JPH06320725A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents
インクジェット式記録ヘッドInfo
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- JPH06320725A JPH06320725A JP15155793A JP15155793A JPH06320725A JP H06320725 A JPH06320725 A JP H06320725A JP 15155793 A JP15155793 A JP 15155793A JP 15155793 A JP15155793 A JP 15155793A JP H06320725 A JPH06320725 A JP H06320725A
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Abstract
壊を防止しつつ、キャビテーションの発生を抑えるこ
と。 【構成】 圧力発生室31、リザーバ33、及びこれら
を接続するインク供給口32とが形成されたスペーサ部
材30と、スペーサ部材30の一方の面に気密的に固定
されて、圧力発生室31のインク圧を受けてインク滴を
発生するノズルプレート40とスペーサ30の他方の面
に気密的に固定されて、圧力発生室31を押圧する振動
板20と、この振動板20を押圧する圧電振動子2とを
備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、振動板2
0には、ノズル開口41側のコンプライアンスがインク
供給口32側のコンプライアンスよりも大きくなるよう
に、より大きな領域を示す薄肉部21aを形成する。
Description
力発生室内のインクに圧力を印加してノズル開口からイ
ンク滴を発生させるインクジェット式記録ヘッド、より
詳しくは圧力発生室の構造に関する。
室にノズル開口を設けると共に、圧力発生室に圧力を発
生させる手段、例えば圧力発生室内にインクの一部を気
化させるべく設けられたヒータや、また圧力発生室の一
部をダイヤフラム状に形成して変形可能領域を形成し、
この領域を押圧する機械的変位手段を設けて、ノズル開
口からインク滴を発生させるように構成されている。と
くに圧力発生室の一部に変形可能領域を形成して、この
領域に縦振動モードの圧電振動子を当接させる方式によ
れば、熱によるインクの変質を招くことがないので、カ
ラー印刷などに適している。
た圧電振動子により圧力発生室を弾性変形させてインク
滴を発生させるインクジェット式記録ヘッドは、圧力発
生室のノズル開口配列方向の幅を極めて小さくすること
ができるため、高い解像度での印刷が可能となる反面、
解像度を向上させるために小型化を図れば図るほど、圧
力発生室の変形領域の剛性を下げるために薄くせねばな
らず、機械的強度が低下するという不都合がある。
開口が千鳥状となるように4列配列して構成された解像
度300DPI程度のインク式記録ヘッドは、圧力発生
室は長さが1乃至2ミリメートル、幅が200μm程度
であり、また、変形領域を構成する振動板の厚さが可撓
性を備えた領域が1乃至3μm、また圧電振動子からの
変位を受ける領域が数10μm程度である。さらに圧力
発生室を変形させる縦振動モードの圧電振動子の先端の
サイズは500μm×200μm程度である。このた
め、振動板は、圧電振動子と当接する部分に圧電振動子
の長さよりも長い凸部、いわゆるアイランド部が形成さ
れていて、圧電振動子の変位を振動板の長手方向に拡大
してマッチングを取るように構成されている。この結
果、アイランド部と可撓性を備えた薄肉部の切れ目近傍
に圧力集中が生じ易く、振動板に破損が生じるという問
題がある。このような破損の防止を目的とするだけなら
ば、薄肉部を可及的に厚くして機械的強度を持たせると
いう手法も考えられるが、他方においてインク滴生成時
の急激な圧力上昇を緩和させないと、微小インク滴の発
生を招いて、印字品質を低下させてしまうという問題が
ある。
題に鑑みてなされたものであってその目的とするところ
は、印字品質の向上と振動板の耐久性の向上とを図るこ
とができる新規なインクジェット式記録ヘッドを提供す
ることである。
るために本発明においては、圧力発生室と、該圧力発生
室に連通するノズル開口及びインク供給路と、前記圧力
発生室に圧力を印加する圧力発生手段を有するインクジ
ェット式記録ヘッドにおいて、少なくとも前記圧力発生
室の前記ノズル開口近傍にインク滴生成時のインク圧力
により変形可能な薄肉部を備えるようにした。
るインク供給口側の領域に、ノズル開口側よりも高い剛
性を持たせても、インク滴生成時に発生する瞬間的な高
い圧力は、ノズル開口側の薄肉部で吸収されるため、不
要なインク滴の飛び出しが防止される。また薄肉部で吸
収された圧力は、インク滴発生の圧力として時間を延長
して利用されるため、エネルギ効率が向上する。
に基づいて説明する。図2は、縦振動モードの圧電振動
子を用いたインクジェット式記録ヘッドの概要を示すも
のであって、図中符号1は、圧電振動ユニットで、図3
に示したように縦振動モードを備えた圧電振動子2,
2,2‥‥を変換器ユニット基板3にノズル開口41,
41,41‥‥の配列ピッチ、例えば280μmで固定
して構成されている。これら圧電振動子2,2,2‥‥
は、厚さ500μm程度の圧電振動板を、その一端を変
換器ユニット基板3に接着剤で固定して、幅が150μ
m程度となるようにワイヤソウなどにより280μm程
度のピッチで、深さ数mm程度のスリット4,4,4‥
‥を形成することにより構成されている。
対向する面に電極5,6が構成されていて、一方の面の
電極5はユニット基板3のリード電極7,7,7‥‥
と、また他方の面の電極6,6,6‥‥は接続部材8に
より短絡されて両側のダミー振動子10,10に形成さ
れている電極11,11を介してリード電極12,12
に接続されている。これらリード電極7,7,7‥‥、
及び12,12‥‥は、接続手段14を介して駆動回路
に接続されている。
ット形成密度に対応して280μm程度の一定ピッチ、
長手方向の端部が円弧状となるほぼ長方形の凹部21を
有しており、凹部21の中心部には圧電振動子2,2,
2‥‥の先端に当接する厚肉部としてのアイランド部2
2,22,22‥‥が形成されている。このアイランド
部22,22,22‥‥は、これの周囲を囲むようにし
て形成された薄肉部23により厚肉部として形成された
振動子基体24と一体となっている。この結果、凹部2
1と凹部21との間には厚肉部としてのブリッジ部24
a,24a‥‥が形成されて、振動領域となる凹部2
1,21,21‥‥を補強するようになっている。この
凹部21のノズル開口41側の長さLaは、インク供給
口32側の長さLbよりも長く構成されている。
厚肉部や薄肉部の厚さが変わるが、例えばニッケル等の
金属を用いた場合には、厚肉部はその厚みを25μm程
度に、また薄肉部はその厚みを1μm乃至3μm程度に
選択され、また凹部21は、その長さL’がせいぜい数
ミリに、また幅Wが数百μmに選択され、さらにアイラ
ンド部の長さLは1mm程度に、幅がせいぜい数十から
200μmに選ばれている。このような厚肉部と薄肉部
を備えた振動板は、ニッケルなど金属に対しては電鋳
(エレクトロフォーミング)や、またシリコンやガラス
などに対してはエッチング技術を、さらにエンジニアリ
ングプラスチックに対しては射出成形を適用することに
より工業レベルで容易に加工することができる。
ペーサで、ノズルプレート40と振動板20との間に介
在して圧力発生室31,31,31‥‥やリザーバ32
を形成するとともに、各圧力発生室31,31,31‥
‥とリザーバ33を接続するインク供給口33を形成す
るために、通孔35,35,35‥‥、36,37,3
7,37‥‥を備えている。
ズルプレート40は、それぞれ相互間での位置合わせを
された上で、気密性を保持するように流路構成部材とし
て一体にまとめ上げられている。そして振動板20のア
イランド22,22,22‥‥を圧電振動子2,2,2
‥‥の先端に当接させて位置決めした後、ユニット基台
3を接着剤55により固定し、インクジェット式記録ヘ
ッドを構成している。
板20は、ブリッジ部24aのノズル開口41側、及び
インク供給口32側を基台50とスペーサ30によりサ
ンドイッチ状態に挟んだ状態で固定されることになり、
薄肉部21がブリッジ部24aにより補強されることに
なる。
2‥‥にこれを収縮させる方向の駆動信号が印加される
と、圧力発生室31が膨脹するから、リザーバ33から
インク供給口32を介して圧力発生室31にインクが流
れ込む(図7 I)。次いで圧電振動子2,2,2‥‥
を収縮させる駆動信号が圧電振動子2,2,2‥‥に印
加されると、圧電振動子2,2,2‥‥が伸長してアイ
ランド部22を押圧することになる。アイランド部2
2,22,22,22は、圧力発生室31の長手方向に
延びているので、圧電振動子2,2,2‥‥の長さLz
が圧力発生室31の長さL’に満たないとしても、圧力
発生室31は、アイランド部22,22,,22‥‥の
剛性により可及的に広い範囲にわたって押圧されること
になって広い範囲が収縮する。
気圧程度の高い圧力が発生するため、コンプライアンス
が大きなノズル開口41側の薄肉部21aが若干膨張し
て、ノズル開口側領域の圧力の一部を吸収してピーク圧
力を下げながらノズル開口41側に存在するインクをノ
ズル開口41からインク滴として記録媒体に飛翔させる
(図7 II)。またインク供給口32側に存在するイ
ンクは供給口32から一部がリザーバ33に流出するこ
とになる。 そして、ノズル開口側の薄肉部21aは、
時間の経過とともに自身の弾性により元の状態に復帰す
るが、このときインクを押圧してインク滴発生のための
圧力として寄与することなる。
を高めるために、インク供給口32の流体抵抗はノズル
開口41の流体抵抗よりも大きく設定されているため、
通常インク供給口側には大きなインク圧が作用すること
になる。すなわち、図8に示したようにノズル開口側の
圧力(図中、点線により示す線図)と、インク供給口側
の圧力(図中、実線で示す線図)とには相異があり、イ
ンク供給口側には20パーセント以上高い圧力が作用す
る。
口側の薄肉領域21bは、ノズル開口側の領域21aよ
りも面積を小さく設定されていてコンプライアンスが小
さく抑えられているため、このような高い圧力を受けて
も過度に変形することなく圧電振動子2に追従して最後
まで変位する(図7 III)。この結果、従来とかく
インク供給口側で生じ易かった薄肉部の亀裂K(図9)
が防止されることになる。
肉領域とは厚肉領域として形成されたブリッジ部24
a、24a,24a‥‥により隔てられていて、しかも
ブリッジ部24a、24ア,24a‥‥が基台50とス
ペーサ30によりは挟まれて固定されているから、圧電
振動子2,2,2‥‥の伸長に伴う振動板全体の変形が
可及的に抑制され、クロストークの原因となる振動板全
体に及ぶ曲がりやねじりが防止される。
式記録ヘッドにおける振動板を例にとってアイランド部
と薄肉部のサイズの関係について説明する。薄肉部の厚
さを1.5μm、アイランド部の厚さ15μm、また圧
力発生室の長手方向の長さを1.2ミリメートルとし、
アイランド部22の長さLとノズル開口側の薄肉部21
aの長さLa、インク供給口側の薄肉部21bの長さL
bとを相互に変化させてノズル開口領域のコンプライア
ンスCNと、インク供給口側領域のコンプライアンスC
Fと、印刷品質、特にキャビテーションに伴う微小イン
ク滴の発生、及びインク供給口側の薄肉部21bの耐久
性について調べところ、表1のに示すような結果を得
た。(なお、これらコンプラインスは、対照物のサイズ
の関係上実測が不可能であるから、有限要素法により推
定した。)
イアンスCFが大きくなると微小インク滴の発生を抑制
できるものの、インク供給口側の薄肉部21bの疲労を
招きやすいことが確認された。つまり図10に示したよ
うにインク供給口側の薄肉部21bの長さLbが大きく
なるにつれて、アイランド部22との境界、つまり亀裂
K(図9)が入りやすい部分に掛かる応力が大きくなる
ことも確認された。
とインク供給口側のコンプライアンスCFとが同等にな
ると、インク供給口側の薄肉部21bの疲労を防止する
ことはできるが、瞬間的な圧力上昇をノズル開口近傍で
吸収することができず、微小インク滴が発生して印字品
質が低下する。
CNをインク供給口側のコンプライアンスCFよりも
1.2倍以上にすると、微小インク滴の発生を可及的に
抑制しつつ、インク供給口側の薄肉部21bの耐久性を
向上させれることが判明した。
側の薄肉部21aの長さLaを、インク供給口側の薄肉
部21bの長さLbよりも大きくするなどの手法によ
り、圧力発生室31のノズル開口側領域のコンプライア
ンスCNを大きくすることが、印字品質と振動板の耐久
性を向上するための極めて有効な手段であることが判明
した。
ズル開口側からインク供給口側に延びる1本の連続体と
して形成するようにしたが、図11(a)に示したよう
に中央部がくびれた形状のアイランド部50,50を形
成したり、また同図(b)に示したように複数の分離し
たアイランド部51,52,53を形成しても同様の作
用を奏することは明らかである。
イランド部の厚みを一定にして、アイランド部とインク
供給口、及びノズル開口との間の距離を調整することに
より、両者間のコンプライアンスの比率を調整するよう
にしているが、図12に示したように振動板60に形成
されているアイランド部61のノズル開口41側の薄肉
部62aとインク供給口32側の薄肉部62bとの厚み
t1、t2の関係を、インク供給側の薄肉部62aが薄く
なるようにして、インク供給側の薄肉部62bのコンプ
ライアンスCFを下げても同様の作用を奏することは明
らかである。そしてこの実施例によればインク供給側の
薄肉部の厚みが大きくできるため、より一層耐久性を向
上させることができる。
のノズル開口側の薄肉部71a、及びインク供給口側の
薄肉部71bの厚みを同一とするものの、アイランド部
72のノズル開口側にアイランド部本体の厚みt4より
も厚みt3の薄い部分72aを形成して、薄肉部71a
及びアイランド部72aとでノズル開口側のコンプライ
アンスを増加させるようにしても同様の作用を奏するこ
とは明らかである。そしてこの実施例によれば、ノズル
開口側の薄肉部71aの鋭角的な変形を緩和して振動板
70の耐久性を向上させることができる。さらにまた、
図21に示したように積層圧電振動子2と接続するアイ
ランド部22とは別にインク供給口側にアイランド部5
4を形成することにより、圧力発生室内のインク圧力に
対して容積変化を妨げることができ、図9に示した薄肉
部の亀裂Kが生じにくく、振動板の耐久性を向上するこ
とができる。
ド部22に圧電振動子2を直接当接させていたが、図1
4(a)に示したように圧電振動子2の先端の長さより
も大きく、かつアイランド部22の長さよりも短い伝達
部材75,75,75‥‥を介して当接させるようにし
た場合や、図14(b)に示したように複数のアイラン
ド部51,52,53に渡って伝達部材75,75,7
5‥‥を介して圧電振動子2を当接させた場合でも同様
の作用を奏することは明らかである。この実施例によれ
ば、圧電振動子を周波数に適したサイズに形成しても、
伝達部材75,75,75‥‥によりマッチングを取る
ことができて、効率よく振動エネルギを圧力発生室に伝
達することができるばかりでなく、伝達部材75,7
5,75‥‥の剛性を適当に選ぶと、両端部が図中上方
となるように弓なりに変形させて、アイランド部22と
薄肉部21a,21bとの境界ヘの応力集中を緩和する
ことができる。
を振動板に対向させて設けた形式のものに例を採って説
明したが、図15に示したように圧電振動子80に当接
する振動板81と平行にノズル開口83を形成した形式
のものに適用しても同様の作用を奏することは明らかで
ある。
であって、図中符号90は、ノズルプレートで、中央部
に4列に複数のノズル開口91,91,91‥‥が形成
されている。92はスペーサで、ノズル開口91を中心
部に位置させるように圧力発生室となる通孔93,9
3,93‥‥と、これの両側からインクを供給するリザ
ーバとなる通孔94,94と、これら通孔93,93,
93‥‥,94,94,94‥‥とを結ぶようにインク
供給口となる溝95,95が設けられている。97は、
振動板で、ノズル開口91,91,91‥‥に対向する
部分とインク供給口近傍とに薄肉部98a、98b、9
8bを備えるようにして2つのアイランド部99,99
が形成されている。そしてノズル開口91に対向する部
分の薄肉部98aが、インク供給口側の薄肉部98b、
98bよりもコンプライアンスが小さくなるように、厚
みを調整したり、またこの実施例のように面積を大きく
とるように形成されている。これら各圧力発生室の2つ
のアイランド部99,99には、圧電振動子100の先
端が当接されている。
駆動信号を印加すると、圧電振動子100の変位は、2
つのアイランド部99,99を介して圧力発生室に伝達
され、ここに存在するインクを圧縮する。これによって
発生した圧力は、ノズル開口91近傍のインクがインク
滴となってノズル開口91から飛び出させ、また一部が
ノズル開口91に対向する薄肉部98aを変形させて、
過度な圧力を減衰し、キャビテーションの引き起こしを
防止する。この圧力は同時にインク供給口側の薄肉部9
8b、98bにも作用するが、前述したごとくこの領域
は、そのコンプライアンスが圧電振動子100の変位を
妨げない程度に小さく設定されているので、過度な変形
を起こすことがなく、疲労が最小限に抑えられる。
向断面が長方形状の圧力発生室に例を採って説明した
が、図17に示したように断面が円筒状に形成された圧
力発生室102を備えたインクジェット式記録ヘッドに
も適用できる。すなわち、圧力発生室102となる円柱
状の通孔が穿設されたスペーサ103の一方の面に、ノ
ズルプレート104を配置して圧力発生室102の中心
に位置するようにノズル開口105を形成し、また他方
の面にドーナツ状のアイランド部106を備えた振動板
107を配置し、このアイランド部106に圧電振動子
108を当接させて記録ヘッドを構成する。
08に駆動信号を印加すると、振動板107が圧電振動
子108に押圧されて圧力発生室102を収縮させる。
これにより発生した圧力により圧力発生室102のイン
クの一部がノズル開口105からインク滴となって飛び
出す。同時にこの近傍の圧力は、アイランド部106の
内周側の薄肉部107aを弾性変形させて、その圧力を
低下させ、キャビテーション等の発生を防止する。一
方、インク供給口109側、つまりにアイランド部10
6の外周側の領域の薄肉部107bは、アイランド部1
06とスペーサ103とに囲まれて支持されているか
ら、コンプライアンスが小さく、インク圧での変形量が
可及的に小さく抑えられることになる。
であって、図中符号110,111は、振動板112に
形成された第1,第2のアイランド部で、インク供給口
113側に設けられたアイランド部110は、インク供
給側の端部が振動板全体の厚肉部と連続していて、3方
が薄肉部114b,114c,114dにより弾性変形
可能に構成されている。これら2つのアイランド部11
0,111には圧電振動子115の先端が当接されてい
て、圧力発生室116を圧縮可能に構成されている。
位は2つのアイランド部110,111に伝達され、一
方のアイランド部110は、一端を支持された片持梁と
なって薄肉部の弾性と協同して圧力発生室116を収縮
させ、またアイランド部111は周囲の薄肉部114a
を弾性変形させて圧力発生室116を収縮させる。この
圧力発生室116の収縮によるインク圧は、ノズル開口
117近傍のインクをノズル開口117から液滴として
飛翔させ、また一部がアイランド部111周辺の薄肉部
114aを弾性変形させて過度な圧力を減少する。他方
インク供給口113側のインク圧は、アイランド部11
0を変位させるように作用するが、これの端部110a
が振動板112の厚肉部に連続しているため、この領域
をほとんど変形させることができない。これにより、圧
電振動子の変位を妨げることなく、しかもインク供給口
側の薄肉部114c、114dの疲労を防止することが
できる。
ノズル開口を90DPI程度の密度で配列する場合を例
に採って説明したが、同一列に150DPI以上の密度
でノズル開口を配列する場合には、隣接圧力発生室同士
間の間隙が極めて小さくなる。したがって、このような
場合には薄肉部を区画する前述のブリッジ部を構成する
ことが困難となる。すなわち高密度配列の場合には図1
9に示したように圧電振動子120,120,120‥
‥の配列領域全体を薄肉部121,121として形成す
るとともに、圧電振動子120に対向する部分、つまり
圧力発生室128,128,128‥‥に合わせてにア
イランド部122,122,122‥‥を形成し、さら
に薄肉部121,121を区画している周囲の厚肉部1
25の内、ノズル開口126,126,126‥‥側の
境界とアイランド部122,122,122‥‥の先端
との間の領域AのコンプライアンスCNと、アイランド
部122,122,122,122‥‥の後端とインク
供給口127,127,127‥‥の間の領域Bの薄肉
部のコンプライアンスCFとを、長さや、厚み等を調整
することによりノズル開口側の領域Aのコンプライアン
スCNがインク供給側のコンプライアンスCFの1.2
倍以上となるように調整すると、インク供給口側の薄肉
部の疲労を小さくすることができる。なお、図中符号1
29,129はリザーバをそれぞれ示す。
レート、スペーサ、及び振動板のそれぞれ異なる部材を
集積して圧力室を区画する場合に例を採って説明した
が、図20(a)に示したように、シリコンウエハー1
30を両面からエッチングして一方の面にアイランド部
131とこれを挟むようにノズル開口137側とインク
供給口135側とに薄肉部132,133とを形成する
とともに、他方の面には凹部を形成して圧力発生室13
4,インク供給口135,及びリザーバ136を形成
し、これの開放側にノズル開口137が穿設されたノズ
ルプレート138を固定するようにしたものに適用して
も同様の作用を奏することは明らかである。すなわち、
ノズル開口側の薄肉部132のノズル開口137側への
長さを、他方の薄肉部133よりも大きくしたり、また
厚みを薄くして、ノズル開口側の薄肉部132のコンプ
ライアンスを大きくするようにエッチングする。
室とリザーバを同一平面上に形成するようにしたものに
例を採って説明したが、図20(b)に示したように圧
力発生室140とリザーバ141とを一部が相互にオー
バラップするように上下関係に仕切り板144を挟んで
配置し、これらをインク供給口を兼ねる通孔145によ
り接続するとともに、ノズル開口146と圧力発生室1
40とを流路147により接続するようにしたものに適
用しても同様の作用を奏することは明らかである。
子により圧力発生室内にインク滴生成用の圧力を圧電振
動子により発生させるようにしているが、図20(c)
に示したような圧力発生室150内に抵抗線151を配
設し、抵抗線151に駆動信号を供給してジュール熱に
よりバブルを発生させ、このバブルの圧力を利用してノ
ズル開口152からインク滴を噴射させるいわゆる、バ
ブル式インクジェットヘッドに適用することもできる。
すなわち、発熱領域とノズル開口との間に薄肉部153
を形成することにより、バブル発生時に生じる極めて高
く、しかも極めて短時間しか継続しない瞬間的な圧力を
薄肉部153により吸収することにより、インク滴の飛
翔速度を下げて記録用紙上での滲みを防止するととも
に、圧力の作用時間を延長してインク滴の飛翔に有効利
用し、さらには圧力降下を利用してインク温度の無用な
上昇を抑えてインクの劣化を防止することができる。
圧力発生室と、圧力発生室に連通するノズル開口及びイ
ンク供給路と、圧力発生室に圧力を印加する圧力発生手
段を有するインクジェット式記録ヘッドにおいて、少な
くとも圧力発生室のノズル開口近傍にインク滴生成時の
インク圧力により変形可能な薄肉部を備えたので、ノズ
ル開口側に比較してより大きな圧力が掛かる振動子のイ
ンク供給口側の領域に、ノズル開口側よりも高い剛性を
持たせても、インク滴生成時に発生する瞬間的な高い圧
力をノズル開口側の薄肉部で吸収できて、不要なインク
滴の飛び出しを防止でき、同時に吸収した圧力をインク
の押圧時間の延長に利用して、特に高密度化に伴う圧電
振動子の微小化にともなうインク滴発生のためのエネル
ギ低下をすることができる。またインク供給口側の振動
板の強度を高めて疲労破壊を防止することができる。
示す組み立て斜視図である。
施例を示す斜視図である。
である。
る。
図である。
時における振動板の変形形態を示す説明図である。
供給口側の圧力変化を示す線図である。
る。
する応力と、アイランド部の長さとの関係を示す線図で
ある。
実施例を振動板に形成されているアイランド部を拡大し
て示す図である。
実施例をアイランド部を拡大して示す図である。
る。
である。
ある。
す上面図である。
適用可能な他の記録ヘッドの一例を示す断面図である。
す上面図である。
Claims (22)
- 【請求項1】圧力発生室と、該圧力発生室に連通するノ
ズル開口及びインク供給路と、前記圧力発生室に圧力を
印加する圧力発生手段を有するインクジェット式記録ヘ
ッドにおいて、 前記圧力発生室の前記ノズル開口側に形成したコンプラ
イアンスがインク供給路側に形成したコンプライアンス
よりも大きく設定されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 前記ノズル開口側のコンプライアンスが
前記インク供給路側のコンプライアンスの1.2倍以上
であることを特徴とする請求項1のインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項3】 前記コンプライアンスは、前記圧力発生
室の壁面に形成された薄肉部によって付与されることを
特徴とする請求項2のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 前記コンプライアンスは、前記薄肉部の
面積によって調整されていることを特徴とする請求項3
のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記コンプライアンスは、前記薄肉部の
厚さによって調整されていることを特徴とする請求項3
のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 前記薄肉部が前記ノズル開口と対向して
配置されていることを特徴とする請求項3のインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 圧力発生室と、該圧力発生室に連通する
ノズル開口及びインク供給路と、前記圧力発生室の一壁
面を構成する振動板と、該振動板と接続され前記圧力発
生室を加圧する縦振動モードを備えた圧電振動子とを有
するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 少なくとも前記振動板は薄肉部を有し、該薄肉部により
ノズル開口のコンプライアンスがインク供給路側のコン
プライアンスよりも大きく設定されていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 前記ノズル開口側のコンプライアンスが
前記インク供給路側のコンプライアンスの1.2倍以上
であることを特徴とする請求項7のインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項9】 前記コンプライアンスは、前記薄肉部の
面積によって調整されていることを特徴とする請求項7
のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項10】 前記コンプライアンスは、前記薄肉部
の厚さによって調整されていることを特徴とする請求項
7のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 前記薄肉部は前記ノズル開口に対向し
ていることを特徴とする請求項7のインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項12】 前記振動板には周囲が薄肉部のアイラ
ンド部を有し、該アイランドブと前記圧電振動子が接続
していることを特徴とする請求項7のインクジェット式
記録ヘッド。 - 【請求項13】 前記コンプライアンスは、前記アイラ
ンド部の端部と前記インク供給路、及びノズル開口まで
の薄肉部の長さによって調整されていることを特徴とす
る請求項12のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項14】 前記コンプライアンスは、前記アイラ
ンド部の厚さによって調整されていることを特徴とする
請求項12、または請求項13のインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項15】 前記アイランド部は、前記インク供給
路と前記ノズル開口とを結ぶ方向に複数に分割されてい
ることを特徴とする請求項12のインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項16】 前記圧電振動子とアイランド部は、前
記インク供給路とノズル開口とを結ぶ方向の寸法に関し
て、前記圧電振動子よりも大きく、且つアイランド部よ
りも小さな接続部材を介して接続されていることを特徴
とする請求項12のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項17】 前記圧力発生室とノズル開口及びイン
ク供給路を有する流路形成部材と、前記圧力発生室を封
止する振動板と、該振動板と接続されて前記圧力発生室
を押圧する縦振動モードを有する圧電振動子と、前記振
動板と圧電振動子を固定する基台を有し、前記振動板に
形成された薄肉部を区画する厚肉部は、流路形成部材と
前記基台とに挟持されて固定されているインクジェット
式記録ヘッド。 - 【請求項18】 前記厚肉部は前記薄肉部を各圧力発生
室に対応して個々に区画していることを特徴とする請求
項17のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項19】 圧力発生室と、該圧力発生室に連通す
るノズル開口、及びインク供給路と、前記圧力発生室に
圧力を印加する圧力発生手段を有するインクジェット式
記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生室の前記ノズル開口近傍にインク滴生成時
のインク圧力により変形可能な薄肉部を有することを特
徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項20】 圧力発生室と、該圧力発生室に連通す
るノズル開口及びインク供給路と、前記圧力発生室の一
壁面を構成する振動板と、該振動板と接続され前記圧力
発生室を加圧する圧電振動子を有するインクジェット式
記録ヘッドにおいて、 前記振動板上には周囲が薄肉部であり、且つ前記インク
供給路と前記ノズル開口とを結ぶ方向に複数に分割して
形成されたアイランド部を有し、前記圧電振動子は少な
くとも複数のアイランド部に当接して配置されているこ
とを特徴とするインックジェット式記録ヘッド。 - 【請求項21】 前記複数のアイランド部は、ノズル開
口側及びインク供給路側で幅が広く、中央部で狭くなる
ように形状が選択されていることを特徴とする請求項2
0のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項22】 前記ノズル開口に対向して前記アイラ
ンド部とアイランド部との間に薄肉部が形成されている
ことを特徴とする請求項20のインクジェット式記録ヘ
ッド。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP15155793A JP3185829B2 (ja) | 1992-06-05 | 1993-05-28 | インクジェット式記録ヘッド |
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EP93108995A EP0573055B1 (en) | 1992-06-05 | 1993-06-04 | Ink jet recording head |
US08/070,903 US5424769A (en) | 1992-06-05 | 1993-06-04 | Ink jet recording head |
HK98105612A HK1006559A1 (en) | 1992-06-05 | 1998-06-18 | Ink jet recording head |
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JP33638792 | 1992-12-16 | ||
JP5-60122 | 1993-03-19 | ||
JP4-336387 | 1993-03-19 | ||
JP6012293 | 1993-03-19 | ||
JP4-145781 | 1993-03-19 | ||
JP4-302641 | 1993-03-19 | ||
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ID=27523552
Family Applications (1)
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---|---|
JP3185829B2 (ja) | 2001-07-11 |
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