JPH069006Y2 - 貴金属装飾品 - Google Patents
貴金属装飾品Info
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- JPH069006Y2 JPH069006Y2 JP15061189U JP15061189U JPH069006Y2 JP H069006 Y2 JPH069006 Y2 JP H069006Y2 JP 15061189 U JP15061189 U JP 15061189U JP 15061189 U JP15061189 U JP 15061189U JP H069006 Y2 JPH069006 Y2 JP H069006Y2
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は時計、眼鏡フレーム、ライター、万年筆、ブロ
ーチ等の装飾品或いは装飾的要素を兼備した製品(本考
案において、これらを単に装飾品と称す)に貴金属の表
面層を付与してなる貴金属装飾品に関する。
ーチ等の装飾品或いは装飾的要素を兼備した製品(本考
案において、これらを単に装飾品と称す)に貴金属の表
面層を付与してなる貴金属装飾品に関する。
従来から時計、眼鏡フレーム、ライター、万年筆或いは
ブローチ等の装飾品に金色、黒色、青色、暗黒色等の有
色皮膜及び金等の貴金属皮膜を真空蒸着や湿式メッキ等
で形成した装飾品が知られている(例えば特開昭64−
36757等)。
ブローチ等の装飾品に金色、黒色、青色、暗黒色等の有
色皮膜及び金等の貴金属皮膜を真空蒸着や湿式メッキ等
で形成した装飾品が知られている(例えば特開昭64−
36757等)。
上記従来の装飾品は、金属、プラスチック、硝子等から
なる装飾基材上に卑金属のイオンプレーティングによ
り、窒化チタンによる金色膜、酸化チタンによる黒色
膜、酸化タングステンによる青色膜、炭化チタンよる暗
黒色膜等の種々の色調の皮膜を付着せしめて有色卑金属
層を形成し、該有色卑金属層の表面上に更に金等の貴金
属を気相蒸着によるドライメッキあるいは電解または無
電解メッキの湿式法により付着させて貴金属層を形成
し、該貴金属層をマスクパターンに沿ってエッチングし
てなるものである。
なる装飾基材上に卑金属のイオンプレーティングによ
り、窒化チタンによる金色膜、酸化チタンによる黒色
膜、酸化タングステンによる青色膜、炭化チタンよる暗
黒色膜等の種々の色調の皮膜を付着せしめて有色卑金属
層を形成し、該有色卑金属層の表面上に更に金等の貴金
属を気相蒸着によるドライメッキあるいは電解または無
電解メッキの湿式法により付着させて貴金属層を形成
し、該貴金属層をマスクパターンに沿ってエッチングし
てなるものである。
しかしながら、これら上記の従来品においては、卑金属
のイオンプレーティングによる金属酸化物、金属炭化
物、金属窒化物等の有色卑金属層の装飾基材に対する密
着性については充分な性能を有しているが、イオンプレ
ーティングによる有色卑金属層と該有色卑金属層の表面
に貴金属を真空蒸着や湿式メッキ等で形成した貴金属層
との間の密着性が悪いという欠点があった。
のイオンプレーティングによる金属酸化物、金属炭化
物、金属窒化物等の有色卑金属層の装飾基材に対する密
着性については充分な性能を有しているが、イオンプレ
ーティングによる有色卑金属層と該有色卑金属層の表面
に貴金属を真空蒸着や湿式メッキ等で形成した貴金属層
との間の密着性が悪いという欠点があった。
本考案者は、上記従来技術の欠点を解決するため種々検
討したところ、卑金属をイオンプレーティングによって
装飾基材上に付着させて有色卑金属層を形成したのち、
該有色卑金属層の表面上に貴金属層をイオンプレーティ
ングによって形成させれば上記従来品に比べ有色卑金属
層と貴金属層の間の密着性が向上するということが判明
した。
討したところ、卑金属をイオンプレーティングによって
装飾基材上に付着させて有色卑金属層を形成したのち、
該有色卑金属層の表面上に貴金属層をイオンプレーティ
ングによって形成させれば上記従来品に比べ有色卑金属
層と貴金属層の間の密着性が向上するということが判明
した。
しかしながら、実用に耐え得るだけの良好な密着性を得
るには未だ不充分であり、改良の余地が残されていた。
るには未だ不充分であり、改良の余地が残されていた。
即ち、本考案者の実験によると、貴金属層が0.3μm
程度の厚みまでは密着性は良いが、0.3μm以上の厚
みになると、貴金属層の密着性が不良となることが判っ
た。
程度の厚みまでは密着性は良いが、0.3μm以上の厚
みになると、貴金属層の密着性が不良となることが判っ
た。
また有色卑金属層と貴金属層との密着性を良くしようと
して、貴金属層を0.3μm以下の厚みにすると、貴金
属層における耐摩耗性の低下や、強度低下が生じ摩耗に
よる貴金属の色調の消失や損傷による装飾性の低下とい
う問題を生じることも判明した。
して、貴金属層を0.3μm以下の厚みにすると、貴金
属層における耐摩耗性の低下や、強度低下が生じ摩耗に
よる貴金属の色調の消失や損傷による装飾性の低下とい
う問題を生じることも判明した。
本考案は、上記従来技術の欠点を解消するものであり、
密着性、耐摩耗性、耐食性に優れた、貴金属装飾品を提
供するものである。
密着性、耐摩耗性、耐食性に優れた、貴金属装飾品を提
供するものである。
本考案は、 (1)装飾基材と、該装飾基材の表面にイオンプレーティ
ングにより卑金属の皮膜を形成してなる有色卑金属層
と、該有色卑金属層の表面にイオンプレーティングによ
り貴金属の皮膜を形成してなる貴金属層とから構成さ
れ、且つ上記貴金属がクロムを0.1〜4.5重量%含
有する貴金属からなることを特徴とする貴金属装飾品。
ングにより卑金属の皮膜を形成してなる有色卑金属層
と、該有色卑金属層の表面にイオンプレーティングによ
り貴金属の皮膜を形成してなる貴金属層とから構成さ
れ、且つ上記貴金属がクロムを0.1〜4.5重量%含
有する貴金属からなることを特徴とする貴金属装飾品。
(2)上記貴金属層が有色卑金属層表面に部分的に設けら
れている上記(1)記載の貴金属装飾品。
れている上記(1)記載の貴金属装飾品。
を要旨とするものである。
以下、本考案を図面に基き説明する。
第1図に示すように、本考案の貴金属装飾品1は、装飾
基材2と、該装飾基材2の表面にイオンプレーティング
により卑金属の皮膜を形成してなる有色卑金属層3と、
該有色卑金属層3の表面にイオンプレーティングにより
貴金属の皮膜を形成してなる貴金属層4とから構成され
る基本的な構造を有し、上記貴金属層4が、クロムを
0.1〜4.5重量%含有された貴金属からなるもので
ある。
基材2と、該装飾基材2の表面にイオンプレーティング
により卑金属の皮膜を形成してなる有色卑金属層3と、
該有色卑金属層3の表面にイオンプレーティングにより
貴金属の皮膜を形成してなる貴金属層4とから構成され
る基本的な構造を有し、上記貴金属層4が、クロムを
0.1〜4.5重量%含有された貴金属からなるもので
ある。
装飾基材2は、例えば時計、眼鏡フレーム、ライター、
万年筆、ブローチ等の基材であり、その材料としては、
チタン、チタン合金、ステンレス、ニッケル−クロム合
金、銅合金等の金属等の高級装飾製品の素材が用いられ
る。
万年筆、ブローチ等の基材であり、その材料としては、
チタン、チタン合金、ステンレス、ニッケル−クロム合
金、銅合金等の金属等の高級装飾製品の素材が用いられ
る。
有色卑金属層3は公知の卑金属類のイオンプレーティン
グにより形成することができる。
グにより形成することができる。
第2図に示すように、イオンプレーティング装置5は、
真空槽6の中にカソード電極7とその電極7に対向する
下側に、加熱電源8を有した蒸発源ボード9が設置さ
れ、蒸発源ボード9はカソード電極7と直流電源10を
介し接続している。真空槽6は真空用排気口11と反応
ガス導入口12を有している。
真空槽6の中にカソード電極7とその電極7に対向する
下側に、加熱電源8を有した蒸発源ボード9が設置さ
れ、蒸発源ボード9はカソード電極7と直流電源10を
介し接続している。真空槽6は真空用排気口11と反応
ガス導入口12を有している。
有色卑金属層3を形成する方法は、イオンプレーティン
グ装置5の蒸発源ボード9に、チタン、チタン合金、ク
ロム、クロム合金、ニオブ、ジルコニウム、バナジウム
或いはこれらの合金等の卑金属を蒸発源として投入し、
カソード電極に装飾基材2をつり下げる。ついで蒸発源
を加熱し真空槽6の内部を所定の真空度にし、アセチレ
ン、窒素、酸素等の反応ガスを導入した後、電子ビーム
を蒸発源ボード9の卑金属に照射して卑金属をイオン化
させる。イオン化した卑金属は反応ガスと反応し卑金属
の炭化物、窒化物、酸化物の形で装飾基材2に析出し、
有色卑金属層3が形成される。
グ装置5の蒸発源ボード9に、チタン、チタン合金、ク
ロム、クロム合金、ニオブ、ジルコニウム、バナジウム
或いはこれらの合金等の卑金属を蒸発源として投入し、
カソード電極に装飾基材2をつり下げる。ついで蒸発源
を加熱し真空槽6の内部を所定の真空度にし、アセチレ
ン、窒素、酸素等の反応ガスを導入した後、電子ビーム
を蒸発源ボード9の卑金属に照射して卑金属をイオン化
させる。イオン化した卑金属は反応ガスと反応し卑金属
の炭化物、窒化物、酸化物の形で装飾基材2に析出し、
有色卑金属層3が形成される。
有色卑金属層3は、卑金属と反応ガスの種類を変えるこ
とにより、様々な色調が得られる。例えば、チタン及び
チタン合金の場合窒化物は金色系になり、炭化物は黒色
系、窒化物、炭化物、酸化物の混合物の場合ブラウン系
又はピンク系になる。クロム及びクロム合金の場合、窒
化物、炭化物、酸化物とも白〜グレー〜黒になり、ニオ
ブ、ジルコニウム、バナジウム及びこれらの合金の場合
はチタン及びチタン合金をベースにした場合に近い色調
になる。
とにより、様々な色調が得られる。例えば、チタン及び
チタン合金の場合窒化物は金色系になり、炭化物は黒色
系、窒化物、炭化物、酸化物の混合物の場合ブラウン系
又はピンク系になる。クロム及びクロム合金の場合、窒
化物、炭化物、酸化物とも白〜グレー〜黒になり、ニオ
ブ、ジルコニウム、バナジウム及びこれらの合金の場合
はチタン及びチタン合金をベースにした場合に近い色調
になる。
有色卑金属層3の厚みは、0.1〜2.0μmであり、
好ましくは0.2〜0.8μmである。
好ましくは0.2〜0.8μmである。
上記の如く形成した有色卑金属層3の表面に、貴金属層
4の皮膜を形成する。
4の皮膜を形成する。
貴金属層4はクロムを0.1〜4.5重量%含有した貴
金属を蒸発源として上述したと同様の装置、手段を用い
てイオンプレーティングにより形成することができる。
貴金属の種類は、公知の装飾品に通常使用するものが使
用でき、所望する色調に応じ選択できる。例えば金色に
したい場合は金、白色にしたい場合はパラジウム又は白
金が用いられる。
金属を蒸発源として上述したと同様の装置、手段を用い
てイオンプレーティングにより形成することができる。
貴金属の種類は、公知の装飾品に通常使用するものが使
用でき、所望する色調に応じ選択できる。例えば金色に
したい場合は金、白色にしたい場合はパラジウム又は白
金が用いられる。
クロムの添加量は0.1〜4.5重量%であり、0.1
重量%未満になると密着性向上の効果が得られず、4.
5重量%を越えると貴金属としての外観が得られなくな
る。貴金属層4の厚みは0.1〜1μmに形成できる。
重量%未満になると密着性向上の効果が得られず、4.
5重量%を越えると貴金属としての外観が得られなくな
る。貴金属層4の厚みは0.1〜1μmに形成できる。
本考案の貴金属装飾品1は、貴金属層4を有色卑金属層
3の表面に部分的に設けることもできる。
3の表面に部分的に設けることもできる。
第3図(A)に示すように、有色卑金属層3表面に貴金
属層4をイオンプレーティングにより全面的に形成した
後、貴金属層4を残す部分に、マスキング13を施し、
貴金属剥離液に浸漬し、マスキング13を施していない
部分の貴金属層を溶解除去した後、マスキング13を除
去することにより、第4図(B)に示すように、有色卑
金属層3の表面に貴金属層4を部分的に形成してなる本
考案貴金属装飾品1を得ることができる。
属層4をイオンプレーティングにより全面的に形成した
後、貴金属層4を残す部分に、マスキング13を施し、
貴金属剥離液に浸漬し、マスキング13を施していない
部分の貴金属層を溶解除去した後、マスキング13を除
去することにより、第4図(B)に示すように、有色卑
金属層3の表面に貴金属層4を部分的に形成してなる本
考案貴金属装飾品1を得ることができる。
イオンプレーティングにより貴金属層4を形成した後、
マスキングを施して不要の貴金属層を除去する方法は、
有色卑金属層3にマスキングを施しイオンプレーティン
グにより貴金属層を設ける方法に比べ、イオンプレーテ
ィング時にマスキングの分解する虞れや、分解したマス
キングによりイオンプレーティングが阻害される虞れが
なく、有色卑金属層を形成した後に、貴金属層を連続的
に形成することができる。またマスキングの除去も容易
である。
マスキングを施して不要の貴金属層を除去する方法は、
有色卑金属層3にマスキングを施しイオンプレーティン
グにより貴金属層を設ける方法に比べ、イオンプレーテ
ィング時にマスキングの分解する虞れや、分解したマス
キングによりイオンプレーティングが阻害される虞れが
なく、有色卑金属層を形成した後に、貴金属層を連続的
に形成することができる。またマスキングの除去も容易
である。
本考案において、厚みの大なる貴金属層を得たい場合
(例えば1μmを越える厚みにしたい場合)には、第4
図に示すように貴金属層4の表面に更に湿式メッキ等の
方法によって貴金属メッキ層14を形成することができ
る。
(例えば1μmを越える厚みにしたい場合)には、第4
図に示すように貴金属層4の表面に更に湿式メッキ等の
方法によって貴金属メッキ層14を形成することができ
る。
本考案を具体的実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 イオンプレーティング装置の真空槽内のカソード電極に
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを2重量
%含む金を貴金属として蒸発源ボードに投入し、真空度
を10-4〜10-5Torrに調節し8分間イオンプレーティ
ングを行い、有色卑金属層表面に、0.3μmのクロム
を2重量%含む金からなる貴金属層を形成した。得られ
た眼鏡枠は、有色卑金属層と貴金属層との間の密着力が
良好で、10個の眼鏡枠を上記操作を繰り返し行い製造
したところ、密着性不良の発生率は0%であった。
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを2重量
%含む金を貴金属として蒸発源ボードに投入し、真空度
を10-4〜10-5Torrに調節し8分間イオンプレーティ
ングを行い、有色卑金属層表面に、0.3μmのクロム
を2重量%含む金からなる貴金属層を形成した。得られ
た眼鏡枠は、有色卑金属層と貴金属層との間の密着力が
良好で、10個の眼鏡枠を上記操作を繰り返し行い製造
したところ、密着性不良の発生率は0%であった。
実施例2 イオンプレーティング装置の真空槽内のカソード電極に
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを3重量
%含むパラジウムを蒸発源ボードに投入し、真空度を1
0-4〜10-5Torrに調節し8分間イオンプレーティング
を行い、有色卑金属層表面に、0.3μmのクロムを3
重量%含むパラジウムからなる貴金属層を形成した。パ
ラジウム貴金属層を形成したチタン眼鏡枠をイオンプレ
ーティング装置の真空槽から取り出し、該眼鏡枠のブリ
ッジ部分に、アクリル系塗料を塗布してマスキングを施
した後、貴金属剥離液に浸漬し、マスキングされていな
い箇所におけるパラジウム貴金属層を剥離した後マスキ
ング材を除去し、リムとテンプル部は有色卑金属層が露
出しグレー色になり、ブリッジ部にはパラジウム貴金属
層が残り、白色となり、しかして白色とグレー色との組
合わせからなる外観色調のチタン製目鏡枠が得られた。
得られた眼鏡枠は、有色卑金属層と貴金属層との間の密
着力が良好で、10個の眼鏡枠を上記操作を繰り返し行
い製造したところ、密着性不良の発生率は0%であっ
た。
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを3重量
%含むパラジウムを蒸発源ボードに投入し、真空度を1
0-4〜10-5Torrに調節し8分間イオンプレーティング
を行い、有色卑金属層表面に、0.3μmのクロムを3
重量%含むパラジウムからなる貴金属層を形成した。パ
ラジウム貴金属層を形成したチタン眼鏡枠をイオンプレ
ーティング装置の真空槽から取り出し、該眼鏡枠のブリ
ッジ部分に、アクリル系塗料を塗布してマスキングを施
した後、貴金属剥離液に浸漬し、マスキングされていな
い箇所におけるパラジウム貴金属層を剥離した後マスキ
ング材を除去し、リムとテンプル部は有色卑金属層が露
出しグレー色になり、ブリッジ部にはパラジウム貴金属
層が残り、白色となり、しかして白色とグレー色との組
合わせからなる外観色調のチタン製目鏡枠が得られた。
得られた眼鏡枠は、有色卑金属層と貴金属層との間の密
着力が良好で、10個の眼鏡枠を上記操作を繰り返し行
い製造したところ、密着性不良の発生率は0%であっ
た。
実施例3 イオンプレーティング装置の真空槽内のカソード電極に
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを2重量
%含む金を蒸発源ボードに投入し、真空度を10-4〜1
0-5Torrに調節し8分間イオンプレーティングを行い、
有色卑金属層表面に、0.3μmのクロムを2重量%含
む金からなる貴金属層を形成した。貴金属層を形成した
チタン眼鏡枠をイオンプレーティング装置の真空槽から
取り出し、公知の湿式メッキにより貴金属層の表面に更
に1μmの厚みに20カラットの金−パラジウムの貴金
属メッキ層を形成した。
チタン製の眼鏡枠を吊下げ、蒸発源ボードにチタンを投
入し、反応ガスとして窒素及びアセチレンガスを導入
し、真空度を10-2〜10-6Torrにし析出速度を0.0
1〜0.02μm/分に調節して30分間イオンプレー
ティングを行い、チタン眼鏡枠の表面に0.5μmの有
色卑金属層を形成した。この有色卑金属層の色はグレー
色であった。次いで反応ガスを停止し、クロムを2重量
%含む金を蒸発源ボードに投入し、真空度を10-4〜1
0-5Torrに調節し8分間イオンプレーティングを行い、
有色卑金属層表面に、0.3μmのクロムを2重量%含
む金からなる貴金属層を形成した。貴金属層を形成した
チタン眼鏡枠をイオンプレーティング装置の真空槽から
取り出し、公知の湿式メッキにより貴金属層の表面に更
に1μmの厚みに20カラットの金−パラジウムの貴金
属メッキ層を形成した。
次いで、金−パラジウム貴金属メッキ層を形成した眼鏡
枠のブリッジ部分に、アクリル系塗料を塗布してマスキ
ングを施した後、金剥離液に浸漬し、マスキングされて
いない箇所における金−パラジウム合金メッキを層を剥
離した後マスキング材を除去し、リムとテンプル部は有
色卑金属層が露出し暗黒色になり、ブリッジ部には金−
パラジウム合金メッキ層が残り、金色となり、しかして
て金色とグレー色との組合わせからなる外観色調のチタ
ン製目鏡枠が得られた。得られた眼鏡枠は、有色卑金属
層と貴金属層との間の密着力が良好で、10個の眼鏡枠
を上記操作を繰り返し行い製造したところ、密着性不良
の発生率は0%であった。
枠のブリッジ部分に、アクリル系塗料を塗布してマスキ
ングを施した後、金剥離液に浸漬し、マスキングされて
いない箇所における金−パラジウム合金メッキを層を剥
離した後マスキング材を除去し、リムとテンプル部は有
色卑金属層が露出し暗黒色になり、ブリッジ部には金−
パラジウム合金メッキ層が残り、金色となり、しかして
て金色とグレー色との組合わせからなる外観色調のチタ
ン製目鏡枠が得られた。得られた眼鏡枠は、有色卑金属
層と貴金属層との間の密着力が良好で、10個の眼鏡枠
を上記操作を繰り返し行い製造したところ、密着性不良
の発生率は0%であった。
比較例1 比較のために実施例1の貴金属にクロムを添加した金の
代わりに、クロムを含有しない金のみを使用して貴金属
層を形成した他は実施例1と同様にチタン製の眼鏡枠を
処理し、有色卑金属層の表面にクロムを含まない金のみ
の貴金属層を形成した。得られた眼鏡枠は有色卑金属層
と貴金属層との間の密着力が不良で、10個の眼鏡枠を
上記操作を繰り返し行い製造したところ、密着性不良の
発生率は40%であった。
代わりに、クロムを含有しない金のみを使用して貴金属
層を形成した他は実施例1と同様にチタン製の眼鏡枠を
処理し、有色卑金属層の表面にクロムを含まない金のみ
の貴金属層を形成した。得られた眼鏡枠は有色卑金属層
と貴金属層との間の密着力が不良で、10個の眼鏡枠を
上記操作を繰り返し行い製造したところ、密着性不良の
発生率は40%であった。
以上説明したように、本考案の貴金属装飾品はイオンプ
レーティングにより形成した有色卑金属層の表面に、ク
ロムを0.1〜4.5重量%含む貴金属のイオンプレー
ティングにより形成された貴金属層を形成したので、従
来のクロムを含まない貴金属層を有色卑金属層の表面に
形成した貴金属装飾品に比較して、貴金属層と有色卑金
属層の間の密着性が向上し、製造時の密着性不良製品の
発生が無くなると共に、製品使用時においても貴金属層
が剥離するというおそれがない。
レーティングにより形成した有色卑金属層の表面に、ク
ロムを0.1〜4.5重量%含む貴金属のイオンプレー
ティングにより形成された貴金属層を形成したので、従
来のクロムを含まない貴金属層を有色卑金属層の表面に
形成した貴金属装飾品に比較して、貴金属層と有色卑金
属層の間の密着性が向上し、製造時の密着性不良製品の
発生が無くなると共に、製品使用時においても貴金属層
が剥離するというおそれがない。
また本考案の貴金属装飾品は、貴金属層と有色卑金属層
の密着性が良いために、貴金属層を厚く形成しても密着
性不良の問題を生じなく、例えば貴金属層厚みが0.3
μm以上であっても良好な密着性が得られ、貴金属層が
剥離する虞れがない。しかして、本考案によれば、貴金
属層の厚みを大きく形成できる結果、製品の耐摩耗性を
向上できる効果がある。
の密着性が良いために、貴金属層を厚く形成しても密着
性不良の問題を生じなく、例えば貴金属層厚みが0.3
μm以上であっても良好な密着性が得られ、貴金属層が
剥離する虞れがない。しかして、本考案によれば、貴金
属層の厚みを大きく形成できる結果、製品の耐摩耗性を
向上できる効果がある。
さらに、有色卑金属層の表面に貴金属層を部分的に設け
ることによって、有色卑金属層の色調と貴金属層の色調
を変化させることが可能となり、バラエティーに富み、
装飾性を向上できる効果がある。
ることによって、有色卑金属層の色調と貴金属層の色調
を変化させることが可能となり、バラエティーに富み、
装飾性を向上できる効果がある。
第1図は本考案の貴金属装飾品の一例を示す縦断面図、
第2図はイオンプレーティング装置の説明略図、第3図
(A)、(B)は本考案の他の実施例における貴金属装
飾品を製造する工程を示す説明図、第4図は本考案の貴
金属装飾品の更に別の実施例を示す縦断面図である。 1……貴金属装飾品、2……装飾基材 3……有色卑金属層、4……貴金属層 5……イオンプレーティング装置
第2図はイオンプレーティング装置の説明略図、第3図
(A)、(B)は本考案の他の実施例における貴金属装
飾品を製造する工程を示す説明図、第4図は本考案の貴
金属装飾品の更に別の実施例を示す縦断面図である。 1……貴金属装飾品、2……装飾基材 3……有色卑金属層、4……貴金属層 5……イオンプレーティング装置
Claims (2)
- 【請求項1】装飾基材と、該装飾基材の表面にイオンプ
レーティングにより卑金属の皮膜を形成してなる有色卑
金属層と、該有色卑金属層の表面にイオンプレーティン
グにより貴金属の皮膜を形成してなる貴金属層とから構
成され、且つ上記貴金属層がクロムを0.1〜4.5重
量%含有する貴金属からなることを特徴とする貴金属装
飾品。 - 【請求項2】上記貴金属層が有色卑金属層表面に部分的
に設けられている請求項1記載の貴金属装飾品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15061189U JPH069006Y2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 貴金属装飾品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15061189U JPH069006Y2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 貴金属装飾品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0389159U JPH0389159U (ja) | 1991-09-11 |
JPH069006Y2 true JPH069006Y2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=31696953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15061189U Expired - Lifetime JPH069006Y2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 貴金属装飾品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069006Y2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-27 JP JP15061189U patent/JPH069006Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0389159U (ja) | 1991-09-11 |
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