JPH0685847U - 配線用フロアパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直交する配線用間隙を備えた配線用フロアパ
ネルにおけるケーブルの曲げ配線を容易にし、配線用間
隙の上部開口部の全てをカバーで覆って配線用フロアパ
ネルの施工性および取扱い性を向上させる。 【構成】 直交する配線用間隙を備え、その間隙がフロ
アパネル上の歩行および什器の設置に支障のない幅に形
成されている配線用フロアパネルにおいて、配線用間隙
の所要箇所の交差部における各ブロックの角に丸みを付
けるとともに、その丸み付角部分の上縁を含む全ての配
線用間隙の上縁に段差部を設け、その段差部に落し込み
式にはまる格子状カバー板でブロック相互間の間隙の全
てを覆っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子計算機室・オフィスオートメーション機器室等において、各機 器に対する電力線・電話線・信号線等の各種ケーブルの配線を容易にし、また上 記の機器類の配置変更あるいは増設にも簡単に応じられる敷設施工容易な配線用 フロアパネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は先に、それぞれが実質的に平坦な上面を有し、隣接する相互の間に ケーブルを収容可能な間隙を形成して平面状に配列された複数のブロックと、該 間隙を保持して該複数のブロックを連結し、該間隙の底部を形成するとともに、 該連結の部分に可撓性を与える保持部材とを有し、前記間隙は、該複数のブロッ クのうち隣接するものの間でその上の歩行および什器の設置に実質的に支障のな い幅で形成され、これによって、前記複数のブロックおよび前記間隙の上に直接 、仕上材が全体として平坦に敷設される配線用フロアパネル（実開平１−１５４ ７３１号公報）を提案している。

【０００３】 また、本出願人は上記考案の改良として、前記間隙の所要個所の交差部におけ る各ブロックの角に丸みを付けるとともに、その丸み付角部分の上縁に段差部を 設け、その段差部に落し込み式にはまるカバー板で間隙の交差部を覆った配線用 フロアパネルを提案（実願平４−２１３０６号出願）している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記公知の配線用フロアパネルにおいて、配線用間隙が直交して設けられてい る場合、配線用間隙にケーブルを一直線状に通すには何ら支障はないけれども、 配線用間隙の交差部分でケーブルの配線方向を左右いずれかに転換する際、その 間隙の交差部分の空間が狭いためケーブルを曲げるのに難渋する。

【０００５】 前記先の出願の配線用フロアパネルでは、上述の配線用間隙の交差部分におけ るケーブルの曲げに対する欠点は解消されるけれども、その配線用間隙の交差部 分の上部開口はカバー板で覆われるものの、それ以外の直交する部分および直線 部分は開放状態のまま配線用フロアパネルの上面に仕上材を敷き詰めるので、長 年月の経過、また、いすやワゴン等のキャスタが配線用間隙の上を横切る際にが たついて仕上材が波打つように変形するおそれがある。

【０００６】 本考案は、従来の配線用フロアパネルにおける上記の問題点に鑑みて提案され たもので、フロアパネルに対するケーブルの曲げ配線を容易にし、配線用間隙の 上部開口部の全てをカバーで覆い、フロアパネルの施工性および取扱い性を向上 させた配線用フロアパネルを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために、それぞれが実質的に平坦な上面を有し 、隣接する相互の間にケーブルを収容可能な直交する間隙を形成して平面状に配 列された複数のブロックと、該間隙を保持して該複数のブロックを連結し、該間 隙の底部を形成するとともに、該連結の部分に可撓性を与える保持部材を有する 配線用フロアパネルにおいて、前記間隙の所要箇所の交差部における各ブロック の角に丸みを付けるとともに、その丸み付角部分の上縁を含む全ての配線用間隙 の上縁に段差部を設け、その段差部に落し込み式にはまる格子状カバー板でブロ ック相互間の間隙の全てを覆ったものである。

【０００８】 格子状カバー板は、その上面をフロアパネルの上面よりも僅かに低くするのが 好ましい。また、格子状カバー板の裏面に、隣接するブロックの側面に対する係 止突部を付けることもある。

【０００９】

【作用】

本考案の配線用フロアパネルを基礎床の上に敷設すると、基礎床面に不陸（凹 凸）があってもフロアパネルはその不陸に倣って密着し、更に、配線用間隙を覆 う格子状カバー板も、基礎床面の不陸に倣って変形しているフロアパネルの上面 に倣って取付き、配線用間隙の上の段差がほとんどなくなる。フロアパネルの上 面に仕上材を張っても、その仕上材と格子状カバー板は付かない。格子状カバー 板は配線用間隙に係止突部を介して確実に止まる。

【００１０】

【実施例】

本考案に係る配線用フロアパネルの構成を図面に従って説明する。配線用フロ アパネル１の１ユニットは平面正方形で、例えば一辺の長さは６００ｍｍあるい は３００ｍｍ、厚さは３０〜４０ｍｍ位である。

【００１１】 そのフロアパネル１の上面にケーブルを収容する上方に向かって開口した配線 用間隙２が縦横に直交して、すなわち格子状に形成されている。その格子状の配 線用間隙２によって区画された数多のブロック３相互を連接すると同時に配線用 間隙２の底を形成する保持部材４は可撓性を持っている。配線用間隙２の幅は、 配線するケーブルをその間隙２の中に収容配設できる寸法に設定されている。

【００１２】 配線用フロアパネル１は、正方形可撓性シート（ごく薄手の鋼またはアルミニ ウムの板、硬質プラスチック板など）の上に数多の小駒片状のコンクリートブロ ックを縦横に、該ブロック相互の間に所要の間隙を形成するように並べて接着し たもの、図示実施例のように数多の無底中空ブロック３と保持部材４を、金属材 料を使用してプレス成形あるいは鋳造（例えばダイキャスト）、または硬質プラ スチック材料を使用して射出成形で一体成形したもの等適宜である。上記一体成 形の例において、無底中空ブロック３相互を連結する保持部材４の部分は、その 全体ないし一部を肉薄にする、軟質材料で成形するあるいは切込を入れるなどし て可撓性を持たせる。

【００１３】 更に、上記フロアパネル１は、数多の無底中空ブロックと保持部材を熱可塑性 プラスチックシート材を用いて真空成形で一体成形し、その無底中空ブロックに 軽量コンクリートその他の充填材料を詰めて固化させたもの、また、その軽量コ ンクリートを充填した無底中空ブロックの底面に可撓性シートを張ったものでも よい。

【００１４】 上記フロアパネル１の配線用間隙２の所要箇所の交差部５における各ブロック ３の角には丸みＲが付いている。図１に示す実施例のフロアパネル１は配線用間 隙２の全ての交差部５、図５の実施例のフロアパネル１は一対角線上に位置する 交差部５、図６の実施例のフロアパネル１は一対角線上と、その対角線の両側に 平行する２列の線に沿った３列の線上に位置する交差部５の各々において各ブロ ックの角に丸みＲが付いているものを示している。その他、一対角線の両側に平 行する２列の線上に位置する交差部の各ブロックに適用することもできる。

【００１５】 図７に示すように、フロアパネル１の配線用間隙２を形成するブロック３の上 縁（配線用間隙の直線部および直交部、直交部の丸みが付いている角部等の全て における上縁部分）に段差部６が設けられていて、その段差部６に落し込み式に はまる配線用間隙２の開口形状に合致した格子状の一体形（図１・図４・図５・ 図６参照）、方形を対角線に沿って２分割した一対の三角形（図９参照）、ある いは方形を十字方向に分割した４枚一組の方形に形成された格子状カバー板７を 備えている。格子状カバー板７は相応の強度を有し、例えば金属板、硬質プラス チック板等を使用する。格子の桟の部分が細いので、カバー板７は特に可撓性の 材料を用いなくても撓ませることができる。配線用間隙の直交部の内、ブロック の角部に丸みが付いている直交部の間隙は他の部分よりも広いので、カバー板７ の上記配線用間隙２が広くなった部分を覆う箇所は、板厚を裏面側に増すなどし て剛性を高めるのが望ましい。

【００１６】 格子状カバー板７を段差部６に落し込んではめた状態において、そのカバー板 ７の上面がフロアパネル１の上面より高くならないように段差部６の高さとカバ ー板７の厚さを設定して、フロアパネル１の上面全体をほぼ平らに保つ。できる ことならば、図８に示すようにカバー板７の上面がフロアパネル１の上面よりも 僅かに低くなるように設定する。また、図１０・図１１のように、カバー板７の 裏面の適所に配線用間隙２の対向側面に弾性的にはまる一対の鋸歯形係止突部８ Ａ（図１０）、あるいは配線用間隙２の対向側面に同時に弾性的にはまる蓮の花 形係止突部８Ｂ（図１１）を設けるとよい。鋸歯形係止突部８Ａはカバー板７と 一体成形、蓮の花形係止突部８Ｂはプラスチック製を可とし、カバー板７と別に 成形したものをカバー板７の裏面に接着固定する。

【００１７】 本考案の配線用フロアパネル１は、その配線用間隙２がある方の面を上にして 床に置き敷きする。床に対する固定は接着剤・モルタルなどを用いる。配線用フ ロアパネル１の敷き詰めによって床一面に配線用間隙２の連続による格子状の配 線用間隙が形成される。図１・図２・図３においてＣ１・Ｃ２は平行する２本の 間隙２にそれぞれ一直線状に収容したケーブル、Ｃ３は上記ケーブルＣ１・Ｃ２ と直交する間隙２に収容したケーブル、Ｃ４は上記ケーブルＣ１・Ｃ２を収容し ている間隙２と平行する間隙２から、ブロック３の角部に丸みＲが付いて空間が 広くなっている間隙交差部５で右に曲げて収容したケーブル、Ｃ５はケーブルＣ １・Ｃ２を収容している間隙２と平行する上記ケーブルＣ４と反対側の間隙２か ら、空間が広くなっている間隙交差部５で左に曲げて収容したケーブルである。 ケーブルどうしが直交するところには、必要によりケーブルとケーブルの間にケ ーブル相互の接触を避けるための隔離片を挟むこともある。

【００１８】 上記のようにして床に形成された格子状の配線用間隙２にケーブルＣ１等を収 容配設した後、ブロック３の上縁段差部６に格子状カバー板７をはめてその配線 用間隙２の上面開口を塞ぐ。そして平面となった配線用フロアパネル１の上面に 必要に応じてカーペットタイル・じゅうたん等の仕上げ材９を図８のように張付 ける。

【００１９】 仕上げ材９を張付ける場合、後の配線の増設・移設に際して仕上げ材８を剥が しやすいように感圧接着剤（ピールアップボンド等）を用いるが、感圧接着剤を 配線用フロアパネル１の上面に塗布したとき、その接着剤がカバー板７にも付く と、仕上げ材９とカバー板７がくっついて、仕上げ材９を剥がすときカバー板７ も一緒に剥がれてしまい、作業性が悪く取り扱いにくいものである。接着剤を塗 るときカバー板７に付かないように留意すればよいが、そのような塗布作業は非 常に面倒で作業能率を低下させる。

【００２０】 そこで、前に説明した図８のようにカバー板７の上面を配線用フロアパネル１ の上面よりも僅かに低くすると、配線用フロアパネル１の上面に感圧接着剤を塗 布するとき接着剤がカバー板７に付くことがなく、たとえ付いても配線用フロア パネル１の上に張付けた仕上げ材９とカバー板７の間に隙間Ｓができるので、仕 上げ材９とカバー板７はくっつかない。

【００２１】 また、図１０および図１１で説明したように、カバー板７に配線用間隙２に対 する係止用突部８Ａまたは８Ｂが付いていると、配線用間隙２の上面開口にカバ ー板７を取付けたとき、係止用突部８Ａまたは８Ｂが配線用間隙２の側面に弾性 的あるいは摩擦的に係止してカバー板７の浮き上がり外れを防止する。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は、それぞれが実質的に平坦な上面を有し、隣接する相互の間にケーブ ルを収容可能な直交する間隙を形成して平面状に配列された複数のブロックと、 該間隙を保持して該複数のブロックを連結し、その間隙の底部を形成するととも に、該連結の部分に可撓性を与える保持部材を有する配線用フロアパネルにおい て、前記間隙の所要箇所の交差部における各ブロックの角に丸みを付けるととも に、その丸み付角部分の上縁を含む全ての配線用間隙の上縁に段差部を設け、そ の段差部に落し込み式にはまる格子状カバー板でブロック相互間の間隙の全てを 覆ったから、配線用間隙の交差部分の空間が広くなってその交差部分におけるケ ーブルの左右への曲げ配線が容易である。そして格子状カバー板が配線用フロア パネルの上面に倣って取付くとともに、配線用間隙部分の上の段差がほとんどな くなって、歩行および什器の設置、あるいは、いすやワゴン等のキャスタの横断 移動に何ら支障がない。

【００２３】 また、配線用間隙を覆っている格子状カバー板の上面を配線用フロアパネルの 上面よりも僅かに低くしたから、カバー板に仕上げ材取付け用の接着剤が付くこ とがなく、張付けた仕上げ材とカバー板の間に隙間を生じて仕上げ材とカバー板 の接着が防止され、配線の増設・移設あるいは点検などのために仕上げ材を剥が すとき、カバー板が仕上げ材に付いて上がることがなく、その後の作業を容易に する。

【００２４】 配線用間隙を覆っている格子状カバー板の裏面に、隣接するブロックの側面に 対する係止突部を設けたから、格子状カバー板が配線用間隙の上面開口に確実に 取付き、格子状カバー板の浮き上がりを防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る配線用フロアパネルの平面図。

【図２】本考案に係る配線用フロアパネルの正面図。

【図３】図１のＡ−Ａ線切断部端面図。

【図４】一体形格子状カバー板の平面図。

【図５】本考案に係る配線用フロアパネルの第２実施例
の平面図。

【図６】本考案に係る配線用フロアパネルの第３実施例
の平面図。

【図７】本考案に係る配線用フロアパネルの隅角部の拡
大斜視図。

【図８】図１のＢ−Ｂ線切断部端面図。

【図９】２分割一対形三角形格子状カバー板の平面図。

【図１０】図５のＣ−Ｃ線縦断面図。

【図１１】係止突部の他の実施例を示す縦断面図。

【符号の説明】

１ 配線用フロアパネル ２ 配線用間隙 ３ ブロック ４ 保持部材 ５ 配線用間隙の交差部 ６ 段差部 ７ 格子状カバー板 ８Ａ 鋸歯形係止突部 ８Ｂ 蓮の花形係止突部 ９ 仕上げ材 Ｒ 丸み Ｓ 隙間

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれが実質的に平坦な上面を有し、
   隣接する相互の間にケーブルを収容可能な直交する間隙
   を形成して平面状に配列された複数のブロックと、該間
   隙を保持して該複数のブロックを連結し、該間隙の底部
   を形成するとともに、該連結の部分に可撓性を与える保
   持部材を有する配線用フロアパネルにおいて、前記間隙
   の所要箇所の交差部における各ブロックの角に丸みを付
   けるとともに、その丸み付角部分の上縁を含む全ての配
   線用間隙の上縁に段差部を設け、その段差部に落し込み
   式にはまる格子状カバー板でブロック相互間の間隙の全
   てを覆ったことを特徴とする配線用フロアパネル。
2. 【請求項２】 配線用間隙を覆っている格子状カバー板
   の上面がフロアパネルの上面よりも僅かに低い請求項１
   記載の配線用フロアパネル。
3. 【請求項３】 配線用間隙を覆っている格子状カバー板
   の裏面に、隣接するブロックの側面に対する係止突部が
   付いている請求項１および請求項２記載の配線用フロア
   パネル。