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JPH0674937A - 細管式電気泳動方法およびその装置並びにこれらに用いられるカラム - Google Patents

細管式電気泳動方法およびその装置並びにこれらに用いられるカラム

Info

Publication number
JPH0674937A
JPH0674937A JP5083747A JP8374793A JPH0674937A JP H0674937 A JPH0674937 A JP H0674937A JP 5083747 A JP5083747 A JP 5083747A JP 8374793 A JP8374793 A JP 8374793A JP H0674937 A JPH0674937 A JP H0674937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
capillary
electrophoresis
column
void
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5083747A
Other languages
English (en)
Inventor
Chuzo Fujimoto
忠▲蔵▼ 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakano Vinegar Co Ltd
Original Assignee
Nakano Vinegar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakano Vinegar Co Ltd filed Critical Nakano Vinegar Co Ltd
Priority to JP5083747A priority Critical patent/JPH0674937A/ja
Priority to EP19930401622 priority patent/EP0576361A3/en
Publication of JPH0674937A publication Critical patent/JPH0674937A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高電圧下においてもジュール熱の影響を受け
ることなく大量の試料分離と分取を短時間で行なうこと
ができる。 【構成】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設して所
定幅寸法の空隙部を形成し、該空隙部で試料の電気泳動
を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種の荷電物質、特
に、DNA断片やタンパク質・ヘモグロビン・アミノ酸
等の生体高分子や有機物質を分離・分析或は濃縮するた
めに用いられる細管式電気泳動方法およびその装置並び
にこれらの電気泳動に用いられるカラムに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】周知のように、DNA断片やタ
ンパク質等の生体高分子や有機物質を分離・分析或は濃
縮する場合には、一般的には電気泳動法が用いられる。
【0003】そして、近年では、より高分離性能を求め
るため、泳動槽に細管を用い、高電圧下で電気泳動を行
なう細管式電気泳動法(Capillary Elec
trophoresis)が公知である。
【0004】この細管式電気泳動法は、一般的には、
0.03mm〜0.1mm程度の内径を有する長さ50
cm程度の細管の一端に試料を数nl注入した後、上記
細管の両端に数100V/cmの電圧を印加して行なわ
れる。
【0005】このような一般的な細管式電気泳動法によ
れば、通常の電気泳動法に比べて、高分離能が得られ、
かつ、分析時間を短縮することができると共に、微量の
試料でも分析することができる、という利点を有してい
る(文献名「生化学」第63巻第7号,1991年発行
の第529頁〜第534頁参照)。
【0006】しかしながら、上記従来の一般的な細管式
電気泳動にあっては、試料中の目的成分に対する爽雑物
が多く、また、例えば、比較的大量の試料を一度に分離
して目的成分を分析しなければならない場合には、細管
の径を大きくしなければならないため、発生するジュー
ル熱の増加によって分離能が大幅に低下する。このた
め、比較的大量の試料中の目的成分を一度に単離し分取
する、という本来の目的を達成できなくなる、という問
題を有していた。
【0007】この問題を解決する手段として、従来、通
常の細管式電気泳動に用いる細管を複数本束ねて比較的
多量の試料を同時に電気泳動する方法が公知である(N
orberto A.Guzman Analytic
a Chimica Acta.249 1991年
第247頁〜第255頁)。
【0008】しかしながら、この所謂「束細管式」電気
泳動法にあっては、複数本の細管に同時に同量の試料を
入れ、かつ、試料は複数本の異なる経路で各々独立して
分離されるため、目的成分を同じ分離時間で検出するた
めには、細管の形状や表面状態が同一でなければなら
ず、更に、試料の注入条件や分離条件を絶対同一に保持
しなければならない。このような条件を達成することは
全く困難であり、細管の数が多くなればなるほど実施不
可能である、という問題を有していた。
【0009】また、上記細管式電気泳動法は、上記した
ような高い分離能を有するが、試料が微量であるため、
分離された成分を分取するのが非常に難しい、という問
題を有していた。
【0010】即ち、上記細管式電気泳動法における試料
の分取方法としては、従来、試料溶出側の電極槽を目的
成分の溶出時間に合わせて交換し、電極液中に分取する
方法(秋山忠雄、大森彬 キャピラリー電気泳動学会
講演要旨集 73〜74頁、1991年)や、導電性プ
レート上に液体吸収層および多孔質層を設置することに
より所謂膜上での分取を行なう方法(特開平4−264
253号)が公知である。
【0011】しかしながら、上記前者の分取方法では、
溶出成分が希釈されてしまうため、濃縮、脱塩操作が必
要となる、という問題を有し、また、後者の分取方法で
は、分離成分を膜から再回収しなければならず、操作が
非常に煩雑である、という問題を有していた。
【0012】これら従来の分取方法の根本的な問題点
は、同様の分取目的で使用する高速液体クロマトグラフ
ィ等と比較したときに、高速液体クロマトグラフィの場
合、移動相の動力源はポンプの能力に起因するのに対
し、細管式電気泳動法の場合、移動相の動力源は電位差
に起因することから、分離用のキャピラリーの両端が電
源に電気的に接続していなければならないためである。
【0013】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、高電圧下にお
いてもジュール熱の影響を受けることなく大量の試料分
離を一度に行なうことができ、しかも、熟練性を必要と
せず、取り扱いも簡便であるとともに、微量物質を高精
度に分離・分取することができる試料分取装置を備えた
細管式電気泳動方法およびその装置並びにこれらに用い
られるカラムを提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る細管式電気泳動方法にあっては、径
の異なる2本の細管を同軸状に配設して所定幅寸法の空
隙部を形成し、該空隙部で試料の電気泳動を行なうよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0015】また、この発明にあっては、上記目的を達
成する他の手段として、径の異なる2本の細管を同軸状
に配設して所定幅寸法の空隙部を形成し、該空隙部で試
料の電気泳動を行なうと共に、上記内側細管の内空部に
冷媒を供給して上記空隙部内の試料を冷却することで、
ジュール熱による影響を受けずに多量の試料分離を行な
うことができるように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0016】さらに、この発明にあっては、上記方法を
実施するため、細管式電気泳動装置を、径の異なる2本
の細管を同軸状に配設して所定幅寸法の空隙部を形成し
てなるカラムと、上記2本の細管に電源を供給する手段
と、上記細管が浸漬される電極液槽と、泳動により分離
された試料を測定する検出手段と、を有して構成したこ
とを特徴とするものである。
【0017】また、この発明にあっては、上記他の方法
を実施するため、細管式電気泳動装置を、径の異なる2
本の細管を同軸状に配設して所定幅寸法の空隙部を形成
してなるカラムと、上記内側細管の内空部に供給され上
記空隙部内の試料を冷却する冷媒供給手段と、上記2本
の細管に電源を供給する手段と、上記細管が浸漬される
電極液槽と、泳動により分離された試料を測定する検出
手段と、を有して構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】特定物質の分離・分取を高精度で行なうた
め、この発明にあっては、細管式電気泳動装置を、径の
異なる2本の細管を同軸状に配設して所定幅寸法の空隙
部を形成してなるカラムと、上記2本の細管に電源を供
給する手段と、上記細管が浸漬される電極液槽と、泳動
により分離された試料を測定する検出手段と、該検出手
段の下流側に配設された試料分取手段と、を有して構成
したことを特徴とするものである。
【0019】また、この発明にあっては、特定物質の分
離・分取を高精度で行なう他の手段として、細管式電気
泳動装置を、径の異なる2本の細管を同軸状に配設して
所定幅寸法の空隙部を形成してなるカラムと、上記内側
細管の内空部に供給され上記空隙部内の試料を冷却する
冷媒供給手段と、上記2本の細管に電源を供給する手段
と、上記細管が浸漬される電極液槽と、泳動により分離
された試料を測定する検出手段と、該検出手段の下流側
に配設された試料分取手段と、を有して構成したことを
特徴とするものである。
【0020】この場合、上記試料分取装置には、試料が
滴着される凹部が形成されてなる分取体が着脱自在に装
着される。
【0021】さらに、この発明にあっては、上記各方法
および各装置を有効に実現させるため、これらに用いら
れるカラムを、径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
て所定幅寸法の空隙部を形成したことを特徴とするもの
である。
【0022】
【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基き、この
発明を詳細に説明する。
【0023】図1に示すように、この実施例に係る細管
式電気泳動装置は、径の異なる2本の細管2,3から構
成されてなるカラム1と、該カラム1に電圧を印加する
高電圧発生用電源4と、該電源4に一端が導電接続され
た電極線用白金線5,5と、上記カラム1を泳動時に浸
漬する電極液槽6,7と、上記カラム1と電極液槽6,
7とを電気的に接続する電極液接続部8と、上記内側細
管2の内空部9に冷却水を供給する冷媒供給装置10
と、泳動により分離された試料を光学的に検出する検出
装置11と、この検出装置11によって検出され分析さ
れた結果を記録し表示する制御装置12と、上記検出装
置11から外部へと導かれたカラム1の終端部に隣接し
て配設された試料分取装置20と、から構成されてい
る。尚、図中符号13は、冷媒供給装置10からの冷却
水を上記内側細管2の内空部9に圧送するポンプであ
る。
【0024】カラム1は、内径の小さい細管2を内径の
大きな細管3内に同軸状に挿入して二重管とし、この細
管2の外周面と細管の内周面との間に形成された空隙部
14内で電気泳動を行なうように構成されている。
【0025】この空隙部14を形成する細管2の外周面
と細管3の内周面との間隙寸法は、0.03mm〜0.
2mmの範囲内で設定されており、好ましくは、0.0
3mm〜0.1mmとするのが望ましい。これは、通常
の一本細管式電気泳動装置で用いられるカラムの内径寸
法が0.03mm〜0.1mm程度であり、この範囲内
で寸法値に設定した場合には、通常の一本細管式電気泳
動法と同じ分離能を保持したまま、体積比において約4
0〜60倍の試料分離を達成することができることにな
るからである。
【0026】このカラム1の断面形状は、体積当たりの
表面積を大きくすることができるために、熱の消散が比
較的良好なため分離への影響が小さく、かつ、成型性が
容易な形状、例えば、円形が望ましい。勿論、カラム1
の断面形状を多角形とすることもできる。
【0027】また、上記カラム1の空隙部14を均一に
保持させるためには、例えば、上記内側細管2の表面に
0.03mm〜0.2mmの高さを有する針状等の突起
(図示せず)を同心円上に複数個突設する等、一定の厚
さの充填物を部分的に或は随所に挿入することで、上記
間隙を一定に保持させる。勿論、上記突起は、使用する
カラム1の長さに対応させて、上記カラム1の長手方向
に沿って数カ所形成するのが望ましいが、分離能に対す
る影響を極力小さくするためには、その数は最小とすべ
きである。
【0028】このように構成されるカラム1の細管2,
3は、溶融石英シリカで形成されるが、これに代えて、
一般の細管式電気泳動装置のカラムに用いられる材質の
ものであれば、いずれの材質で形成されていても構わな
い。また、カラム1の空隙部14内に、一定厚みのクリ
アランスを保持するために充填物を挿入し、或は、コー
ティング材を塗布してもよい。
【0029】電極液槽6と電極液槽7および空隙部14
内には、同一の電解質緩衝液が収容されている。
【0030】電極液接続部8は、図2に示すように、上
記カラム1に蹄鉄型固定プレート15を接着させ、次
に、加熱した電熱線等をカラム1の細管3に接触させて
亀裂16を形成し、この亀裂部分16を導電性を有する
ポリアクリルアミドゲル17で被覆して形成されてい
る。
【0031】このように、電極液接続部8をカラム1の
中途部に形成することで、カラム1の一端部を電極液槽
7に浸漬する必要がなくなり、その結果、試料の分離・
回収および試料の検出を連続的に行なうことができる。
尚、本発明で「連続的に分離・回収・検出できる」と
は、電気泳動を止めることなく、即ち、通電させながら
分離・回収・検出することを指す。
【0032】冷媒供給装置10は、図示しない温度制御
装置によって例えば10℃程度に冷却された冷却水を、
ポンプ13を介して上記内側細管2の内空部9に供給す
るもので、細部の構成は、公知の液体圧送装置と同様で
あるので、その詳細な説明をここでは省略する。この場
合の冷却方法は必ずしも内空部9に限定されるものでは
ないが、冷却効率からすれば、内空部9が望ましい。
【0033】このように上記内側細管2の内空部9に冷
却水を供給することで、高電圧を印加してもジュール熱
による分離能の低下を招く虞れが全くなくなり、分離性
能および再現性能を大幅に向上させることができる。勿
論、上記カラム1を冷却する場合、例えば、チャンバー
等を用いてカラムの外側から該カラムを冷却するように
構成しても同様の効果が得られる。
【0034】検出装置11は、目的物質を分離して光学
的に蛍光強度や紫外線吸光度を測定することで定性・定
量を行なうもので、この測定器は公知であるので、その
詳細な説明をここでは省略する。勿論、これに代えて、
公知の電位勾配検出器・電導度検出器・熱電対検出器或
はこれらを組み合わせたものを用いて目的物質の定性・
定量を行なうこともできる。
【0035】制御装置12は、例えば、公知のマイクロ
プロセッサ(MPU)などで構成されており、上記検出
装置11によって検出された結果をプリンタ(図示せ
ず)に出力し、或は、CRT等の表示装置(図示せず)
に表示すると共に、上記結果を記録し保存したり、濃度
演算等するように構成されている。
【0036】試料分取装置20は、本実施例のような多
重管式カラムにおいて、高分離能を維持したまま、単一
操作あたりの試料の処理能力を向上させるため、次のよ
うな配慮が必要である。第1に、高分離能・再現性を維
持するため泳動空隙部は一定間隔で保持される必要があ
ること、即ち、カラム1を直線状に保持すること。第2
に、電気泳動中、カラムは重力方向に対し垂直に設定す
ること。第3に、亀裂を持つ多重管式電気泳動法で分取
を行なう場合、亀裂からカラム出口までの距離をできる
だけ短くすること。
【0037】以上の3点を踏まえると、多重管式電気泳
動法における分取方法として必要な条件は、重力方向と
垂直に設置されたカラム1から溶液状の分離対象を、数
秒毎に0.1μl単位で捕集できるように構成すること
が望ましい。
【0038】即ち、この試料分取装置20は、図3乃至
図5に示すように、間欠パルスモータなどで構成されて
なる駆動装置21と、この駆動装置の回転軸22に固着
され一定方向に所定のタイミングで間欠移動制御される
ドラム23と、このドラム23の外周に凹設された溝部
(図示せず)に巻装される複数の分取ベルト24と、か
ら構成されている。この場合、上記各分取ベルト24と
上記カラム1の終端部1aとの最適距離は、予め計測さ
れて設定されているものとする。尚、図中符合27は、
分取ベルト24の端部をドラム23に止着するための止
着具であり、上記各分取ベルト24の裏面側の端部に
は、ドラム23の外周面に突設された突起(図示せず)
に嵌合係止される小孔28(図4参照)が開設されてお
り、上記突起を小孔28に嵌合係止させた後、この係止
状態が解除されないように、上記止着具27で各分取ベ
ルト24を固着するように構成されている。
【0039】勿論、上記各分取ベルト24と上記カラム
1の終端部1aとの距離は、必要に応じて光センサー等
で構成されてなる距離計測部25で計測するように構成
することができ、この場合には、この距離計測部25で
計測されたデータに基づき、上記ドラム23を、図示外
の駆動装置によってカラム1方向へと進退・昇降制御し
て、分取時における最適距離を保つように駆動制御する
こともできる。
【0040】回転軸22は、その外周面に凸部22aを
有して構成されており、この凸部22aがドラム23の
凹部23aに嵌合係止されることで、ドラム23を位置
決めることができる。
【0041】ドラム23の上下方向に沿って並着された
各分取ベルト24は、回収液を後で濃縮・希釈・移動操
作しなければならないため、疎水性・耐水性・耐腐食性
・低吸着性・耐酸性・耐アルカリ性・低抽出性等の特性
を有し、かつ、ドラム23に巻装するため柔軟片を有す
る、例えば、シリコンゴムやテフロンまたはタイゴン等
の材質で帯状に形成するのが望ましい。
【0042】また、これらの分取ベルト24は、図5か
らも明らかなように、その長手方向に沿って所要間隔毎
に、0.05μl〜0.5μlの回収が可能な試料回収
部26が連続的に凹設されて形成されており、これら各
試料回取部26は、分取する液胞の大きさに対応させ
て、円形或は円錐形に形成し、回収液が表面張力によっ
て液胞となったときに、各試料回収部26の一点或は一
面と接触させ、或は、接触直前で停止させ、液滴と付着
させる間隙を設けることで試料を回収できるように構成
されている。勿論、各分取ベルト24で試料回収部26
の大きさを異ならしめて形成することもできる。
【0043】例えば、1個の試料回収部26において
0.1μlを分取する場合には、最大孔径Dを1m
m,深さDを1mmの円錐形とし、間隔距離Dを1
mm以上となるように加工すればよい。更に、分取した
目的成分の希釈等の処理方法を採用するときには、1〜
5μl程度の凹部の容量にすればよい。
【0044】尚、分取ベルト24は、図6に示すよう
に、長尺に形成したものをドラム23にらせん状に巻装
して装着してもよい。
【0045】このように構成されドラム23に止着され
た分取ベルト24を間欠移送する駆動装置21は、該分
取ベルト24に形成された試料回収部26の形成間隔に
対応して、各試料回収部26が正確にカラム1の終端部
aと順次対峙するように駆動制御される。
【0046】このように試料分取装置20を構成するこ
とで、溶出成分を希釈することなく微量の特定物質を連
続的、かつ、高精度で分離・分取することができる。
【0047】図7は、試料分取装置の他例を示すもので
あって、この試料分取装置30は、複数の試料回収部3
6が整列状態で凹設されたプレート状の分取体34をプ
レート保持体33に止着し、このプレート保持体33を
上下左右方向に移動させるX−Y移送体31に連結する
とともに、該X−Y移送体31をカラム1方向に前後進
させるように構成することで、疎水性・耐水性・耐腐食
性・低吸着性・耐酸性・耐アルカリ性・低抽出性等の特
性を有しているが柔軟性が少ない材質で形成された分取
体34で目的微量物質を分離・分取できるように構成し
た他は、他の構成および作用は、前記試料分取装置20
と同様であるので、その詳細な説明をここでは省略す
る。
【0048】勿論、上記分取体34は、図8に示すよう
に、円板状に形成し、この分取体34の表面側に試料回
収部36を同心円状に配列して構成してもよい。
【0049】
【実験例1】次に、上記実施例に係る細管式電気泳動装
置を用いてアミノ酸の分離および大量試料の分離実験を
行なった結果を下記に示す。この実験に用いた細管式電
気泳動装置では、高電圧発生用電源4として「松定プレ
シジョンディバイセズ社製 Model HCZE−3
0PN 0.25」を用い、かつ、検出装置11として
「日本分光社製 Model 820−FP」を用いる
と共に、カラム1の細管2を、全長70cm・内径0.
25mm・外径0.375mmの溶融石英シリカ製キャ
ピラリーカラム(GL Sciences社製)からな
るカラム1の細管2を、全長70cm・内径0.53m
m・外径0.63mmの溶融石英シリカ製キャピラリー
カラム(GL Sciences社製)からなる細管3
に挿入し、前記空隙部14の間隙寸法が0.08mmと
なるように設定した。このように構成されてなる実験器
によって下記の条件下でアミノ酸の分離実験を行なっ
た。試料は、Nε−DNS−L−lysineとDNS
−L−valineの夫々の濃度が500μg/mlで
ある混合溶液を用いた。また、電気泳動用緩衝液として
は、pH7.2の1mMリン酸緩衝液(関東化学製)を
用いた。試料の注入は、落差法により行なった。即ち、
先ず、試料が入った容器にカラム1を差し込んだ後、上
記容器を電極液槽7よりも10cm程度高い位置まで持
ち上げることにより、試料0.1μlを細管2,3の空
隙部14内に注入した。次に、高電圧発生用電源4から
電極液槽6,7間に40KVの電圧を印加して電気泳動
を行なうと共に、細管2の内空部9内に冷却水を循環さ
せてカラム1を10℃の温度に保った。その結果、電気
泳動開始後約4分でNε−DNS−L−lysineが
完全に分離して検出され、また、電気泳動開始後約6分
でDNS−L−valineが完全に分離して検出され
た。さらに、同一試料による繰り返し分析における保持
時間・ピーク高さの再現性は夫々0.4%,8%以内で
あり、高い再現性が得られた。
【0050】
【実験例2】次に、上記実験例1で用いた試料の5倍量
の濃度(5mg/ml)のアミノ酸混合試料を用いて大
量試料の分離実験を行なった。実験器は上記実験例1の
ものと同じである。その結果、本実験に用いたカラム1
の空隙部14と同じ長さの口径を有する従来の前記1本
細管式電気泳動法に比べて、約50倍の量の試料が一度
に分離できた。このことからも明らかなように、本発明
の細管式電気泳動法によれば、高分離能を維持したまま
大量の試料を一度に分離できることが確認できた。
【0051】
【実験例3】次に、上記実施例に係る二重細管式電気泳
動装置を用いて、従来の単一管式電気泳動法との比較試
験を行なった結果を下記に示す。この実験に用いた細管
式電気泳動装置では、高電圧発生用電源4として「松定
プレシジョンディバイセズ社製 Model HCZE
−30PN 0.25」を用い、かつ、検出装置11と
して「日本分光社製 Model 870−CE」を用
いるとともに、全長415mm・内径0.25mm・外
径0.330mmのポリイミドを剥離した溶融石英シリ
カ製キャピラリーカラム(GL Sciences社
製)からなるカラム1の細管2を、全長414mm・内
径0.53mm・外径0.63mmの溶融石英シリカ製
キャピラリーカラム(GL Sciences社製)か
らなる細管3に挿入し、前記空隙部14の間隙寸法が
0.10mmとなるように設定した。また、比較試験用
として、全長415mm・内径0.10mm,外径0.
375mmの溶融石英シリカ製キャピラリーカラム(G
L Sciences社製)を用いた。このように構成
されてなる実験器によって下記の条件下でピリミジン塩
基の一種であるチミン(thymine:2,4−di
oxy−5−methyl−pyrimidine)の
分離比較実験を行なった。試料は、チミンを濃度0.2
5mg/mlとなるように電気泳動用の電解質溶液に溶
解したものを用いた。また、電気泳動用電解質溶液とし
ては、pH5.84の1mMリン酸緩衝液を10倍に希
釈し用いた。試料の注入は、動電注入法を用い、注入電
圧0.6KV,注入時間 8秒で試料の注入を行なっ
た。次に、高電圧発生用電源4から電極液槽6,7間に
15KVの電圧を印加して電気泳動を行なうと共に、細
管2の内空部9内に冷却水を循環させてカラム1を10
℃の温度に保った。試料の検出は、カソード電極側から
300mmの位置で、290nmの吸収により確認し
た。結果を、図9(a)(b)に示す。同図からも明ら
かなように、本実施例に係る二重細管式電気泳動装置に
よれば、従来の単一管式電気泳動装置よりも、多量の目
的成分が分離できた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、高電圧下においてもジュール熱の影響を受けること
なく大量の試料分離を一度に行なうことができ、しか
も、取り扱いが簡便で熟練性を必要としないので、この
種の試料分離を容易に行なうことができる、という優れ
た効果を得ることができる。
【0053】また、この発明によれば、多重細管式電気
泳動装置に試料分取装置を付設したので、溶出成分を希
釈することなく微量の特定物質を連続的、かつ、高精度
で分離・分取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る細管式電気泳動装置
の概略的な構成を示す説明図である。
【図2】同細管式電気泳動装置に用いられるカラムの出
口直前に設けられた導電接続部分の拡大断面図である。
【図3】同細管式電気泳動装置の試料分取装置の第1構
成例を示す斜視図である。
【図4】同試料分取装置に装着される分取バンドの部分
拡大断面図である。
【図5】同試料分取装置の正面図である。
【図6】同試料分取装置における分取バンドの巻装状態
の他例を示す斜視図である。
【図7】同試料分取装置の第2構成例を示す斜視図であ
る。
【図8】同試料分取装置の分取体の他例を示す斜視図で
ある。
【図9】(a)は,本発明による二重細管式電気泳動装
置による分離結果を示す図であり、(b)は従来の単一
管式電気泳動装置による分離結果を示す図である。
【符号の説明】
1 カラム 2 内側の細管 3 外側の細管 4 電圧発生用電源 6,7 電極液槽 8 電極液接続部 10 冷媒供給装置 11 検出装置 14 空隙部 20,30 試料分取装置 24,34 分取バンド(分取体) 26,36 試料回収部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成し、該空隙部で試料の電気
    泳動を行なうことを特徴とする細管式電気泳動方法。
  2. 【請求項2】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成し、該空隙部で試料の電気
    泳動を行なうと共に、上記内側細管の内空部に冷媒を供
    給して上記空隙部内の試料を冷却することを特徴とする
    細管式電気泳動方法。
  3. 【請求項3】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成してなるカラムと、上記2
    本の細管に電源を供給する手段と、上記細管が浸漬され
    る電極液槽と、泳動により分離された試料を測定する検
    出手段と、を有して構成されてなる細管式電気泳動装
    置。
  4. 【請求項4】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成してなるカラムと、上記内
    側細管の内空部に供給され上記空隙部内の試料を冷却す
    る冷媒供給手段と、上記2本の細管に電源を供給する手
    段と、上記細管が浸漬される電極液槽と、泳動により分
    離された試料を測定する検出手段と、を有して構成され
    てなる細管式電気泳動装置。
  5. 【請求項5】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成してなるカラムと、上記2
    本の細管に電源を供給する手段と、上記細管が浸漬され
    る電極液槽と、泳動により分離された試料を測定する検
    出手段と、該検出手段の下流側に配設された試料分取手
    段と、を有して構成されてなる細管式電気泳動装置。
  6. 【請求項6】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成してなるカラムと、上記内
    側細管の内空部に供給され上記空隙部内の試料を冷却す
    る冷媒供給手段と、上記2本の細管に電源を供給する手
    段と、上記細管が浸漬される電極液槽と、泳動により分
    離された試料を測定する検出手段と、該検出手段の下流
    側に配設された試料分取手段と、を有して構成されてな
    る細管式電気泳動装置。
  7. 【請求項7】 前記試料分取装置は、試料が滴着される
    凹部が形成されてなる分取体を有して構成されているこ
    とを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記
    載の細管式電気泳動装置。
  8. 【請求項8】 径の異なる2本の細管を同軸状に配設し
    て所定幅寸法の空隙部を形成してなる細管式電気泳動に
    用いられるカラム。
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