1
0.0μg/ml)および従来の免疫抑制剤であるシク
ロスポリンA(0.0125μg/ml)を用い、各試
料液にリンパ球浮遊液(2×106 個/ml)、T細胞
の増殖を特異的に刺激するコンカナバリンA(10μg
/ml)またはB細胞の増殖を特異的に刺激するリポポ
リサッカライド(20μg/ml)を添加し、CO2
度5%で、37℃で48時間インキュベートし、T細胞
およびB細胞の増殖を3H−チミジンの取り込みを指標
として測定した。T細胞およびB細胞の抑制率はそれぞ
れ、以下の様にして算出した。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】 結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】T細胞に関しては、ロリオライド5.0μ
g/ml添加群では抑制率は約11%と低かったが、1
0.0μg/ml添加群では約27%と高い抑制率を示
し、この値はシクロスポリンA添加群に比べても有意に
高いものであった。一方、B細胞に関しては、シクロス
ポリンAでは抑制率が0であったのに対して、ロリオラ
イド5.0μg/ml添加群では抑制率は約3%であ
り、10.0μg/ml添加群では約8%と抑制作用が
見られることが分かった。なお、本発明ではロリオライ
ドを選択して上記の実施例を行ったが、本発明の範囲内
の他のテルペン化合物を用いた場合においても同様の効
果が得られる。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法は以上の様に構成されてい
るので、毒性の低い新規な免疫抑制剤を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庭野 満 茨城県つくば市観音台1丁目25番14号 株 式会社神戸製鋼所筑波研究地区内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    低級アルキル基を示す)で示されるテルペン誘導体およ
    び医薬として許容される担体を含有することを特徴とす
    る免疫抑制剤。
JP28961793A 1993-11-18 1993-11-18 免疫抑制剤 Withdrawn JPH07138156A (ja)

Priority Applications (1)

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JP28961793A JPH07138156A (ja) 1993-11-18 1993-11-18 免疫抑制剤

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JP28961793A JPH07138156A (ja) 1993-11-18 1993-11-18 免疫抑制剤

Publications (1)

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JPH07138156A true JPH07138156A (ja) 1995-05-30

Family

ID=17745561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28961793A Withdrawn JPH07138156A (ja) 1993-11-18 1993-11-18 免疫抑制剤

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0858332A1 (en) * 1995-10-31 1998-08-19 Merck & Co., Inc. Triterpene derivatives with immunosuppressant activity
JP2008056616A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Fancl Corp メラニン産生抑制剤
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CN105439998A (zh) * 2015-06-17 2016-03-30 厦门医学高等专科学校 一种从皱瘤海鞘中分离黑麦草内酯的方法
KR20210091849A (ko) * 2020-01-14 2021-07-23 전남대학교산학협력단 알레르기 질환의 예방 또는 치료용 약학적 조성물

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KR20210091849A (ko) * 2020-01-14 2021-07-23 전남대학교산학협력단 알레르기 질환의 예방 또는 치료용 약학적 조성물

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Legal Events

Date Code Title Description
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Effective date: 20010130