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JPH0645095A - プラズマ発生方法およびその装置 - Google Patents

プラズマ発生方法およびその装置

Info

Publication number
JPH0645095A
JPH0645095A JP5072659A JP7265993A JPH0645095A JP H0645095 A JPH0645095 A JP H0645095A JP 5072659 A JP5072659 A JP 5072659A JP 7265993 A JP7265993 A JP 7265993A JP H0645095 A JPH0645095 A JP H0645095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency power
high frequency
plasma generating
plasma
side electrodes
Prior art date
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Granted
Application number
JP5072659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2851765B2 (ja
Inventor
Masabumi Kubota
正文 久保田
Kenji Fukuto
憲司 服藤
Norihiko Tamaoki
徳彦 玉置
Mitsuhiro Okuni
充弘 大國
Noboru Nomura
登 野村
Ichiro Nakayama
一郎 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP5072659A priority Critical patent/JP2851765B2/ja
Publication of JPH0645095A publication Critical patent/JPH0645095A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高真空の下で高密度で均一性に優れ、これに
より微細加工性が向上すると共にデバイスへの損傷が少
ないプラズマを発生させる。 【構成】 真空状態のプラズマ発生部の側方に該プラズ
マ発生部を囲むように第1〜第4の側方電極5〜8が配
設されている。第1の側方電極5には第1の高周波電源
9Aから高周波電力が供給され、第2の側方電極6には
第1の高周波電源9Aから第1の遅延回路11を介して
高周波電力が供給され、第3の側方電極7には第1の高
周波電源9Aから第1及び第2の遅延回路11、12を
介して高周波電力が供給され、第4の側方電極8には第
1の高周波電源9Aから第1〜第3の遅延回路11、1
2、13を介して高周波電力が供給される。これによ
り、第1〜第4の側方電極5〜8には周波数が同一で位
相が順次異なる高周波電力がそれぞれ印加され、プラズ
マ発生部には、該プラズマ発生部内の電子に回転運動を
させるような回転電場が励起される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマを発生させるプ
ラズマ発生方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波放電を用いたプラズマ発生方法
は、微細加工のためのドライエッチング装置、薄膜形成
のためのスパッタリング装置やプラズマCVD装置、及
びイオン注入装置等のさまざまな分野で用いられてお
り、加工寸法の微細化や膜質の高精度な制御のために、
高真空中でのプラズマ生成が求められている。
【0003】以下、プラズマ発生方法の適用例として、
微細加工に適するドライエッチング方法について説明す
る。
【0004】現代の高密度半導体集積回路の進歩は産業
革命にも比較される変革をもたらしつつあり、半導体集
積回路の高密度化は、素子寸法の微細化、デバイスの改
良、チップサイズの大面積化等により実現されてきた。
素子寸法の微細化は光の波長程度にまで進んできてお
り、リソグラフィにはエキシマレーザや軟エックス線の
使用が検討されている。微細パターンの実現には、リソ
グラフィと並んでドライエッチングが重要な役割を果た
していると言える。
【0005】ドライエッチングとは、プラズマ中に存在
するラジカル、イオン等による気相−固相表面における
化学的又は物理的反応を利用し、薄膜又は基板の不要な
部分を除去する加工技術である。ドライエッチング技術
として最も広く用いられている反応性イオンエッチング
(RIE)は、適当なガスの高周波放電プラズマ中に試
料を曝すことによりエッチング反応を起こさせ、試料表
面の不要部分を除去するものである。必要な部分つまり
除去しない部分は、通常、マスクとして用いたホトレジ
ストパターンにより保護されている。
【0006】微細化のためにはイオンの方向性を揃える
ことが必要であるが、このためにはプラズマ中でのイオ
ンの散乱を減らすことが不可欠である。イオンの方向性
を揃えるためには、プラズマ発生装置の真空度を高めて
イオンの平均自由行程を大きくすることが効果的である
が、プラズマ室の真空度を高めると高周波放電が生じ難
くなるという問題がある。
【0007】そこで、その対策として一般に、プラズマ
室に磁場を印加して放電を容易にする方法、例えばマグ
ネトロン反応性イオンエッチング技術或いはECR(電
子サイクロトロン共鳴)エッチング技術等が開発されて
きた。
【0008】図16は、従来のマグネトロン放電を用い
た反応性イオンエッチング装置を示す模式図である。金
属性のチャンバー81内にはガスコントローラ82を介
して反応性ガスが導入され、チャンバー81内は排気系
83によって適切な圧力に制御されている。チャンバー
81の上部にはアノード(陽極)84が設けられ、下部
にはカソード(陰極)となる試料台85が設けられてい
る。試料台85にはインピーダンス整合回路86を介し
てRF電源87が接続されており、試料台85とアノー
ド84との間で高周波放電を起こすことができるように
なっている。チャンバー81の各側部には、対向する一
対の交流電磁石88が互いに位相が90度異なった状態
で2組設けられており、該2組の交流電磁石88により
チャンバー81内に回転磁界が印加され、高真空中での
放電を容易にしている。このようにすると、電子が回転
磁場によりサイクロイド運動をするため電子の運動経路
が長くなり、イオン化効率が高くなるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなマグネトロン放電やECR放電によると、プラズ
マ密度が不均一なために微細なエッチング加工が困難で
あると共に加工の対象となる試料に損傷が生じるという
問題があった。
【0010】例えば、従来のマグネトロン反応性イオン
エッチング装置においては、プラズマの局所的な偏り
を、回転磁場によって時間的に平均することにより均等
にしているが、瞬時におけるプラズマ密度が均一ではな
いために局所的な電位差が発生する。このため、従来の
マグネトロン反応性イオンエッチング装置をMOSLS
Iプロセスに適用すると、ゲート酸化膜に破壊が生じる
ことがある。
【0011】同様にECRエッチング装置においては、
磁場がチャンバーの径方向に分布するため、プラズマ密
度の局所的な粗密が生じ、これにより、エッチング種の
不均一が生じたり、局所的な電位差が発生したりする。
このプラズマの不均一に起因してエッチングの均一性が
悪くなり、LSIを歩留まり良く作成することが困難に
なる。そして、このプラズマの不均一性は、いっそう薄
いゲート酸化膜が使用される超微細パターンLSIや大
口径ウエハーに対してドライエッチングを行なう際にお
ける正確なエッチングが困難であることを意味する。
【0012】また、従来の13.56MHz励起の平行
平板型マグネトロンエッチング装置に100〜200M
Hzの高周波電力を重畳させることによってプラズマを
高密度化させ、これによりセルフバイアス電圧を低減
し、高エネルギーイオンによる試料への損傷を低減させ
る方法も試みられている。
【0013】ところが、この方法によると、プラズマの
高密度化は達成できるが、プラズマの均一性の向上は困
難であるので、プラズマの不均一性に起因する前述の問
題の解決には十分とは言えない。
【0014】本発明は、前記問題点に鑑み、高真空の下
で高密度で均一性に優れ、これにより微細加工性が向上
すると共にデバイスへの損傷が少ないプラズマ発生方法
及びその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1〜10の発明は、プラズマ発生部を囲むよ
うに配設された側方電極に、遅延回路を介して同一周波
数で位相が異なる高周波電力を印加することにより、プ
ラズマ発生部に該プラズマ発生部内の電子に回転運動を
させるような回転電場を励起するものである。
【0016】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、プラズマ発生方法を、真空室内のプラズマ発生部を
介して対向する位置に一対の側方電極を配置し、前記一
対の側方電極のうちの一方の側方電極に高周波電源から
高周波電力を供給し、前記一対の側方電極のうちの他方
の側方電極に、前記高周波電源から遅延回路を介して供
給され前記高周波電力と周波数が同じで位相が異なる高
周波電力を供給することにより、前記プラズマ発生部に
該プラズマ発生部内の電子に振幅運動をさせる高周波電
場を励起する構成とするものである。
【0017】請求項2の発明が講じた解決手段は、プラ
ズマ発生方法を、真空室内のプラズマ発生部の側方に該
プラズマ発生部を囲むように3以上の側方電極を配置
し、前記3以上の側方電極のうちの一の側方電極に高周
波電源から高周波電力を供給し、前記3以上の側方電極
のうちの他の側方電極に、前記高周波電源から遅延回路
を介して供給され前記高周波電力と周波数が同じで位相
が順次異なる高周波電力をそれぞれ供給することによ
り、前記プラズマ発生部に該プラズマ発生部内の電子に
回転運動をさせる回転電場を励起する構成とするもので
ある。
【0018】請求項3の発明が講じた解決手段は、プラ
ズマ発生装置を、前記真空室内のプラズマ発生部を介し
て対向する位置に設けられた一対の側方電極と、前記一
対の側方電極のうちの一方の側方電極に高周波電力を供
給する高周波電源と、前記一対の側方電極のうちの他方
の側方電極に前記高周波電源から受けた高周波電力を遅
延せしめて前記高周波電力と周波数が同じで位相が異な
る高周波電力を供給する遅延回路とからなり、前記プラ
ズマ発生部に該プラズマ発生部内の電子に振幅運動をさ
せる高周波電場を励起する電場励起手段を備えている構
成とするものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の構成に、前
記真空室の側壁は誘電体により形成されており、前記一
対の側方電極は前記真空室の外部に設けられているとい
う構成を付加するものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項3の構成に、前
記遅延回路は低域フィルターであるという構成を付加す
るものである。
【0021】請求項6の発明が講じた解決手段は、プラ
ズマ発生装置を、真空室内のプラズマ発生部を囲む位置
に設けられた3以上の側方電極と、該3以上の側方電極
のうちの一の側方電極に高周波電力を供給する高周波電
源と、前記3以上の側方電極のうちの他の側方電極に、
前記高周波電源から受けた高周波電力を遅延せしめて前
記高周波電力に対して周波数が同じで位相が順次異なる
高周波電力をそれぞれ供給する複数の遅延回路からなる
遅延回路群とからなり、前記プラズマ発生部に該プラズ
マ発生部内の電子に回転運動をさせる回転電場を励起す
る電場励起手段を備えている構成とするものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項6の構成に、前
記真空室の側壁は誘電体により形成されており、前記3
以上の側方電極は前記真空室の外部に設けられている構
成を付加するものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項6の構成に、前
記複数の遅延回路はそれぞれ低域フィルターであるとい
う構成を付加するものである。
【0024】請求項9の発明は、請求項6の構成に、前
記遅延回路群が前記高周波電源から受けた高周波電力を
順次遅延せしめる遅延時間は互いに略等しくなるように
設定されているという構成を付加するものである。
【0025】請求項10の発明は、請求項6の構成に、
前記プラズマ発生部内の電子に、前記電場励起手段によ
り励起される回転電場によってもたらされる電子の回転
運動の方向と同方向又は逆方向の旋回運動を与える磁場
を前記プラズマ発生部に印加する磁場印加手段を備えて
いるという構成を付加するものである。
【0026】請求項11〜14の発明は、試料台に供給
される高周波電力の周波数をプラズマ発生部を囲むよう
に配設された側方電極に供給される高周波電力の周波数
と異ならせる共に、試料台に供給される高周波電力を側
方電極に供給される高周波電力の周波数に対して高イン
ピーダンスにするものである。
【0027】具体的に請求項11の発明が講じた解決手
段は、プラズマ発生装置を、真空室内のプラズマ発生部
の下部に設けられた試料台と、前記プラズマ発生部を囲
む位置に設けられた3以上の側方電極と該3以上の側方
電極に周波数が同じで位相が順次異なる高周波電力をそ
れぞれ供給する第1の高周波電力供給手段とからなり前
記プラズマ発生部に該プラズマ発生部内の電子に回転運
動をさせる回転電場を励起する電場励起手段と、前記第
1の高周波電力供給手段から供給される高周波電力の周
波数と異なる周波数の高周波電力を前記第1の高周波電
力供給手段から供給される高周波電力の周波数に対して
高インピーダンス特性を有するフィルター回路を介して
前記試料台に供給する第2の高周波電力供給手段とを備
えている構成とするものである。
【0028】請求項12の発明は、請求項11の構成
に、前記第1の高周波電力供給手段は、前記3以上の側
方電極に前記高周波電力を前記第2の高周波電力供給手
段から供給される高周波電力の周波数に対して高インピ
ーダンス特性を有するフィルター回路を介して供給する
という構成を付加するものである。
【0029】請求項13の発明は、請求項11の構成
に、前記第1の高周波電力供給手段から供給される高周
波電力の周波数は前記第2の高周波電力供給手段から供
給される高周波電力の周波数よりも高く設定されている
という構成を付加するものである。
【0030】請求項14の発明は、請求項11の構成
に、前記プラズマ発生部内の電子に前記電場励起手段に
より励起される回転電場によってもたらされる電子の回
転運動の方向と同方向又は逆方向の旋回運動を与える磁
場を前記プラズマ発生部に印加する磁場印加手段を備え
ているという構成を付加するものである。
【0031】
【作用】請求項1又は請求項3のプラズマ発生方法又は
装置によると、プラズマ発生部内の電子は、該プラズマ
発生部に励起される高周波電場により振幅運動をさせら
れながら、自身の有する運動エネルギーの方向に並んで
進行する。このような電子の運動は電子とガス分子との
衝突断面積を実効的に大きくするので、従来の平行平板
型プラズマ発生装置に比べると、高真空中においても高
いイオン化効率が得られると共に放電も容易になる。
【0032】また、従来のプラズマ発生方法又は装置に
よる磁場分布に比べてプラズマ発生部の高周波電場が均
一なため、均一性に優れたプラズマを得ることができ
る。
【0033】前記のような高周波電場を形成する方法と
しては、一対の側方電極のうちの一方の側方電極に高周
波電源から高周波電力を供給し、他方の側方電極に前記
高周波電源から遅延回路を介して供給された高周波電力
を供給することにより、周波数が同一で位相が異なる高
周波電力を簡単な回路で供給することができる。
【0034】このようにすると、側方電極間に何等かの
原因で入力電力のアンバランスを生じても、側方電極同
士は遅延回路で互いに接続されているため、入力電力の
アンバランスは自動的に補正される。
【0035】請求項2又は請求項6のプラズマ発生方法
又は装置によると、プラズマ発生部内の電子は、該プラ
ズマ発生部に励起される回転電場により回転運動をさせ
られながら、自身の有する運動エネルギーの方向に並ん
で進行する。このような電子の運動は電子とガス分子と
の衝突断面積を実効的に大きくするので、従来の平行平
板型プラズマ発生装置に比べると、高真空中においても
高いイオン化効率が得られると共に放電も容易になる。
【0036】また、従来のプラズマ発生方法又は装置に
よる磁場分布に比べてプラズマ発生部の高周波電場が均
一なため、均一性に優れたプラズマを得ることができ
る。
【0037】前記のような回転電場を形成する方法とし
ては、3以上の側方電極のうちの一の側方電極に高周波
電源から高周波電力を供給し、他の側方電極に、前記高
周波電源から順次遅延回路を介して供給された高周波電
力をそれぞれ供給することにより、周波数が同一で位相
が順次異なる高周波電力を簡単な回路で供給することが
できる。
【0038】このようにすると、側方電極間に何等かの
原因で入力電力のアンバランスを生じても、側方電極同
士は遅延回路で互いに接続されているため、入力電力の
アンバランスは自動的に補正される。
【0039】請求項11のプラズマ発生装置によると、
プラズマ発生部の側方の側方電極に周波数が同じで位相
が順次異なる高周波電力を印加してプラズマ発生部に回
転電場を形成するため、前記同様に、プラズマ発生部内
の電子は回転運動をしながら自身の有する運動エネルギ
ーの方向に進行するので、高真空中においても高いイオ
ン化効率が得られると共に放電も容易になる。
【0040】第2の高周波電力供給手段から試料台に対
して、第1の高周波電力供給手段から側方電極に供給さ
れる高周波電力の周波数と異なる周波数の高周波電力
が、第1の高周波電力供給手段から試料台に供給される
高周波電力の周波数に対して高インピーダンス特性を有
するフィルター回路を介して供給されるため、試料台に
印加される高周波電力と、回転電場を励起し主としてプ
ラズマ発生に寄与する高周波電力とは互いに独立であ
る。
【0041】請求項10又は14のプラズマ発生装置に
よると、プラズマ発生部内の電子は、前述の回転電場に
よって回転運動の中心が並進する並進型サイクロイド運
動をさせられ、前述の磁場によって並進型サイクロイド
運動をする電子の並進運動成分はプラズマ発生部を旋回
する旋回運動成分に変換させられる。このため、プラズ
マ発生部内の電子は、回転電場によってもたらされる回
転運動の中心が磁場によってもたらされる旋回運動の軌
跡の上を進行するような運動をするため、該電子は、プ
ラズマ発生部から脱出することなく、回転運動を伴った
サイクロイド運動をする。
【0042】
【実施例】以下、本発明の第1実施例であるプラズマ発
生方法が適用されたドライエッチング装置について説明
する。
【0043】図1は、このドライエッチング装置の構造
を示す模式図である。図1において、1は直方体状のチ
ャンバー(真空室)、2はチャンバー1の下部に設けら
れた試料台、3は試料台2上に載置された半導体ウエハ
ーよりなる被エッチング試料、4はチャンバーの上部に
設けられた、試料台2の対向電極である。5、6、7及
び8はそれぞれチャンバー1の側部に設けられた平行平
板電極よりなる第1、第2、第3及び第4の側方電極で
ある。試料台2、対局電極4及び第1〜第4の側方電極
5〜8により囲まれた部分がプラズマ発生領域である。
【0044】第1〜第4の側方電極5、6、7、8に
は、第1の高周波電源9Aから第1の整合回路10を介
して周波数10MHzの高周波電力が供給されている。
第1〜第4の側方電極5〜8と第1の整合回路10との
間には、試料台2に印加される高周波電力(この実施例
では1MHzの周波数である。)に対して高インピーダ
ンスとなる第1のフィルタ14が挿入されている。
【0045】試料台2には、第2の高周波電源9Bから
第2の整合回路15を介して周波数1MHzの高周波電
力が供給されている。試料台2と第2の整合回路15と
の間には第1の高周波電源9Aから印加される高周波電
力(この実施例では10MHzの周波数である。)に対
して高インピーダンスとなる第2のフィルター16が挿
入されている。
【0046】第1の側方電極5と第2の側方電極6との
間には第1の遅延回路11が設置されている。第1の遅
延回路11により、第2の側方電極6に印加される高周
波電力は第1の側方電極5に印加される高周波電力に対
して約90度の位相差を有している。第2の側方電極6
と第3の側方電極7との間には第2の遅延回路12が設
置されている。第2の遅延回路12により、第3の側方
電極6に印加される高周波電力は第2の側方電極5に印
加される高周波電力に対して約90度の位相差を有して
いる。第3の側方電極7と第4の側方電極8との間には
第3の遅延回路13が設置されている。第3の遅延回路
13により、第4の側方電極8に印加される高周波電力
は第3の側方電極7に印加される高周波電力に対して約
90度の位相差を有している。
【0047】第1〜第3の遅延回路11、12、13
は、図2に示すような、いわゆるm型低域フィルタ(ロ
ーパスフィルタ)であって、一般にmは1.27程度が
選択される。第1〜第3の遅延回路11、12、13に
おける遅延時間Tdは、Td=(LC)1/2 で表され
る。
【0048】チャンバー1にはエッチングガスがマスフ
ローコントローラ(図示せず)を介して導入口(図示せ
ず)から導かれ、チャンバー1内の圧力はターボポンプ
(図示せず)により0.1Pa〜10Pa程度に制御さ
れている。
【0049】また、チャンバー1の上方及び下方には、
それぞれ上側円形コイル17及び下側円形コイル18が
設けられている。上側及び下側の円形コイル17、18
には直流電源又はパルス電源である電源19、20から
電流が供給されており、これにより、チャンバー1の内
部に試料台2に対して略垂直な方向の磁場が印加される
ようになっている。
【0050】以下、図3に基づき、前記のように構成さ
れたドライエッチング装置の動作を説明する。
【0051】図3は、プラズマ発生部21を取り囲む第
1〜第4の側方電極5〜8に高周波電力を印加した場合
の電子eの軌跡を模式的に示した図である。電子eは、
プラズマ発生部21に印加される回転電場により回転運
動をさせられながら、自身の有する運動エネルギーの方
向に進行する。
【0052】図示は省略しているが、プラズマ発生部2
1を介して第1の側方電極5及び第3の側方電極7のみ
を設けるか、又はプラズマ発生部21を介して第2の側
方電極6及び第4の側方電極8のみを設け、対向する一
対の側方電極に、同一の高周波電源から供給され遅延回
路によって180度の位相差が与えられた周波数が同じ
で位相が異なる高周波電力を供給してもよい。このよう
にすると、プラズマ発生部21内の電子は、該プラズマ
発生部21に印加される高周波電場により振幅運動をさ
せられながら、自身の有する運動エネルギーの方向に進
行する。
【0053】図7は、高周波電力の1周期中に電子eが
進む距離を周波数の関数として示すグラフである。ここ
では、20eVの電子を想定している。X方向に20e
Vのエネルギーで進行する電子eは、50MHzの高周
波電力の1周期に当たる20ナノ秒の間に約6cm移動
する。側方電極間の間隔が30cmであるとすると、そ
の距離を走行する間に電子eは約5回の振幅をすること
になる。電子eのエネルギーが大きいときには、走行速
度が大きいので側方電極間を走行する間の振幅数は減少
する。
【0054】ガス種により異なるが、一般にガスを電離
するためには、約15eV以上の電子エネルギーが必要
である。電離は電子eとガス分子との衝突により生じる
ので、電子eの走行距離が長いほど衝突する確率が増加
し、イオン化効率が高くなる。そこで、本発明は、電子
を回転運動又は振幅運動させることにより電子の走行距
離を長くし、これによりイオン化効率を高めているので
ある。また、電子の回転運動又は振幅運動により電子と
ガス分子との衝突する断面積が実効的に大きくなったと
見ることもできる。
【0055】対向する側方電極同士の間の距離は通常数
10cmであるから、電子eを高周波電力により回転又
は振幅させ、イオン化効率を向上するには、およそ50
MHz以上の高周波が必要となる。しかしながら50M
Hzよりも低い周波数の高周波電力が印加され電子eの
走行距離が低下しても、エネルギーの低い電子が回転運
動又は振幅運動をするために、該電子がチャンバー壁に
衝突して消滅する確率が低下し、電子密度の減少が防止
されるので、イオン化効率は高くなる。
【0056】さらに、後述するように、チャンバー1内
に磁場を印加すると、電子は、電場による回転運動又は
振幅運動に加えて、磁場による旋回運動をも行なうの
で、50MHzよりも低い周波数でも高いイオン化効率
が実現できる。
【0057】図4は、上側及び下側の円形コイル17,
18に直流電流を供給することにより、図3に示す回転
電場に、試料台2に対して垂直な方向の磁場を印加した
場合の電子eの運動経路を示している。これにより、図
3の状態の時に電子eがチャンバー1の側壁に向かって
進む並進運動はプラズマ発生部21を旋回する方向の運
動に変換される。この旋回運動の大きさは、印加されて
いる電場の大きさと印加されている磁場の大きさとの積
に比例し、この旋回運動の方向は、印加されている電場
及び磁場の両者に対して垂直な方向である。この結果、
電子eは高周波電力による回転電場によってもたらされ
る回転運動に、磁場によるサイクロトロン旋回運動が重
畳された運動を行なう。
【0058】図5及び図6は、図3の状態の電子eに前
述の磁場を磁界の強さを変えて印加した場合に、電子e
の運動経路がどのように変化するかを示したものであ
る。このようにプラズマ発生部21に、電場及び磁場を
印加し、プラズマ発生部21の電子に回転運動又は振幅
運動を伴った旋回運動をさせることにより、プラズマ発
生部21内の大部分の電子eをプラズマ発生部21内に
閉じ込め、電子eの走行距離を長くすることができる。
これにより、プラズマ発生部21内の電子eの密度が高
まるので、イオン化効率が高まる。
【0059】従来の回転磁場を用いたマグネトロンエッ
チング装置によると、ある瞬時における試料台2直上の
磁束分布22は図8(a)のように不均一である。この
ため、チャンバー1中の電子e(図8(b)における黒
丸)は、磁場強度に逆比例する軌道半径で回転するた
め、磁場強度が弱いチャンバー1内の上部及び下部並び
にプラズマ発生領域の外周部においては、電子eの軌道
半径は大きくなるので、電子eはチャンバー1の壁部に
衝突して消滅してしまう。
【0060】また、プラズマ発生部21の中央部におけ
る左側から右側へ横切る方向を考えたとき、磁場強度が
弱い中心部においては電子eの密度が減少するのでプラ
ズマ密度も低くなり、磁場強度が強い外周部においては
電子eの密度が増加するのでプラズマ密度も高くなる。
従来のドライエッチング装置においては、このようにし
てプラズマ密度に不均一が生じ、エッチングの不均一や
加工物への損傷が生じていたのである。
【0061】これに対して、本発明のプラズマ発生方法
が適用されたドライエッチング装置によると、第1〜第
4の側方電極5、6、7、8により囲まれたプラズマ発
生部21における電場及び磁場はほぼ均一であるため、
図9に示すように、電子eの回転運動を伴ったサイクロ
イド運動の軌跡が各所でほぼ等しくなるので、プラズマ
発生部21の全域においてプラズマ密度がほぼ均一にな
る。このため、このドライエッチング装置によると、プ
ラズマ発生部21においてエッチング用反応性ガスから
生じる反応性ラジカルやイオンは被エッチング試料3の
全面に対してほぼ均一に照射される。従って、プラズマ
発生部21に面している被エッチング試料3の全領域に
おいてエッチングが均一に行われると共にチャージアッ
プによる損傷も極めて少なくなる上に、プラズマ密度が
高いためにエッチングレートは大きくなる。
【0062】図10(a)は、従来の回転磁場を用いた
マグネトロンエッチング装置によりボロンリンガラスを
エッチングした例を模式的に示している。図10(a)
において、30はSi基板、31はボロンリンガラス、
32はフォトレジストパターンである。図10(b)に
示すように、Si基板30の直上つまり試料台の真上に
おけるある瞬時の磁場強度分布が試料台の中央部で最小
値を持つ場合には、Si基板30の表面に入射してくる
イオンのフラックスIは、磁場強度分布に対応するプラ
ズマ密度分布に比例し、図10(a)に示すように中央
で疎となる。図10(c)に示すように、酸化膜(ボロ
ンリンガラス31)のエッチング速度もイオンフラック
スIにほぼ従ったものとなり不均一になる。また、プラ
ズマ密度の不均一は電荷の偏在によるデバイスへの損傷
を引き起こす。
【0063】図11(a)は、本発明のプラズマ発生方
法が適用されたドライエッチング装置によりボロンリン
ガラスをエッチングした例を模式的に示している。この
ドライエッチング装置によれば、前述したように、ほぼ
均一なプラズマが発生するため、図11(a)に示すよ
うにSi基板30表面に入射するエッチング用反応生成
物であるイオンフラックスIIも均一になり、エッチング
速度も図11(b)に示すように、均一性の高いものと
なる。また、プラズマが均一なので、チャージの偏在は
小さく、チャージによる損傷は極めて小さい。この場
合、チャンバー1内に導入するガスとしてはCHF3
2 、CF4 +CH2 2 等のようにフロンガスをベー
スにしたガスを用い、ガスの圧力は0.1〜10Paに
した。このときのエッチングレートは100〜350n
m/minであった。
【0064】このドライエッチング装置は、特にサブミ
クロンパターンのエッチング及び6インチや8インチ等
の大口径半導体ウエハーのエッチングに好適である。そ
の理由は、チャンバー1内の圧力が低いためイオン散乱
が少ないので、フォトレジストパターンの線幅からエッ
チング後の試料の線幅を引いた値である寸法シフト(い
わゆるCDロス)やエッチングレートのパターン寸法に
対する依存性が小さいためであり、また、プラズマの均
一性が高いのでチャンバー1の大型化が容易になるため
である。
【0065】本実施例では、前述したように、被エッチ
ング試料3に照射されるプラズマ密度を制御すると共に
回転電場を発生する第1〜第4の側方電極5〜8に高周
波電力を供給する回路には、試料台2に供給される高周
波電力の周波数に対して高インピーダンスを有する第1
のフィルタ14が挿入されている。一方、試料台2に高
周波電力を供給する回路には、第1〜第4の側方電極5
〜8に供給される高周波電力の周波数に対して高インピ
ーダンス特性を有する第2のフィルタ16が挿入されて
いる。これにより、第1〜第4の側方電極5〜8に高周
波電力を供給する回路と、試料台2に高周波電力を供給
する回路とが互いに独立になり、安定した均一なプラズ
マを発生させることができる。
【0066】図12は従来のドライエッチング方法と前
記のドライエッチング方法との比較を示しており、従来
の方法に比べて前記のドライエッチング方法が優れてい
ることが理解できる。
【0067】以上のように、本実施例によれば、プラズ
マ発生部21を囲む第1〜第4の側方電極5、6、7、
8に位相がおよそ90度ずつ異なり同じ周波数の高周波
電力を印加することによって真空状態のプラズマ発生部
21の電子eを回転運動させることにより、高真空にも
拘らず高密度で且つ均一性に優れたプラズマを発生させ
ることができる。
【0068】試料台2に供給される高周波電力を制御す
ることにより、エッチングの際の下地との選択比をコン
トロールすることができる。さらにプラズマの局所的な
偏りが殆どないので、加工物への損傷を極めて少なくす
ることができる。
【0069】尚、本実施例においては、高周波電力の位
相差を90度に設定した場合を示したが、これは、位相
差を90度にするとプラズマへの電力投入効率が良いた
めであり、位相差が90度と異なっていても本発明の効
果は得られる。また第1〜第4の側方電極5〜8に印加
される高周波電力の位相を時間の関数にして変化させて
もよい。
【0070】以下、本発明の第2の実施例に係るプラズ
マ発生方法について説明する。
【0071】第1の実施例においては、主としてプラズ
マ発生に寄与する第1〜第4の側方電極5〜8に供給さ
れる高周波電力の周波数は10MHzであり、バイアス
として試料台2に印加される高周波電力の周波数である
1MHzよりも高く設定した場合を示した。これは、エ
ッチング対象がシリコン酸化膜であって、エッチングの
ために比較的高いイオンエネルギーを要するからであ
る。これに対して、第2の実施例においては、バイアス
として試料台2に印加される高周波電力の第2の周波数
をプラズマ発生に寄与する高周波電力の第1の周波数よ
りも低く設定している。
【0072】図13は、ハロゲンガスプラズマについ
て、周波数(MHz)とイオンエネルギーに対応するシ
ース電圧(V)との関係、及び周波数(MHz)とイオ
ン密度又はラジカル密度に比例する発光強度との関係を
示したものである。周波数が1MHz以上では、イオン
がバイアスの交流電界に追従できなくなるため、シース
電圧が低下する。また、周波数が1MHz以上では、ガ
スの分解が進行し、ラジカルの密度が増える。このこと
から、下地基板に対して高い選択比を得たい場合には、
イオンエネルギーを下げるため高い周波数のバイアスが
望ましいことが分かる。
【0073】本発明のプラズマ発生方法を、リンドープ
した多結晶シリコンに対するドライエッチングに適用す
る場合においては、試料台2に供給されるバイアス用の
高周波電力の周波数を13MHzに設定し、第1〜第4
の側方電極5〜8に供給されるプラズマ発生用の高周波
電力の周波数を50MHzに設定し、導入されるガスと
しては塩素に微量の酸素を混合したものを用いる。
【0074】エッチングガスとして、SF6 ガス又は酸
素、塩素、よう素等のエレクトロネガティブ(負性)ガ
スを用いた場合に、本発明の効果の大きいことが実験結
果から得られた。エレクトロネガティブ(負性)ガスの
プラズマ中では、電子の密度が少なく抵抗が高いため、
プラズマ中の電位傾度がエレクトロポジティブ(正性)
ガスに比べて大きいので、本発明の効果が特に大きいの
である。
【0075】この場合にも、第1〜第4の側方電極5〜
8の内部における電界は均一であるから、均一性の良い
プラズマが得られ、エッチングの均一性も良好である。
またプラズマの局所的な偏りがほとんどないので、MO
SLSIのゲート酸化膜の破壊等のデバイスへの損傷も
極めて少ない。エッチングレートは200〜400nm
/minの値を得ている。
【0076】尚、本第2実施例では多結晶シリコンに対
するドライエッチングの場合を示したが、本発明のプラ
ズマ発生方法が適用されたドライエッチング装置は、S
i化合物、Al等のメタルに対するエッチング、多層レ
ジストにおけるレジストのエッチング等にも高い効果を
得ることができる。
【0077】以下、本発明の第3実施例であるプラズマ
発生方法が適用されたCVD装置を図14に基づいて説
明する。
【0078】第3実施例が適用されたCVD装置が、第
1実施例が適用された図1に示すドライエッチング装置
と異なるのは、試料台2に高周波電力を供給する手段、
例えば図1に示す第2の高周波電源9B、第2の整合回
路15、第2のフィルター16及び対向電極4が設けら
れていない点と、堆積膜の膜厚を制御するためのヒータ
ー23が試料台2に設けられている点である。その他の
点については、図1に示すドライエッチング装置と同様
であるので、同一の符号を付すことにより詳細な説明は
省略する。
【0079】このCVD装置においては、チャンバー1
にN2 ガス15sccmとSiH4ガス15sccmと
を導入し、これらのガスの圧力は0.07Paに設定
し、試料台2の温度は400℃に設定することが好まし
い。
【0080】図15は、上記CVD装置により作成した
半導体チップの断面を示している。Si基板40の上に
は熱酸化膜41が形成されている。スパッタリング法に
より0.8μmの膜厚に堆積されたアルミニウム42
は、フォトリソグラフィ及びドライエッチングによって
0.8μmの幅の配線に加工されている。アルミニウム
42の上には、上記のCVD装置によってSiN膜43
が堆積されている。
【0081】このCVD装置は、6インチ又は8インチ
等の大口径半導体ウエハーに対するCVD方法に好適で
ある。その理由は、ドライエッチング装置のときに説明
したように、このCVD装置はプラズマの空間的な均一
性を高くすることができるため、堆積膜をウエハー全体
に亘って均一に実現することができるからである。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜14の
発明に係るプラズマ発生方法又はプラズマ発生装置によ
ると、プラズマ発生部の側方の側方電極に周波数が同じ
で位相が異なる高周波電力を印加してプラズマ発生部に
高周波電場又は回転電場を励起するので、プラズマ発生
部内の電子が振幅運動又は回転運動をし、電子とガス分
子との衝突断面積を実効的に大きくなるので、高真空中
においても高いイオン化効率が得られ、また放電も容易
である。
【0083】従って、本発明のプラズマ発生方法又はそ
の装置によると、従来のマグネトロン放電やECR放電
による磁場分布に比べてプラズマ発生部の高周波電界が
均一なため、均一性に優れたプラズマを得ることができ
るので、プラズマ発生装置の大型化が容易である。
【0084】また、本発明のプラズマ発生方法又はその
発生装置は、プラズマの局所的な偏りがほとんどないた
め、ドライエッチング装置に適用された場合、従来の平
行平板ドライエッチ装置に比べて高真空が可能であり、
ガス分子によるイオン散乱が少ないので、高真空の下で
高密度で且つ広い範囲で均一性の高いプラズマを得るこ
とができる。このため、異方性の高いエッチングを行な
うことが可能になり、微細加工性に優れ且つ量産性が高
く、均一性の良い、ゲート酸化膜の破壊等のデバイスへ
の損傷も極めて少ないエッチングが可能になる。
【0085】また、請求項1又は請求項3〜5の発明に
よると、一対の側方電極のうちの一方の側方電極に高周
波電源から高周波電力を供給すると共に、他方の側方電
極に前記高周波電源から遅延回路を介して供給された高
周波電力を供給するので、周波数が同一で位相が異なる
高周波電力を簡単な回路で供給することができる。
【0086】また、請求項2又は6〜10の発明による
と、3以上の側方電極のうちの一の側方電極に高周波電
源から高周波電力を供給すると共に、他の側方電極に前
記高周波電源から順次遅延回路を介して供給された高周
波電力をそれぞれ供給するので、周波数が同一で位相が
順次異なる高周波電力を簡単な回路で供給することがで
きる。
【0087】また、請求項1〜10の発明によると、側
方電極間に何等かの原因で入力電力のアンバランスを生
じても、側方電極同士は遅延回路で互いに接続されてい
るため、入力電力のアンバランスは自動的に補正され
る。
【0088】また、請求項11〜14の発明によると、
試料台に対しては、側方電極に供給される高周波電力の
周波数と異なる周波数の高周波電力が、側方電極に供給
される高周波電力の周波数に対して高インピーダンス特
性を有するフィルター回路を介して供給されるため、試
料台に印加される高周波電力と、回転電場を励起し主と
してプラズマ発生に寄与する高周波電力とは互いに独立
であるので、イオンエネルギーの制御が容易になり、安
定した均一なプラズマを発生させることができる。
【0089】さらに、請求項10又は14の発明による
と、プラズマ発生部内の電子に回転電場による電子の回
転運動の方向と同方向又は逆方向の旋回運動を与える磁
場をプラズマ発生部に印加して、プラズマ発生部内を走
行する電子をプラズマ発生部内に閉じ込めることができ
るので、プラズマの発生がより高密度になると共にいっ
そう均一になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るプラズマ発生方法が
適用されたドライエッチング装置の構造を示す模式図で
ある。
【図2】前記ドライエッチング装置における遅延回路の
例を示した回路図である。
【図3】前記ドライエッチング装置のチャンバー内の電
子の運動軌跡を示す模式図である。
【図4】前記ドライエッチング装置のチャンバー内の電
子の運動軌跡を示す模式図である。
【図5】前記ドライエッチング装置のチャンバー内の電
子の運動軌跡を水平面に投影した場合の模式図である。
【図6】前記ドライエッチング装置のチャンバー内の電
子の運動軌跡を水平面に投影した場合の模式図である。
【図7】前記ドライエッチング装置における側方電極に
印加される高周波電力の周波数と、該高周波電力の一周
期中に電子の進む距離との関係を示す特性図である。
【図8】従来のマグネトロンエッチング装置における磁
束分布と電子の回転を示す模式図である。
【図9】前記ドライエッチング装置における電子の回転
を示す模式図である。
【図10】従来のマグネトロンエッチング装置を用いて
ボロンリンガラスに対してエッチングを行なった状態を
説明する図であって、(a)はエッチング状態を示す断
面図、(b)は磁場強度の分布を示す図、(c)はエッ
チング速度を示す図である。
【図11】本発明の一実施例に係るドライエッチング装
置を用いてボロンリンガラスに対してエッチングを行な
った状態を説明する図であって、(a)はエッチング状
態を示す断面図、(b)はエッチング速度を示す図であ
る。
【図12】本発明の一実施例に係るドライエッチング装
置と従来のドライエッチング装置とを比較した表であ
る。
【図13】本発明の第2実施例に係るプラズマ発生方法
により発生するハロゲンガスプラズマにおける周波数と
シース電圧との関係及び周波数とイオン、ラジカルの発
光強度との関係を示した特性図である。
【図14】本発明の第3実施例に係るプラズマ発生方法
が適用されたCVD装置の構造を示す模式図である。
【図15】前記CVD装置により作成した半導体チップ
の断面図である。
【図16】従来のマグネトロン放電を用いた反応性イオ
ンエッチング装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 試料台 3 被エッチング試料 4 対向電極 5 第1の側方電極 6 第2の側方電極 7 第3の側方電極 8 第4の側方電極 9A 第1の高周波電源 9B 第2の高周波電源 10 第1の整合回路 11 第1の遅延回路 12 第2の遅延回路 13 第3の遅延回路 14 第1のフィルター 15 第2の整合回路 16 第2のフィルター 17 上側円形コイル 18 下側円形コイル 19、20 電源 21 プラズマ発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/302 C 9277−4M (72)発明者 大國 充弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 野村 登 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中山 一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内のプラズマ発生部を介して対向
    する位置に一対の側方電極を配置し、前記一対の側方電
    極のうちの一方の側方電極に高周波電源から高周波電力
    を供給し、前記一対の側方電極のうちの他方の側方電極
    に、前記高周波電源から遅延回路を介して供給され前記
    高周波電力と周波数が同じで位相が異なる高周波電力を
    供給することにより、前記プラズマ発生部に該プラズマ
    発生部内の電子に振幅運動をさせる高周波電場を励起す
    ることを特徴とするプラズマ発生方法。
  2. 【請求項2】 真空室内のプラズマ発生部の側方に該プ
    ラズマ発生部を囲むように3以上の側方電極を配置し、
    前記3以上の側方電極のうちの一の側方電極に高周波電
    源から高周波電力を供給し、前記3以上の側方電極のう
    ちの他の側方電極に、前記高周波電源から遅延回路を介
    して供給され前記高周波電力と周波数が同じで位相が順
    次異なる高周波電力をそれぞれ供給することにより、前
    記プラズマ発生部に該プラズマ発生部内の電子に回転運
    動をさせる回転電場を励起することを特徴とするプラズ
    マ発生方法。
  3. 【請求項3】 前記真空室内のプラズマ発生部を介して
    対向する位置に設けられた一対の側方電極と、前記一対
    の側方電極のうちの一方の側方電極に高周波電力を供給
    する高周波電源と、前記一対の側方電極のうちの他方の
    側方電極に前記高周波電源から受けた高周波電力を遅延
    せしめて前記高周波電力と周波数が同じで位相が異なる
    高周波電力を供給する遅延回路とからなり、前記プラズ
    マ発生部に該プラズマ発生部内の電子に振幅運動をさせ
    る高周波電場を励起する電場励起手段を備えていること
    を特徴とするプラズマ発生装置。
  4. 【請求項4】 前記真空室の側壁は誘電体により形成さ
    れており、前記一対の側方電極は前記真空室の外部に設
    けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラズ
    マ発生装置。
  5. 【請求項5】 前記遅延回路は低域フィルターであるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のプラズマ発生装置。
  6. 【請求項6】 真空室内のプラズマ発生部を囲む位置に
    設けられた3以上の側方電極と、該3以上の側方電極の
    うちの一の側方電極に高周波電力を供給する高周波電源
    と、前記3以上の側方電極のうちの他の側方電極に、前
    記高周波電源から受けた高周波電力を遅延せしめて前記
    高周波電力と周波数が同じで位相が順次異なる高周波電
    力をそれぞれ供給する複数の遅延回路からなる遅延回路
    群とからなり、前記プラズマ発生部に該プラズマ発生部
    内の電子に回転運動をさせる回転電場を励起する電場励
    起手段を備えていることを特徴とするプラズマ発生装
    置。
  7. 【請求項7】 前記真空室の側壁は誘電体により形成さ
    れており、前記3以上の側方電極は前記真空室の外部に
    設けられていることを特徴とする請求項6に記載のプラ
    ズマ発生装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の遅延回路はそれぞれ低域フィ
    ルターであることを特徴とする請求項6に記載のプラズ
    マ発生装置。
  9. 【請求項9】 前記遅延回路群が前記高周波電源から受
    けた高周波電力を順次遅延せしめる遅延時間は互いに略
    等しくなるように設定されていることを特徴とする請求
    項6に記載のプラズマ発生装置。
  10. 【請求項10】 前記プラズマ発生部内の電子に、前記
    電場励起手段により励起される回転電場によってもたら
    される電子の回転運動の方向と同方向又は逆方向の旋回
    運動を与える磁場を前記プラズマ発生部に印加する磁場
    印加手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載
    のプラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】 真空室内のプラズマ発生部の下部に設
    けられた試料台と、 前記プラズマ発生部を囲む位置に設けられた3以上の側
    方電極と該3以上の側方電極に周波数が同じで位相が順
    次異なる高周波電力をそれぞれ供給する第1の高周波電
    力供給手段とからなり、前記プラズマ発生部に該プラズ
    マ発生部内の電子に回転運動をさせる回転電場を励起す
    る電場励起手段と、 前記試料台に、前記第1の高周波電力供給手段から供給
    される高周波電力の周波数と異なる周波数の高周波電力
    を前記第1の高周波電力供給手段から供給される高周波
    電力の周波数に対して高インピーダンス特性を有するフ
    ィルター回路を介して供給する第2の高周波電力供給手
    段とを備えていることを特徴とするプラズマ発生装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の高周波電力供給手段は、前
    記3以上の側方電極に前記高周波電力を前記第2の高周
    波電力供給手段から供給される高周波電力の周波数に対
    して高インピーダンス特性を有するフィルター回路を介
    して供給することを特徴とする請求項11に記載のプラ
    ズマ発生装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の高周波電力供給手段から供
    給される高周波電力の周波数は、前記第2の高周波電力
    供給手段から供給される高周波電力の周波数よりも高く
    設定されていることを特徴とする請求項11に記載のプ
    ラズマ発生装置。
  14. 【請求項14】 前記プラズマ発生部内の電子に、前記
    電場励起手段により励起される回転電場によってもたら
    される電子の回転運動の方向と同方向又は逆方向の旋回
    運動を与える磁場を前記プラズマ発生部に印加する磁場
    印加手段を備えていることを特徴とする請求項11に記
    載のプラズマ発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0721514A4 (en) * 1994-05-13 1997-01-15 Applied Materials Inc PLASMA GENERATOR WITH MULTIPLE CAPACITIES WITH IMPROVED PERFORMANCE BY A MAGNETIC FIELD AND ASSOCIATED METHOD
JP2001520457A (ja) * 1997-10-09 2001-10-30 エーケーティー株式会社 膜堆積用プラズマの2周波数励起
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JP2014135512A (ja) * 2007-08-17 2014-07-24 Tokyo Electron Ltd プラズマエッチング方法

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