[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH063372A - ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法 - Google Patents

ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法

Info

Publication number
JPH063372A
JPH063372A JP13731092A JP13731092A JPH063372A JP H063372 A JPH063372 A JP H063372A JP 13731092 A JP13731092 A JP 13731092A JP 13731092 A JP13731092 A JP 13731092A JP H063372 A JPH063372 A JP H063372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
error
time axis
measurement
oscilloscope device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13731092A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Nomura
利博 野村
Taiichi Otsuji
泰一 尾辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BERISHISU Inc
VERISYS Inc
Original Assignee
BERISHISU Inc
VERISYS Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BERISHISU Inc, VERISYS Inc filed Critical BERISHISU Inc
Priority to JP13731092A priority Critical patent/JPH063372A/ja
Publication of JPH063372A publication Critical patent/JPH063372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オシロスコープ装置自身の時間軸誤差を測定
し、校正すること。 【構成】 オシロスコープ装置300自身が持つ時間軸
誤差を時間軸上の複数の時刻において測定し、その時間
軸誤差の測定結果を誤差メモリとしての不揮発性メモリ
に保持し、不揮発性メモリに保持された測定結果を用い
て、時間軸誤差を校正してオシロスコープ装置のディス
プレイ装置10の表示面に入力波形を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気信号をピコ秒オー
ダーの時間軸精度で測定、観測するために使用される、
ディジタルサンプリングオシロスコープ装置に関する。
【0002】本発明の具体的な利用分野としては、高い
時間軸精度が必要とされる電気信号の測定、たとえば、
集積回路試験装置で使用されるタイミング生成回路や、
タイミング測定回路の評価が挙げられる。本発明の時間
軸誤差測定方法は、オシロスコープ装置の時間軸特性の
評価に利用することができる。
【0003】
【従来の技術】ディジタルサンプリングオシロスコープ
装置が持つ時間軸誤差は、サンプリングタイミングを生
成するためにオシロスコープ装置が内蔵する周波数標準
のずれによる誤差、この周波数標準の周期未満のタイミ
ングを生成するアナログ遅延回路の最大遅延量と周波数
標準の周期とのずれによる誤差、およびアナログ遅延回
路の遅延量の非線形性により生じる誤差に分類できる。
【0004】周波数標準のずれを校正する方法、および
アナログ遅延回路の最大遅延量と周波数標準の周期との
ずれを校正する方法は公知であり、メーカーが行う校正
サービスを受けることにより、これらの原因により生じ
る誤差を低減させることが可能である。例えば、ヒュー
レットパッカード社のオシロスコープ装置サービスマニ
ュアル(54120−90908)によれば、前者の校
正は、周波数標準と同一周波数の成分のみを持つ正弦波
信号を外部よりオシロスコープ装置に印加し、さらにオ
シロスコープ装置のサンプリング周期が周波数標準の周
期の整数倍になるようにオシロスコープ装置の時間軸ス
ケール(Time/Div)を設定したとき、オシロス
コープ装置の管面の表示が完全に水平になるように周波
数標準の周波数を調整することにより行われている。ま
た後者の校正は、正弦波信号を外部よりオシロスコープ
装置に印加し、オシロスコープ装置の時間軸スケール
(Time/Div)を最大に設定したとき、アナログ
遅延回路が最大遅延量となる位置において、管面上に表
示される波形が連続になるように、アナログ遅延回路の
最大遅延量を調節することにより行われている。
【0005】しかしながら、かかるアナログ遅延回路の
遅延特性には、それぞれのディジタルサンプリングオシ
ロスコープ装置に固有の非線形性が存在し、これによっ
て生じる時間軸誤差を校正することは従来行われていな
い。市販のディジタルサンプリングオシロスコープ装置
の時間軸誤差の仕様は、アナログ遅延回路の非線形性に
よる誤差を許容するように定められている。そのため、
最も高い時間軸精度を持つ市販のディジタルサンプリン
グオシロスコープ装置においても、時間軸精度の仕様値
は約10psであり、ピコ秒オーダーの時間精度を得る
ことはできない。従来では、オシロスコープ装置の測定
データからアナログ遅延回路の非線形性による誤差を取
り除くことが不可能であることが、オシロスコープ装置
の時間軸精度の向上を阻害する原因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体技術の高速化、
高集積化、高周波数化に伴い、電気信号を高い時間精度
で観測する必要が高まっている。特に、集積回路試験装
置で使用されるタイミング生成回路や、タイミング測定
回路を評価するためには、ピコ秒オーダーの時間軸精度
で電気信号を測定することが必要である。
【0007】しかしながら、上述したように、従来のデ
ィジタルサンプリングオシロスコープ装置では、ピコ秒
オーダーの時間軸精度で電気信号を測定、観測すること
が困難である。さらに、オシロスコープ装置の時間軸精
度を悪化させる要因である、アナログ遅延回路の非線形
性により生じる時間軸誤差を測定し、校正することはこ
れまで行われていない。
【0008】そこで、本発明の目的は、ディジタルサン
プリングオシロスコープ装置の時間軸精度が、要求精度
に比べて悪いという問題点を解決して、アナログ遅延回
路の非線形性により生じるオシロスコープ装置自身の時
間軸誤差を測定し、校正することのできるディジタルサ
ンプリングオシロスコープ装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、上記問題を解決し、
ピコ秒オーダーの時間軸精度で電気信号を測定すること
のできるディジタルサンプリングオシロスコープ装置を
提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、ディジタルサ
ンプリングオシロスコープ装置の時間軸誤差の測定方法
を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、ディジタルサ
ンプリングオシロスコープ装置の時間軸誤差を測定し、
得られた時間軸誤差に基づいて時間軸誤差を校正する方
法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、チャネル入力を受けるチャ
ネル入力端子と、トリガ入力を受けるトリガ端子と、単
一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標準として
前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ供給し、
当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がりまたは立ち下
がり状態で所定しきい値電圧に到達する時刻を、当該オ
シロスコープ装置の表示面上の時間軸上の所定範囲にわ
たり全て測定して測定時刻系列を得る手段と、該測定時
刻系列を、t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1
<…<tn-1 <tn )とし、隣接するそれぞれの測定時
刻の差、Tk =tk −tk-1 (k=1,2,…,n)を
周期の測定値とするとき、周期の測定値Tk と前記正弦
波信号の周期Tとの差を、時刻tk における時刻tk-1
からの相対的な時間軸誤差Δek として求める手段と、
時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差e
k を、Δe1 からΔek までの総和より求める手段とを
具えて、時間軸誤差を測定するようにしたことを特徴と
する。
【0013】請求項2記載の発明は、チャネル入力を受
けるチャネル入力端子と、トリガ入力を受けるトリガ端
子と、単一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標
準として前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ
供給し、当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がりまた
は立ち下がり状態で所定しきい値電圧に到達する時刻
を、オシロスコープ装置の表示面上の時間軸上の所定範
囲にわたり全て測定して測定時刻系列を得ることを、当
該正弦波信号の周波数設定を変えて複数回繰り返し実行
する手段と、該測定時刻系列のひとつを、t0 ,t1
…,tn-1 ,tn(t0 <t1 <…<tn-1 <tn )と
し、隣接するそれぞれの測定時刻の差、T k =tk −t
k-1 (k=1,2,…,n)を周期の測定値とすると
き、周期の測定値Tk と前記正弦波信号の周期Tとの差
を、時刻tk における時刻tk-1 からの相対的な時間軸
誤差Δek として求める手段と、時刻tk における時刻
0 からの相対的な時間軸誤差ek を、Δe1 からΔe
k までの和より求めることを、全ての測定時刻系列に対
して実行する手段と、時刻tk における原点からの時間
軸の絶対誤差Ek を全てのk(k=0,1,…,n)に
わたり平均した値が、それぞれの測定時刻系列に対して
等しくなると仮定して、時刻t0 における原点からの時
間軸の絶対誤差E0 を全ての測定時刻系列に対して算出
し、時刻tk における原点からの時間軸の絶対誤差Ek
を、E0 とek の総和より求めることを全ての測定時刻
系列の全てのkに対して実行する手段とを具えて、時間
軸誤差を測定するようにしたことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、チャネル入力を受
けるチャネル入力端子と、トリガ入力を受けるトリガ端
子と、単一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標
準として前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ
供給し、当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がり状態
で所定しきい値電圧に到達する時刻を、当該オシロスコ
ープ装置が備える時間軸上の所定範囲にわたり全て測定
し、さらに立ち下がり状態で所定しきい値に到達する時
刻を前記所定範囲にわたり全て測定し、立ち上がり状態
での測定時刻系列と立ち下がり状態での測定時刻系列の
両者を得ること、および前記正弦波信号の電圧レベルが
所定しきい値電圧に到達する時刻を、当該オシロスコー
プ装置の表示面上の時間軸上の所定範囲にわたり全て測
定して測定時刻系列を得ることを、前記しきい値電圧を
変更して繰り返すことにより、複数の測定時刻系列を得
ること、の少なくともひとつを実行することにより、正
弦波信号の単一の周波数設定から、複数の測定時刻系列
を得る手段と、該複数の測定時刻系列のひとつを、t
0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1 <…<tn-1
<tn )とし、隣接するそれぞれの測定時刻の差、Tk
=tk −tk-1 (k=1,2,…,n)を周期の測定値
とするとき、周期の当該測定値Tk と当該オシロスコー
プ装置に印加した正弦波信号の周期Tとの差を、時刻t
k における時刻tk-1 からの相対的な時間軸誤差Δek
として求める手段と、時刻tk における時刻t0 からの
相対的な時間軸誤差ek を、Δe1 からΔek までの総
和より求めることを、全ての測定時刻系列に対して実行
する手段と、時刻tk における原点からの時間軸の絶対
誤差Ek を全てのk(k=0,1,…,n)にわたり平
均した値が、それぞれの測定時刻系列に対して等しくな
ると仮定して、時刻t0 における原点からの時間軸の絶
対誤差E0 を算出し、E0 とek の和より、時刻tk
おける原点からの時間軸の絶対誤差Ek を、全てのkに
対して求めることを、すべての測定時刻系列に対して実
行する手段とを具えて、時間軸誤差を測定するようにし
たことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、入力信号を所定の
サンプリング時刻にサンプリングしてA/D変換する手
段と、そのA/D変換により得られたディジタル信号と
サンプリング時刻とをストアするデータメモリと、グラ
フィックデータをストアするフレームメモリと、表示に
必要なディジタル信号データをデータメモリより取り出
し、グラフィックデータに変換して、フレームメモリに
書き込む手段と、フレームメモリに保持されたグラフィ
ックデータをアナログ信号に変換する手段と、そのアナ
ログ信号を表示するディスプレイと、請求項1ないし2
ないし3のいずれかにおいて測定された時間軸誤差をス
トアする誤差メモリと、前記サンプリング時刻における
時間軸誤差を、前記誤差メモリにストアされた時間軸誤
差の測定結果によって補間する手段と、当該補間でも止
められた時間軸誤差をサンプリング時刻から減じた時刻
を、時間軸誤差校正後のサンプリング時刻として、デー
タメモリにストアする手段と、を具えて、当該オシロス
コープ装置自身が持つ時間軸誤差を校正するようにした
ことを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、入力信号を所定の
サンプリング時刻にサンプリングしてA/D変換する手
段と、そのA/D変換により得られたディジタル信号と
サンプリング時刻とをストアするデータメモリと、グラ
フィックデータをストアするフレームメモリと、表示に
必要なディジタル信号データをデータメモリより取り出
し、グラフィックデータに変換して、フレームメモリに
書き込む手段と、フレームメモリに保持されたグラフィ
ックデータをアナログ信号に変換する手段と、そのアナ
ログ信号を表示するディスプレイと、請求項1ないし2
ないし3のいずれかにおいて測定された時間軸誤差をス
トアする誤差メモリと、当該オシロスコープ装置の時間
軸誤差を発生させる要因毎に、各々の要因により生じる
分の時間軸誤差の関数形をあらかじめ求めておき、当該
オシロスコープ装置が持つ時間軸誤差の大きさを、全て
の関数形にそれぞれ固有の重みをかけたものの和として
表し、それぞれの重みを前記誤差メモリにストアされて
いる時間軸誤差の測定結果より求めることにより、時間
軸誤差を表す近似関数を導出する手段と、それにより算
出された近似関数を保持する近似関数メモリと、前記サ
ンプリング時刻における時間軸誤差を前記近似関数メモ
リに保持された近似関数を用いて算出する手段と、算出
された時間軸誤差をサンプリング時刻から減して得た時
刻を、時間軸誤差校正後のサンプリング時刻として、デ
ータメモリにストアする手段と、を具え、オシロスコー
プ装置が持つ時間軸誤差を校正するようにしたことを特
徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項2記載のデ
ィジタルサンプリングオシロスコープ装置において、時
間軸誤差測定を行う範囲(S)を、当該オシロスコープ
装置が内蔵するサンプリング時刻生成用の周波数標準の
周期(T0 )をp倍(pは整数)した範囲(T0 ×p)
に設定する手段と、正弦波信号の周波数を、整数pと互
いに素である、複数のm個(m>1)の1より大きな互
いに異なる整数q1 ,q2 ,…,qm より、q1 /S,
2 /S,…,qm /Sに決定する手段とを具え、時間
軸誤差を測定するように構成したことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1,2,3
または6記載のディジタルサンプリングオシロスコープ
装置において、前記測定標準としての正弦波信号をAC
結合で前記チャネル入力端子に供給し、当該オシロスコ
ープ装置のトリガレベル電圧を0Vに設定し、および前
記正弦波信号の電圧レベルが0Vに到達する時刻を、当
該オシロスコープ装置の表示面上の時間軸上の前記所定
範囲にわたり測定するようにしたことを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、オシロスコープ装
置自身が持つ時間軸誤差を測定し、時間軸誤差の測定結
果を用いて該オシロスコープ装置で測定された波形デー
タを補正することにより、オシロスコープ装置の時間軸
誤差を校正する方法において、単一周波数成分のみを有
する所定周波数の正弦波信号を、前記オシロスコープ装
置に印加する第1のステップと、当該オシロスコープ装
置の表示面上の時間軸上の範囲で、当該正弦波信号の電
圧レベルがある設定電圧に到達する時刻を前記表示面上
での時間位置を表すデータとして測定する第2のステッ
プと、その測定時刻系列を、t0 ,t1 ,…,tn-1
n (t0 <t1 <…<tn-1 <tn )とし、隣接する
測定時刻の差、Tk =tk −tk-1 (k=1,2,…,
n)を周期の測定値とするとき、該周期の測定値Tk
前記オシロスコープ装置に印加した正弦波信号の周期T
との差を、時刻tk における時刻tk-1 からの相対的な
時間軸誤差Δek として求める第3のステップと、Δe
1 からΔek までの総和より、時刻tk における時刻t
0 からの相対的な時間軸誤差ek を求める第4のステッ
プとを具え、前記オシロスコープ装置自身が持つ時間軸
誤差を測定することを特徴とする。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項8記載の時
間軸誤差測定方法において、前記オシロスコープ装置に
内蔵されて、サンプリングタイミングを生成する周波数
標準の周期T0 をp(pは整数)倍した範囲を、時間軸
誤差測定を行う範囲S(=T0 ×p)として、前記オシ
ロスコープ装置の前記表示面上の時間軸上に設定する第
5のステップと、整数pと互いに素であり、m(m>
1)個の1より大きな互いに異なる整数q1 ,q2
…,qm により、正弦波信号の周波数を、q1 /S,q
2 /S,…,qm /Sに決定する第6のステップと、前
記第6のステップで決定したm個の周波数の各々に対し
て、前記第5のステップで決定したオシロスコープ装置
の時間軸上の範囲にわたり、請求項1記載の方法によ
り、時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤
差ek を求める第7のステップと、時刻tk における原
点からの時間軸の絶対誤差EK をすべてのk(k=1,
2,…,n)にわたり平均した値が、正弦波信号のすべ
ての周波数設定において等しくなるとの仮定の下で、時
刻t0 における時間軸の絶対誤差E0 を算出する第8の
ステップと、E0 とek の和より、時刻tk における時
間軸の絶対誤差EK を、すべてのkに対して求める第9
のステップとを具え、前記オシロスコープ装置が持つ時
間軸誤差を測定することを特徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載の時間軸誤差測定方法において、前記第2のステ
ップにおいて正弦波信号の電圧レベルがある設定電圧に
到達する時刻を前記オシロスコープ装置の表示面上測定
する際に、前記正弦波信号の電圧レベルが前記設定電圧
に立ち上がり時に到達する時刻と立ち下がり時に到達す
る時刻の両方を測定する方法、前記オシロスコープ装置
のトリガ電圧レベルを変更して、測定を繰り返す方法、
および前記正弦波信号の周期を測定するための設定電圧
を変更して、測定を繰り返す方法、の少なくともひとつ
を用いて、前記正弦波信号の単一の周波数から、複数の
測定時刻t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn(t0 <t1
…<tn-1 <tn )を得て、前記第3および第4のステ
ップにより、それぞれの測定時刻に対して、時刻tk
おける時刻t0 からの相対的な時間軸誤差ek を求める
測定を行い、前記第8および第9のステップにより、時
刻tk における時間軸の絶対誤差Ek を求めることによ
り、前記オシロスコープ装置が持つ時間軸誤差を測定す
ることを特徴とする。
【0022】請求項11記載の発明は、請求項8または
9または10記載の時間軸誤差測定方法において、前記
第1のステップにおいて、前記単一周波数成分のみを有
する正弦波信号を、AC結合で前記被校正オシロスコー
プ装置に供給し、前記第2のステップにおいて、前記被
校正オシロスコープ装置の表示面上の時間軸上の範囲
で、前記正弦波信号の電圧レベルが0Vに到達する時刻
を当該オシロスコープ装置の表示面上で読み取ることを
特徴とする。
【0023】請求項12記載の発明は、オシロスコープ
装置自身が持つ時間軸誤差を測定する第1のステップ
と、その時間軸誤差の測定結果を誤差メモリにストアす
る第2のステップと、前記オシロスコープ装置で測定さ
れた波形データ上の時刻に対して、該時刻における時間
軸誤差の大きさを、時間軸誤差の測定結果から補間する
第3のステップと、当該補間で求められた時間軸誤差を
該時刻から減じて校正された時刻を得ることを、前記波
形データ上の全ての時刻にわたり実行する第4のステッ
プと、前記オシロスコープ装置のディスプレイにおいて
前記校正された時刻の位置に前記波形データを表示する
第5のステップとを具えたことを特徴とする。
【0024】請求項13記載の発明は、オシロスコープ
装置自身が持つ時間軸誤差を測定する第1のステップ
と、その時間軸誤差の測定結果を誤差メモリにストアす
る第2のステップと、前記時間軸誤差の測定結果から前
記オシロスコープ装置の時間軸誤差を表す近似関数を算
出する第3のステップと、前記オシロスコープ装置で測
定された波形データ上の時刻に対して、該時刻における
時間軸誤差の大きさを、前記近似関数より算出する第4
のステップと、その算出された時間軸誤差を該時刻から
減じて校正された時刻を得ることを、前記波形データ上
の全ての時刻にわたり実行する第5のステップと、前記
オシロスコープ装置のディスプレイにおいて前記校正さ
れた時刻の位置に前記波形データを表示する第6のステ
ップとを具えたことを特徴とする。
【0025】請求項14記載の発明は、請求項13記載
の時間軸誤差校正方法において、前記オシロスコープ装
置の時間軸誤差を発生させる要因毎に、該要因による時
間軸誤差の大きさを表す関数を求める第7のステップ
と、その求められた関数に重みをかけたものの全ての要
因に対する総和として時間軸誤差を表し、それぞれの重
みを、時間軸誤差の測定値より回帰分析を用いて求める
第8のステップとを具え、前記オシロスコープ装置の時
間軸誤差を表す前記近似関数を算出することを特徴とす
る。
【0026】
【作用】本発明では、オシロスコープ装置自身が持つ時
間時間軸誤差を時間軸上の複数の時刻において測定する
機能と、その測定結果を用いて時間軸誤差を校正してオ
シロスコープ装置の表示面に入力波形を表示する機能
を、ディジタルサンプリングオロシスコープ装置に持た
せることにより、オシロスコープ装置の時間軸精度を向
上させることができる。
【0027】本発明では、正弦波信号発生装置をオシロ
スコープ装置に接続し、時間軸誤差測定を開始させるキ
ー入力が行われたときに開始され、オシロスコープ装置
上で正弦波信号の周期を測定し、周期の測定値と正弦波
信号の周期との差より計算することによりオシロスコー
プ装置の時間軸誤差を測定する。測定された時間軸誤差
は誤差メモリに保持され、次に時間軸誤差測定が行われ
る時までの期間に時間軸誤差校正で使用される。
【0028】さらにまた、本発明では、以上のようにし
て行った時間軸誤差測定の測定結果を用いてオシロスコ
ープ装置の時間軸誤差を校正し、その校正された時間軸
誤差を用いて入力電圧をディスプレイに表示する。ここ
で、時間軸誤差校正機能は、サンプリング時刻における
時間軸誤差を、時間軸誤差の測定結果から補間により算
出して校正を行うことにより実現される。あるいはま
た、時間軸誤差校正機能は、時間軸誤差の測定結果か
ら、オシロスコープ装置の時間軸誤差を表す近似関数を
導出し、サンプリング時刻における時間軸誤差を該近似
関数を用いて算出して校正を行うことによっても実現さ
れる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0030】(実施例1)図1は、本発明ディジタルサ
ンプリングオシロスコープ装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。図1において、トリガ回路1は、トリガ入
力の電圧が設定トリガ電圧、すなわちしきい値電圧に到
達する時刻を検出してトリガパルスを発生する。サンプ
リング時刻生成回路2は、ディジタル粗遅延回路2Aと
アナログ微遅延回路2Bとを有し、トリガ回路1からの
トリガパルスの発生後、周波数標準3の周期を基にし
て、サンプリング時刻にパルスを発生させる。サンプラ
ー4は、サンプリング時刻生成回路2からのサンプリン
グパルスが入力された時点で、チャネル入力信号をサン
プリングする。A/D変換器5は、サンプラー4でサン
プリングされたチャネル入力信号をディジタル化する。
メモリ6は、マイクロプロセッサ7が実行するプログラ
ムを格納するプログラムメモリ6A、ディジタル化され
たチャネル入力信号を保持するデータメモリ6B、およ
び時間軸誤差を保持する誤差メモリ6Cから構成され
る。マイクロプロセッサ7は、ディジタル化されたチャ
ネル入力信号をデータメモリ6Bに書き込み、測定され
た時間軸誤差を誤差メモリ6Cに書き込む。また、マイ
クロプロセッサ7は、キー・スイッチ入力や外部インタ
ーフェースからの入力を、入出力回路8を介して読み込
み、データメモリ6Bの内容をグラフィックデータに変
換して、フレームメモリ9に書き込む。D/A変換器1
1はフレームメモリ9からのグラフィックデータを表示
用のアナログ信号に変換する。ディスプレイ装置10
は、そのアナログ信号を表示する。12はバスを示す。
【0031】図2は、図1に示したオシロスコープ装置
自身が持つ時間軸誤差を時間軸上の複数の時刻において
測定する機能を実行するソフトウエアの一実施例を示す
プログラムの流れ図である。このプログラムはプログラ
ムメモリ6Aに格納される。図2に基づき時間軸誤差測
定機能の一実施例について説明する。
【0032】まず、オシロスコープ装置300に正弦波
信号発生装置100を接続する。すなわち、図3に示す
ように、単一周波数成分のみを有する正弦波を発生でき
る正弦波信号発生装置100の出力をディバイダ200
で分岐し、一方はオシロスコープ装置300のチャネル
入力端子からサンプラー4へ供給し、他方はオシロスコ
ープ装置300のトリガ端子からトリガ回路1へ供給す
る。正弦波信号発生装置100としては、例えば10-8
より高い周波数確度を持つシンセサイザ装置を使用す
る。その場合、シンセサイザで発生される正弦波信号の
周波数確度は十分高く、正弦波信号の周期の誤差はオシ
ロスコープ装置の時間軸誤差に比べ十分小さく無視でき
る。例えば、シンセサイザの周波数設定を1GHzにし
た場合、正弦波信号の周期の誤差は1フェムト秒以下と
なる。
【0033】次に、オシロスコープ装置300の時間軸
誤差測定を開始させるキー入力が行われる。キー入力
は、入出力回路8を介してマイクロプロセッサ7に取り
込まれ、以下の処理が実行される。
【0034】まず、ステップS3においては、トリガ回
路1のしきい値電圧を正弦波信号の中心電圧に近い電圧
に設定したあとに、マイクロプロセッサ7は、オシロス
コープ装置300が備える時間軸上の範囲で、正弦波信
号が立ち上がり状態である場合に当該正弦波信号の電圧
レベルがしきい値電圧に到達する全ての時刻、あるいは
正弦波信号が立ち下がり状態である場合に当該正弦波信
号の電圧レベルがしきい値電圧に到達する全ての時刻を
測定する。ここで、オシロスコープ装置300に印加さ
れた正弦波信号の電圧レベルが上昇している状態を正弦
波信号の立ち上がり状態と定義し、電圧レベルが降下し
ている状態を正弦波信号の立ち下がり状態と定義する。
【0035】立ち上がり状態で正弦波信号の電圧レベル
がしきい値電圧に到達する時刻を測定している例を図4
に示す。正弦波信号の電圧レベルが設定電圧レベルに立
ち上がり状態で到達するタイミングの読み取り時刻、す
なわち測定時刻を昇順に並べたもの(以下測定時刻系列
と呼ぶ)を、t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t
1 <…<tn-1 <tn )とする。
【0036】ステップS4においては、ステップS3に
おいて測定された時刻系列t0 ,t1 ,…,tn-1 ,t
n より、時刻tk (k=1,2,…,n)における時刻
0からの相対的な時間軸誤差ek を算出する。ここ
で、隣接する測定時刻の差Tk=tk −tk-1 (k=
1,2,…,n)を周期の測定値とする。時刻tk にお
ける時刻tk-1 からの相対的な時間軸誤差Δek は、該
正弦波信号の設定周波数から算出される周期Tと周期の
測定値Tk との差、Δek =Tk −T(k=1,2,
…,n)から求まる。
【0037】オシロスコープ装置の時間軸上の時刻tk
における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差ek は、Δ
1 からΔek までの和
【0038】
【数1】ek=Δe1+Δe2+…+Δek であり、 ek=T1+T2+…+Tk−k ×T =tk−t0−k ×T (k =1,2,…,n) が成立する。ek は、上記の式をマイクロプロセッサ7
で求めることにより、第3のステップS3における測定
時刻t0 ,tk と正弦波信号の周期Tとより求められ
る。
【0039】ステップS5においては、マイクロプロセ
ッサ7は、ステップS3において算出された時間軸誤差
k を誤差メモリ6Cに保持させる。
【0040】上記の操作を実行することにより、測定時
刻t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn における時刻t0 から
の相対的な時間軸誤差e0 ,e1 ,…,en-1 ,en
求めることができる。
【0041】(実施例2)図5は、本発明において、オ
シロスコープ装置に印加する正弦波信号の周波数設定を
変え、オシロスコープ装置自身が持つ時間軸誤差を時間
軸上の複数の時刻において測定する機能を実行するソフ
トウエアの一実施例を示すプログラムの流れ図である。
このプログラムはプログラムメモリ6Aに格納される。
図5に基づきこの実施例を説明する。
【0042】まず、オシロスコープ装置300に正弦波
信号発生装置100を接続する。ここでも、図3に示し
たように、単一周波数成分のみを有する正弦波を発生で
きる正弦波信号発生装置100の出力をディバイダ20
0で分岐し、一方はオシロスコープ装置300のチャネ
ル入力端子へ、他方はオシロスコープ装置300のトリ
ガ端子へ接続する。
【0043】次に、オシロスコープ装置300の時間軸
誤差測定を開始させるキー入力が行われる。キー入力
は、入出力回路8を介してマイクロプロセッサ7に取り
込まれ、以下の処理が実行される。
【0044】まず、ステップS8においては、しきい値
電圧を正弦波信号の中心電圧に近い電圧に設定したあと
に、マイクロプロセッサ7が、オシロスコープ装置30
0が備える時間軸上の範囲で、立ち上がり状態で正弦波
信号の電圧レベルがしきい値電圧に到達する全ての時
刻、あるいは立ち下がり状態で正弦波信号の電圧レベル
がしきい値電圧に到達する全ての時刻を設定する。さら
に、オシロスコープ装置300に印加している正弦波信
号の周波数設定を変えて、この時刻測定を複数回繰り返
す。
【0045】ステップS9においては、正弦波信号の複
数の周波数設定から得られたそれぞれの設定時刻系列に
対して実行され、それぞれの該測定時刻系列t0 ,t
1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1 <…<tn-1 <t
n )より、時刻tk (k=1,2,…,n)における時
刻t0 からの相対的な時間軸誤差ek を算出する。時間
軸誤差ek は、実施例1と同様にして、ek =tk −t
0 −k×T(k=1,2,…,n)を用いて、測定時刻
0 ,tk と正弦波信号の設定周期Tとより求められ
る。
【0046】ついで、ステップS10では、正弦波信号
の周波数を変更するか否かを判断し、肯定のときはステ
ップS11に進み、ここで正弦波信号の周波数を再設定
する。否定のとき、すなわち周波数を変更する必要のな
いときは、次のステップS12に進む。
【0047】ステップS12においては、時刻tk にお
ける原点からの時間軸の絶対誤差をEk とするとき、E
k をすべてのk(k=0,1,…,n)にわたり平均し
た値が、正弦波信号の全ての周波数設定において等しい
値Cになると仮定することにより、Ek を算出する。時
刻tk における原点からの時間軸の絶対誤差Ek は、時
刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差ek
に、時刻t0 における原点からの時間軸の絶対誤差E0
を加えた大きさ、
【0048】
【数2】Ek=tk−t0−k ×t +E0 (k =0,1,…,n) であるので、時間軸誤差の平均値がCになると仮定する
と、
【0049】
【数3】
【0050】が成立する。この式より、E0
【0051】
【数4】
【0052】となる。ただし、
【0053】
【数5】
【0054】である。時刻tk (k=0,1,…,n)
における原点からの時間軸の絶対誤差Ek は、ek とE
0 の和であるので、
【0055】
【数6】
【0056】により求められる。
【0057】ステップS13においては、マイクロプロ
セッサ7は、ステップS12において算出された時間軸
誤差Ek を誤差メモリ6Cに保持させる。
【0058】上記の操作を実行することにより、オシロ
スコープ装置300に印加する正弦波信号の周波数設定
を変え、それぞれの周波数の全ての測定時刻t0 ,t
1 ,…,tn-1 ,tn における時間軸の絶対誤差E0
1 ,…,En-1 ,En を求めることができる。その結
果、実施例1に比べ、時間軸誤差測定を行う時間軸上の
時刻数を増やすことができる。
【0059】(実施例3)図6は、オシロスコープ装置
自身が持つ時間軸誤差を時間軸上の複数の時刻において
測定する機能を実行するソフトウエアの一実施例を示す
プログラムの流れ図である。このプログラムはプログラ
ムメモリ6Aに格納される。図6に基づきこの実施例を
説明する。
【0060】まず、オシロスコープ装置300に正弦波
信号発生装置100を接続する。図3に示したように、
単一周波数成分のみを有する正弦波を発生できる正弦波
信号発生装置100の出力をディバイダ200で分岐
し、一方はオシロスコープ装置300のチャネル入力端
子へ、他方はオシロスコープ装置300のトリガ端子へ
接続する。
【0061】次に、オシロスコープ装置300の時間軸
誤差測定を開始させるキー入力が行われる。キー入力
は、入出力回路8を介してマイクロプロセッサ7に取り
込まれ、以下の処理が実行される。
【0062】ステップS16,S17およびS18にお
いては、しきい値電圧を正弦波信号の中心電圧に近い電
圧に設定したあとに、マイクロプロセッサ7は、オシロ
スコープ装置300が備える時間軸上の範囲で、正弦波
信号の電圧レベルがしきい値電圧に到達する全ての時刻
を測定する。このとき、正弦波信号の立ち上がり(また
は立ち下がり)状態で正弦波信号がしきい値電圧に到達
する時刻を測定する後、立ち上がり(または立ち下が
り)状態で正弦波信号がしきい値電圧に到達する時刻を
測定することにより、単一の周波数設定から2つの測定
時刻系列を得ることができる。
【0063】あるいは、オシロスコープ装置300が備
える時間軸上の範囲で、正弦波信号の電圧レベルがしき
い値電圧に到達する全ての時刻を測定することを、オシ
ロスコープ装置300のトリガ電圧を変更して繰り返す
ことにより、単一の周波数設定から複数の測定時刻系列
を得ることができる。
【0064】あるいは、オシロスコープ装置300が備
える時間軸上の範囲で、正弦波信号の電圧レベルがしき
い値電圧に到達する全ての時刻を測定することを、しき
い値電圧を変更して繰り返すことにより、単一の周波数
設定から複数の測定時刻系列を得ることができる。
【0065】あるいは、上記の3つの方法を組み合わせ
て実行することによっても、単一の周波数設定から複数
の該測定時刻系列を得ることができる。
【0066】ステップS19は、ステップS16〜S1
8で得られたそれぞれの測定時刻系列に対して実行され
る。すなわち、ステップS19において、測定時刻系列
を、t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1 <…<
n-1 <tn )とするとき、時刻tk (k=1,2,
…,n)における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差e
k を算出する。実施例1と同様にして、ek =tk −t
0 −k×T(k=1,2,…,n)より、測定時刻t
0 ,tk と正弦波信号の設定周期Tより時間軸誤差ek
を求める。
【0067】ステップS20においては、時刻tk にお
ける原点からの時間軸の絶対誤差をEk とするとき、E
k を全てのk(k=0,1,…,n)にわたり平均した
値が、正弦波信号の全ての周波数設定において等しい値
Cになると仮定することにより、Ek を算出する。実施
例2と同様にして、時刻tk (k=0,1,…,n)に
おける原点からの時間軸の絶対誤差Ek は、
【0068】
【数7】
【0069】で求められる。
【0070】ステップS21においては、マイクロプロ
セッサ7は、ステップS20において算出された時間軸
誤差Ek を誤差メモリ6Cに保持させる。
【0071】上記の操作を実行することにより、オシロ
スコープ装置300に印加する正弦波信号の周波数設定
を変えることなく、複数の測定時刻系列t0 ,t1
…,tn-1 ,tn を得て、時刻t0 ,t1 ,…,t
n-1 ,tn における時間軸の絶対誤差E0 ,E1 ,…,
n-1 ,En を求める機能が実現される。その結果、実
施例1に比べ、時間軸誤差測定を行う時間軸上の時刻数
を増やすことができる。
【0072】(実施例4)図7は、本発明において、オ
シロスコープ装置自身が持つ時間軸誤差を校正する機能
を実行するソフトウエアの一実施例を示すプログラムの
流れ図である。このプログラムはプログラムメモリ6A
に格納される。図7に基づきこの実施例について説明す
る。
【0073】ステップS22においては、チャネル入力
信号をサンプリング、A/D変換して、その結果をデー
タメモリ6Bに書き込む。チャネル入力信号は、サンプ
リング時刻生成回路2で生成されるサンプリング時刻
に、サンプラー4によってサンプリングされ、A/D変
換器5によりディジタル化され、マイクロプロセッサ7
によりデータメモリ6Bに書き込まれる。
【0074】ステップS23においては、サンプリング
時刻における時間軸誤差を補間する。誤差メモリとして
の不揮発性メモリに保持された時間軸誤差の測定値が、
時刻t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1 <…<
n-1 <tn )において、それぞれ、E0 ,E1 ,…,
n-1 ,En であるとする。このとき、t0 ≦t≦tn
であるサンプリング時刻tにおける時間軸誤差を補間に
より求める。例えば、一次補間を用いるときは、サンプ
リング時刻tにおける時間軸誤差E(t)は、tk-1
t≦tk となるkに対して、
【0075】
【数8】
【0076】により算出される。
【0077】ステップS24においては、補間により算
出された時間軸誤差E(t)をサンプリング時刻から減
した時刻の位置に、入力信号の電圧を表示する。サンプ
リング時刻tにおける入力信号の電圧レベルがV(t)
であるとき、ディスプレイ10上では時刻t−E(t)
における入力信号の電圧レベルがV(t)であると表示
されるように、マイクロプロセッサ7はフレームメモリ
9にグラフィックデータを書き込む。
【0078】上記の操作をグラフィック出力に必要な全
てのtに対して実施することにより、時間軸誤差が校正
された測定結果をオシロスコープ装置300のディスプ
レイ10に表示することができ、このオシロスコープ装
置300の時間軸誤差を校正することができる。
【0079】(実施例5)図8は、本発明において、オ
シロスコープ装置自身が持つ時間軸誤差を校正する機能
を実行するソフトウエアの一実施例を示すプログラムの
流れ図である。このプログラムはプログラムメモリ6A
に格納される。図8に基づきこの実施例について説明す
る。
【0080】ステップS25においては、ディジタルサ
ンプリングオシロスコープ装置300の時間軸誤差を発
生させる要因毎に、時間軸誤差を表す関数形を求める。
たとえば、オシロスコープ装置300の時間軸誤差を、
(A)サンプリングタイミングを生成するためにオシロ
スコープ装置が内蔵する周波数標準のずれにより生じる
誤差、および(B)この周波数標準の周期未満のタイミ
ングを生成するアナログ遅延回路より生じる誤差に分類
できるとする。このとき、(A)による時間軸誤差を、
この周波数標準の周期T毎に、一定量ずつステップ状に
増加する階段関数で表し、(B)による時間軸誤差を、
周期がTである正弦波関数で表す。
【0081】ステップS26は、時間軸誤差の測定後に
実行され、ステップS25で求めた関数形に重みをかけ
たものの全ての要因に対する和として時間軸誤差を表
し、当該重みを時間軸誤差の測定値より求め、時間軸誤
差を表す近似関数を導出する。具体例を、ステップS2
5で例示した関数により説明する。このとき、オシロス
コープ装置の時間軸誤差を表す近似関数E(t)は、
【0082】
【数9】 E(t)=C0+C1×[t/T] ×T +C2′×sin (2π×t/T +θ) =C0+C1×[t/T] ×T +C2×sin (2π×t/T)+C3× cos(2π×t/T) (C0, C1, C2′,C2,C3はそれぞれの誤差の重み、 θは(B) による時間軸誤差を表す正弦波関数の位相 [N] はNを越えない最大の整数) となる。不揮発性メモリに保持された時間軸誤差の測定
値が、時刻t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t0 <t1
<…<tn-1 <tn )において、それぞれ、E0,E
1 ,…,En-1 ,En であるとする。このとき、時間軸
誤差の測定値EK (k=0,1,…,n)と近似関数よ
り求めた大きさE(tk )との差の二乗、{E(tk
−Ek2 の全てのkに対する和を最小にするC0 ,C
1 ,C2 ,C3 は、回帰分析を用いて以下の式により求
めることができる。
【0083】
【数10】
【0084】上記の式を解くことにより、それぞれの誤
差の重みが決定し、オシロスコープ装置の時間軸誤差を
表す近似関数E(t)が導出される。導出された近似関
数は、不揮発性メモリに保持される。
【0085】ステップS27においては、チャネル入力
信号をサンプリング、A/D変換して、その結果をデー
タメモリ6Bに書き込む。チャネル入力信号は、サンプ
リング時刻生成回路2で生成されるサンプリング時刻
に、サンプラー4によってサンプリングされ、A/D変
換器5によりディジタル化され、マイクロプロセッサ7
によりデータメモリ6Bに書き込まれる。
【0086】ステップS28においては、サンプリング
時刻tにおける時間軸誤差を、ステップS26で導出さ
れた近似関数より算出する。
【0087】ステップS29においては、補間により算
出された時間軸誤差E(t)をサンプリング時刻から減
した時刻の位置に、入力信号の電圧を表示する。サンプ
リング時刻tにおける入力信号の電圧レベルがV(t)
であるとき、ディスプレイ上では時刻t−E(t)にお
ける入力信号の電圧レベルがV(t)であると表示され
るように、マイクロプロセッサ7はフレームメモリ9に
グラフィックデータを書き込む。
【0088】上記の操作をグラフィック出力に必要な全
てのtに対して実施することにより、時間軸誤差が校正
された測定結果をオシロスコープ装置300のディスプ
レイ10に表示することができる。
【0089】(実施例6)次に、オシロスコープ装置に
印加する正弦波信号の周波数設定を変え、オシロスコー
プ装置自身が持つ時間軸誤差を時間軸上の複数の時刻に
おいて測定するようにした本発明の一実施例を説明す
る。
【0090】ここで、実施例2において、オシロスコー
プ装置300の時間軸上における時間軸誤差の測定範囲
Sは、オシロスコープ装置300が内蔵しているサンプ
リング時刻を生成するための周波数標準3の周期T0
p倍(pは整数)した範囲とする。
【0091】この実施例2において、オシロスコープ装
置300に印加する正弦波信号の周波数は、整数pと互
いに素であり、複数のm個(m>1)の1より大きな互
いに異なる整数q1 ,q2 ,…,qm に対して、この整
数を時間軸誤差測定を行う範囲Sで割った値、q1
S,q2 /S,…,qm /Sとする。
【0092】実施例2においては、時刻tk における原
点からの時間軸の絶対誤差をEK とするとき、Ek を測
定時刻系列の全てのk(k=0,1,…,n)にわたり
平均した値が、正弦波信号の全ての周波数設定において
等しい値になると仮定している。ところが、アルナログ
遅延回路がもつ非線形誤差などから生じる周波数標準の
周期と同一の周期で繰り返される時間軸誤差が支配的
で、かつ正弦波信号の周波数設定が低いときは、この仮
定が成立しないことがある。例えば、正弦波信号の周波
数が周波数標準の周波数と同一のとき、その測定系列に
おいては、周波数標準の周期と同一の周期で繰り返され
る時間軸誤差が大きい(小さい)時刻のみを測定するこ
とがあるからである。
【0093】しかしながら、上述の方法で時間軸誤差測
定範囲、および正弦波信号周波数を設定するとき、正弦
波信号周波数がqk /Sのときは、周波数標準の周期T
0 をqk 等分したqk 個の全ての時刻に対して、周波数
標準の周期と同一の周期で繰り返される時間軸誤差を測
定することになる。その結果、実施例2における仮定が
成立する。
【0094】(実施例7)オシロスコープ装置自身が持
つ時間軸誤差を時間軸上の複数の時刻において測定する
ようにした本発明の一実施例を図9に示す。
【0095】実施例1,2,3および6において、正弦
波信号発生装置100をオシロスコープ装置300に接
続するとき、図9に示すように、正弦波信号発生装置1
00から発生される単一周波数成分のみを持つ正弦波信
号を、ディバイダ200で分岐し、一方は時間軸誤差を
測定するオシロスコープ装置300のトリガ端子へ印加
し、他方はキャパシタ400を介したAC結合で、オシ
ロスコープ装置300のチャネル入力端子に印加する。
【0096】実施例1,2,3および6において、オシ
ロスコープ装置300が備える時間軸上の範囲で、正弦
波信号の電圧レベルがあるしきい値電圧に到達する時刻
を測定するとき、オシロスコープ装置300のトリガ電
圧を0Vに設定し、しきい値電圧を0Vに設定する。
【0097】正弦波信号の時間微分、すなわちスルーレ
ートは、正弦波信号の中心電圧レベルにおいてもっとも
小さくなる。よって、正弦波信号の電圧レベルが中心電
圧レベルとなる時刻を測定するとき、測定時刻における
正弦波信号の傾きが最大となるため、正弦波信号のノイ
ズやジッタにより生じるタイミング測定誤差が最小にな
る。正弦波信号をキャパシタ400によりAC結合でオ
シロスコープ装置300に印加するときは、0Vが正弦
波信号の中心電圧レベルとなる。従って、正弦波信号の
しきい値電圧を0Vに設定したとき、正弦波信号のノイ
ズやジッタが時刻の測定に与える影響が最小になる。
【0098】また、オシロスコープ装置300の電圧
軸、トリガレベル設定には、ゲインやオフセットの誤差
が含まれる。しかし、これらの誤差は、オシロスコープ
装置のトリガ電圧を0Vに設定し、しきい値電圧を0V
に設定したときには、時刻の測定精度に影響を与えな
い。
【0099】それらの結果、AC結合で正弦波信号をオ
シロスコープ装置に印加し、オシロスコープ装置のトリ
ガ電圧を0Vに設定し、正弦波信号のしきい値電圧を0
Vに設定したときには、実施例1,2,3および6にお
ける時刻の測定精度を向上させることができ、時間軸誤
差の測定精度を向上させることができる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正弦波信号発生装置をオシロスコープ装置に接続し、時
間軸誤差測定を開始させるキー入力が行われたときに開
始され、オシロスコープ装置上で正弦波信号の周期を測
定し、周期の測定値と正弦波信号の周期との差より計算
することによりオシロスコープ装置の時間軸誤差を測定
し、そして、以上のようにして行った時間軸誤差測定の
測定結果を用いてオシロスコープ装置の時間軸誤差を校
正し、その校正された時間軸誤差を用いて入力電圧をデ
ィスプレイに表示することによって、時間軸誤差測定機
能および校正機能を持つディジタルサンプリングオシロ
スコープ装置を提供することができる。例えば、本発明
の時間軸誤差測定機能および校正機能を、帯域20GH
z、時間軸誤差10ピコ秒のディジタルサンプリングオ
シロスコープ装置にもたせ、10-8の確度のシンセサイ
ザを用いて時間軸誤差の測定を行い、時間軸誤差の校正
を行ったとき、約2ピコ秒の時間軸精度を持つオシロス
コープ装置を実現することができる。
【0101】さらにまた、本発明による時間軸誤差の測
定方法および校正方法を既存のディジタルサンプリング
オシロスコープ装置と組合せ用いることでも上述したよ
うな効果を奏することができ、以て、時間軸精度の悪い
オシロスコープ装置を用いて測定精度を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明オシロスコープ装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明オシロスコープ装置の時間軸誤差を測定
する機能を実行するソフトウェアの一実施例を示す流れ
図である。
【図3】本発明オシロスコープ装置に正弦波信号源を接
続する形態の一実施例を示す結線図である。
【図4】本発明において時間軸誤差の測定範囲にわたり
正弦波信号の周期を測定する一実施例の説明図である。
【図5】本発明オシロスコープ装置の複数周波数の正弦
波信号を用いてオシロスコープ装置の時間軸誤差を測定
する機能を実行するソフトウェアの一実施例を示す流れ
図である。
【図6】本発明オシロスコープ装置の時間軸誤差を測定
する機能を実行するソフトウェアの一実施例を示す流れ
図である。
【図7】本発明オシロスコープ装置の時間軸誤差を校正
する機能を実行するソフトウェアの一実施例を示す流れ
図である。
【図8】本発明オシロスコープ装置の時間軸誤差を校正
する機能を実行するソフトウェアの一実施例を示す流れ
図である。
【図9】本発明オシロスコープ装置に正弦波信号源を接
続する形態の他の実施例を示す結線図である。
【符号の説明】
1 トリガ回路 2 サンプリング時刻生成回路 3 周波数標準 4 サンプラー 5 A/D変換器 6 メモリ 6A プログラムメモリ 6B データメモリ 6C 誤差メモリ 7 マイクロプロセッサ 8 入出力回路 9 フレームメモリ 10 ディスプレイ装置 11 D/A変換器 12 バス 100 正弦波信号発生装置 200 ディバイダ 300 オシロスコープ装置 400 キャパシタ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャネル入力を受けるチャネル入力端子
    と、 トリガ入力を受けるトリガ端子と、 単一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標準とし
    て前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ供給
    し、当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がりまたは立
    ち下がり状態で所定しきい値電圧に到達する時刻を、当
    該オシロスコープ装置の表示面上の時間軸上の所定範囲
    にわたり全て測定して測定時刻系列を得る手段と、 該測定時刻系列を、t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn (t
    0 <t1 <…<tn-1<tn )とし、隣接するそれぞれ
    の測定時刻の差、Tk =tk −tk-1 (k=1,2,
    …,n)を周期の測定値とするとき、周期の測定値Tk
    と前記正弦波信号の周期Tとの差を、時刻tk における
    時刻tk-1 からの相対的な時間軸誤差Δek として求め
    る手段と、 時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差e
    k を、Δe1 からΔek までの総和より求める手段とを
    具えて、時間軸誤差を測定するようにしたことを特徴と
    するディジタルサンプリングオシロスコープ装置。
  2. 【請求項2】 チャネル入力を受けるチャネル入力端子
    と、 トリガ入力を受けるトリガ端子と、 単一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標準とし
    て前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ供給
    し、当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がりまたは立
    ち下がり状態で所定しきい値電圧に到達する時刻を、オ
    シロスコープ装置の表示面上の時間軸上の所定範囲にわ
    たり全て測定して測定時刻系列を得ることを、当該正弦
    波信号の周波数設定を変えて複数回繰り返し実行する手
    段と、 該測定時刻系列のひとつを、t0 ,t1 ,…,tn-1
    n (t0 <t1 <…<tn-1 <tn )とし、隣接する
    それぞれの測定時刻の差、Tk =tk −tk−1(k=
    1,2,…,n)を周期の測定値とするとき、周期の測
    定値T と前記正弦波信号の周期Tとの差を、時刻t
    k における時刻tk-1 からの相対的な時間軸誤差Δek
    として求める手段と、 時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差e
    k を、Δe1 からΔek までの総和より求めることを、
    全ての測定時刻系列に対して実行する手段と、 時刻tk における原点からの時間軸の絶対誤差Ek を全
    てのk(k=0,1,…,n)にわたり平均した値が、
    それぞれの測定時刻系列に対して等しくなると仮定し
    て、時刻t0 における原点からの時間軸の絶対誤差E0
    を全ての測定時刻系列に対して算出し、時刻tk におけ
    る原点からの時間軸の絶対誤差Ek を、E0 とek の総
    和より求めることを全ての測定時刻系列の全てのkに対
    して実行する手段とを具えて、時間軸誤差を測定するよ
    うにしたことを特徴とするディジタルサンプリングオシ
    ロスコープ装置。
  3. 【請求項3】 チャネル入力を受けるチャネル入力端子
    と、 トリガ入力を受けるトリガ端子と、 単一周波数成分のみを有する正弦波信号を測定標準とし
    て前記チャネル入力端子および前記トリガ端子へ供給
    し、当該正弦波信号の電圧レベルが立ち上がり状態で所
    定しきい値電圧に到達する時刻を、当該オシロスコープ
    装置が備える時間軸上の所定範囲にわたり全て測定し、
    さらに立ち下がり状態で所定しきい値に到達する時刻を
    前記所定範囲にわたり全て測定し、立ち上がり状態での
    測定時刻系列と立ち下がり状態での測定時刻系列の両者
    を得ること、および前記正弦波信号の電圧レベルが所定
    しきい値電圧に到達する時刻を、当該オシロスコープ装
    置の表示面上の時間軸上の所定範囲にわたり全て測定し
    て測定時刻系列を得ることを、前記しきい値電圧を変更
    して繰り返すことにより、複数の測定時刻系列を得るこ
    と、の少なくともひとつを実行することにより、正弦波
    信号の単一の周波数設定から、複数の測定時刻系列を得
    る手段と、 該複数の測定時刻系列のひとつを、t0 ,t1 ,…,t
    n-1 ,tn (t0 <t1 <…<tn-1 <tn )とし、隣
    接するそれぞれの測定時刻の差、Tk =tk −tk-1
    (k=1,2,…,n)を周期の測定値とするとき、周
    期の当該測定値T k と当該オシロスコープ装置に印加し
    た正弦波信号の周期Tとの差を、時刻tkにおける時刻
    k-1 からの相対的な時間軸誤差Δek として求める手
    段と、 時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤差e
    k を、Δe1 からΔek までの総和より求めることを、
    全ての測定時刻系列に対して実行する手段と、 時刻tk における原点からの時間軸の絶対誤差Ek を全
    てのk(k=0,1,…,n)にわたり平均した値が、
    それぞれの測定時刻系列に対して等しくなると仮定し
    て、時刻t0 における原点からの時間軸の絶対誤差E0
    を算出し、E0 とek の和より、時刻tk における原点
    からの時間軸の絶対誤差Ek を、全てのkに対して求め
    ることを、すべての測定時刻系列に対して実行する手段
    とを具えて、時間軸誤差を測定するようにしたことを特
    徴とするディジタルサンプリングオシロスコープ装置。
  4. 【請求項4】 入力信号を所定のサンプリング時刻にサ
    ンプリングしてA/D変換する手段と、 そのA/D変換により得られたディジタル信号とサンプ
    リング時刻とをストアするデータメモリと、 グラフィックデータをストアするフレームメモリと、 表示に必要なディジタル信号データをデータメモリより
    取り出し、グラフィックデータに変換して、フレームメ
    モリに書き込む手段と、 フレームメモリに保持されたグラフィックデータをアナ
    ログ信号に変換する手段と、 そのアナログ信号を表示するディスプレイと、 請求項1ないし2ないし3のいずれかにおいて測定され
    た時間軸誤差をストアする誤差メモリと、 前記サンプリング時刻における時間軸誤差を、前記誤差
    メモリにストアされた時間軸誤差の測定結果によって補
    間する手段と、 当該補間でも止められた時間軸誤差をサンプリング時刻
    から減じた時刻を、時間軸誤差校正後のサンプリング時
    刻として、データメモリにストアする手段と、 を具えて、当該オシロスコープ装置自身が持つ時間軸誤
    差を校正するようにしたことを特徴とするディジタルサ
    ンプリングオシロスコープ装置。
  5. 【請求項5】 入力信号を所定のサンプリング時刻にサ
    ンプリングしてA/D変換する手段と、 そのA/D変換により得られたディジタル信号とサンプ
    リング時刻とをストアするデータメモリと、 グラフィックデータをストアするフレームメモリと、 表示に必要なディジタル信号データをデータメモリより
    取り出し、グラフィックデータに変換して、フレームメ
    モリに書き込む手段と、 フレームメモリに保持されたグラフィックデータをアナ
    ログ信号に変換する手段と、 そのアナログ信号を表示するディスプレイと、 請求項1ないし2ないし3のいずれかにおいて測定され
    た時間軸誤差をストアする誤差メモリと、 当該オシロスコープ装置の時間軸誤差を発生させる要因
    毎に、各々の要因により生じる分の時間軸誤差の関数形
    をあらかじめ求めておき、当該オシロスコープ装置が持
    つ時間軸誤差の大きさを、全ての関数形にそれぞれ固有
    の重みをかけたものの和として表し、それぞれの重みを
    前記誤差メモリにストアされている時間軸誤差の測定結
    果より求めることにより、時間軸誤差を表す近似関数を
    導出する手段と、 それにより算出された近似関数を保持する近似関数メモ
    リと、 前記サンプリング時刻における時間軸誤差を前記近似関
    数メモリに保持された近似関数を用いて算出する手段
    と、 算出された時間軸誤差をサンプリング時刻から減して得
    た時刻を、時間軸誤差校正後のサンプリング時刻とし
    て、データメモリにストアする手段と、 を具え、オシロスコープ装置が持つ時間軸誤差を校正す
    るようにしたことを特徴とするディジタルサンプリング
    オシロスコープ装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のディジタルサンプリング
    オシロスコープ装置において、 時間軸誤差測定を行う範囲(S)を、当該オシロスコー
    プ装置が内蔵するサンプリング時刻生成用の周波数標準
    の周期(T0 )をp倍(pは整数)した範囲(T0 ×
    p)に設定する手段と、 正弦波信号の周波数を、整数pと互いに素である、複数
    のm個(m>1)の1より大きな互いに異なる整数q
    1 ,q2 ,…,qm より、q1 /S,q2 /S,…,q
    m /Sに決定する手段とを具え、時間軸誤差を測定する
    ように構成したことを特徴とするディジタルサンプリン
    グオシロスコープ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3または6記載のディジ
    タルサンプリングオシロスコープ装置において、 前記測定標準としての正弦波信号をAC結合で前記チャ
    ネル入力端子に供給し、 当該オシロスコープ装置のトリガレベル電圧を0Vに設
    定し、および前記正弦波信号の電圧レベルが0Vに到達
    する時刻を、当該オシロスコープ装置の表示面上の時間
    軸上の前記所定範囲にわたり測定するようにしたことを
    特徴とするディジタルサンプリングオシロスコープ装
    置。
  8. 【請求項8】 オシロスコープ装置自身が持つ時間軸誤
    差を測定し、時間軸誤差の測定結果を用いて該オシロス
    コープ装置で測定された波形データを補正することによ
    り、オシロスコープ装置の時間軸誤差を校正する方法に
    おいて、 単一周波数成分のみを有する所定周波数の正弦波信号
    を、前記オシロスコープ装置に印加する第1のステップ
    と、 当該オシロスコープ装置の表示面上の時間軸上の範囲
    で、当該正弦波信号の電圧レベルがある設定電圧に到達
    する時刻を前記表示面上での時間位置を表すデータとし
    て測定する第2のステップと、 その測定時刻系列を、t0 ,t1 ,…,tn-1 ,tn
    (t0 <t1 <…<tn-1 <tn )とし、隣接する測定
    時刻の差、Tk =tk −tk-1 (k=1,2,…,n)
    を周期の測定値とするとき、該周期の測定値Tk と前記
    オシロスコープ装置に印加した正弦波信号の周期Tとの
    差を、時刻tk における時刻tk-1 からの相対的な時間
    軸誤差Δek として求める第3のステップと、 Δe1 からΔek までの総和より、時刻tk における時
    刻t0 からの相対的な時間軸誤差ek を求める第4のス
    テップとを具え、前記オシロスコープ装置自身が持つ時
    間軸誤差を測定することを特徴とするオシロスコープ装
    置の時間軸誤差測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の時間軸誤差測定方法にお
    いて、 前記オシロスコープ装置に内蔵されて、サンプリングタ
    イミングを生成する周波数標準の周期T0 をp(pは整
    数)倍した範囲を、時間軸誤差測定を行う範囲S(=T
    0 ×p)として、前記オシロスコープ装置の前記表示面
    上の時間軸上に設定する第5のステップと、 整数pと互いに素であり、m(m>1)個の1より大き
    な互いに異なる整数q1 ,q2 ,…,qm により、正弦
    波信号の周波数を、q1 /S,q2 /S,…,qm /S
    に決定する第6のステップと、 前記第6のステップで決定したm個の周波数の各々に対
    して、前記第5のステップで決定したオシロスコープ装
    置の時間軸上の範囲にわたり、請求項1記載の方法によ
    り、時刻tk における時刻t0 からの相対的な時間軸誤
    差ek を求める第7のステップと、 時刻tk における原点からの時間軸の絶対誤差EK をす
    べてのk(k=1,2,…,n)にわたり平均した値
    が、正弦波信号のすべての周波数設定において等しくな
    るとの仮定の下で、時刻t0 における時間軸の絶対誤差
    0 を算出する第8のステップと、 E0 とek の和より、時刻tk における時間軸の絶対誤
    差EK を、すべてのkに対して求める第9のステップと
    を具え、前記オシロスコープ装置が持つ時間軸誤差を測
    定することを特徴とするオシロスコープ装置の時間軸誤
    差測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の時間軸誤差測
    定方法において、 前記第2のステップにおいて正弦波信号の電圧レベルが
    ある設定電圧に到達する時刻を前記オシロスコープ装置
    の表示面上測定する際に、 前記正弦波信号の電圧レベルが前記設定電圧に立ち上が
    り時に到達する時刻と立ち下がり時に到達する時刻の両
    方を測定する方法、 前記オシロスコープ装置のトリガ電圧レベルを変更し
    て、測定を繰り返す方法、および前記正弦波信号の周期
    を測定するための設定電圧を変更して、測定を繰り返す
    方法、 の少なくともひとつを用いて、前記正弦波信号の単一の
    周波数から、複数の測定時刻t0 ,t1 ,…,tn-1
    n (t0 <t1 <…<tn-1 <tn )を得て、 前記第3および第4のステップにより、それぞれの測定
    時刻に対して、時刻tk における時刻t0 からの相対的
    な時間軸誤差ek を求める測定を行い、 前記第8および第9のステップにより、時刻tk におけ
    る時間軸の絶対誤差Ek を求めることにより、前記オシ
    ロスコープ装置が持つ時間軸誤差を測定することを特徴
    とするオシロスコープ装置の時間軸誤差測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項8または9または10記載の時
    間軸誤差測定方法において、 前記第1のステップにおいて、前記単一周波数成分のみ
    を有する正弦波信号を、AC結合で前記被校正オシロス
    コープ装置に供給し、 前記第2のステップにおいて、前記被校正オシロスコー
    プ装置の表示面上の時間軸上の範囲で、前記正弦波信号
    の電圧レベルが0Vに到達する時刻を当該オシロスコー
    プ装置の表示面上で読み取ることを特徴とするオシロス
    コープ装置の時間軸誤差測定方法。
  12. 【請求項12】 オシロスコープ装置自身が持つ時間軸
    誤差を測定する第1のステップと、 その時間軸誤差の測定結果を誤差メモリにストアする第
    2のステップと、 前記オシロスコープ装置で測定された波形データ上の時
    刻に対して、該時刻における時間軸誤差の大きさを、時
    間軸誤差の測定結果から補間する第3のステップと、 当該補間で求められた時間軸誤差を該時刻から減じて校
    正された時刻を得ることを、前記波形データ上の全ての
    時刻にわたり実行する第4のステップと、 前記オシロスコープ装置のディスプレイにおいて前記校
    正された時刻の位置に前記波形データを表示する第5の
    ステップとを具えたことを特徴とするオシロスコープ装
    置の時間軸誤差校正方法。
  13. 【請求項13】 オシロスコープ装置自身が持つ時間軸
    誤差を測定する第1のステップと、 その時間軸誤差の測定結果を誤差メモリにストアする第
    2のステップと、 前記時間軸誤差の測定結果から前記オシロスコープ装置
    の時間軸誤差を表す近似関数を算出する第3のステップ
    と、 前記オシロスコープ装置で測定された波形データ上の時
    刻に対して、該時刻における時間軸誤差の大きさを、前
    記近似関数より算出する第4のステップと、 その算出された時間軸誤差を該時刻から減じて校正され
    た時刻を得ることを、前記波形データ上の全ての時刻に
    わたり実行する第5のステップと、 前記オシロスコープ装置のディスプレイにおいて前記校
    正された時刻の位置に前記波形データを表示する第6の
    ステップとを具えたことを特徴とするオシロスコープ装
    置の時間軸誤差校正方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の時間軸誤差校正方法
    において、 前記オシロスコープ装置の時間軸誤差を発生させる要因
    毎に、該要因による時間軸誤差の大きさを表す関数を求
    める第7のステップと、 その求められた関数に重みをかけたものの全ての要因に
    対する総和として時間軸誤差を表し、それぞれの重み
    を、時間軸誤差の測定値より回帰分析を用いて求める第
    8のステップとを具え、前記オシロスコープ装置の時間
    軸誤差を表す前記近似関数を算出することを特徴とする
    オシロスコープ装置の時間軸誤差校正方法。
JP13731092A 1992-05-28 1992-05-28 ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法 Pending JPH063372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13731092A JPH063372A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13731092A JPH063372A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH063372A true JPH063372A (ja) 1994-01-11

Family

ID=15195700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13731092A Pending JPH063372A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH063372A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006087782A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Kyocera Kinseki Corporation 波形測定装置の評価装置および評価方法ならびにジッター測定方法
CN104849684A (zh) * 2015-04-23 2015-08-19 深圳市鼎阳科技有限公司 一种示波器、校正装置及其自动校正水平中心的方法
US10534018B1 (en) * 2019-01-16 2020-01-14 Guzik Technical Enterprises Time base correction method for high accuracy sampling scope-based measurements

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006087782A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Kyocera Kinseki Corporation 波形測定装置の評価装置および評価方法ならびにジッター測定方法
CN104849684A (zh) * 2015-04-23 2015-08-19 深圳市鼎阳科技有限公司 一种示波器、校正装置及其自动校正水平中心的方法
US10534018B1 (en) * 2019-01-16 2020-01-14 Guzik Technical Enterprises Time base correction method for high accuracy sampling scope-based measurements

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6269317B1 (en) Self-calibration of an oscilloscope using a square-wave test signal
US8280667B2 (en) Test apparatus, performance board and calibration board
US5642300A (en) Precision voltage/current/power source
Pogliano Precision measurement of AC voltage below 20 Hz at IEN
US6522983B1 (en) Timebase calibration method for an equivalent time sampling digitizing instrument
JP3234339B2 (ja) 電力測定装置および方法
US7184908B2 (en) Calibration method of time measurement apparatus
JP2583833Y2 (ja) パルス測定装置
US5790480A (en) Delta-T measurement circuit
JPH063372A (ja) ディジタルサンプリングオシロスコープ装置、およびその時間軸誤差の測定方法および校正方法
JPH0666665B2 (ja) 傾斜信号校正方法及びデジタル・タイム・ベース回路
US6998834B2 (en) Real-time time drift adjustment for a TDR step stimulus
JP3311464B2 (ja) 信号測定装置
JPH04105073A (ja) 実効値測定装置
US20020180419A1 (en) Precision rms measurement
JPS63191979A (ja) 伝送路パラメ−タ測定装置
JPH0664158B2 (ja) 自動時間間隔測定方法
Ghiani et al. Auto-evaluation of the uncertainty in virtual instruments
Ihlenfeld et al. Ac–dc transfer measurements of highest accuracy with synchronous analogue-to-digital conversion
Kalisz et al. A PC-based time interval counter with 200 ps resolution
Tankeliun et al. Hybrid time-base device for coherent sampling oscilloscope
Tzvetkov et al. Power Quality Analyzers Calibration on Total Harmonics Distortion of Voltage and Current by Reference Square Waveform Signal
JP3106450B2 (ja) 電力測定装置
Kampik Measurement system for investigation and calibration of digital sources of low-frequency AC voltage
Hribik et al. Digital power and energy measurement