JPH06329045A - フロントボデーの構造 - Google Patents
フロントボデーの構造Info
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- JPH06329045A JPH06329045A JP11829393A JP11829393A JPH06329045A JP H06329045 A JPH06329045 A JP H06329045A JP 11829393 A JP11829393 A JP 11829393A JP 11829393 A JP11829393 A JP 11829393A JP H06329045 A JPH06329045 A JP H06329045A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 サスペンションメンバとサイドメンバの取付
剛性のチューニングを容易にすると共に、衝突エネルギ
ーの吸収量を増加させることを目的とする。 【構成】 サスペンションメンバ12はサイドメンバ1
0に前部取付部24及び後部取付部26で固定される。
前部取付部24は、剛性のボルト16で固定され、後部
取付部26は、衝突荷重を受けて破断変形するボルト1
8で固定されている。衝突時、サイドメンバ前端部10
aを塑性変形させると共に、後部取付部26の固定を切
り離すことで、サイドメンバ10のエンジン後方部分1
0bに衝突荷重を集中させ、塑性変形させることで衝突
エネルギーを吸収する。
剛性のチューニングを容易にすると共に、衝突エネルギ
ーの吸収量を増加させることを目的とする。 【構成】 サスペンションメンバ12はサイドメンバ1
0に前部取付部24及び後部取付部26で固定される。
前部取付部24は、剛性のボルト16で固定され、後部
取付部26は、衝突荷重を受けて破断変形するボルト1
8で固定されている。衝突時、サイドメンバ前端部10
aを塑性変形させると共に、後部取付部26の固定を切
り離すことで、サイドメンバ10のエンジン後方部分1
0bに衝突荷重を集中させ、塑性変形させることで衝突
エネルギーを吸収する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両衝突時における衝
突エネルギーを吸収し、乗員の安全性を向上させた車両
のフロントボデーの構造に関する。
突エネルギーを吸収し、乗員の安全性を向上させた車両
のフロントボデーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が衝突した場合、車両のボデーには
非常に大きな衝突エネルギーが加わり、ボデーの一部が
変形する。一般に車両の骨格は剛体であり、また剛体の
エンジンやシャシーが備わっているので、ボデーに衝突
エネルギーを吸収する工夫がされていなければ、衝突時
に車室内の乗員に与える衝撃が大きくなる恐れがある。
そのため、ボデーには衝突エネルギーを吸収する構造が
設けられ、乗員に衝突の影響が及ばないように工夫され
ている。例えば車両が前突した場合、フロントサイドメ
ンバ(以下、サイドメンバと呼ぶ)をその前端部から衝
突の荷重によって変形(以下、塑性変形と呼ぶ)させ、
かつサスペンションメンバも塑性変形させて衝突のエネ
ルギーの吸収を向上させたフロントボデーの構造が、実
開昭57−127063号公報に開示されている。
非常に大きな衝突エネルギーが加わり、ボデーの一部が
変形する。一般に車両の骨格は剛体であり、また剛体の
エンジンやシャシーが備わっているので、ボデーに衝突
エネルギーを吸収する工夫がされていなければ、衝突時
に車室内の乗員に与える衝撃が大きくなる恐れがある。
そのため、ボデーには衝突エネルギーを吸収する構造が
設けられ、乗員に衝突の影響が及ばないように工夫され
ている。例えば車両が前突した場合、フロントサイドメ
ンバ(以下、サイドメンバと呼ぶ)をその前端部から衝
突の荷重によって変形(以下、塑性変形と呼ぶ)させ、
かつサスペンションメンバも塑性変形させて衝突のエネ
ルギーの吸収を向上させたフロントボデーの構造が、実
開昭57−127063号公報に開示されている。
【0003】実開昭57−127063号公報による
と、図4(a)に示すように車両のフロントボデーの構
造は、大別して、サイドメンバ50、サスペンションメ
ンバ52及びサスペンションアーム74から構成されて
いる。サスペンションメンバ52の前側上面には、ブラ
ケット56が溶接によって取り付け(以下、溶接取付部
72と呼ぶ)られており、車両横方向の左右両端には、
サスペンションアーム74が前部取付部65でボルト6
4により揺動可能に支持され、後部取付部66で揺動可
能かつ衝突時に後方へ移動できるように支持されてい
る。そして、サスペンションメンバ52は、サイドメン
バ50に前部取付部68及び後部取付部70で取り付け
られている。前部取付部68は、ブラケット56をボル
ト60でサイドメンバ50に取り付け、後部取付部70
は、ボルト62でサイドメンバ50に取り付けた構成で
ある。
と、図4(a)に示すように車両のフロントボデーの構
造は、大別して、サイドメンバ50、サスペンションメ
ンバ52及びサスペンションアーム74から構成されて
いる。サスペンションメンバ52の前側上面には、ブラ
ケット56が溶接によって取り付け(以下、溶接取付部
72と呼ぶ)られており、車両横方向の左右両端には、
サスペンションアーム74が前部取付部65でボルト6
4により揺動可能に支持され、後部取付部66で揺動可
能かつ衝突時に後方へ移動できるように支持されてい
る。そして、サスペンションメンバ52は、サイドメン
バ50に前部取付部68及び後部取付部70で取り付け
られている。前部取付部68は、ブラケット56をボル
ト60でサイドメンバ50に取り付け、後部取付部70
は、ボルト62でサイドメンバ50に取り付けた構成で
ある。
【0004】衝突時、サイドメンバ50の前端部が衝突
荷重によって軸方向に塑性変形されると共に、剛性のエ
ンジン54が衝突荷重を受けて後方(矢印X方向)に押
動されると、サスペンションメンバ52と剛性のサスペ
ンションアーム74は、エンジン54から押動されて衝
突荷重を受ける。そして、図4(b)のように溶接取付
部72では、サスペンションメンバ52が衝突荷重によ
りブラケット56から切り離される。サスペンションア
ーム74は、その後部取付部66を後方(矢印Y方向)
に突出させながら衝突荷重により後方に移動する。一
方、サスペンションメンバ52は、その後部取付部70
がボルト62で固定されているので、衝突荷重を受けて
塑性変形する。その結果、サスペンションメンバ52で
も衝突エネルギーが吸収される。
荷重によって軸方向に塑性変形されると共に、剛性のエ
ンジン54が衝突荷重を受けて後方(矢印X方向)に押
動されると、サスペンションメンバ52と剛性のサスペ
ンションアーム74は、エンジン54から押動されて衝
突荷重を受ける。そして、図4(b)のように溶接取付
部72では、サスペンションメンバ52が衝突荷重によ
りブラケット56から切り離される。サスペンションア
ーム74は、その後部取付部66を後方(矢印Y方向)
に突出させながら衝突荷重により後方に移動する。一
方、サスペンションメンバ52は、その後部取付部70
がボルト62で固定されているので、衝突荷重を受けて
塑性変形する。その結果、サスペンションメンバ52で
も衝突エネルギーが吸収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、サ
スペンションメンバ52が、サイドメンバ50に前部取
付部68、後部取付部70及び溶接取付部72の三箇所
で取り付けられている。その中でも溶接取付部72は、
通常の車両走行時にサスペンション全体に加わる大荷
重、例えば車両が縁石等の路面段差を乗り越える時にサ
スペンションメンバ52に加わる大荷重に対しては切り
離さないように取付剛性をかなり強くしてあると同時
に、衝突時にサスペンションメンバ52の取付が切り離
される程度の強度に溶接してある。
スペンションメンバ52が、サイドメンバ50に前部取
付部68、後部取付部70及び溶接取付部72の三箇所
で取り付けられている。その中でも溶接取付部72は、
通常の車両走行時にサスペンション全体に加わる大荷
重、例えば車両が縁石等の路面段差を乗り越える時にサ
スペンションメンバ52に加わる大荷重に対しては切り
離さないように取付剛性をかなり強くしてあると同時
に、衝突時にサスペンションメンバ52の取付が切り離
される程度の強度に溶接してある。
【0006】しかしながら、このような条件を十分に満
たす取付を実現するには、チューニングが非常に難しく
なるという問題がある。しかも、衝突時に溶接取付部7
2を切り離すと共に、サスペンションアーム74の後部
取付部66を後方に移動させるという複雑な構成である
ので、溶接取付部72と後部取付部66の取付バランス
を考えたチューニングをする必要がある。
たす取付を実現するには、チューニングが非常に難しく
なるという問題がある。しかも、衝突時に溶接取付部7
2を切り離すと共に、サスペンションアーム74の後部
取付部66を後方に移動させるという複雑な構成である
ので、溶接取付部72と後部取付部66の取付バランス
を考えたチューニングをする必要がある。
【0007】そこで本発明は、車両衝突時にサスペンシ
ョンメンバをサイドメンバに取り付ける複数の取付部の
うち後部取付部のみの取付を解除することによって、取
付チューニングを簡易にすると共に、衝突エネルギーの
吸収量を向上させることを目的とする。
ョンメンバをサイドメンバに取り付ける複数の取付部の
うち後部取付部のみの取付を解除することによって、取
付チューニングを簡易にすると共に、衝突エネルギーの
吸収量を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のフロントボデーの構造は、フロントホイー
ルを支持するサスペンションアームと、該サスペンショ
ンアームが揺動可能に支持されたサスペンションメンバ
と、車体側部に配置され前記サスペンションメンバを固
定するサイドメンバとから成り、前記サイドメンバが衝
突エネルギーを吸収する機能を備えた車両において、前
記サスペンションメンバの車両前後方向前部取付部が剛
性なる第1取付部材によってサイドメンバに固定され、
サスペンションメンバの車両前後方向後部取付部は、衝
突エネルギーを受けたとき固定を解除する第2取付部材
によってフロントサイドメンバに固定されたことを特徴
とする。
め、本発明のフロントボデーの構造は、フロントホイー
ルを支持するサスペンションアームと、該サスペンショ
ンアームが揺動可能に支持されたサスペンションメンバ
と、車体側部に配置され前記サスペンションメンバを固
定するサイドメンバとから成り、前記サイドメンバが衝
突エネルギーを吸収する機能を備えた車両において、前
記サスペンションメンバの車両前後方向前部取付部が剛
性なる第1取付部材によってサイドメンバに固定され、
サスペンションメンバの車両前後方向後部取付部は、衝
突エネルギーを受けたとき固定を解除する第2取付部材
によってフロントサイドメンバに固定されたことを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明のフロントボデーの構造によれば、車両
衝突時、最初にサイドメンバの前端部が衝突荷重により
塑性変形する。その後、衝突荷重はサイドメンバ、フロ
ントホイール及びエンジンに分散されて作用し、エンジ
ン及びフロントホイールに分散された一部の衝突荷重
は、剛性の第1取付部材と第2取付部材に伝達される。
そして、第2取付部材には、前方から受けた衝突荷重の
反作用荷重が、サイドメンバの車両後方から加わるの
で、第2取付部材は破断変形し、サスペンションメンバ
の後部取付部の固定が解除される。一方、第1取付部材
は、第2取付部材に比して取付剛性が大きいので、前部
取付部の固定が保持される。その結果、サイドメンバの
エンジン後方部分には、反作用荷重が分散されることな
く伝達され、荷重が集中するので、塑性変形が発生す
る。
衝突時、最初にサイドメンバの前端部が衝突荷重により
塑性変形する。その後、衝突荷重はサイドメンバ、フロ
ントホイール及びエンジンに分散されて作用し、エンジ
ン及びフロントホイールに分散された一部の衝突荷重
は、剛性の第1取付部材と第2取付部材に伝達される。
そして、第2取付部材には、前方から受けた衝突荷重の
反作用荷重が、サイドメンバの車両後方から加わるの
で、第2取付部材は破断変形し、サスペンションメンバ
の後部取付部の固定が解除される。一方、第1取付部材
は、第2取付部材に比して取付剛性が大きいので、前部
取付部の固定が保持される。その結果、サイドメンバの
エンジン後方部分には、反作用荷重が分散されることな
く伝達され、荷重が集中するので、塑性変形が発生す
る。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について図1から図4
に基づいて説明する。図面に示したFRONTは車両前
後方向の前方を示し、UPは車両上下方向の上方を示
し、OUTは車両外側方向を示す。
に基づいて説明する。図面に示したFRONTは車両前
後方向の前方を示し、UPは車両上下方向の上方を示
し、OUTは車両外側方向を示す。
【0011】以下、図1に基づいてフロントボデーの構
造を説明する。図1は本実施例のフロントボデーにおけ
るサイドメンバ10とサスペンションメンバ12及びサ
スペンションアーム14の取付全体を示した斜視図であ
る。通常、サイドメンバ10、サスペンションメンバ1
2及びサスペンションアーム14は、車両が走行してい
る時に加わる荷重を受けても変形しないように、剛体か
らできている。
造を説明する。図1は本実施例のフロントボデーにおけ
るサイドメンバ10とサスペンションメンバ12及びサ
スペンションアーム14の取付全体を示した斜視図であ
る。通常、サイドメンバ10、サスペンションメンバ1
2及びサスペンションアーム14は、車両が走行してい
る時に加わる荷重を受けても変形しないように、剛体か
らできている。
【0012】サイドメンバ10は車体の前部構造の剛性
を高めるための基本的な骨格であり、車体の側部左右
(図1では右側部のみを示す)にそれぞれ配置され、車
両前後方向に伸びている。また、サイドメンバ10下面
の後端(車両前後方向後部)には、サスペンションメン
バ12を固定するための取付用の挿通孔30が形成され
ている。更に、サイドメンバ10下面中央(車両前後方
向中央部)にはサスペンションメンバ12を取り付けす
るためのブラケット22が溶接等によって結合されてい
る。ブラケット22下面には前記挿通孔30と同様の挿
通孔28が形成されている。なお、サイドメンバ10
は、衝突エネルギーを効率よく吸収するための機能を有
している。具体的には、サイドメンバ10に図示を省略
したビードあるいはベローズ(蛇腹)等が設けられてい
る。
を高めるための基本的な骨格であり、車体の側部左右
(図1では右側部のみを示す)にそれぞれ配置され、車
両前後方向に伸びている。また、サイドメンバ10下面
の後端(車両前後方向後部)には、サスペンションメン
バ12を固定するための取付用の挿通孔30が形成され
ている。更に、サイドメンバ10下面中央(車両前後方
向中央部)にはサスペンションメンバ12を取り付けす
るためのブラケット22が溶接等によって結合されてい
る。ブラケット22下面には前記挿通孔30と同様の挿
通孔28が形成されている。なお、サイドメンバ10
は、衝突エネルギーを効率よく吸収するための機能を有
している。具体的には、サイドメンバ10に図示を省略
したビードあるいはベローズ(蛇腹)等が設けられてい
る。
【0013】サスペンションメンバ12は車体の横方向
に伸びており、その横方向両端は略L字状に形成されて
いる。そしてL字状のそれぞれの端部には、サスペンシ
ョンメンバ12をサイドメンバ10に固定するための前
部挿通孔32、後部挿通孔34が形成されている。前部
挿通孔32に剛性の第1取付部材であるボルト16を嵌
挿し、挿通孔28に螺着することで、サスペンションメ
ンバ12をサイドメンバ10に固定している。また、後
部挿通孔34及び後述するゴムブッシュ38に、車両衝
突時に衝突荷重を受けて破断変形するように設計された
第2取付部材であるボルト18を嵌挿し、挿通孔30に
螺着することで、サスペンションメンバ12をサイドメ
ンバ10に固定している。なお、サスペンションメンバ
14は、通常の走行中にサスペンション全体に加わる大
荷重を受けてもサイドメンバ10から外れないようにボ
ルト16、ボルト18で固定されている。ボルト18の
径は、ボルト16に比して細径の構造である。
に伸びており、その横方向両端は略L字状に形成されて
いる。そしてL字状のそれぞれの端部には、サスペンシ
ョンメンバ12をサイドメンバ10に固定するための前
部挿通孔32、後部挿通孔34が形成されている。前部
挿通孔32に剛性の第1取付部材であるボルト16を嵌
挿し、挿通孔28に螺着することで、サスペンションメ
ンバ12をサイドメンバ10に固定している。また、後
部挿通孔34及び後述するゴムブッシュ38に、車両衝
突時に衝突荷重を受けて破断変形するように設計された
第2取付部材であるボルト18を嵌挿し、挿通孔30に
螺着することで、サスペンションメンバ12をサイドメ
ンバ10に固定している。なお、サスペンションメンバ
14は、通常の走行中にサスペンション全体に加わる大
荷重を受けてもサイドメンバ10から外れないようにボ
ルト16、ボルト18で固定されている。ボルト18の
径は、ボルト16に比して細径の構造である。
【0014】サスペンションアーム14は略V字形状を
しており、そのV字形状の凸部分14aに図示省略のフ
ロントホイールが取り付けられている。また、V字状の
凹部分の一端14b(車両前後方向の前側)にはゴムブ
ッシュ36が設置され、他端14c(車両前後方向の後
側)にはゴムブッシュ38が設置されている。一端14
bのブッシュ36には剛性のボルト40が嵌挿され、サ
スペンションメンバ12の取付孔33に揺動自在に枢支
されている。また、他端14cのゴムブッシュ38に
は、後部挿通孔34と共に前述のボルト18が嵌挿さ
れ、サイドメンバ10の挿通孔30に揺動自在に枢支さ
れている。
しており、そのV字形状の凸部分14aに図示省略のフ
ロントホイールが取り付けられている。また、V字状の
凹部分の一端14b(車両前後方向の前側)にはゴムブ
ッシュ36が設置され、他端14c(車両前後方向の後
側)にはゴムブッシュ38が設置されている。一端14
bのブッシュ36には剛性のボルト40が嵌挿され、サ
スペンションメンバ12の取付孔33に揺動自在に枢支
されている。また、他端14cのゴムブッシュ38に
は、後部挿通孔34と共に前述のボルト18が嵌挿さ
れ、サイドメンバ10の挿通孔30に揺動自在に枢支さ
れている。
【0015】次に、本実施例のフロントボデーの構造に
おける車両衝突時の衝突エネルギーを吸収する作用につ
いて図2を用いて説明する。ここで、図2はフロントボ
デーの側面の状態を示す側面図である。
おける車両衝突時の衝突エネルギーを吸収する作用につ
いて図2を用いて説明する。ここで、図2はフロントボ
デーの側面の状態を示す側面図である。
【0016】車両の正面衝突時、図2(a)の衝突前期
の側面図ように、サイドメンバ前端部10aが衝突荷重
Fによって塑性変形するが、長さKまでサイドメンバ1
0が塑性変形したところで、剛性のフロントホイール4
8やエンジン46があるため、それ以上に塑性変形せ
ず、フロントホイール48とエンジン46を押動する。
その時、前方からの衝突荷重F(F=F1 +F2 +F3
の関係を有する)は、図2(b)のようにサイドメンバ
10には衝突荷重F1 が加わり、エンジン46には衝突
荷重F2 が加わり、フロントホイール48には衝突荷重
F3 が加わるように分散される。衝突荷重F2 、F3 の
一部は前部取付部24のボルト16に加わるが、ボルト
16は衝突荷重F2 、F3 を受けても十分耐えられるよ
うに取付剛性がチューニングされているので、破断変形
することなくサスペンションメンバ12をサイドメンバ
10に固定保持する。
の側面図ように、サイドメンバ前端部10aが衝突荷重
Fによって塑性変形するが、長さKまでサイドメンバ1
0が塑性変形したところで、剛性のフロントホイール4
8やエンジン46があるため、それ以上に塑性変形せ
ず、フロントホイール48とエンジン46を押動する。
その時、前方からの衝突荷重F(F=F1 +F2 +F3
の関係を有する)は、図2(b)のようにサイドメンバ
10には衝突荷重F1 が加わり、エンジン46には衝突
荷重F2 が加わり、フロントホイール48には衝突荷重
F3 が加わるように分散される。衝突荷重F2 、F3 の
一部は前部取付部24のボルト16に加わるが、ボルト
16は衝突荷重F2 、F3 を受けても十分耐えられるよ
うに取付剛性がチューニングされているので、破断変形
することなくサスペンションメンバ12をサイドメンバ
10に固定保持する。
【0017】一方、後部取付部26のボルト18は、前
方から衝突荷重F2 、F3 の一部が加わると共に、前方
からの衝突荷重Fの反作用荷重F0 (F0 =Fの関係を
有する)がサイドメンバ10の車両後方から加わるの
で、図2(c)のように破断変形を生じ、サスペンショ
ンメンバ12がサイドメンバ10から切り離され、固定
が解除される。そして、後部取付部26が切り離された
後も反作用荷重F0 は分散されることなく、後方から加
わるので、サイドメンバ10のエンジン後方部分10b
に衝突荷重が集中して塑性変形が発生する。以上のこと
より、衝突時にサスペンションメンバ12をサイドメン
バ10から切り離す取付部が一箇所だけでよいので、取
付チューニングを取るのが容易となる。
方から衝突荷重F2 、F3 の一部が加わると共に、前方
からの衝突荷重Fの反作用荷重F0 (F0 =Fの関係を
有する)がサイドメンバ10の車両後方から加わるの
で、図2(c)のように破断変形を生じ、サスペンショ
ンメンバ12がサイドメンバ10から切り離され、固定
が解除される。そして、後部取付部26が切り離された
後も反作用荷重F0 は分散されることなく、後方から加
わるので、サイドメンバ10のエンジン後方部分10b
に衝突荷重が集中して塑性変形が発生する。以上のこと
より、衝突時にサスペンションメンバ12をサイドメン
バ10から切り離す取付部が一箇所だけでよいので、取
付チューニングを取るのが容易となる。
【0018】また、衝突時、サスペンションメンバ12
の後部取付部26をサイドメンバ10から切り離すの
で、サイドメンバ10のエンジン46の後方部分10b
に衝突荷重が集中し、その部分で塑性変形が発生して衝
突のエネルギーが吸収される。即ち、剛性のフロントホ
イール48やエンジン46があるため、衝突時に直接、
衝突荷重を伝達して、塑性変形させることができなかっ
たエンジン後方部分10bが、車両後方からの反作用荷
重によって塑性変形され、サイドメンバ10の塑性変形
可能部分が増加するので、衝突エネルギーの吸収量が増
加する。
の後部取付部26をサイドメンバ10から切り離すの
で、サイドメンバ10のエンジン46の後方部分10b
に衝突荷重が集中し、その部分で塑性変形が発生して衝
突のエネルギーが吸収される。即ち、剛性のフロントホ
イール48やエンジン46があるため、衝突時に直接、
衝突荷重を伝達して、塑性変形させることができなかっ
たエンジン後方部分10bが、車両後方からの反作用荷
重によって塑性変形され、サイドメンバ10の塑性変形
可能部分が増加するので、衝突エネルギーの吸収量が増
加する。
【0019】以上、本実施例では、後部取付部26のボ
ルト18を、前部取付部24のボルト16に比して、ボ
ルト径を小さくして衝突時に破断変形させ、後部取付部
26の固定を解除したが、この構成に限定するものでは
ない。他の構成例として、図3(a)のように、後部取
付部26の挿通孔30aを長楕円の形状とし、ボルト1
8を挿通孔30aの一端によせて、サスペンションメン
バ12をサイドメンバ10に摺動可能に固定する構成も
考えられる。衝突時は、サスペンションメンバ12が衝
突荷重により後方に押動されると、ボルト18は挿通孔
30aの一端から他端へ摺動するので、後部取付部26
の固定が解除される。
ルト18を、前部取付部24のボルト16に比して、ボ
ルト径を小さくして衝突時に破断変形させ、後部取付部
26の固定を解除したが、この構成に限定するものでは
ない。他の構成例として、図3(a)のように、後部取
付部26の挿通孔30aを長楕円の形状とし、ボルト1
8を挿通孔30aの一端によせて、サスペンションメン
バ12をサイドメンバ10に摺動可能に固定する構成も
考えられる。衝突時は、サスペンションメンバ12が衝
突荷重により後方に押動されると、ボルト18は挿通孔
30aの一端から他端へ摺動するので、後部取付部26
の固定が解除される。
【0020】また、図3(b)のように後部取付部26
のボルトの数を前部取付部24の数より少なくして、衝
突時にボルト18のみを破断変形させて、後部取付部2
6の固定を解除する構成としてもよい。他にも、前部取
付部24、後部取付部26のそれぞれに嵌挿するボルト
を異なる材質にして、衝突時に後部取付部26の固定を
解除してもよい。
のボルトの数を前部取付部24の数より少なくして、衝
突時にボルト18のみを破断変形させて、後部取付部2
6の固定を解除する構成としてもよい。他にも、前部取
付部24、後部取付部26のそれぞれに嵌挿するボルト
を異なる材質にして、衝突時に後部取付部26の固定を
解除してもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明における車両のフロントボデーの
構造は、車両衝突時に衝突エネルギーを吸収するため
に、サスペンションメンバをサイドメンバに固定する取
付部のうち、後部取付部のみ固定を解除する構成とした
ので、通常走行時に加わる大荷重と衝突時の荷重に対す
るサスペンションメンバの取付部の取付チューニングが
簡易になるという効果がある。
構造は、車両衝突時に衝突エネルギーを吸収するため
に、サスペンションメンバをサイドメンバに固定する取
付部のうち、後部取付部のみ固定を解除する構成とした
ので、通常走行時に加わる大荷重と衝突時の荷重に対す
るサスペンションメンバの取付部の取付チューニングが
簡易になるという効果がある。
【0022】また、衝突時に後部取付部の固定が解除さ
れると、サイドメンバの塑性変形可能部分を増加させる
ことができるので、衝突エネルギーの吸収量が増加し、
乗員が受ける衝撃が低減されるという効果がある。
れると、サイドメンバの塑性変形可能部分を増加させる
ことができるので、衝突エネルギーの吸収量が増加し、
乗員が受ける衝撃が低減されるという効果がある。
【図1】本発明の実施例におけるフロントボデーの斜視
図。
図。
【図2】本発明の実施例におけるフロントボデー側面
図、(a)衝突前期の荷重の側面図、(b)衝突中期の
荷重の側面図、(c)衝突後期の荷重の側面図。
図、(a)衝突前期の荷重の側面図、(b)衝突中期の
荷重の側面図、(c)衝突後期の荷重の側面図。
【図3】本発明のサスペンションメンバをサイドメンバ
に固定する他の構成例の斜視図。
に固定する他の構成例の斜視図。
【図4】本発明のサスペンションメンバをサイドメンバ
に固定する他の構成例の斜視図。
に固定する他の構成例の斜視図。
【図5】衝突エネルギーを吸収する従来のフロントボデ
ーの構造における、(a)衝突前期の側面図、(b)衝
突後期の側面図。
ーの構造における、(a)衝突前期の側面図、(b)衝
突後期の側面図。
10 ・・・ フロントサイドメンバ 12 ・・・ サスペンションメンバ 14 ・・・ サスペンションアーム 16 ・・・ ボルト(第1取付部材) 18 ・・・ ボルト(第2取付部材) 46 ・・・ エンジン 48 ・・・ フロントホイール
Claims (1)
- 【請求項1】 フロントホイールを支持するサスペンシ
ョンアームと、該サスペンションアームが揺動可能に支
持されたサスペンションメンバと、車体側部に配置され
前記サスペンションメンバを固定するフロントサイドメ
ンバとから成り、前記フロントサイドメンバが衝突エネ
ルギーを吸収する機能を備えた車両において、前記サス
ペンションメンバの車両前後方向前部取付部が剛性なる
第1取付部材によってフロントサイドメンバに固定さ
れ、サスペンションメンバの車両前後方向後部取付部
は、衝突エネルギーを受けたとき固定を解除する第2取
付部材によってフロントサイドメンバに固定されたこと
を特徴とするフロントボデーの構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11829393A JPH06329045A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | フロントボデーの構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11829393A JPH06329045A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | フロントボデーの構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329045A true JPH06329045A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14733097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11829393A Pending JPH06329045A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | フロントボデーの構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06329045A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10316013A (ja) * | 1997-05-21 | 1998-12-02 | Hino Motors Ltd | トラックのシャシフレーム構造 |
EP1437291A2 (en) | 2003-01-08 | 2004-07-14 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Front structure of vehicle |
JP2010264775A (ja) * | 2009-05-12 | 2010-11-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車体前部構造 |
DE102011009120A1 (de) | 2010-02-15 | 2011-08-18 | Mazda Motor Corporation | Unterstruktur eines Kraftfahrzeugs |
JP2013111997A (ja) * | 2011-11-25 | 2013-06-10 | Toyota Motor Corp | 車両の前部構造 |
CN106536332A (zh) * | 2014-05-14 | 2017-03-22 | 标致雪铁龙集团 | 将发动机托架固定到车辆底板的可程序化断裂的固定装置 |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP11829393A patent/JPH06329045A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10316013A (ja) * | 1997-05-21 | 1998-12-02 | Hino Motors Ltd | トラックのシャシフレーム構造 |
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US6830289B2 (en) | 2003-01-08 | 2004-12-14 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Front structure of vehicle |
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CN106536332A (zh) * | 2014-05-14 | 2017-03-22 | 标致雪铁龙集团 | 将发动机托架固定到车辆底板的可程序化断裂的固定装置 |
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