JPH07137991A - ワイヤロープの巻上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ワイヤロープのシーブからの脱輪および損傷を
防止する。また、リミットスイッチの誤動作を防止し、
ワイヤロープの長寿命化を図る。 【構成】トロリ６上にドラム８を設け、トロリ６下にシ
ーブ取付台14を設け、このシーブ取付台14に方向転換シ
ーブ10ａ，10ｂを設ける。シーブ取付台14にシーブブラ
ケット15を設け、このシーブブラケット15にガイドロー
ラ16を設ける。このガイドローラ16はシーブ軸に直交す
る方向かつワイヤロープに干渉しない間隙を有し、ワイ
ヤロープ９を挾持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はクレーン等のワイヤロー
プの巻上げ装置に係り、特にワイヤロープの長寿命化と
方向転換シーブからの脱輪を防止し、かつリミットスイ
ッチの誤動作を防止したワイヤロープの巻上げ装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の天井クレーンからのワイヤロープ
の巻上げ装置を説明する。図２ないし図３は従来の天井
クレーンを示すもので、この天井クレーン１は図２に示
すように一対をなす２本のクレーン本体ガーダ３の両側
をサドル４で連結してクレーン本体ガーダ３，５を一体
に構成したものである。このクレーン本体ガーダ３上に
はトロリ６が移動自在に跨設され、このトロリ６からフ
ック７が昇降自在に垂下されている。

【０００３】一方、建屋２の内部の機器配置エリアが非
常に狭くフック７が建屋２の壁面まで接近することがで
きない場合には図３に詳示するようにドラム８から垂下
されたワイヤロープ９をトロリ６の下面に強固に固定し
た方向転換シーブ10ａ，10ｂのロープ溝を介して反対に
曲げ、かつ右ないし左にワイヤロープ９を方向転換並び
に垂下することにより建屋２の壁面までフック７が接近
可能とし、フック７の稼働範囲を拡大可能な構造になっ
ている。

【０００４】また、過剰な巻上げによりロープソケット
13とトロリ６の下面との干渉を避けるためにロープソケ
ット13の上限限界位置に輪状の直動式リミットスイッチ
用ウェイト12をワイヤロープ９をその中に通して備え、
ロープソケット13が上限限界位置から巻上げられる場合
には、ロープソケット13がリミットスイチ用ウェイト12
を押し上げることにより、リミットスイッチが作動しフ
ック７の巻上動作が停止する構造となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来例におい
ては、建屋２内に吊り込んだ吊荷により機器配置エリア
が非常に狭くなり、たとえば長尺の吊荷を方向転換シー
ブ10ａ，10ｂの回転軸方向に配置せざるを得ない事情が
ある。そのため、その吊荷の縦起こし作業等において、
図示しない巻上げ用電動機，減速機を動作させてフック
７が上昇するようにドラム８を回転させる。

【０００６】しかしながら、フック７が方向転換シーブ
10ａ，10ｂの回転軸方向に横引きされるため、ワイヤロ
ープ９が方向転換シーブ10ｂから脱輪、つまり外れてし
まい吊荷を落下させる恐れがあり、非常に危険となる欠
点がある。

【０００７】そこで、ワイヤロープ９が方向転換シーブ
10ｂから外れるのを防止するための各種外れ止め金具を
設けることもできるが、しかしながら外れ止め金具にワ
イヤロープ９が当接しながら上昇ないし下降するため、
ワイヤロープ９を著しく損傷しワイヤロープ９の使用寿
命が極端に短くなる課題がある。

【０００８】一方、直動式リミットスイッチ用ウェイト
12はリミットスイッチよりワイヤ９１本で吊られている
ので水平が保てず、直動式リミットスイッチ用ウェイト
12を貫通するワイヤロープ９は直動式リミットスイッチ
用ウェイト12の貫通孔内面と常に接触している状態であ
る。そのため、ワイヤロープ９の上昇ないし下降によっ
てワイヤロープ９の接触部が著しく損傷し、ワイヤロー
プ９の使用寿命が極端に短くなる課題がある。

【０００９】また、ワイヤロープ９の上昇の際にワイヤ
ロープ９に直動式リミットスイッチ用ウェイト12が引っ
掛ることにより、直動式リミットスイッチ用ウェイト12
が持ち上げられてリミットスイッチが誤動作してフック
７の巻上げを停止してしまう課題がある。

【００１０】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的はワイヤロープの長寿命化と方向転
換シーブからの脱輪を防止し、かつリミットスイッチの
誤動作を防止する機能を備えたワイヤロープの巻上げ装
置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は先端にフックを
有するワイヤロープを巻回したドラムをトロリ上に設置
し、前記トロリ下にシーブ取付台を設け、このシーブ取
付台に方向転換シーブを設け、前記ドラムを回転して前
記ワイヤロープを前記シーブを通過させて巻取り、繰出
しするワイヤロープの巻上げ装置において、前記トロリ
下のワイヤロープ出口部にシーブブラケットを設け、こ
のシーブブラケットに前記シーブ取付台に設けた前記シ
ーブの軸に直交する方向でかつ前記ワイヤロープに干渉
しない間隙を有して前記ワイヤロープを挾持するように
して一対の回転式ガイドローラを設けてなることを特徴
とする。

【００１２】また、本発明は先端にフックを有するワイ
ヤロープを巻回したドラムをトロリ上に設置し、前記ト
ロリ下にシーブ取付台を設け、このシーブ取付台に方向
転換シーブを設け、前記ドラムを回転して前記ワイヤロ
ープを前記シーブを通過させて巻取り、繰出しするワイ
ヤロープの巻上げ装置において、前記トロリ下のワイヤ
出口部にシーブブラケットを設け、このシーブブラケッ
トに前記シーブ取付台に設けた前記シーブの軸に直交す
る方向でかつ前記ワイヤロープに干渉しない間隙を有し
て前記ワイヤロープを挾持するようにしてガイドローラ
を設け、前記シーブ取付台およびシーブブラケットから
リミットスイッチ用ウエイトを吊持してなることを特徴
とする。

【００１３】

【作用】トロリ下面のワイヤロープ出口部に一対のガイ
ドローラを設置することにより、ワイヤロープに横引き
が発生してもワイヤロープを方向転換シーブの回転方向
に円滑に繰り込むことができる。よって、前記シーブか
らワイヤロープが脱輪することがなく、安全にワイヤロ
ープを巻上げできる。

【００１４】また、直動式リミットスイッチ用ウェイト
を一点吊りから４点吊りすることによりワイヤロープと
の干渉がなくなり、リミットスイッチの誤動作を防止で
き、ワイヤロープの長寿命化がはかれる。

【００１５】

【実施例】本発明に係るワイヤロープの巻上げ装置の一
実施例を図１により説明する。なお、図１中、図３と同
一部分には同一符号を付している。

【００１６】すなわち、図１において符号６はトロリ
で、このトロリ６上にワイヤロープ９を巻取るドラム８
はトロリ６上に強固に取付けられており、ワイヤロープ
９はトロリ６下に上下動自在に垂下されている。トロリ
６の下面にはシーブ取付台14が設置され、このシーブ取
付台14に方向転換シーブ10ａ，10ｂが取り付けられてい
る。

【００１７】トロリ６下部のワイヤロープ出口部のシー
ブブラケット15にガイドローラ16を方向転換シーブ10ｂ
の軸10ｃに直交する方向でワイヤロープ９に干渉しない
間隔をもたせて、ワイヤロープ９を挾持するように対向
して設けている。ガイドローラ16は、ワイヤロープ９と
接して回転し案内するもので、一対設けられている。

【００１８】直動式リミットスイッチ用ウェイト12は、
トロリ６下部の方向転換シーブ10ｂの両側面に設置され
たシーブ取付台14に連結されているワイヤ11ａが２本，
及びリミットスイッチに連結されているワイヤ11ｂが２
本の計４本のワイヤ11ａ，11ｂにより４点吊りで水平に
吊り下げられている。

【００１９】一方、ワイヤロープ９はドラム８から垂下
されて方向転換シーブ10ａ，10ｂに掛け渡し、前記ガイ
ドローラ16間を通り、前記直動式リミットスイッチ用ウ
ェイト12を貫通してフック７をロープシーブ10ｂに垂下
している。

【００２０】次に本発明の作用について説明する。クレ
ーンを用いて方向転換シーブ10ａ，10ｂの回転軸方向に
配置された長尺物の吊荷を巻上げる場合、まずトロリ６
を吊荷の重心位置近傍まで移動し、図示しない巻上げ用
電動機，減速機を操作してドラム８を巻下方向に回転さ
せてフック７を吊荷近傍まで巻降ろす。そして、フック
７に玉掛けワイヤロープ等を用いて吊荷を垂下して、吊
荷を図示しない巻上げ用電動機，減速機を動作させてフ
ックが下昇するようにドラム８を回転させる。

【００２１】上記巻上げ作業中にワイヤロープ９が方向
転換シーブ10ａ，10ｂの回転軸方向へ横引きされた場
合、ワイヤロープ９がガイドローラ16と接触するが、ガ
イドローラ16は回転式であるため、フック７が方向転換
シーブ10ｂの回転軸方向に横引きされることがなく、方
向転換シーブ10ｂの回転方向にワイヤロープ９が円滑に
繰り込まれるので、ワイヤロープ９がロープシーブ10ｂ
から脱輪するのを防止でき安全である。

【００２２】また、フック７がフック上限限界位置より
も上方に巻上げられようとした場合、フック７のロープ
ソケット13が直動式リミットスイッチ用ウェイト12を持
ち上げ、ワイヤ11ｂがたるむことにより図示しないリミ
ットスイッチが作動してフック７の巻上げ操作を停止す
るので、フックソケット13とトロリ６下部との干渉が防
止でき安全である。

【００２３】なお、上記実施例では、方向転換シーブ10
ａ，10ｂの回転軸方向に配置された長尺物の吊り上げ例
を示したが、方向転換シーブ10ａ，10ｂの回転軸に直交
する方向に配置された長尺物の吊り上げのために、方向
転換シーブ10ａ，10ｂの回転軸方向にガイドローラ16を
設けても良い。

【００２４】また、直動式リミットスイッチ12はワイヤ
11ａ，11ｂにより４本で吊り下げる例を示したが、シー
ブ取付台からのワイヤ11ａまたはリミットスイッチから
のワイヤ11ｂのどちらか１本を減らし、計３本で吊り下
げても良い。なお、この場合は直動式リミットスイッチ
用ウェイト12が水平に保たれ、かつワイヤ９が直動式リ
ミットスイッチ用ウェイト12の貫通孔内面と接触しない
ものとする。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、ワイヤロープのシーブ
からの脱輪を防止し、安全に巻上げ作業を行うことがで
きる。また、ワイヤロープの干渉がなく、リミットスイ
ッチの誤動作を防止でき、ワイヤロープの長寿命化をは
かることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るワイヤロープの巻上げ装置の一実
施例を示す側面図。

【図２】従来のワイヤロープの巻上げ装置の設置状態を
示す概念図。

【図３】従来のワイヤロープの巻上げ装置を示す側面
図。

【符号の説明】

１…天井クレーン、２…建屋、３…クレーン本体ガー
ダ、４…サドル、５…クレーン本体ガーダ、６…トロ
リ、７…フック、８…ドラム、９…ワイヤロープ、10
ａ，10ｂ…方向転換シーブ、11ａ，11ｂ…ワイヤ、12直
動式リミットスイッチ用ウェイト、13…ロープソケッ
ト、14…シーブ取付台、１５…シーブブラケット、16…
ガイドローラ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端にフックを有するワイヤロープを巻
   回したドラムをトロリ上に設置し、前記トロリ下にシー
   ブ取付台を設け、このシーブ取付台に方向転換シーブを
   設け、前記ドラムを回転して前記ワイヤロープを前記シ
   ーブを通過させて巻取り、繰出しするワイヤロープの巻
   上げ装置において、前記トロリ下のワイヤロープ出口部
   にシーブブラケットを設け、このシーブブラケットに前
   記シーブ取付台に設けた前記シーブの軸に直交する方向
   でかつ前記ワイヤロープに干渉しない間隙を有して前記
   ワイヤロープを挾持するようにして一対の回転式ガイド
   ローラを設けてなることを特徴とするワイヤロープの巻
   上げ装置。
2. 【請求項２】 先端にフックを有するワイヤロープを巻
   回したドラムをトロリ上に設置し、前記トロリ下にシー
   ブ取付台を設け、このシーブ取付台に方向転換シーブを
   設け、前記ドラムを回転して前記ワイヤロープを前記シ
   ーブを通過させて巻取り、繰出しするワイヤロープの巻
   上げ装置において、前記トロリ下のワイヤ出口部にシー
   ブブラケットを設け、このシーブブラケットに前記シー
   ブ取付台に設けた前記シーブの軸に直交する方向でかつ
   前記ワイヤロープに干渉しない間隙を有して前記ワイヤ
   ロープを挾持するようにしてガイドローラを設け、前記
   シーブ取付台およびシーブブラケットからリミットスイ
   ッチ用ウエイトを吊持してなることを特徴とするワイヤ
   ロープの巻上げ装置。