JPH0649066B2 - 医療用粘着シ−トもしくはテ−プ - Google Patents
医療用粘着シ−トもしくはテ−プInfo
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- JPH0649066B2 JPH0649066B2 JP60027119A JP2711985A JPH0649066B2 JP H0649066 B2 JPH0649066 B2 JP H0649066B2 JP 60027119 A JP60027119 A JP 60027119A JP 2711985 A JP2711985 A JP 2711985A JP H0649066 B2 JPH0649066 B2 JP H0649066B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は医療用粘着シートもしくはテープ,特に,親水
性と抗菌性とを有するアクリル系粘着剤層を基材上に設
けた医療用粘着シートもしくはテープに関する。
性と抗菌性とを有するアクリル系粘着剤層を基材上に設
けた医療用粘着シートもしくはテープに関する。
(従来の技術) 粘着剤に薬剤を含有した貼付剤,絆創膏などの医療用粘
着シートもしくはテープの該粘着剤としては,皮膚への
粘着性が良好で耐老化性に優れ,含有する薬剤を変質さ
せず,皮膚を刺激しないなどの優れた性質を備えている
という理由から,従来から,アクリル系粘着剤が最も多
用されている。アクリル系粘着剤は,通常,アクリル酸
エステル(共)重合体,またはアクリル酸エステルとメ
タクリル酸エステルとの(共)重合体を主成分とする。
必要に応じてその他の種々の単量体を共重合させ,所望
の特性を有するアクリル系粘着剤が得られる。このよう
な単量体には,(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
アミド,(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ル,(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエス
テル,(メタ)アクリル酸グリシジルエステル,(メ
タ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル,酢酸ビニ
ルなどがある。例えば,アクリル酸を共重合成分とする
共重合体は常温における粘着性が良好である。特公昭52
-31405号公報には,粘着剤にステロイド系抗炎症剤が含
有される貼付剤が開示されており,その粘着剤は,アク
リル酸アルキルエステルとアクリル酸との共重合体であ
る。特開昭52-18813号公報にも粘着剤にステロイド系抗
炎症剤が含有される貼付剤が開示されており,その粘着
剤はアクリル酸アルキルエステル,(メタ)アクリル
酸,メタクリル酸メチルもしくは酢酸ビニル,および多
官能性モノマーからなる共重合体である。さらに,特開
昭57-77167号公報には薬剤としてニトログリセリンを含
有する貼付剤が開示されており,その粘着剤はメタクリ
ル酸ドデシルエステル,(メタ)アクリル酸および酢酸
ビニルからなる共重合体である。また,特開昭56-45412
号公報には薬剤の溶解性の高い粘着剤を用いた薬剤含有
貼付剤が開示されている。その粘着剤は,分子内にエー
テル結合を持つ(メタ)アクリル酸エステル,(メタ)
アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の共重合体である。
着シートもしくはテープの該粘着剤としては,皮膚への
粘着性が良好で耐老化性に優れ,含有する薬剤を変質さ
せず,皮膚を刺激しないなどの優れた性質を備えている
という理由から,従来から,アクリル系粘着剤が最も多
用されている。アクリル系粘着剤は,通常,アクリル酸
エステル(共)重合体,またはアクリル酸エステルとメ
タクリル酸エステルとの(共)重合体を主成分とする。
必要に応じてその他の種々の単量体を共重合させ,所望
の特性を有するアクリル系粘着剤が得られる。このよう
な単量体には,(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
アミド,(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ル,(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエス
テル,(メタ)アクリル酸グリシジルエステル,(メ
タ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル,酢酸ビニ
ルなどがある。例えば,アクリル酸を共重合成分とする
共重合体は常温における粘着性が良好である。特公昭52
-31405号公報には,粘着剤にステロイド系抗炎症剤が含
有される貼付剤が開示されており,その粘着剤は,アク
リル酸アルキルエステルとアクリル酸との共重合体であ
る。特開昭52-18813号公報にも粘着剤にステロイド系抗
炎症剤が含有される貼付剤が開示されており,その粘着
剤はアクリル酸アルキルエステル,(メタ)アクリル
酸,メタクリル酸メチルもしくは酢酸ビニル,および多
官能性モノマーからなる共重合体である。さらに,特開
昭57-77167号公報には薬剤としてニトログリセリンを含
有する貼付剤が開示されており,その粘着剤はメタクリ
ル酸ドデシルエステル,(メタ)アクリル酸および酢酸
ビニルからなる共重合体である。また,特開昭56-45412
号公報には薬剤の溶解性の高い粘着剤を用いた薬剤含有
貼付剤が開示されている。その粘着剤は,分子内にエー
テル結合を持つ(メタ)アクリル酸エステル,(メタ)
アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の共重合体である。
このように,アクリル系粘着剤を用いた医療用シートも
しくはテープは,皮膚表面への粘着性が良好であるなど
種々の優れた特徴を有する。しかし,従来の上記アクリ
ル系粘着剤は本質的に水に不溶,もしくは親水性に乏し
いため,このような,粘着剤を用いたシートもしくはテ
ープには次のような欠点がある。
しくはテープは,皮膚表面への粘着性が良好であるなど
種々の優れた特徴を有する。しかし,従来の上記アクリ
ル系粘着剤は本質的に水に不溶,もしくは親水性に乏し
いため,このような,粘着剤を用いたシートもしくはテ
ープには次のような欠点がある。
シートもしくはテープの濡れた(または,湿った)被
貼付面への貼付が困難である。例えば,発汗している皮
膚表面への付着性が悪い。貼付後も発汗量が多い場合に
は剥離する。
貼付面への貼付が困難である。例えば,発汗している皮
膚表面への付着性が悪い。貼付後も発汗量が多い場合に
は剥離する。
貼付シートもしくはテープの周囲から外部へはみ出し
た粘着剤や,シートもしくはテープの剥離後,皮膚表面
残留に残留した粘着剤を水で洗い落とすことができな
い。
た粘着剤や,シートもしくはテープの剥離後,皮膚表面
残留に残留した粘着剤を水で洗い落とすことができな
い。
例えば,ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウム
塩,塩酸塩などの形態を有する水溶性薬剤は,通常,水
またはアルコールのみに溶解する。そのため,このよう
な薬剤を粘着剤に溶解させることは難しく,したがっ
て,これを包含する粘着シートもしくはテープの調製は
困難である。
塩,塩酸塩などの形態を有する水溶性薬剤は,通常,水
またはアルコールのみに溶解する。そのため,このよう
な薬剤を粘着剤に溶解させることは難しく,したがっ
て,これを包含する粘着シートもしくはテープの調製は
困難である。
粘着剤が水分吸収能に乏しく,通気性にも乏しいた
め,シートもしくはテープを長時間皮膚に貼付すると蒸
れが生じる。そのため,皮膚が薬剤などによるわずかの
刺激にも感作しやすい状態となり,かぶれの原因とな
る。
め,シートもしくはテープを長時間皮膚に貼付すると蒸
れが生じる。そのため,皮膚が薬剤などによるわずかの
刺激にも感作しやすい状態となり,かぶれの原因とな
る。
蒸れの生じた貼付部分に細菌類,真菌類などの雑菌が
異常繁殖を起こし,二次感作によるかぶれを生じやす
い。
異常繁殖を起こし,二次感作によるかぶれを生じやす
い。
アクリル系粘着剤に親水性を付与するため,(メタ)ア
クリル酸,アクリルアミド,(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシアルキルエステルなどの親水性単量体を共重合させ
ることも行われている。しかし,このような親水性単量
体は60モル%以上を共重合させないと,得られる粘着剤
が親水性を示さない。60モル%以上もの上記親水性単量
体が共重合されると,粘着剤の粘着性と内部凝集力との
バランスが崩れ,その結果,糊残り現象などが生じる。
さらには,耐老化性,皮膚無刺激性などのアクリル系粘
着剤本来の優れた性質が損なわれる。
クリル酸,アクリルアミド,(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシアルキルエステルなどの親水性単量体を共重合させ
ることも行われている。しかし,このような親水性単量
体は60モル%以上を共重合させないと,得られる粘着剤
が親水性を示さない。60モル%以上もの上記親水性単量
体が共重合されると,粘着剤の粘着性と内部凝集力との
バランスが崩れ,その結果,糊残り現象などが生じる。
さらには,耐老化性,皮膚無刺激性などのアクリル系粘
着剤本来の優れた性質が損なわれる。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,上記従来の欠点を解決するものであり,その
目的とするところは,親水性を有するアクリル系粘着剤
層が基材上に設けられ,下記の優れた性質を有する医療
用粘着シートもしくはテープを提供することにある。
目的とするところは,親水性を有するアクリル系粘着剤
層が基材上に設けられ,下記の優れた性質を有する医療
用粘着シートもしくはテープを提供することにある。
濡れた(湿った)皮膚表面にも接着が可能で,貼付時
に発汗しても容易に剥離しないシートもしくはテープ。
に発汗しても容易に剥離しないシートもしくはテープ。
粘着剤がシートもしくはテープの貼付時にその周囲に
はみ出したり剥離後に皮膚表面に残留しても,これを容
易に水洗除去できるシートもしくはテープ。
はみ出したり剥離後に皮膚表面に残留しても,これを容
易に水洗除去できるシートもしくはテープ。
アクリル系粘着剤に溶解して含有させることのできな
かった水溶性薬剤,例えば、ナトリウム塩,カリウム
塩,アンモニウム塩,塩酸塩など塩の形態を有する薬剤
を,高濃度に溶解・含有させうる粘着剤を有するシート
もしくはテープ。
かった水溶性薬剤,例えば、ナトリウム塩,カリウム
塩,アンモニウム塩,塩酸塩など塩の形態を有する薬剤
を,高濃度に溶解・含有させうる粘着剤を有するシート
もしくはテープ。
粘着剤が吸水能力および/もしくは通水性を有するた
め貼付中に蒸れを生じさせず,したがって,この蒸れが
原因となるかぶれを生じさせることのないシートもしく
はテープ。
め貼付中に蒸れを生じさせず,したがって,この蒸れが
原因となるかぶれを生じさせることのないシートもしく
はテープ。
本発明のさらに他の目的は,粘着剤自体が殺菌または抗
菌作用を有し,微生物が繁殖するために生じる二次感作
がかぶれをおこすことのない医療用粘着シートもしくは
テープを提供することにある。本発明のさらに他の目的
は,上記優れた性質に加えて,アクリル系粘着剤が本来
有する利点を備えた粘着剤層を表面に設けた医療用粘着
シートもしくはテープを提供することにある。
菌作用を有し,微生物が繁殖するために生じる二次感作
がかぶれをおこすことのない医療用粘着シートもしくは
テープを提供することにある。本発明のさらに他の目的
は,上記優れた性質に加えて,アクリル系粘着剤が本来
有する利点を備えた粘着剤層を表面に設けた医療用粘着
シートもしくはテープを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の医療用粘着シートもしくはテープは,(メタ)
アクリルアミド誘導体を共重合成分とする共重合体を主
成分とする粘着剤の層が基材の少なくとも片面に設けら
れた医療用粘着シートもしくはテープであって,該(メ
タ)アクリルアミド誘導体は,4級アンモニウム塩を有
する飽和炭化水素基が,(メタ)アクリルアミドのアミ
ド性水素原子の1個と置換した単量体であり,そのこと
により上記目的が達成される。
アクリルアミド誘導体を共重合成分とする共重合体を主
成分とする粘着剤の層が基材の少なくとも片面に設けら
れた医療用粘着シートもしくはテープであって,該(メ
タ)アクリルアミド誘導体は,4級アンモニウム塩を有
する飽和炭化水素基が,(メタ)アクリルアミドのアミ
ド性水素原子の1個と置換した単量体であり,そのこと
により上記目的が達成される。
本発明の医療用粘着シートもしくはテープに用いられる
粘着剤の主成分である共重合体は,(メタ)アクリルア
ミド誘導体を共重合成分として含有する。この(メタ)
アクリルアミド誘導体は,4級アンモニウム塩を有する
飽和炭化水素基が(メタ)アクリルアミドのアミド性水
素原子の1個と置換したラジカル反応性単量体であり,
次の構造式を有する: (ここで,R1はHまたはCH3;R2は炭素数1〜6の飽和
炭化水素基;R3、R4及びR5は炭素数1〜3のアルキル
基;そしてXはハロゲン原子である)。
粘着剤の主成分である共重合体は,(メタ)アクリルア
ミド誘導体を共重合成分として含有する。この(メタ)
アクリルアミド誘導体は,4級アンモニウム塩を有する
飽和炭化水素基が(メタ)アクリルアミドのアミド性水
素原子の1個と置換したラジカル反応性単量体であり,
次の構造式を有する: (ここで,R1はHまたはCH3;R2は炭素数1〜6の飽和
炭化水素基;R3、R4及びR5は炭素数1〜3のアルキル
基;そしてXはハロゲン原子である)。
上記構造式で示される化合物のうち,好適なものとして
例えば,3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアン
モニウムクロライド,3(メタクリルアミド)プロピル
トリメチルアンモニウムクロライド,3(アクリルアミ
ド)イソペンチルトリメチルアンモニウムクロライド,
3(メタクリルアミド)プロピルジメチルエチルアンモ
ニウムクロライドなどがある。このような(メタ)アク
リルアミド誘導体は,例えば,アミノアルキル(メタ)
アクリルアミドにハロゲン化アルキルを付加させて得ら
れうる。ハロゲン化アルキルのハロゲンとしてはCl,Br,
Iなどが挙げられる。
例えば,3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアン
モニウムクロライド,3(メタクリルアミド)プロピル
トリメチルアンモニウムクロライド,3(アクリルアミ
ド)イソペンチルトリメチルアンモニウムクロライド,
3(メタクリルアミド)プロピルジメチルエチルアンモ
ニウムクロライドなどがある。このような(メタ)アク
リルアミド誘導体は,例えば,アミノアルキル(メタ)
アクリルアミドにハロゲン化アルキルを付加させて得ら
れうる。ハロゲン化アルキルのハロゲンとしてはCl,Br,
Iなどが挙げられる。
上記粘着剤の主成分である共重合体は,上記(メタ)ア
クリルアミド誘導体でなる第1共重合成分の他に,第2
共重合成分を含有する。第2共重合成分の主成分はアル
キル基の炭素数が12以下であるアクリル酸アルキルエス
テルおよび/または脂肪酸のアルキル基の炭素数が12以
下であるビニルアルコール脂肪酸エステルであり,これ
らが第2共重合成分の50モル%以上を占める。第2共重
合成分の残余は,メタクリル酸アルキルエステル,ビニ
ルピロリドン,ジアセトンアクリルアミド,N−アルキ
ル(メタ)アクリルアミドおよびN−アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリルアミド,ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートでなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体である。
クリルアミド誘導体でなる第1共重合成分の他に,第2
共重合成分を含有する。第2共重合成分の主成分はアル
キル基の炭素数が12以下であるアクリル酸アルキルエス
テルおよび/または脂肪酸のアルキル基の炭素数が12以
下であるビニルアルコール脂肪酸エステルであり,これ
らが第2共重合成分の50モル%以上を占める。第2共重
合成分の残余は,メタクリル酸アルキルエステル,ビニ
ルピロリドン,ジアセトンアクリルアミド,N−アルキ
ル(メタ)アクリルアミドおよびN−アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリルアミド,ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートでなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体である。
上記共重合体には第1共重合成分および第2共重合成分
が,モル比で2対98〜60対40の割合で含有される。第1
共重合成分の量が過少であると得られる共重合体の親水
性が不充分である。過剰であると共重合体の吸水性が大
き過ぎるため,粘着剤の保存中あるいはシートもしくは
テープに調製したときに吸湿し,粘着剤としての性質に
変化を来たすようになる。
が,モル比で2対98〜60対40の割合で含有される。第1
共重合成分の量が過少であると得られる共重合体の親水
性が不充分である。過剰であると共重合体の吸水性が大
き過ぎるため,粘着剤の保存中あるいはシートもしくは
テープに調製したときに吸湿し,粘着剤としての性質に
変化を来たすようになる。
このように,第1共重合成分含有量は共重合体の親水性
の度合を支配し,第1共重合成分の占める割合が多くな
るほど共重合体の性質が親水性から水溶性へと移りかわ
るが,共重合体の親水性の度合は,この他,第2共重合
成分のアクリル酸アルキルエステルのアルキル基やビニ
ルアルコール脂肪酸エステルの脂肪酸のアルキル基の種
類などによっても異なる。例えば,第2共重合成分がア
クリル酸アルキルエステルである場合,アルキル基の炭
素数が小さい方が親水性の度合が高くなる傾向を示す。
また,第2共重合成分にメタクリル酸アルキルエステル
が加えられるときは,アクリル酸アルキルエステルだけ
の場合に比べて親水性の度合が減少する傾向を示す。ま
た,第2共重合成分にビニルピロリドン,ジアセトンア
クリルアミドなどの水溶性の単量体が加えられる場合に
は,共重合体の親水性は増加する。以上のように,共重
合体の親水性の度合は,第2共重合成分として使用する
単量体の種類によって調製することが可能である。
の度合を支配し,第1共重合成分の占める割合が多くな
るほど共重合体の性質が親水性から水溶性へと移りかわ
るが,共重合体の親水性の度合は,この他,第2共重合
成分のアクリル酸アルキルエステルのアルキル基やビニ
ルアルコール脂肪酸エステルの脂肪酸のアルキル基の種
類などによっても異なる。例えば,第2共重合成分がア
クリル酸アルキルエステルである場合,アルキル基の炭
素数が小さい方が親水性の度合が高くなる傾向を示す。
また,第2共重合成分にメタクリル酸アルキルエステル
が加えられるときは,アクリル酸アルキルエステルだけ
の場合に比べて親水性の度合が減少する傾向を示す。ま
た,第2共重合成分にビニルピロリドン,ジアセトンア
クリルアミドなどの水溶性の単量体が加えられる場合に
は,共重合体の親水性は増加する。以上のように,共重
合体の親水性の度合は,第2共重合成分として使用する
単量体の種類によって調製することが可能である。
さらに,第1共重合成分と第2共重合成分とを含有する
共重合体は親水性を有するとともに殺(抗)菌性を有す
る。殺(抗)菌性は,第1共重合成分の含有モル比率が
増加するにつれ,一義的に高まる。
共重合体は親水性を有するとともに殺(抗)菌性を有す
る。殺(抗)菌性は,第1共重合成分の含有モル比率が
増加するにつれ,一義的に高まる。
上記第1共重合成分および第2共重合成分の他に多官能
性単量体を微量加えて共重合を行うと,得られる共重合
体の内部凝集力を向上させることができる。多官能性単
量体とは,分子末端の2ケ所以上に(メタ)アクリル酸
エステル基が置換した単量体をいう。例えば,1・6−
ヘキサングリコールジメタクリル酸エステルが好適に用
いられる。多官能性単量体が含有されると共重合時にご
くわずかではあるが架橋(微架橋)が生じるため,共重
合体の内部凝集力が増大する。そのため,後述の可塑剤
を多量に加えても共重合体が流動化しないので,粘着力
の大きな粘着剤が得られうる。多官能性単量体は重合時
に全重合性単量体中0.8重量%以下の割合で添加され
る。過剰であると得られる共重合体のアルコールや水な
どの溶媒への溶解性が悪くなる。
性単量体を微量加えて共重合を行うと,得られる共重合
体の内部凝集力を向上させることができる。多官能性単
量体とは,分子末端の2ケ所以上に(メタ)アクリル酸
エステル基が置換した単量体をいう。例えば,1・6−
ヘキサングリコールジメタクリル酸エステルが好適に用
いられる。多官能性単量体が含有されると共重合時にご
くわずかではあるが架橋(微架橋)が生じるため,共重
合体の内部凝集力が増大する。そのため,後述の可塑剤
を多量に加えても共重合体が流動化しないので,粘着力
の大きな粘着剤が得られうる。多官能性単量体は重合時
に全重合性単量体中0.8重量%以下の割合で添加され
る。過剰であると得られる共重合体のアルコールや水な
どの溶媒への溶解性が悪くなる。
上記第1共重合成分および第2共重合成分,さらに必要
に応じて多官能性単量体を通常の重合方法,例えば,溶
液重合法,乳化重合法,懸濁重合法により重合反応に供
して,共重合体が得られる。なかでも溶液重合法が好適
に用いられる。溶液重合を行うときには,第1重合成分
と第2重合成分とを少なくとも重合の温度条件下で溶解
させうる溶媒が選択される。このような溶媒としては,
メチルアルコール,エチルアルコール,イソプロピルア
ルコールなどのアルコール系溶媒が好適に用いられる。
共重合される単量体の組成により,さらに酢酸エチル,
メチルエチルケトン,トルエンなどが少量添加される場
合もある。
に応じて多官能性単量体を通常の重合方法,例えば,溶
液重合法,乳化重合法,懸濁重合法により重合反応に供
して,共重合体が得られる。なかでも溶液重合法が好適
に用いられる。溶液重合を行うときには,第1重合成分
と第2重合成分とを少なくとも重合の温度条件下で溶解
させうる溶媒が選択される。このような溶媒としては,
メチルアルコール,エチルアルコール,イソプロピルア
ルコールなどのアルコール系溶媒が好適に用いられる。
共重合される単量体の組成により,さらに酢酸エチル,
メチルエチルケトン,トルエンなどが少量添加される場
合もある。
共重合体を得るには,上記の単量体,触媒および溶媒を
還流冷却器付き反応器に仕込み,不活性ガス雰囲気下で
加熱・攪拌しながら反応を行う。重合初期の反応液の単
量体の濃度は,できるだけ高くすることが高粘度の重合
体を得るために必要であり,単量体濃度は好ましくは60
〜90重量%に調製される。重合反応が進行すると,通常
の溶液重合の場合と同様に反応液の粘度が次第に上昇す
る。反応液の粘度が急激に上昇して攪拌が困難になる場
合には,適宜溶媒が追加されて反応液が適正な粘度状態
に保たれるための濃度漸減法が用いられる。触媒には,
通常のラジカル重合触媒が用いられる。溶媒系との兼ね
合いから,特にアゾビス系の触媒が好適に用いられる。
触媒量は,通常,全単量体のモル数の0.1〜0.5モル%の
範囲が採用される。触媒は,好ましくは,重合反応の進
行状況に応じて適宜分割して反応系に加えられる。反応
時間は単量体の種類により異なるが,通常50〜80℃好ま
しくは60〜70℃である。例えば,重合反応の前半は60℃
前後の比較的温和な条件下で反応を行い,後半は70℃前
後の温度条件下で反応を行う方法が好適に用いられる。
重合反応は重合開始時から40時間以上行うことが重合率
を上げるうえで好ましい。
還流冷却器付き反応器に仕込み,不活性ガス雰囲気下で
加熱・攪拌しながら反応を行う。重合初期の反応液の単
量体の濃度は,できるだけ高くすることが高粘度の重合
体を得るために必要であり,単量体濃度は好ましくは60
〜90重量%に調製される。重合反応が進行すると,通常
の溶液重合の場合と同様に反応液の粘度が次第に上昇す
る。反応液の粘度が急激に上昇して攪拌が困難になる場
合には,適宜溶媒が追加されて反応液が適正な粘度状態
に保たれるための濃度漸減法が用いられる。触媒には,
通常のラジカル重合触媒が用いられる。溶媒系との兼ね
合いから,特にアゾビス系の触媒が好適に用いられる。
触媒量は,通常,全単量体のモル数の0.1〜0.5モル%の
範囲が採用される。触媒は,好ましくは,重合反応の進
行状況に応じて適宜分割して反応系に加えられる。反応
時間は単量体の種類により異なるが,通常50〜80℃好ま
しくは60〜70℃である。例えば,重合反応の前半は60℃
前後の比較的温和な条件下で反応を行い,後半は70℃前
後の温度条件下で反応を行う方法が好適に用いられる。
重合反応は重合開始時から40時間以上行うことが重合率
を上げるうえで好ましい。
このようにして得られた共重合体溶液をそのまま塗布す
ると共重合体の組成によっては,その塗膜は強靱な被膜
となり,粘着剤としての機能をもたない場合もある。し
かし,これに適当な可塑剤が加えられると,共重合体は
軟化して粘着性を有するようになる。内部凝集力も適度
となり粘弾性的性質を有するようになる。可塑剤として
は,高沸点で水溶性もしくは親水性の液体および/また
は保水性の大きい水溶性物質が用いられる。そのような
可塑剤には,例えば,グリセリン;ジグリセリン;プロ
ピレングリコール;トリメチレングリコール;α−ブチ
レングリコール;2・3−ブチレングリコール;β−ブ
チレングリコール;α−アミレングリコール;2・3−
アミレングリコール;2・4−アミレングリコール;1
・4−アミレングリコール;1・5−ペンタンジオー
ル;トリメチロールエタン;ポリエチレングリコール;
ポリプロピレングリコール;澱粉糖,蔗糖などの糖類;
ソルビット;尿素;長鎖アルキルトリメチルアンモニウ
ムクロライドなどのカチオン系界面活性剤;ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル,脂肪酸ジエタノールアミド,ソルビタンア
ルキルエステルなどの非イオン系界面活性剤;ジメチル
アルキルベタインなどの両性界面活性剤;液状アミノ酸
などがある。これらの可塑剤のうち,特にグリセリンお
よびジグリセリンが好適に用いられる。可塑剤は2種以
上混合して用いられてもよい。
ると共重合体の組成によっては,その塗膜は強靱な被膜
となり,粘着剤としての機能をもたない場合もある。し
かし,これに適当な可塑剤が加えられると,共重合体は
軟化して粘着性を有するようになる。内部凝集力も適度
となり粘弾性的性質を有するようになる。可塑剤として
は,高沸点で水溶性もしくは親水性の液体および/また
は保水性の大きい水溶性物質が用いられる。そのような
可塑剤には,例えば,グリセリン;ジグリセリン;プロ
ピレングリコール;トリメチレングリコール;α−ブチ
レングリコール;2・3−ブチレングリコール;β−ブ
チレングリコール;α−アミレングリコール;2・3−
アミレングリコール;2・4−アミレングリコール;1
・4−アミレングリコール;1・5−ペンタンジオー
ル;トリメチロールエタン;ポリエチレングリコール;
ポリプロピレングリコール;澱粉糖,蔗糖などの糖類;
ソルビット;尿素;長鎖アルキルトリメチルアンモニウ
ムクロライドなどのカチオン系界面活性剤;ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル,脂肪酸ジエタノールアミド,ソルビタンア
ルキルエステルなどの非イオン系界面活性剤;ジメチル
アルキルベタインなどの両性界面活性剤;液状アミノ酸
などがある。これらの可塑剤のうち,特にグリセリンお
よびジグリセリンが好適に用いられる。可塑剤は2種以
上混合して用いられてもよい。
可塑剤の量は第1共重合成分と第2共重合成分のモル比
率,第2共重合成分の種類および組成,可塑剤の種類,
粘着剤層の厚さ,所望する粘着性の度合などにより異な
るが,通常,共重合体の0〜150重量%,好ましくは40
〜80重量%の範囲である。言いかえれば粘着剤中には共
重合体が40〜100重量%の割合で,そして可塑剤が60〜
0重量%の割合で含有される。可塑剤量は上記の範囲内
で,主として共重合体中の第1共重合成分と第2共重合
成分とのモル比率により決められる。例えば,第2共重
合成分にアクリル酸ブチルを用い,得られるシートもし
くはテープの粘着性の度合を市販のセロハンテープと同
程度とするときに,可塑剤の量は第1共重合成分と第2
共重合成分とのモル比率によって次のように変わる。第
1共重合成分と第2共重合成分とのモル比率が10対90,3
0対70および60対40のとき可塑剤は粘着剤中にそれぞれ
0〜20,30〜40,40〜60重量%の割合で含有される。この
ような値が可塑剤量の目安であるが,実際には粘着剤の
粘着性の度合は多くの因子が組み合わされて発現するた
め,個々の場合に応じて試験し可塑剤量が決められる。
可塑剤を添加しすぎると粘着剤の吸水性が大きくなりす
ぎるため注意を要する。
率,第2共重合成分の種類および組成,可塑剤の種類,
粘着剤層の厚さ,所望する粘着性の度合などにより異な
るが,通常,共重合体の0〜150重量%,好ましくは40
〜80重量%の範囲である。言いかえれば粘着剤中には共
重合体が40〜100重量%の割合で,そして可塑剤が60〜
0重量%の割合で含有される。可塑剤量は上記の範囲内
で,主として共重合体中の第1共重合成分と第2共重合
成分とのモル比率により決められる。例えば,第2共重
合成分にアクリル酸ブチルを用い,得られるシートもし
くはテープの粘着性の度合を市販のセロハンテープと同
程度とするときに,可塑剤の量は第1共重合成分と第2
共重合成分とのモル比率によって次のように変わる。第
1共重合成分と第2共重合成分とのモル比率が10対90,3
0対70および60対40のとき可塑剤は粘着剤中にそれぞれ
0〜20,30〜40,40〜60重量%の割合で含有される。この
ような値が可塑剤量の目安であるが,実際には粘着剤の
粘着性の度合は多くの因子が組み合わされて発現するた
め,個々の場合に応じて試験し可塑剤量が決められる。
可塑剤を添加しすぎると粘着剤の吸水性が大きくなりす
ぎるため注意を要する。
粘着剤は,通常,上記の共重合体および必要に応じて可
塑剤が添加されてなるが、この他に充填剤,高分子添加
剤などが該共重合体の特性を損なわない範囲内で含有さ
れていてもよい。
塑剤が添加されてなるが、この他に充填剤,高分子添加
剤などが該共重合体の特性を損なわない範囲内で含有さ
れていてもよい。
このようにして得られた粘着剤は,適度の親水性,吸水
性,透湿性を有し,さらに殺菌(抗菌)性と導電性とを
も有する。その作用機作についてはまだ不明な点が多い
が,第1共重合成分である(メタ)アクリルアミド誘導
体がこのような効果を奏する主たる原因のひとつになっ
ていることが推測される。共重合体においては上記(メ
タ)アクリルアミド誘導体のもつ親水性などの特異な性
質が生かされ,かつ第2共重合成分であるアクリル酸ア
ルキルエステルなどにより粘弾性が発揮されるように各
単量体成分が共重合され,分子鎖が形成されているもの
と考えられる。このような共重合体においては,(メ
タ)アクリルアミド誘導体の持つ極性が顕著に増強され
るものと考えられる。そのため,親水性に乏しいアクリ
ル酸アルキルエステルなどを主成分とする第2共重合成
分が50モル%以上の割合で共重合体中に含有されていて
も,該共重合体は強い親水性を示す。このような共重合
体は水溶性であるかまたは大量の水分を吸収することが
可能であり,アルコール系溶媒に完全に溶解するなど
(メタ)アクリルアミド誘導体のみからなるポリマーに
近い性質を示す。共重合体には,また,グリセリンなど
の水溶性物質を等重量以上も相溶させることが可能であ
り,このような水溶性物質は可塑剤として作用し,粘着
剤の粘着性を充分に発揮する。
性,透湿性を有し,さらに殺菌(抗菌)性と導電性とを
も有する。その作用機作についてはまだ不明な点が多い
が,第1共重合成分である(メタ)アクリルアミド誘導
体がこのような効果を奏する主たる原因のひとつになっ
ていることが推測される。共重合体においては上記(メ
タ)アクリルアミド誘導体のもつ親水性などの特異な性
質が生かされ,かつ第2共重合成分であるアクリル酸ア
ルキルエステルなどにより粘弾性が発揮されるように各
単量体成分が共重合され,分子鎖が形成されているもの
と考えられる。このような共重合体においては,(メ
タ)アクリルアミド誘導体の持つ極性が顕著に増強され
るものと考えられる。そのため,親水性に乏しいアクリ
ル酸アルキルエステルなどを主成分とする第2共重合成
分が50モル%以上の割合で共重合体中に含有されていて
も,該共重合体は強い親水性を示す。このような共重合
体は水溶性であるかまたは大量の水分を吸収することが
可能であり,アルコール系溶媒に完全に溶解するなど
(メタ)アクリルアミド誘導体のみからなるポリマーに
近い性質を示す。共重合体には,また,グリセリンなど
の水溶性物質を等重量以上も相溶させることが可能であ
り,このような水溶性物質は可塑剤として作用し,粘着
剤の粘着性を充分に発揮する。
上記粘着剤の層が基材の少なくとも片面に形成されて所
望の医療用粘着シートもしくはテープが得られる。薬剤
による治療を目的としたシートもしくはテープを得る場
合には粘着剤中に薬剤が配合される。薬剤としては,抗
炎症剤,消炎鎮痛剤,抗ヒスタミン剤,抗アレルギー
剤,殺菌・抗菌剤,抗真菌剤,降血圧剤,冠血管拡張
剤,鎮静剤,興奮剤,抗乗物酔剤,麻酔剤などがある。
望の医療用粘着シートもしくはテープが得られる。薬剤
による治療を目的としたシートもしくはテープを得る場
合には粘着剤中に薬剤が配合される。薬剤としては,抗
炎症剤,消炎鎮痛剤,抗ヒスタミン剤,抗アレルギー
剤,殺菌・抗菌剤,抗真菌剤,降血圧剤,冠血管拡張
剤,鎮静剤,興奮剤,抗乗物酔剤,麻酔剤などがある。
基材には,例えば,ポリウレタン,ポリウレタン−ポリ
アミノ酸共縮合体,ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,
ポリ塩化ビニル,無可塑軟質ポリ塩化ビニル(内部共重
合体またはブレンド系),ポリプロピレン,ナイロン,
ポリエステル,可溶性ポリビニルアルコール,不溶化ポ
リビニルアルコール,不溶化ポリビニルアセタール,再
生セルローズ,セルローズエステル類,セルローズエー
テル,シリコーンゴム,発泡ポリエチレン,発泡ポリウ
レタン,発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体などがフィ
ルムもしくはシート状に成形されて用いられる。このほ
か,天然繊維または合成繊維からなる紙,不織布,織
布,編布なども利用されえ,目的に応じて,通気性のあ
る基材または通気性をもたない基材が適宜選択される。
また,上記フィルム,織布などを適宜組み合わせて重接
合(ラミネート)し,ラミネート体として使用すること
も可能である。例えば,ポリウレタン繊維からなる伸長
性を有する不織布とポリウレタンフィルムとのラミネー
ト体や上記不織布とシリコーンゴムフィルムとのラミネ
ート体が好適に用いられる。このような構成のラミネー
ト体は,気体透過性に優れているため水蒸気や酸素を透
過しやすく,他方では液体を透過させない性質を有す
る。さらに,機械的耐しおれ性(貼付作業性)に優れ,
皮膚へのなじみが良い。
アミノ酸共縮合体,ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,
ポリ塩化ビニル,無可塑軟質ポリ塩化ビニル(内部共重
合体またはブレンド系),ポリプロピレン,ナイロン,
ポリエステル,可溶性ポリビニルアルコール,不溶化ポ
リビニルアルコール,不溶化ポリビニルアセタール,再
生セルローズ,セルローズエステル類,セルローズエー
テル,シリコーンゴム,発泡ポリエチレン,発泡ポリウ
レタン,発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体などがフィ
ルムもしくはシート状に成形されて用いられる。このほ
か,天然繊維または合成繊維からなる紙,不織布,織
布,編布なども利用されえ,目的に応じて,通気性のあ
る基材または通気性をもたない基材が適宜選択される。
また,上記フィルム,織布などを適宜組み合わせて重接
合(ラミネート)し,ラミネート体として使用すること
も可能である。例えば,ポリウレタン繊維からなる伸長
性を有する不織布とポリウレタンフィルムとのラミネー
ト体や上記不織布とシリコーンゴムフィルムとのラミネ
ート体が好適に用いられる。このような構成のラミネー
ト体は,気体透過性に優れているため水蒸気や酸素を透
過しやすく,他方では液体を透過させない性質を有す
る。さらに,機械的耐しおれ性(貼付作業性)に優れ,
皮膚へのなじみが良い。
薄いポリウレタンフィルムなどは,通常,台紙(工程
紙)上にキャスティング方式により製膜して形成され
る。形成されたフィルムは弾性に富むため,後の加工を
通じて基材としての原形を維持するうえで,上記工程紙
を付着したままの状態で加工に付されることが好まし
い。こうすることにより,例えば,粘着剤を該フィルム
へ塗工することや得られた最終製品を所望の長さに裁断
することが容易になる。調製されたシートもしくはテー
プも工程紙が付着したままであるほうが皮膚上に貼付し
やすいため,貼付後に工程紙を剥離することが推奨され
る。
紙)上にキャスティング方式により製膜して形成され
る。形成されたフィルムは弾性に富むため,後の加工を
通じて基材としての原形を維持するうえで,上記工程紙
を付着したままの状態で加工に付されることが好まし
い。こうすることにより,例えば,粘着剤を該フィルム
へ塗工することや得られた最終製品を所望の長さに裁断
することが容易になる。調製されたシートもしくはテー
プも工程紙が付着したままであるほうが皮膚上に貼付し
やすいため,貼付後に工程紙を剥離することが推奨され
る。
基材に粘着剤もしくは薬剤を含む粘着剤の層を形成する
方法は,既知の方法により,行われうる。例えば,粘着
剤を含有する溶液を直接基材表面に塗布・乾燥する直接
塗工法;粘着剤溶液を一旦,剥離性表面を有する平坦な
無端ベルト上に塗布し乾燥して後,この表面に基材を圧
着し,引き剥がすことにより基材表面に粘着剤を転写さ
せる直接転写法などが用いられる。このほか,粘着剤溶
液を一旦剥離紙上に塗工し乾燥して後,基材を塗工表面
に圧着する間接転写法も好適に用いられる。間接転写法
の場合は,剥離紙が付着した状態で貼付剤が提供され
る。間接転写法以外の方法で調製されたシートもしくは
テープは,必要に応じてその粘着剤層表面がシリコーン
剥離紙などで被覆・保護される。粘着剤が親水性である
ため,基材がポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチ
レンテレフタレート(PET)などのように疎水性の素
材で形成されている場合には,基材表面にあらかじめ,
コロナ放電処理などを施しておくことが好ましい。この
ようにして得られたシートもしくはテープは適宜裁断さ
れて所望の形状に調製される。
方法は,既知の方法により,行われうる。例えば,粘着
剤を含有する溶液を直接基材表面に塗布・乾燥する直接
塗工法;粘着剤溶液を一旦,剥離性表面を有する平坦な
無端ベルト上に塗布し乾燥して後,この表面に基材を圧
着し,引き剥がすことにより基材表面に粘着剤を転写さ
せる直接転写法などが用いられる。このほか,粘着剤溶
液を一旦剥離紙上に塗工し乾燥して後,基材を塗工表面
に圧着する間接転写法も好適に用いられる。間接転写法
の場合は,剥離紙が付着した状態で貼付剤が提供され
る。間接転写法以外の方法で調製されたシートもしくは
テープは,必要に応じてその粘着剤層表面がシリコーン
剥離紙などで被覆・保護される。粘着剤が親水性である
ため,基材がポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチ
レンテレフタレート(PET)などのように疎水性の素
材で形成されている場合には,基材表面にあらかじめ,
コロナ放電処理などを施しておくことが好ましい。この
ようにして得られたシートもしくはテープは適宜裁断さ
れて所望の形状に調製される。
本発明のシートもしくはテープは医療用など,例えば次
のような用途に好適に用いられる: 人体外傷部に直接貼付し簡易的に外傷部を保護する。
のような用途に好適に用いられる: 人体外傷部に直接貼付し簡易的に外傷部を保護する。
外傷部手当て用のガーゼ,パッドなどを皮膚表面に貼
付して固定するかまたはガーゼ付きの大型絆創膏(ドレ
ッシング用テープ)として用いる。
付して固定するかまたはガーゼ付きの大型絆創膏(ドレ
ッシング用テープ)として用いる。
手術部位にあらかじめ貼付しておき,その上から手術
を行う。このようにドレープとして用いると術前の過剰
な消毒を省き,かつ術中の傷口への各種菌の浸入による
感染を防ぐことができる。
を行う。このようにドレープとして用いると術前の過剰
な消毒を省き,かつ術中の傷口への各種菌の浸入による
感染を防ぐことができる。
長時間を要する点滴,血液洗浄,カテーテルなどの管
を体内へ挿入する場合などにおいて,それら静注針,管
などを皮膚表面に固定する。
を体内へ挿入する場合などにおいて,それら静注針,管
などを皮膚表面に固定する。
骨折部など安静を要する部位を,動かないように,必
要な時間固定しもしくは保護する。
要な時間固定しもしくは保護する。
人工肛門などの部材を所定場所に密着させておく。
粘着剤中に薬剤を包含させておくことにより,経皮吸
収治療を目的とした治療シートもしくはテープとして用
いる。
収治療を目的とした治療シートもしくはテープとして用
いる。
顔面の深皺伸し,髪の毛の固定や造形など美容の目的
に用いる。
に用いる。
(作用) 本発明において用いられる粘着剤は,従来のアクリル系
粘着剤の特徴を兼ねそなえ,かつ,親水性に優れてい
る。そのため、シートもしくはテープを濡れた(湿っ
た)皮膚表面にも接着することが可能であり,貼付時に
発汗しても容易に剥離しない。これは従来のアクリル系
粘着剤やゴム系粘着剤では得られなかった特徴である。
また,シートもしくはテープの貼付時に,例えば体の動
きにより周囲に接着剤がはみ出したり,剥離後に粘着剤
が皮膚上に残留した場合においても,それを水で容易に
洗浄・除去することが可能である。さらに,粘着剤中に
水溶性薬剤、例えばアルカリ金属塩,アンモニウム塩,
塩酸塩など塩の形態の薬剤,を高い濃度で溶解させるこ
とができる。そのため,従来調製することの困難であっ
た水溶性薬剤を包含する医療用粘着シートもしくはテー
プが容易に得られうる。
粘着剤の特徴を兼ねそなえ,かつ,親水性に優れてい
る。そのため、シートもしくはテープを濡れた(湿っ
た)皮膚表面にも接着することが可能であり,貼付時に
発汗しても容易に剥離しない。これは従来のアクリル系
粘着剤やゴム系粘着剤では得られなかった特徴である。
また,シートもしくはテープの貼付時に,例えば体の動
きにより周囲に接着剤がはみ出したり,剥離後に粘着剤
が皮膚上に残留した場合においても,それを水で容易に
洗浄・除去することが可能である。さらに,粘着剤中に
水溶性薬剤、例えばアルカリ金属塩,アンモニウム塩,
塩酸塩など塩の形態の薬剤,を高い濃度で溶解させるこ
とができる。そのため,従来調製することの困難であっ
た水溶性薬剤を包含する医療用粘着シートもしくはテー
プが容易に得られうる。
シートもしくはテープに用いられる粘着剤は吸水性およ
び透湿性に優れ,その能力は従来のアクリル系粘着剤に
比べると5倍以上である。そのため,水蒸気を透過しな
い基材上に粘着剤層が設けられたシートもしくはテープ
を長時間皮膚に貼付しても蒸れによるかぶれはほとんど
認められない。基材自体が水蒸気を透過しうる場合は,
蒸れが全く生じない。さらに,粘着剤の主成分である共
重合体中にアクリルアミド誘導体が占める割合に応じ
て,粘着剤は殺菌(抗菌)性を有している。そのため,
シートもしくはテープの貼付中に蒸れが生じてもその部
分に細菌類などが異常繁殖を起こすことがなく,したが
って二次感作によるかぶれを生じない。
び透湿性に優れ,その能力は従来のアクリル系粘着剤に
比べると5倍以上である。そのため,水蒸気を透過しな
い基材上に粘着剤層が設けられたシートもしくはテープ
を長時間皮膚に貼付しても蒸れによるかぶれはほとんど
認められない。基材自体が水蒸気を透過しうる場合は,
蒸れが全く生じない。さらに,粘着剤の主成分である共
重合体中にアクリルアミド誘導体が占める割合に応じ
て,粘着剤は殺菌(抗菌)性を有している。そのため,
シートもしくはテープの貼付中に蒸れが生じてもその部
分に細菌類などが異常繁殖を起こすことがなく,したが
って二次感作によるかぶれを生じない。
さらに,粘着剤は導電性を有するため,帯電防止効果が
大きい。例えば,ポリエチレン,ポリプロピレンなど電
気絶縁性の高い基材を用いた従来のロール状の粘着テー
プを巻き戻すと,テープは数千〜数万ボルトの静電気を
帯びることがある。そのため,対象物に貼付する前に他
の物体に付着したり,火花放電を生じる場合もある。火
花放電を生じると,例えば麻酔用エーテルを使用する手
術室においては引火の危険も生じる。これに対して,本
発明のシートもしくはテープを用いると,粘着剤の帯電
性がないためこのような危険性は全くない。
大きい。例えば,ポリエチレン,ポリプロピレンなど電
気絶縁性の高い基材を用いた従来のロール状の粘着テー
プを巻き戻すと,テープは数千〜数万ボルトの静電気を
帯びることがある。そのため,対象物に貼付する前に他
の物体に付着したり,火花放電を生じる場合もある。火
花放電を生じると,例えば麻酔用エーテルを使用する手
術室においては引火の危険も生じる。これに対して,本
発明のシートもしくはテープを用いると,粘着剤の帯電
性がないためこのような危険性は全くない。
共重合体調製時に多官能性単量体が加えられると微架橋
によりさらに内部凝集力に優れた粘着剤が得られる。こ
のような粘着剤を使用したシートもしくはテープは粘着
剤の膜厚にかかわらず,いわゆる糊割れ現象や糊残り現
象が発生しない。
によりさらに内部凝集力に優れた粘着剤が得られる。こ
のような粘着剤を使用したシートもしくはテープは粘着
剤の膜厚にかかわらず,いわゆる糊割れ現象や糊残り現
象が発生しない。
(実施例) 本発明を実施例につき説明する。
実施例1 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
(第1共重合成分)として3(メタクリルアミド)プロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド66.5g(0.3モ
ル),第2共重合成分としてアクリル酸ブチル89.6g
(0.7モル),多官能性単量体として1・6−ヘキサン
グリコールジメタクリル酸エステル0.127g(0.05モル
%),そして溶媒としてエチルアルコール70gを反応容
器(1)に仕込み,N2気流下,攪拌しながら60℃で重
合反応を開始した。重合触媒としてはアゾビスイソブチ
ロニトリル0.33gを使用した。触媒は100mlの酢酸エチ
ルに溶解させ,そのうちの10mlを反応容器に加えて重合
を開始させた。重合反応開始後4時間ごとに触媒溶液を
10mlずつ加えて24時間反応を継続した。その後,反応温
度を70℃とし,3時間ごとに触媒溶液を10mlずつ加え
た。重合反応中に,特に重合初期に,反応液の粘度が著
しく上昇した場合には,攪拌が困難となりゲル化や暴走
反応が起こるおそれもあるため,適宜エチルアルコール
を20〜30mlずつ追加した。このようにして,反応液は見
かけの粘度が20,000cps(センチポイズ)以下に保たれ
た。溶媒溶液投入完了後も同温度(70℃)で攪拌を続
け,重合開始時から44時間後に反応を終了させた。得ら
れた反応液は無色透明な粘稠液であり,含有される共重
合体の濃度は31.2%,粘度は21℃で24,000cpsであっ
た。
(第1共重合成分)として3(メタクリルアミド)プロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド66.5g(0.3モ
ル),第2共重合成分としてアクリル酸ブチル89.6g
(0.7モル),多官能性単量体として1・6−ヘキサン
グリコールジメタクリル酸エステル0.127g(0.05モル
%),そして溶媒としてエチルアルコール70gを反応容
器(1)に仕込み,N2気流下,攪拌しながら60℃で重
合反応を開始した。重合触媒としてはアゾビスイソブチ
ロニトリル0.33gを使用した。触媒は100mlの酢酸エチ
ルに溶解させ,そのうちの10mlを反応容器に加えて重合
を開始させた。重合反応開始後4時間ごとに触媒溶液を
10mlずつ加えて24時間反応を継続した。その後,反応温
度を70℃とし,3時間ごとに触媒溶液を10mlずつ加え
た。重合反応中に,特に重合初期に,反応液の粘度が著
しく上昇した場合には,攪拌が困難となりゲル化や暴走
反応が起こるおそれもあるため,適宜エチルアルコール
を20〜30mlずつ追加した。このようにして,反応液は見
かけの粘度が20,000cps(センチポイズ)以下に保たれ
た。溶媒溶液投入完了後も同温度(70℃)で攪拌を続
け,重合開始時から44時間後に反応を終了させた。得ら
れた反応液は無色透明な粘稠液であり,含有される共重
合体の濃度は31.2%,粘度は21℃で24,000cpsであっ
た。
(B)粘着剤溶液の調製:(A)項で得られた共重合体
溶液を塗布・乾燥して得られる塗膜は,やや硬く粘着性
のない透明被膜であった。そこで得られた共重合体溶液
にポリマー成分100gに対し可塑剤としてジグリセリン4
7gを加えた。さらにエチルアルコールで希釈し,ポリ
マー濃度26%,粘度約10,000cpsの粘着剤溶液を得た。
溶液を塗布・乾燥して得られる塗膜は,やや硬く粘着性
のない透明被膜であった。そこで得られた共重合体溶液
にポリマー成分100gに対し可塑剤としてジグリセリン4
7gを加えた。さらにエチルアルコールで希釈し,ポリ
マー濃度26%,粘度約10,000cpsの粘着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材として,厚さ33μmのポ
リエーテル系ポリウレタンフィルムを用いた。このフィ
ルムは工程紙の片面にキャスティング法により製膜され
ており,その後の加工は工程紙をつけたまま行われた。
この工程紙は高密度晒しクラフト紙(80g/m2)と厚
さ30μmの延伸ポリプロピレンフィルムのラミネート体
である。基材であるポリエーテル系ポリウレタンフィル
ムは工程紙のポリプロピレン表面側に製膜されている。
基材は工程紙と適度に密着しており,加工時における基
材の過度の伸長が抑制されている。
リエーテル系ポリウレタンフィルムを用いた。このフィ
ルムは工程紙の片面にキャスティング法により製膜され
ており,その後の加工は工程紙をつけたまま行われた。
この工程紙は高密度晒しクラフト紙(80g/m2)と厚
さ30μmの延伸ポリプロピレンフィルムのラミネート体
である。基材であるポリエーテル系ポリウレタンフィル
ムは工程紙のポリプロピレン表面側に製膜されている。
基材は工程紙と適度に密着しており,加工時における基
材の過度の伸長が抑制されている。
(A)項で得られた粘着剤溶液を粘着剤転写塗工用のシ
リコーン剥離紙上に乾燥後の厚さが25μmとなるように
塗布間隙を調節しながら塗布した。これを80℃の熱風で
4分間乾燥した。乾燥粘着面と基材のポリウレタン表面
とを重ねあわせて2本の押圧ロールの間を透過させて圧
着させた。このように剥離紙上に粘着剤層を形成して基
材に粘着剤層を転写させる間接転写塗工法により工程紙
−基材−粘着剤−剥離紙でなる粘着シート複合体が得ら
れた。この粘着シート複合体は,所望の大きさに裁断さ
れ,使用時まで複合体の形態で取り扱われる。使用時に
は剥離紙を剥がし、対象面に貼付しつつ,または貼付し
た後に背面の工程紙を剥がし取ることにより粘着シート
が対象面に貼付される。複合体の剥離紙のみを剥がし,
粘着剤面の一部にガーゼなどの傷口保護材をあてた後,
別の剥離紙をあてがい,ガーゼ付絆創膏とすることもで
きる。
リコーン剥離紙上に乾燥後の厚さが25μmとなるように
塗布間隙を調節しながら塗布した。これを80℃の熱風で
4分間乾燥した。乾燥粘着面と基材のポリウレタン表面
とを重ねあわせて2本の押圧ロールの間を透過させて圧
着させた。このように剥離紙上に粘着剤層を形成して基
材に粘着剤層を転写させる間接転写塗工法により工程紙
−基材−粘着剤−剥離紙でなる粘着シート複合体が得ら
れた。この粘着シート複合体は,所望の大きさに裁断さ
れ,使用時まで複合体の形態で取り扱われる。使用時に
は剥離紙を剥がし、対象面に貼付しつつ,または貼付し
た後に背面の工程紙を剥がし取ることにより粘着シート
が対象面に貼付される。複合体の剥離紙のみを剥がし,
粘着剤面の一部にガーゼなどの傷口保護材をあてた後,
別の剥離紙をあてがい,ガーゼ付絆創膏とすることもで
きる。
本実施例で得られる粘着シートは,傷口に直接貼付して
これを覆うことにより傷口の保護や傷口からの感染予防
が可能であり,また傷口を癒着するための用途にも使用
される。そのほか,静注針,カテーテル、人工肛門など
の医療用器材を人体の所定の場所に所定時間のあいだ固
定・保持しておくためにも利用される。さらに,手術前
に,手術部位を含めて比較的広い面積に貼付しておき,
その上から手術を行うドレープとしての用途にも利用さ
れうる。
これを覆うことにより傷口の保護や傷口からの感染予防
が可能であり,また傷口を癒着するための用途にも使用
される。そのほか,静注針,カテーテル、人工肛門など
の医療用器材を人体の所定の場所に所定時間のあいだ固
定・保持しておくためにも利用される。さらに,手術前
に,手術部位を含めて比較的広い面積に貼付しておき,
その上から手術を行うドレープとしての用途にも利用さ
れうる。
(D)粘着シートの性能評価:(C)項で得られた粘着
シートの(1)濡れた表面への接着性,(2)水蒸気透過性お
よび(3)粘着剤の殺菌性について次の方法で試験を行っ
た。その結果を下表に示す。それぞれの試験法は次のと
おりである。
シートの(1)濡れた表面への接着性,(2)水蒸気透過性お
よび(3)粘着剤の殺菌性について次の方法で試験を行っ
た。その結果を下表に示す。それぞれの試験法は次のと
おりである。
(1)濡れた表面への接着性:(C)項で得られた粘着シ
ート複合体を幅15mm,長さ約200mmのテープ状に裁断
し,粘着テープ複合体を得た。試験に用いる被接着体と
しては,セロハンとポリエチレンフィルムのラミネート
体(厚さ50μm)を用いた。このラミネート体のセロハ
ン表面側を被接着面とし,この被接着面を,水を充分に
含ませたガーゼで数回軽くこすり湿潤状態とした。次い
で,粘着テープ複合体の剥離紙を剥がし取り,粘着面を
露出させた。このテープ粘着面を,被接着面湿潤後1分
以内に上記被接着面に対し,テープの先端から約80mm以
上が接するように接着させた。ただし,テープの他端は
接着させないで開放されている。そして,この接着部の
上から2kgのゴム張りローラーを1往復させて加圧し圧
着した。粘着テープを被接着面に圧着して10分後に,粘
着テープの接着端を下にそして開放端を上にして被接着
体を垂直に吊るした。そして,粘着テープの他端(開放
端)を180°折り返し,折り返し点から粘着テープを下
方へ約20mm引き剥がした後,粘着テープの該開放端に10
0gの荷重をかけた。この荷重により,被接着面に接着
したテープが50mm剥離されるに要する時間を測定した。
この試験は21℃にて行われた。
ート複合体を幅15mm,長さ約200mmのテープ状に裁断
し,粘着テープ複合体を得た。試験に用いる被接着体と
しては,セロハンとポリエチレンフィルムのラミネート
体(厚さ50μm)を用いた。このラミネート体のセロハ
ン表面側を被接着面とし,この被接着面を,水を充分に
含ませたガーゼで数回軽くこすり湿潤状態とした。次い
で,粘着テープ複合体の剥離紙を剥がし取り,粘着面を
露出させた。このテープ粘着面を,被接着面湿潤後1分
以内に上記被接着面に対し,テープの先端から約80mm以
上が接するように接着させた。ただし,テープの他端は
接着させないで開放されている。そして,この接着部の
上から2kgのゴム張りローラーを1往復させて加圧し圧
着した。粘着テープを被接着面に圧着して10分後に,粘
着テープの接着端を下にそして開放端を上にして被接着
体を垂直に吊るした。そして,粘着テープの他端(開放
端)を180°折り返し,折り返し点から粘着テープを下
方へ約20mm引き剥がした後,粘着テープの該開放端に10
0gの荷重をかけた。この荷重により,被接着面に接着
したテープが50mm剥離されるに要する時間を測定した。
この試験は21℃にて行われた。
(2)水蒸気透過性:開口部の直径が48mmのガラス瓶に蒸
留水を20〜30ml入れた。(C)項で得られた粘着シート
複合体をガラス瓶の開口部よりも大きく裁断した。この
粘着シート複合体から剥離紙を剥離し,粘着剤面を開口
部に偏りなく覆うようにしてその周辺に貼付した。次
に,工程紙を徐々に剥離しながら粘着シートの端部をや
や伸ばし気味にして開口部周辺に貼りつけ,開口部を粘
着シートで密封した。密封されたガラス瓶開口部の周囲
にビニールテープを数回巻きつけ粘着シートによる開口
部周辺の貼付状態を完全にした。このようにして開口部
を粘着シートで密封したガラス瓶の重量を0.01gの単位
まで秤量した後,40℃,相対湿度が30%の雰囲気中に24
時間放置した。これを再び秤量し水の減少量を算出し
た。この値から粘着シート1m2あたりの水蒸気透過量
(g)を算出した。ここで用いられた粘着シートの基材
の水蒸気透過量は2530g/m2/24Hv/40℃であった。
留水を20〜30ml入れた。(C)項で得られた粘着シート
複合体をガラス瓶の開口部よりも大きく裁断した。この
粘着シート複合体から剥離紙を剥離し,粘着剤面を開口
部に偏りなく覆うようにしてその周辺に貼付した。次
に,工程紙を徐々に剥離しながら粘着シートの端部をや
や伸ばし気味にして開口部周辺に貼りつけ,開口部を粘
着シートで密封した。密封されたガラス瓶開口部の周囲
にビニールテープを数回巻きつけ粘着シートによる開口
部周辺の貼付状態を完全にした。このようにして開口部
を粘着シートで密封したガラス瓶の重量を0.01gの単位
まで秤量した後,40℃,相対湿度が30%の雰囲気中に24
時間放置した。これを再び秤量し水の減少量を算出し
た。この値から粘着シート1m2あたりの水蒸気透過量
(g)を算出した。ここで用いられた粘着シートの基材
の水蒸気透過量は2530g/m2/24Hv/40℃であった。
(3)粘着剤の殺菌性:(C)項で得られた粘着シート複
合体を5cm角に裁断して,その剥離紙をはがし,粘着剤
表面に黄色ブドウ状球菌を含有する菌体原液を,菌体量
が約105個となるように塗布した。これを35℃で粘着剤
表面が乾燥しない程度の湿度の雰囲気下に2時間放置し
た。次に,工程紙を除去し,得られた粘着シートを別に
準備した既知の菌体培養培地100ml中に移し約1分間振
盪して菌を粘着剤表面から該培地中へ移行させた。培地
中に移行した菌体数を通常の方法にて計測し,塗布時の
菌体数と比較した。黄色ブドウ状球菌の代わりに緑膿菌
および大腸菌を用いて同様に試験を行った。
合体を5cm角に裁断して,その剥離紙をはがし,粘着剤
表面に黄色ブドウ状球菌を含有する菌体原液を,菌体量
が約105個となるように塗布した。これを35℃で粘着剤
表面が乾燥しない程度の湿度の雰囲気下に2時間放置し
た。次に,工程紙を除去し,得られた粘着シートを別に
準備した既知の菌体培養培地100ml中に移し約1分間振
盪して菌を粘着剤表面から該培地中へ移行させた。培地
中に移行した菌体数を通常の方法にて計測し,塗布時の
菌体数と比較した。黄色ブドウ状球菌の代わりに緑膿菌
および大腸菌を用いて同様に試験を行った。
比較例1 (A)粘着剤溶液の調製:アクリル酸2−エチルヘキシ
ル173.0g(0.94モル),アクリル酸4.3g(0.06モル)お
よび酢酸エチル80gを反応容器に仕込み,実施例1
(A)項に準じて共重合体を合成した。但し,アゾビス
イソブチロニトリルの量を0.41gとした。得られた共重
合体溶液は透明であり,そのポリマー濃度は33.1%,21
℃での粘度は26,900cpsであった。この共重合体溶液を
塗布・乾燥して粘着剤層を形成すると,内部凝集力が不
足するためにいわゆる糸引き現象や糊残り現象が生じ
た。そのため共重合体溶液に,ポリマー成分100gあた
り分子量約500のジイソシアネート化合物(ヘキアメチ
レンイソシアネートとアルキレングリコールとの付加
物)8gを架橋剤として添加した。さらに酢酸エチルで
希釈し,ポリマー濃度26%の粘着剤溶液を得た。
ル173.0g(0.94モル),アクリル酸4.3g(0.06モル)お
よび酢酸エチル80gを反応容器に仕込み,実施例1
(A)項に準じて共重合体を合成した。但し,アゾビス
イソブチロニトリルの量を0.41gとした。得られた共重
合体溶液は透明であり,そのポリマー濃度は33.1%,21
℃での粘度は26,900cpsであった。この共重合体溶液を
塗布・乾燥して粘着剤層を形成すると,内部凝集力が不
足するためにいわゆる糸引き現象や糊残り現象が生じ
た。そのため共重合体溶液に,ポリマー成分100gあた
り分子量約500のジイソシアネート化合物(ヘキアメチ
レンイソシアネートとアルキレングリコールとの付加
物)8gを架橋剤として添加した。さらに酢酸エチルで
希釈し,ポリマー濃度26%の粘着剤溶液を得た。
(B)粘着シートの調製:本比較例(A)項で得られた
粘着剤溶液(調製6時間後)を用い,実施例1(C)項
の方法に準じて粘着シート複合体を調製した。但し,粘
着剤溶液を塗布・乾燥した後90℃で10分間キュアーを行
った。
粘着剤溶液(調製6時間後)を用い,実施例1(C)項
の方法に準じて粘着シート複合体を調製した。但し,粘
着剤溶液を塗布・乾燥した後90℃で10分間キュアーを行
った。
(C)粘着シートの性能評価:実施例1(D)項と同様
の方法で行った。その結果を下表に示す。
の方法で行った。その結果を下表に示す。
比較例2 実施例1で得られる共重合体との比較のため,(メタ)
アクリルアミド誘導体の代わりに水溶性単量体として代
表的なビニルピロリドンを用いた共重合体を得た。
アクリルアミド誘導体の代わりに水溶性単量体として代
表的なビニルピロリドンを用いた共重合体を得た。
(A)粘着剤溶液の調製:N−ビニル−2−ピロリドン
33.3g(0.3モル),アクリル酸ブチル89.6g(0.7モ
ル),1・6−ヘキサングリコールジメタクリル酸エス
テル0.127gおよび酢酸エチル55gを反応容器に仕込
み,実施例1(A)項に準じて共重合体を合成した。得
られた反応液はわずかに乳白色を呈する溶液であり,そ
の固形分濃度は28.6%,21℃における粘度は21,600cps
であった。この溶液を塗布・乾燥して得られる粘着剤層
はかなりの粘度を有してはいるが,まだ粘着力が不足で
あると思われるため,可塑剤を加えた。可塑剤としては
ポリプロピレングリコールを用い,共重合体溶液のポリ
マー成分100gに対して15gの割合で添加した。さらに
酢酸エチルで希釈し,ポリマー濃度25%の粘着剤溶液を
得た。
33.3g(0.3モル),アクリル酸ブチル89.6g(0.7モ
ル),1・6−ヘキサングリコールジメタクリル酸エス
テル0.127gおよび酢酸エチル55gを反応容器に仕込
み,実施例1(A)項に準じて共重合体を合成した。得
られた反応液はわずかに乳白色を呈する溶液であり,そ
の固形分濃度は28.6%,21℃における粘度は21,600cps
であった。この溶液を塗布・乾燥して得られる粘着剤層
はかなりの粘度を有してはいるが,まだ粘着力が不足で
あると思われるため,可塑剤を加えた。可塑剤としては
ポリプロピレングリコールを用い,共重合体溶液のポリ
マー成分100gに対して15gの割合で添加した。さらに
酢酸エチルで希釈し,ポリマー濃度25%の粘着剤溶液を
得た。
(B)粘着シートの調製:本比較例(A)項で得られた
粘着剤溶液を用い,実施例1(C)項の方法で粘着シー
ト複合体を調製した。
粘着剤溶液を用い,実施例1(C)項の方法で粘着シー
ト複合体を調製した。
(C)粘着シートの性能評価:実施例1(D)項と同様
の方法で行った。その結果を下表に示す。
の方法で行った。その結果を下表に示す。
実施例2 (A)共重合体の調製:実施例1(A)項と同様であ
る。
る。
(B)粘着剤溶液の調製:実施例1(B)項と同様であ
る。
る。
(C)粘着シートの調製:基材としてレーヨン・マニラ
麻繊維(70対30)からなる厚さ120μmの和紙(50g/
m2)を用いた。本実施例(B)項で得られた粘着剤溶
液を乾燥後の厚さが40μmとなるように粘着剤転写塗工
用の剥離紙上に塗布・乾燥した。このような粘着剤層を
有する剥離紙を2枚調製し,粘着剤層を内側にして基材
をはさんで圧着しサンドイッチ状の両面粘着シートを得
た。
麻繊維(70対30)からなる厚さ120μmの和紙(50g/
m2)を用いた。本実施例(B)項で得られた粘着剤溶
液を乾燥後の厚さが40μmとなるように粘着剤転写塗工
用の剥離紙上に塗布・乾燥した。このような粘着剤層を
有する剥離紙を2枚調製し,粘着剤層を内側にして基材
をはさんで圧着しサンドイッチ状の両面粘着シートを得
た。
このような両面粘着シートはシートの状態で,もしくは
テープ状に適宜裁断して用いられる。例えば,生理パッ
ドの保持固定,おむつの重ね合わせ部分の固定,包帯な
どの末端部の固定などに好適に用いられる。
テープ状に適宜裁断して用いられる。例えば,生理パッ
ドの保持固定,おむつの重ね合わせ部分の固定,包帯な
どの末端部の固定などに好適に用いられる。
実施例3 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
として3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド51.8g(0.25モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル55.2g(0.3モ
ル)および酢酸ビニル38.7g(0.45モル),多官能性単
量体としてトリメチロールプロパントリメタクリル酸エ
ステル0.05g(0.015モル%),そして溶媒としてエチ
ルアルコール70gを反応溶液に仕込み,実施例1(A)
項と同様の方法で重合反応を行った。得られた反応液は
透明であり,そのポリマー濃度は30.6%,21℃における
粘度は20,900cpsであった。
として3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド51.8g(0.25モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル55.2g(0.3モ
ル)および酢酸ビニル38.7g(0.45モル),多官能性単
量体としてトリメチロールプロパントリメタクリル酸エ
ステル0.05g(0.015モル%),そして溶媒としてエチ
ルアルコール70gを反応溶液に仕込み,実施例1(A)
項と同様の方法で重合反応を行った。得られた反応液は
透明であり,そのポリマー濃度は30.6%,21℃における
粘度は20,900cpsであった。
(B)粘着剤溶液の調製:(A)項で得られた共重合体
溶液中のポリマー成分100gに対して可塑剤としてグリ
セリン20gおよびポリプロピレングリコール30gを加え
た。さらにイソプロピルアルコールで希釈し,ポリマー
濃度が26%の粘着剤溶液を得た。
溶液中のポリマー成分100gに対して可塑剤としてグリ
セリン20gおよびポリプロピレングリコール30gを加え
た。さらにイソプロピルアルコールで希釈し,ポリマー
濃度が26%の粘着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材として無可塑軟質ポリ塩
化ビニル(軟質度:100%ポリ塩化ビニルのジオクチル
フタレート(DOP)43phr相当品)が75μmの厚さに
カレンダー製膜されたフィルムを用いた。本実施例
(A)項で得られた粘着剤溶液を乾燥後の厚さが25μm
となるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法によ
り,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤層を
形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シート
を得た。
化ビニル(軟質度:100%ポリ塩化ビニルのジオクチル
フタレート(DOP)43phr相当品)が75μmの厚さに
カレンダー製膜されたフィルムを用いた。本実施例
(A)項で得られた粘着剤溶液を乾燥後の厚さが25μm
となるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法によ
り,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤層を
形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シート
を得た。
このような粘着シートは,ガーゼ付救急絆創膏や巻き絆
創膏として好適に用いられる。巻き絆創膏とするには,
例えば,剥離紙を剥離しつつ,基材の背面に剥離剤を塗
布しロール芯に巻き取った後,10〜20mm幅の輪切り状に
切断する。剥離剤としては例えば,ポリオクタデシルエ
チレンウレアが用いられ,通常,1m2あたり約0.2g
の割合で基材表面に塗布される。本実施例の粘着シート
は,また,25〜1000cm2の大きさのシートとし粘着ドレ
ープ用としても好適に利用される。
創膏として好適に用いられる。巻き絆創膏とするには,
例えば,剥離紙を剥離しつつ,基材の背面に剥離剤を塗
布しロール芯に巻き取った後,10〜20mm幅の輪切り状に
切断する。剥離剤としては例えば,ポリオクタデシルエ
チレンウレアが用いられ,通常,1m2あたり約0.2g
の割合で基材表面に塗布される。本実施例の粘着シート
は,また,25〜1000cm2の大きさのシートとし粘着ドレ
ープ用としても好適に利用される。
実施例4 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
として3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド103.6g(0.5モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル73.6g(0.4モ
ル)およびジアセトンアクリルアミド16.9g(0.1モ
ル),多官能性単量体としてポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル0.25g(0.08モル%)そして溶媒
としてエチルアルコール110gを反応容器に仕込み,実
施例1(A)項と同様の方法で重合反応を行った。但し
触媒の量を0.41gとし,これを酢酸エチル50mlおよびエ
チルアルコール50mlに溶解させて用いた。得られた共重
合体溶液は,わずかに淡黄色を帯びた透明な溶液であ
り,そのポリマー濃度は33.8%,21℃での粘度は23,200
cpsであった。
として3(アクリルアミド)プロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド103.6g(0.5モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル73.6g(0.4モ
ル)およびジアセトンアクリルアミド16.9g(0.1モ
ル),多官能性単量体としてポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル0.25g(0.08モル%)そして溶媒
としてエチルアルコール110gを反応容器に仕込み,実
施例1(A)項と同様の方法で重合反応を行った。但し
触媒の量を0.41gとし,これを酢酸エチル50mlおよびエ
チルアルコール50mlに溶解させて用いた。得られた共重
合体溶液は,わずかに淡黄色を帯びた透明な溶液であ
り,そのポリマー濃度は33.8%,21℃での粘度は23,200
cpsであった。
(B)薬剤含有粘着剤溶液の調製:(A)項で得られた
共重合体溶液を塗布・乾燥して得られるのは,やや硬い
樹脂様塗膜であり粘着性がない。
共重合体溶液を塗布・乾燥して得られるのは,やや硬い
樹脂様塗膜であり粘着性がない。
そこで,得られた共重合体溶液に可塑剤としてグリセリ
ン40gおよびポリエチレングリコール(分子量約500)20
gをポリマー成分100gに対して加えた。薬剤として塩
化ベンザルコニウム1.0g,第2リン酸ナトリウム3.0g
およびアクリノール0.5gを準備し,これらを少量の水
に溶解させて共重合体溶液に加えた。さらにこのエチル
アルコールで希釈し,ポリマー濃度が28%の薬剤含有粘
着剤溶液を得た。
ン40gおよびポリエチレングリコール(分子量約500)20
gをポリマー成分100gに対して加えた。薬剤として塩
化ベンザルコニウム1.0g,第2リン酸ナトリウム3.0g
およびアクリノール0.5gを準備し,これらを少量の水
に溶解させて共重合体溶液に加えた。さらにこのエチル
アルコールで希釈し,ポリマー濃度が28%の薬剤含有粘
着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材としてエチレン−酢酸ビ
ニル(70対30)共重合体をTダイ押出し法で製膜した厚さ
45μmのフィルムを用いた。このフィルムは片面にあら
かじめコロナ放電処理が施されている。本実施例(B)
項で得られた薬剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが30μ
mとなるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法に
より,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤層
を形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シー
トを得た。
ニル(70対30)共重合体をTダイ押出し法で製膜した厚さ
45μmのフィルムを用いた。このフィルムは片面にあら
かじめコロナ放電処理が施されている。本実施例(B)
項で得られた薬剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが30μ
mとなるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法に
より,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤層
を形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シー
トを得た。
本実施例の粘着シートは,殺菌・抗真菌性を有するた
め,例えば水虫疾患や真菌性皮膚疾患に好適に用いられ
る。粘着シートの使用時には適宜所望の大きさに裁断し
て用いられる。
め,例えば水虫疾患や真菌性皮膚疾患に好適に用いられ
る。粘着シートの使用時には適宜所望の大きさに裁断し
て用いられる。
実施例5 (A)共重合体の調製:実施例4(A)項と同様であ
る。
る。
(B)薬剤含有粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gに対し,可
塑材としてジグリセリン30g,オクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド30gおよびポリプロピレングリ
コール10gを加えた。さらに薬剤として抗ヒスタミン剤
である塩酸ジフェンヒドラミン4.0gを加え,エチルア
ルコールで希釈し,ポリマー濃度28%の薬剤含有粘着剤
溶液を得た。
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gに対し,可
塑材としてジグリセリン30g,オクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド30gおよびポリプロピレングリ
コール10gを加えた。さらに薬剤として抗ヒスタミン剤
である塩酸ジフェンヒドラミン4.0gを加え,エチルア
ルコールで希釈し,ポリマー濃度28%の薬剤含有粘着剤
溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材としてポリエーテル系ポ
リウレタン繊維からなる不織布(平均繊維長18mm,不織
布の1m2あたりの重量30g)とポリエーテル系ポリウ
レタンフィルム(厚さ20μm)とのドライボンド法によ
るラミネート体を用いた。本実施例(B)項で得られた
薬剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが40μmとなるよう
に剥離紙上に塗工した。これを用いて間接転写塗工法に
より,実施例1(C)項に準じて上記基材の不織布面側
に粘着剤層を形成した。
リウレタン繊維からなる不織布(平均繊維長18mm,不織
布の1m2あたりの重量30g)とポリエーテル系ポリウ
レタンフィルム(厚さ20μm)とのドライボンド法によ
るラミネート体を用いた。本実施例(B)項で得られた
薬剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが40μmとなるよう
に剥離紙上に塗工した。これを用いて間接転写塗工法に
より,実施例1(C)項に準じて上記基材の不織布面側
に粘着剤層を形成した。
実施例6 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
として3(アクリルアミド)イソペンチルトリメチルア
ンモニウムクロライド46.5g(0.2モル),第2共重合成
分としてアクリル酸ブチル76.8g(0.6モル)およびN
−ビニル−2−ピロリドン22.2g(0.2モル),多官能
性単量体として1・6−ヘキサングリコールジアクリル
酸エステル0.181g(0.08モル%),そして溶媒としてエ
チルアルコール85gを反応容器に仕込み実施例1(A)
項の方法に準じて重合反応を行った。但し触媒の量を0.
41gとした。得られた共重合体溶液は無色透明な粘稠液
であり,そのポリマー濃度は29.3%,21℃における粘度
は28,300cpsであった。
として3(アクリルアミド)イソペンチルトリメチルア
ンモニウムクロライド46.5g(0.2モル),第2共重合成
分としてアクリル酸ブチル76.8g(0.6モル)およびN
−ビニル−2−ピロリドン22.2g(0.2モル),多官能
性単量体として1・6−ヘキサングリコールジアクリル
酸エステル0.181g(0.08モル%),そして溶媒としてエ
チルアルコール85gを反応容器に仕込み実施例1(A)
項の方法に準じて重合反応を行った。但し触媒の量を0.
41gとした。得られた共重合体溶液は無色透明な粘稠液
であり,そのポリマー濃度は29.3%,21℃における粘度
は28,300cpsであった。
(B)薬剤含有粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑
剤としてグリセリン35gを加えた。さらに薬剤としてサ
ロコール5.0g,サリチル酸メチル2.0g,l−メントー
ル5.0g,dl−カンファー1.0g,チモール0.1gおよび
グリチルレチン酸0.5gからなる消炎鎮痛薬剤を加え
た。さらにエチルアルコールで希釈し,ポリマー濃度28
%の薬剤含有粘着剤溶液を得た。
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑
剤としてグリセリン35gを加えた。さらに薬剤としてサ
ロコール5.0g,サリチル酸メチル2.0g,l−メントー
ル5.0g,dl−カンファー1.0g,チモール0.1gおよび
グリチルレチン酸0.5gからなる消炎鎮痛薬剤を加え
た。さらにエチルアルコールで希釈し,ポリマー濃度28
%の薬剤含有粘着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材として縦系に綿糸,横系
にスパンデックスコアヤーンが使用された,横方向伸縮
性を有する織布を用いた。この基材の片面に毛焼加工を
施し,次いで,目止め・下塗加工を行った。目止め・下
塗加工は,天然ゴムにメタクリル酸メチルがグラフト重
合されたグラフト重合体(商品名 MG−30;グラ
フト化率30%)のトルエン溶液をキスロールコーターを
用い,該グラフト重合体が1m2あたり30gの量となる
ように塗布した。次に,本実施例(B)項で得られた薬
剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが80μmとなるように
剥離紙上に塗工した。これを用いて間接転写塗工法によ
り,実施例1(C)項に準じて上記基材の加工面に粘着
剤層を形成した。このようにして粘着剤層表面が剥離紙
で保護された消炎鎮痛用粘着シートが得られた。
にスパンデックスコアヤーンが使用された,横方向伸縮
性を有する織布を用いた。この基材の片面に毛焼加工を
施し,次いで,目止め・下塗加工を行った。目止め・下
塗加工は,天然ゴムにメタクリル酸メチルがグラフト重
合されたグラフト重合体(商品名 MG−30;グラ
フト化率30%)のトルエン溶液をキスロールコーターを
用い,該グラフト重合体が1m2あたり30gの量となる
ように塗布した。次に,本実施例(B)項で得られた薬
剤含有粘着剤溶液を乾燥後の厚さが80μmとなるように
剥離紙上に塗工した。これを用いて間接転写塗工法によ
り,実施例1(C)項に準じて上記基材の加工面に粘着
剤層を形成した。このようにして粘着剤層表面が剥離紙
で保護された消炎鎮痛用粘着シートが得られた。
実施例7 (A)粘着剤溶液の調製:(メタ)アクリルアミド誘導
体として3(アクリルアミド)イソペンチルトリメチル
アンモニウムクロライド81.4g(0.35モル),第2共重
合成分としてアクリル酸ブチル70.4g(0.55モル)およ
びメタクリル酸2−エチルヘキシル19.8g(0.1モ
ル),多官能性単量体として1・6−ヘキサングリコー
ルジアクリル酸エステル0.113g(0.05モル%)そして溶
媒としてイソプロピルアルコール75gを反応容器に仕込
み実施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行った。
但し触媒の量を0.41gとし,これを酢酸エチル50mlおよ
びイソプロピルアルコール50mlに溶解して用いた。得ら
れた共重合体溶液は,ポリマー濃度は30.3%,21℃での
粘度が25,200cpsの透明溶液であった。
体として3(アクリルアミド)イソペンチルトリメチル
アンモニウムクロライド81.4g(0.35モル),第2共重
合成分としてアクリル酸ブチル70.4g(0.55モル)およ
びメタクリル酸2−エチルヘキシル19.8g(0.1モ
ル),多官能性単量体として1・6−ヘキサングリコー
ルジアクリル酸エステル0.113g(0.05モル%)そして溶
媒としてイソプロピルアルコール75gを反応容器に仕込
み実施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行った。
但し触媒の量を0.41gとし,これを酢酸エチル50mlおよ
びイソプロピルアルコール50mlに溶解して用いた。得ら
れた共重合体溶液は,ポリマー濃度は30.3%,21℃での
粘度が25,200cpsの透明溶液であった。
(B)薬剤含有粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑
剤としてグリセリン30gおよびジメチルアルキルベタイ
ン(商品名 アノンAB;日本油脂社製)30gを加
えた。薬剤としては抗炎症剤であるジクロフェナックナ
トリウム10.0gを用い,これを少量の水に溶解して共重
合体溶液に加えた。さらにイソプロピルアルコールで希
釈し,ポリマー濃度28%の薬剤含有粘着剤溶液を得た。
得られた共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑
剤としてグリセリン30gおよびジメチルアルキルベタイ
ン(商品名 アノンAB;日本油脂社製)30gを加
えた。薬剤としては抗炎症剤であるジクロフェナックナ
トリウム10.0gを用い,これを少量の水に溶解して共重
合体溶液に加えた。さらにイソプロピルアルコールで希
釈し,ポリマー濃度28%の薬剤含有粘着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材として,エーテル系ポリ
ウレタンとγ−アルキル−l−グルタメートとの共縮重
合体(80対20)からなる厚さ50μmのフィルムを用いた。
このフィルムは工程紙の片面にキャスティング製膜され
ており,加工はこの工程紙をつけたまま行った。工程紙
は実施例1(C)項で使用したものと同質である。本実
施例(B)項で得られた薬剤含有粘着剤溶液を,乾燥後
厚さが40μmとなるように剥離紙上に塗工した。実施例
1(C)項に準じて間接転写塗工法により基材上に粘着
剤層を形成した。このようにして得られた粘着シート複
合体(工程紙と剥離紙とを有する粘着シート)を使用す
るときには,剥離紙を剥離して皮膚患部に仮貼付し,工
程紙を剥離した後,再圧着するのが好ましい。
ウレタンとγ−アルキル−l−グルタメートとの共縮重
合体(80対20)からなる厚さ50μmのフィルムを用いた。
このフィルムは工程紙の片面にキャスティング製膜され
ており,加工はこの工程紙をつけたまま行った。工程紙
は実施例1(C)項で使用したものと同質である。本実
施例(B)項で得られた薬剤含有粘着剤溶液を,乾燥後
厚さが40μmとなるように剥離紙上に塗工した。実施例
1(C)項に準じて間接転写塗工法により基材上に粘着
剤層を形成した。このようにして得られた粘着シート複
合体(工程紙と剥離紙とを有する粘着シート)を使用す
るときには,剥離紙を剥離して皮膚患部に仮貼付し,工
程紙を剥離した後,再圧着するのが好ましい。
実施例8 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
として,3(メタクリルアミド)プロピルメチルアンモ
ニウムクロライド33.1g(0.15モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル36.8g(0.2モ
ル),アクリル酸ブチル51.2g(0.4モル),ジアセト
ンアクリルアミド25.4g(0.15モル)およびN−ビニル
−2−ピロリドン11.1g(0.10モル),多官能性単量体
としてポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル
0.28g(0.03モル%)そして溶媒としてエチルアルコー
ル80gおよび酢酸エチル10gを反応容器中に仕込み,実
施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行った。但し
触媒の量を0.41gとした。得られた共重合体溶液はポリ
マー濃度が31.9%,21℃での粘度が22,100cpsの無色透
明な溶液であった。
として,3(メタクリルアミド)プロピルメチルアンモ
ニウムクロライド33.1g(0.15モル),第2共重合成分
としてアクリル酸2−エチルヘキシル36.8g(0.2モ
ル),アクリル酸ブチル51.2g(0.4モル),ジアセト
ンアクリルアミド25.4g(0.15モル)およびN−ビニル
−2−ピロリドン11.1g(0.10モル),多官能性単量体
としてポリエチレングリコールジメタクリル酸エステル
0.28g(0.03モル%)そして溶媒としてエチルアルコー
ル80gおよび酢酸エチル10gを反応容器中に仕込み,実
施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行った。但し
触媒の量を0.41gとした。得られた共重合体溶液はポリ
マー濃度が31.9%,21℃での粘度が22,100cpsの無色透
明な溶液であった。
(B)粘着剤溶液の調製:本実施例(A)項で得られた
共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑剤として
グリセリン20g,ポリプロピレングリコール25gおよび
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(カチ
オンAB;日本油脂社製)10gを加えた。さらにイソプ
ロピルアルコールで希釈し,ポリマー濃度が26.0%の粘
着剤溶液を得た。
共重合体溶液にポリマー成分100gあたり可塑剤として
グリセリン20g,ポリプロピレングリコール25gおよび
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(カチ
オンAB;日本油脂社製)10gを加えた。さらにイソプ
ロピルアルコールで希釈し,ポリマー濃度が26.0%の粘
着剤溶液を得た。
(C)粘着シートの調製:基材として,厚さ60μmの軟
質ポリエチレンフィルムを用いた。このフィルムはあら
かじめその片面にコロナ放電処理が施されている。本実
施例(B)項で得られた粘着剤溶液を乾燥後の厚さが40
μmとなるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法
により,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤
層を形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シ
ートを得た。
質ポリエチレンフィルムを用いた。このフィルムはあら
かじめその片面にコロナ放電処理が施されている。本実
施例(B)項で得られた粘着剤溶液を乾燥後の厚さが40
μmとなるように剥離紙上に塗工した。間接転写塗工法
により,実施例1(C)項に準じて上記基材上に粘着剤
層を形成し,粘着剤層表面が剥離紙で保護された粘着シ
ートを得た。
このような粘着シートは,いわゆるビニール絆創膏とし
て利用されるほか,口腔内の炎症部の保護・治療や人工
肛門などの所定の場所への長時間の保持・固定などにも
好適に用いられる。
て利用されるほか,口腔内の炎症部の保護・治療や人工
肛門などの所定の場所への長時間の保持・固定などにも
好適に用いられる。
実施例9 (A)共重合体の調製:(メタ)アクリルアミド誘導体
として,3(メタアクリルアミド)プロピルトリメチル
アンモニウムクロライド22.1g(0.1モル),第2共重
合成分としてアクリル酸ブチル64.0(0.5モル)およびア
クリル酸2−エチルヘキシル73.6g(0.4モル),多官
能性モノマーとして1・6−ヘキサングリコールジメタ
クリル酸エステル0.100g(0.04モル%),そして溶媒と
してイソプロピルアルコール80gを反応容器中に仕込
み,実施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行っ
た。但し触媒の量を0.38gとし,希釈溶媒としてイソプ
ロピルアルコールと酢酸エチルとの混合溶媒(60対40)を
使用した。得られた共重合体溶液はポリマー濃度が28.7
%,21℃での粘度が21,400cpsの無色透明な溶液であっ
た。
として,3(メタアクリルアミド)プロピルトリメチル
アンモニウムクロライド22.1g(0.1モル),第2共重
合成分としてアクリル酸ブチル64.0(0.5モル)およびア
クリル酸2−エチルヘキシル73.6g(0.4モル),多官
能性モノマーとして1・6−ヘキサングリコールジメタ
クリル酸エステル0.100g(0.04モル%),そして溶媒と
してイソプロピルアルコール80gを反応容器中に仕込
み,実施例1(A)項の方法に準じて重合反応を行っ
た。但し触媒の量を0.38gとし,希釈溶媒としてイソプ
ロピルアルコールと酢酸エチルとの混合溶媒(60対40)を
使用した。得られた共重合体溶液はポリマー濃度が28.7
%,21℃での粘度が21,400cpsの無色透明な溶液であっ
た。
(B)粘着剤溶媒の調製:本実施例(A)項で得られた
共重合体溶液に,そのポリマー成分100gあたり,可塑
剤としてグリセリン20gおよびグリセリンモノステアリ
ン酸エステル10gを加えた。さらにイソプロピルアルコ
ールと酢酸エチルの混液(1対1)を用いた希釈し,ポ
リマー濃度が25.0%の粘着剤溶液を得た。
共重合体溶液に,そのポリマー成分100gあたり,可塑
剤としてグリセリン20gおよびグリセリンモノステアリ
ン酸エステル10gを加えた。さらにイソプロピルアルコ
ールと酢酸エチルの混液(1対1)を用いた希釈し,ポ
リマー濃度が25.0%の粘着剤溶液を得た。
(C)粘着テープの調製:基材として平均繊維長が20mm
レーヨン不織布(厚さ150μm;1m2あたり約40g)
を用いた。このレーヨン不織布はあらかじめその片面に
剥離処理がなされている。この剥離処理は,剥離剤のメ
チルエチルケトン溶液をグラビヤ式塗工機を用いて塗布
・乾燥して行われた。剥離剤としては弗素化アルキル基
を一成分とするA−B型ブロックポリマー(モディパー
F;日本油脂社製)を用いた。この剥離剤を30%メチル
エチルケトン溶液とし,レーヨン不織布上に1.3g/m
2となるように塗布した。
レーヨン不織布(厚さ150μm;1m2あたり約40g)
を用いた。このレーヨン不織布はあらかじめその片面に
剥離処理がなされている。この剥離処理は,剥離剤のメ
チルエチルケトン溶液をグラビヤ式塗工機を用いて塗布
・乾燥して行われた。剥離剤としては弗素化アルキル基
を一成分とするA−B型ブロックポリマー(モディパー
F;日本油脂社製)を用いた。この剥離剤を30%メチル
エチルケトン溶液とし,レーヨン不織布上に1.3g/m
2となるように塗布した。
本実施例(B)項で得られた粘着剤溶液はその乾燥後の
厚さが40μmとなるように剥離紙上に塗工した。剥離紙
に塗工された粘着剤層を上記基材の非剥離処理面側に転
写しつつ剥離紙を剥離し,得られた粘着シートを紙製ロ
ール芯体上に約10m(定尺)巻き取った。このロール状
の粘着シートを10mm,15mm,25mmなど所望の幅を有するよ
うに適宜輪切り状に切断して粘着テープを得た。
厚さが40μmとなるように剥離紙上に塗工した。剥離紙
に塗工された粘着剤層を上記基材の非剥離処理面側に転
写しつつ剥離紙を剥離し,得られた粘着シートを紙製ロ
ール芯体上に約10m(定尺)巻き取った。このロール状
の粘着シートを10mm,15mm,25mmなど所望の幅を有するよ
うに適宜輪切り状に切断して粘着テープを得た。
本実施例で得られたロール状の粘着テープは,絆創膏と
して種々の目的に利用されうる。例えば,外傷部手当て
用ガーゼなどの保持・固定,小傷口癒着のための引っ張
り固定,包帯処置部を外部から巻回することによる包帯
の固定・ずれの防止などに好適に用いられる。このよう
な医療用のほか,顔面の小皺伸ばしや毛髪を束ねるなど
の美容目的にも好適に用いられる。
して種々の目的に利用されうる。例えば,外傷部手当て
用ガーゼなどの保持・固定,小傷口癒着のための引っ張
り固定,包帯処置部を外部から巻回することによる包帯
の固定・ずれの防止などに好適に用いられる。このよう
な医療用のほか,顔面の小皺伸ばしや毛髪を束ねるなど
の美容目的にも好適に用いられる。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,粘着性に優れ内部凝集力
が高く劣化しにくいなどのアクリル系粘着剤の持つ優れ
た特徴を有し,かつ親水性に優れたアクリル系粘着剤を
有する医療用粘着シートもしくはテープが得られる。こ
の粘着剤は親水性を有するためシートもしくはテープを
濡れた(湿った)皮膚表面へも接着することが可能であ
り,貼付時に発汗しても容易に剥離しない。シートもし
くはテープの貼付時に周囲に粘着剤がはみ出したり,剥
離後に粘着剤が皮膚上に残留した場合においても,それ
を水で容易に洗浄・除去することが可能である。粘着剤
中には水溶性薬剤を高濃度で溶解させることができる。
そのため,従来調製が困難であった水溶性薬剤を高単位
で含有する治療用粘着シートもしくはテープを容易に得
ることが可能である。
が高く劣化しにくいなどのアクリル系粘着剤の持つ優れ
た特徴を有し,かつ親水性に優れたアクリル系粘着剤を
有する医療用粘着シートもしくはテープが得られる。こ
の粘着剤は親水性を有するためシートもしくはテープを
濡れた(湿った)皮膚表面へも接着することが可能であ
り,貼付時に発汗しても容易に剥離しない。シートもし
くはテープの貼付時に周囲に粘着剤がはみ出したり,剥
離後に粘着剤が皮膚上に残留した場合においても,それ
を水で容易に洗浄・除去することが可能である。粘着剤
中には水溶性薬剤を高濃度で溶解させることができる。
そのため,従来調製が困難であった水溶性薬剤を高単位
で含有する治療用粘着シートもしくはテープを容易に得
ることが可能である。
この粘着剤は吸水性および透湿性に優れ,そのため,シ
ートもしくはテープを長時間皮膚に貼付しても蒸れによ
るかぶれはほとんどおこらない。さらに,粘着剤自体が
殺菌(抗菌)性を有するため,細菌などの二次感作によ
るかぶれを生じない。さらに,粘着剤自体が導電性を有
するため帯電防止効果が大きく,そのため,例えば,ロ
ール状の粘着テープを巻きもどしたときに静電気により
目的外の物体に付着したり,火花放電による引火の危険
もない。
ートもしくはテープを長時間皮膚に貼付しても蒸れによ
るかぶれはほとんどおこらない。さらに,粘着剤自体が
殺菌(抗菌)性を有するため,細菌などの二次感作によ
るかぶれを生じない。さらに,粘着剤自体が導電性を有
するため帯電防止効果が大きく,そのため,例えば,ロ
ール状の粘着テープを巻きもどしたときに静電気により
目的外の物体に付着したり,火花放電による引火の危険
もない。
このような医療用粘着シートもしくはテープは,外傷部
を保護したり,骨折部などを固定するためのシート状も
しくはテープ状の絆創膏として使用されるほか,例えば
点滴を行うときにその静注針を皮膚表面に固定したり,
人工肛門などの医療用部材を所定の場所に固定・密着さ
せるためにも好適に用いられる。手術時のドレープ用に
も利用されうる。また,各種薬剤を含有する貼付剤とし
ても利用されえ,特に,水溶性の薬剤が高含量に含有さ
れる貼付剤が容易に得られうる。顔面の深皺伸ばしや髪
の固定・造形など美容目的にも用いられる。
を保護したり,骨折部などを固定するためのシート状も
しくはテープ状の絆創膏として使用されるほか,例えば
点滴を行うときにその静注針を皮膚表面に固定したり,
人工肛門などの医療用部材を所定の場所に固定・密着さ
せるためにも好適に用いられる。手術時のドレープ用に
も利用されうる。また,各種薬剤を含有する貼付剤とし
ても利用されえ,特に,水溶性の薬剤が高含量に含有さ
れる貼付剤が容易に得られうる。顔面の深皺伸ばしや髪
の固定・造形など美容目的にも用いられる。
Claims (8)
- 【請求項1】(メタ)アクリルアミド誘導体を共重合成
分とする共重合体を主成分とする粘着剤の層が基材の少
なくとも片面に設けられた医療用粘着シートもしくはテ
ープであって、該(メタ)アクリルアミド誘導体は、4
級アンモニウム塩を有する飽和炭化水素基が、(メタ)
アクリルアミドのアミド性水素原子の1個と置換した、
下記一般式の単量体である医療用粘着シートもしくはテ
ープ。 (ここで、R1はHまたはCH3;R2は炭素数1〜6の飽和
炭化水素基;R3、R4及びR5は炭素数1〜3のアルキル
基;そしてXはハロゲン原子である。) - 【請求項2】前記共重合体が、前記(メタ)アクリルア
ミド誘導体でなる共重合成分の他に、第2の共重合成分
としてアルキル基の炭素数が12以下であるアクリル酸
アルキルエステルおよび/または脂肪酸のアルキル基の
炭素数が12以下であるビニルアルコール脂肪酸エステ
ルを主成分とする単量体を含有する特許請求の範囲第1
項に記載のシートもしくはテープ。 - 【請求項3】前記共重合体中に前記第1の共重合成分が
2モル%〜60モル%の割合で含有される特許請求の範
囲第1項に記載のシートもしくはテープ。 - 【請求項4】前記共重合体中に前記第2の共重合成分が
98モル%〜40モル%の割合で含有される特許請求の
範囲第1項、第2項または第3項に記載のシートもしく
はテープ。 - 【請求項5】前記第2の共重合成分が、前記アクリル酸
アルキルエステルおよび/または前記ビニルアルコール
脂肪酸エステルを50モル%以上の割合で含有する特許
請求の範囲第2項に記載のシートもしくはテープ。 - 【請求項6】前記粘着剤が、水と親和性を有する可塑剤
を含有する特許請求の範囲第1項に記載のシートもしく
はテープ。 - 【請求項7】前記粘着剤が、前記共重合体を40〜10
0重量%の割合で、そして可塑剤を60〜0重量%の割
合で含有する特許請求の範囲第1項または第6項に記載
のシートもしくはテープ。 - 【請求項8】前記粘着剤に薬剤が含有される特許請求の
範囲第1項に記載のシートもしくはテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60027119A JPH0649066B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | 医療用粘着シ−トもしくはテ−プ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60027119A JPH0649066B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | 医療用粘着シ−トもしくはテ−プ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61187867A JPS61187867A (ja) | 1986-08-21 |
JPH0649066B2 true JPH0649066B2 (ja) | 1994-06-29 |
Family
ID=12212172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60027119A Expired - Lifetime JPH0649066B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | 医療用粘着シ−トもしくはテ−プ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0649066B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020040104A1 (ja) | 2018-08-21 | 2020-02-27 | 杏林製薬株式会社 | 2環性ヘテロ芳香環誘導体 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS642651A (en) * | 1987-02-13 | 1989-01-06 | Nikko Yakuhin Kk | Preparation of adhesive plaster containing mercurochrome |
JP2000189453A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-11 | Nichiban Co Ltd | 医療用粘着テ―プ |
GB2356145B (en) * | 1999-11-10 | 2004-07-28 | Mas Mfg Ltd | Dressing |
BR112012029541A2 (pt) * | 2010-05-25 | 2016-12-06 | 3M Innovative Properties Co | artigos médicos revestidos com microbicida |
-
1985
- 1985-02-14 JP JP60027119A patent/JPH0649066B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020040104A1 (ja) | 2018-08-21 | 2020-02-27 | 杏林製薬株式会社 | 2環性ヘテロ芳香環誘導体 |
EP3842439A4 (en) * | 2018-08-21 | 2022-04-27 | Kyorin Pharmaceutical Co., Ltd. | BICYCLIC HETEROAROMATIC RING DERIVATIVE |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS61187867A (ja) | 1986-08-21 |
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