JPH06341411A - 緩衝機能を備えたエアシリンダ - Google Patents
緩衝機能を備えたエアシリンダInfo
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- JPH06341411A JPH06341411A JP13173893A JP13173893A JPH06341411A JP H06341411 A JPH06341411 A JP H06341411A JP 13173893 A JP13173893 A JP 13173893A JP 13173893 A JP13173893 A JP 13173893A JP H06341411 A JPH06341411 A JP H06341411A
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- Actuator (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エアシリンダのストロークの変更等に応じて
逐一流量調整弁を変更し直すような手間を無くし、高速
で往復動作がなされるエアシリンダのピストンがエアシ
リンダの終端位置へ接近して停止するときの衝撃を緩和
する。 【構成】 ピストン3に設けられたクッションピン4を
嵌入させるためのクッション用孔部9を形成した区画用
壁部5Aと、この区画用壁部5Aとピストン3との両者
間に位置するシリンダ室S内の圧縮空気をヘッドカバー
室11内へ流入させるための連通路13と、この連通路
13を流通する空気量を調整するための流量調整弁7と
を有する緩衝機能を備えたエアシリンダであって、前記
シリンダ室Sの空気圧Pが予め設定された所定の圧力に
達したときに、このシリンダ室S内を減圧させるべくそ
のシリンダ室S内の空気をシリンダ室S外へ排気するリ
リーフ弁8を具備している。
逐一流量調整弁を変更し直すような手間を無くし、高速
で往復動作がなされるエアシリンダのピストンがエアシ
リンダの終端位置へ接近して停止するときの衝撃を緩和
する。 【構成】 ピストン3に設けられたクッションピン4を
嵌入させるためのクッション用孔部9を形成した区画用
壁部5Aと、この区画用壁部5Aとピストン3との両者
間に位置するシリンダ室S内の圧縮空気をヘッドカバー
室11内へ流入させるための連通路13と、この連通路
13を流通する空気量を調整するための流量調整弁7と
を有する緩衝機能を備えたエアシリンダであって、前記
シリンダ室Sの空気圧Pが予め設定された所定の圧力に
達したときに、このシリンダ室S内を減圧させるべくそ
のシリンダ室S内の空気をシリンダ室S外へ排気するリ
リーフ弁8を具備している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、往復動作するピストン
ロッドがシリンダの前端又は後端の終端位置に到達する
際の衝撃を緩和する緩衝機能を備えたエアシリンダの改
良に関する。
ロッドがシリンダの前端又は後端の終端位置に到達する
際の衝撃を緩和する緩衝機能を備えたエアシリンダの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、エアシリンダを例えば成形
品の取り出し用途に適用するような場合において、その
生産効率を高めるためには、成形品の取り出し速度を高
速にする必要がある。一方、騒音や機械的振動等を防止
する観点から、ピストンロッドが終端に到達する際に衝
撃が発生しないように配慮する必要もある。そこで、従
来では、このような要請に応えるためのエアシリンダと
して、例えば図10に示すような構成のものが提案され
ている。すなわち、この従来のものは、シリンダ本体2
e内で往復動作するピストン3eの後部側にクッション
ピン4eを突設する一方で、シリンダ本体2eの後端部
側の位置には、クッションピン4eを嵌入させるための
クッションピン用孔部9eを形成した区画用壁部50が
設けられている。そして、この区画用壁部50にはピス
トン3eの後方に位置するシリンダ室Se内の空気をヘ
ッドカバー室11e側に流入させるためのオリフィスを
形成する連通路13eが形成され、この連通路13eに
は流量調整用のニードル弁7eが設けられている。
品の取り出し用途に適用するような場合において、その
生産効率を高めるためには、成形品の取り出し速度を高
速にする必要がある。一方、騒音や機械的振動等を防止
する観点から、ピストンロッドが終端に到達する際に衝
撃が発生しないように配慮する必要もある。そこで、従
来では、このような要請に応えるためのエアシリンダと
して、例えば図10に示すような構成のものが提案され
ている。すなわち、この従来のものは、シリンダ本体2
e内で往復動作するピストン3eの後部側にクッション
ピン4eを突設する一方で、シリンダ本体2eの後端部
側の位置には、クッションピン4eを嵌入させるための
クッションピン用孔部9eを形成した区画用壁部50が
設けられている。そして、この区画用壁部50にはピス
トン3eの後方に位置するシリンダ室Se内の空気をヘ
ッドカバー室11e側に流入させるためのオリフィスを
形成する連通路13eが形成され、この連通路13eに
は流量調整用のニードル弁7eが設けられている。
【0003】上記構成によれば、ピストンロッド1e及
びピストン3eが矢印c方向に沿って後退する場合にお
いて、図10に示した状態時には、シリンダ室Se内の
空気をクッションピン用孔部9eを介してヘッドカバー
室11e側に流入させて吸排気口12eから高速で排気
させることができるから、ピストン3eを高速で後退さ
せることができる。次いで、ピストン3eが終端に近づ
き、図11に示すようにクッションピン4eの先端がク
ッションピン用孔部9eに嵌入し、このクッションピン
用孔部9eが閉塞されてしまうと、シリンダ室Se内の
空気は連通路13eを介して少量ずつ排気されるに過ぎ
ない状態となる。従って、以後は図12に示すように、
ピストン3eが終端位置に達するまでの速度を低下させ
て、ピストン3eが高速で終端位置へ復帰することを回
避し、ピストン3eに大きな衝撃が発生することを抑制
することができる。
びピストン3eが矢印c方向に沿って後退する場合にお
いて、図10に示した状態時には、シリンダ室Se内の
空気をクッションピン用孔部9eを介してヘッドカバー
室11e側に流入させて吸排気口12eから高速で排気
させることができるから、ピストン3eを高速で後退さ
せることができる。次いで、ピストン3eが終端に近づ
き、図11に示すようにクッションピン4eの先端がク
ッションピン用孔部9eに嵌入し、このクッションピン
用孔部9eが閉塞されてしまうと、シリンダ室Se内の
空気は連通路13eを介して少量ずつ排気されるに過ぎ
ない状態となる。従って、以後は図12に示すように、
ピストン3eが終端位置に達するまでの速度を低下させ
て、ピストン3eが高速で終端位置へ復帰することを回
避し、ピストン3eに大きな衝撃が発生することを抑制
することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものは、ニードル弁7eの絞り量を大きくし、連通
路13eを通過する空気流量を少なくした場合には、図
11に示すようにクッションピン4eがクッションピン
用孔部9eに嵌入した直後の時点で、シリンダ室Se内
の空気圧Paが急激に上昇し、これがピストン3eの後
退移動に対する急激な抵抗力となる。従って、かかる場
合には、クッションピン4eがクッションピン用孔部9
eに嵌入した直後にかなり大きな衝撃が発生する。尚、
これを解消するには、連通路13eの空気流量を多く
し、クッションピン4eがクッションピン用孔部9eに
嵌入した時点でさほど減速しないようにすればよいが、
これではピストン3eが高速で終端に到達することによ
り、所謂バウンド現象と称される大きな衝撃が発生す
る。
来のものは、ニードル弁7eの絞り量を大きくし、連通
路13eを通過する空気流量を少なくした場合には、図
11に示すようにクッションピン4eがクッションピン
用孔部9eに嵌入した直後の時点で、シリンダ室Se内
の空気圧Paが急激に上昇し、これがピストン3eの後
退移動に対する急激な抵抗力となる。従って、かかる場
合には、クッションピン4eがクッションピン用孔部9
eに嵌入した直後にかなり大きな衝撃が発生する。尚、
これを解消するには、連通路13eの空気流量を多く
し、クッションピン4eがクッションピン用孔部9eに
嵌入した時点でさほど減速しないようにすればよいが、
これではピストン3eが高速で終端に到達することによ
り、所謂バウンド現象と称される大きな衝撃が発生す
る。
【0005】即ち、上記構造のエアシリンダでは、ピス
トン3eに発生する衝撃としては、例えば図13に示す
ように、後退移動するピストン3eのクッションピン4
eがクッションピン用孔部9e内に嵌入した直後に発生
する衝撃N1と、ピストン3eが終端に到達する際の衝
撃N2が顕著に現れる傾向にある。ところが、従来で
は、これらの衝撃N1、N2の双方を、ニードル弁7e
の絞り調整によって同時に抑制することは非常に難し
く、衝撃N1、N2のうち一方を低下させようとする
と、他方の衝撃値が大きくなっていた。
トン3eに発生する衝撃としては、例えば図13に示す
ように、後退移動するピストン3eのクッションピン4
eがクッションピン用孔部9e内に嵌入した直後に発生
する衝撃N1と、ピストン3eが終端に到達する際の衝
撃N2が顕著に現れる傾向にある。ところが、従来で
は、これらの衝撃N1、N2の双方を、ニードル弁7e
の絞り調整によって同時に抑制することは非常に難し
く、衝撃N1、N2のうち一方を低下させようとする
と、他方の衝撃値が大きくなっていた。
【0006】従って、従来では、ニードル弁7eの絞り
具合の調整が非常に難しく、またかかるニードル弁7e
の調整は、例えば同一のエアシリンダであっても、スト
ロークが変更されたり、或いは負荷が変動した場合に
は、それに応じて逐一変更し直す必要があり、その手間
が非常に面倒となっていた。しかも、従来では、ピスト
ン3eを高速で作動させる際には、ニードル弁7eを調
整しても、これだけではエアシリンダに発生する衝撃を
充分に解消させることはできない。その結果、従来で
は、かかる衝撃に原因して、エアシリンダに騒音や機械
的振動が発生する等の難点が未だ生じていた。
具合の調整が非常に難しく、またかかるニードル弁7e
の調整は、例えば同一のエアシリンダであっても、スト
ロークが変更されたり、或いは負荷が変動した場合に
は、それに応じて逐一変更し直す必要があり、その手間
が非常に面倒となっていた。しかも、従来では、ピスト
ン3eを高速で作動させる際には、ニードル弁7eを調
整しても、これだけではエアシリンダに発生する衝撃を
充分に解消させることはできない。その結果、従来で
は、かかる衝撃に原因して、エアシリンダに騒音や機械
的振動が発生する等の難点が未だ生じていた。
【0007】本発明は上記の点に鑑みて提案されたもの
で、エアシリンダのストロークの変更や負荷の変動等に
応じて逐一流量調整弁を変更し直すような手間を要する
ことなく、高速で往復動作がなされるエアシリンダのピ
ストンがエアシリンダの終端位置へ接近して停止すると
きの衝撃を適切に抑制し、大きな騒音や機械的振動等が
生じないようにすることを、その目的としている。
で、エアシリンダのストロークの変更や負荷の変動等に
応じて逐一流量調整弁を変更し直すような手間を要する
ことなく、高速で往復動作がなされるエアシリンダのピ
ストンがエアシリンダの終端位置へ接近して停止すると
きの衝撃を適切に抑制し、大きな騒音や機械的振動等が
生じないようにすることを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に提案された請求項1に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダは、ピストンに設けられたクッショ
ンピンを嵌入させるためのクッション用孔部をシリンダ
本体内の端部側に形成し且つこのクッション用孔部内に
クッションピンが嵌入されたときにシリンダ室と吸排気
口を開設したヘッドカバー室との両室を相互に区画する
区画用壁部と、この区画用壁部とピストンとの両者間に
位置するシリンダ室内の圧縮空気をヘッドカバー室内へ
流入させるための連通路と、この連通路を流通する空気
量を調整するための流量調整弁とを有する緩衝機能を備
えたエアシリンダであって、前記ピストンと区画用壁部
との両者間に位置するシリンダ室の空気圧が予め設定さ
れた所定の設定圧に達したときに、前記シリンダ室内を
減圧させるべくそのシリンダ室内の空気をシリンダ室外
へ排気するリリーフ弁が、シリンダ本体と一体又は別体
で具備されている。
に提案された請求項1に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダは、ピストンに設けられたクッショ
ンピンを嵌入させるためのクッション用孔部をシリンダ
本体内の端部側に形成し且つこのクッション用孔部内に
クッションピンが嵌入されたときにシリンダ室と吸排気
口を開設したヘッドカバー室との両室を相互に区画する
区画用壁部と、この区画用壁部とピストンとの両者間に
位置するシリンダ室内の圧縮空気をヘッドカバー室内へ
流入させるための連通路と、この連通路を流通する空気
量を調整するための流量調整弁とを有する緩衝機能を備
えたエアシリンダであって、前記ピストンと区画用壁部
との両者間に位置するシリンダ室の空気圧が予め設定さ
れた所定の設定圧に達したときに、前記シリンダ室内を
減圧させるべくそのシリンダ室内の空気をシリンダ室外
へ排気するリリーフ弁が、シリンダ本体と一体又は別体
で具備されている。
【0009】請求項2に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダは、上記請求項1の構成において、
前記ピストンにクッションピンが設けられ且つ区画用壁
部にそのクッションピンを嵌入させるためのクッション
ピン用孔部が形成された手段に代えて、クッションピン
が区画用壁部に設けられていると共に、このクッション
ピンを嵌入させるためのクッションピン用孔部がピスト
ン側に開設されている。
備えたエアシリンダは、上記請求項1の構成において、
前記ピストンにクッションピンが設けられ且つ区画用壁
部にそのクッションピンを嵌入させるためのクッション
ピン用孔部が形成された手段に代えて、クッションピン
が区画用壁部に設けられていると共に、このクッション
ピンを嵌入させるためのクッションピン用孔部がピスト
ン側に開設されている。
【0010】請求項3に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダは、上記請求項1又は2の構成にお
いて、前記リリーフ弁は、シリンダ本体に連設されたシ
リンダヘッドの位置へ一体的に設けられ、ピストンと区
画用壁部との両者間に位置するシリンダ室の空気圧が区
画用壁部に穿設された空気流通路を介してリリーフ弁の
弁体に作用すると共に、その空気圧が所定の一定圧に達
してリリーフ弁が弁開放状態になったときには、前記シ
リンダ室から空気流通路を介してリリーフ弁側へ流出し
てくる空気がリリーフ弁とヘッドカバー室との相互間の
壁部に穿設された連通路を介してヘッドカバー室内へ流
入するように構成されている。
備えたエアシリンダは、上記請求項1又は2の構成にお
いて、前記リリーフ弁は、シリンダ本体に連設されたシ
リンダヘッドの位置へ一体的に設けられ、ピストンと区
画用壁部との両者間に位置するシリンダ室の空気圧が区
画用壁部に穿設された空気流通路を介してリリーフ弁の
弁体に作用すると共に、その空気圧が所定の一定圧に達
してリリーフ弁が弁開放状態になったときには、前記シ
リンダ室から空気流通路を介してリリーフ弁側へ流出し
てくる空気がリリーフ弁とヘッドカバー室との相互間の
壁部に穿設された連通路を介してヘッドカバー室内へ流
入するように構成されている。
【0011】
【作用】上記構成を特徴とする請求項1に記載の本発明
に係る緩衝機能を備えたエアシリンダにおいては、ピス
トンがシリンダ本体の端部に接近し、そのクッションピ
ンがクッションピン用孔部内に嵌入することにより、こ
のピストンと区画用壁部との両者間のシリンダ室内の空
気圧が予め設定された一定の圧力値に達すると、かかる
シリンダ室内の空気がリリーフ弁を介してシリンダ室外
に排気され、これによってシリンダ室内の空気圧が減圧
されることとなる。従って、クッションピンがクッショ
ンピン用孔部に嵌入した時点及びそれ以後の時点におい
て、ピストンと区画用壁部との両者間に位置するシリン
ダ室内の空気がピストン移動に対する過大且つ急激な抵
抗力となるようなことがなくなり、ピストンに大きな衝
撃を発生させることなく、ピストンを滑らかに減速させ
て停止させることができる。
に係る緩衝機能を備えたエアシリンダにおいては、ピス
トンがシリンダ本体の端部に接近し、そのクッションピ
ンがクッションピン用孔部内に嵌入することにより、こ
のピストンと区画用壁部との両者間のシリンダ室内の空
気圧が予め設定された一定の圧力値に達すると、かかる
シリンダ室内の空気がリリーフ弁を介してシリンダ室外
に排気され、これによってシリンダ室内の空気圧が減圧
されることとなる。従って、クッションピンがクッショ
ンピン用孔部に嵌入した時点及びそれ以後の時点におい
て、ピストンと区画用壁部との両者間に位置するシリン
ダ室内の空気がピストン移動に対する過大且つ急激な抵
抗力となるようなことがなくなり、ピストンに大きな衝
撃を発生させることなく、ピストンを滑らかに減速させ
て停止させることができる。
【0012】また、このようにシリンダ室内の空気圧が
一定値以下に維持されることによりピストンに大きな衝
撃力が発生することが回避できる作用は、リリーフ弁の
設定に依存し、区画用壁部に穿設された連通路を介して
排気される空気流量には左右されない。従って、ピスト
ンに作用する負荷やそのストロークが多少変更された場
合であっても、流量調整弁を調整して連通路を流通する
空気流量を調整する作業を逐一行う必要はない。
一定値以下に維持されることによりピストンに大きな衝
撃力が発生することが回避できる作用は、リリーフ弁の
設定に依存し、区画用壁部に穿設された連通路を介して
排気される空気流量には左右されない。従って、ピスト
ンに作用する負荷やそのストロークが多少変更された場
合であっても、流量調整弁を調整して連通路を流通する
空気流量を調整する作業を逐一行う必要はない。
【0013】一方、前記流量調整弁を調整して連通路を
流通する空気流量を増減変更することにより、シリンダ
本体内の端部におけるピストンの移動速度を調整するこ
とが可能である。従って、かかるピストンの移動速度の
調整、設定により、ピストンの1ストローク動作に要す
る時間を所望の時間に任意に設定できることとなる他、
リリーフ弁の設定だけでは解消できない範囲のシリンダ
終端部における衝撃についても、かかるピストンの移動
速度調整によって一層徹底して解消させることが可能と
なる。
流通する空気流量を増減変更することにより、シリンダ
本体内の端部におけるピストンの移動速度を調整するこ
とが可能である。従って、かかるピストンの移動速度の
調整、設定により、ピストンの1ストローク動作に要す
る時間を所望の時間に任意に設定できることとなる他、
リリーフ弁の設定だけでは解消できない範囲のシリンダ
終端部における衝撃についても、かかるピストンの移動
速度調整によって一層徹底して解消させることが可能と
なる。
【0014】請求項2に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダにおいては、クッションピンとクッ
ションピン用孔部を形成する位置関係が、上記請求項1
の構成と逆の関係にあるものの、その基本的な構成は同
様であり、リリーフ弁等の作用によって請求項1の場合
と同様な緩衝作用を奏することとなる。而して、請求項
2の構成によれば、ピストンがシリンダ本体の端部に到
達した際には、ピストンに開設されたクッションピン用
孔部に対して区画用壁部側のクッションピンが嵌入した
状態となるから、請求項1の場合とは異なり、ピストン
から突出した状態に設けられたクッションピンを収容さ
せるための余分なスペースをシリンダ本体内へ設ける必
要がなくなる。従って、エアシリンダの全長を短くする
ことができる。
備えたエアシリンダにおいては、クッションピンとクッ
ションピン用孔部を形成する位置関係が、上記請求項1
の構成と逆の関係にあるものの、その基本的な構成は同
様であり、リリーフ弁等の作用によって請求項1の場合
と同様な緩衝作用を奏することとなる。而して、請求項
2の構成によれば、ピストンがシリンダ本体の端部に到
達した際には、ピストンに開設されたクッションピン用
孔部に対して区画用壁部側のクッションピンが嵌入した
状態となるから、請求項1の場合とは異なり、ピストン
から突出した状態に設けられたクッションピンを収容さ
せるための余分なスペースをシリンダ本体内へ設ける必
要がなくなる。従って、エアシリンダの全長を短くする
ことができる。
【0015】請求項3に記載の本発明に係る緩衝機能を
備えたエアシリンダにおいては、リリーフ弁がシリンダ
ヘッドの位置へ一体的に設けられて、所定の空気流通路
や連通路を介してシリンダ室及びヘッドカバー室と接続
された構成であるから、リリーフ弁を接続させるための
特別な配管は不要で、構成の簡素化が図れる。また、こ
のリリーフ弁を備えたエアシリンダ全体をコンパクトな
状態に製作することが可能となる。
備えたエアシリンダにおいては、リリーフ弁がシリンダ
ヘッドの位置へ一体的に設けられて、所定の空気流通路
や連通路を介してシリンダ室及びヘッドカバー室と接続
された構成であるから、リリーフ弁を接続させるための
特別な配管は不要で、構成の簡素化が図れる。また、こ
のリリーフ弁を備えたエアシリンダ全体をコンパクトな
状態に製作することが可能となる。
【0016】更に、リリーフ弁は、シリンダ室とヘッド
カバー室との両室に接続されて、これら両室からの空気
圧が作用すべく構成され、またその弁開放状態時にはシ
リンダ室から流出してくる空気がヘッドカバー室内へ流
入するように構成されているために、ピストンを加圧前
進させる場合において、ピストン加圧用の高圧の圧縮空
気をヘッドカバー室からシリンダ室内に供給させた際
に、このシリンダ室内の空気圧がリリーフ弁の所定の設
定圧以上の高圧となっても、リリーフ弁の弁閉状態を維
持させることが可能である。また、仮にリリーフ弁が弁
開放状態になった場合であっても、シリンダ室がこれと
同圧のヘッドカバー室と連通されるに過ぎないから、こ
れによってシリンダ室内の圧力が不当に低下するような
ことはない。従って、ピストンを加圧前進させる際には
シリンダ室内の高圧状態を適切に維持することができ、
リリーフ弁がピストンの加圧前進を不当に妨げるような
弊害を生じることもない。
カバー室との両室に接続されて、これら両室からの空気
圧が作用すべく構成され、またその弁開放状態時にはシ
リンダ室から流出してくる空気がヘッドカバー室内へ流
入するように構成されているために、ピストンを加圧前
進させる場合において、ピストン加圧用の高圧の圧縮空
気をヘッドカバー室からシリンダ室内に供給させた際
に、このシリンダ室内の空気圧がリリーフ弁の所定の設
定圧以上の高圧となっても、リリーフ弁の弁閉状態を維
持させることが可能である。また、仮にリリーフ弁が弁
開放状態になった場合であっても、シリンダ室がこれと
同圧のヘッドカバー室と連通されるに過ぎないから、こ
れによってシリンダ室内の圧力が不当に低下するような
ことはない。従って、ピストンを加圧前進させる際には
シリンダ室内の高圧状態を適切に維持することができ、
リリーフ弁がピストンの加圧前進を不当に妨げるような
弊害を生じることもない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 〔第1実施例(請求項1、3に対応)〕図1は本発明に
係る緩衝機能を備えたエアシリンダAの要部の構成の一
例を示す断面図、図2は図1のX−X線断面図である。
このエアシリンダAは、ピストンロッド1に連結されて
シリンダ本体2内に収容されたピストン3、このピスト
ン3の後面側に突設されたクッションピン4、シリンダ
本体2内の後端部内に収容された略円筒状の筒状体5、
シリンダ本体2の後端部に連設されたシリンダヘッド6
等を具備している。そして、このシリンダヘッド6に
は、流量調整弁としてのニードル弁7やリリーフ弁8が
設けられている。
て説明する。 〔第1実施例(請求項1、3に対応)〕図1は本発明に
係る緩衝機能を備えたエアシリンダAの要部の構成の一
例を示す断面図、図2は図1のX−X線断面図である。
このエアシリンダAは、ピストンロッド1に連結されて
シリンダ本体2内に収容されたピストン3、このピスト
ン3の後面側に突設されたクッションピン4、シリンダ
本体2内の後端部内に収容された略円筒状の筒状体5、
シリンダ本体2の後端部に連設されたシリンダヘッド6
等を具備している。そして、このシリンダヘッド6に
は、流量調整弁としてのニードル弁7やリリーフ弁8が
設けられている。
【0018】上記のうち、筒状体5の先端部にはクッシ
ョンピン4を嵌入させるためのクッションピン用孔部9
が形成され、またこのクッションピン用孔部9の内周面
にはリング状のシール用パッキン10が装着されてい
る。この筒状体5の先端側の壁部5Aは、本発明に係る
区画用壁部5Aに相当するもので、クッションピン4が
クッションピン用孔部9に嵌入した際には、この筒状体
5の前方に位置するシリンダ室Sと筒状体5内のヘッド
カバー室11との両室が区画用壁部5Aによって相互に
区画されるように構成されている。尚、ヘッドカバー室
11は、筒状体5の周壁に開設された吸排気口12を介
して圧縮空気の吸排気がなされる室であり、吸排気口1
2は所定の電磁弁を経てエアコンプレッサ等の圧縮空気
供給源(不図示)と配管接続される。
ョンピン4を嵌入させるためのクッションピン用孔部9
が形成され、またこのクッションピン用孔部9の内周面
にはリング状のシール用パッキン10が装着されてい
る。この筒状体5の先端側の壁部5Aは、本発明に係る
区画用壁部5Aに相当するもので、クッションピン4が
クッションピン用孔部9に嵌入した際には、この筒状体
5の前方に位置するシリンダ室Sと筒状体5内のヘッド
カバー室11との両室が区画用壁部5Aによって相互に
区画されるように構成されている。尚、ヘッドカバー室
11は、筒状体5の周壁に開設された吸排気口12を介
して圧縮空気の吸排気がなされる室であり、吸排気口1
2は所定の電磁弁を経てエアコンプレッサ等の圧縮空気
供給源(不図示)と配管接続される。
【0019】また、筒状体5には、一端側がシリンダ室
Sに開口し且つ他端側がヘッドカバー室11の内周面の
開口部20に連通した状態の連通路13が穿設され、こ
の連通路13によってシリンダ室Sとヘッドカバー室1
1とを相互に連通させるオリフィス回路が形成されてい
る。ニードル弁7は、前記開口部20の開口面積を増減
し、シリンダ室Sから連通路13を介してヘッドカバー
室11側へ流入する空気流量を加減調整するためのもの
である。
Sに開口し且つ他端側がヘッドカバー室11の内周面の
開口部20に連通した状態の連通路13が穿設され、こ
の連通路13によってシリンダ室Sとヘッドカバー室1
1とを相互に連通させるオリフィス回路が形成されてい
る。ニードル弁7は、前記開口部20の開口面積を増減
し、シリンダ室Sから連通路13を介してヘッドカバー
室11側へ流入する空気流量を加減調整するためのもの
である。
【0020】リリーフ弁8は、シリンダヘッド6に穿設
された孔部8A内に、弁体80、この弁体80を弁座8
1に対して当接させるように押圧するバネ82、及びこ
のバネ82の弾発力を加減調整可能なバネ押さえ83を
収容して構成されている。このうち、孔部8Aの下部
は、筒状体5に別途穿設された空気流通路14を介して
シリンダ室Sと連通され、シリンダ室S内の空気圧Pが
弁体80に対して常時作用するように構成されている。
一方、孔部8A内の弁体80よりも上方の位置は貫通孔
15を介してヘッドカバー室11と相互に連通されてい
る。これにより、このリリーフ弁8では、シリンダ室S
内の空気圧Pが所定の設定圧よりも高くなると(厳密に
は、空気圧Pと弁体80の背圧P1との圧力差が一定以
上になると)、図3に示すように弁体80が上昇した弁
開放状態となって、シリンダ室S内の空気は空気流通路
14を介してリリーフ弁8内の孔部8A内に流入してか
ら貫通孔15を経てヘッドカバー室11内へ排気される
ように構成されている。尚、このリリーフ弁8は、弁開
放の応答性を良好にすることが望まれるが、その一手段
としては、例えば空気流通路14の流路断面積A1より
も、弁体80の受圧面積A2を大きくする手段が適用さ
れる。
された孔部8A内に、弁体80、この弁体80を弁座8
1に対して当接させるように押圧するバネ82、及びこ
のバネ82の弾発力を加減調整可能なバネ押さえ83を
収容して構成されている。このうち、孔部8Aの下部
は、筒状体5に別途穿設された空気流通路14を介して
シリンダ室Sと連通され、シリンダ室S内の空気圧Pが
弁体80に対して常時作用するように構成されている。
一方、孔部8A内の弁体80よりも上方の位置は貫通孔
15を介してヘッドカバー室11と相互に連通されてい
る。これにより、このリリーフ弁8では、シリンダ室S
内の空気圧Pが所定の設定圧よりも高くなると(厳密に
は、空気圧Pと弁体80の背圧P1との圧力差が一定以
上になると)、図3に示すように弁体80が上昇した弁
開放状態となって、シリンダ室S内の空気は空気流通路
14を介してリリーフ弁8内の孔部8A内に流入してか
ら貫通孔15を経てヘッドカバー室11内へ排気される
ように構成されている。尚、このリリーフ弁8は、弁開
放の応答性を良好にすることが望まれるが、その一手段
としては、例えば空気流通路14の流路断面積A1より
も、弁体80の受圧面積A2を大きくする手段が適用さ
れる。
【0021】図2において、筒状体5には、チェック弁
回路16が別途設けられている。このチェック弁回路1
6は、シリンダ室Sとヘッドカバー室11とを相互に連
通させるための空気流路16a内に、通気性を備えた受
板16bによって脱出阻止が図られたチェック弁ボール
16cが収容されて構成されている。このチェック弁回
路16では、ピストン3を矢印b方向に前進させるべく
吸排気口12から圧縮空気をヘッドカバー室11内に供
給させたときには、チェック弁ボール16cが受板16
b側に移動することにより、空気流路16aが開放状態
となる。従って、かかる状態では、ヘッドカバー室11
内の圧縮空気がこの空気流路16aを通過してシリンダ
室S内へ効率よく供給され、ピストン3を高速で押圧前
進させることが可能である。これに対し、ピストン3が
矢印a方向に後退するときには、チェック弁ボール16
cが上記とは逆方向に移動して空気流路16aが閉塞さ
れるために、シリンダ室S内の空気がこの空気流路16
aを通過してヘッドカバー室11内へ流入することが阻
止された状態となる。
回路16が別途設けられている。このチェック弁回路1
6は、シリンダ室Sとヘッドカバー室11とを相互に連
通させるための空気流路16a内に、通気性を備えた受
板16bによって脱出阻止が図られたチェック弁ボール
16cが収容されて構成されている。このチェック弁回
路16では、ピストン3を矢印b方向に前進させるべく
吸排気口12から圧縮空気をヘッドカバー室11内に供
給させたときには、チェック弁ボール16cが受板16
b側に移動することにより、空気流路16aが開放状態
となる。従って、かかる状態では、ヘッドカバー室11
内の圧縮空気がこの空気流路16aを通過してシリンダ
室S内へ効率よく供給され、ピストン3を高速で押圧前
進させることが可能である。これに対し、ピストン3が
矢印a方向に後退するときには、チェック弁ボール16
cが上記とは逆方向に移動して空気流路16aが閉塞さ
れるために、シリンダ室S内の空気がこの空気流路16
aを通過してヘッドカバー室11内へ流入することが阻
止された状態となる。
【0022】次に、上記構成のエアシリンダAの使用
例、作用について説明する。先ず、図4に示すように、
ピストン3が矢印a方向に後退する際において、クッシ
ョンピン4がクッションピン用孔部9に未だ嵌入してい
ない状態では、ピストン3の後方のシリンダ室S内の空
気は、その大半がクッションピン用孔部9を通過してヘ
ッドカバー室11内に流入する。従って、かかる状態で
は、シリンダ室S内の空気を吸排気口12から高速で排
気させることが可能であり、ピストン3を高速で後退移
動させることができる。次いで、かかるピストン3の後
退時において、図1に示すように、クッションピン4が
クッションピン用孔部9に嵌入すると、もはやこのクッ
ションピン用孔部9を介してシリンダ室S内の空気がヘ
ッドカバー室11側へ流入することはなくなる。シリン
ダ室S内の空気はオリフィス回路を構成する連通路13
を介してヘッドカバー室11内へ流入し、少量ずつ排気
される状態となる。従って、クッションピン4がクッシ
ョンピン用孔部9内に嵌入した直後の時点では、シリン
ダ室S内に残存する空気の圧力Pがピストン3に対する
急激な抵抗力となることに原因し、本来ならば、ピスト
ン3に大きな衝撃力が発生することとなる。
例、作用について説明する。先ず、図4に示すように、
ピストン3が矢印a方向に後退する際において、クッシ
ョンピン4がクッションピン用孔部9に未だ嵌入してい
ない状態では、ピストン3の後方のシリンダ室S内の空
気は、その大半がクッションピン用孔部9を通過してヘ
ッドカバー室11内に流入する。従って、かかる状態で
は、シリンダ室S内の空気を吸排気口12から高速で排
気させることが可能であり、ピストン3を高速で後退移
動させることができる。次いで、かかるピストン3の後
退時において、図1に示すように、クッションピン4が
クッションピン用孔部9に嵌入すると、もはやこのクッ
ションピン用孔部9を介してシリンダ室S内の空気がヘ
ッドカバー室11側へ流入することはなくなる。シリン
ダ室S内の空気はオリフィス回路を構成する連通路13
を介してヘッドカバー室11内へ流入し、少量ずつ排気
される状態となる。従って、クッションピン4がクッシ
ョンピン用孔部9内に嵌入した直後の時点では、シリン
ダ室S内に残存する空気の圧力Pがピストン3に対する
急激な抵抗力となることに原因し、本来ならば、ピスト
ン3に大きな衝撃力が発生することとなる。
【0023】ところが、本実施例に係るエアシリンダA
では、シリンダ室S内の圧力Pが上昇すると、その時点
で図3で示したように、リリーフ弁8が弁開放状態とな
って、シリンダ室S内の空気はリリーフ弁8を介してヘ
ッドカバー室11内に流入して排気される。従って、ク
ッションピン4がクッションピン用孔部9内に嵌入した
直後にあっても、シリンダ室S内の空気圧は一定値以上
の高圧になるようなことがなく、シリンダ室S内の空気
がピストン3に対して大きな衝撃力を発生させる抵抗力
として作用するようなことが適切に回避される。その結
果、仮に連通路13を流通する空気流量がかなり少量と
なるようにニードル弁7が絞られ、シリンダ室S内の圧
力値が高圧になり易い状態であっても、リリーフ弁8の
弁開放によってシリンダ室S内の空気が適切に排気さ
れ、ピストン3に大きな衝撃力を発生させることなくピ
ストン3を滑らかに減速させることが可能となる。
では、シリンダ室S内の圧力Pが上昇すると、その時点
で図3で示したように、リリーフ弁8が弁開放状態とな
って、シリンダ室S内の空気はリリーフ弁8を介してヘ
ッドカバー室11内に流入して排気される。従って、ク
ッションピン4がクッションピン用孔部9内に嵌入した
直後にあっても、シリンダ室S内の空気圧は一定値以上
の高圧になるようなことがなく、シリンダ室S内の空気
がピストン3に対して大きな衝撃力を発生させる抵抗力
として作用するようなことが適切に回避される。その結
果、仮に連通路13を流通する空気流量がかなり少量と
なるようにニードル弁7が絞られ、シリンダ室S内の圧
力値が高圧になり易い状態であっても、リリーフ弁8の
弁開放によってシリンダ室S内の空気が適切に排気さ
れ、ピストン3に大きな衝撃力を発生させることなくピ
ストン3を滑らかに減速させることが可能となる。
【0024】上記とは逆に、連通路13を流通する空気
流量が多くなるようにニードル弁7が設定されている場
合には、クッションピン4がクッションピン用孔部9内
に嵌入した後のピストン3の後退速度がさほど減速され
ず、この場合にはシリンダ室S内の空気が比較的急激に
圧縮されることとなる。ところが、やはりかかる場合で
あっても、シリンダ室S内の空気圧が高くなると、リリ
ーフ弁8が弁開放状態となって、シリンダ室S内の空気
圧が一定圧以下に維持されるから、ピストン3が終端に
到達する時期に、シリンダ室S内の空気がピストン3に
対して大きなバウンド力を作用させるようなこともなく
なる。このようにピストン3の後退時においては、シリ
ンダ室S内の空気圧Pがリリーフ弁8によって一定値以
下に維持されることによりピストン3に大きな衝撃が発
生することが抑制されるが、このような作用はニードル
弁7による連通路13の空気流量には殆ど左右されな
い。従って、ピストン及びピストンロッドに作用する負
荷やそのストロークが多少変更された場合であっても、
ニードル弁7を調整して連通路を流通する空気流量を調
整する作業を逐一行う必要はない。
流量が多くなるようにニードル弁7が設定されている場
合には、クッションピン4がクッションピン用孔部9内
に嵌入した後のピストン3の後退速度がさほど減速され
ず、この場合にはシリンダ室S内の空気が比較的急激に
圧縮されることとなる。ところが、やはりかかる場合で
あっても、シリンダ室S内の空気圧が高くなると、リリ
ーフ弁8が弁開放状態となって、シリンダ室S内の空気
圧が一定圧以下に維持されるから、ピストン3が終端に
到達する時期に、シリンダ室S内の空気がピストン3に
対して大きなバウンド力を作用させるようなこともなく
なる。このようにピストン3の後退時においては、シリ
ンダ室S内の空気圧Pがリリーフ弁8によって一定値以
下に維持されることによりピストン3に大きな衝撃が発
生することが抑制されるが、このような作用はニードル
弁7による連通路13の空気流量には殆ど左右されな
い。従って、ピストン及びピストンロッドに作用する負
荷やそのストロークが多少変更された場合であっても、
ニードル弁7を調整して連通路を流通する空気流量を調
整する作業を逐一行う必要はない。
【0025】一方、クッションピン4がクッションピン
用孔部9に嵌入した以後におけるピストン3の後退速度
は、連通路13を流通する空気流量に左右される。従っ
て、ニードル弁7を調整して連通路13を流通する空気
流量を変更すれば、ピストン3の終端近辺における移動
速度を任意に調整することができる。これにより、ピス
トン3が後退し、そのクッションピン4がクッションピ
ン用孔部9に嵌入した時点から終端に達するまでの所要
時間を任意の時間に決定することも可能となり、その結
果このエアシリンダAの1ストローク動作に要する所要
時間の設定も可能となる。また、ピストン3の後退速度
の調整により、リリーフ弁8の設定圧以下の圧力範囲内
での衝撃の発生を一層徹底して防止することも可能であ
る。
用孔部9に嵌入した以後におけるピストン3の後退速度
は、連通路13を流通する空気流量に左右される。従っ
て、ニードル弁7を調整して連通路13を流通する空気
流量を変更すれば、ピストン3の終端近辺における移動
速度を任意に調整することができる。これにより、ピス
トン3が後退し、そのクッションピン4がクッションピ
ン用孔部9に嵌入した時点から終端に達するまでの所要
時間を任意の時間に決定することも可能となり、その結
果このエアシリンダAの1ストローク動作に要する所要
時間の設定も可能となる。また、ピストン3の後退速度
の調整により、リリーフ弁8の設定圧以下の圧力範囲内
での衝撃の発生を一層徹底して防止することも可能であ
る。
【0026】尚、上記リリーフ弁8は、ピストン3の前
進時において、吸排気口12からヘッドカバー室11内
にピストン加圧用の圧縮空気が供給されたときには弁開
放状態にはならない。この場合には、シリンダ室S内の
圧力Pと弁体80に作用する背圧P1が同圧であるか
ら、シリンダ室S内の圧力Pがリリーフ弁8の設定圧以
上の高圧になっても弁閉状態を維持することとなる。ま
た、仮にリリーフ弁8が開放しても、このリリーフ弁8
を介してシリンダ室Sとヘッドカバー室11との両室が
相互に連通するだけであるから、やはりシリンダ室S内
の圧力Pが低下するようなことはない。従って、このリ
リーフ弁8が、ピストン3の前進動作を行う際の支障に
なるようなことはない。
進時において、吸排気口12からヘッドカバー室11内
にピストン加圧用の圧縮空気が供給されたときには弁開
放状態にはならない。この場合には、シリンダ室S内の
圧力Pと弁体80に作用する背圧P1が同圧であるか
ら、シリンダ室S内の圧力Pがリリーフ弁8の設定圧以
上の高圧になっても弁閉状態を維持することとなる。ま
た、仮にリリーフ弁8が開放しても、このリリーフ弁8
を介してシリンダ室Sとヘッドカバー室11との両室が
相互に連通するだけであるから、やはりシリンダ室S内
の圧力Pが低下するようなことはない。従って、このリ
リーフ弁8が、ピストン3の前進動作を行う際の支障に
なるようなことはない。
【0027】表1、表2は、上記した構成の本発明に係
るエアシリンダAと、図10乃至図12で示した従来タ
イプのエアシリンダとの双方について、それらに発生す
る衝撃値、シリンダ室S(Se)内の圧力値を比較試験
したデータである。
るエアシリンダAと、図10乃至図12で示した従来タ
イプのエアシリンダとの双方について、それらに発生す
る衝撃値、シリンダ室S(Se)内の圧力値を比較試験
したデータである。
【表1】
【表2】 これら表1、表2に示すデータは、図5に示すような構
成の装置で試験を行った結果得られたデータである。こ
の試験は、本発明及び従来例ともに、口径が32mm、
最大ストロークが550mmのエアシリンダを用いて行
ったもので、ピストンロッドの先端にスライドガイド杆
に連結された所定重量(750g又は1500g)の負
荷を取付け、空気供給源から電磁弁を介して一定圧(4
kgf /cm)の空気圧を供給することにより、ピストン3
(3e)を一定ストローク(550mm、475mm、
400mm)で上昇させ、その際に発生する衝撃をGセ
ンサーで、またシリンダ室S(Se)内の圧力を圧力セ
ンサーで測定し、記録計に記録させるようにしたもので
ある。尚、ニードル弁7(7e)の設定等の他の条件は
全て同一であるが、本発明に係るエアシリンダAではリ
リーフ弁8の設定圧を3.6kgf/cmとしている。
成の装置で試験を行った結果得られたデータである。こ
の試験は、本発明及び従来例ともに、口径が32mm、
最大ストロークが550mmのエアシリンダを用いて行
ったもので、ピストンロッドの先端にスライドガイド杆
に連結された所定重量(750g又は1500g)の負
荷を取付け、空気供給源から電磁弁を介して一定圧(4
kgf /cm)の空気圧を供給することにより、ピストン3
(3e)を一定ストローク(550mm、475mm、
400mm)で上昇させ、その際に発生する衝撃をGセ
ンサーで、またシリンダ室S(Se)内の圧力を圧力セ
ンサーで測定し、記録計に記録させるようにしたもので
ある。尚、ニードル弁7(7e)の設定等の他の条件は
全て同一であるが、本発明に係るエアシリンダAではリ
リーフ弁8の設定圧を3.6kgf/cmとしている。
【0028】上記表1、表2のデータから明らかなよう
に、本発明では、クッションピン4がクッションピン用
孔部9に嵌入する直前のピストンスピードを従来例と同
一条件とした場合において、クッションピン4がクッシ
ョンピン用孔部9内に嵌入(突入)した直後のシリンダ
室S内の圧力値が従来例よりもかなり低圧に維持されて
いることは勿論のこと、突入直後における衝撃値や、ピ
ストン3が終端に到達した際の衝撃値の何れの衝撃値に
ついても、従来例に比較してその値がかなり小さな値と
なっている。図6は表1のストロークが550mmに設
定された場合の本発明のデータを、図7はそれに対応す
る従来例のデータの経時変化を各々示す説明図である。
かかるデータからしても、図6の本発明では、図7の従
来例に比較して、エアシリンダに発生する衝撃のピーク
値をかなり減少させることができることは明らかであろ
う。
に、本発明では、クッションピン4がクッションピン用
孔部9に嵌入する直前のピストンスピードを従来例と同
一条件とした場合において、クッションピン4がクッシ
ョンピン用孔部9内に嵌入(突入)した直後のシリンダ
室S内の圧力値が従来例よりもかなり低圧に維持されて
いることは勿論のこと、突入直後における衝撃値や、ピ
ストン3が終端に到達した際の衝撃値の何れの衝撃値に
ついても、従来例に比較してその値がかなり小さな値と
なっている。図6は表1のストロークが550mmに設
定された場合の本発明のデータを、図7はそれに対応す
る従来例のデータの経時変化を各々示す説明図である。
かかるデータからしても、図6の本発明では、図7の従
来例に比較して、エアシリンダに発生する衝撃のピーク
値をかなり減少させることができることは明らかであろ
う。
【0029】尚、上記のようにエアシリンダAに発生す
る衝撃力を充分に効率よく緩和するためには、クッショ
ンピン4の寸法を長くして、このクッションピン4がク
ッションピン用孔部9に嵌入してピストン3が減速され
る時間を長くすることが好ましく、具体的には、クッシ
ョンピン4の寸法をシリンダ本体2の内径よりも大きな
寸法にすることが望ましい。
る衝撃力を充分に効率よく緩和するためには、クッショ
ンピン4の寸法を長くして、このクッションピン4がク
ッションピン用孔部9に嵌入してピストン3が減速され
る時間を長くすることが好ましく、具体的には、クッシ
ョンピン4の寸法をシリンダ本体2の内径よりも大きな
寸法にすることが望ましい。
【0030】〔第2実施例(請求項2に対応)〕図8
は、本発明に係る緩衝機能を備えたエアシリンダAaの
他の実施例を示す要部断面図である。このエアシリンダ
Aaは、吸排気口12aが開設されたヘッドカバー室1
1aとシリンダ室Saとの両者を区画するための区画用
壁部5B側に、筒状のクッションピン4aを突設し、ま
たピストン3a側にそのクッションピン4aが嵌入され
るクッションピン用孔部9aを開設した構成である。
尚、シリンダ室Sとヘッドカバー室11との両者がニー
ドル弁7aで流量調整される連通路13を介して相互に
連通され、またシリンダヘッド6aにリリーフ弁8aが
一体的に設けられている点、等の基本的な構成は、図1
で示したエアシリンダAと同様である。
は、本発明に係る緩衝機能を備えたエアシリンダAaの
他の実施例を示す要部断面図である。このエアシリンダ
Aaは、吸排気口12aが開設されたヘッドカバー室1
1aとシリンダ室Saとの両者を区画するための区画用
壁部5B側に、筒状のクッションピン4aを突設し、ま
たピストン3a側にそのクッションピン4aが嵌入され
るクッションピン用孔部9aを開設した構成である。
尚、シリンダ室Sとヘッドカバー室11との両者がニー
ドル弁7aで流量調整される連通路13を介して相互に
連通され、またシリンダヘッド6aにリリーフ弁8aが
一体的に設けられている点、等の基本的な構成は、図1
で示したエアシリンダAと同様である。
【0031】上記図8で示す構成によれば、ピストン3
aが後退し、図9に示すように、そのピストン3aのク
ッションピン用孔部9a内にクッションピン4aが嵌入
すると、シリンダ室Saからヘッドカバー室11a側へ
の空気流入量が減少し、ピストン3aの後退速度が減速
される。また、その際にシリンダ室Sa内の空気圧が一
定圧に達すると、リリーフ弁8aが開放し、シリンダ室
Sa内の圧力値は常に一定値以下に維持され、ピストン
3aに大きな衝撃が発生することなく、ピストン3aを
減速させて、低速で終端に到達させて停止させることが
でき、上記した図1の構成のエアシリンダAと同様な優
れた緩衝作用が得られる。而して、上記のエアシリンダ
Aaでは、図1で示したエアシリンダAとは異なり、ピ
ストン3aにクッションピン4aを余分に突設させる構
造ではないから、ピストン3aが終端に到達した状態に
おいて、シリンダヘッド6a内にクッションピン4aを
収容させるためのスペースを余分に設ける必要がない。
従って、図1で示したエアシリンダAと図8のエアシリ
ンダAaとのピストンロッドの最大ストロークを同一に
する場合には、図8のエアシリンダAaの方がその全長
を短くすることが可能である。
aが後退し、図9に示すように、そのピストン3aのク
ッションピン用孔部9a内にクッションピン4aが嵌入
すると、シリンダ室Saからヘッドカバー室11a側へ
の空気流入量が減少し、ピストン3aの後退速度が減速
される。また、その際にシリンダ室Sa内の空気圧が一
定圧に達すると、リリーフ弁8aが開放し、シリンダ室
Sa内の圧力値は常に一定値以下に維持され、ピストン
3aに大きな衝撃が発生することなく、ピストン3aを
減速させて、低速で終端に到達させて停止させることが
でき、上記した図1の構成のエアシリンダAと同様な優
れた緩衝作用が得られる。而して、上記のエアシリンダ
Aaでは、図1で示したエアシリンダAとは異なり、ピ
ストン3aにクッションピン4aを余分に突設させる構
造ではないから、ピストン3aが終端に到達した状態に
おいて、シリンダヘッド6a内にクッションピン4aを
収容させるためのスペースを余分に設ける必要がない。
従って、図1で示したエアシリンダAと図8のエアシリ
ンダAaとのピストンロッドの最大ストロークを同一に
する場合には、図8のエアシリンダAaの方がその全長
を短くすることが可能である。
【0032】〔他の実施例〕尚、上記各実施例では、リ
リーフ弁8(8a)をシリンダヘッド6(6a)に一体
的に設けているが(請求項3に対応)、請求項1又は2
に記載の本発明は決してこれに限定されない。例えば、
エアシリンダとは別体で構成されたリリーフ弁を配管等
を利用して所定のシリンダ室等に接続させて設けるよう
にしても構わない。但し、エアシリンダの簡素化、小型
化等の観点からすれば、リリーフ弁8をエアシリンダと
一体化させることが望ましい。
リーフ弁8(8a)をシリンダヘッド6(6a)に一体
的に設けているが(請求項3に対応)、請求項1又は2
に記載の本発明は決してこれに限定されない。例えば、
エアシリンダとは別体で構成されたリリーフ弁を配管等
を利用して所定のシリンダ室等に接続させて設けるよう
にしても構わない。但し、エアシリンダの簡素化、小型
化等の観点からすれば、リリーフ弁8をエアシリンダと
一体化させることが望ましい。
【0033】また、上記各実施例では、エアシリンダの
後端部側に終端にピストンが到達する際の衝撃を抑制さ
せる場合を一例として説明したが、本発明はやはり限定
されない。本発明では、ピストンがエアシリンダの前端
部側の終端に到達する際の衝撃を抑制させる場合にも適
用することが可能である。
後端部側に終端にピストンが到達する際の衝撃を抑制さ
せる場合を一例として説明したが、本発明はやはり限定
されない。本発明では、ピストンがエアシリンダの前端
部側の終端に到達する際の衝撃を抑制させる場合にも適
用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、請求
項1乃至3に記載の本発明に係る緩衝機能を備えたエア
シリンダによれば、クッションピンがクッションピン用
孔部に嵌入した時点及びそれ以後の時点において、所定
のシリンダ室内の空気がピストン移動に対する過大且つ
急激な抵抗力となることをリリーフ弁の動作によって阻
止することができるために、従来のようにピストンに大
きな衝撃が発生することを適切に回避した上で、ピスト
ンを滑らかに減速させて停止させることができ、大きな
騒音や機械的振動等の発生を極力解消させることができ
るという格別な効果が得られる。しかも、このような衝
撃の抑制は、リリーフ弁の設定に依存し、区画用壁部に
穿設された連通路を介して排気される空気流量には左右
されないから、従来のように、ピストンに作用する負荷
やそのストロークが多少変更された場合であっても、従
来のように流量調整弁の調整作業を逐一行う必要はな
く、かかる調整作業の手間を簡略化できるという利点も
得られる。更に、流量調整弁を調整して所定の連通路を
流通する空気流量を増減変更すれば、シリンダ本体内の
端部におけるピストンの移動速度を調整することができ
るので、ピストンの往復動作時間の調整を任意に設定で
きる他、リリーフ弁の設定だけでは解消できない範囲で
の衝撃をも一層徹底して解消させることができるという
効果が得られる。
項1乃至3に記載の本発明に係る緩衝機能を備えたエア
シリンダによれば、クッションピンがクッションピン用
孔部に嵌入した時点及びそれ以後の時点において、所定
のシリンダ室内の空気がピストン移動に対する過大且つ
急激な抵抗力となることをリリーフ弁の動作によって阻
止することができるために、従来のようにピストンに大
きな衝撃が発生することを適切に回避した上で、ピスト
ンを滑らかに減速させて停止させることができ、大きな
騒音や機械的振動等の発生を極力解消させることができ
るという格別な効果が得られる。しかも、このような衝
撃の抑制は、リリーフ弁の設定に依存し、区画用壁部に
穿設された連通路を介して排気される空気流量には左右
されないから、従来のように、ピストンに作用する負荷
やそのストロークが多少変更された場合であっても、従
来のように流量調整弁の調整作業を逐一行う必要はな
く、かかる調整作業の手間を簡略化できるという利点も
得られる。更に、流量調整弁を調整して所定の連通路を
流通する空気流量を増減変更すれば、シリンダ本体内の
端部におけるピストンの移動速度を調整することができ
るので、ピストンの往復動作時間の調整を任意に設定で
きる他、リリーフ弁の設定だけでは解消できない範囲で
の衝撃をも一層徹底して解消させることができるという
効果が得られる。
【0035】特に、請求項2に記載の本発明によれば、
ピストンがシリンダ本体の端部に到達した際には、ピス
トンに開設されたクッションピン用孔部に対して区画用
壁部側のクッションピンが嵌入した状態となるから、ピ
ストンから突出した状態に設けられたクッションピンを
収容させるための余分なスペースをシリンダ本体内へ設
けるような必要がなく、エアシリンダの全長を短くする
ことができるという利点が得られる。
ピストンがシリンダ本体の端部に到達した際には、ピス
トンに開設されたクッションピン用孔部に対して区画用
壁部側のクッションピンが嵌入した状態となるから、ピ
ストンから突出した状態に設けられたクッションピンを
収容させるための余分なスペースをシリンダ本体内へ設
けるような必要がなく、エアシリンダの全長を短くする
ことができるという利点が得られる。
【0036】請求項3に記載の本発明によれば、リリー
フ弁がシリンダヘッドに対して一体的に設けられ、また
リリーフ弁を接続するための特別な配管も不要であるか
ら、エアシリンダ全体の構成の簡素化、小型化が図れる
という実益が得られる。また、リリーフ弁がシリンダ室
とヘッドカバー室との両室に接続されていることによ
り、ピストンを加圧前進させるときには、ヘッドカバー
室及びシリンダ室内をリリーフ弁の設定圧以上の高圧状
態に維持させることができ、ピストンの加圧前進動作に
支障が生じるようなことも適切に回避できるという利点
もある。
フ弁がシリンダヘッドに対して一体的に設けられ、また
リリーフ弁を接続するための特別な配管も不要であるか
ら、エアシリンダ全体の構成の簡素化、小型化が図れる
という実益が得られる。また、リリーフ弁がシリンダ室
とヘッドカバー室との両室に接続されていることによ
り、ピストンを加圧前進させるときには、ヘッドカバー
室及びシリンダ室内をリリーフ弁の設定圧以上の高圧状
態に維持させることができ、ピストンの加圧前進動作に
支障が生じるようなことも適切に回避できるという利点
もある。
【図1】本発明に係る緩衝機能を備えたエアシリンダの
一実施例を示す要部断面図。
一実施例を示す要部断面図。
【図2】図1のX−X線断面図。
【図3】図1に示すエアシリンダのリリーフ弁が開放し
た状態を示す要部断面図。
た状態を示す要部断面図。
【図4】図1に示すエアシリンダのピストンのクッショ
ンピンがクッションピン用孔部に嵌入する前の状態を示
す要部断面図。
ンピンがクッションピン用孔部に嵌入する前の状態を示
す要部断面図。
【図5】衝撃値等の測定試験に用いた試験装置の概略構
成を示す説明図。
成を示す説明図。
【図6】本発明に係る緩衝機能を備えたエアシリンダで
得られた衝撃値と圧力値の試験データを示す説明図。
得られた衝撃値と圧力値の試験データを示す説明図。
【図7】従来例のエアシリンダで得られた衝撃値と圧力
値の試験データを示す説明図。
値の試験データを示す説明図。
【図8】本発明に係る緩衝機能を備えたエアシリンダの
他の実施例を示す要部断面図。
他の実施例を示す要部断面図。
【図9】図8に示すエアシリンダのピストンが後退した
状態を示す要部断面図。
状態を示す要部断面図。
【図10】従来のエアシリンダの一例を示す要部断面
図。
図。
【図11】図10に示すエアシリンダのピストンが後退
した状態を示す要部断面図。
した状態を示す要部断面図。
【図12】図10に示すエアシリンダのピストンが最後
端位置へ到達状態を示す要部断面図。
端位置へ到達状態を示す要部断面図。
【図13】エアシリンダに発生する衝撃の状態を示す説
明図。
明図。
1 ピストンロッド 2 シリンダ本体 3,3a ピストン 4,4a クッションピン 5 筒状体 5A,5B 区画用壁部 6 シリンダヘッド 7,7a ニードル弁(流量調整弁) 8,8a リリーフ弁 9,9a クッションピン用孔部 11,11a ヘッドカバー室 12,12a 吸排気口 13 連通路 14 空気流通路 S,Sa シリンダ室 A,Aa 緩衝機能を備えたエアシリンダ
Claims (3)
- 【請求項1】ピストンに設けられたクッションピンを嵌
入させるためのクッション用孔部をシリンダ本体内の端
部側に形成し且つこのクッション用孔部内にクッション
ピンが嵌入されたときにシリンダ室と吸排気口を開設し
たヘッドカバー室との両室を相互に区画する区画用壁部
と、この区画用壁部とピストンとの両者間に位置するシ
リンダ室内の圧縮空気をヘッドカバー室内へ流入させる
ための連通路と、この連通路を流通する空気量を調整す
るための流量調整弁とを有する緩衝機能を備えたエアシ
リンダであって、 前記ピストンと区画用壁部との両者間に位置するシリン
ダ室の空気圧が予め設定された所定の設定圧に達したと
きに、前記シリンダ室内を減圧させるべくそのシリンダ
室内の空気をシリンダ室外へ排気するリリーフ弁がシリ
ンダ本体と一体又は別体で具備されていることを特徴と
する緩衝機能を備えたエアシリンダ。 - 【請求項2】請求項1において、上記ピストンにクッシ
ョンピンが設けられ且つ区画用壁部にそのクッションピ
ンを嵌入させるためのクッションピン用孔部が形成され
た手段に代えて、クッションピンが区画用壁部に設けら
れていると共に、このクッションピンを嵌入させるため
のクッションピン用孔部がピストン側に開設されている
ことを特徴とする緩衝機能を備えたエアシリンダ。 - 【請求項3】請求項1又は2において、上記リリーフ弁
は、シリンダ本体に連設されたシリンダヘッドの位置へ
一体的に設けられ、 ピストンと区画用壁部との両者間に位置するシリンダ室
の空気圧が区画用壁部に穿設された空気流通路を介して
リリーフ弁の弁体に作用すると共に、その空気圧が所定
の一定圧に達してリリーフ弁が弁開放状態になったとき
には、前記シリンダ室から空気流通路を介してリリーフ
弁側へ流出してくる空気がリリーフ弁とヘッドカバー室
との相互間の壁部に穿設された連通路を介してヘッドカ
バー室内へ流入するように構成されていることを特徴と
する緩衝機能を備えたエアシリンダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13173893A JPH06341411A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 緩衝機能を備えたエアシリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13173893A JPH06341411A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 緩衝機能を備えたエアシリンダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06341411A true JPH06341411A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15065043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13173893A Pending JPH06341411A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 緩衝機能を備えたエアシリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06341411A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004353223A (ja) * | 2003-05-28 | 2004-12-16 | Furukawa Co Ltd | 標識装置 |
WO2010124839A1 (en) * | 2009-04-27 | 2010-11-04 | Norgren Gmbh | An adjustable valve for a fluid operated actuator |
WO2021053959A1 (ja) | 2019-09-20 | 2021-03-25 | Smc株式会社 | ガスシリンダ |
EP3922864A1 (en) | 2020-06-10 | 2021-12-15 | SMC Corporation | Gas cylinder |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP13173893A patent/JPH06341411A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004353223A (ja) * | 2003-05-28 | 2004-12-16 | Furukawa Co Ltd | 標識装置 |
WO2010124839A1 (en) * | 2009-04-27 | 2010-11-04 | Norgren Gmbh | An adjustable valve for a fluid operated actuator |
WO2021053959A1 (ja) | 2019-09-20 | 2021-03-25 | Smc株式会社 | ガスシリンダ |
US11898583B2 (en) | 2019-09-20 | 2024-02-13 | Smc Corporation | Gas cylinder |
EP3922864A1 (en) | 2020-06-10 | 2021-12-15 | SMC Corporation | Gas cylinder |
US11421716B2 (en) | 2020-06-10 | 2022-08-23 | Smc Corporation | Gas cylinder |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020709 |