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JPH07106219B2 - インターロイキン2レセプターの除去装置およびそれを備えた血液体外循環装置 - Google Patents

インターロイキン2レセプターの除去装置およびそれを備えた血液体外循環装置

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Publication number
JPH07106219B2
JPH07106219B2 JP63193294A JP19329488A JPH07106219B2 JP H07106219 B2 JPH07106219 B2 JP H07106219B2 JP 63193294 A JP63193294 A JP 63193294A JP 19329488 A JP19329488 A JP 19329488A JP H07106219 B2 JPH07106219 B2 JP H07106219B2
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JP
Japan
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blood
hollow fiber
interleukin
receptor
fiber membrane
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP63193294A
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JPH0245064A (ja
Inventor
泰志 下村
泰三 宇田
勇蔵 黒松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP63193294A priority Critical patent/JPH07106219B2/ja
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Publication of JPH07106219B2 publication Critical patent/JPH07106219B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はインターロイキン2レセプター(以下、IL−2R
と略す)、あるいはIL−2R発現細胞を血中より除去する
装置および該除去装置を備えた血液体外循環装置に関
し、特に、成人T細胞白血病患者の血中からIL−2Rを除
去することにより病態の悪化を防ぎ、又は治療を行なう
ためのインターロイキン2レセプターの除去装置とそれ
を備えた血液外循環装置に関するものである。
[従来の技術] インターロイキン2は、抗原活性化T細胞によって合成
・分泌されるリンホカインの一種である。IL−2は、抗
原活性化T細胞の表面上に存在する特異的な高親和性レ
セプターIL−2Rとの相互作用によって、活性化T細胞の
増殖刺激などの生物学的効果を示すと考えられている。
近年、西日本、特に九州地方を中心として高頻度に発生
しているために注目されている成人T細胞白血病(以
下、ATLと略す)の発症・進展は、白血病細胞の由来が
成熟したヘルパーT細胞であり、その表面に多数のIL−
2Rが構成的に異常発現していることなどから、IL−2シ
ステムの関与が示唆されている。そのような説明として
は、ATL発症におけるIL−2システムの2段階活性化モ
デルが提唱されており、ATL患者、HTLV−IまたはHIVな
どのウイルスに感染した患者の血中からIL−2Rを除去で
きれば患者の治療または感染者の発症防止が可能と考え
られている〔Maruyama M.et al,Cel148,343,(198
7)〕。
従来、血中からIL−2Rを除去する方法としては、各種分
離膜を使用する方法、イオン交換樹脂カラムまたはゲル
を用いたアフィニティーカラムを使用する方法などがあ
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来から行なわれている、各種分離膜を
使用する方法ではIL−2Rを特異的に除去することはでき
ず、また、イオン交換樹脂カラム、又はセルロース、セ
ファロース(Sepharose)などのゲルを用いたアフィニ
ティーカラムを使用する方法ではイオン交換樹脂やアフ
ィニティーゲル自体が高価であり、かつその性能(試料
処理量、試料処理時間、試料処理効率など)に問題があ
る。
[課題を解決するための手段] そこで本発明者らは、前記の問題点を解決し、血中から
IL−2Rを安価に、かつ効果的に除去することができる装
置を見出すべく鋭意研究を行なった結果、本発明を完成
した。
即ち、本発明は、担体にインターロイキン2レセプター
のモノクロナール抗体を吸着固定させたものを用い、そ
れに血液及び/又は血漿を接触させるインターロイキン
2レセプターの除去装置であって、上記担体が複数本の
中空糸膜であり、各中空糸膜の直径が100〜1000μm
で、かつ該複数本の中空糸膜の膜面積の合計が0.01〜1.
0m2であるインターロイキン2レセプターの除去装置
(第一発明)を提供するものである。
上記のインターロイキン2レセプターの除去装置におい
て、筒状容器の内部に上記の複数本の中空糸膜を集束
し、その中空糸膜の両端部を開口状態で隔壁に埋込み、
隔壁により中空糸膜の両端部を前記筒状容器に流密に封
止して成り、かつ、上記中空糸膜が高分子樹脂から成る
ことが好ましい。
又、本発明は、上記のインターロイキン2レセプターの
除去装置を備えて成る血液体外循環装置(第二発明)、
を提供するものである。
ここで、血液体外循環装置の代表的な例としては、血漿
交換治療装置が挙げられ、その場合、血液処理装置は血
漿分離器を示すものである。
本発明に用いる中空糸膜の材質には、合成高分子や、ガ
ラス、シリカゲルなどの無機物質、または蛋白質、多糖
等の生物に由来する不溶性の生体高分子物質が使用でき
る。
[実施例] 以下、本発明を図示の実施例に基づき更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されないことは明ら
かであろう。
第1図は、本発明に係る、血中及び/または血漿からの
IL−2Rの除去装置の一例を示したものである。
筒状容器1の内部にはIL−2Rのモノクローナル抗体を吸
着・固定させた複数の高分子樹脂製中空糸膜2が配設さ
れており、該筒状容器1の両端部において、該筒状容器
1と該中空糸膜2の両端部をポリウレタン樹脂等のポッ
ティング材からなる隔壁3により流密に支持されるとと
もに、中空糸膜2の両端部は筒状容器1の両端に開口し
ている。
以上の構成において、血液及び/また血漿は、筒状容器
1の入口4より、IL−2Rのモノクローナル抗体が吸着固
定された中空糸膜2の中空部に入り、このモノクローナ
ル抗体と接触して、血液中及び/または血漿中のIL−2R
が除去され、次いで清浄化された血液及び/または血漿
は出口5を介して筒状容器1より流出されるのである。
上記実施例における、IL−2Rに対するモノクローナル抗
体を吸着固定させる担体である中空糸膜としては、各種
の高分子重合体よりなるものであればよく、特にその種
類は限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコー
ル、4−メチルペンテン、ポリカーボネート、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーンゴム等およびそれらの変性樹
脂などを通常用いることができるが、モノクローナル抗
体との結合方法及び結合力などの観点から考えるとポリ
プロピレン、ポリエチレンなどが好ましい。
中空糸膜のサイズも特に制限されないが、内径100〜100
0μm、好ましくは200〜400μm、膜厚10〜200μm、好
ましくは20〜60μmのものが望ましい。
また、中空糸膜の膜面積は、一般に0.01〜1.0m2程度の
ものが好ましい。
中空糸膜へのモノクローナル抗体の吸着・固定方法とし
ては、物理的吸着法、化学的結合方法等の周知の方法が
適用可能であるが、比較的強固に固定でき、かつ抗体の
活性を損なわない方法でなければならない。
本発明において担体に吸着固定されるモノクローナル抗
体としては、IL−2Rに対して非常に高い特異的な反応性
を有するモノクローナル抗体であれば、どのようなモノ
クローナル抗体を用いてもよいが、好ましくはモノクロ
ーナル抗体H−48を用いる。
本発明に使用される筒状容器の材質としては、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ABS樹脂、ガラスなどが使用
できる。
本発明の血中及び/または血漿中からのIL−2Rの除去装
置は、全血をそのまま流すこともできるが、予め血漿分
離器で分離した血漿だけを流すこともできる。
第2図は、血中のIL−2Rを除去する血液体外循環装置の
一例を示したものである。採血部8より血液ポンプ7に
よって患者の血液をインターロイキン2レセプター除去
装置6に導き、IL−2Rを取り除いた血液を返血部9から
患者の体内に戻す。
第3図は、血漿中からIL−2Rを除去する血液体外循環装
置の一例を示したものである。
10は採血部であり、血液ポンプ11によって患者の血液を
体内から血漿分離器12に導く。血漿分離器12に入った血
液は、血漿成分が分離され、血漿ポンプ13で、インター
ロイキン2レセプター除去装置14に導かれ、IL−2Rを除
去した血漿は、A点で血漿分離器12から排出される濃縮
血液と混合され、返血部15から患者の体内に戻す。
(実施例1) インターロイキン2レセプター除去装置の作製 内径320μm、膜厚55μm、長さ210mmのポリプロピレン
製中空糸膜2000本束ねてポリカーボネート製の筒状容器
に挿入し、ポリウレタン樹脂で筒状容器と中空糸膜の両
端部を固定して膜面積0.35m2のモジュールを作成した。
このモジュールにエタノールを500ml/hrで30分間流して
洗浄を行なった後、更に精製水で十分にエタノールを洗
浄除去した。
次に、IL−2Rに対して非常に高い特異的な反応性を有す
るモノクローナル抗体(H−48)を、その濃度が200μg
/mlとなるように、リン酸緩衝食塩水に溶解し、この溶
液400mlを流速的25ml/hrで前記のエタノール洗浄済モジ
ュールに流すことによって、モノクローナル抗体を中空
糸の内面に物理的吸着によって結合した。
次に、このモジュールに1%のヒトγ−グロブリン溶液
を50ml注入し、室温で3時間静置してモノクローナル抗
体で被覆されていない中空糸表面をヒトγ−グロプリン
で被覆した。これを0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0、
0.15M塩化ナトリウム)を用いて十分に洗浄し、血中か
らIL−2Rを除去するために用いるモジュールとして、使
用時まで4℃で保存した。
なお、このようにして作製したモジュールを、通常のア
フィニティークロマトグラフィーに用いても、また、保
存していても、モジュールからの蛋白質の離脱は殆ど認
められなかった。
(実施例2) ヒト清浄血清中のIL−2Rの除去 市販管理ヒト血清であるネスコールX(化血研製)の10
mlに、IL−2Rの濃度が約40ng/mlとなるようにIL−2Rを
加えた。
これを、実施例1と同様の方法で作成した膜面積0.01m2
のモジュール(吸着したモノクローナル抗体量は約10m
g)に第2図の装置に示す血液ポンプ(ペリスタポン
プ,井内盛栄堂製)9を用いて流速約20ml/hrまたは60m
l/hrで流し、モジュールの出口から流出した血清及びモ
ジュールに流す前のIL−2R濃度を次に示すサンドイッチ
酸素免疫測定法(ELISA)で測定した。
その結果を表−1に示す。
(実施例3) ヒト全血中のIL−2Rの除去 ヘパリンを1単位/mlとなるように添加した全血15ml
に、IL−2Rを約40ng/ml濃度となるように添加した。こ
れを、実施例1と同様の方法で作製した膜面積0.01m2
モジュール(吸着したモノクローナル抗体量は約10mg)
にペリスタポンプ(井内盛栄堂製)を用いて流速約20ml
/hr、40ml/hrまたは80ml/hrで流し、各流速においてモ
ジュールの出口から流出した全血及びモジュールに流す
前の全血を2000rpm、15分間の遠心分陸にて血漿を分離
し、各血漿中のIL−2Rの濃度を実施例2と同様のELISA
の方法で測定した。
その結果を表−2に示す。
(実施例4) ATL患者血清中のIL−2Rの除去 ATL患者の血清10mlを、実施例1と同様の方法で作製し
た膜面積0.01m2のモジュール(吸着したモノクローナル
抗体量は約10mg)にペリスタポンプ(井内盛栄堂製)を
用いて流速約20ml/hrまたは40ml/hrで流し、モジュール
の出口から流出した血清及びモジュールに流す前の血清
中のIL−2Rの濃度をELISAの方法で測定した。
その結果を表−3に示す。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明のインターロイキン2レセプ
ターの除去装置によれば、モノクローナル抗体を吸着し
た中空糸膜を使用し、これに血液及び/又は血漿を接触
させているため、血中及び/または血漿中のIL−2Rを効
率的に且つ安価に除去することができる。特に、成人T
細胞患者の血中からIL−2Rを除去することによって病態
の悪化を防ぎ、または治療を行ない、更に感染者の発症
防止ができる等の優れた効果がある。
また、本発明の血液体外循環装置にこれば、血液処理装
置として、モノクローナル抗体を吸着した中空糸膜を使
用したインターロイキン2レセプターの除去装置を用い
ているので、血中及び/または血漿中のIL−2Rを効率的
に除去できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1は本発明に係るIL−2Rの除去装置の一例を示す概略
図、第2図は血中のIL−2Rを除去する血液体外循環装置
の一例を示す説明図、、第3図は血漿中のIL−2Rを除去
する血液体外循環装置の一例を示す説明図である。 1……筒状容器、2……中空糸膜、3……支持部材、4
……入口、5……出口、6……インターロイキン2レセ
プター除去装置(モジュール)、7……血液ポンプ、8
……採血部、9……返血部、10……採血部、11……血液
ポンプ、12……血漿分離器、13……血漿ポンプ、14……
インターロイキン2レセプター除去装置(モジュー
ル)、15……返血部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体にインターロイキン2レセプターのモ
    ノクロナール抗体を吸着固定させたものを用い、それに
    血液及び/又は血漿を接触させるインターロイキン2レ
    セプターの除去装置であって、 該担体が複数本の中空糸膜であり、 各中空糸膜の直径が100〜100μmで、かつ該複数本の中
    空糸膜の膜面積の合計が0.01〜1.0m2であることを特徴
    とするインターロイキン2レセプターの除去装置。
  2. 【請求項2】筒状容器の内部に該複数本の中空糸膜を集
    束し、該中空糸膜の両端部を開口状態で隔壁に埋込み、
    該隔壁により該中空糸膜の両端部を前記筒状容器に流密
    に封止して成り、該中空糸膜が高分子樹脂から成る請求
    項1に記載のインターロイキン2レセプターの除去装
    置。
  3. 【請求項3】血液ポンプおよび血液処理装置を少なくと
    も備え、血液処理装置への送血と、該血液処理装置から
    の返血とを行なわしめる血液体外循環装置であって、前
    記血液処理装置として請求項1のインターロイキン2レ
    セプター除去装置を備えたことを特徴とする血液対外循
    環装置。
JP63193294A 1988-08-02 1988-08-02 インターロイキン2レセプターの除去装置およびそれを備えた血液体外循環装置 Expired - Lifetime JPH07106219B2 (ja)

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