JPH0650523U - 袋物・鞄などの蓋の係止具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部からの不用意な押圧により開放が防止で
き、開閉操作も簡便であり、然かも鞄の中身の多寡に影
響されず安定した開閉ができる袋物・鞄の蓋の係止具を
提供する。 【構成】 雄体５の嵌入部４に雌体２への挿入方向へ垂
直に上下可能な係止片８を付設し、係止片８の先端を上
向の傾斜面９に形成し、嵌入部４を挿入する雌体２の収
納部１２内に係止片８と係合する被係止片１４を設け、
雌体２上面に取付ける摘み体６の下面には、取付片１８
と、雄体５の挿入方向に沿い幅広になる斜面２０を両側
に形成した押圧部１９とを突設し、雌体２上面に、取付
片１８を係止し且つスライド可能なガイド孔２１と、押
圧部１９を収納部１２内に突出させ且つ雄体５を挿入方
向へ移動可能な挿入孔２２と、押圧部１９の両側斜面２
０を弾力的に挾持する挾持片２３とを形成し、収納部１
２内の押圧部１９が係止片８を下方に押圧して係合状態
を解除する位置と、係止片８を押圧しない位置との間を
スライドする摘み体６を雌体２に取付けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、袋物や鞄などの蓋の開閉に使用されている係止具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の係止具（差し込み錠）においては、不用意に係止具を押圧する ことによって蓋が開放したり、鞄などの中に中身があまり入っていない場合には 押し込んでも抵抗が少ないため逆に係止具の開錠が容易でないといった問題点が あった（実開昭５０−１０２７０６）。

【０００３】 また、特公昭６１−２５３８２号公報によれば、不用意な外部からの押圧によ って開放することが防止できるものの、施錠の際には嵌合舌片を嵌合突起に嵌合 した状態で開閉部材を摺動させ、嵌合舌片を嵌合突起とともに開閉部材に挿入す る必要があるため、両者の組み合わせの時に必ず両手で操作しなければならない 面倒があった。しかも、鞄の中身が多かったり或いは少なかったりすると開閉部 材への嵌合舌片の挿入がスムーズにいかないという不都合もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は前記事情に基づいてなされたものであり、外部からの不用意 な押圧などによって容易に開放することがないと共に、開閉操作も簡便であり、 しかも鞄などの中身の多寡に影響されることなく安定した開閉ができる袋物・鞄 などの蓋の係止具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、袋物・鞄の本体に固着するための取付部を下面側に有する雌体と、 袋物・鞄の蓋体に固着するための取付部を下面側に有すると共に雌体に挿入する 嵌入部を具備する雄体と、雌体の上面側に取付ける摘み体とから成り、前記嵌入 部に雌体への挿入方向へ対して垂直に上下可能な係止片を付設し、その係止片の 先端面を上向きの傾斜面に形成し、嵌入部を挿入する雌体の収納部内に係止片と 係合する被係止片を設け、前記摘み体の下面には、取付片と押圧部をそれぞれ突 設し、一方雌体の上面には取付片を係止し且つ雄体の挿入方向にスライド可能に するガイド孔と、押圧部を収納部内に突出させ且つ前記挿入方向へ移動可能にす る挿入孔を形成し、さらに、収納部内に突出する押圧部が、係止片を下方へ押圧 して係合状態を解除する位置と係止片を押圧しない位置との間をスライド移動す るように、前記摘み体を雌体に取付けてあることを構成上の特徴とする。

【０００６】 前記押圧部の両側には、雄体の挿入方向へ沿って徐々に末広がりとなるような 斜面を形成し、一方雌体の上面には、その押圧部両側斜面を弾力的に挾持する一 対の挾持片を形成しても良い。

【０００７】

【作用】

雄体の嵌入部を雌体の収納部内に挿入すれば、係止片が被係止片に係合して施 錠される。

【０００８】 一方、開錠する場合には、摘み体をガイド孔に沿って雄体側の方向へスライド させれば、収納部内に突出する押圧部が係止片先端の傾斜面を圧接しつつ傾斜面 に沿って移動し、この時、押圧部のスライド移動する力が係止片を下方へ押す方 向と収納部から押出す方向とに分けられる。さらにスライド移動して係止片の傾 斜面の頂点に押圧部が達した時に係止片を下方へ押す力によって被係止片との係 合が外れると同時に、スライド方向すなわち収納部から係止片を押出す方向の力 によって係合が解除された係止片は嵌入部とともに収納部外に自動的に押し出さ れ、雄体を雌体から分離させることができる。

【０００９】 その後、摘み体から手を離すと、押圧部の両側を挟持する挟持片の挟持力が押 圧部の両側斜面に作用して、押圧部とともに摘み体を前記のスライド方向と逆方 向に移動させるので、摘み体は自動的に元の位置に戻ることになる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案における袋物・鞄などの蓋の係止具の実施例について図面に基づ き説明する。

【００１１】 本考案による係止具は、図１に示すように、袋物・鞄の本体に固着するための 取付部１を下面側に備えた雌体２と、袋物・鞄の蓋体に固着するための取付部３ を下面側に備えると共に雌体２に挿入する嵌入部４を具備する雄体５と、雌体２ の上面側に取付ける摘み体６とから成っている。

【００１２】 前記雄体５に具備する嵌入部４は、先端を開口し両側に起立壁７，７を有し且 つ先端側へ行くに従って幅狭に形成したもので、起立壁７，７で両側を囲まれた 嵌入部４内には、嵌入部４の挿入方向に対して垂直方向に弾力的に上下動可能な 係止片８が取付けてある。係止片８は先端部分が肉厚に形成してあると共に先端 面を略４５度の上向きの傾斜面９になっており、当該傾斜面９の頂点から基端寄 りに段差１０を設け、特に、段差１０の中央部分に内向きに切込んだ係止部１１ が穿設してある。

【００１３】 前記雌体２には嵌入部４及び係止片８を挿入する収納部１２が形成してあり、 この収納部１２内には係止片の係止部１１と係合する被係止部１３を備えた被係 止片１４が横架されている。尚、雌体の収納部１２の収納口には、挿入を容易に するための受片１５が突設している。

【００１４】 雌体２に取付ける摘み体６は、上面側に摘み部１６を有し、下面側には下端に 係止爪１７を備えた一対の取付片１８，１８を両側に配設してあると共に、一対 の取付片１８，１８に挾まれた真中位置に押圧部１９が突設している。押圧部１ ９は収納部１２内に挿入された係止片を下方へ押圧可能な突出部分を有する段形 状になっており、当該段形状の両側が雄体５の挿入方向へ沿って徐々に幅広にな るような斜面２０，２０に形成してある（図７及び図８参照）。

【００１５】 摘み体６を取付ける雌体２の上面には、一対の取付片１８，１８を差し入れ、 下端の係止爪１７，１７で係止すると共に雄体５の挿入方向へスライド可能にす るガイド孔２１，２１と、押圧部１９を収納部１２内に突出させ且つ前記挿入方 向へ移動可能にする挿入孔２２と、押圧部１９の両側斜面２０，２０を弾力的に 挟持する一対の挟持片２３，２３とをそれぞれ形成し（図５及び図６参照）、摘 み体６が雌体２に対して雄体５の挿入方向にスライド移動できるように取付けて ある。そして、そのスライド移動する範囲は、収納部１２内に突出する押圧部１ ９が、傾斜面９を有する係止片８を下方へ押圧して被係止片１４との係合状態を 解除する位置と、係止片８を押圧しない位置との間を往復できるように設定して ある（図２乃至図４参照）。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、雌体内の収納部に挿入した雄体の係止片による 係合によって両体を結合し、また雌体に取付けた摘み体のスライド移動によって 摘み体の下面側に突出する押圧部が前記係止片を押圧して係合を外し両体の結合 を解除できるように構成したので、外部からの不用意な押圧などによって蓋が開 閉することが防止でき、しかも鞄などの中身の多寡にも影響されることなく、確 実且つ安定した状態で鞄などの開閉を行なうことができる。

【００１７】 また、収納部内に係合している係止片の先端面に上向きの傾斜面を形成し、係 合状態を解除する際に前記傾斜面を押圧部が圧接しながらスライド移動するよう になっているので、雄体を雌体から自動的に押し出して容易に分離でき、さらに 押圧部の両側斜面を一対の挾持片によって弾力的に挾持しているので、スライド 移動した摘みを自動的に元の位置に戻すことができ、従って開閉操作が頗る簡便 である利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による係止具を示す分解斜視図である。

【図２】本係止具が結合した状態を示す断面図である。

【図３】本係止具の分離過程を示す断面図である。

【図４】本係止具が分離した状態を示す断面図である。

【図５】図２に対応する結合時の雌体と摘み体の関係を
示す断面図である。

【図６】図３に対応する離脱時の雌体と摘み体の関係を
示す断面図である。

【図７】摘み体の側面図である。

【図８】摘み体の底面図である。

【図９】本係止具の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 雌体の取付部 ２ 雌体 ３ 雄体の取付部 ４ 嵌入部 ５ 雄体 ６ 摘み体 ８ 係止片 ９ 傾斜面 １２ 収納部 １４ 被係止片 １８ 取付片 １９ 押圧部 ２０ 斜面 ２１ ガイド孔 ２２ 挿入孔 ２３ 挾持片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 袋物・鞄の本体に固着するための取付部
   （１）を下面側に有する雌体（２）と、袋物・鞄の蓋体
   に固着するための取付部（３）を下面側に有するととも
   に雌体（２）に挿入する嵌入部（４）を具備する雄体
   （５）と、雌体（２）の上面側に取付ける摘み体（６）
   とから成り、嵌入部（４）に雌体（２）への挿入方向へ
   対して垂直に上下可能な係止片（８）を付設し、係止片
   （８）の先端面を上向きの傾斜面（９）に形成し、嵌入
   部（４）を挿入する雌体（２）の収納部（１２）内に係
   止片（８）と係合する被係止片（１４）を設け、前記摘
   み体（６）の下面には、取付片（１８，１８）と押圧部
   （１９）を突設し、一方雌体（２）の上面には、取付片
   （１８，１８）を係止し且つ雄体（５）の挿入方向にス
   ライド可能にするガイド孔（２１，２１）と、押圧部
   （１９）を収納部（１２）内に突出させ且つ前記挿入方
   向へ移動可能にする挿入孔（２２）を形成し、さらに、
   収納部（１２）内に突出する押圧部（１９）が、係止片
   （８）を下方へ押圧して係合状態を解除する位置と係止
   片（８）を押圧しない位置との間をスライド移動するよ
   うに、前記摘み体（６）を雌体（２）に取付けてあるこ
   とを特徴とする袋物・鞄などの蓋の係止具。
2. 【請求項２】 前記押圧部（１９）の両側には、雄体
   （５）の挿入方向へ沿って徐々に末広がりになるような
   斜面（２０，２０）を形成してあり、一方雌体（２）の
   上面には、その押圧部の両側斜面（２０，２０）を弾力
   的に挾持する一対の挾持片（２３，２３）を形成してな
   る請求項１記載の袋物・鞄などの蓋の係止具。