JPH07113142A - 耐汚染性と耐食性に優れた建材用ステンレス鋼板 - Google Patents
耐汚染性と耐食性に優れた建材用ステンレス鋼板Info
- Publication number
- JPH07113142A JPH07113142A JP25861393A JP25861393A JPH07113142A JP H07113142 A JPH07113142 A JP H07113142A JP 25861393 A JP25861393 A JP 25861393A JP 25861393 A JP25861393 A JP 25861393A JP H07113142 A JPH07113142 A JP H07113142A
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- Japan
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- stainless steel
- resistance
- steel plate
- steel sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐汚染性および耐食性に優れた建材用ステンレ
ス鋼板の提供。 【構成】C≦0.020%,Cr:17.0〜35.0
%,Mo:0.5〜4.0%,Si:0.05〜1.0
%,Mn:0.05〜0.5%,Al:0.005〜
0.2%,N≦0.015%,残部Feおよびその他不
可避的不純物からなる組成を有し、表面粗さ(Ra)が
0.5〜10.0μmであり、鋼板表面に、高さ:10
mm以下、平板部の直径:2〜15mmの凸部を有し、
この凸部の平板部の面積率が20%〜75%である。さ
らに、Nb:0.1〜0.5%、Ti:0.1〜0.5
%、V:0.05〜0.5%の一種以上を含有していて
もよい。
ス鋼板の提供。 【構成】C≦0.020%,Cr:17.0〜35.0
%,Mo:0.5〜4.0%,Si:0.05〜1.0
%,Mn:0.05〜0.5%,Al:0.005〜
0.2%,N≦0.015%,残部Feおよびその他不
可避的不純物からなる組成を有し、表面粗さ(Ra)が
0.5〜10.0μmであり、鋼板表面に、高さ:10
mm以下、平板部の直径:2〜15mmの凸部を有し、
この凸部の平板部の面積率が20%〜75%である。さ
らに、Nb:0.1〜0.5%、Ti:0.1〜0.5
%、V:0.05〜0.5%の一種以上を含有していて
もよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屋根や内・外装材に用い
られる防眩性と耐汚染性および耐食性を兼ね備えた建材
用ステンレス鋼板に関する。
られる防眩性と耐汚染性および耐食性を兼ね備えた建材
用ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板を屋根や内・外装材に用
いる場合、耐食性に加えて、防眩性および耐汚染性が要
求される。防眩性は鋼板表面に大きな凹凸をつけて光の
反射率を低減することが有効である。鋼板表面の凹凸は
表面に凹凸をつけたいわゆるダルロールを用いた圧延に
よりつけられる。
いる場合、耐食性に加えて、防眩性および耐汚染性が要
求される。防眩性は鋼板表面に大きな凹凸をつけて光の
反射率を低減することが有効である。鋼板表面の凹凸は
表面に凹凸をつけたいわゆるダルロールを用いた圧延に
よりつけられる。
【0003】防眩性を付与したステンレス鋼としては、
特開昭61−227193号や特開平1−162779
号に示されているダル仕上げステンレス鋼板があるが、
これらはいずれも化学発色処理を行う着色ステンレス鋼
板に関するものであり、無彩色から白色のステンレス鋼
に関する本発明とは根本的に異なる。
特開昭61−227193号や特開平1−162779
号に示されているダル仕上げステンレス鋼板があるが、
これらはいずれも化学発色処理を行う着色ステンレス鋼
板に関するものであり、無彩色から白色のステンレス鋼
に関する本発明とは根本的に異なる。
【0004】また、ステンレス鋼板が屋根用に使われた
例としては、Nickel,Volume 6,Number 3,1991,p.8 に記
載されているようにパリのショッピングセンターの屋根
に特殊なダルーサテン仕上げしたオーステナイトステン
レス鋼板が使用された例がある。
例としては、Nickel,Volume 6,Number 3,1991,p.8 に記
載されているようにパリのショッピングセンターの屋根
に特殊なダルーサテン仕上げしたオーステナイトステン
レス鋼板が使用された例がある。
【0005】ところが、このような防眩性を有するダル
仕上げステンレス鋼板は、必然的に表面に凹凸があるた
め、屋根や外装材では埃や鉄粉やゴミが溜まりやすく、
また内装材では人の手に触れる部分では指紋が付きやす
く、目立ちやすいなどの新たな問題が生じている。
仕上げステンレス鋼板は、必然的に表面に凹凸があるた
め、屋根や外装材では埃や鉄粉やゴミが溜まりやすく、
また内装材では人の手に触れる部分では指紋が付きやす
く、目立ちやすいなどの新たな問題が生じている。
【0006】これら物質による耐汚染性に関しては、そ
の評価方法が提案されている程度(文献:日本鉄鋼協
会、昭和63年春季講演大会:CAMP-ISIJ Vol.1(1988),
p.688)であり、耐汚染性確立のための具体的方案を検討
したものはない。
の評価方法が提案されている程度(文献:日本鉄鋼協
会、昭和63年春季講演大会:CAMP-ISIJ Vol.1(1988),
p.688)であり、耐汚染性確立のための具体的方案を検討
したものはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ダル圧延後、BA工程
或いはAP工程を経た鋼板は金属光沢を保ちながら、防
眩性にも優れるという特徴を持つ。しかし、この工程を
経た鋼板の耐汚染性はダルという凹凸をその表面に持つ
ため劣るという問題がある。本発明は、前記問題点を解
決した、耐汚染性と耐食性を兼ね備えた建材用のステン
レス鋼板を提供することを目的とする。
或いはAP工程を経た鋼板は金属光沢を保ちながら、防
眩性にも優れるという特徴を持つ。しかし、この工程を
経た鋼板の耐汚染性はダルという凹凸をその表面に持つ
ため劣るという問題がある。本発明は、前記問題点を解
決した、耐汚染性と耐食性を兼ね備えた建材用のステン
レス鋼板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】防眩性はダル加工で付与
できるものの、耐食性は低下すること、ダル圧延後焼鈍
して酸洗した鋼板は耐食性は確保されるが、耐汚染性に
は劣ることなど現状では、防眩性、耐食性、耐汚染性に
共に優れたステンレス鋼板を得ることはできなかった。
できるものの、耐食性は低下すること、ダル圧延後焼鈍
して酸洗した鋼板は耐食性は確保されるが、耐汚染性に
は劣ることなど現状では、防眩性、耐食性、耐汚染性に
共に優れたステンレス鋼板を得ることはできなかった。
【0009】耐汚染性は結晶粒単位の表面粗さのみでは
付与することができず、表面に凹凸ができることが必要
であり、また表面の凹凸、特に凹部が長期の大気暴露下
における耐食性および耐汚染性に影響することがわかっ
た。
付与することができず、表面に凹凸ができることが必要
であり、また表面の凹凸、特に凹部が長期の大気暴露下
における耐食性および耐汚染性に影響することがわかっ
た。
【0010】ダル加工と耐食性・耐汚染性の関係を明確
にするために、ダル圧延後の鋼板表面を詳細に調査した
結果、鋼板表面にはダル加工時に形成された倒れ込みに
よる細かい溝や鋼板が凹部となる個所では、各種汚染物
質や鉄粉が付着しやすいことおよびこれらの付着物を物
理的方法や化学的方法で除去しようとしても非常に困難
で、完全に除去するのは不可能であることが判明した。
にするために、ダル圧延後の鋼板表面を詳細に調査した
結果、鋼板表面にはダル加工時に形成された倒れ込みに
よる細かい溝や鋼板が凹部となる個所では、各種汚染物
質や鉄粉が付着しやすいことおよびこれらの付着物を物
理的方法や化学的方法で除去しようとしても非常に困難
で、完全に除去するのは不可能であることが判明した。
【0011】また、これらの残存汚染物質が表面に付着
した鋼板の耐食性は、同一成分で研磨した清浄な表面を
有する鋼板の耐食性よりも劣ることも判明した。
した鋼板の耐食性は、同一成分で研磨した清浄な表面を
有する鋼板の耐食性よりも劣ることも判明した。
【0012】屋根や内・外装材に用いられるステンレス
鋼は、種々の汚染物質や塩分を含む雨水と接し、湿潤乾
燥が繰り返される環境に曝される。このような状況か
ら、鋼板には施工初期の状態を長期間にわたって保持す
るために、高い耐食性と耐汚染性が要求される。湿潤と
乾燥が繰り返される大気中の環境下で、高い防眩性と耐
食性および耐汚染性を保持するステンレス鋼板を耐食
性、防眩性および耐汚染性の点から種々検討した結果、
本発明に至った。
鋼は、種々の汚染物質や塩分を含む雨水と接し、湿潤乾
燥が繰り返される環境に曝される。このような状況か
ら、鋼板には施工初期の状態を長期間にわたって保持す
るために、高い耐食性と耐汚染性が要求される。湿潤と
乾燥が繰り返される大気中の環境下で、高い防眩性と耐
食性および耐汚染性を保持するステンレス鋼板を耐食
性、防眩性および耐汚染性の点から種々検討した結果、
本発明に至った。
【0013】すなわち、本発明は、C≦0.020%,
Cr:17.0〜35.0%,Mo:0.5〜4.0
%,Si:0.05〜1.0%,Mn:0.05〜0.
5%,Al:0.005〜0.2%,N≦0.015
%,残部Feおよびその他不可避的不純物からなる組成
を有し、表面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μmであ
り、鋼板表面に、高さ:10mm以下、平板部の直径:
2〜15mmの凸部を有し、この凸部の平板部の面積率
が20%〜75%であることを特徴とする耐汚染性と耐
食性に優れた建材用ステンレス鋼板を提供するものであ
る。さらに、この鋼板は、Nb:0.1〜0.5%,T
i:0.1〜0.5%,V:0.05〜0.5%の一種
以上の元素を含有するのが好ましい。
Cr:17.0〜35.0%,Mo:0.5〜4.0
%,Si:0.05〜1.0%,Mn:0.05〜0.
5%,Al:0.005〜0.2%,N≦0.015
%,残部Feおよびその他不可避的不純物からなる組成
を有し、表面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μmであ
り、鋼板表面に、高さ:10mm以下、平板部の直径:
2〜15mmの凸部を有し、この凸部の平板部の面積率
が20%〜75%であることを特徴とする耐汚染性と耐
食性に優れた建材用ステンレス鋼板を提供するものであ
る。さらに、この鋼板は、Nb:0.1〜0.5%,T
i:0.1〜0.5%,V:0.05〜0.5%の一種
以上の元素を含有するのが好ましい。
【0014】
【作用】本発明の建材用ステンレス鋼板は、C≦0.0
20%,Cr:17.0〜35.0%,Mo:0.5〜
4.0%,Si:0.05〜1.0%,Mn:0.05
〜0.5%,Al:0.005〜0.2%,N≦0.0
15%,残部Feおよびその他不可避的不純物からなる
組成を有し、表面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μm
であり、鋼板表面に、高さ:10mm以下、平板部の直
径:2〜15mmの凸部を有し、この凸部の平板部の面
積率が20%〜75%である。さらに、この鋼板は、N
b:0.1〜0.5%,Ti:0.1〜0.5%,V:
0.05〜0.5%のうち一種以上の元素を含有してい
るのが好ましい。これにより、本発明の鋼板は耐汚染性
および耐食性ともに優れる。
20%,Cr:17.0〜35.0%,Mo:0.5〜
4.0%,Si:0.05〜1.0%,Mn:0.05
〜0.5%,Al:0.005〜0.2%,N≦0.0
15%,残部Feおよびその他不可避的不純物からなる
組成を有し、表面粗さ(Ra)が0.5〜10.0μm
であり、鋼板表面に、高さ:10mm以下、平板部の直
径:2〜15mmの凸部を有し、この凸部の平板部の面
積率が20%〜75%である。さらに、この鋼板は、N
b:0.1〜0.5%,Ti:0.1〜0.5%,V:
0.05〜0.5%のうち一種以上の元素を含有してい
るのが好ましい。これにより、本発明の鋼板は耐汚染性
および耐食性ともに優れる。
【0015】次に、本発明のステンレス鋼の成分の限定
理由について述べる。 C:0.02%より多いと製造中の熱処理でCrと結合
してCr炭化物を形成し、そのため、耐食性が低下す
る。したがって、C量は0.02%以下に限定した。
理由について述べる。 C:0.02%より多いと製造中の熱処理でCrと結合
してCr炭化物を形成し、そのため、耐食性が低下す
る。したがって、C量は0.02%以下に限定した。
【0016】Cr:耐食性を付与するための必須成分で
あるが、17%未満では、長期の大気中暴露で発銹す
る。一方、35%を超えると、延性及び靱性が著しく低
下して、薄板への製造性を著しく阻害する。したがっ
て、Crの含有量を17〜35%に限定した。
あるが、17%未満では、長期の大気中暴露で発銹す
る。一方、35%を超えると、延性及び靱性が著しく低
下して、薄板への製造性を著しく阻害する。したがっ
て、Crの含有量を17〜35%に限定した。
【0017】Mo:耐食性向上に効果があるが、0.5
%未満では大気中暴露における孔食発生を抑止できな
い。一方、4.0%を超えると熱間加工性が著しく低下
する。したがって、Moの含有量を0.5〜4.0%に
限定した。CrとMoの含有量は、耐孔食性向上の点で
(Cr+3Mo)で表される指標が26〜40であるこ
とが好ましい。
%未満では大気中暴露における孔食発生を抑止できな
い。一方、4.0%を超えると熱間加工性が著しく低下
する。したがって、Moの含有量を0.5〜4.0%に
限定した。CrとMoの含有量は、耐孔食性向上の点で
(Cr+3Mo)で表される指標が26〜40であるこ
とが好ましい。
【0018】Si:脱酸剤として添加するが、0.05
%未満では効果が小さく、1.0%を超えると機械的性
質に悪影響を及ぼす。したがって、Siの添加量は0.
05〜1.0%に限定した。
%未満では効果が小さく、1.0%を超えると機械的性
質に悪影響を及ぼす。したがって、Siの添加量は0.
05〜1.0%に限定した。
【0019】Mn:0.5%を超えて含有すると耐食性
が低下する。0.05%未満にするためには製造コスト
が高くなりすぎる。そこでMnの添加量は0.05〜
0.5%に限定した。
が低下する。0.05%未満にするためには製造コスト
が高くなりすぎる。そこでMnの添加量は0.05〜
0.5%に限定した。
【0020】Al:脱酸剤として添加するが、0.00
5%未満では効果が小さく、0.2%を超えると機械的
性質に悪影響を及ぼす。したがって、Alの添加量は
0.005〜0.2%に限定した。
5%未満では効果が小さく、0.2%を超えると機械的
性質に悪影響を及ぼす。したがって、Alの添加量は
0.005〜0.2%に限定した。
【0021】N:0.015%より多いと、製造中の熱
処理でCrと結合して、Cr窒化物を形成し、このため
耐食性が低下する。したがって、N量は、0.015%
以下に限定した。
処理でCrと結合して、Cr窒化物を形成し、このため
耐食性が低下する。したがって、N量は、0.015%
以下に限定した。
【0022】Crの耐食性向上効果を確保するために、
NbとTiの添加が有効であり、本発明においてはNb
とTiの添加量を以下のように限定した。 Nb:Cと結合して炭化物を作り、粒界へのCr炭化物
の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素である。0.
1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制する効果が小
さく、0.5%より多いと靱性を低下させる。したがっ
て、Nbの含有量は0.1〜0.5%に限定した。
NbとTiの添加が有効であり、本発明においてはNb
とTiの添加量を以下のように限定した。 Nb:Cと結合して炭化物を作り、粒界へのCr炭化物
の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素である。0.
1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制する効果が小
さく、0.5%より多いと靱性を低下させる。したがっ
て、Nbの含有量は0.1〜0.5%に限定した。
【0023】Ti:Cと結合して炭化物を作り、粒界へ
のCr炭化物の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素
である。0.1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制
する効果が小さく、0.5%より多いと靱性を低下させ
る。したがって、Tiの含有量は0.1〜0.5%に限
定した。
のCr炭化物の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素
である。0.1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制
する効果が小さく、0.5%より多いと靱性を低下させ
る。したがって、Tiの含有量は0.1〜0.5%に限
定した。
【0024】V:Cと結合して炭化物を作り、粒界への
Cr炭化物の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素で
ある。0.1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制す
る効果が小さく、0.5%より多いと靱性を低下させ
る。したがって、Vの含有量は0.1〜0.5%に限定
した。
Cr炭化物の析出を抑制し、耐食性向上に有効な元素で
ある。0.1%より少ないとCr炭化物の生成を抑制す
る効果が小さく、0.5%より多いと靱性を低下させ
る。したがって、Vの含有量は0.1〜0.5%に限定
した。
【0025】以上の化学組成をもつステンレス鋼板に特
定形状のダル加工を施すことが耐食性と防眩性を付与す
るのに必要である。ダル加工による表面粗さ(Ra)が
0.5μmより小さい場合には、太陽光線の入射角度が
60°より小さいと眩しさを感じてしまう。
定形状のダル加工を施すことが耐食性と防眩性を付与す
るのに必要である。ダル加工による表面粗さ(Ra)が
0.5μmより小さい場合には、太陽光線の入射角度が
60°より小さいと眩しさを感じてしまう。
【0026】一方、耐汚染性の観点からは、表面粗さ
が、10.0μmを超えると大気暴露中に大気に浮遊す
る汚染物質や指紋が付着し、耐食性が極端に低下する。
したがって、表面粗さは、0.5〜10.0μmに限定
する必要がある。また、表面性状を表面に高さ:10m
m以下、平板部の直径:2〜15mmの凸部を有し、こ
の凸部の平板部の面積率が20%〜75%であることが
必要である。
が、10.0μmを超えると大気暴露中に大気に浮遊す
る汚染物質や指紋が付着し、耐食性が極端に低下する。
したがって、表面粗さは、0.5〜10.0μmに限定
する必要がある。また、表面性状を表面に高さ:10m
m以下、平板部の直径:2〜15mmの凸部を有し、こ
の凸部の平板部の面積率が20%〜75%であることが
必要である。
【0027】鋼板表面の凸部の高さが10mmを超える
と、ダル加工が困難になることおよび汚染物質が突出部
に蓄積して悪影響を及ぼすので10mm以下に限定し、
凸部の直径は2mm未満では、汚染物質の付着に対して
効果が認められず、15mmを超えると汚染物質が蓄積
しやすくなるので、2〜15mmに限定した。また、凸
部の平板部の面積率が20%未満では、汚染物質の付着
性および除去性に効果が認められず、一方75%を超え
ると凸部と凸部の間に汚染物質が蓄積し除去が困難とな
るため、20%〜75%に限定した。
と、ダル加工が困難になることおよび汚染物質が突出部
に蓄積して悪影響を及ぼすので10mm以下に限定し、
凸部の直径は2mm未満では、汚染物質の付着に対して
効果が認められず、15mmを超えると汚染物質が蓄積
しやすくなるので、2〜15mmに限定した。また、凸
部の平板部の面積率が20%未満では、汚染物質の付着
性および除去性に効果が認められず、一方75%を超え
ると凸部と凸部の間に汚染物質が蓄積し除去が困難とな
るため、20%〜75%に限定した。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例)表1に示す化学組成の鋼を溶解し、熱間圧延
により、4mmの板厚の鋼板とした。980℃×10m
inの急冷の焼鈍・酸洗処理を行った。次いで、鋼板を
1.0mmまで冷間圧延して、最終パスは種々の凹部の
形状を持つダルロールで圧延し、表2に示す形状の凸部
表面を得た。
明する。 (実施例)表1に示す化学組成の鋼を溶解し、熱間圧延
により、4mmの板厚の鋼板とした。980℃×10m
inの急冷の焼鈍・酸洗処理を行った。次いで、鋼板を
1.0mmまで冷間圧延して、最終パスは種々の凹部の
形状を持つダルロールで圧延し、表2に示す形状の凸部
表面を得た。
【0029】耐汚染性の評価は、汚染物質の付着性とそ
の除去性について行った。付着性についてはメチルエチ
ルケトン(MEK)中濃度100g/lの炭素粒子を、
供試材表面にエアーガンで散布して15分後にCIE表
色系のL* ,a* ,b* 値によりを測色し、この試験前
の測色値との色差(△E=〔(△L* )2 +(△a*)
2 +(△b* )2 〕1/2 を求め、この値が低い方が炭素
粒子の付着は少ないので、付着性は良いと判定した。ま
た、除去性は、付着性試験と同様の方法で作成したサン
プル表面を、不織布で各5回拭き取りした後、上記と同
様なCIE表色系のL* ,a* ,b* 値によりを測色
し、この試験前の測色値との色差(△E=〔(△L* )
2 +(△a* )2 +(△b* )2 〕1/2 を求め、この値
が低い方が炭素粒子の残存量が少なく、除去性が良いと
判定した。
の除去性について行った。付着性についてはメチルエチ
ルケトン(MEK)中濃度100g/lの炭素粒子を、
供試材表面にエアーガンで散布して15分後にCIE表
色系のL* ,a* ,b* 値によりを測色し、この試験前
の測色値との色差(△E=〔(△L* )2 +(△a*)
2 +(△b* )2 〕1/2 を求め、この値が低い方が炭素
粒子の付着は少ないので、付着性は良いと判定した。ま
た、除去性は、付着性試験と同様の方法で作成したサン
プル表面を、不織布で各5回拭き取りした後、上記と同
様なCIE表色系のL* ,a* ,b* 値によりを測色
し、この試験前の測色値との色差(△E=〔(△L* )
2 +(△a* )2 +(△b* )2 〕1/2 を求め、この値
が低い方が炭素粒子の残存量が少なく、除去性が良いと
判定した。
【0030】耐食性は、3.5%NaCl中70℃での
孔食電位(V’c.10)をJIS G0577に準拠した
方法で得た値とし、この値が高いもの程、良いと判定し
た。
孔食電位(V’c.10)をJIS G0577に準拠した
方法で得た値とし、この値が高いもの程、良いと判定し
た。
【0031】これら鋼板の耐汚染性および耐食性の試験
結果と総合評価を表3にまとめた。これから、本発明に
よる化学組成と表面性状をもつ鋼板は、耐食性と耐汚染
性に優れることがわかる。
結果と総合評価を表3にまとめた。これから、本発明に
よる化学組成と表面性状をもつ鋼板は、耐食性と耐汚染
性に優れることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】本発明はステンレス鋼の化学組成をある
特定範囲に限定して、大気中の暴露条件での長期にわた
る耐食性と耐汚染性を確保したステンレス鋼板を得るこ
とができ、この結果最近増加しているウォーターフロン
ト向け外装用建材のみならず、指紋等に対する耐汚染性
をも有するので内装用建材としても、広範に工業的に利
用できる。
特定範囲に限定して、大気中の暴露条件での長期にわた
る耐食性と耐汚染性を確保したステンレス鋼板を得るこ
とができ、この結果最近増加しているウォーターフロン
ト向け外装用建材のみならず、指紋等に対する耐汚染性
をも有するので内装用建材としても、広範に工業的に利
用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】C≦0.020%,Cr:17.0〜3
5.0%,Mo:0.5〜4.0%,Si:0.05〜
1.0%,Mn:0.05〜0.5%,Al:0.00
5〜0.2%,N≦0.015%,残部Feおよびその
他不可避的不純物からなる組成を有し、表面粗さ(R
a)が0.5〜10.0μmであり、鋼板表面に、高
さ:10mm以下、平板部の直径:2〜15mmの凸部
を有し、この凸部の平板部の面積率が20%〜75%で
あることを特徴とする耐汚染性と耐食性に優れた建材用
ステンレス鋼板。 - 【請求項2】さらに、Nb:0.1〜0.5%,Ti:
0.1〜0.5%,V:0.05〜0.5%の一種以上
の元素を含有する請求項1に記載の耐汚染性と耐食性に
優れた建材用ステンレス鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25861393A JPH07113142A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 耐汚染性と耐食性に優れた建材用ステンレス鋼板 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25861393A JPH07113142A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 耐汚染性と耐食性に優れた建材用ステンレス鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07113142A true JPH07113142A (ja) | 1995-05-02 |
Family
ID=17322712
Family Applications (1)
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JP25861393A Withdrawn JPH07113142A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 耐汚染性と耐食性に優れた建材用ステンレス鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07113142A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6440234B1 (en) | 1998-12-08 | 2002-08-27 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel products |
JP2017071813A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 日新製鋼株式会社 | 耐食性に優れたステンレス鋼管 |
JP2017179522A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 日新製鋼株式会社 | 耐食性に優れたステンレス鋼加工品 |
JP2017179519A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 日新製鋼株式会社 | 耐食性に優れたステンレス鋼板 |
WO2018034044A1 (ja) * | 2016-08-19 | 2018-02-22 | 日新製鋼株式会社 | 水道管内張りの金属パネル用ステンレス鋼板及びそのステンレス鋼板を用いた水道管の金属パネル内張り方法 |
JP2019026908A (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-21 | Jfeスチール株式会社 | ステンレス鋼板 |
JP2021155834A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 日鉄ステンレス株式会社 | 建材用オーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 |
JP2021155835A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 日鉄ステンレス株式会社 | 建材用フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板 |
-
1993
- 1993-10-15 JP JP25861393A patent/JPH07113142A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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