JPH0640760Y2 - 壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、壁パネルに関し、特に、既設の建物躯体内に
構築されるプレファブルームに使用される壁パネルに関
する。

（従来の技術） 近年、ビルジングの躯体建設後、屋内工事を行うに際
し、その水廻り空間、例えば、便器と洗面台が浴槽に併
設されるバスルームや男子用及び女子用の便器と洗面台
が複数並置されるトイレ等のスペースは、工事内容が多
岐に亘る為、事前に一括して工場等でユニット化した汎
用の壁パネルや便器或いは洗面台付パネル等の特殊な壁
パネル、それに配管や器材等を建物の中に搬入し、壁パ
ネルを適宜建て巡らすと共に配管や器材等を設備して所
謂プレファブ方式のインナールームを新たに設けること
により行い、以って施工の簡略化を図る傾向に在る。

こうしたプレファブルームの壁パネルは、表面にタイル
等の仕上材が貼設された壁装板の裏面に、該壁装板の全
長に亘る左右の縦框間に上框及び下框を横架した補強フ
レームを設けた平板なユニットとして構成される。

また、斯かる壁パネルの取付けは、建物壁部から離して
設けられた支柱及び該支柱間に横架される上枠及び下枠
等から成る基礎枠及び隣接して建付けられる他の壁パネ
ルに対して行われる。

（考案が解決しようとする問題点） 斯かる壁パネルにあっては、製造コストの面から、その
構造が簡単で製作し易いものでなければならず、該壁パ
ネルの補強フレームを前記基礎枠の上枠及び下枠等に止
着するために、該補強フレームに複雑な部材の組付け及
び加工を必要とするものであってはならない。

本考案は斯かる技術上の問題点を解決するために成され
たものであり、前記上枠及び下枠等の基礎枠に止着する
ための取付部を備えると共にその構造及び製作が平易な
壁パネルを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以上説明した問題点を解決するために、本考案は前記壁
パネルの上部及び下部の夫々に、前記補強フレームを構
成するメンバの一部を突出させた上部取付部及び下部取
付部を設けると共に、前記上部取付部には取付片を取り
付け、前記メンバには奥行が前記上部取付部の奥行の略
半分の取合用チャンネルを取り付けた。（作用） 上記手段によれば、補強フレームのメンバの一部を夫々
壁パネルの上部及び下部に突出させた構造、例えば補強
フレームの左右の縦框を壁パネルの上方及び下方に突出
させ、上方突出部に取付部を取り付ける等の簡単な構造
で壁パネル上部及び下部取付部を形成することができ
る。又、このメンバ（左右の縦框）に取合用チャンネル
を取り付けることにより、隣接する壁パネルの接続部も
形成することができる。更に、この取合用チャンネルの
奥行を上部取付部の奥行の略半分にしたため、例えば、
搬入時等に壁パネルを積み重ねた場合でも取合用チャン
ネルを変形させることがない。（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づき詳細に説明
する。

先ず第２図を参照して、本考案に係る壁パネルが適用さ
れたプレファブルームの概要説明を行なう。

第２図はプレファブルーム全体の横断面図である。

図中、参照符号Ｐはプレファブルーム全体を示す。プレ
ファブルームＰは既設のビルジング内の所与のルームス
ペースＳ中に吊天井式システムトレイとして設備された
ものである。該プレファブルームＰは、出入口Ｅの片側
から始めて他側に終了するまで略々躯体の壁Wb沿いに側
壁１を巡らしていくことにより所望形状の室内空間Ｒを
画成し、途中、側壁１を室内Ｒ側に往復迂回させて間仕
切り壁A,Bを設け、これにより便所Rtと洗面所Rwとの間
及び洗面所Rwと正面通路Pfとの間を夫々区画している。

側壁１は、便所Rt及び洗面所Rwの各入隅部のコーナーポ
スト２や出隅部の支持ポスト３、それに間仕切り壁A,B
の先端部折返し用ポスト４及び基端部共用ポスト５、更
には出入口Ｅ左右の端仕舞用ポスト６といった適宜な支
柱（以降、総称的にはＣで表す）間に設けられる基礎枠
前面に壁パネルを建付けて構成されるものであり、便所
Rt側壁1aに特に示すように、ユニット化された壁パネル
7a,7b,7cを並べて建付け、隣接する壁パネル7a,7b、7b,
7c、7a,7c同士を夫々クリップジョイント８で結着して
構成されている。

尚、正面通路Pf及び洗面所Rwにおける側壁1b,1cにあっ
ても基本的構造は同様であり、その詳細を省略する。

また、異なる側壁1a,1b,1cが出合う出隅部及び間仕切り
壁A,B端部には飾り縁9a,9b,9cが設けられている。

ここで第３図を参照してプレファブルームＰの便所Rt側
壁1aにおける壁パネル７の建付構造に付き説明する。

第３図は第２図の３−３線に沿ったプレファブルーム要
部の縦断面図である。

前記コーナーポスト２は躯体の床Fb上に躯体の壁Wbより
離して立設され、その下端部2aには不図示の下枠取合用
枝枠が設けられていてこの枝枠にＣチャンネル状床ボー
ダ10の一端が突合せ接合されている。床ボーダ10は隣合
う支柱Ｃへ向けて延設し、その途中適宜箇所で躯体の床
Fbとの間にスペーサ12を介挿してレベルを出し、グリッ
プアンカー13のボルト14に締着固定する。

コーナーポスト２の上端部2bでは、同様に、その正面視
左右の各側面に不図示の上枠取合用枝枠を設け、この枝
枠に略Ｌ字状断面の上枠15の一端を突合せ、更に、その
上部にコーナープレート17を上方から被せて一体的に止
着固定している。頭つなぎ材15も上記隣合う支柱Ｃへ向
けて延設され、その途中適宜箇所で、対抗する側の側壁
上部に設けられた同様な頭つなぎ材15との間にＣチャン
ネル状の天井梁18が架け渡されており、天井梁18の端部
はビス19等により適宜固定する。

斯くして、上記床ボーダ10を下枠、天井つなぎ材15を上
枠とする基礎枠が構成され、これに前記壁パネル７が建
付けられている。

ここで、第１図（ａ）乃至（ｂ）を参照して壁パネル7b
の構造を説明しておく。

第１図（ａ）は壁パネルの正面図、第１図（ｂ）は第１
図のｂ−ｂ線に沿った壁パネルの拡大縦断面図、第１図
（ｃ）は壁パネル7bの平面図である。

各壁パネル7bは、パネルフレーム20で硅酸カルシウム板
等の壁装下地21を裏面より補強支持し、この壁装下地21
の前面に、適宜な壁装材22、例えば陶器質タイルを貼着
した構成となっている。

パネルフレーム20は、左右の縦框23,24間を上框25、下
框26、それに横桟27…で結び、更に横桟27…間に縦組子
28…を組付けて略格子状の枠組としたもので、左右の縦
框23,24は壁装下地21より夫々上方及び下方に突出する
取付部23a,24a及び23b、24bを有し、上側の取付部23a,2
4aには夫々断面Ｌ字状の取付片29が、また下側取付部23
b,24bには当て板23c,24cが固着されている。

尚、各縦框23,24は、断面長方形であり、その外側方よ
りＧ形の取合用チャンネル23e,24eを後開きの向きで接
合した構造のもので、取合用チャンネル23e,24eは上框2
5上縁から下側取付部23b,24bの一部を成すまで延伸する
長さ寸法となっている。

又、取合用チャンネル23e,24eの奥行は、上部取付部23
a,24aの奥行の略半分となるよう構成されている。

尚，壁パネル7a,7cは、前記壁パネル7bと夫々左及び右
の取合用チャンネルが異なり、外側に向いたＣチャンネ
ルとなっているだけであり、その説明を省略する。

ここで上記壁パネル７の上枠及び下枠への建付方法に付
き、第３図及び第４図を参照して説明する。尚、第３図
には右半部しか示されないが左半部も同時に同様な取扱
を受けることから、その対応する参照番号のみを割弧
（ ）内に示す。

壁パネル７は、床ボーダ10の受座部10a上面に下框26を
載置した状態で上記受座部10aに切欠かれた前記取合用
開口121から前記下側取付部24b（23b）を落し込み、こ
のパネル位置において前記取付片29（29）を頭つなぎ材
15に止着すると共に下側取付部24b（23b）をビスにより
床ボーダ10に止着して建付ける。その際、隣接する壁パ
ネル7,7にあっては、取合用開口121近傍の拡大正面図で
ある第４図に示すように、壁パネル7,7下方に脚部10bに
設けられた開口121の拡大部121aが開口するため、壁パ
ネル7,7は該拡大部121aにバール等の工具を差し込み、
壁パネル7,7同士の高さ調節を行い、両者の目地合せを
しつつビス125、125…で止着される。

そして壁装材22の上縁部に廻縁34をビス止めして、天井
面Scとの見切りをつける。尚、天井面Scは、前記天井梁
18からクリップ35を介して高さ調節自在なハンガー36を
垂設し、このハンガー36に通した野縁受け37からＨバー
38を介して天井パネル39を吊設することにより画成され
ている。

以上の実施例によれば、壁パネル７のフレーム20を構成
する縦框23,24を該壁パネル７の上方に突出させて上側
取付部23a,24aとし、下方に突出させて下部取付部23b,2
4bとしたため、壁パネル７の構造及び加工が簡単であ
る。また、壁パネル７の取付は前記取付部23a,24a,23b,
24bを利用して容易に行える。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案による壁パネルは、補強フ
レームを構成するメンバの一部を該壁パネルの上部及び
下部の夫々に突出させ、上部取付部には取付片を取り付
け、メンバには取合用チャンネルを取り付けることによ
り壁パネル係止部を構成したため、構造が簡単で且つ組
立てが容易であり、大量生産によるコスト低減を図る上
で好適である。又、この取合用チャンネルの奥行を上部
取付部の奥行の略半分にしたため、例えば、搬入時等に
壁パネルを積み重ねた場合でも取合用チャンネルを変形
させることがない。

【図面の簡単な説明】

添付第１図（ａ）は壁パネルの平面図、第１図（ｂ）は
そのｂ−ｂ線矢視拡大断面図、第１図（ｃ）はその拡大
平面図、第２図はプレファブルームの全体の横断面図、
第３図は第２図の３−３線に沿ったプレファブルームの
要部縦断面図、第４図は取合用開口廻りの要部拡大正面
図である。 尚図中、Wbは壁部、2,3,4,5,6,Cは支柱、7,7a,7b,7cは
壁パネル、10は床ボーダ、15は頭つなぎ材、20は補強フ
レーム、10bは脚部、10cは受座部、21は壁装下地、22は
壁装材、23a,24a,23b,23bは取付部、23e,24eは取合用チ
ャンネル、29は取付片である。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭48−37906（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−38611（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−58356（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状の下地部材の裏面沿いに補強フレーム
   を着設すると共に、表面に仕上材を貼設して成り、該補
   強フレームを建物躯体内に設けられた基礎枠に止着して
   壁面を構成する壁パネルにおいて、 前記壁パネルの上部及び下部の夫々に、前記補強フレー
   ムを構成するメンバの一部を突出させた上部取付部及び
   下部取付部を設けると共に、 前記上部取付部には取付片を取り付け、前記メンバには
   奥行が前記上部取付部の奥行の略半分の取合用チャンネ
   ルを取り付けたことを特徴とする壁パネル。