JPH07101265B2 - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents
光学素子及びその製造方法Info
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- JPH07101265B2 JPH07101265B2 JP1119566A JP11956689A JPH07101265B2 JP H07101265 B2 JPH07101265 B2 JP H07101265B2 JP 1119566 A JP1119566 A JP 1119566A JP 11956689 A JP11956689 A JP 11956689A JP H07101265 B2 JPH07101265 B2 JP H07101265B2
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- layer
- poly
- vinyl acetate
- saponified
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光による液晶の配向変化を利用した新規な光
学素子に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明は光により可逆的に構造変化を起こす残基をその液晶
層との界面に結合したポリ(酢酸ビニル)けん化物層の
作用により、液晶層の配向変化を生じさせ、それを利用
して光の透過率を可逆的に変化させる光学素子に関する
ものである。
学素子に関するものである。さらに詳しくいえば、本発
明は光により可逆的に構造変化を起こす残基をその液晶
層との界面に結合したポリ(酢酸ビニル)けん化物層の
作用により、液晶層の配向変化を生じさせ、それを利用
して光の透過率を可逆的に変化させる光学素子に関する
ものである。
従来の技術 液晶を用いる光学素子としては、電気的な作用を利用し
て液晶の配向を制御するものが広く知られており、主と
して表示用に利用されており、さらには、光記録への応
用例もある。
て液晶の配向を制御するものが広く知られており、主と
して表示用に利用されており、さらには、光記録への応
用例もある。
ところで、電気的な作用を利用して光学的な性質を変化
させる液晶光学素子は、電力の供給が停止するとその機
能が消失するため、これを永久的に保存するには、特別
の工夫を加えなければならないし、またパターン化され
た電極を用いるため解像性が低く高容量の光学素子とし
ては不適当である。
させる液晶光学素子は、電力の供給が停止するとその機
能が消失するため、これを永久的に保存するには、特別
の工夫を加えなければならないし、またパターン化され
た電極を用いるため解像性が低く高容量の光学素子とし
ては不適当である。
他方、光の作用を利用する液晶系の光学素子としては、
レーザビームなどの熱を利用する形式のものがあるが、
その利用範囲が制限されるのを免れない。また光化学的
に構造が変化する化合物を混合し、光の作用で相変化さ
せる形式のものは、液晶が流動するため時間の経過とと
もに光学的性質、例えば、解像性が著しく低下する傾向
がある。例えば、ネマティック液晶にキラルなアゾベン
ゼンを溶解して得られるホトクロミックなコレステリッ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピック相に変化
し、これを利用して偏光の透過率を変えて光記録に応用
できるが、時間の経過とともに液晶が流動し、記録像が
不明確になる。(1986年日本化学会第52春季年会講演予
稿集参照)。
レーザビームなどの熱を利用する形式のものがあるが、
その利用範囲が制限されるのを免れない。また光化学的
に構造が変化する化合物を混合し、光の作用で相変化さ
せる形式のものは、液晶が流動するため時間の経過とと
もに光学的性質、例えば、解像性が著しく低下する傾向
がある。例えば、ネマティック液晶にキラルなアゾベン
ゼンを溶解して得られるホトクロミックなコレステリッ
ク液晶は、紫外線の作用でアイソトロピック相に変化
し、これを利用して偏光の透過率を変えて光記録に応用
できるが、時間の経過とともに液晶が流動し、記録像が
不明確になる。(1986年日本化学会第52春季年会講演予
稿集参照)。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、光による液晶の配向変化を利用して情報を記
録するものであって、しかもその流動性に起因する解像
性の経時的低下をもたらさない光学素子を提供すること
を目的としてなされたものである。
録するものであって、しかもその流動性に起因する解像
性の経時的低下をもたらさない光学素子を提供すること
を目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、光による液晶の配向変化を利用した光学
素子を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、透明基
板上にポリ(酢酸ビニル)けん化物層を設け、さらにそ
の上に液晶層を設けた積層体において、液晶層に接する
ポリ(酢酸ビニル)けん化物層界面に、ホトクロミック
化合物を化学液に結合することにより、光により可逆的
に変化する単位の2種の構造に応じた液晶が可逆的に平
行配列又は垂直配列すること、この液晶層の配列は上記
化合物の1万倍以上の分子の重なりであっても迅速に伝
達されること、したがって光の状態が変化しない限り液
晶層は変化せず長期間にわたって光学的な性質が保持さ
れることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに
至った。
素子を開発するために、鋭意研究を重ねた結果、透明基
板上にポリ(酢酸ビニル)けん化物層を設け、さらにそ
の上に液晶層を設けた積層体において、液晶層に接する
ポリ(酢酸ビニル)けん化物層界面に、ホトクロミック
化合物を化学液に結合することにより、光により可逆的
に変化する単位の2種の構造に応じた液晶が可逆的に平
行配列又は垂直配列すること、この液晶層の配列は上記
化合物の1万倍以上の分子の重なりであっても迅速に伝
達されること、したがって光の状態が変化しない限り液
晶層は変化せず長期間にわたって光学的な性質が保持さ
れることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに
至った。
すなわち、本発明は、透明基板上にポリ(酢酸ビニル)
けん化物層を設け、さらにその上に液晶層を設けた積層
体において、上記液晶層に接するポリ(酢酸ビニル)け
ん化物層界面に、ホトクロミック化合物を化学的に結合
し、所望によりさらに上記液晶層に二色性色素を含有さ
せて成る光学素子を提供するものである。
けん化物層を設け、さらにその上に液晶層を設けた積層
体において、上記液晶層に接するポリ(酢酸ビニル)け
ん化物層界面に、ホトクロミック化合物を化学的に結合
し、所望によりさらに上記液晶層に二色性色素を含有さ
せて成る光学素子を提供するものである。
本発明の光学素子は、好ましくは、ホトクロミック化合
物にホルミル基又はカルボキシル基若しくはその反応性
誘導体基を導入し、次いで、このようにして得たホトク
ロミック化合物誘導体を含む溶液中に、ポリ(酢酸ビニ
ル)けん化物層をもつ透明基板を浸せきしてポリ(酢酸
ビニル)けん化物の水酸基をアセタール化又はエステル
化して、上記ホトクロミック化合物を化学的に結合させ
る処理を行ったのち、このように処理したポリ(酢酸ビ
ニル)けん化物層の上に、場合により二色性色素を含有
する液晶層を設けることにより、製造することができ
る。
物にホルミル基又はカルボキシル基若しくはその反応性
誘導体基を導入し、次いで、このようにして得たホトク
ロミック化合物誘導体を含む溶液中に、ポリ(酢酸ビニ
ル)けん化物層をもつ透明基板を浸せきしてポリ(酢酸
ビニル)けん化物の水酸基をアセタール化又はエステル
化して、上記ホトクロミック化合物を化学的に結合させ
る処理を行ったのち、このように処理したポリ(酢酸ビ
ニル)けん化物層の上に、場合により二色性色素を含有
する液晶層を設けることにより、製造することができ
る。
本発明における透明基板としては、普通のシリカガラ
ス、硬質ガラス、石英、各種プラスチックなどのシート
あるいはその表面に、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、
酸化亜鉛などの金属酸化物や窒化ケイ素炭化ケイ素など
の被覆を有するものが用いられる。さらには、公知の方
法によりこれらをシリル化剤などで表面処理をあらかじ
め施してもよい。
ス、硬質ガラス、石英、各種プラスチックなどのシート
あるいはその表面に、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、
酸化亜鉛などの金属酸化物や窒化ケイ素炭化ケイ素など
の被覆を有するものが用いられる。さらには、公知の方
法によりこれらをシリル化剤などで表面処理をあらかじ
め施してもよい。
通常、液晶は2枚の基板の間に充てんされたサンドイッ
チ構造体として用いられるが、本発明においては、この
2枚の基板のうちの少なくとも一方が透明基板であれば
よく、他方は銅、鉄、アルミニウム、白金などの金属の
シート又はこれらの金属で被覆したシートにすることも
できる。これらの基板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平
滑なシートとして用いられる。
チ構造体として用いられるが、本発明においては、この
2枚の基板のうちの少なくとも一方が透明基板であれば
よく、他方は銅、鉄、アルミニウム、白金などの金属の
シート又はこれらの金属で被覆したシートにすることも
できる。これらの基板は通常0.01〜1mmの厚みの表面平
滑なシートとして用いられる。
本発明においては、その液晶層に接する界面にホトクロ
ミック化合物を化学的に結合したポリ(酢酸ビニル)け
ん化物層(以下、ホトクロミック結合高分子層という)
を上記基板上に設けることが必要である。
ミック化合物を化学的に結合したポリ(酢酸ビニル)け
ん化物層(以下、ホトクロミック結合高分子層という)
を上記基板上に設けることが必要である。
このホトクロミック化合物は、光の作用で構造変化を生
じ、その光に対する挙動例えば色調を変化する化合物で
あって、これまで炭素−炭素間、炭素−窒素間、窒素−
窒素間の不飽和二重結合の光幾何異性化反応、原子価光
異性化反応、ヘテロリテイックな光開閉環反応、光閉環
反応、光互変異性化反応などを利用した多種多様の化合
物が知られている。〔例えばウイリーインターサイエン
ス社発行、ジー、エイチ、ブラウン編、「ホトクロミズ
ム」(1971年)参照〕。このような化合物のうち、光幾
何異性化に基づくホトクロミック化合物の例としては、
アゾベンゼン、インジゴ、アシルインジゴ、チオインジ
ゴ、セレノインジゴ、ベリナフトインジゴ、ヘミインジ
ゴ、ヘミチオインジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテ
イックな光開閉環反応に基づくホトクロミック化合物の
例としては、インドリノスピロベンゾピラン、インドリ
ノスピロナフトオキサジン、ベンゾチアゾリノスピロベ
ンゾピラン、インドリノスピロベンゾチオピラン、スピ
ロインドリジンなどを、光閉環反応に基づくホトクロミ
ック化合物の例としては、スチルベン、フルギドなど,
をまた光互変化異性化反応に基づくホトクロミック化合
物の例としては、サリチリデンアニル、o−ヒドロキシ
アゾベンゼン、o−ニトロベンジルなどをそれぞれ基本
骨格とする化合物を挙げることができる。
じ、その光に対する挙動例えば色調を変化する化合物で
あって、これまで炭素−炭素間、炭素−窒素間、窒素−
窒素間の不飽和二重結合の光幾何異性化反応、原子価光
異性化反応、ヘテロリテイックな光開閉環反応、光閉環
反応、光互変異性化反応などを利用した多種多様の化合
物が知られている。〔例えばウイリーインターサイエン
ス社発行、ジー、エイチ、ブラウン編、「ホトクロミズ
ム」(1971年)参照〕。このような化合物のうち、光幾
何異性化に基づくホトクロミック化合物の例としては、
アゾベンゼン、インジゴ、アシルインジゴ、チオインジ
ゴ、セレノインジゴ、ベリナフトインジゴ、ヘミインジ
ゴ、ヘミチオインジゴ、アゾメチンなどを、ヘテロリテ
イックな光開閉環反応に基づくホトクロミック化合物の
例としては、インドリノスピロベンゾピラン、インドリ
ノスピロナフトオキサジン、ベンゾチアゾリノスピロベ
ンゾピラン、インドリノスピロベンゾチオピラン、スピ
ロインドリジンなどを、光閉環反応に基づくホトクロミ
ック化合物の例としては、スチルベン、フルギドなど,
をまた光互変化異性化反応に基づくホトクロミック化合
物の例としては、サリチリデンアニル、o−ヒドロキシ
アゾベンゼン、o−ニトロベンジルなどをそれぞれ基本
骨格とする化合物を挙げることができる。
本発明において用いられるこのようなホトクロミック化
合物をポリ(酢酸ビニル)けん化物に結合させるために
は、この高分子の水酸基に反応性を有するホルミル基、
カルボキシル基もしくはそれらの誘導体置換基をこれら
のホトクロミック化合物に導入すればよい。
合物をポリ(酢酸ビニル)けん化物に結合させるために
は、この高分子の水酸基に反応性を有するホルミル基、
カルボキシル基もしくはそれらの誘導体置換基をこれら
のホトクロミック化合物に導入すればよい。
また、本発明に用いられるホトクロミック化合物が結合
するポリ(酢酸ビニル)けん化物としては、重合度は30
0から3000の範囲にあるものであればよい。重合度がこ
れ以下であれば、物理的強度が劣って光記録素子として
の耐久性を低下せしめるし、この範囲以上の分子量であ
れば均一な塗布膜を設けることが困難となる。また、け
ん化度は50%以上が好ましい。これ以下であれば、ホト
クロミック化合物をこの高分子膜表面に十分に結合でき
ず、液晶の配向変化を引き起こすことができない。
するポリ(酢酸ビニル)けん化物としては、重合度は30
0から3000の範囲にあるものであればよい。重合度がこ
れ以下であれば、物理的強度が劣って光記録素子として
の耐久性を低下せしめるし、この範囲以上の分子量であ
れば均一な塗布膜を設けることが困難となる。また、け
ん化度は50%以上が好ましい。これ以下であれば、ホト
クロミック化合物をこの高分子膜表面に十分に結合でき
ず、液晶の配向変化を引き起こすことができない。
本発明にかかわるホトクロミック結合高分子層を製造す
る方法を以下に述べる。ポリ(酢酸ビニル)けん化物の
溶液を透明基板上に流延塗布、スピン塗布などの通常の
方法で塗布する。ポリ(酢酸ビニル)けん化物層の表面
にホトクロミック化合物が単分子層的に結合すればよい
ので、膜の厚みは数100オングストロームから数10ミリ
ミクロンのいかなる範囲でも差しつかえがない。
る方法を以下に述べる。ポリ(酢酸ビニル)けん化物の
溶液を透明基板上に流延塗布、スピン塗布などの通常の
方法で塗布する。ポリ(酢酸ビニル)けん化物層の表面
にホトクロミック化合物が単分子層的に結合すればよい
ので、膜の厚みは数100オングストロームから数10ミリ
ミクロンのいかなる範囲でも差しつかえがない。
基板に設けたポリ(酢酸ビニル)けん化物層表面にホト
クロミック化合物をアセタール結合によって導入するた
めに、ホルミル基を有するホトクロミック化合物を溶媒
に溶解し、ついで、反応を加速するための触媒として酸
を添加する。溶媒としては、ポリ(酢酸ビニル)けん化
物を溶解しなければいかなるものでもよいが、とくに、
クロロホルム、ベンゼン、トルエンなどが好ましい。こ
の溶液中にポリ(酢酸ビニル)けん化物を設けた基板を
浸漬すればよい。反応に要する時間は、反応温度、ホト
クロミック化合物の濃度、酸触媒の量、ポリ(酢酸ビニ
ル)けん化物のけん化率などによって左右されるが、1
時間から20時間の範囲が好ましい。反応温度は、室温か
ら50℃程度であれば、温度が低いほうが反応の制御が容
易なので、室温が適切である。反応時間が短すぎるとホ
トクロミック化合物の導入率が低すぎるし、長すぎると
反応が進みすぎてポリ(酢酸ビニル)けん化物層の表面
の平滑性が失われる。
クロミック化合物をアセタール結合によって導入するた
めに、ホルミル基を有するホトクロミック化合物を溶媒
に溶解し、ついで、反応を加速するための触媒として酸
を添加する。溶媒としては、ポリ(酢酸ビニル)けん化
物を溶解しなければいかなるものでもよいが、とくに、
クロロホルム、ベンゼン、トルエンなどが好ましい。こ
の溶液中にポリ(酢酸ビニル)けん化物を設けた基板を
浸漬すればよい。反応に要する時間は、反応温度、ホト
クロミック化合物の濃度、酸触媒の量、ポリ(酢酸ビニ
ル)けん化物のけん化率などによって左右されるが、1
時間から20時間の範囲が好ましい。反応温度は、室温か
ら50℃程度であれば、温度が低いほうが反応の制御が容
易なので、室温が適切である。反応時間が短すぎるとホ
トクロミック化合物の導入率が低すぎるし、長すぎると
反応が進みすぎてポリ(酢酸ビニル)けん化物層の表面
の平滑性が失われる。
エステル結合によってホトクロミック化合物を導入する
には、カルボキシル基を酸クロリドなどに変換して活性
化し、その溶液にポリ(酢酸ビニル)けん化物層を設け
た基板を浸漬する。ついで、トリエチルアミンやピリジ
ンなどの触媒を添加して反応を加速する。反応時間はア
セタール化反応の時と同様に、ホトクロミック化合物の
濃度、反応温度、ポリ(酢酸ビニル)けん化物のけん化
率に左右されるが、5分から5時間の間が好ましい。同
様に、反応時間が短すぎるとホトクロミック化合物の導
入率が低すぎるし、長すぎるとポリ(酢酸ビニル)けん
化物層表面の平滑性が失われる。
には、カルボキシル基を酸クロリドなどに変換して活性
化し、その溶液にポリ(酢酸ビニル)けん化物層を設け
た基板を浸漬する。ついで、トリエチルアミンやピリジ
ンなどの触媒を添加して反応を加速する。反応時間はア
セタール化反応の時と同様に、ホトクロミック化合物の
濃度、反応温度、ポリ(酢酸ビニル)けん化物のけん化
率に左右されるが、5分から5時間の間が好ましい。同
様に、反応時間が短すぎるとホトクロミック化合物の導
入率が低すぎるし、長すぎるとポリ(酢酸ビニル)けん
化物層表面の平滑性が失われる。
以上の条件では、アセタール化もしくはエステル化反応
がポリ(酢酸ビニル)けん化物表面に選択的に起こる。
したがって、ポリ(酢酸ビニル)けん化物の表面の平滑
性、物理的強度などを変化させることなく、ホトクロミ
ック化合物が導入できる。表面層にのみ導入されるの
で、例えば、吸光係数が30000程度のアゾベンゼン単位
の場合、結合したこの発色団の吸光度は0.005から0.1の
範囲に止どまる。ちなみに、0.01の吸光度はアゾベンゼ
ンの単分子層のそれに相当する。
がポリ(酢酸ビニル)けん化物表面に選択的に起こる。
したがって、ポリ(酢酸ビニル)けん化物の表面の平滑
性、物理的強度などを変化させることなく、ホトクロミ
ック化合物が導入できる。表面層にのみ導入されるの
で、例えば、吸光係数が30000程度のアゾベンゼン単位
の場合、結合したこの発色団の吸光度は0.005から0.1の
範囲に止どまる。ちなみに、0.01の吸光度はアゾベンゼ
ンの単分子層のそれに相当する。
液晶の可逆的配向変化によって明瞭な光学的性質の変化
を得るためには、液晶分子の長軸が一方向に向いたホモ
ジニアス配向を取ることが望ましい。このためには、ホ
トクロミック化合物を導入したポリ(酢酸ビニル)けん
化物層表面をラビング処理すればよい。
を得るためには、液晶分子の長軸が一方向に向いたホモ
ジニアス配向を取ることが望ましい。このためには、ホ
トクロミック化合物を導入したポリ(酢酸ビニル)けん
化物層表面をラビング処理すればよい。
次に、ホトクロミック結合高分子層上に設ける液晶層の
液晶としては、従来知られているネマティック系、スメ
クティック系及びコレスエリック系の液晶物質の中から
任意のものを選ぶことができるが、スメクティック系液
晶物質の場合、ある温度でネマティック液晶相をとるも
のを選ぶ必要がある。また、液晶物質としては低分子の
みならず高分子のものも含まれることは言うまでもな
い。
液晶としては、従来知られているネマティック系、スメ
クティック系及びコレスエリック系の液晶物質の中から
任意のものを選ぶことができるが、スメクティック系液
晶物質の場合、ある温度でネマティック液晶相をとるも
のを選ぶ必要がある。また、液晶物質としては低分子の
みならず高分子のものも含まれることは言うまでもな
い。
このような液晶物質は、例えばエー・ベキン(A.Bequi
n)他著、「モレキュラー・クリスタルズ・アンド・リ
キッド・クリスタルズ(Molecular crystals and liqui
d Crystals)」、第115巻、第1ページに記載されてい
る。高分子性液晶物質は、たとえば、アドバンシズ・イ
ン・ポリマー・サイエンス(Advances in Polymer Scie
nce),第60/61巻(1984)に掲載されている。これらの
液晶物質は、単独で用いてもよいし、また2種以上混合
して用いてもよい。
n)他著、「モレキュラー・クリスタルズ・アンド・リ
キッド・クリスタルズ(Molecular crystals and liqui
d Crystals)」、第115巻、第1ページに記載されてい
る。高分子性液晶物質は、たとえば、アドバンシズ・イ
ン・ポリマー・サイエンス(Advances in Polymer Scie
nce),第60/61巻(1984)に掲載されている。これらの
液晶物質は、単独で用いてもよいし、また2種以上混合
して用いてもよい。
本発明においては、所望に応じ液晶層に二色性色素を含
有させることができ、このような液晶層中に二色性色素
を溶解させることにより、偏光板1枚のみを用いること
により、色素の濃淡による光学的性質を変化させること
ができる。二色性色素としては、例えば松村尚武、「染
色工業」、第32巻、第215ページに記載されているもの
が用いられる。
有させることができ、このような液晶層中に二色性色素
を溶解させることにより、偏光板1枚のみを用いること
により、色素の濃淡による光学的性質を変化させること
ができる。二色性色素としては、例えば松村尚武、「染
色工業」、第32巻、第215ページに記載されているもの
が用いられる。
この場合、温度依存性の液晶物質、例えば室温では光を
照射しても構造変化を起こさないが、ある温度以上に加
熱すると光照射により構造変化を起こす液晶物質を用い
れば、二色性色素の濃淡に基づく恒久的な記録を得るこ
とができる。
照射しても構造変化を起こさないが、ある温度以上に加
熱すると光照射により構造変化を起こす液晶物質を用い
れば、二色性色素の濃淡に基づく恒久的な記録を得るこ
とができる。
次に添付図面により本発明をさらに詳細に説明する。
第1図は本発明の基本構造を示す断面図で透明基板1の
上に、ホトクロミック結合高分子層2を固定し、かつ逸
散や破損を防ぐために、この上をさらに基板で被覆して
いる。この基板は透明であっても不透明であってもよい
し、またその表面をホトクロミック結合高分子層で被覆
したものを用いることもできるし、液晶を表面に平行に
配列する作用をもつホモジニアス配向層で被覆したもの
を用いることもできる。
上に、ホトクロミック結合高分子層2を固定し、かつ逸
散や破損を防ぐために、この上をさらに基板で被覆して
いる。この基板は透明であっても不透明であってもよい
し、またその表面をホトクロミック結合高分子層で被覆
したものを用いることもできるし、液晶を表面に平行に
配列する作用をもつホモジニアス配向層で被覆したもの
を用いることもできる。
第2図は、本発明の好適な実施態様の例を示す断面図で
あて、これは表面層にホトクロミック結合高分子層2を
有する2枚の基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッ
チ構造を有している。
あて、これは表面層にホトクロミック結合高分子層2を
有する2枚の基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッ
チ構造を有している。
そして、この図のIは光照射前、IIは光照射後の状態を
示し、光照射前に、ホトクロミック結合高分子層の作用
により、液晶層において、液晶は基板面に垂直の方向
(ホメオトロピック)に規則正しく配列している
(I)。次にこの光記録素子の一部(A)に光を照射す
ると、ホトクロミック残基が構造変化を起こすため、そ
の部分における前記した垂直配列が破壊され、液晶は表
面に対し平行(パラレルまたはホモジニアス)の配列を
とる。
示し、光照射前に、ホトクロミック結合高分子層の作用
により、液晶層において、液晶は基板面に垂直の方向
(ホメオトロピック)に規則正しく配列している
(I)。次にこの光記録素子の一部(A)に光を照射す
ると、ホトクロミック残基が構造変化を起こすため、そ
の部分における前記した垂直配列が破壊され、液晶は表
面に対し平行(パラレルまたはホモジニアス)の配列を
とる。
したがって、直交した二枚の偏光子の間に置かれた場
合、光照射されない部分(B)は暗く、光照射した部分
(A)は明るく変化するので、光の透過率が変化するこ
とになる。
合、光照射されない部分(B)は暗く、光照射した部分
(A)は明るく変化するので、光の透過率が変化するこ
とになる。
次に第3図は、第2図の場合とは別の実施態様の例であ
り、2枚の基板のうちの一方にホモジニアス配向層4が
設けられている例である。このホモジニアス配向層は、
基板表面をポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポ
リオキシエチレンなどでラビング処理したり、あるいは
SiO2のような酸化物を斜め方向から蒸着することにより
設けることができる。この例においては、ホトクロミッ
ク結合高分子層側においては、第3図Iに示すように液
晶は基板表面に垂直の方向に配列しているが、ホモジニ
アス配向層側では基板と平行の方向に配列した構造をと
っている。そして、これに光照射すると、その照射され
た部分(A)においては液晶はホトクロミック高分子層
面に平行に配列するので、全体がホモジニアス配列状態
となり、前記と同様にして偏光の透過率が変化する。
り、2枚の基板のうちの一方にホモジニアス配向層4が
設けられている例である。このホモジニアス配向層は、
基板表面をポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポ
リオキシエチレンなどでラビング処理したり、あるいは
SiO2のような酸化物を斜め方向から蒸着することにより
設けることができる。この例においては、ホトクロミッ
ク結合高分子層側においては、第3図Iに示すように液
晶は基板表面に垂直の方向に配列しているが、ホモジニ
アス配向層側では基板と平行の方向に配列した構造をと
っている。そして、これに光照射すると、その照射され
た部分(A)においては液晶はホトクロミック高分子層
面に平行に配列するので、全体がホモジニアス配列状態
となり、前記と同様にして偏光の透過率が変化する。
第4図は、本発明の好適な実施態様の例を示す断面図で
ある。これはホトクロミック結合高分子層2を有する2
枚の基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッチ構造を
有している。そして、基板表面を微細に変形させた方向
がお互いに平行になるように二枚の基板が構成される。
この図のIは光照射前、IIは光照射後の状態を示し、光
照射前は、ポリ(酢酸ビニル)けん化物層に化学的に結
合したホトクロミック化合物の作用により、液晶は基板
面に垂直の方向(ホメオトロピック)に規則正しく配列
している(I)。次にこの光学素子の一部(A)に光を
照射すると、ホトクロミック化合物が構造変化を起こす
ため、その部分における前記した垂直配列が破壊される
液晶は表面に対し平行(ホモジニアス)の配列をとる。
このように光によって構造が変化した後のホトクロミッ
ク結合高分子層においては、その表面をあらかじめラビ
ング処理によって微細に変形させておけば、液晶の長軸
が表面に対して平行に同一方向に配列するという事実
は、本発明者らによりはじめて見出されたものである。
したがって、この光記録素子を偏光軸がお互いに直交し
た二枚の偏光子にはさめば、光照射されない部分(B)
は暗いが、光照射した部分(A)は明るくなる。
ある。これはホトクロミック結合高分子層2を有する2
枚の基板1の間に、液晶層を挟んだサンドイッチ構造を
有している。そして、基板表面を微細に変形させた方向
がお互いに平行になるように二枚の基板が構成される。
この図のIは光照射前、IIは光照射後の状態を示し、光
照射前は、ポリ(酢酸ビニル)けん化物層に化学的に結
合したホトクロミック化合物の作用により、液晶は基板
面に垂直の方向(ホメオトロピック)に規則正しく配列
している(I)。次にこの光学素子の一部(A)に光を
照射すると、ホトクロミック化合物が構造変化を起こす
ため、その部分における前記した垂直配列が破壊される
液晶は表面に対し平行(ホモジニアス)の配列をとる。
このように光によって構造が変化した後のホトクロミッ
ク結合高分子層においては、その表面をあらかじめラビ
ング処理によって微細に変形させておけば、液晶の長軸
が表面に対して平行に同一方向に配列するという事実
は、本発明者らによりはじめて見出されたものである。
したがって、この光記録素子を偏光軸がお互いに直交し
た二枚の偏光子にはさめば、光照射されない部分(B)
は暗いが、光照射した部分(A)は明るくなる。
第5図は、第2図の場合とは異なり、あらかじめ表面を
ラビング処理によって微細に変形させた方向がお互いに
直交するように二枚の基板を構成したものである。この
場合には、光照射部はツイステッドネマティック相とな
るので、公知の方法により光学的に明瞭な画像が得られ
る。
ラビング処理によって微細に変形させた方向がお互いに
直交するように二枚の基板を構成したものである。この
場合には、光照射部はツイステッドネマティック相とな
るので、公知の方法により光学的に明瞭な画像が得られ
る。
本発明の光学素子において、2種の波長の異なる光を照
射することによって、ホトクロミック単位の可逆的変化
に対応した可逆的な液晶の配向変化が起こり、光学的性
質を繰り返し変えることができる。
射することによって、ホトクロミック単位の可逆的変化
に対応した可逆的な液晶の配向変化が起こり、光学的性
質を繰り返し変えることができる。
発明の効果 本発明の光学素子は、従来のホトクロミック材料による
光学素子の欠点、例えば、いったん記録させた情報が読
み取りの繰り返しにより徐々に消失するという欠点を示
さないという利点がある上に、液晶の配列が液晶層に接
するポリ(酢酸ビニル)けん化物層界面に結合したホト
クロミック化合物によって律せられるので、流動性をも
つ液晶による解像性は、従来のホトクロミック化合物を
液晶に加えたものを用いる場合よりもはるかに優れてい
る。また、本発明の光学素子は、可逆的な光情報貯蔵に
用いられるだけでなく、光アドレス型の表示にも好適に
用いることができる。
光学素子の欠点、例えば、いったん記録させた情報が読
み取りの繰り返しにより徐々に消失するという欠点を示
さないという利点がある上に、液晶の配列が液晶層に接
するポリ(酢酸ビニル)けん化物層界面に結合したホト
クロミック化合物によって律せられるので、流動性をも
つ液晶による解像性は、従来のホトクロミック化合物を
液晶に加えたものを用いる場合よりもはるかに優れてい
る。また、本発明の光学素子は、可逆的な光情報貯蔵に
用いられるだけでなく、光アドレス型の表示にも好適に
用いることができる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 4−ヘキシル−4′−ヒドロキシアゾベンゼン(1)1.
50g(5.32mmolに4−クロロブタナールジエチルアセタ
ール1.00g(6.39mmol)、無水炭酸カリウム1.46gをジメ
チルアセトアミド20mlに加え、80℃で2時間加熱した。
反応終了後、水を加え、ベンゼンで抽出し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。これは、シ
リカゲルクロマト(留出液:ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1)で精製し、2.05gの4−{4−(4−ヘキシルフェ
ニルアゾ)−フェノキシ}ブタノールジエチルアセター
ル(2)を得た。
50g(5.32mmolに4−クロロブタナールジエチルアセタ
ール1.00g(6.39mmol)、無水炭酸カリウム1.46gをジメ
チルアセトアミド20mlに加え、80℃で2時間加熱した。
反応終了後、水を加え、ベンゼンで抽出し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。これは、シ
リカゲルクロマト(留出液:ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1)で精製し、2.05gの4−{4−(4−ヘキシルフェ
ニルアゾ)−フェノキシ}ブタノールジエチルアセター
ル(2)を得た。
50mgの(2)とp−トルエンスルホン酸30mgとをクロロ
ホルム10mlに溶解した。この中に、重合度1700、けん化
率81.5%のポリ(酢酸ビニル)(ポリビニルアルコー
ル)を塗布したガラス基板を室温下、1時間浸漬した。
その後、クロロホルムで洗浄し、100℃で10分乾燥し
た。この基板の片面がアゾベンゼン誘導体で修飾されて
いるが、その350nmでの吸収光度は0.116であった。この
ようにして処理した基板を用いて、8umのガラスロッド
スペーサを含み、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエ
ステル系混合液晶(K−17−N−73−1)を挟み込み、
エポキシ樹脂で封じてサンドイッチセルを作成した。こ
の液晶セルを直交ニコル間に置き、He-Neレーザーで透
過光量をモニターした。紫外線照射前のセルは直交偏光
ニコル下では透過率ゼロであり、これに365nmの紫外線
を照射すると、アゾベンゼンがトランスからシスへ光異
性化するにつれ透過光量は増加した。次に、440nm以上
の可視光を照射すると、トランスへの異性化が起こるに
つれて透過光量は再び減少した。透過光量は、紫外線と
可視光の交互照射に応じて可逆的に変化した。又、同じ
セルにネガを通して紫外線を照射したところ、直交ニコ
ルで明瞭な画像が認められた。この画像はセルに圧力を
加えて液晶を流動させても乱れる事はなかった。
ホルム10mlに溶解した。この中に、重合度1700、けん化
率81.5%のポリ(酢酸ビニル)(ポリビニルアルコー
ル)を塗布したガラス基板を室温下、1時間浸漬した。
その後、クロロホルムで洗浄し、100℃で10分乾燥し
た。この基板の片面がアゾベンゼン誘導体で修飾されて
いるが、その350nmでの吸収光度は0.116であった。この
ようにして処理した基板を用いて、8umのガラスロッド
スペーサを含み、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエ
ステル系混合液晶(K−17−N−73−1)を挟み込み、
エポキシ樹脂で封じてサンドイッチセルを作成した。こ
の液晶セルを直交ニコル間に置き、He-Neレーザーで透
過光量をモニターした。紫外線照射前のセルは直交偏光
ニコル下では透過率ゼロであり、これに365nmの紫外線
を照射すると、アゾベンゼンがトランスからシスへ光異
性化するにつれ透過光量は増加した。次に、440nm以上
の可視光を照射すると、トランスへの異性化が起こるに
つれて透過光量は再び減少した。透過光量は、紫外線と
可視光の交互照射に応じて可逆的に変化した。又、同じ
セルにネガを通して紫外線を照射したところ、直交ニコ
ルで明瞭な画像が認められた。この画像はセルに圧力を
加えて液晶を流動させても乱れる事はなかった。
実施例2 実施例1の液晶の代わりに、1重量%のアントラキノン
系二色性色素を溶解した液晶を用いて同様にしてセルを
構成した。これに紫外線を照射したところ、色素の青色
が強まった。また、約440nmの可視光を照射したとこ
ろ、元の淡青色に戻った。この色調の変化は、紫外線と
可視光の交互照射に応じて可逆的に変化した。また、同
じセルにネガ画像を通して紫外線を照射したところ、明
瞭な画像が認められた。この画像はセルに圧力を加えて
液晶を流動させても乱れる事はなかった。
系二色性色素を溶解した液晶を用いて同様にしてセルを
構成した。これに紫外線を照射したところ、色素の青色
が強まった。また、約440nmの可視光を照射したとこ
ろ、元の淡青色に戻った。この色調の変化は、紫外線と
可視光の交互照射に応じて可逆的に変化した。また、同
じセルにネガ画像を通して紫外線を照射したところ、明
瞭な画像が認められた。この画像はセルに圧力を加えて
液晶を流動させても乱れる事はなかった。
実施例3 化合物(2)を2N塩酸を含むテトラヒドロフラン中で加
水分解し、4−{4−(4−ヘキシルフェニルアゾ)フ
ェノキシ}ブタナール(3)とした。これを用いて、実
施例1と同様にしてポリビニルアルコール膜を処理して
液晶セルを作成し、紫外光および可視光を照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的に透過光量変化が認められ
た。
水分解し、4−{4−(4−ヘキシルフェニルアゾ)フ
ェノキシ}ブタナール(3)とした。これを用いて、実
施例1と同様にしてポリビニルアルコール膜を処理して
液晶セルを作成し、紫外光および可視光を照射したとこ
ろ、直交ニコル下で可逆的に透過光量変化が認められ
た。
実施例4 実施例1における、4′−ヘキシル−4−ヒドロキシア
ゾベンゼン(1)の代わりに4−ブチル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼン(4)を用いて、4−{4−(4−ブチ
ルフェニルアゾ)フェノキシ}ブタナールを合成した。
これを用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアルコ
ール表面にアゾベンゼン誘導体を結合させた膜を作成し
た。これで、実施例1と同様にして液晶セルを作成し、
紫外光および可視光を照射すると、直交ニコル下可逆的
な透過光量変化が認められた。
ゾベンゼン(1)の代わりに4−ブチル−4−ヒドロキ
シアゾベンゼン(4)を用いて、4−{4−(4−ブチ
ルフェニルアゾ)フェノキシ}ブタナールを合成した。
これを用いて、実施例1と同様にしてポリビニルアルコ
ール表面にアゾベンゼン誘導体を結合させた膜を作成し
た。これで、実施例1と同様にして液晶セルを作成し、
紫外光および可視光を照射すると、直交ニコル下可逆的
な透過光量変化が認められた。
実施例5 実施例1でアゾベンゼン単位を導入したポリマー表面を
一定方向にラビング処理し、その2枚の基板をラビング
方向が一致するように、液晶セルを作成した。直交ニコ
ル下に液晶セルを設置したところ、He-Neレーザーの透
過光強度はゼロであった。紫外光とを照射したところ、
ラビング方向とHe-Neレーザーの偏光面のなす角度が
0、90度の時、透過光強度はゼロであり、45度の時最も
大きかった。
一定方向にラビング処理し、その2枚の基板をラビング
方向が一致するように、液晶セルを作成した。直交ニコ
ル下に液晶セルを設置したところ、He-Neレーザーの透
過光強度はゼロであった。紫外光とを照射したところ、
ラビング方向とHe-Neレーザーの偏光面のなす角度が
0、90度の時、透過光強度はゼロであり、45度の時最も
大きかった。
実施例6 実施例5と同様にして、アゾベンゼン単位を表面に結合
させたポリマー表面を一定方向にラビング処理した。ラ
ビング方向が互いに直交するように液晶セルを作成し、
365nmの紫外光を照射すると直交ニコル下He-Neレーザー
の透過光強度が増加した。次に、440nm以上の可視光を
照射するとHe-Neレーザーの透過光強度は減少した。紫
外光および可視光を交互に照射すると、He-Neレーザー
の透過光強度は可逆的に増減した。また、液晶セルの旋
光度を測定したところ、紫外光照射前は、0度であり、
紫外光を照射すると81度に変化した。次に、可視光を照
射すると旋光度は0度に戻った。この変化は紫外光及
び、可視光を交互に照射すると可逆的に生じた。
させたポリマー表面を一定方向にラビング処理した。ラ
ビング方向が互いに直交するように液晶セルを作成し、
365nmの紫外光を照射すると直交ニコル下He-Neレーザー
の透過光強度が増加した。次に、440nm以上の可視光を
照射するとHe-Neレーザーの透過光強度は減少した。紫
外光および可視光を交互に照射すると、He-Neレーザー
の透過光強度は可逆的に増減した。また、液晶セルの旋
光度を測定したところ、紫外光照射前は、0度であり、
紫外光を照射すると81度に変化した。次に、可視光を照
射すると旋光度は0度に戻った。この変化は紫外光及
び、可視光を交互に照射すると可逆的に生じた。
実施例7 実施例5におけるシクロヘキシルカルボン酸フェニルエ
ステル系のネマティック液晶に二色性色素を1重量%ド
ープした液晶を挾み、液晶セルを作成した。633nmの吸
光度を測定したところ、紫外光照射前は0.19であり可視
光を照射すると、0.92に変化した。次に可視光を照射す
ると、再び0.19に戻った。このように、アゾベンゼンの
光異性化により色の濃淡が可逆的に生じた。
ステル系のネマティック液晶に二色性色素を1重量%ド
ープした液晶を挾み、液晶セルを作成した。633nmの吸
光度を測定したところ、紫外光照射前は0.19であり可視
光を照射すると、0.92に変化した。次に可視光を照射す
ると、再び0.19に戻った。このように、アゾベンゼンの
光異性化により色の濃淡が可逆的に生じた。
実施例8 4−ヘキシル−4′−ヒドロキシアゾベンゼン(1)と
ブロム酢酸エチルから得られるエステルを加水分解し
て、4−ヘキシル−4′−カルボキシメトキシアゾベン
ゼン(5)を得た。このカルボン酸(5)50mg、トリフ
ェニルホスフィン92mg、四塩化炭素0.5mlをジメチルホ
ルムアミド0.5mlに溶解して1時間室温に放置し、酸ク
ロリドとした。この溶液0.5mlを3mlのベンゼンで希釈し
てから、100%けん化ポリ(酢酸ビニル)(ポリビニル
アルコール)膜を設けたガラス板を浸漬し、ピリジンを
5滴加えて室温に放置した。1時間後ガラス板を取り出
してアセトンで十分に洗浄して乾燥した。アゾベンゼン
の吸光度は0.35であった。このガラス板2枚で実施例1
と同様にして液晶セルを構成し、紫外線と可視光を交互
に照射したところ、偏光の透過率が可逆的に変化した。
ブロム酢酸エチルから得られるエステルを加水分解し
て、4−ヘキシル−4′−カルボキシメトキシアゾベン
ゼン(5)を得た。このカルボン酸(5)50mg、トリフ
ェニルホスフィン92mg、四塩化炭素0.5mlをジメチルホ
ルムアミド0.5mlに溶解して1時間室温に放置し、酸ク
ロリドとした。この溶液0.5mlを3mlのベンゼンで希釈し
てから、100%けん化ポリ(酢酸ビニル)(ポリビニル
アルコール)膜を設けたガラス板を浸漬し、ピリジンを
5滴加えて室温に放置した。1時間後ガラス板を取り出
してアセトンで十分に洗浄して乾燥した。アゾベンゼン
の吸光度は0.35であった。このガラス板2枚で実施例1
と同様にして液晶セルを構成し、紫外線と可視光を交互
に照射したところ、偏光の透過率が可逆的に変化した。
第1図は本発明の光学素子の構造の1例を示す断面図、
第2図は別の例及びその光照射前後の液晶の配列状態を
示す断面図、第3図はさらに別の例及びその光照射前後
の液晶の配列状態を示す断面図である。図中、符号1は
基板、2はホトクロミック結合高分子層、3は液晶層、
4はホモジニアス配向層である。第4図と第5図はさら
に別の例であって、この場合には2はあらかじめラビン
グ処理によって配向処理を施されている。第4図では、
2枚の基板におけるラビングの方向が同じであり、第5
図では、2枚の基板におけるラビング処理の方向は直交
している。
第2図は別の例及びその光照射前後の液晶の配列状態を
示す断面図、第3図はさらに別の例及びその光照射前後
の液晶の配列状態を示す断面図である。図中、符号1は
基板、2はホトクロミック結合高分子層、3は液晶層、
4はホモジニアス配向層である。第4図と第5図はさら
に別の例であって、この場合には2はあらかじめラビン
グ処理によって配向処理を施されている。第4図では、
2枚の基板におけるラビングの方向が同じであり、第5
図では、2枚の基板におけるラビング処理の方向は直交
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1337
Claims (3)
- 【請求項1】透明基板上にポリ(酢酸ビニル)けん化物
層を設け、さらにその上に液晶層を設けた積層体におい
て、上記液晶層に接するポリ(酢酸ビニル)けん化物層
界面に、ホトクロミック化合物を化学的に結合したこと
を特徴とする光学素子。 - 【請求項2】透明基板上にポリ(酢酸ビニル)けん化物
層を設け、さらにその上に液晶層を設けた積層体におい
て、上記液晶層に接するポリ(酢酸ビニル)けん化物層
界面に、ホトクロミック化合物を化学的に結合し、かつ
上記液晶層に二色性色素を含有させたことを特徴とする
光学素子。 - 【請求項3】ホトクロミック化合物にホルミル基又はカ
ルボキシル基若しくはその反応性誘導体基を導入し、次
いで、このようにして得たホトクロミック化合物誘導体
を含む溶液中に、ポリ(酢酸ビニル)けん化物層をもつ
透明基板を浸せきしてポリ(酢酸ビニル)けん化物の水
酸基をアセタール化又はエステル化して、上記ホトクロ
ミック化合物を化学的に結合させる処理を行ったのち、
このように処理したポリ(酢酸ビニル)けん化物層の上
に液晶層を設けることを特徴とする光学素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119566A JPH07101265B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 光学素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119566A JPH07101265B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 光学素子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02298917A JPH02298917A (ja) | 1990-12-11 |
JPH07101265B2 true JPH07101265B2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=14764508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1119566A Expired - Lifetime JPH07101265B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 光学素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07101265B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR0182876B1 (ko) | 1996-01-09 | 1999-05-01 | 구자홍 | 액정셀의 프리틸트방향 제어방법 |
US6191836B1 (en) | 1996-11-07 | 2001-02-20 | Lg Philips Lcd, Co., Ltd. | Method for fabricating a liquid crystal cell |
US6292296B1 (en) | 1997-05-28 | 2001-09-18 | Lg. Philips Lcd Co., Ltd. | Large scale polarizer and polarizer system employing it |
KR100259258B1 (ko) | 1997-11-21 | 2000-06-15 | 구본준 | 액정표시소자 |
KR100301853B1 (ko) | 1999-03-25 | 2001-09-26 | 구본준, 론 위라하디락사 | 액정표시소자용 배향막 |
KR100357214B1 (ko) | 1999-04-21 | 2002-10-18 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 액정표시소자 |
KR100475107B1 (ko) | 1999-10-14 | 2005-03-09 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 멀티도메인 액정셀의 제조방법 |
KR100565739B1 (ko) | 2000-10-28 | 2006-03-29 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 광배향성 물질 및 이를 이용한 액정표시소자 |
KR100595300B1 (ko) | 2000-10-28 | 2006-07-03 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 광배향성 물질 및 이를 이용한 액정표시소자 |
US7244627B2 (en) | 2003-08-25 | 2007-07-17 | Lg.Philips Lcd Co., Ltd. | Method for fabricating liquid crystal display device |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6410219A (en) * | 1987-07-02 | 1989-01-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Ferroelectric liquid crystal display element |
-
1989
- 1989-05-12 JP JP1119566A patent/JPH07101265B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02298917A (ja) | 1990-12-11 |
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---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |