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JPH064866B2 - モリブデンを含有する潤滑剤組成物 - Google Patents

モリブデンを含有する潤滑剤組成物

Info

Publication number
JPH064866B2
JPH064866B2 JP60127309A JP12730985A JPH064866B2 JP H064866 B2 JPH064866 B2 JP H064866B2 JP 60127309 A JP60127309 A JP 60127309A JP 12730985 A JP12730985 A JP 12730985A JP H064866 B2 JPH064866 B2 JP H064866B2
Authority
JP
Japan
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compound
molybdenum
sulfur
acid
oil
Prior art date
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Application number
JP60127309A
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JPS61285292A (ja
Inventor
仁 梅村
正則 小西
有年 福島
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP60127309A priority Critical patent/JPH064866B2/ja
Priority to US06/871,647 priority patent/US4692256A/en
Priority to DE8686107959T priority patent/DE3676877D1/de
Priority to EP86107959A priority patent/EP0205165B1/en
Priority to AT86107959T priority patent/ATE60085T1/de
Priority to CA000511488A priority patent/CA1266858A/en
Publication of JPS61285292A publication Critical patent/JPS61285292A/ja
Publication of JPH064866B2 publication Critical patent/JPH064866B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は潤滑油添加剤として有用な新規な油溶性モリブ
デン化合物に関するものである。
特に本発明は、酸化防止性、摩耗防止性、摩耗緩和性、
鉱油溶解性に優れ、かつ、特に銅、鉄等の金属に対する
腐食性に優れた油溶性のモリブデン化合物を含有する潤
滑剤組成物に関するものである。
〔従来の技術及び問題点〕
従来、エンジン油用等の潤滑添加剤としては、種々の組
成物が知られているが、近年省資源、省エネルギーの観
点から潤滑剤添加剤に要求される性能は、増々厳しくな
っている。摩耗防止性等を改善には、従来から、ジンク
ジチオフォスフェート(以下ZDTPという)が汎用的に使
用されており、又、特公昭40−8426、特公昭44−27366
或いは特開昭56−110796等に開示されている様にジアル
キルホスロジチオン酸硫化オキシモリブデン(以下Mo-D
TPという)も使用されている。
しかしながら、これら、ZDTP、Mo-TDPはいづれもリン原
子を含有するものであり、大気汚染の防止対策の一環と
しての自動車排気浄化触媒のリンによる被毒に対する配
慮のために、添加できるリンの総量が制限されているの
で、これらの化合物の使用量には限度がある。
一方、モリブデンジチオカーバメート(以下Mo-DTCとい
う)型の化合物も数多く報告されている(特公昭49−63
62、特公昭51−964、特公昭53−31646、特公昭56−1263
8他)。
これらの化合物は触媒被毒という点では問題ないものの
潤滑性が不満足、鉱油等の基油への溶解性が悪いという
大きな欠点を有している。
これら既知のZDTP、Mo-DTP、Mo-DTCは今まで記したよう
にそれぞれ種々の欠点を有するが、共通する大きな欠点
として、金属に対する腐食性の大きい事があげられる。
〔問題点を解釈するための手段〕
従来、潤滑添加剤として有用な有機モリブデン化合物
は、その分子内に硫黄原子を含有する事が必須とされて
いた。つまり、分子内に含有するモリブデンと硫黄によ
り潤滑面に二硫化モリブデンが生成する事で潤滑性能が
発揮されるとされていた。しかしながら、本発明者ら
は、この分子内に含有される活性な硫黄原子が金属の腐
食という点では、悪影響を及ぼしているのではないかと
考え、この相矛盾する2つの点を解決すべく鋭意研究を
行なった。その結果、驚くべき事に、還元モリブデン酸
とアミンの反応による生成物は単品では循滑添加剤とし
ての性能はほとんど有しないものの、硫黄含有化合物と
組合せる事により非常に良好な潤滑性能を有する事は判
明した。
つまり、本発明の潤滑剤組成物は三酸化モリブデン、モ
リブデン酸又はそのアルカリ塩を還元剤を使用して還元
した後、アミノ性窒素原子含有化合物と反応させて製造
した新規な油溶性モリブデン化合物と、硫黄含有化合物
とを必須の成分として含有し、従来から使用されてい
る、ZDTP、Mo-DTP、Mo-DTCと同等以上の潤滑性能を有
し、かつ金属腐食性に優れたものである。
ここで使用されるモリブデ酸は酸でもそのアルカリ塩で
も良く、又、三酸化モリブデンでも良いが、全体が均一
に水に溶解する程度にモリブデ酸アルカリ塩を含有する
方が望ましい。ここで使用されるアルカリ塩としては、
ソーダ塩、カリ塩、アンモニウム塩等が例示される。
モリブデン酸の濃度は特に限定されないが、アミンとの
反応、後処理等のやりやすさから、水中に5〜40重量%
程度、好ましくは10〜20重量%程度存在させるのがよ
い。尚、かならずしも完全に溶解している必要はなく、
分散状態でも反応は進行する。
モリブデン酸及びその塩と還元剤の反応は水中で室温か
ら100℃の間で行なわれる。反応の時間は、例えばソジ
ウムハイドロサルファイトを使用した場合50℃で2時間
以内、100℃で1時間以内で充分である。他の還元剤を
使用した場合は、その還元剤の還元力に応じた時間、温
度を選択する必要がある。
使用される還元剤の量は、モリブデン酸及びその塩に対
し1:0.5〜1:5当量であるのが良く、特に1:1等
量使用するのが好ましい。
ここで使用される還元剤としては、6価のモリブデンを
5価又は4価に還元できるものすべてが使用可能であ
り、たとえば、スルホキシル酸ナトリウム、亜二チオン
酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二チ
オン酸ナトリウム、又はそれらのその他のアルカリ金属
塩又はアルカリ土類金属塩、硫化水素、二酸化硫黄等の
還元性硫黄化合物、グルコース、マルトース、ラクトー
ス、マルトトリオース、マンニノトリオース等の還元
糖、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド等のアルデヒド類、蟻酸、シュウ酸、アスコ
ルビン酸等の還元性酸及びその塩よりなる群から選ばれ
た一種又は二種以上の化合物等が挙げられる。
還元したモリブデン酸とアミン類の反応は、室温から10
0℃の間で行なわれる。反応の時間は特に限定されない
が0.5〜5時間程度、通常1時間前後で行なわれる。モ
リブデン酸及びその塩とアミン類のモル比は、1:1〜
1:4の間が良く、特に1:2前後が良い。これ以上、
アミン類が少い場合、油溶性及び収率が悪くなり、多い
場合は未反応のアミン類が残る事になる。
その後当初使用したモリブデン酸のアルカリ塩のアルカ
リに相当する量の酸で中和し、水を分離する事により油
溶性モリブデン化合物が得られる。
使用されるアミノ性窒素原子含有化合物としては炭素数
6〜24程度のモノアミン、たとえば、メチルアミン、エ
チルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-オ
クチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミンの如
き直鎖一級アミン、イソプロピルアミン、イソブチルア
ミン、2-エチルヘキシルアミン、分枝トリデシルアミン
の如き分枝一級アミン、シクロヘキシルアミン、2-メチ
ルシクロヘキシルアミンの如き脂環一級アミン、ベンジ
ルアミン、4-メチルベンジルアミンの如き芳香族置換基
を持つ一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジ-n-プロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジ-n-オク
チルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミンの
如き直鎖二級アミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブ
チルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミン、分枝ジ(ト
リデシル)アミンの如き分枝二級アミン、ジシクロヘキ
シルアミン、ジ-2-メチルシクロヘキシルアミンの如き
脂環二級アミン、ジベンジルアミン、ジ-4-メチルベン
ジルアミンの如き芳香環置換基をもつ二級アミン、メチ
ル・n-ブチルアミン、エチル・ラウリルアミン、エチル
・ステアリルアミン、イソプロピル・n-オクチルアミ
ン、イソブチル・2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキ
シル・2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキシル・ベン
ジルアミン、ステアリル・ベンジルアミン、2-エチルヘ
キシル・ベンジルアミンの如き非対称二級アミン、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルア
ミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-n-オクチルアミン、
トリラウリルアミン、トリステアリルアミンの如き直鎖
三級アミン、トリイソプロピルアミン、トリイソブチル
アミン、トリ-2-エチルヘキシルアミン、分枝トリ(ト
リデシル)アミンの如き分枝三級アミン、トリシクロヘ
キシルアミンの如き脂環三級アミン、トリベンジルアミ
ン、トリ-4-メチルベンジルアミンの如き芳香環置換基
を持つ三級アミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチル
ラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジエチル
ラウリルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシ
クロヘキシルアミンの如き混合炭化水素基を有する三級
アミン等、及び分子量70〜250,000程度の炭化水素基を
持ち、アミノ窒素原子を持つサクシンイミドカルボン酸
アミド及び炭化水素系ポリアミン等の分散剤的アミノ化
合物もしくはこれらの混合物が例示される。
これらアミン類の中で、生成物の油溶性の点で特に好ま
しいのは炭素数6〜24のジアルキルアミンであり、炭素
数がこれより短いと油への溶解性が悪く、潤滑油として
使用されるベースオイルの油種が限られる。又、炭素数
がこれより長い場合、製品に含まれる有効なモリブデン
濃度が低くなる。
又、一般に一級アミンは、油への溶解性が悪く、三級ア
ミンは、製品の収率が悪くなる。
アミンとしてポリアルキレンポリアミンのサクシンイミ
ド等、通常無灰型分散剤として潤滑油に使用されるアミ
ン類を使用した場合は、特にベースオイルへの溶解速度
が速く、かつ分散剤としての機能も有する組成物が得ら
れる。
中和剤として使用される酸はどのような酸でも使用可能
であるが、コスト及び反応後の水層分離性の点から、塩
酸、硫酸等の鉱酸がより望ましい。
本発明のもう一方の必須成分である、硫黄を含有する化
合物は、ほとんどすべての含硫黄化合物が使用可能であ
り、本発明のモリブデン化合物がリンを含まないので、
含リン化合物も使用でき、又、モリブデンと硫黄を含む
化合物を使用すると総モリブデン量は従来と変らず、金
属腐食性の小さな組成物が得られる。含硫黄化合物とし
ては硫化脂肪酸、硫化油脂、硫化オレフィン、ジベンジ
ルジスルフィド等のジスルフィド化合物、二硫化ブチル
フェノールチオカーバメート等のチオカーバメート類、
テトラアルキルチオパーオキシフォスフェート等のリ
ン、硫黄含有化合物、モリブデンジチオカーバメート、
モリブデンジチオフォスフェート、ジンクジチオフォス
フェート等が例示される。
この中で一般式 (式中R1は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
ても良い)で示される化合物を使用した場合は、特に摩
擦係数低下、摩耗防止性に優れた組成物となる。
又、一般式 (式中R2は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
ても良い)で示される化合物、および一般式 (式中R4は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
ても良くXはS又はOである)で示される化合物を使用
した場合も摩擦係数低下、摩耗防止性の点で特に優れた
組成物となる。
又、一般式 (式中R3は炭素数7〜24は炭化水素基で同一で異なって
も良く、XはS又はOである)で示される化合物を使用
した場合、摩擦係数低下能は前3者より若干劣るもの
の、摩耗防止能に優れた組成物となる。
モリブデ化合物と含硫黄化合物の割合は、モリブデン1
原子に対して硫黄原子が0.5以上、好ましくは1.5以上で
あるのが良い。上限は特になく、含硫黄化合物が潤滑剤
の添加剤として多量に添加される場合もある。しかしな
がら、通常上限はモリブデン/硫黄比が50程度である。
本発明の組成物は潤滑剤添加剤として有用である。潤滑
剤は通常基油又は基剤、用途に応じて添加される各種添
加剤等とから構成されており、本発明の組成物は、これ
らの基油・基剤、添加剤と適宜併用することができる。
基油・基剤としては、天然油には動物油や植物油、石油
から得られた油及びパラフィン系、ナフテン系またはこ
れらの混合物などが挙げられる。
合成潤滑剤油には、オレフィンの重合体及び、共重合体
(例えばポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレ−イ
ソブチレン共重合体、塩化ポリブチレン、ポリ(1−ヘ
キセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)
等及びこれらの混合物、アルキルベンゼン(例えばドデ
シルベンゼン、テトラドデシルベンゼン、ジノニルベン
ゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン等)、ポリフ
ェニル(例えばビフェニル、テルフェニル、アルキルポ
リフェニル等)、アルキルジフェニルエーテル及びアル
キル硫化ジフェニル並びにこれらの誘導体、類似体及び
同族体等のような炭化水素油及びハロゲン置換炭化水素
油が含まれる。エチレンオキシド又はプロピレンオキシ
ドの重合によって得られた油、これらのポリオキシアル
キレンポリマーのアルキル及びアリールエーテル、又こ
れらの1価又は多価カルボン酸エステル又はジエステル
が挙げられる。又、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、
コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、
セバシン酸、アジピン酸、リノール酸二量体等)と種々
のアルコールのエステルが含まれる。又、有用なエステ
ルとしては、ネオペンチルグリコール、トリエチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール等の多価アルコールエ
ーテルからつくられるエステルも含まれる。又、ポリア
ルキルー、ポリアリールー、ポリアルコキシ−又はポリ
アリーロキシ−シロキサン油及びケイ酸塩油のようなケ
イ酸系油、リンを含む酸の液状エステル(TCP、TOP、デ
シルホスホン酸のジエチルエステル)などが含まれる。
用途に応じて添加される各種添加剤としては、例えば灰
生成又は無灰タイプの補助清浄剤及び分散剤、腐食及び
酸化防止剤、流動点降下剤、極圧剤、油性剤、着色剤及
び消泡剤等が挙げられる。
灰生成清浄剤は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
硫酸、カルボン酸、又はオレフィンポリマーを三塩化リ
ン、五硫化リン、三塩化リンと硫黄等のリン化剤で処理
して得られる炭素とリンが直接結合している結合を少な
くとも一つ有する有機リン酸等の脂溶性の中性又は塩基
性塩に代表される。最もよく用いられるものはナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
ストロンチウム及びバリウムの塩である。
無灰清浄剤としては、カルボン酸系分散剤、アミン分散
剤、マンニッヒ分散剤、デシルメタクリレート、ビニル
デシルエーテル及び大きな分子量のオレフィン等のよう
な脂溶性のモノマーとアミノアルキルアクリレート等の
ような極性のある置換基を含むモノマーとの共重合体が
油性剤、極圧剤、腐食及び酸化防止剤は次のようなもの
に代表される。
1)塩化脂肪族炭化水素 2)二硫化ベンジル、二流化ビス(クロロベンジル)、
四硫化ジブチル、オレフィン酸の硫化メチルエステル、
硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン及び硫化テル
ペンの有機硫化物及びポリ硫化物 3)硫化リンとテレピン及びオレフィン酸メチルの反応
生成物のようなリン硫化炭化水素 4)亜リン酸のジブチル、ジヘプチル、ジシクロヘキシ
ル、ペンチルフェニル、ジペンチルフェニル、ジオクチ
ル、トリデシル、ジステアリル、ジメチルナフチル、ジ
イソブチル置換フェニル等の二炭化水素及び三酸化水素
亜リン酸エステルを主に含むリンエステル、トリクレジ
ルホスフェー、トリオクチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、ノニルフェ
ニルホスフェート等のリン酸エステル 5)ジオクチルカルバミン酸亜鉛、ジイソアミンジチオ
カルバミン酸亜鉛及びヘプチルフェニルジチオカルバミ
ン酸バリウム、ジイソアミルチオカルバミン酸アンチモ
ン、ジトリデシルジチオカルバミン酸硫化オキシモリブ
デン、ジ-2-エチルヘキシルジチオカルバミン酸硫化オ
キシモリブデン、ジブチルジチオカルバミン酸硫化オキ
シモリブテン等のチオカルバミン酸金属塩 6)ジシクロヘキシルホスホロジチオ酸亜鉛、ジオクチ
ルホスホロジチオ酸亜鉛、ジ(ヘプチルフェニル)ホス
ホロジチオ酸バリウム、ジノニルホスホロジチオ酸カド
ミウム、及び五硫化リンとイソプロピルアルコール及び
n−ヘキシルアルコールの等モル量混合物との反応によ
り得られるホスホロジチオ酸の亜鉛塩等のようなホスホ
ロジチオ酸の第II族金属塩、ホスホロジチオン酸硫化オ
キシモリブデン塩 7)オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ステ
アリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸のような油性
剤 これらの中で、硫黄を含有する化合物は、本発明の要件
の一つである硫黄を含有する化合物を兼ねて使用される
ことになる。
本発明の組成物を使用した潤滑剤の用途としては、特に
限定されず、具体的用途としては、自動車及びトラック
エンジン、2サイクルエンジン、航空機用ピストンエン
ジン、船舶用及び機関車用ディーゼルエンジン等を含む
火花点火式及び圧縮点火式の内燃機関のクランクケース
潤滑油、またガスエンジン、定置動力エンジン及びター
ビン等の潤滑油、自動トランスミッション液体、トラン
スアクスル潤滑体、ギャ潤滑剤、金属加工潤滑剤、水圧
液体及び他の潤滑油やグリース組成物等を例示すること
ができる。
〔実施例〕
実施例−1 窒素気流下でモリブデン酸ナトリウム1モルを水540ml
に溶解させ、ソジウムハイドロサルファイト0.17モルを
添加、50〜60℃で約1時間還元反応を行なった。次いで
2モルのジトリデシルアミンを50〜6℃に保ちつつ、1
時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。この後、
30%硫酸水1モルで中和し、水層を分離除去し、減圧脱
水を行い緑色オイル状生成物810gを得た。モリブデン
含有量は11.0%であり、モリブデンについての収率は9
2.8%であった。
実施例−2 窒素気流下でモリブデン酸ナトリウム1モルを水540ml
に溶解させ、ソジウムハイドロサルファイト0.17モルを
添加、50〜60℃で約1時間還元反応を行なった。次いで
1モルのジ(2-−エチルヘキシル)アミンを50〜60℃に
保ちつつ、1時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成し
た。この後30%硫酸水1モルで中和し水層を分離除去
し、減圧脱水を行ない、濃緑色オイル状生成475gを得
た。モリブデン含有量は13.2%であり、モリブデンにつ
いての収率は65.3%であった。
実施例−3 窒素気流中、三酸化モリブデン1モルを水540mlに分散
させ、苛性ソーダ0.8モルを添加、均一溶液とした後ソ
ジウムハイドロサルファイト0.17モルを添加、50〜60℃
で約1時間還元反応を行なった。次いで2モルのジベン
ジルアミンを50〜60℃に保ちつつ1時間で滴下、さらに
同温度で1時間熟成した。この後、30%塩酸水0.8モ
ルで中和し水層を分離除去、減圧脱水を行ない、緑青色
オイル状生成物450gを得た。モリブデン含量は18.8%
であり、モリブデンについての収率は88.1%であった。
実施例−4 窒素気流中でモリブデン酸ナトリウム1モルを水540ml
に溶解させ、ソジウムハイドロサルファイド0.17モルを
添加、50〜60℃で約1時間還元反応を行なった。次いで
2モルのトリデシルアミンを50〜60℃に保ちつつ1時間
で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。この後30%硫
酸水1モルで中和し水層を分離除去し減圧脱水を行ない
緑色オイル状生成505gを得た。モリブデン含有量は17.
8%でありモリブデンについての収率は、93.6%であっ
た。
実施例−5 窒素気流中でモリブデン酸ナトリウム1モルを水540ml
に溶解させ、ソジウムハイドロサルファイド0.17モルを
添加、50〜60℃で約1時間還元反応を行なった。次いで
2モルのジメチルラウリルアミンを50〜60℃に保ちつつ
1時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。この
後、30%硫酸水1モルで中和し水層を分離除去し、減圧
脱水を行ない緑かっ色オイル状生成物505gを得た。モ
リブデン含有量は12.5%であり、モリブデンについての
収率は、65.8%であった。
実施例−6 実施例1と同様に製造した還元モリブデン酸ソーダ液1
モルに2モルのサクシンイミド(分子量約1,000のポリ
イソブテニル基を持つコハク酸無水物とテトラエチレン
ペンタミン反応物を50%含有する鉱油溶液)を250mlの
ベンゼンに溶解した液として50〜60℃に保ちつつ1時間
で滴下、さらに同温度で2時間熟成した。この後30%硫
酸水1モルで中和し、水層を分離除去し、減圧脱水、脱
ベンゼンを行ない、緑かっ色オイル状生成物4,055gを
得た。モリブデン含有量は2.2%であり、モリブデンに
ついての収率は92.9%であった。
実施例−7 実施例−1と同様に製造した還元モリブデン酸ソーダ液
1モルに2モルのベンジルポリアミン(ベンジルクロラ
イドとジエチレントリアミン2:1反応物を50%含有す
る鉱油溶液)を200mlのベンゼンに溶解した液として、
実施例−6と同様に反応後処理を行ない、濃緑色オイル
状生成物1,180gを得た。モリブデン含有量は7.2%であ
り、モリブデンについての収率は88.5%であった。
実施例−8 実施例1,2,3,4,5,6,7で得られた化合物、
及び比較として市販のMo-DTP、Mo-DTCを市販エンジン油
(SDクラス・10W-30、硫黄含量0.24重量%)にモリブデ
ン含量として0.1重量%溶解し、銅板を入れ、100℃、3
時間加熱した銅板に対する腐食性を試験した(ASTM D-1
30に準拠)。
結果を表1に示す。
実施例−9 実施例−1〜7で得られた化合物及び比較品の酸化防止
性及び金属腐食性をTOST法による油の劣化試験によ
り比較した。
試験方法 JIS-K-2514タービン油酸化安定度試験に準じた試験。98
℃×480時間、触媒;鋼線及び銅線、基油;市販ギャー
油(ISO粘度220、硫黄含量1.31重量%)、濃度;モリブ
デンとして0.1重量% 結果を表2に示す。
実施例−10 実施例1〜7で得られた化合物と各種硫黄含有化合物を
配合した組成物を150ニュートラル油にモリブデン含量
として0.06重量%溶解し、摩耗防止性をシェル4球試験
機で測定した(油温80℃、荷重40kg、1,800回転に於け
る30分後の摩耗痕の直径で表示)。又、摩擦係数を振子
型油性試験機で測定した(油温80℃、荷重600g、50回
の平均)。
結果を表3に示す。
実施例−11 各実施例、比較例で得られた化合物を往復振動摩擦試験
機で摩擦低減効果を測定した(油温120℃、荷重2.2kg
f、12.2kgf、22.2kgf、振動数500rpm、振幅2.5mm、濃
度;Moとして0.04重量%、硫黄化合物;Sとして0.06重
量%、テストピース材質SUJ−2、テストピース形;
上部3/4インチ球、下部平板)。
結果を表4に示す。
尚、表4の硫黄含有化合物の中でジスルフィド化合物、
ZDTP,Mo−DTP,Mo−DTCは表3と同様の
ものを用いた。
比較例A (還元剤を用いないモリブデン化合物の製造例) 窒素気流下で、モリブデン酸ナトリウムの水540mlに溶
解させた。このモリブデン酸ソーダ液を、実施例6で用
いた還元モリブデン酸ソーダ液に置き換えて、実施例6
と同様な方法でモリブデン化合物を製造したところ、青
褐色オイル状生成物4105gを得た。モリブデン含有量は
2.3%であり、モリブデンについての収率は94.4%であ
った。
実施例6で得られた本発明のモリブデン化合物と、比較
例Aで得られた化合物について、実施例11と同様に往復
振動摩擦試験機で摩擦低減効果を測定した(油温120
℃、50℃、荷重12.2kgf、2.2kgf、振動数500rpm、振幅
2.5mm、濃度;モリブデンとして0.04重量%、硫黄化合
物;Sとして0.06重量%、テストピース材質SUJ−
2、テストピース形;上部3/4インチ球、下部平板)。
結果を表5に示す。
尚、表5中、ZDTPは表3と同様のものを用いた。
表5から明らかなように、本発明の潤滑剤組成物は還元
剤を用いていない比較の潤滑剤組成物に比べ優れた摩擦
特性を有することがわかる。
〔発明の効果〕
本発明の効果は新規なモリブデンアミン錯体を提供し、
これと硫黄含有化合物とを組み合せ使用する事により、
従来から使用されているZDTP或いはモリブデン含有潤滑
添加剤よりも優れた酸化防止性、摩耗防止性、摩擦緩和
性を有し、かつ特に金属腐食性に優れた潤滑油添加剤を
提供したことにある。金属腐食性に優れていることか
ら、関連して発生する各種エンジン部品のピッチング摩
耗等に対しても優れた添加剤となり得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 137:10 Z 9159−4H 139:00) Z 9159−4H (C10M 159/12 125:10 133:06 133:12 133:56) C10N 10:02 10:04 10:12 30:00 A 8217−4H 30:06 30:10 30:12 40:00 A 8217−4H 40:04 40:08 40:20 Z 8217−4H 40:25 8217−4H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三酸化モリブデン、モリブデン酸またはそ
    のアルカリ塩から選ばれた1種または2種以上の化合物
    を還元剤と反応させた後、アミノ性窒素原子含有化合物
    と反応させて得られる油溶性モリブデン化合物と、硫黄
    を含有する化合物とを必須の構成成分とする潤滑剤組成
    物。
  2. 【請求項2】アミノ性窒素原子含有化合物が炭素数6〜
    24のジアルキルアミンであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】アミノ性窒素原子含有化合物がアミノ基含
    有の潤滑剤用無灰分散剤であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】硫黄を含有する化合物が一般式 (式中、R1は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異な
    っても良い) で示される化合物である特許請求の範囲第1項〜第3項
    のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】硫黄を含有する化合物が一般式 (式中R2は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
    ても良い) で示される化合物である特許請求の範囲第1項〜第3項
    のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】硫黄を含有する化合物が一般式 (式中R3は炭素数7〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
    ても良く、XはS又はOである) で示される化合物である特許請求の範囲第1項〜第3項
    のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】硫黄を含有する化合物が一般式 (式中R4は炭素数3〜24の炭化水素基で同一でも異なっ
    ても良く、XはS又はOである) で示される化合物である特許請求の範囲第1項〜第3項
    のいずれか一項に記載の組成物。
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