JPH06346201A - 高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金 - Google Patents
高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金Info
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- JPH06346201A JPH06346201A JP5142116A JP14211693A JPH06346201A JP H06346201 A JPH06346201 A JP H06346201A JP 5142116 A JP5142116 A JP 5142116A JP 14211693 A JP14211693 A JP 14211693A JP H06346201 A JPH06346201 A JP H06346201A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/147—Alloys characterised by their composition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高飽和磁束密度でかつ高電気抵抗率のFe−
Co系磁性合金を得る。 【構成】 重量%で、Co:35〜60%、V:5%以
下、およびAl:7%以下,Si:3%以下,Cr:4
%以下,Ti:4%以下のうちの1種または2種以上を
含み、C:0.015%以下、Mn:0.50%以下、
P:0.030%以下、S:0.030%以下、O:1
00ppm以下、N:300ppm以下に規制し、残部
Feおよび不純物よりなるFe−Co系磁性合金。
Co系磁性合金を得る。 【構成】 重量%で、Co:35〜60%、V:5%以
下、およびAl:7%以下,Si:3%以下,Cr:4
%以下,Ti:4%以下のうちの1種または2種以上を
含み、C:0.015%以下、Mn:0.50%以下、
P:0.030%以下、S:0.030%以下、O:1
00ppm以下、N:300ppm以下に規制し、残部
Feおよび不純物よりなるFe−Co系磁性合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Fe−Co系高飽和磁
束密度・高電気抵抗磁性合金に係わり、例えば、各種磁
気回路のハウジング,ヨーク,コアや、アーマチュア,
電話機用振動板などの素材として好適に利用される高飽
和磁束密度・高電気抵抗のFe−Co系磁性合金に関す
るものである。
束密度・高電気抵抗磁性合金に係わり、例えば、各種磁
気回路のハウジング,ヨーク,コアや、アーマチュア,
電話機用振動板などの素材として好適に利用される高飽
和磁束密度・高電気抵抗のFe−Co系磁性合金に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種のFe−Co系磁性合金は、パー
メンデュール(50Co−Fe)と称されており、電話
機用振動板などでは高磁界において透磁率μの変動が少
ないことが要求される。そして、飽和磁化の最大値は、
CoとFeの中間で得られる。
メンデュール(50Co−Fe)と称されており、電話
機用振動板などでは高磁界において透磁率μの変動が少
ないことが要求される。そして、飽和磁化の最大値は、
CoとFeの中間で得られる。
【0003】しかしながら、FeCo規則格子が生成す
る50重量%Co付近では、硬くかつもろいので、良好
な加工性を付与するために、Vを加えた50Co−2V
−Feの組成のものがよく用いられる(例えば、『改訂
5版 金属便覧』 平成2年3月31日発行 社団法人
日本金属学会 編 第647頁〜第648頁)。
る50重量%Co付近では、硬くかつもろいので、良好
な加工性を付与するために、Vを加えた50Co−2V
−Feの組成のものがよく用いられる(例えば、『改訂
5版 金属便覧』 平成2年3月31日発行 社団法人
日本金属学会 編 第647頁〜第648頁)。
【0004】この50Co−2V−Feの組成をもつ2
V−パーメンジュールは、冷間加工材であると、比較的
高い飽和磁束密度Bsと、低い保磁力Hcと、高い最大
透磁率μmをもっている。
V−パーメンジュールは、冷間加工材であると、比較的
高い飽和磁束密度Bsと、低い保磁力Hcと、高い最大
透磁率μmをもっている。
【0005】一方、鋳造品とした場合には、保磁力Hc
が増大し、最大透磁率μmは低下する傾向にある。
が増大し、最大透磁率μmは低下する傾向にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2V−
パーメンジュールを例えばドットプリンターのヨーク素
材や電子制御燃料噴射装置用等の電磁弁として用いる
と、電気抵抗率ρが低いので、高速作動させた場合に磁
束の進入が妨げられ、立ち上がりに遅れを生じるため、
高速作動化することができがたいという問題点があり、
それゆえ、飽和磁束密度Bsが大でかつ電気抵抗率ρが
大きい値を有する高飽和磁束密度・高電気抵抗のFe−
Co系磁性合金の開発が望まれているという課題があっ
た。
パーメンジュールを例えばドットプリンターのヨーク素
材や電子制御燃料噴射装置用等の電磁弁として用いる
と、電気抵抗率ρが低いので、高速作動させた場合に磁
束の進入が妨げられ、立ち上がりに遅れを生じるため、
高速作動化することができがたいという問題点があり、
それゆえ、飽和磁束密度Bsが大でかつ電気抵抗率ρが
大きい値を有する高飽和磁束密度・高電気抵抗のFe−
Co系磁性合金の開発が望まれているという課題があっ
た。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、高飽和磁束密度でかつ高
電気抵抗率のFe−Co系高飽和磁束密度・高電気抵抗
磁性合金を提供することを目的としている。
がみてなされたものであって、高飽和磁束密度でかつ高
電気抵抗率のFe−Co系高飽和磁束密度・高電気抵抗
磁性合金を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる高飽和磁
束密度・高電気抵抗磁性合金は、重量%で、Co:35
〜60%、V:5%以下、およびAl:7%以下,S
i:3%以下,Cr:4%以下,Ti:4%以下のうち
の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不純物よ
りなることを特徴としている。
束密度・高電気抵抗磁性合金は、重量%で、Co:35
〜60%、V:5%以下、およびAl:7%以下,S
i:3%以下,Cr:4%以下,Ti:4%以下のうち
の1種または2種以上を含み、残部Feおよび不純物よ
りなることを特徴としている。
【0009】本発明に係わる高飽和磁束密度・高電気抵
抗磁性合金の実施態様においては、C:0.015%以
下、Mn:0.50%以下、P:0.030%以下、
S:0.030%以下、O:100ppm以下、N:3
00ppm以下に規制したものとすることができ、ま
た、同じく実施態様においては、Nb:0.001〜
1.0%,Ti:0.005〜0.10%,Zr:0.
001〜1.0%,B:0.0001〜0.01%のう
ちの1種または2種以上を含むものとすることができ、
同じく実施態様においては、Pb:0.01〜0.30
%,Ca:0.002〜0.20%,Te:0.01〜
0.20%,Se:0.01〜0.30%,Bi:0.
02〜0.50%のうちの1種または2種以上を含むも
のとすることができ、また、同じく実施態様において
は、Cu:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜3.0
%,Mo:0.1〜5.0%のうちの1種または2種以
上を含むものとすることができる。
抗磁性合金の実施態様においては、C:0.015%以
下、Mn:0.50%以下、P:0.030%以下、
S:0.030%以下、O:100ppm以下、N:3
00ppm以下に規制したものとすることができ、ま
た、同じく実施態様においては、Nb:0.001〜
1.0%,Ti:0.005〜0.10%,Zr:0.
001〜1.0%,B:0.0001〜0.01%のう
ちの1種または2種以上を含むものとすることができ、
同じく実施態様においては、Pb:0.01〜0.30
%,Ca:0.002〜0.20%,Te:0.01〜
0.20%,Se:0.01〜0.30%,Bi:0.
02〜0.50%のうちの1種または2種以上を含むも
のとすることができ、また、同じく実施態様において
は、Cu:0.1〜2.0%,Ni:0.1〜3.0
%,Mo:0.1〜5.0%のうちの1種または2種以
上を含むものとすることができる。
【0010】本発明に係わるFe−Co系高飽和磁束密
度・高電気抵抗磁性合金を製造するに際しては、上記化
学成分組成の合金溶湯を溶製したのち鋳造し、この鋳造
材に対して、あるいはこの鋳造材に適宜の圧延加工や鍛
造加工などの加工を加えた加工材に対して、800℃以
上の温度から30℃/sec以上の冷却速度で冷却する
溶体化処理を施し、その後700℃以上のα相(フェラ
イト相)領域の温度で焼鈍する工程を採用することがで
き、このような溶体化処理を施すことにより鋳造材であ
っても磁気特性を向上させたものとすることが可能とな
る。
度・高電気抵抗磁性合金を製造するに際しては、上記化
学成分組成の合金溶湯を溶製したのち鋳造し、この鋳造
材に対して、あるいはこの鋳造材に適宜の圧延加工や鍛
造加工などの加工を加えた加工材に対して、800℃以
上の温度から30℃/sec以上の冷却速度で冷却する
溶体化処理を施し、その後700℃以上のα相(フェラ
イト相)領域の温度で焼鈍する工程を採用することがで
き、このような溶体化処理を施すことにより鋳造材であ
っても磁気特性を向上させたものとすることが可能とな
る。
【0011】次に、本発明に係わる高飽和磁束密度・高
電気抵抗Fe−Co系磁性合金の成分範囲の限定理由に
ついて述べる。
電気抵抗Fe−Co系磁性合金の成分範囲の限定理由に
ついて述べる。
【0012】Co: Coは、Fe−Co系磁性合金に
おいてCo含有量とFe含有量のほぼ中間領域である3
5〜60%の範囲とすることによってより大きな飽和磁
束密度Bsを得ることができるので、Co含有量は35
〜60%とした。
おいてCo含有量とFe含有量のほぼ中間領域である3
5〜60%の範囲とすることによってより大きな飽和磁
束密度Bsを得ることができるので、Co含有量は35
〜60%とした。
【0013】V: Fe−Co系磁性合金中のVは、当
該磁性合金中におけるFeCo規則格子の生成による冷
間加工性の低下を改善し、電気抵抗を向上させると共に
良好なる冷間加工性を付与するのに有用な元素であるの
で、5%以下の範囲で含有させた。
該磁性合金中におけるFeCo規則格子の生成による冷
間加工性の低下を改善し、電気抵抗を向上させると共に
良好なる冷間加工性を付与するのに有用な元素であるの
で、5%以下の範囲で含有させた。
【0014】Al,Si,Cr,Ti: Fe−Co系
磁性合金中において、Al,Si,Cr,Tiは、当該
磁性合金の電気抵抗率を向上させ、磁気回路における応
答性を改善する作用を有しているので、その作用が有効
となる量でこれらの1種または2種以上を含有させる
が、含有量が多すぎると冷間加工性の低下をきたすの
で、Alについては7%以下、Siについては3%以
下、Crについては4%以下、Tiについては4%以下
とした。
磁性合金中において、Al,Si,Cr,Tiは、当該
磁性合金の電気抵抗率を向上させ、磁気回路における応
答性を改善する作用を有しているので、その作用が有効
となる量でこれらの1種または2種以上を含有させる
が、含有量が多すぎると冷間加工性の低下をきたすの
で、Alについては7%以下、Siについては3%以
下、Crについては4%以下、Tiについては4%以下
とした。
【0015】C,Mn,P,S,O,N: Fe−Co
系磁性合金中において、C,Mn,P,S,O,N含有
量が多いと、飽和磁束密度および磁気特性(透磁率,保
磁力等)を低下させると共に、冷間鍛造性を劣化させる
こととなるので、飽和磁束密度の低下を防ぐと共に、冷
間鍛造性を向上させるためには、これらの元素を規制す
ることも望ましく、この場合に、Cは0.015%以
下、Mnは0.50%以下、Pは0.030%以下、S
は0.030%以下、Oは100ppm以下、Nは30
0ppm以下とするのが良い。
系磁性合金中において、C,Mn,P,S,O,N含有
量が多いと、飽和磁束密度および磁気特性(透磁率,保
磁力等)を低下させると共に、冷間鍛造性を劣化させる
こととなるので、飽和磁束密度の低下を防ぐと共に、冷
間鍛造性を向上させるためには、これらの元素を規制す
ることも望ましく、この場合に、Cは0.015%以
下、Mnは0.50%以下、Pは0.030%以下、S
は0.030%以下、Oは100ppm以下、Nは30
0ppm以下とするのが良い。
【0016】Nb,Ti,Zr,B: Fe−Co系磁
性合金中においてNb,Ti,Zr,Bは磁気特性を向
上させるのに有効であると共に、電気抵抗の増大にも寄
与する元素であるので、必要に応じて、Nbは0.00
1%以上、Tiは0.005%以上、Zrは0.001
%以上、Bは0.0001%以上のうちから選ばれる1
種または2種以上を含有させるのもよい。しかし、これ
らの含有量が多すぎると磁気特性をむしろ低下させるこ
ととなるので、含有させるとしても、Nbは1.0%以
下、Tiは0.10%以下、Zrは1.0%以下、Bは
0.01%以下とするのがよい。
性合金中においてNb,Ti,Zr,Bは磁気特性を向
上させるのに有効であると共に、電気抵抗の増大にも寄
与する元素であるので、必要に応じて、Nbは0.00
1%以上、Tiは0.005%以上、Zrは0.001
%以上、Bは0.0001%以上のうちから選ばれる1
種または2種以上を含有させるのもよい。しかし、これ
らの含有量が多すぎると磁気特性をむしろ低下させるこ
ととなるので、含有させるとしても、Nbは1.0%以
下、Tiは0.10%以下、Zrは1.0%以下、Bは
0.01%以下とするのがよい。
【0017】Pb,Ca,Te,Se,Bi: Fe−
Co系磁性合金中においてPb,Ca,Te,Se,B
iは被削性を向上させるのに有効な元素であるので、切
削加工によって部品の成形を行う場合などにおいて必要
に応じて、Pbは0.01%以上、Caは0.002%
以上、Teは0.01%以上、Seは0.01%以上、
Biは0.02%以上のうちから選ばれる1種または2
種以上を含有させるのもよい。しかし、これらの含有量
が多すぎると冷間鍛造の際に割れを招き、かつ、磁気特
性(飽和磁化)の低下を招くこととなるので、含有させ
るとしても、Pbは0.30%以下、Caは0.20%
以下、Teは0.20%以下、Seは0.30%以下、
Biは0.50%以下とするのがよい。
Co系磁性合金中においてPb,Ca,Te,Se,B
iは被削性を向上させるのに有効な元素であるので、切
削加工によって部品の成形を行う場合などにおいて必要
に応じて、Pbは0.01%以上、Caは0.002%
以上、Teは0.01%以上、Seは0.01%以上、
Biは0.02%以上のうちから選ばれる1種または2
種以上を含有させるのもよい。しかし、これらの含有量
が多すぎると冷間鍛造の際に割れを招き、かつ、磁気特
性(飽和磁化)の低下を招くこととなるので、含有させ
るとしても、Pbは0.30%以下、Caは0.20%
以下、Teは0.20%以下、Seは0.30%以下、
Biは0.50%以下とするのがよい。
【0018】Cu,Ni,Mo: Fe−Co系磁性合
金中においてCu,Ni,Moは耐食性を向上させるの
に有効な元素であるので、耐食性に優れていることが要
求される用途などにおいて必要に応じて、Cuは0.1
%以上、Niは0.1%以上、Moは0.1%以上のう
ちから選ばれる1種または2種以上を含有させるものよ
い。しかし、これらの含有量が多すぎると冷間鍛造の際
に割れを招き、しかも磁気特性(飽和磁化)の低下を招
くこととなるので、含有させるとしても、Cuは2.0
%以下、Niは3.0%以下、Moは5.0%以下とす
るのがよい。
金中においてCu,Ni,Moは耐食性を向上させるの
に有効な元素であるので、耐食性に優れていることが要
求される用途などにおいて必要に応じて、Cuは0.1
%以上、Niは0.1%以上、Moは0.1%以上のう
ちから選ばれる1種または2種以上を含有させるものよ
い。しかし、これらの含有量が多すぎると冷間鍛造の際
に割れを招き、しかも磁気特性(飽和磁化)の低下を招
くこととなるので、含有させるとしても、Cuは2.0
%以下、Niは3.0%以下、Moは5.0%以下とす
るのがよい。
【0019】Fe: FeはFe−Co系磁性合金にお
いてCo含有量とFe含有量のほぼ中間領域で高飽和磁
束密度を得ることができるので、前記Co含有量との兼
ね合いで残部とした。
いてCo含有量とFe含有量のほぼ中間領域で高飽和磁
束密度を得ることができるので、前記Co含有量との兼
ね合いで残部とした。
【0020】このようなFe−Co系磁性合金を製造す
るに際して、前記合金溶湯からの鋳造材に対し、あるい
はこの鋳造材を圧延加工や鍛造加工した加工材に対する
溶体化処理温度を800℃以上とすることによって、比
較的高温のγ相から下記に示す冷却速度で急冷すること
となって焼入れ性が良好なものとなり、マルテンサイト
組織が容易に得られることとなってその後の焼鈍により
マルテンサイト相からフェライト相(α相)への変態を
生ずることにより、得られた磁性合金は低保磁力でかつ
高透磁率のものとなりやすい。
るに際して、前記合金溶湯からの鋳造材に対し、あるい
はこの鋳造材を圧延加工や鍛造加工した加工材に対する
溶体化処理温度を800℃以上とすることによって、比
較的高温のγ相から下記に示す冷却速度で急冷すること
となって焼入れ性が良好なものとなり、マルテンサイト
組織が容易に得られることとなってその後の焼鈍により
マルテンサイト相からフェライト相(α相)への変態を
生ずることにより、得られた磁性合金は低保磁力でかつ
高透磁率のものとなりやすい。
【0021】そして、溶体化処理時の冷却速度を30℃
/sec以上とするのが望ましいとしているのは、水冷
(冷却速度は約400℃/sec)や油冷(冷却速度は
約150℃/sec)などによる冷却速度が大きいほど
焼入れ性が良好なものとなり、上記した低保磁力でかつ
高透磁率が得られることとなりやすい。
/sec以上とするのが望ましいとしているのは、水冷
(冷却速度は約400℃/sec)や油冷(冷却速度は
約150℃/sec)などによる冷却速度が大きいほど
焼入れ性が良好なものとなり、上記した低保磁力でかつ
高透磁率が得られることとなりやすい。
【0022】さらに、溶体化処理後に700℃以上のα
相領域の温度で焼鈍するのが望ましいとしているのは、
上述した磁気特性の改善のほか、冷間加工性の改善や被
削性の向上が得られることによる。
相領域の温度で焼鈍するのが望ましいとしているのは、
上述した磁気特性の改善のほか、冷間加工性の改善や被
削性の向上が得られることによる。
【0023】そして、前記化学成分組成のFe−Co系
磁性合金から鋳造材を作製し、この鋳造材に対して所定
の溶体化処理を施すことによって、鍛造材あるいは圧延
材に比べて鋳造材の方が低保磁力でかつ高透磁率のもの
となりやすい。
磁性合金から鋳造材を作製し、この鋳造材に対して所定
の溶体化処理を施すことによって、鍛造材あるいは圧延
材に比べて鋳造材の方が低保磁力でかつ高透磁率のもの
となりやすい。
【0024】
【発明の作用】本発明に係わるFe−Co系磁性合金で
は、Fe−Co系磁性合金においてVを必須元素として
適量含有させるとともにAl,Si,Cr,Tiのうち
の1種または2種以上を同じく必須元素として適用含有
させることとしているので、飽和磁束密度および透磁率
が向上したものとなって、磁気回路の立ち上がり特性が
より一層良好なものになると共に、吸引力のより一層の
増大がもたらされ、また、電気抵抗が向上したものとな
って、磁気回路の応答性がより一層良好なものとなる。
は、Fe−Co系磁性合金においてVを必須元素として
適量含有させるとともにAl,Si,Cr,Tiのうち
の1種または2種以上を同じく必須元素として適用含有
させることとしているので、飽和磁束密度および透磁率
が向上したものとなって、磁気回路の立ち上がり特性が
より一層良好なものになると共に、吸引力のより一層の
増大がもたらされ、また、電気抵抗が向上したものとな
って、磁気回路の応答性がより一層良好なものとなる。
【0025】そして、C,Mn,P,S,O,N含有量
を適宜規制することによって磁束密度の低下が防止され
ると共に加工性がより一層改善されることとなり、ま
た、Nb,Ti,Zr,Bのうちの1種以上を適宜適量
含有させることによって磁気特性がより一層改善される
こととなり、Pb,Ca,Te,Se,Biのうちの1
種以上を適宜適量含有させることによって被削性がより
一層改善されることとなり、Cu,Ni,Moのうちの
1種以上を適宜適量含有させることによって耐食性がよ
り一層改善されることとなる。
を適宜規制することによって磁束密度の低下が防止され
ると共に加工性がより一層改善されることとなり、ま
た、Nb,Ti,Zr,Bのうちの1種以上を適宜適量
含有させることによって磁気特性がより一層改善される
こととなり、Pb,Ca,Te,Se,Biのうちの1
種以上を適宜適量含有させることによって被削性がより
一層改善されることとなり、Cu,Ni,Moのうちの
1種以上を適宜適量含有させることによって耐食性がよ
り一層改善されることとなる。
【0026】
【実施例】表1,2,3に示す化学成分組成を有するF
e−Co系磁性合金を溶製したのち鋳造し、得られた鋳
造材に対して1100℃×30分の加熱保持を行ったの
ち一部については徐冷(No.2〜4)する溶体化処理
を施し、さらに850℃×3時間の加熱保持を行ったの
ち炉冷(冷却速度は約150℃/min)する焼鈍を行
って、各々のFe−Co系磁性合金を得た。
e−Co系磁性合金を溶製したのち鋳造し、得られた鋳
造材に対して1100℃×30分の加熱保持を行ったの
ち一部については徐冷(No.2〜4)する溶体化処理
を施し、さらに850℃×3時間の加熱保持を行ったの
ち炉冷(冷却速度は約150℃/min)する焼鈍を行
って、各々のFe−Co系磁性合金を得た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】次に、かくして得られた各種のFe−Co
系磁性合金について、それぞれ、冷間鍛造性,耐食性,
被削性,保磁力(Hc),電気抵抗(ρ)および磁気特
性(磁束密度:B25)を評価した。そして、冷間鍛造
性,耐食性および被削性の評価は、それぞれ表4に示す
テスト方法に従って行い、そして同じく表4の評価記号
に基づいて評価結果を表わした。
系磁性合金について、それぞれ、冷間鍛造性,耐食性,
被削性,保磁力(Hc),電気抵抗(ρ)および磁気特
性(磁束密度:B25)を評価した。そして、冷間鍛造
性,耐食性および被削性の評価は、それぞれ表4に示す
テスト方法に従って行い、そして同じく表4の評価記号
に基づいて評価結果を表わした。
【0031】得られた結果を表5に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】表5に示した結果より明らかなように、本
発明よりなるFe−Co系磁性合金No.1〜11にあ
っては、何れも低い保磁力(Hc)を有していると共
に、磁束密度(B25)が高く、しかも冷間鍛造性に優
れたFe−Co系磁性合金であることが理解される。ま
た、耐食性も十分良好なものであり、被削性にも優れて
いると共に高い電気抵抗を有しているものであることが
認められた。
発明よりなるFe−Co系磁性合金No.1〜11にあ
っては、何れも低い保磁力(Hc)を有していると共
に、磁束密度(B25)が高く、しかも冷間鍛造性に優
れたFe−Co系磁性合金であることが理解される。ま
た、耐食性も十分良好なものであり、被削性にも優れて
いると共に高い電気抵抗を有しているものであることが
認められた。
【0035】これに対して、比較例のFe−Co系磁性
合金No.21にあっては、Co含有量が少ないため磁
束密度が低いものとなっており、また、No.22にあ
っては、V含有量が多すぎるため磁束密度が著しく劣っ
たものとなっており、さらに、No.23にあってはA
l含有量が多すぎるため冷間加工性に劣ったものとなっ
ており、さらにまた、No.24にあってはSi含有量
が多すぎるため冷間加工性に劣ったものとなっており、
さらにまた、No,25にあってはCr含有量が多すぎ
るため冷間加工性および被削性に劣ったものとなってい
た。
合金No.21にあっては、Co含有量が少ないため磁
束密度が低いものとなっており、また、No.22にあ
っては、V含有量が多すぎるため磁束密度が著しく劣っ
たものとなっており、さらに、No.23にあってはA
l含有量が多すぎるため冷間加工性に劣ったものとなっ
ており、さらにまた、No.24にあってはSi含有量
が多すぎるため冷間加工性に劣ったものとなっており、
さらにまた、No,25にあってはCr含有量が多すぎ
るため冷間加工性および被削性に劣ったものとなってい
た。
【0036】
【発明の効果】本発明に係わるFe−Co系磁性合金
は、重量%で、Co:35〜60%、V:5%以下、お
よびAl:7%以下,Si:3%以下,Cr:4%以
下,Ti:4%以下のうちの1種または2種以上を含
み、残部Feおよび不純物よりなるものであるから、電
気抵抗が大きい割には磁束密度の低下が少なく、純鉄に
比べればより大きな磁束密度を有していて、高飽和磁束
密度・高電気抵抗のFe−Co系磁性合金となってお
り、磁束密度および透磁率の向上によって例えば磁気回
路における立ち上がり特性の向上,吸引力の向上をはか
ることが可能になると共に、電気抵抗の向上によって同
磁気回路における応答性の向上をはかることが可能にな
るという優れた著しく効果がもたらされる。
は、重量%で、Co:35〜60%、V:5%以下、お
よびAl:7%以下,Si:3%以下,Cr:4%以
下,Ti:4%以下のうちの1種または2種以上を含
み、残部Feおよび不純物よりなるものであるから、電
気抵抗が大きい割には磁束密度の低下が少なく、純鉄に
比べればより大きな磁束密度を有していて、高飽和磁束
密度・高電気抵抗のFe−Co系磁性合金となってお
り、磁束密度および透磁率の向上によって例えば磁気回
路における立ち上がり特性の向上,吸引力の向上をはか
ることが可能になると共に、電気抵抗の向上によって同
磁気回路における応答性の向上をはかることが可能にな
るという優れた著しく効果がもたらされる。
Claims (5)
- 【請求項1】 重量%で、Co:35〜60%、V:5
%以下、およびAl:7%以下,Si:3%以下,C
r:4%以下,Ti:4%以下のうちの1種または2種
以上を含み、残部Feおよび不純物よりなることを特徴
とする高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金。 - 【請求項2】 C:0.015%以下、Mn:0.50
%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以
下、O:100ppm以下、N:300ppm以下に規
制した請求項1に記載の高飽和磁束密度・高電気抵抗磁
性合金。 - 【請求項3】 Nb:0.001〜1.0%,Ti:
0.005〜0.10%,Zr:0.001〜1.0
%,B:0.0001〜0.01%のうちの1種または
2種以上を含む請求項1または2に記載の高飽和磁束密
度・高電気抵抗磁性合金。 - 【請求項4】 Pb:0.01〜0.30%,Ca:
0.002〜0.20%,Te:0.01〜0.20
%,Se:0.01〜0.30%,Bi:0.02〜
0.50%のうちの1種または2種以上を含む請求項1
ないし3のいずれかに記載の高飽和磁束密度・高電気抵
抗磁性合金。 - 【請求項5】 Cu:0.1〜2.0%,Ni:0.1
〜3.0%,Mo:0.1〜5.0%のうちの1種また
は2種以上を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の
高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5142116A JPH06346201A (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5142116A JPH06346201A (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346201A true JPH06346201A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15307785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5142116A Pending JPH06346201A (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 高飽和磁束密度・高電気抵抗磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06346201A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996019001A1 (de) * | 1994-12-14 | 1996-06-20 | Robert Bosch Gmbh | Weichmagnetischer werkstoff |
JP2003257722A (ja) * | 2002-03-06 | 2003-09-12 | Daido Steel Co Ltd | 軟磁性粉末、それを用いた圧粉磁心 |
DE102018127918A1 (de) * | 2018-11-08 | 2020-05-14 | Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg | Verfahren zum Herstellen eines Teils aus einer weichmagnetischen Legierung |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP5142116A patent/JPH06346201A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996019001A1 (de) * | 1994-12-14 | 1996-06-20 | Robert Bosch Gmbh | Weichmagnetischer werkstoff |
JP2003257722A (ja) * | 2002-03-06 | 2003-09-12 | Daido Steel Co Ltd | 軟磁性粉末、それを用いた圧粉磁心 |
DE102018127918A1 (de) * | 2018-11-08 | 2020-05-14 | Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg | Verfahren zum Herstellen eines Teils aus einer weichmagnetischen Legierung |
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