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JPH069607A - 茶カテキン類の製造方法 - Google Patents

茶カテキン類の製造方法

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Publication number
JPH069607A
JPH069607A JP9651893A JP9651893A JPH069607A JP H069607 A JPH069607 A JP H069607A JP 9651893 A JP9651893 A JP 9651893A JP 9651893 A JP9651893 A JP 9651893A JP H069607 A JPH069607 A JP H069607A
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JP
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tea
adsorbent
tea catechins
catechins
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JP9651893A
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Bunichi Suehiro
文一 末広
Kenji Shibata
憲司 柴田
Hiroshi Shinya
洋 新屋
Fumihisa Yoshinabe
文久 良辺
Chuichi Takeo
忠一 竹尾
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SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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SHOKUHIN SANGYO HIGH SEPAREESHIYON SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Publication date
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Publication of JPH069607A publication Critical patent/JPH069607A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 茶カテキン類を食品衛生上安全に工業規模
で製造することを目的とし、茶中に含まれる糖類、アミ
ノ酸などの夾雑物、カフェイン、カテキン酸化重合物を
液液抽出工程を用いることなく除去し、低コストで高純
度の茶カテキン類を製造する方法を提供すること。 【構成】 茶葉から茶抽出液を得る抽出工程と、ゲル
型合成吸着剤を充填したクロマトカラムに茶カテキン類
成分を吸着させる吸着工程と、水を用いてクロマトカラ
ムを洗浄することにより、少なくともカフェインを含む
茶カテキン類以外の水溶性夾雑物を除く洗浄工程と、こ
のクロマトカラムに残留した成分を、メタノール、エタ
ノールもしくはアセトン溶媒の一種、あるいはこれらの
混合物からなる50〜100vol%水溶液を溶離液と
して溶出する溶出工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は茶カテキン類の製造方法
にかかるもので、とくに茶葉を原料とし、カフェインな
どを除去して、高純度のカテキン類を低コストで製造す
る茶カテキン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】茶は、世界中で広く飲まれている嗜好飲
料のひとつであって、植物学的にはツバキ科ツバキ属の
木本性常緑樹であり、飲料用の茶製造法により、緑茶
(不発酵茶)、ウーロン茶(半発酵茶)、紅茶(発酵
茶)などに大別されるが、基本的には同一の茶樹からこ
れらの製品を得ることができる。
【0003】茶葉中に含まれる茶カテキン類は、ポリフ
ェノール化合物であって、(−)エピカテキン、(−)
エピガロカテキン、(−)エピカテキンガレート、
(−)エピガロカテキンガレート、(+)カテキン、
(+)ガロカテキン、(+)ガロカテキンガレートであ
り、広義にはこれらカテキンを構成成分として縮合した
テアフラビン類などのオリゴマーなど(以下、「カテキ
ン酸化重合物」と呼ぶ)を含むことができ、茶葉には9
〜30wt%が含有されている。
【0004】これらのカテキン類のうち、茶葉中の主な
カテキンは、(−)エピカテキン、(−)エピガロカテ
キン、(−)エピカテキンガレート、(−)エピガロカ
テキンガレートの4種(以下、「茶カテキン類」と呼
ぶ)であるが、近年これらカテキン類に関する研究か
ら、抗酸化、抗菌、消臭、血中コレステロール抑制、血
圧降下、抗腫瘍などの化学的および薬理的作用が確認さ
れ、食品素材や、機能性食品などをはじめとして、その
用途開発が期待されている。
【0005】なお、本発明の目的物である上記茶カテキ
ン類には、茶葉中の主なカテキンである(−)エピカテ
キン、(−)エピガロカテキン、(−)エピカテキンガ
レートおよび(−)エピガロカテキンガレートの4種に
加えて、(+)カテキン、(+)ガロカテキンおよび
(+)ガロカテキンガレートを含めてもよい。
【0006】また、カテキン酸化重合物としては、プロ
アントシアニジン類、アッサミカイン類、ウーロンホモ
ビスフラバン類、加水分解型タンニン、テアフラビン
類、テアフラガリン類、およびテアシネンシン類などが
ある。
【0007】こうした茶カテキン類を純度よく製造する
には、茶葉中に上記茶カテキン類と共存する夾雑物の分
離が不可欠である。この夾雑物としては、カフェイン、
糖類、アミノ酸、タンパク質、有機酸、脂質、色素、お
よびカテキン酸化重合物などがある。
【0008】これら成分のうち、カテキン酸化重合物は
広義の茶カテキン類の分類に入るものの、抗酸化などの
作用が認められない上に、褐色を呈するため、これを添
加した最終商品の着色が問題となる場合がある。
【0009】したがって、本発明において製造の目的と
する茶カテキン類にはカテキン酸化重合物を含めず、こ
れを除去することが望ましいものである。
【0010】その他の糖、アミノ酸などについても一般
性細菌の栄養源となるなどの理由により、茶カテキン類
の各種作用を十分に発揮させる上でも除去することが望
まれている。
【0011】従来の茶カテキン類の製造方法としては、
液液分配抽出を用いる方法が知られている。
【0012】たとえば、吉田(茶業研究報告 第13号
4頁 1959年4月)は、緑茶を水で抽出し、クロ
ロホルムでカフェインを除去し、酢酸エチルにより抽出
する方法を紹介している。
【0013】また特公平1−44234号には、同様の
方法により天然抗酸化剤を工業的に製造可能と記述され
ている。
【0014】また特開昭64−9922号には、茶抽出
液をヘキサンおよびクロロホルムでカフェインを除去
し、酢酸エチルにより、目的物である茶カテキン類を抽
出することができると記述されている。
【0015】これらの方法では、出発原料の茶抽出物に
夾雑物が多く含まれることや、抽出分配係数の関係か
ら、抽出効率が悪く、目的の茶カテキン類を高純度で得
るために繰返し抽出が必要であると考えられる。
【0016】また、カフェインを除くために塩素系有機
溶媒であるクロロホルムを使用するために、食品などへ
の利用を考えた場合、安全上の問題が予想される。
【0017】さらに、特開平3−14572号には、茶
などの植物体より低級アルコール水溶液で抽出したもの
を原料とし、ゲルビーズを用いて、高負荷条件が可能な
多段バッチプロセスにより、カテキン重合体あるいは複
合体を含めた茶カテキン類の製造が可能であると記載さ
れている。
【0018】この方法では、カテキン重合体あるいは複
合体を製品中に含むとともに、製造時に反応槽を攪拌あ
るいは振とうさせるために、ゲルビーズの損耗が予想さ
れる。
【0019】一方本発明者らは、茶葉を温水抽出して得
た茶エキスを原料とし、クロマトカラムに吸着剤を充填
し、この吸着剤に茶カテキン類を選択的に吸着させ、親
水性有機溶媒により茶カテキン類を溶出回収することに
よって高純度の茶カテキン類を製造するクロマトカラム
吸着分離技術を開発した(特開平2−311474
号)。
【0020】この方法によれば、吸着剤を充填したクロ
マトカラムに茶抽出物(水溶性成分)を注入し、水およ
び親水性有機溶媒の濃度を変えて順次溶出することによ
り夾雑物を先に除去し、クロマトカラムに残留した成分
をメタノール、エタノール、もしくはアセトンの一種、
あるいはこれらの混合物からなる約10〜65vol%
水溶液により溶出することで、目的成分である茶カテキ
ン類を高純度、かつ高回収率で回収することができる。
【0021】とりわけ、当該夾雑物のうちカフェイン
は、通常の摂取では問題ないが、過剰摂取による障害
や、新生児に対する影響に関する報告があり、食品など
の種類によっては茶カテキン類製造にあたって、脱カフ
ェインが要求される。
【0022】カフェインは、茶の種類にもよるが、茶葉
中に2〜5wt%程度含有され、茶葉を温水などで抽出
すると茶抽出液では固定分換算で4〜10wt%程度と
なる。
【0023】この茶抽出液を用いて茶カテキン類を製造
する際、カフェインを除去しなければ、さらに10〜2
5wt%程度となる。
【0024】カフェインが好ましくないとされる幼児、
妊婦、肝臓障害者ほかが利用する食品や、カフェインに
敏感な家畜やペット動物の食料などにカフェインを除去
した茶カテキン類を提供することをかんがみ、本発明者
らは、上記特開平2−311474号で開発した技術の
中でカフェイン除去の最適条件を検討した。
【0025】この検討の結果、クロロホルムなどを用い
るまでもなく、使用する吸着剤に応じて夾雑物の洗浄に
用いる親水性有機溶媒の溶媒濃度および通液量を最適化
すれば、カフェインを除去した茶カテキン類の製造を行
うことができることを確認した。
【0026】しかし、カフェインを除去するには、溶媒
濃度が5〜15wt%前後の低濃度水溶液を多量に必要
とし、溶媒回収コストが大きくなるという新たな問題が
発生した。
【0027】ところが、その後の研究からこうして製造
した製品中には抗酸化などの作用を有さない褐色を呈す
るカテキン酸化重合物が存在することが判明した。
【0028】このため、まず原料から最終製品までのカ
テキン酸化重合物の挙動を把握するための分析レベルで
の新たな分離・分析手法を見いだしたのち、さらに工業
レベルでカテキン酸化重合物を除去する方法を検討した
結果、クロマト分離による分離工程と液液抽出工程とを
有機的に組み合わせることにより、カテキン酸化重合物
を高効率で除去することができる茶カテキン類の製造方
法を開発した(特開平4−182479号)。
【0029】この方法によれば、たとえば、最初にクロ
マトカラムによる分離工程で少なくともカテキン酸化重
合物以外の夾雑物があらかじめ除去されているため、つ
ぎの液液抽出工程において少量の抽出溶媒を用いてカテ
キン酸化重合物を除くことができ、高純度の茶カテキン
類の製造が可能となった。
【0030】このようなクロマト分離工程と液液抽出工
程との組み合わせによって、これらを単独に用いる場合
よりは効率的に高純度かつ高回収率で茶カテキン類を製
造することができるのではあるが、製造における全体工
程が複雑化せざるを得ず、この製造工程が複雑化するこ
とは製造上の新たな問題である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題をかんがみてなされたものであり、茶を原料として茶
カテキン類を食品衛生上安全に工業規模で製造すること
を目的とし、とりわけ茶中に含まれる糖類、アミノ酸な
どの夾雑物およびカフェインはもちろんのこと、カテキ
ン酸化重合物を液液抽出工程を用いることなく除去し、
低コストで高純度の茶カテキン類を製造する方法を提供
することを課題とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、茶葉
に含まれるカフェインおよびカテキン酸化重合物などを
効率的かつ安価に除去した上で、高純度の茶カテキン類
を製造することができるもので、この発明では、水溶性
夾雑物を除去する工程から発生する溶剤回収という実状
にかんがみて種々検討した結果、溶媒を使用せずに、水
溶性夾雑物を洗浄するという方法を見いだして完成した
ものである。
【0033】すなわち、第一の発明は、クロマトカラム
に充填する合成吸着剤を選択するとともに、有機溶媒を
用いることなく水によりクロマトカラムを洗浄すること
に着目したもので、茶葉から水溶性成分を抽出すること
により茶抽出液を得る抽出工程と、ゲル型合成吸着剤を
充填したクロマトカラムに上記茶抽出液を注入すること
により、このクロマトカラムに茶カテキン類成分を吸着
させる吸着工程と、水を用いてクロマトカラムを洗浄す
ることにより、少なくともカフェインを含む茶カテキン
類以外の水溶性夾雑物を除く洗浄工程と、このクロマト
カラムに残留した成分を、メタノール、エタノールもし
くはアセトン溶媒の一種、あるいはこれらの混合物から
なる50〜100vol%水溶液を溶離液として溶出す
る溶出工程と、を有する茶カテキン類の製造方法であ
る。
【0034】上記洗浄工程において、少なくともカテキ
ン酸化重合物もこれを除去することができる。
【0035】上記ゲル型吸着剤は、これをビニルポリマ
ーを母体とすることができる。
【0036】上記溶出工程における、上記クロマトカラ
ムからの回収液中の固形分重量の80wt%以上の茶カ
テキン類を得ることができる。
【0037】上記溶出工程における、上記クロマトカラ
ムからの回収液中の固形分重量の90wt%以上の茶カ
テキン類を得ることができる。
【0038】上記洗浄工程の水洗い操作により、カフェ
イン80%、およびカテキン酸化重合物80%以上を除
去することができる。
【0039】上記茶抽出液の負荷量は、これを茶抽出液
濃度15Brix%に換算して上記吸着剤との容積比
0.5〜6とすることができる。
【0040】上記洗浄工程の上記水は、これを上記吸着
剤との容積比2〜6とすることができる。
【0041】上記溶離液は、これを上記吸着剤との容積
比2〜6とすることができる。
【0042】上記吸着剤として親水性ビニルポリマーを
使用し、上記茶抽出液の負荷量を15Brix%換算で
上記吸着剤との容積比1とし、上記吸着剤との容積比4
の水を用いて洗浄し、上記吸着剤との容積比3の55v
ol%エタノール水溶液により通液処理することができ
る。
【0043】上記茶カテキン類は、(−)エピカテキ
ン、(−)エピガロカテキン、(−)エピカテキンガレ
ート、(−)エピガロカテキンガレート、(+)カテキ
ン、(+)ガロカテキン、および(+)ガロカテキンガ
レートであるとすることができる。
【0044】つぎに、第二の発明は、カフェインおよび
茶カテキン類が吸着したクロマトカラムを温水により洗
浄することに着目したもので、茶葉から水溶性成分を抽
出することにより茶抽出液を得る抽出工程と、合成吸着
剤を充填したクロマトカラムに上記茶抽出液を注入する
ことにより、このクロマトカラムに茶カテキン類成分を
吸着させる吸着工程と、水および温水を順次用いてクロ
マトカラムを洗浄することにより、少なくともカフェイ
ンを含む茶カテキン類以外の水溶性夾雑物を除く洗浄工
程と、このクロマトカラムに残留した成分を、メタノー
ル、エタノールもしくはアセトン溶媒の一種、あるいは
これらの混合物からなる50〜100vol%水溶液を
溶離液として溶出する溶出工程と、を有する茶カテキン
類の製造方法である。
【0045】上記合成吸着剤は、これをスチレン・ジビ
ニルベンゼンあるいはメタアクリル酸エステルを母体と
する吸着剤とすることができる。
【0046】上記温水の温度範囲は、これを60〜90
℃とすることができる。
【0047】上記メタノール、エタノールもしくはアセ
トン溶媒の一種、あるいはこれらの混合物からなる水溶
液の濃度は、これを50〜100%とすることができ
る。
【0048】以下、本発明についてより具体的に説明す
る。この発明は、茶葉からたとえば温水で抽出した水溶
性成分を含む茶抽出液を、吸着剤を充填したクロマトカ
ラムに通液し、水を用いてカフェインおよびカテキン酸
化重合物を含む夾雑物を洗浄し、クロマトカラムに残留
した目的の茶カテキン類をメタノール、エタノールもし
くはアセトンの一種、あるいはこれらの混合物からなる
50〜100%の水溶液により脱離せしめ、回収する溶
出工程を有することを要旨とする茶カテキン類の製造方
法である。
【0049】図1に、第一の発明による茶カテキン類の
製造方法の工程を概略的に示す。
【0050】なお上記の目的の茶カテキン類は、含有量
が比較的多く、各種効能を有するところの主成分である
(−)エピカテキン、(−)エピガロカテキン、(−)
エピカテキンガレートおよび(−)エピガロカテキンガ
レートの混合物であるが、この他に微量成分の(+)カ
テキン、(+)ガロカテキンおよび(+)ガロカテキン
ガレートを含めてもよい。
【0051】上記吸着剤としては、ゲルろ過吸着剤であ
る親水性ビニルポリマーを母体とする吸着剤であること
が望ましい。
【0052】より具体的に説明する。本発明の原料であ
る茶は、生茶、不発酵茶、半発酵茶および発酵茶など各
種形態のものが用いられるが、たとえば80℃以上の熱
湯を用いて約5〜15分間抽出することにより、水溶性
成分を含む約2〜4Brix%の茶抽出液を得る。
【0053】この茶抽出液は、これを必要に応じて濃縮
して用いてもよいし、濃縮せずそのまま用いてもよい。
【0054】茶抽出液を濃縮する場合には、茶カテキン
類とカフェインとの反応による沈澱物の生成(クリーム
ダウン)を抑えるため、最大15Brix%程度までの
濃縮を行う。
【0055】すなわち本発明に用いられる茶抽出液の濃
度としては、約2〜15Brix%が適用される。
【0056】なお、茶抽出液の濃縮液を乾燥して得られ
る固形粉を再び水に溶解することにより調整した茶抽出
液を用いてもよい。
【0057】茶抽出液の濃度が高いと、つまり茶カテキ
ン類の濃度が高いと、平衡吸着量が比較的大きく、単位
クロマトカラム吸着剤あたりの処理量が増えるが、茶抽
出液の粘度も上昇するため、クロマトカラム圧力損失が
大きくなる。
【0058】一方、濃縮操作を行わない濃度の低い茶抽
出液では平衡吸着量が小さく、単位クロマトカラム吸着
剤あたりの処理量が低下するが、クロマトカラム圧力損
失も小さく、クロマトカラム設計上は好ましい。
【0059】したがって、茶抽出液の濃縮の必要の有無
については、原料の供給体制や装置設計上の制限を考慮
し、適宜判断するものとする。
【0060】こうした茶抽出液は、吸着剤を充填したク
ロマトカラムにこれを通液する。
【0061】クロマトカラム吸着剤としては、親水性ビ
ニールポリマーなどのビニールポリマーを母体とするゲ
ルろ過型吸着剤などのゲル型合成吸着剤を適用すること
ができる。
【0062】たとえば、トヨパールHW40EC(東ソ
ー製)やAsahipak GS−520(昭和電工
製)などがある。
【0063】なお、スチレン・ジビニルベンゼンあるい
はメタアクリル酸エステルを母体とする吸着剤では、親
水性ビニルポリマーを母体とする吸着剤と同一条件下に
おいて、茶カテキン類と、カフェインおよびとくにカテ
キン酸化重合物とを分離することは困難である。
【0064】また、デキストラン誘導体を母体とする吸
着剤を用いれば、茶カテキン類と、カフェインおよびカ
テキン酸化重合物とを分離することはできるが、これら
の吸着剤は、たとえばSephadex LH−20
(ファルマシア製)などのように粒径が小さいためにカ
ラム通液時の圧力損失が大きいとともに、充填層の圧密
化が生じるなどの問題が予想される。
【0065】クロマトカラムへの茶抽出液の負荷量は、
あらかじめ各濃度で茶抽出液を注入して茶カテキン類が
破過するまでの量を測定しておき、この測定値を基準と
して決定することが望ましい。
【0066】負荷量の決定にさいしては、つぎの水によ
る洗浄工程時における茶カテキン類の吸着帯の若干の移
動を考慮し、破過点までの負荷量の20〜95%に設定
する。
【0067】負荷量が20%より小さいと吸着剤あたり
の生産効率が低下し、また95%より大きいと、カラム
形状や通液速度などの通液条件にもよるが、15%程度
以上の茶カテキン類の損失を生じる。
【0068】さらに破過点を越えて、茶抽出液を負荷す
ると、もはや吸着剤に吸着されずカラムから流出し、茶
カテキン類の回収率はいちじるしく低下する。
【0069】本発明者らは、とくにカフェインおよびカ
テキン酸化重合物と、目的成分である茶カテキン類との
分離特性を念頭に、茶抽出液の負荷量を鋭意検討した結
果、これを茶抽出液濃度15Brix%に換算して合成
吸着剤との容積比が0.5〜6とすればよいことを見い
だした。
【0070】こうした茶抽出液の負荷量を、単位吸着剤
容積あたりの茶抽出液中の水溶性固形分重量で表せば、
50〜360mg固形分/ml−Resinであること
が望ましい。
【0071】茶抽出液の負荷量が360mg固形分/m
l−Resinをこえると、茶カテキン類の吸着層にお
ける吸着帯が長くなりすぎ、つぎの工程である水による
洗浄操作において、カフェインとともに茶カテキン類が
破過し回収率が低下したり、また高濃度の茶抽出液で
は、夾雑物の影響によるクロマトカラム圧力損失が上昇
する。
【0072】茶抽出液の負荷量が50mg固形分/ml
−Resinより小さいと、茶カテキン類とカフェイン
との分離は可能であるが、製造量が単に低下するのみで
不経済である。
【0073】このようにして、カラムに茶抽出液を通じ
ることにより、糖・アミノ酸などの非吸着性の夾雑物
は、吸着剤に吸着されずカラム出口から排出される。
【0074】また、カフェインおよびカテキン酸化重合
物は、その一定量が吸着剤に弱く吸着すると、破過が始
まりカラム出口から溶出する。
【0075】目的成分の茶カテキン類は、上述した負荷
量設定値以下であれば破過せず吸着剤に吸着し続ける。
【0076】設定量の茶抽出液の通液が完了した時点
で、クロマトカラム内の吸着剤には茶カテキン類ならび
にカフェインおよびカテキン酸化重合物の一部が吸着
し、吸着剤粒子の空隙に夾雑物が残留する。
【0077】つぎに水を用いてクロマトカラムを洗浄す
る。この洗浄操作により、茶抽出液注入の終了時に吸着
剤空隙に残留している糖・アミノ酸などの非吸着性の夾
雑物を排出する。
【0078】また、吸着剤に弱く吸着しているカフェイ
ンおよびカテキン酸化重合物は、移動相と固定相の濃度
平衡の変化にともない、吸着剤より脱着しカラムより溶
出する。
【0079】このときの洗浄に用いる水の量は、合成吸
着剤との容積比が2〜6とすればよい。
【0080】容積比が2未満では、カフェインおよびカ
テキン酸化重合物の除去が不十分となり、容積比が6を
こえると、茶カテキン類の一部破過による茶カテキン類
の回収率が低下する。
【0081】水を用いたこの洗浄工程において茶カテキ
ン類はクロマトカラムから流失することなく、つぎの溶
離操作(溶出工程)においてその全量を回収することが
できる。
【0082】すなわち、カラムに吸着残留する茶カテキ
ン類を親水性有機溶媒、たとえばメタノール、エタノー
ルもしくはアセトンの一種、あるいはこれらの混合物か
らなる50〜100vol%水溶液を溶離液として用い
て脱着させ、カラムより溶出する。
【0083】使用する親水性溶媒としては、食品添加や
溶媒回収処理工程を配慮すれば、エタノールの単一溶媒
が望ましい。
【0084】溶媒濃度が50vol%以下であると茶カ
テキン類の溶出速度が遅くなるとともに、茶カテキン類
の回収率が低下するなどのために好ましくない。
【0085】このときの溶出工程に用いる溶離液の量
は、合成吸着剤との容積比が2〜6とすればよい。
【0086】容積比が2未満では、茶カテキン類の回収
が不十分となり、容積比が6をこえると溶離液により回
収される茶カテキン類は微量となる。
【0087】これら溶媒により移動相の極性が変わり、
茶カテキン類は容易に吸着剤から脱離し、クロマトカラ
ム出口から排出される。
【0088】溶媒濃度としては、60vol%未満であ
れば着火などの危険性が減少し、製造管理上好都合であ
るが、50vol%より小さすぎると、溶出速度が遅く
なる。
【0089】したがって、溶媒濃度の設計は、装置設計
上の制限を考慮し適宜これを判断すればよい。
【0090】なお、溶媒量が吸着剤容積に対して溶媒基
準で1.5倍量未満では、茶カテキン類は溶出しきらな
い。
【0091】最後に、水洗いを行い、クロマトカラムに
残留した溶媒を回収する。
【0092】このようにして回収した茶カテキン類は、
常法の濃縮や乾燥処理を行い、濃縮液や乾燥粉末の形態
で製品化することができる。
【0093】つぎに第二の発明を説明する。この発明
は、茶温水抽出液を合成吸着剤の充填されたクロマトカ
ラムに注入後、まず水のみでクロマトカラムを洗浄し、
しかるのちに60〜95℃の温水でカフェインを除去
し、クロマトカラムに残留した成分をメタノール、エタ
ノールもしくはアセトンの一種あるいはこれらの混合物
からなる約50〜100vol%水溶液により溶出する
ようにした茶カテキン類の製造方法を要旨とする。
【0094】図2に、第二の発明による茶カテキン類の
製造方法の工程を概略的に示す。
【0095】茶抽出液をクロマトカラムに通液したの
ち、温水による洗浄の前にまず水による洗浄を行うこと
により、温水により固化変性する夾雑物をまず除去す
る。
【0096】この洗浄用の温水の温度が60℃以下であ
ると、カフェインの除去効果が十分得られず、また95
℃以上ではクロマトカラム内での気泡の発生による液の
不均一流れが生じる。
【0097】クロマトカラムに充填された合成吸着剤に
より茶葉の水溶性成分から、まず水洗いによりカフェイ
ン以外の夾雑物が分離される。
【0098】これらの夾雑物は、吸着剤にほとんど吸着
されない性質を有し、また茶エキスを通液時にクロマト
カラム内の空隙に残留した夾雑物は水により押し流すこ
とでクロマトカラム外に取り出すことができる。
【0099】カフェインは、夾雑物の中でも吸着剤に対
するその吸着力が比較的大きいため、水では溶出速度が
遅いが、温水により溶出速度をあげることができ、クロ
マトカラム外に取り出すことができる。
【0100】一方、茶カテキン類は、吸着剤に対する吸
着力が強く、水や温水では溶出せず、溶媒極性の高い親
水性有機溶媒の水溶液を用いることで、第一の発明と同
様に吸着剤から脱離回収することができる。
【0101】
【作用】本発明による茶カテキン類の製造方法において
は、第一の発明ではカフェインおよびカテキン酸化重合
物を、第二の発明ではカフェインを効率よく除去した上
で高純度の茶カテキン類を安価に製造可能である。
【0102】このカフェインおよびカテキン酸化重合物
を分離する工程として、水あるいは温水を用いるもので
あるから、カフェインおよびカテキン酸化重合物を溶出
するための有機溶媒の回収が不要であり、製造設備を簡
素化することもできる。
【0103】
【実施例】つぎに本発明の実施例を説明する。ただし、
説明の前に、茶カテキン類の定量計算方法について述べ
る。
【0104】クロマトカラム分離操作において、(1)
カラムに注入する茶抽出液中の各成分量(質量)、
(2)溶出工程で得られる回収液中の各成分量、(3)
それらの各成分量比、ならびに(4)茶抽出液および回
収液の溶媒を除去して得た固形分重量、をつぎのように
定義する。
【0105】(1)茶抽出液中の各成分量 Ct(in):カテキン Co(in):カテキン酸化重合物 Cf(in):カフェイン Ci(in):夾雑物 (2)溶出工程の回収液中の各成分量 Ct(out):茶カテキン類 Co(out):カテキン酸化重合物 Cf(out):カフェイン Ci(out):夾雑物 (3)各成分量比=(溶出工程の回収液中の各成分量)
/(茶抽出液中の各成分量) ηt:Ct(out)/Ct(in) ηo:Co(out)/Co(in) ηf:Cf(out)/Cf(in) ηi:Ci(out)/Ci(in) (4)茶抽出液中の固形分重量:W(in) W(in)=Ct(in)+Co(in)+Cf(in)+Ci(in) ...式 溶出工程の回収液中の固形分重量:W(out) W(out)=Ct(out)+Co(out)+Cf(out)+Ci( out) ...式
【0106】クロマトカラム分離操作により得た溶出液
中の固形分に含まれる茶カテキン類の純度は、以下の
または式によりこれを表すことができる。 ηt・Ct(in)/(ηt・Ct(in)+ηo・Co(in)+ηf・ Cf(in)+ηi・Ci(in))×100 ...式 Ct(out)/W(out)×100 ...式
【0107】茶カテキン類およびカフェインについて
は、高速液体クロマトグラフィー(以下「HPLC」と
記す)により、たとえば図3の図表1に示す分析条件下
で標準試料を用いて定量分析が可能である。
【0108】したがって、カテキン純度を式によって
求めたり、茶カテキン類やカフェインの回収率を算出す
ることができる。
【0109】一方、カテキン酸化重合物や夾雑物につい
ては、それらが多成分からなり、常法による分析法では
一般に非常な労力を要する。
【0110】実際に本発明者らは、開発の初期段階にお
いて、夾雑物の成分分析についてはその代表成分として
主に糖やアミノ酸を選定し、常法の分析法による成分の
測定を実施して、これらの代表成分が除去されることを
確認していたに過ぎない。
【0111】また文献情報等の知見からカテキン酸化重
合物は含有していてもこれが少量であると予想されたこ
とから、カテキン酸化重合物ないし夾雑物を一括して最
終製品に含まれる少量の不純物として取り扱っていた。
【0112】しかし、その後の研究において重量分析と
HPLC分析により、クロマトカラム分離によって得た
製品にはかなりの量のカテキン酸化重合物が含まれるこ
とを式からも確認した。
【0113】したがって、最適条件下で工業的に茶カテ
キン類を製造を行う場合に、カテキン酸化重合物や夾雑
物を定量的に把握することが不可欠であると考え、さら
にクロマトカラム分離法におけるカテキン酸化重合物お
よび夾雑物の挙動を検討した。
【0114】その結果、クロマトカラム分離において夾
雑物は、適用するクロマトカラムに充填する吸着剤たと
えばスチレン・ジビニルベンゼン、ビニルポリマー、メ
タアクリル酸エステル、あるいはデキストランなどを母
体とする吸着剤に吸着することなく、水を用いて洗浄す
ることができること、ならびに水洗条件を最適化するこ
とによって夾雑物の成分量比=(溶出工程の回収液中の
成分量)/(茶抽出液中の成分量)ηi:(Ci(ou
t)/Ci(in))がηi≒0となることを重量測定
法により確認した。
【0115】図4は、一例として、スチレン・ジビニル
ベンゼンを母体とする吸着剤セパビーズSP850(三
菱化成)をクロマトカラムに充填し、これに茶抽出液を
通液し、水洗を行なったときのクロマトカラム出口で測
定した夾雑物の重量変化を示すグラフである。
【0116】またカテキン酸化重合物は、本発明者らが
検討した新たなHPLC分析条件により比較的簡便に分
析することが可能となった(ただし、カテキン酸化重合
物の標準試料の入手は困難であるためその各成分の定量
はしていない)。
【0117】一例として、HPLC分析条件を図5の図
表2に示す。また図6は、メタアクリル酸エステルを母
体とする吸着剤HP1MGをクロマトカラムに充填し、
これに茶抽出液を通液し続けることにより得た成分の破
過曲線を示すグラフである。
【0118】本発明者らはすでに、吸着工程における茶
抽出液の負荷条件、水による洗浄工程の水洗条件、およ
び溶出工程の溶離液条件などを最適に設定してカフェイ
ンと茶カテキン類とを分離していたが、最適負荷条件を
こえてさらに茶抽出液をクロマトカラムに通液し続けた
場合には、図6に示すように茶カテキン類とカフェイン
およびカテキン酸化重合物とはほぼ同一の吸着特性を示
すことを見いだしたのである。
【0119】また、図には示さないが破過吸着操作の
後、70vol%のアセトン水溶液などで溶出操作を行
った場合も、茶カテキン類とカフェインおよびカテキン
酸化重合物とはほぼ同一の溶出特性を示した。
【0120】なお、この時点では、充填剤のハンドリン
グ゛や物理的な充填剤強度特性および価格のなどの観点
から経済的により優れていると考えられたスチレン・ジ
ビニルベンゼンやメタアクリル酸エステルを母体とする
吸着剤を中心に用いて測定を行ったのではあるが、茶カ
テキン類およびカテキン酸化重合物は、とりわけ基本的
な化学構造が同一または近似しており、両者は同様なク
ロマトカラム分離特性を有するものと判断するに至っ
た。
【0121】以上の結果から、 ηi=0、および ηo=ηt となるクロマトカラム分離条件で試験を行うとき、茶カ
テキン類の純度を表す前記式はこれを式に書き換え
ることができる。 ηt・Ct(in)/(ηt・(Ct(in)+Co(in))+ηf・C f(in))×100 ...式
【0122】このとき、前記式および式の各パラメ
ーターはCo(in)以外を除き簡便にこれを定量する
ことができ、かつ式と式とは測定誤差内で等しいこ
とから、茶抽出液中のカテキン酸化重合物の成分量Co
(in)を算出することが可能となり、さらにこれらの
値を前記式に代入して茶抽出液中の夾雑物の成分量C
i(in)を求めることが可能となった。
【0123】したがって、以上述べたような手順で、あ
らかじめ茶抽出液成分の組成を求めておけば、以後は分
析時間をいちじるしく削減することができる図表1のH
PLC条件下で取得したデータを用いて式により茶カ
テキン類の純度等を解析することができる。
【0124】本発明者らは、その後もクロマトカラム分
離に関して検討を重ね、カテキン酸化重合物の除去方法
(特開平2−311390号)や、さらには水洗による
カフェイン分離方法(特願平4−113161号)を見
いだした。
【0125】とりわけ、後者についてはビニルポリマー
を母体とする吸着剤などを用いて工業的に茶カテキン類
を製造することが可能であることを見いだした。
【0126】しかしながら、得られた測定データを解析
する際に、ビニルポリマーを母体とする吸着剤を用いて
も茶カテキン類とカテキン酸化重合物とはスチレン・ジ
ビニルベンゼンやメタアクリル酸エステルを母体とする
吸着剤と同様の挙動を示すという先入観で式を用いて
行った。
【0127】ところが、得られた製品の効能評価試験に
おいて誤差範囲をこえるすぐれたデータが得られたなど
の理由により、今回ビニルポリマーを母体とする吸着剤
についても吸着・溶出特性を確実に把握すべく、図5の
図表2のHPLC条件下でカテキン酸化重合物を含めて
測定を行った。
【0128】その結果、驚くべきことに茶カテキン類と
カテキン酸化重合物とがビニルポリマーを母体とする吸
着剤に対しては全く異なることを発見した。
【0129】その一例を図7に示す。図7は吸着剤にビ
ニルポリマーとくに親水性ビニルポリマーを母体とする
吸着剤HW40ECをクロマトカラムに充填し、茶抽出
液を通液し続けることで得た成分破過曲線を示すグラフ
である。
【0130】図示したように、カテキン酸化重合物は茶
カテキン類よりはむしろカフェインの吸着挙動に近く、
茶カテキン類より先に破過することが確認された。
【0131】さきに述べたように、カテキン酸化重合物
のすべてにわたる標準試料の入手は困難であるため定量
そのものは難しいものの、各成分濃度と比例するところ
の各ピークの吸光度出力積分値の比からカテキン酸化重
合物の成分量比(溶出工程の回収液中の各成分量)/
(茶抽出液中の各成分量)ηo:(Co(out)/C
o(in))を求めることは可能である。
【0132】したがって、ηoを前記式に代入するこ
とにより、ビニルポリマーを母体とする吸着剤における
解析が可能となる。
【0133】そこで、特願平4−113161号におけ
る前回の各実施例について、解析データを換えて再検討
を行った。これら各実施例とともに、結果を以下に示
す。
【0134】以下に述べる実施例1、2、3、4、比較
例1、2および参考例1は第一の発明に対応し、実施例
5および比較例3は第二の発明に対応する。
【0135】[実施例1]茶抽出液は、三番茶1Kgを
95℃の温水15Kgで10分間抽出したのち、ろ過、
減圧濃縮、遠心分離してこれを調製した。
【0136】吸着剤として親水性ビニルポリマーを母体
とする市販のトヨパールHW40(東ソー、商標)を1
リットル、クロマトカラムに充填し、これに茶抽出液1
2Brix%を3リットル、水を5リットル、および7
0vol%エタノール水溶液を2.5リットル、順次通
液した。
【0137】この結果、エタノール回収液を減圧濃縮、
凍結乾燥して固形粉末143gを得た。
【0138】分析の結果、目的の茶カテキン類の純度は
72wt%、カフェインが0.9wt%で、残りは、カ
テキン酸化重合物と推定された。また、茶カテキン類の
回収率は95%であった。
【0139】ここで、茶カテキン類およびカフェインの
量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
い、標品により絶対検量線法で定量した値を固形粉末量
で除してこれを算出した。
【0140】図8に、HPLCのクロマトグラムを示
す。図9の図表3に、HPLC条件を示す。
【0141】なお、回収率は、固形粉末に含まれる茶カ
テキン類の量を茶抽出液に含まれる茶カテキン類の量で
除してこれを算出した。
【0142】前記式ほかにしたがってあらためて解析
すれば、本実施例は実際には、目的のカテキン純度は9
7.6wt%程度、さらにカフェインおよびカテキン酸
化重合物の含有量がそれぞれ1.2wt%および1.1
wt%程度であったと推定される。また、分析データか
ら推算した製品重量は105g程度と推定される。
【0143】[実施例2]茶抽出液の調製法および吸着
剤は、実施例1と同じである。
【0144】クロマトカラムに、茶抽出液8Brix%
を3リットル、水を3リットル、および50vol%メ
タノール水溶液を3リットル、順次通液した。
【0145】この結果、固形粉末97gを得た。茶カテ
キン類の純度は73wt%、カフェイン0.2wt%
で、残りはカテキン酸化重合物であった。茶カテキン類
の回収率は、98%であった。
【0146】前記式ほかにしたがってあらためて解析
すれば、この実施例は実際には、目的のカテキン純度は
99.5wt%程度、さらにカフェインおよびカテキン
酸化重合物の含有量がそれぞれ0.3wt%および0.
2wt%程度であったと推定される。また、分析データ
から推算した製品重量は71g程度と推定される。
【0147】[比較例1]茶抽出液の調製法および吸着
剤は、実施例1と同じである。
【0148】吸着剤として、スチレン・ジビニルベンゼ
ンを母体とする市販のデュオライト社製S−876(商
標)1リットルをクロマトカラムに充填し、これに茶抽
出液8Brix%を3リットル、10vol%メタノー
ル水溶液を2リットル、および50vol%メタノール
水溶液を3リットル、順次通液した。
【0149】この結果、固形粉末94gを得た。茶カテ
キン類の純度は63wt%、カフェイン13wt%で、
残りはカテキン酸化重合物と推定された。茶カテキン類
の回収率は、95%であった。
【0150】本分離条件、すなわち、10vol%メタ
ノール水溶液2リットルでは、吸着剤からカフェインを
脱着させるには十分な量ではないと判断される。このた
め、茶抽出液に含まれるカフェインの量の13%しか除
去することができなかった。
【0151】[参考例1]茶抽出液の調製法は、実施例
1と同じである。
【0152】吸着剤として、メタアクリル酸エステルを
母体とする市販の合成吸着剤、三菱化成(株)製HP1
MG(商標)を1リットル、クロマトカラムに充填し、
これに茶抽出液8Brix%を3リットル、10vol
%メタノール水溶液を6リットル、および50vol%
メタノール水溶液を3リットル、順次通液した。
【0153】この結果、固形粉末98gを得た。茶カテ
キン類の純度は71wt%、カフェイン1.3wt%
で、残りはカテキン酸化重合物と推定された。茶カテキ
ン類の回収率は、97%であった。
【0154】また、溶媒をメタノールに替えてアセトン
としても同様の結果が得られたが、溶媒使用量はメタノ
ールより5%これを削減することができた。
【0155】また吸着剤を、HP1MG(商標)に替え
て比較例のデュオライトS−876(商標)としても同
様の結果が得られた。
【0156】本分離条件、すなわち、10vol%メタ
ノール水溶液6リットルを用いれば、メタアクリル酸エ
ステルや、スチレン・ジビニルベンゼンを母体とする吸
着剤からでも、カフェインが脱着することを確認した。
【0157】ただし、比較例と比べて、3倍量の10v
ol%メタノール水溶液6リットルから溶媒を回収する
必要がある。
【0158】このように、親水性ポリビニルアルコール
を母体としたゲルろ過吸着剤を用いて、カフェインを水
により95〜99%の高効率で除去することができるこ
とを確認した。
【0159】カテキン酸化重合物は、本発明の説明であ
らたに述べたようにスチレン・ジビニルベンゼンを母体
する吸着剤では茶カテキン類と同一の挙動を示すので、
ここで示した比較例1および参考例1では、これまでの
解析方法が使えるとした。
【0160】このように、親水性ポリビニルアルコール
を母体としたゲルろ過吸着剤を用いて、カフェインを水
により95〜99%の高効率で除去することができるこ
とを確認した。
【0161】かくして得た茶カテキン類中のカフェイン
含有量は1wt%未満であり、これを除去しない場合の
0.01〜0.1倍とはるかに小さい量であった。
【0162】スチレン・ジビニルベンゼンやメタアクリ
ル酸エステルを母体とする吸着剤は、条件を最適化する
ことにより、比較例1のように、カフェインを除去する
ことができることが確認されたが、親水性ポリビニルア
ルコールの吸着剤を用いた場合のように水による洗浄の
みではカフェインの除去が困難であった。
【0163】[実施例3]緑茶1.4Kgを80℃の温
水21Kgで15分抽出し、これをろ過および遠心分離
して、不溶固形分を除去後、RO膜濃縮して15Bri
x%の茶抽出液2.2リットルを得た。
【0164】トヨパールHW40EC(商標)を1リッ
トル充填したクロマトカラムに、この茶抽出液2リット
ルを注入した。つぎに、水3リットルで洗浄した。
【0165】最後に、60vol%のエタノール水溶液
4リットルを注入し、回収液を得た。
【0166】また、原料の茶抽出液、水洗浄画分および
エタノール水溶液回収画分を高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)により分析した。
【0167】高速液体クロマトグラフィーの分析条件を
図10の図表4に示す。また、分析結果として高速液体
クロマトグラフィーのクロマトグラムをそれぞれ図1
1、図12および図13に示す。
【0168】さらに、原料の茶抽出液およびエタノール
水溶液回収画分について、高速液体クロマトグラフィー
の定量分析により各成分量を測定した。
【0169】前記式ほかにしたがって解析した結果、
(−)エピカテキン、(−)エピガロカテキン、(−)
エピカテキンガレート、(−)エピガロカテキンガレー
トカテキンの総回収率は94.2%、カテキン純度は9
7.3wt%であった。
【0170】また、カフェインおよびカテキン酸化重合
物の含有量はそれぞれ2.0wt%および0.7wt%
であった。
【0171】HPLC測定結果から推算した製品重量は
58.8gであった。
【0172】なお、エタノール水溶液回収画分の一部に
ついて固形分を測定したところ、製品全量換算で62g
であった。
【0173】この固形分データを用いて前記式で求め
たカテキン純度は92.2wt%であった。
【0174】製品重量は測定方法により5.2%異なり
測定誤差が考えられるが、その他微量成分の(+)カテ
キン、(+)ガロカテキンおよび(+)ガロカテキンガ
レートなど存在によるものと推定される。
【0175】[実施例4]緑茶2.2Kgを80℃の温
水35Kgで15分抽出し、これをろ過および遠心分離
して、不溶固形分を除去後、RO膜濃縮して12Bri
x%の茶抽出液4.4リットルを得た。
【0176】AsahipakGS−520(商標)を
1リットル充填したクロマトカラムに、この茶抽出液4
リットルを注入した。つぎに、水3リットルで洗浄し
た。
【0177】最後に、70vol%のエタノール水溶液
3リットルを注入し、回収液を得た。
【0178】実施例3と同様にして原料の茶抽出液およ
びエタノール水溶液回収画分について、各成分量を測定
した結果、(−)エピカテキン、(−)エピガロカテキ
ン、(−)エピカテキンガレート、(−)エピガロカテ
キンガレートカテキンの総回収率は90.5%、カテキ
ン純度は96.4wt%であった。
【0179】また、カフェインおよびカテキン酸化重合
物の含有量はそれぞれ2.7wt%および1.2wt%
であった。
【0180】HPLC測定結果から推算した製品重量は
90.0gであった。
【0181】なお、エタノール水溶液回収画分の一部に
ついて固形分を測定したところ、製品全量換算で98.
4gであった。
【0182】この固形分データを用いて前記式で求め
たカテキン純度は87.8wt%であった。
【0183】[比較例2]メタアクリル酸エステル系吸
着剤HP1MG(三菱化成製)1リットルを充填したク
ロマトカラムに、実施例3と同様にして得た茶抽出液2
リットルを注入した。つぎに、水1.7リットルで洗浄
した。
【0184】最後に、60vol%のエタノール水溶液
4リットルを注入して、回収液を得た。
【0185】実施例3と同様にして原料の茶抽出液およ
びエタノール水溶液回収画分について、各成分量を測定
した結果(−)エピカテキン、(−)エピガロカテキ
ン、(−)エピカテキンガレート、(−)エピガロカテ
キンガレートカテキンの総回収率は81.2%、カテキ
ン純度は59.2wt%であった。
【0186】また、カフェインおよびカテキン酸化重合
物の含有量はそれぞれ19.1wt%および21.7w
t%であった。
【0187】HPLC測定結果から推算した製品重量は
83.3gであった。
【0188】エタノール水溶液回収画分の一部について
固形分を測定したところ、製品全量換算で94.4gで
あった。
【0189】この固形分データを用いて前記式で求め
たカテキン純度は52.2wt%であった。
【0190】なお、エタノール水溶液回収画分には不溶
物が認められたが、これは水洗工程における水量が少な
かったため夾雑物の一部がエタノールの作用により不溶
化して析出したものと考えられた。
【0191】上述の各実施例のように、親水性ビニルポ
リマーを母体とする吸着剤を用いれば、水洗のみでカフ
ェインおよびカテキン酸化重合物を含む夾雑物を高効率
で除去でき、目的とする茶カテキン類を得ることができ
た。
【0192】一方、メタアクリル酸エステルを母体とす
る吸着剤では糖・アミノ酸などの一部の夾雑物は除去で
きたが、茶カテキン類と、カフェインおよびカテキン酸
化重合物との分離は困難であった。
【0193】[実施例5]茶1Kgを熱水10リットル
にて10分間抽出し、圧搾して得た搾汁を集め、減圧濃
縮、および遠心分離して、茶抽出液(茶エキス)1.5
リットルを製造した。
【0194】クロマトカラムに、吸着剤としてメタアク
リル酸エステルを母体とする市販の合成吸着剤HP1M
Gを1.5リットル充填したものを用いた。
【0195】これに茶エキスを全量注入後、蒸留水1.
5リットル、および90℃の温水3.5リットルで洗浄
し、さらに80vol%メタノール水溶液3リットルで
残留成分を回収した。
【0196】粗茶カテキン類は112g製造され、その
純度85wt%であり、5wt%のカフェインが含まれ
ていた。
【0197】また、茶エキスに対して92%の茶カテキ
ン類が回収された。
【0198】[比較例3]茶エキスおよびクロマトカラ
ムは実施例5と同じものを用いた。
【0199】茶エキスを全量注入後、15vol%メタ
ノール水溶液4.5リットル、および80vol%メタ
ノール水溶液3リットルを用いて、洗浄および回収を行
った。
【0200】粗茶カテキン類は121g製造され、その
純度79wt%であり、12wt%のカフェインが含ま
れていた。
【0201】また、茶エキスに対して92%の茶カテキ
ン類が回収された。
【0202】なお本比較例3において、15vol%メ
タノール水溶液4.5リットルに替えて40℃の温水
4.5リットルで洗浄した場合、粗茶カテキン類の中に
18wt%のカフェインが含まれ、清浄効果が小さかっ
た。
【0203】上述の実施例5の粗茶カテキン類製造量が
112gと、この比較例3の製造量121gに比べて小
さいのは、前者の場合にカフェインが含まれないためで
あり、本発明の方が、低濃度溶媒の回収が不要である経
済的な効果に加え、カフェインの除去も優れていること
が確認できた。
【0204】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、茶葉に含
まれる夾雑物を、水ないしは温水、およびエタノールな
ど食品衛生上安全な溶媒を用いて除去し、高回収率で高
純度の茶カテキン類を工業的規模で製造することが可能
である。
【0205】とくに、従来技術における除去操作にとも
ない、食品衛生上の安全性や分離技術上の問題が指摘さ
れていた成分であるカフェインおよびカテキン酸化重合
物をクロマトカラム分離操作のみを用いて、経済的に除
去することが可能である。
【0206】また、従来必要とされてきた低濃度の溶離
液を用いることなく、水ないしは温水のみで茶抽出液中
の夾雑物を除くことができるため、低濃度溶離液の溶媒
回収設備が不要となり、より安価な製品を提供可能であ
る。
【0207】
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明による茶カテキン類の製造方法の工
程を概略的に示す説明図である。
【図2】第二の発明による茶カテキン類の製造方法の工
程を概略的に示す説明図である。
【図3】茶カテキン類の定量計算方法における高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件の図表1で
ある。
【図4】スチレン・ジビニルベンゼンを母体とする吸着
剤セパビーズSP850(三菱化成)をクロマトカラム
に充填し、これに茶抽出液を通液し、水洗を行なったと
きのクロマトカラム出口で測定した夾雑物の重量変化を
示すグラフである。
【図5】カテキン酸化重合物の定量計算方法における高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件の図
表2である。(ただし、カテキン酸化重合物の標準試料
の入手は困難であるためその各成分の定量はしていな
い)。
【図6】メタアクリル酸エステルを母体とする吸着剤H
P1MGをクロマトカラムに充填し、これに茶抽出液を
通液し続けることにより得た成分の破過曲線を示すグラ
フである。
【図7】吸着剤にビニルポリマー、とくに親水性ビニル
ポリマーを母体とする吸着剤HW40ECをクロマトカ
ラムに充填し、茶抽出液を通液し続けることで得た成分
破過曲線を示す、とくに本発明に関係したグラフであ
る。
【図8】第一の発明の実施例1による高速液体クロマト
グラフィーのクロマトグラムを示す図である。
【図9】同、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
の分析条件の図表3である。
【図10】第一の発明の実施例3における高速液体クロ
マトグラフィーの分析条件の図表4である。
【図11】同、分析結果として高速液体クロマトグラフ
ィーのクロマトグラムを示す図である。
【図12】同、分析結果として高速液体クロマトグラフ
ィーのクロマトグラムを示す図である。
【図13】同、分析結果として高速液体クロマトグラフ
ィーのクロマトグラムを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新屋 洋 神奈川県平塚市夕陽ケ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚研究所内 (72)発明者 良辺 文久 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園中央研究所内 (72)発明者 竹尾 忠一 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶葉から水溶性成分を抽出することに
    より茶抽出液を得る抽出工程と、 ゲル型合成吸着剤を充填したクロマトカラムに前記茶抽
    出液を注入することにより、このクロマトカラムに茶カ
    テキン類成分を吸着させる吸着工程と、 水を用いてクロマトカラムを洗浄することにより、少な
    くともカフェインを含む茶カテキン類以外の水溶性夾雑
    物を除く洗浄工程と、 このクロマトカラムに残留した成分を、メタノール、エ
    タノールもしくはアセトン溶媒の一種、あるいはこれら
    の混合物からなる50〜100vol%水溶液を溶離液
    として溶出する溶出工程と、 を有する茶カテキン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄工程において、少なくともカ
    テキン酸化重合物を除去することを特徴とする請求項1
    記載の茶カテキン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲル型吸着剤は、これをビニルポ
    リマーを母体とすることを特徴とする請求項1記載の茶
    カテキン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶出工程における前記クロマトカ
    ラムからの回収液中の固形分重量の80wt%以上の茶
    カテキン類を得ることを特徴とする請求項1記載の茶カ
    テキン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶出工程における前記クロマトカ
    ラムからの回収液中の固形分重量の90wt%以上の茶
    カテキン類を得ることを特徴とする請求項1記載の茶カ
    テキン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄工程の水洗い操作により、カ
    フェイン80%、およびカテキン酸化重合物80%以上
    を除去することを特徴とする請求項1記載の茶カテキン
    類の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記茶抽出液の負荷量は、これを茶抽
    出液濃度15Brix%に換算して前記吸着剤との容積
    比0.5〜6とすることを特徴とする請求項1記載の茶
    カテキン類の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記洗浄工程の前記水は、これを前記
    吸着剤との容積比2〜6とすることを特徴とする請求項
    1記載の茶カテキン類の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶離液は、これを前記吸着剤との
    容積比2〜6とすることを特徴とする請求項1記載の茶
    カテキン類の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記吸着剤として親水性ビニルポリ
    マーを使用し、前記茶抽出液の負荷量を15Brix%
    換算で前記吸着剤との容積比1とし、前記吸着剤との容
    積比4の水を用いて洗浄し、前記吸着剤との容積比3の
    55vol%エタノール水溶液により通液処理すること
    を特徴とする請求項1記載の茶カテキン類の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記茶カテキン類は、(−)エピカ
    テキン、(−)エピガロカテキン、(−)エピカテキン
    ガレート、(−)エピガロカテキンガレート、(+)カ
    テキン、(+)ガロカテキン、および(+)ガロカテキ
    ンガレートであることを特徴とする請求項1記載の茶カ
    テキン類の製造方法。
  12. 【請求項12】 茶葉から水溶性成分を抽出すること
    により茶抽出液を得る抽出工程と、 合成吸着剤を充填したクロマトカラムに前記茶抽出液を
    注入することにより、このクロマトカラムに茶カテキン
    類成分を吸着させる吸着工程と、 水および温水を順次用いてクロマトカラムを洗浄するこ
    とにより、少なくともカフェインを含む茶カテキン類以
    外の水溶性夾雑物を除く洗浄工程と、 このクロマトカラムに残留した成分を、メタノール、エ
    タノールもしくはアセトン溶媒の一種、あるいはこれら
    の混合物からなる50〜100vol%水溶液を溶離液
    として溶出する溶出工程と、 を有する茶カテキン類の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記合成吸着剤は、これをスチレン
    ・ジビニルベンゼンあるいはメタアクリル酸エステルを
    母体とする吸着剤とすることを特徴とする請求項12記
    載の茶カテキン類の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記温水の温度範囲は、これを60
    〜90℃とすることを特徴とする請求項12記載の茶カ
    テキン類の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記メタノール、エタノールもしく
    はアセトン溶媒の一種、あるいはこれらの混合物からな
    る水溶液の濃度は、これを50〜100%とすることを
    特徴とする請求項12記載の茶カテキン類の製造方法。
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