JPH0640929Y2 - 燃料噴射装置 - Google Patents
燃料噴射装置Info
- Publication number
- JPH0640929Y2 JPH0640929Y2 JP12269188U JP12269188U JPH0640929Y2 JP H0640929 Y2 JPH0640929 Y2 JP H0640929Y2 JP 12269188 U JP12269188 U JP 12269188U JP 12269188 U JP12269188 U JP 12269188U JP H0640929 Y2 JPH0640929 Y2 JP H0640929Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- chamber
- overflow
- valve
- overflow valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関に用いる燃料噴射装置に関する。
機関により駆動されるプランジャと、燃料で満たされか
つプランジャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加圧
室内の燃料圧に応動してこの燃料圧が予め定められた圧
力を越えたときに開弁するニードルと、摺動孔内に摺動
可能に挿入されかつ燃料加圧室内の燃料の溢流を制御す
る溢流弁と、溢流弁を摺動孔の軸線方向に移動せしめて
溢流弁の開閉制御を行う圧電素子とを具備し、溢流弁が
閉弁したときに燃料噴射が行われるようにしたユニット
インジェクタが本出願人により既に提案されている(特
願昭62-335259号公報参照)。このユニットインジェク
タでは摺動孔の端部を燃料排出通路に連結された大径の
燃料溢流室内に開口せしめると共にこの摺動孔端部に弁
座を形成し、溢流弁が燃料溢流室内に位置しかつ弁座上
に着座可能な拡大頭部を有し、拡大頭部と反対側の溢流
弁端部に摺動孔内周面と密封的に接触する環状嵌合部を
形成し、この環状嵌合部と拡大頭部間の溢流弁外周面周
りに加圧燃料導入室を形成してこの加圧燃料導入室を燃
料加圧室に連結し、環状嵌合部に関して加圧燃料導入室
と反対側の摺動孔内に環状嵌合部により画定された溢流
弁背圧室を形成してこの溢流弁背圧室に溢流弁を開弁方
向に付勢するばねを挿入し、溢流弁背圧室と燃料溢流室
とを溢流弁内に形成した燃料通路を介して互いに連通せ
しめ、溢流弁背圧室内に挿入されたばねのばね力に抗し
て溢流弁を閉弁することにより燃料噴射を開始させ、こ
のばねのばね力により拡大頭部が弁座から離れたときに
燃料加圧室内の加圧燃料が加圧燃料導入室を介して燃料
溢流室内に溢流し、それによって燃料噴射が停止せしめ
られる。
つプランジャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加圧
室内の燃料圧に応動してこの燃料圧が予め定められた圧
力を越えたときに開弁するニードルと、摺動孔内に摺動
可能に挿入されかつ燃料加圧室内の燃料の溢流を制御す
る溢流弁と、溢流弁を摺動孔の軸線方向に移動せしめて
溢流弁の開閉制御を行う圧電素子とを具備し、溢流弁が
閉弁したときに燃料噴射が行われるようにしたユニット
インジェクタが本出願人により既に提案されている(特
願昭62-335259号公報参照)。このユニットインジェク
タでは摺動孔の端部を燃料排出通路に連結された大径の
燃料溢流室内に開口せしめると共にこの摺動孔端部に弁
座を形成し、溢流弁が燃料溢流室内に位置しかつ弁座上
に着座可能な拡大頭部を有し、拡大頭部と反対側の溢流
弁端部に摺動孔内周面と密封的に接触する環状嵌合部を
形成し、この環状嵌合部と拡大頭部間の溢流弁外周面周
りに加圧燃料導入室を形成してこの加圧燃料導入室を燃
料加圧室に連結し、環状嵌合部に関して加圧燃料導入室
と反対側の摺動孔内に環状嵌合部により画定された溢流
弁背圧室を形成してこの溢流弁背圧室に溢流弁を開弁方
向に付勢するばねを挿入し、溢流弁背圧室と燃料溢流室
とを溢流弁内に形成した燃料通路を介して互いに連通せ
しめ、溢流弁背圧室内に挿入されたばねのばね力に抗し
て溢流弁を閉弁することにより燃料噴射を開始させ、こ
のばねのばね力により拡大頭部が弁座から離れたときに
燃料加圧室内の加圧燃料が加圧燃料導入室を介して燃料
溢流室内に溢流し、それによって燃料噴射が停止せしめ
られる。
しかしながらこのユニットインジェクタでは燃料噴射を
停止すべく溢流弁が開弁すると高圧の燃料が燃料溢流室
内に溢流し、その結果燃料溢流室内の燃料圧が一時的に
高圧となる、このときこの高圧が溢流弁の拡大頭部の先
端面に作用するためにこの高圧によって溢流弁に閉弁方
向の力が作用する。一方、燃料溢流室内の燃料圧が高圧
になるとこの高圧燃料の一部は燃料排出通路を介して排
出され、この高圧燃料の一部は溢流弁内に形成された燃
料通路を介して溢流弁背圧室内に噴出する。このとき高
圧燃料の噴出作用によって溢流弁に開弁方向の力が作用
する。しかしながら溢流弁背圧室内には燃料溢流室内に
溢流した高圧燃料の一部しか噴出しないために溢流弁背
圧室内に噴出する燃料は少なく、斯くしてこの噴出燃料
によって溢流弁に作用する開弁方向の力はさほど強くな
らない。このように溢流弁にはさほど強力な開弁方向の
力が作用せず、これに対して溢流弁に作用する閉弁方向
の力が強いために溢流弁は開弁するや否や再び閉弁せし
められることになる。溢流弁が閉弁せしめられると燃料
噴射が続行されるがこのときの燃料噴射圧は低く、従っ
て燃料の微粒化がよくないために良好な燃焼が得られな
いという問題を生じる。
停止すべく溢流弁が開弁すると高圧の燃料が燃料溢流室
内に溢流し、その結果燃料溢流室内の燃料圧が一時的に
高圧となる、このときこの高圧が溢流弁の拡大頭部の先
端面に作用するためにこの高圧によって溢流弁に閉弁方
向の力が作用する。一方、燃料溢流室内の燃料圧が高圧
になるとこの高圧燃料の一部は燃料排出通路を介して排
出され、この高圧燃料の一部は溢流弁内に形成された燃
料通路を介して溢流弁背圧室内に噴出する。このとき高
圧燃料の噴出作用によって溢流弁に開弁方向の力が作用
する。しかしながら溢流弁背圧室内には燃料溢流室内に
溢流した高圧燃料の一部しか噴出しないために溢流弁背
圧室内に噴出する燃料は少なく、斯くしてこの噴出燃料
によって溢流弁に作用する開弁方向の力はさほど強くな
らない。このように溢流弁にはさほど強力な開弁方向の
力が作用せず、これに対して溢流弁に作用する閉弁方向
の力が強いために溢流弁は開弁するや否や再び閉弁せし
められることになる。溢流弁が閉弁せしめられると燃料
噴射が続行されるがこのときの燃料噴射圧は低く、従っ
て燃料の微粒化がよくないために良好な燃焼が得られな
いという問題を生じる。
上記問題点を解決するために本考案によれば機関により
駆動されるプランジャと、燃料で満たされかつプランジ
ャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加圧室内の燃料
圧に応動してこの燃料圧が予め定められた圧力を越えた
ときに開弁するニードルと、摺動孔内に摺動可能に挿入
された溢流弁と、溢流弁を摺動孔の軸線方向に移動せし
めて燃料加圧室からの燃料の溢流を制御するアクチュエ
ータとを具備し、溢流弁が燃料加圧室からの燃料の溢流
を停止したときに燃料噴射が行われる燃料噴射装置にお
いて、摺動孔の内壁面上に環状の弁座を形成し、溢流弁
の一端部に摺動孔内周面と密封的に接触する環状嵌合部
を形成すると共に溢流弁の外周面上に環状嵌合部から間
隔を隔てて配置されかつ弁座上に着座可能な環状弁部を
形成し、環状弁部と環状嵌合部間の溢流弁外周面周りに
環状の加圧燃料導入室を形成して加圧燃料導入室を燃料
加圧室に連結すると共に弁座に関して加圧燃料導入室と
反対側に燃料溢流室を形成し、環状嵌合部に関して加圧
燃料導入室と反対側の摺動孔内に環状嵌合部により画定
されたばね室を形成してこのばね室内に溢流弁を燃料溢
流室に向けて付勢するばねを挿入すると共にばね室を燃
料排出口に連通せしめ、燃料溢流室内に連通しかつ溢流
弁の軸線方向に向けてばね室内に開口する燃料排出通路
を溢流弁内に形成して溢流弁の環状弁部が弁座から離れ
たときに燃料溢流室内に溢流した燃料を燃料排出通路を
介して燃料排出口から排出せしめるようにしている。
駆動されるプランジャと、燃料で満たされかつプランジ
ャにより加圧される燃料加圧室と、燃料加圧室内の燃料
圧に応動してこの燃料圧が予め定められた圧力を越えた
ときに開弁するニードルと、摺動孔内に摺動可能に挿入
された溢流弁と、溢流弁を摺動孔の軸線方向に移動せし
めて燃料加圧室からの燃料の溢流を制御するアクチュエ
ータとを具備し、溢流弁が燃料加圧室からの燃料の溢流
を停止したときに燃料噴射が行われる燃料噴射装置にお
いて、摺動孔の内壁面上に環状の弁座を形成し、溢流弁
の一端部に摺動孔内周面と密封的に接触する環状嵌合部
を形成すると共に溢流弁の外周面上に環状嵌合部から間
隔を隔てて配置されかつ弁座上に着座可能な環状弁部を
形成し、環状弁部と環状嵌合部間の溢流弁外周面周りに
環状の加圧燃料導入室を形成して加圧燃料導入室を燃料
加圧室に連結すると共に弁座に関して加圧燃料導入室と
反対側に燃料溢流室を形成し、環状嵌合部に関して加圧
燃料導入室と反対側の摺動孔内に環状嵌合部により画定
されたばね室を形成してこのばね室内に溢流弁を燃料溢
流室に向けて付勢するばねを挿入すると共にばね室を燃
料排出口に連通せしめ、燃料溢流室内に連通しかつ溢流
弁の軸線方向に向けてばね室内に開口する燃料排出通路
を溢流弁内に形成して溢流弁の環状弁部が弁座から離れ
たときに燃料溢流室内に溢流した燃料を燃料排出通路を
介して燃料排出口から排出せしめるようにしている。
燃料溢流室内に溢流した全燃料が溢流弁内に形成された
燃料排出通路からばね室内に噴出せしめられ、従ってこ
の噴出燃料によって溢流弁には強力な開弁方向への力が
作用することになる。その結果、溢流弁は一旦開弁する
と開弁し続けることとなり、斯くして燃料噴射がただち
に停止せしめられる。
燃料排出通路からばね室内に噴出せしめられ、従ってこ
の噴出燃料によって溢流弁には強力な開弁方向への力が
作用することになる。その結果、溢流弁は一旦開弁する
と開弁し続けることとなり、斯くして燃料噴射がただち
に停止せしめられる。
第1図から第7図に本考案をユニットインジェクタに適
用した場合について示す。
用した場合について示す。
第1図から第4図を参照すると、1はハウジング本体、
2はその先端部にノズル口3を形成したノズル、4はス
ペーサ、5はスリーブ、6はこれらノズル2、スペーサ
4、スリーブ5をハウジング本体1に固締するためのノ
ズルホルダを夫々示す。ノズル2内にはノズル口3の開
閉制御を行うニードル7が摺動可能に挿入され、ニード
ル7の頂部は加圧ピン8を介してスプリングリテーナ9
に連結される。このスプリングリテーナ9は圧縮ばね10
により常時下方に向けて押圧され、この押圧力は加圧ピ
ン8を介してニードル7に伝えられる。従ってニードル
7は圧縮ばね10によって常時閉弁方向に付勢されること
になる。
2はその先端部にノズル口3を形成したノズル、4はス
ペーサ、5はスリーブ、6はこれらノズル2、スペーサ
4、スリーブ5をハウジング本体1に固締するためのノ
ズルホルダを夫々示す。ノズル2内にはノズル口3の開
閉制御を行うニードル7が摺動可能に挿入され、ニード
ル7の頂部は加圧ピン8を介してスプリングリテーナ9
に連結される。このスプリングリテーナ9は圧縮ばね10
により常時下方に向けて押圧され、この押圧力は加圧ピ
ン8を介してニードル7に伝えられる。従ってニードル
7は圧縮ばね10によって常時閉弁方向に付勢されること
になる。
一方、ハウジング本体1内にはニードル7と共軸的にプ
ランジャ孔11が形成され、このプランジャ孔11内にプラ
ンジャ12が摺動可能に挿入される。プランジャ12の上端
部はタペット13に連結され、このタペット13は圧縮ばね
14により常時上方に向けて付勢される。このタペット13
は機関駆動のカム(図示せず)により上下動せしめら
れ、それによってプランジャ12がプランジャ孔11内にお
いて上下動せしめられる。一方、プランジャ12下方のプ
ランジャ孔11内にはプランジャ12の下端面12aによって
画定された燃料加圧室15が形成される。この燃料加圧室
15は棒状フィルタ16および燃料通路17(第4図)を介し
てニードル加圧室18に連結され、このニードル加圧室18
はニードル7周りの環状燃料通路19を介してノズル口3
に連結される。また、プランジャ孔11の内壁面上には第
3図に示すようにプランジャ12が上方位置にあるときに
燃料加圧室15内に開口する燃料供給ポート20が形成さ
れ、この燃料供給ポート20から燃料加圧室15内に2〜3k
g/cm2程度のフィード圧の燃料が供給される。この燃料
供給ポート20は燃料供給ポート20から直角方向に延びる
燃料排出通路20aおよび開弁圧が2〜3kg/cm2程度のリリ
ーフ弁(図示せず)を介して例えば燃料タンク(図示せ
ず)に接続される。また、第3図に示されるようにプラ
ンジャ孔11に対して燃料供給ポート20と反対側には燃料
供給ポート20の穿設作業上必然的に形成される燃料ポー
ト21が形成され、この燃料ポート21の外端部は盲栓22に
よって閉鎖される。この燃料ポート21は燃料供給ポート
20と共軸的に延びてプランジャ孔11内に開口する。プラ
ンジャ孔11の内壁面上には燃料供給ポート20から燃料ポ
ート21に向けて延びる円周溝23が形成される。従ってプ
ランジャ12が下降してプランジャ12が燃料供給ポート20
および燃料ポート21を閉鎖したときに燃料供給ポート20
と燃料ポート21とは円周溝23を介して互いに連通せしめ
られ、従って燃料ポート21内の燃料圧は燃料供給ポート
20内と同じフィード圧に維持される。ニードル7を押圧
するための圧縮ばね10を収容する圧縮ばね収容室24は燃
料返戻通路25を介して燃料供給ポート20に連結され、圧
縮ばね収容室24内に漏洩した燃料は燃料返戻通路25を介
して燃料供給ポート20内に返戻される。一方、プランジ
ャ下端面12aよりもわずかばかり上方のプランジャ12の
外周面上には円周溝26が形成され、この円周溝26は円周
溝26内に漏洩した燃料を燃料供給ポート20内に返戻する
ためにハウジング本体1内に穿設された燃料返戻通路27
を介して燃料供給ポート20内に連通せしめられる。
ランジャ孔11が形成され、このプランジャ孔11内にプラ
ンジャ12が摺動可能に挿入される。プランジャ12の上端
部はタペット13に連結され、このタペット13は圧縮ばね
14により常時上方に向けて付勢される。このタペット13
は機関駆動のカム(図示せず)により上下動せしめら
れ、それによってプランジャ12がプランジャ孔11内にお
いて上下動せしめられる。一方、プランジャ12下方のプ
ランジャ孔11内にはプランジャ12の下端面12aによって
画定された燃料加圧室15が形成される。この燃料加圧室
15は棒状フィルタ16および燃料通路17(第4図)を介し
てニードル加圧室18に連結され、このニードル加圧室18
はニードル7周りの環状燃料通路19を介してノズル口3
に連結される。また、プランジャ孔11の内壁面上には第
3図に示すようにプランジャ12が上方位置にあるときに
燃料加圧室15内に開口する燃料供給ポート20が形成さ
れ、この燃料供給ポート20から燃料加圧室15内に2〜3k
g/cm2程度のフィード圧の燃料が供給される。この燃料
供給ポート20は燃料供給ポート20から直角方向に延びる
燃料排出通路20aおよび開弁圧が2〜3kg/cm2程度のリリ
ーフ弁(図示せず)を介して例えば燃料タンク(図示せ
ず)に接続される。また、第3図に示されるようにプラ
ンジャ孔11に対して燃料供給ポート20と反対側には燃料
供給ポート20の穿設作業上必然的に形成される燃料ポー
ト21が形成され、この燃料ポート21の外端部は盲栓22に
よって閉鎖される。この燃料ポート21は燃料供給ポート
20と共軸的に延びてプランジャ孔11内に開口する。プラ
ンジャ孔11の内壁面上には燃料供給ポート20から燃料ポ
ート21に向けて延びる円周溝23が形成される。従ってプ
ランジャ12が下降してプランジャ12が燃料供給ポート20
および燃料ポート21を閉鎖したときに燃料供給ポート20
と燃料ポート21とは円周溝23を介して互いに連通せしめ
られ、従って燃料ポート21内の燃料圧は燃料供給ポート
20内と同じフィード圧に維持される。ニードル7を押圧
するための圧縮ばね10を収容する圧縮ばね収容室24は燃
料返戻通路25を介して燃料供給ポート20に連結され、圧
縮ばね収容室24内に漏洩した燃料は燃料返戻通路25を介
して燃料供給ポート20内に返戻される。一方、プランジ
ャ下端面12aよりもわずかばかり上方のプランジャ12の
外周面上には円周溝26が形成され、この円周溝26は円周
溝26内に漏洩した燃料を燃料供給ポート20内に返戻する
ためにハウジング本体1内に穿設された燃料返戻通路27
を介して燃料供給ポート20内に連通せしめられる。
一方、ハウジング本体1内にはプランジャ孔11内の側方
近傍において横方向に延びる摺動孔30が形成される。従
ってこの摺動孔30はその軸線がプランジャ12とニードル
7の共通軸線にほぼ直交する直線に対し間隔を隔てて平
行をなすように形成される。この摺動孔30内には溢流弁
31が摺動可能に挿入される。第1図および第2図に示さ
れるように摺動孔30は互いに共軸的に配置された小径孔
32と大径孔33からなり、これら小径孔32と大径孔33の間
には小径孔32および大径孔33の共通軸線に対してほぼ垂
直をなす段部34が形成される。この段部34と小径孔32と
の接続部には環状をなす弁座35が形成される。一方、溢
流弁31は小径孔32内に位置する小径部36と大径孔33内に
位置する大径部37からなる。小径部36の外端部には小径
孔32の内壁面と密封的に接触する第1の環状嵌合部38が
形成され、大径部37の外端部には大径孔33の内壁面と密
封的に接触する第2の環状嵌合部39が形成される。これ
ら第1環状嵌合部38と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の
外周面上には弁座35上に着座可能な環状弁部40が形成さ
れる。環状弁部40と第1環状嵌合部38間の溢流弁31の外
周面周りには環状の加圧燃料導入室41が形成され、環状
弁部40と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の外周面周りに
は環状の燃料溢流室42が形成される。第2図に示される
ように燃料溢流室42を画定する大径部37の外周面の径は
小径孔32の径よりも大きく形成されており、従って燃料
溢流室42の容積はかなり小さく形成されている。小径孔
32の外端部にはスプリングリテーナ43が嵌着されてお
り、このスプリングリテーナ43と溢流弁31との間にはば
ね室44が形成される。このばね室44内には溢流弁31の環
状弁部40を弁座35から引き離す方向、即ち溢流弁31を開
弁方向に向けて付勢する圧縮ばね45が挿入される。溢流
弁31の大径部37内には半径方向に延びて燃料溢流室42内
に開口する燃料排出通路46が形成され、小径部36内には
軸線方向に延びてばね室44内に開口する燃料排出通路47
が形成される。これらの燃料排出通路46,47は溢流弁31
内において互いに連通しており、従ってばね室44は燃料
排出通路46,47を介して燃料溢流室42に連通する。第2
環状嵌合部39側の溢流弁31の端面48の中央部には燃料排
出通路46の近傍まで延びる凹溝49が形成される。このよ
うに溢流弁31内には凹溝49および燃料排出通路46,47が
形成されているので溢流弁31の質量はかなり小さくな
る。
近傍において横方向に延びる摺動孔30が形成される。従
ってこの摺動孔30はその軸線がプランジャ12とニードル
7の共通軸線にほぼ直交する直線に対し間隔を隔てて平
行をなすように形成される。この摺動孔30内には溢流弁
31が摺動可能に挿入される。第1図および第2図に示さ
れるように摺動孔30は互いに共軸的に配置された小径孔
32と大径孔33からなり、これら小径孔32と大径孔33の間
には小径孔32および大径孔33の共通軸線に対してほぼ垂
直をなす段部34が形成される。この段部34と小径孔32と
の接続部には環状をなす弁座35が形成される。一方、溢
流弁31は小径孔32内に位置する小径部36と大径孔33内に
位置する大径部37からなる。小径部36の外端部には小径
孔32の内壁面と密封的に接触する第1の環状嵌合部38が
形成され、大径部37の外端部には大径孔33の内壁面と密
封的に接触する第2の環状嵌合部39が形成される。これ
ら第1環状嵌合部38と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の
外周面上には弁座35上に着座可能な環状弁部40が形成さ
れる。環状弁部40と第1環状嵌合部38間の溢流弁31の外
周面周りには環状の加圧燃料導入室41が形成され、環状
弁部40と第2環状嵌合部39間の溢流弁31の外周面周りに
は環状の燃料溢流室42が形成される。第2図に示される
ように燃料溢流室42を画定する大径部37の外周面の径は
小径孔32の径よりも大きく形成されており、従って燃料
溢流室42の容積はかなり小さく形成されている。小径孔
32の外端部にはスプリングリテーナ43が嵌着されてお
り、このスプリングリテーナ43と溢流弁31との間にはば
ね室44が形成される。このばね室44内には溢流弁31の環
状弁部40を弁座35から引き離す方向、即ち溢流弁31を開
弁方向に向けて付勢する圧縮ばね45が挿入される。溢流
弁31の大径部37内には半径方向に延びて燃料溢流室42内
に開口する燃料排出通路46が形成され、小径部36内には
軸線方向に延びてばね室44内に開口する燃料排出通路47
が形成される。これらの燃料排出通路46,47は溢流弁31
内において互いに連通しており、従ってばね室44は燃料
排出通路46,47を介して燃料溢流室42に連通する。第2
環状嵌合部39側の溢流弁31の端面48の中央部には燃料排
出通路46の近傍まで延びる凹溝49が形成される。このよ
うに溢流弁31内には凹溝49および燃料排出通路46,47が
形成されているので溢流弁31の質量はかなり小さくな
る。
第4図に示されるようにハウジング本体1内には燃料通
路17から上方に延びて常時加圧燃料導入室41内に開口す
る燃料溢流路50が形成される。この燃料溢流路50は常時
燃料加圧室15に連通しており、従って加圧燃料導入室41
は常時燃料加圧室15に連通している。また、第1図、第
2図および第7図に示されるようにスプリングリテーナ
43内には燃料排出口51が形成され、ばね室44はこの燃料
排出口51に連通せしめられる。燃料排出口51は放射状に
延びる複数個の燃料排出通路52を介して環状をなす燃料
排出通路53内に連結され、この環状排出通路53は燃料排
出管54を介して例えば燃料タンク(図示せず)に連結さ
れる。従って燃料溢流室42内に溢流した全燃料は溢流弁
31内の燃料排出通路46,47、ばね室44および燃料排出口5
1を介して燃料タンク(図示せず)に返戻される。
路17から上方に延びて常時加圧燃料導入室41内に開口す
る燃料溢流路50が形成される。この燃料溢流路50は常時
燃料加圧室15に連通しており、従って加圧燃料導入室41
は常時燃料加圧室15に連通している。また、第1図、第
2図および第7図に示されるようにスプリングリテーナ
43内には燃料排出口51が形成され、ばね室44はこの燃料
排出口51に連通せしめられる。燃料排出口51は放射状に
延びる複数個の燃料排出通路52を介して環状をなす燃料
排出通路53内に連結され、この環状排出通路53は燃料排
出管54を介して例えば燃料タンク(図示せず)に連結さ
れる。従って燃料溢流室42内に溢流した全燃料は溢流弁
31内の燃料排出通路46,47、ばね室44および燃料排出口5
1を介して燃料タンク(図示せず)に返戻される。
第1図および第2図に示されるように摺動孔30の大径孔
33の外端部にはロッド60を案内支持するロッドガイド61
が嵌着され、このロッドガイド61はその内部にロッド孔
62を具備する。ロッド60はロッド孔62内に摺動可能に挿
入された中空円筒状の小径部63と、大径孔33内に摺動可
能に挿入された大径部64からなり、大径部64の端面が溢
流弁31の端面48に当接せしめられる。ロッドガイド61の
内端部とロッド60の大径部64間にはロッド背圧室65が形
成される。大径部64と反対側のロッド60の端部には小径
部63の端面63aにより画定された圧力制御室66が形成さ
れる。この圧力制御室66の上方にはアクチュエータ70が
配置される。第1図および第2図に示されるようにロッ
ド60は中空円筒状をなしており、従ってロッド60の質量
はかなり小さくなる。
33の外端部にはロッド60を案内支持するロッドガイド61
が嵌着され、このロッドガイド61はその内部にロッド孔
62を具備する。ロッド60はロッド孔62内に摺動可能に挿
入された中空円筒状の小径部63と、大径孔33内に摺動可
能に挿入された大径部64からなり、大径部64の端面が溢
流弁31の端面48に当接せしめられる。ロッドガイド61の
内端部とロッド60の大径部64間にはロッド背圧室65が形
成される。大径部64と反対側のロッド60の端部には小径
部63の端面63aにより画定された圧力制御室66が形成さ
れる。この圧力制御室66の上方にはアクチュエータ70が
配置される。第1図および第2図に示されるようにロッ
ド60は中空円筒状をなしており、従ってロッド60の質量
はかなり小さくなる。
第1図および第5図に示されるようにアクチュエータ70
はハウジング本体1と一体形成されかつその内部にピス
トン孔71を形成したアクチュエータハウジング72と、ピ
ストン孔71内に摺動可能に挿入されたピストン73と、ア
クチュエータハウジング72の頂部を覆う端板74と、端板
74をアクチュエータハウジング72の頂部に固定するため
の端板ホルダ75と、端板74の上端部を覆う合成樹脂製キ
ャップ76とを具備する。ピストン73と端板74間には多数
の圧電素子板を積層したピエゾ圧電素子77が挿入され、
ピストン73下方のピストン孔71内にはピストン73の下端
面によって画定された可変容積室78が形成される。この
可変容積室78は燃料通路79を介して圧力制御室66に連通
する。ピストン73とアクチュエータハウジング72間には
環状の冷却室80が形成され、この冷却室80内にはピスト
ン73を常時上方に向けて付勢する圧縮ばね81が挿入され
る。ピエゾ圧電素子77に電荷をチャージするとピエゾ圧
電素子77は軸方向に伸長し、その結果可変容積室78の容
積が減少する。一方、ピエゾ圧電素子77にチャージされ
た電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子77は軸方
向に収縮し、その結果可変容積室78の容積が増大する。
はハウジング本体1と一体形成されかつその内部にピス
トン孔71を形成したアクチュエータハウジング72と、ピ
ストン孔71内に摺動可能に挿入されたピストン73と、ア
クチュエータハウジング72の頂部を覆う端板74と、端板
74をアクチュエータハウジング72の頂部に固定するため
の端板ホルダ75と、端板74の上端部を覆う合成樹脂製キ
ャップ76とを具備する。ピストン73と端板74間には多数
の圧電素子板を積層したピエゾ圧電素子77が挿入され、
ピストン73下方のピストン孔71内にはピストン73の下端
面によって画定された可変容積室78が形成される。この
可変容積室78は燃料通路79を介して圧力制御室66に連通
する。ピストン73とアクチュエータハウジング72間には
環状の冷却室80が形成され、この冷却室80内にはピスト
ン73を常時上方に向けて付勢する圧縮ばね81が挿入され
る。ピエゾ圧電素子77に電荷をチャージするとピエゾ圧
電素子77は軸方向に伸長し、その結果可変容積室78の容
積が減少する。一方、ピエゾ圧電素子77にチャージされ
た電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子77は軸方
向に収縮し、その結果可変容積室78の容積が増大する。
第5図に示されるようにハウジング本体1には逆止弁82
が挿入される。この逆止弁82は弁ポート83の開閉制御を
するボール84と、ボール84のリフト量を規制するロッド
85と、ボール84およびロッド85を常時下方に向けて押圧
する圧縮ばね86とを具備し、従って弁ポート83は通常ボ
ール84によって閉鎖される。逆止弁82の弁ポート83は燃
料流入通路87を介して例えば低圧燃料ポンプ(図示せ
ず)に連結され、2〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入
通路87から供給される。逆止弁82は可変容積室78内に向
けてのみ流通可能であり、従って可変容積室78内の燃料
圧が2〜3kg/cm2よりも低下すると燃料が逆止弁82を介
して可変容積室78内に補給される。従って可変容積室78
内は常時燃料によって満たされている。一方、第5図に
示されるように冷却室80の下端部は燃料流入通路88を介
して例えば低圧燃料ポンプ(図示せず)に連結され、2
〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入通路88から冷却室80
内に供給される。この燃料によってピエゾ圧電素子77が
冷却される。また、第3図に示されるように冷却室80の
下端部は燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20に連
結され、この燃料供給ポート20内に冷却室80から燃料供
給ポート20に向けてのみ流通可能な逆止弁90が配置され
る。この逆止弁90は弁ポート91の開閉制御をするボール
92と、ボール92のリフト量を規制するロッド93と、ボー
ル92およびロッド93を常時上方に向けて押圧する圧縮ば
ね94からなる。冷却室80内の燃料はピエゾ圧電素子77を
冷却した後、燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20
に供給される。また、第1図および第2図に示されるよ
うに冷却室80の下端部は燃料通路95を介してロッド背圧
室65に連結され、従ってロッド背圧室65は2〜3kg/cm2
の燃料で満たされる。
が挿入される。この逆止弁82は弁ポート83の開閉制御を
するボール84と、ボール84のリフト量を規制するロッド
85と、ボール84およびロッド85を常時下方に向けて押圧
する圧縮ばね86とを具備し、従って弁ポート83は通常ボ
ール84によって閉鎖される。逆止弁82の弁ポート83は燃
料流入通路87を介して例えば低圧燃料ポンプ(図示せ
ず)に連結され、2〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入
通路87から供給される。逆止弁82は可変容積室78内に向
けてのみ流通可能であり、従って可変容積室78内の燃料
圧が2〜3kg/cm2よりも低下すると燃料が逆止弁82を介
して可変容積室78内に補給される。従って可変容積室78
内は常時燃料によって満たされている。一方、第5図に
示されるように冷却室80の下端部は燃料流入通路88を介
して例えば低圧燃料ポンプ(図示せず)に連結され、2
〜3kg/cm2の低圧の燃料が燃料流入通路88から冷却室80
内に供給される。この燃料によってピエゾ圧電素子77が
冷却される。また、第3図に示されるように冷却室80の
下端部は燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20に連
結され、この燃料供給ポート20内に冷却室80から燃料供
給ポート20に向けてのみ流通可能な逆止弁90が配置され
る。この逆止弁90は弁ポート91の開閉制御をするボール
92と、ボール92のリフト量を規制するロッド93と、ボー
ル92およびロッド93を常時上方に向けて押圧する圧縮ば
ね94からなる。冷却室80内の燃料はピエゾ圧電素子77を
冷却した後、燃料流出通路89を介して燃料供給ポート20
に供給される。また、第1図および第2図に示されるよ
うに冷却室80の下端部は燃料通路95を介してロッド背圧
室65に連結され、従ってロッド背圧室65は2〜3kg/cm2
の燃料で満たされる。
前述したように燃料は燃料流入通路88を介して冷却室80
内に供給され、次いでこの燃料はピエゾ圧電素子77を冷
却した後、燃料流出通路89および逆止弁90を介して燃料
供給ポート20内に供給される。第3図に示すようにプラ
ンジャ12が上方位置にあるときには燃料供給ポート20か
ら燃料加圧室15内に燃料が供給され、従ってこのときに
は燃料加圧室15内は2〜3kg/cm2程度の低圧になってい
る。一方、このときピエゾ圧電素子77は最大収縮位置に
あり、このとき可変容積室78および圧力制御室66内の燃
料圧は2〜3kg/cm2程度の低圧になっている。従ってこ
のとき溢流弁31は圧縮ばね45のばね力により第1図およ
び第2図において右方に移動して環状弁部40が弁座35か
ら離れている、即ち溢流弁31が開弁している。従って燃
料加圧室15内の低圧の燃料は燃料溢流路50および加圧燃
料導入室41を介して燃料溢流室42内に供給され、燃料溢
流室42内に供給された燃料は溢流弁31内に形成された燃
料排出通路47,48を介して燃料排出口51から排出され
る。従ってこのとき加圧燃料導入室41、燃料溢流室42お
よびばね室44内も2〜3kg/cm2の低圧の燃料で満たされ
ている。
内に供給され、次いでこの燃料はピエゾ圧電素子77を冷
却した後、燃料流出通路89および逆止弁90を介して燃料
供給ポート20内に供給される。第3図に示すようにプラ
ンジャ12が上方位置にあるときには燃料供給ポート20か
ら燃料加圧室15内に燃料が供給され、従ってこのときに
は燃料加圧室15内は2〜3kg/cm2程度の低圧になってい
る。一方、このときピエゾ圧電素子77は最大収縮位置に
あり、このとき可変容積室78および圧力制御室66内の燃
料圧は2〜3kg/cm2程度の低圧になっている。従ってこ
のとき溢流弁31は圧縮ばね45のばね力により第1図およ
び第2図において右方に移動して環状弁部40が弁座35か
ら離れている、即ち溢流弁31が開弁している。従って燃
料加圧室15内の低圧の燃料は燃料溢流路50および加圧燃
料導入室41を介して燃料溢流室42内に供給され、燃料溢
流室42内に供給された燃料は溢流弁31内に形成された燃
料排出通路47,48を介して燃料排出口51から排出され
る。従ってこのとき加圧燃料導入室41、燃料溢流室42お
よびばね室44内も2〜3kg/cm2の低圧の燃料で満たされ
ている。
次いでプランジャ12が下降すると燃料供給ポート20がプ
ランジャ12によって閉鎖されるが溢流弁31が開弁してい
るために燃料加圧室15内の燃料は燃料溢流路50、溢流弁
22の加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に流出す
る。従ってこのときも燃料加圧室15内の燃料圧は2〜3k
g/cm2程度の低圧となっている。
ランジャ12によって閉鎖されるが溢流弁31が開弁してい
るために燃料加圧室15内の燃料は燃料溢流路50、溢流弁
22の加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に流出す
る。従ってこのときも燃料加圧室15内の燃料圧は2〜3k
g/cm2程度の低圧となっている。
次いで燃料噴射を開始すべくピエゾ圧電素子77に電荷が
チャージされるとピエゾ圧電素子77は軸線方向に伸長
し、その結果ピストン73が下降するために可変容積室78
および圧力制御室66内の燃料圧が急激に上昇する。圧力
制御室66内の燃料圧が上昇するとロッド60が第1図およ
び第2図において左方に移動するためにそれに伴って溢
流弁31も左方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
に当接して溢流弁31が閉弁せしめられる。溢流弁31が閉
弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降
運動により急速に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予
め定められた圧力、例えば1500kg/cm2以上の一定圧を越
えるとニードル7が開弁してノズル口3から燃料が噴射
される。このとき燃料溢流路50を介して溢流弁31の加圧
燃料導入室41内にも高圧が加わるが加圧燃料導入室41の
軸方向両端面の受圧面積が等しいためにこの高圧によっ
て溢流弁31に駆動力が作用しない。
チャージされるとピエゾ圧電素子77は軸線方向に伸長
し、その結果ピストン73が下降するために可変容積室78
および圧力制御室66内の燃料圧が急激に上昇する。圧力
制御室66内の燃料圧が上昇するとロッド60が第1図およ
び第2図において左方に移動するためにそれに伴って溢
流弁31も左方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
に当接して溢流弁31が閉弁せしめられる。溢流弁31が閉
弁すると燃料加圧室15内の燃料圧はプランジャ12の下降
運動により急速に上昇し、燃料加圧室15内の燃料圧が予
め定められた圧力、例えば1500kg/cm2以上の一定圧を越
えるとニードル7が開弁してノズル口3から燃料が噴射
される。このとき燃料溢流路50を介して溢流弁31の加圧
燃料導入室41内にも高圧が加わるが加圧燃料導入室41の
軸方向両端面の受圧面積が等しいためにこの高圧によっ
て溢流弁31に駆動力が作用しない。
次いで燃料噴射を停止すべくピエゾ圧電素子77にチャー
ジされた電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子
77が収縮する。その結果、ピストン73が圧縮ばね81のば
ね力により上昇せしめられるために可変容積室78および
圧力制御室66内の燃料圧が低下する。前述したようにロ
ッド60および溢流弁31の質量は小さく、従って圧力制御
室66内の燃料圧が低下するとロッド60および溢流弁31が
圧縮ばね45のばね力によりただちに第1図および第2図
において右方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
から離れて溢流弁31が即座に開弁する。溢流弁31が開弁
すると燃料加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢流路50およ
び加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に噴出し、
その結果燃料加圧室15内の燃料圧は急速に低下する。一
方、燃料溢流室42の容積が小さいために加圧燃料が燃料
溢流室42内に噴出すると燃料溢流室42内の燃料圧は一時
的にかなり高圧となる。前述したように溢流弁31の大径
部37の端面48と燃料溢流室42間には第2環状嵌合部39が
形成されているので燃料溢流室42内に発生した高圧が溢
流弁31の大径部37の端面48に作用しない。その結果、燃
料溢流室42内に発生した高圧は摺動孔30の大径孔33の断
面積から小径孔32の断面積を差引いた面積に対して溢流
弁31の開弁方向にのみ作用し、斯くして溢流弁31は燃料
溢流室42内に発生した高圧によって開弁方向に付勢され
ることになる。また燃料溢流室42内に高圧の燃料が噴出
するとこの全高圧燃料は溢流弁31内の燃料排出通路46を
介して燃料排出通路47からばね室44内に噴出する。この
ように燃料排出通路47から高圧の燃料が噴出すると噴出
作用の反力により溢流弁31には強力な開弁方向の付勢力
が作用することになる。また、高圧燃料がばね室44内に
噴出するとばね室44内の燃料圧が上昇し、その結果ばね
室44内の燃料圧によって溢流弁31には開弁方向の付勢力
が作用する。このように溢流弁31が開弁すると燃料溢流
室42内の圧力上昇、燃料排出通路47からの燃料噴出作用
およびばね室44内の圧力上昇によって溢流弁31に開弁方
向の付勢力が作用するために溢流弁31の環状弁部40が弁
座35を離れるや否や溢流弁31は急速に開弁せしめられ、
更に溢流弁31は一旦開弁すると開弁状態に保持される。
従って溢流弁31が開弁すると燃料加圧室15内の燃料圧が
連続的に急速に低下するために溢流弁31が開弁するとた
だちにニードル7が下降して燃料噴射が停止せしめられ
る。一方、溢流弁31を開弁するためにピエゾ圧電素子77
が収縮せしめられて可変容積室78の燃料圧が低下せしめ
られたときに可変容積室78の燃料圧が燃料流入通路87
(第5図)内の燃料圧よりも低くなれば逆止弁82を介し
て低圧の燃料が可変容積室78内に補給される。
ジされた電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子
77が収縮する。その結果、ピストン73が圧縮ばね81のば
ね力により上昇せしめられるために可変容積室78および
圧力制御室66内の燃料圧が低下する。前述したようにロ
ッド60および溢流弁31の質量は小さく、従って圧力制御
室66内の燃料圧が低下するとロッド60および溢流弁31が
圧縮ばね45のばね力によりただちに第1図および第2図
において右方に移動し、溢流弁31の環状弁部40が弁座35
から離れて溢流弁31が即座に開弁する。溢流弁31が開弁
すると燃料加圧室15内の高圧の燃料が燃料溢流路50およ
び加圧燃料導入室41を介して燃料溢流室42内に噴出し、
その結果燃料加圧室15内の燃料圧は急速に低下する。一
方、燃料溢流室42の容積が小さいために加圧燃料が燃料
溢流室42内に噴出すると燃料溢流室42内の燃料圧は一時
的にかなり高圧となる。前述したように溢流弁31の大径
部37の端面48と燃料溢流室42間には第2環状嵌合部39が
形成されているので燃料溢流室42内に発生した高圧が溢
流弁31の大径部37の端面48に作用しない。その結果、燃
料溢流室42内に発生した高圧は摺動孔30の大径孔33の断
面積から小径孔32の断面積を差引いた面積に対して溢流
弁31の開弁方向にのみ作用し、斯くして溢流弁31は燃料
溢流室42内に発生した高圧によって開弁方向に付勢され
ることになる。また燃料溢流室42内に高圧の燃料が噴出
するとこの全高圧燃料は溢流弁31内の燃料排出通路46を
介して燃料排出通路47からばね室44内に噴出する。この
ように燃料排出通路47から高圧の燃料が噴出すると噴出
作用の反力により溢流弁31には強力な開弁方向の付勢力
が作用することになる。また、高圧燃料がばね室44内に
噴出するとばね室44内の燃料圧が上昇し、その結果ばね
室44内の燃料圧によって溢流弁31には開弁方向の付勢力
が作用する。このように溢流弁31が開弁すると燃料溢流
室42内の圧力上昇、燃料排出通路47からの燃料噴出作用
およびばね室44内の圧力上昇によって溢流弁31に開弁方
向の付勢力が作用するために溢流弁31の環状弁部40が弁
座35を離れるや否や溢流弁31は急速に開弁せしめられ、
更に溢流弁31は一旦開弁すると開弁状態に保持される。
従って溢流弁31が開弁すると燃料加圧室15内の燃料圧が
連続的に急速に低下するために溢流弁31が開弁するとた
だちにニードル7が下降して燃料噴射が停止せしめられ
る。一方、溢流弁31を開弁するためにピエゾ圧電素子77
が収縮せしめられて可変容積室78の燃料圧が低下せしめ
られたときに可変容積室78の燃料圧が燃料流入通路87
(第5図)内の燃料圧よりも低くなれば逆止弁82を介し
て低圧の燃料が可変容積室78内に補給される。
次いでプランジャ12が上昇して上端位置まで戻り、再び
下降を開始する。
下降を開始する。
このようにプランジャ12には燃料加圧室15内の燃料圧が
1500kg/cm2以上の高圧となるように強力な下向きの駆動
力が与えられる。しかしながら摺動孔30はプランジャ12
の側方に配置されているので摺動孔30が歪むことなく、
斯くして溢流弁31の円滑な摺動作用を確保することがで
きる。また、摺動孔30はプランジャ12の側方において横
方向に延びるように配置されているので摺動孔30を燃料
加圧室15に近接して配置することができる。その結果、
燃料溢流路50の長さを短くすることができるので燃料溢
流路50も含めた燃料加圧室15の容積を小さくすることが
できる。従って燃料加圧室15内の燃料圧を容易に高圧化
することができるので良好な噴射燃料の微粒化を確保す
ることができる。更に、燃料加圧室15の容積を小さくす
ることができるので溢流弁31が開弁したときに燃料加圧
室15内の燃料圧がただちに低下し、燃料噴射がただちに
停止する。従って溢流弁31が開弁した後に低圧下で燃料
噴射が継続することがないのでスモークの発生を抑制で
き、しかも機関出力を向上できると共に燃料消費率を向
上することができる。また、溢流弁31の開閉動作に応動
して燃料噴射量が即座に立上り、燃料噴射が即座に停止
するので良好なパイロット噴射を行うことができる。
1500kg/cm2以上の高圧となるように強力な下向きの駆動
力が与えられる。しかしながら摺動孔30はプランジャ12
の側方に配置されているので摺動孔30が歪むことなく、
斯くして溢流弁31の円滑な摺動作用を確保することがで
きる。また、摺動孔30はプランジャ12の側方において横
方向に延びるように配置されているので摺動孔30を燃料
加圧室15に近接して配置することができる。その結果、
燃料溢流路50の長さを短くすることができるので燃料溢
流路50も含めた燃料加圧室15の容積を小さくすることが
できる。従って燃料加圧室15内の燃料圧を容易に高圧化
することができるので良好な噴射燃料の微粒化を確保す
ることができる。更に、燃料加圧室15の容積を小さくす
ることができるので溢流弁31が開弁したときに燃料加圧
室15内の燃料圧がただちに低下し、燃料噴射がただちに
停止する。従って溢流弁31が開弁した後に低圧下で燃料
噴射が継続することがないのでスモークの発生を抑制で
き、しかも機関出力を向上できると共に燃料消費率を向
上することができる。また、溢流弁31の開閉動作に応動
して燃料噴射量が即座に立上り、燃料噴射が即座に停止
するので良好なパイロット噴射を行うことができる。
また、摺動孔30をプランジャ12の側方において横方向に
延びるように形成することによってユニットインジェク
タの横巾を狭くすることができ、更にピエゾ圧電素子77
をその軸線が摺動孔30およびロッド60の共通軸線に対し
てほぼ直角をなすように、即ちプランジャ12とニードル
7の共通軸線に対してほぼ平行をなすように配置するこ
とによってユニットインジェクタの横巾を更に狭くする
ことができる。
延びるように形成することによってユニットインジェク
タの横巾を狭くすることができ、更にピエゾ圧電素子77
をその軸線が摺動孔30およびロッド60の共通軸線に対し
てほぼ直角をなすように、即ちプランジャ12とニードル
7の共通軸線に対してほぼ平行をなすように配置するこ
とによってユニットインジェクタの横巾を更に狭くする
ことができる。
燃料溢流室内に溢流した高圧の全燃料を溢流弁内に形成
された燃料排出通路からばね室内に噴出することによっ
てこの噴出作用により溢流弁には強力な開弁方向の力が
作用する。その結果、燃料噴射を停止すべく溢流弁を開
弁したときに溢流弁は一旦開弁せしめられると開弁状態
に保持される。従ってニードルがただちに閉弁するため
に低圧下下で燃料噴射が継続することがなく、斯くして
良好な燃焼を確保することができる。
された燃料排出通路からばね室内に噴出することによっ
てこの噴出作用により溢流弁には強力な開弁方向の力が
作用する。その結果、燃料噴射を停止すべく溢流弁を開
弁したときに溢流弁は一旦開弁せしめられると開弁状態
に保持される。従ってニードルがただちに閉弁するため
に低圧下下で燃料噴射が継続することがなく、斯くして
良好な燃焼を確保することができる。
第1図は第4図のI-I線に沿ってみたユニットインジェ
クタの側面断面図、第2図は第1図の一部の拡大側面断
面図、第3図は第4図のIII-III線に沿ってみた側面断
面図、第4図は第1図のIV-IV線に沿ってみた側面断面
図、第5図は第1図および第7図のV-V線に沿ってみた
側面断面図、第6図は第1図の平面図、第7図は第1図
のVII-VII線に沿ってみた平面断面図である。 3……ノズル口、7……ニードル、 11……プランジャ孔、12……プランジャ、 15……燃料加圧室、20……燃料供給ポート、 30……摺動孔、31……溢流弁、 35……弁座、38……第1環状嵌合部、 39……第2環状嵌合部、40……環状弁部、 41……加圧燃料導入室、42……燃料溢流室、 44……ばね室、46,47……燃料排出通路、 51……燃料排出口。
クタの側面断面図、第2図は第1図の一部の拡大側面断
面図、第3図は第4図のIII-III線に沿ってみた側面断
面図、第4図は第1図のIV-IV線に沿ってみた側面断面
図、第5図は第1図および第7図のV-V線に沿ってみた
側面断面図、第6図は第1図の平面図、第7図は第1図
のVII-VII線に沿ってみた平面断面図である。 3……ノズル口、7……ニードル、 11……プランジャ孔、12……プランジャ、 15……燃料加圧室、20……燃料供給ポート、 30……摺動孔、31……溢流弁、 35……弁座、38……第1環状嵌合部、 39……第2環状嵌合部、40……環状弁部、 41……加圧燃料導入室、42……燃料溢流室、 44……ばね室、46,47……燃料排出通路、 51……燃料排出口。
Claims (1)
- 【請求項1】機関により駆動されるプランジャと、燃料
で満たされかつプランジャにより加圧される燃料加圧室
と、燃料加圧室内の燃料圧に応動して該燃料圧が予め定
められた圧力を越えたときに開弁するニードルと、摺動
孔内に摺動可能に挿入された溢流弁と、該溢流弁を摺動
孔の軸線方向に移動せしめて該燃料加圧室からの燃料の
溢流を制御するアクチュエータとを具備し、該溢流弁が
燃料加圧室からの燃料の溢流を停止したときに燃料噴射
が行われる燃料噴射装置において、上記摺動孔の内壁面
上に環状の弁座を形成し、上記溢流弁の一端部に摺動孔
内周面と密封的に接触する環状嵌合部を形成すると共に
上記溢流弁の外周面上に該環状嵌合部から間隔を隔てて
配置されかつ上記弁座上に着座可能な環状弁部を形成
し、該環状弁部と環状嵌合部間の溢流弁外周面周りに環
状の加圧燃料導入室を形成して該加圧燃料導入室を上記
燃料加圧室に連結すると共に該弁座に関して加圧燃料導
入室と反対側に燃料溢流室を形成し、上記環状嵌合部に
関して加圧燃料導入室と反対側の摺動孔内に環状嵌合部
により画定されたばね室を形成して該ばね室内に溢流弁
を燃料溢流室に向けて付勢するばねを挿入すると共に該
ばね室を燃料排出口に連通せしめ、上記燃料溢流室内に
連通しかつ溢流弁の軸線方向に向けてばね室内に開口す
る燃料排出通路を溢流弁内に形成して溢流弁の環状弁部
が弁座から離れたときに燃料溢流室内に溢流した燃料を
上記燃料排出通路を介して燃料排出口から排出せしめる
ようにした燃料噴射装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12269188U JPH0640929Y2 (ja) | 1988-09-21 | 1988-09-21 | 燃料噴射装置 |
GB8921014A GB2224786B (en) | 1988-09-21 | 1989-09-15 | A fuel injection device |
US07/408,147 US5076241A (en) | 1988-09-21 | 1989-09-15 | Fuel injection device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12269188U JPH0640929Y2 (ja) | 1988-09-21 | 1988-09-21 | 燃料噴射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0246068U JPH0246068U (ja) | 1990-03-29 |
JPH0640929Y2 true JPH0640929Y2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=31370857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12269188U Expired - Lifetime JPH0640929Y2 (ja) | 1988-09-21 | 1988-09-21 | 燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0640929Y2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-21 JP JP12269188U patent/JPH0640929Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0246068U (ja) | 1990-03-29 |
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