JPH06300272A - 加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要に応じて被加熱物を加熱室内外に安定し
て移動させるとともに、調理性能や調理の自動化を損な
うこと無く清掃性が良く実用性の高い加熱調理器を実現
する。 【構成】 被加熱物を載置する移動台４を加熱室１の内
外に移動させる駆動手段５と、加熱室１内で回転させる
回転手段７と、被加熱物の重量を検出する重量検出手段
１１と、加熱手段３、駆動手段５、回転手段７及び重量
検出手段１１などを制御する制御装置９を備え、制御装
置９は重量検出手段１１が検出する重量情報が所定の重
量範囲内であれば移動台４の駆動手段５を駆動させ、所
定の重量範囲外であれば移動台４の駆動手段５を駆動さ
せないよう制御するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は被加熱物を載置した移動
台を加熱室内外に出没移動させることが出来るようにす
ると共に、その駆動手段を加熱室外に備え清掃製を高め
ると同時に、調理器としての実用性と安全性を向上させ
た加熱調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の加熱調理器としては、例えば本体
の前面下部に加熱室を開閉するドアを備え、ドアに固定
された連結部材により前後方向に移動自在な移動台を加
熱室内に設置し、回転自在なターンテーブルを移動台上
に載置し、ターンテーブルの回転手段を備え、回転手段
によりターンテーブルを回転させる他、ドアと連動して
加熱室内外に移動可能にし、ドア開時は回転手段との連
結が外れ移動台は回転しないようにし、被加熱物の設置
や取り出しをし易くしたものが実開平４−５７１０８号
公報によって、またドア開成状態においてのみ、移動用
操作ボタンにより移動台がドア面を水平移動し加熱室に
出し入れ出来、食品をターンテーブル上に載置したり、
加熱調理後取りだすことが出来、移動台の移動中又は加
熱室外に出ている間はドアロックし、ドア閉時のみター
ンテーブル回転し加熱調理可能なものが実開平３−３７
３１５号公報によって提案されている。

【０００３】一方、加熱室内外に移動させる手段はない
が、ターンテーブルの回転手段を備え、回転手段により
ターンテーブルを回転させる他、ドアの開閉検知手段と
重量検出手段を備え、ドア開成時に被加熱物の重量を検
出し、ドア閉成後検出した重量に基ずき加熱調理を行う
ことが出来るものが特開昭６１−１１９９２１号公報な
どによって提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の加
熱調理器においては、前者のターンテーブルに載置され
た被加熱物の荷重は加熱室の底面で受ける形であるた
め、被加熱物の重量検出が出来ず調理の自動化に不利で
ある。また、ドアに連動しているため、ドアの開閉スピ
ードによってターンテーブルが加熱室内外に出没するス
ピードが左右され、出没スピードが一定せず、出没する
スピードの変化で徳利、コップなど不安定な容器の場合
に倒れてしまうとか、ドア開成時の衝撃で加熱物が倒れ
たり被加熱物が液体の場合はこぼれたりするなどで被加
熱物が熱く加熱されている時などは火傷をするなどの危
険性があった。

【０００５】しかもドアを開くと必ず被加熱物も出てく
るため、仕上りの確認など被加熱物を取り出さなくてよ
い場合でも出てくることで被加熱物の温度を下げてしま
うなど、出し入れ選択の自由がないという問題があっ
た。なお、ドアを開閉するたびにターンテーブルの回転
用歯車と駆動手段の歯車との着脱がなされるため、歯車
の摩耗も激しく、ドアを急閉したときなどは歯車どうし
が強く当たるため、歯車の破損や軸部の変形が生じるな
ど種々の問題があった。

【０００６】また、実際上の問題として加熱室内に被加
熱物をこぼした場合、ターンテーブルはドアを連結する
連結部材とで連結されているため、ドアを開けてもター
ンテーブルとその受け台の後部は加熱室内に残っている
ため、ターンテーブルとその受け台のみならず、その裏
側や加熱室底面の清掃性が著しく困難であった。しか
も、ターンテーブルの移動距離は連結部材の長さによっ
て決まり、多く出そうとすると連結部材を長くする必要
があり、この場合は被加熱物の出し入れ時に連結部材が
邪魔になったり、ドア開閉用軸部に対応して連結部材の
ターンテーブル連結部はドア開閉に応じて円弧軌跡を描
くため、ターンテーブルは上下に移動しながら前後に移
動することになるため、ターンテーブルの上下移動を少
なくしようとすると連結部材はあまり長くできず、ター
ンテーブルの前後移動距離が限定されてしまうという問
題があった。

【０００７】次のドア開成状態においてのみ移動用操作
ボタンにより移動台がドア面を水平移動し加熱室に出し
入れ出来るものも、被加熱物の加熱室内外への出し入れ
が便利で、しかも出し入れ選択の自由があるが、被加熱
物の重量検出が出来ず調理の自動化に不利である。ま
た、これら被加熱物を加熱室内外に移動させる手段を有
する前２者は、ターンテーブル上に載置した被加熱物の
加熱調理前後の回転停止位置がまちまちであるため、加
熱調理前の移動時は安定していても、加熱調理後は不安
定な位置に停止し、加熱調理後に移動すると被加熱物が
転倒する恐れがあった。

【０００８】後者のターンテーブルの回転手段とドア開
閉検知手段と重量検出手段を備えたものは、被加熱物の
重量検出が出来、調理の自動化に有利であるが、被加熱
物を加熱室内外に移動させる手段がなく、被加熱物の出
し入れが不便である。また、これら後の２者は、加熱室
内に被加熱物をこぼした場合、ターンテーブルの着脱に
ついて配慮していないため、ドアを開けてもターンテー
ブルとその受け台の後部は加熱室内に残り、ターンテー
ブルとその受け台のみならず、その裏側や加熱室底面の
清掃性が著しく困難であった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、加熱室と、この加熱室
を開閉するドアと、加熱室内の被加熱物を加熱する加熱
手段と、加熱室内の被加熱物を載せて加熱室の内外に自
在に移動する移動台と、移動台を加熱室の内外に移動さ
せる駆動手段と、移動台を加熱室内で回転させる回転手
段と、移動台に載置された被加熱物の重量を検出する重
量検出手段と、加熱手段、駆動手段、回転手段及び重量
検出手段などを制御する制御装置を備え、制御装置は前
記重量検出手段が検出する重量情報が所定の重量範囲内
であれば移動台の駆動手段を駆動させ、所定の重量範囲
外であれば移動台の駆動手段を駆動させないよう制御す
るものとした。

【００１０】

【作用】上記のように構成したことにより、移動台の回
転手段を有する加熱調理器に設けた移動台の駆動手段は
移動台に載置した被加熱物を加熱室の内外に自在に移動
させ、また、重量検出手段と、これらの制御装置は、重
量検出手段にて移動台に載置された被加熱物の重量を検
出し、その重量情報が所定重量範囲内は駆動手段を駆動
し、重量オーバーや重量情報が無い場合は、駆動させな
いように制御することで、安全で動作が円滑で故障の無
いようにすることが出来、調理完了後は移動台や回転手
段を加熱室内から外して清掃出来、加熱調理器としての
実用性と安全性を向上させ得るものである。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て詳細に説明する。図１は本発明加熱調理器の一実施例
を示すブロック図である。

【００１２】図において、１は被加熱物を収納する加熱
室で、この加熱室１の前面に開閉自在なドア２を備えて
いる。３は加熱室１内の被加熱物を加熱するためのエネ
ルギーを発生する加熱手段（例えば高周波発生装置ある
いは電熱ヒーター）、４は被加熱物を載置して加熱室１
の内外に移動可能に設けられた移動台である。５はその
移動台４を加熱室１の内外に移動を可能とする駆動手段
であり、６はこの駆動手段５を含めた移動手段である。
７は移動台４を加熱室１内で回転させる回転手段であ
り、移動台４の下に位置させてある。移動台４及び回転
手段７は共に加熱室１から着脱自在に装着してある。

【００１３】８はドア２の開閉状態を検出する開閉検出
手段であり、ドア２の開閉角度を任意に検出出来る。９
はマイクロコンピュータで構成された制御装置であり、
調理の種類に応じて加熱手段３や回転手段７を制御し、
ドア２の開閉角度に応じて加熱手段３を停止したり駆動
手段５により移動台４の移動を制御する。１０はこの制
御装置９と加熱室１、ドア２、加熱手段３、移動台４、
駆動手段５、移動手段６、回転手段７、および開閉検出
手段８を収納する調理器本体である。１１は移動台４に
載置された被加熱物の重量を検出する重量検出手段であ
る。１２は移動台４の回転位置を検出する回転位置検出
手段である。１３はドアを開いたままに固定するロック
検出手段である。

【００１４】本発明は以上のように構成したものであ
り、次に動作について説明する。

【００１５】いま加熱手段１（高周波あるいは電熱のエ
ネルギー）によって食品の加熱調理を始めるとき、まず
制御装置９はドア２の開閉検出手段８（例えばマイクロ
スイッチ、位置センサー）でドア２が開成状態であるこ
とを確認した後、駆動手段５（例えばモーター、リンク
カム機構）を駆動制御して移動台４を一定寸法加熱室外
１へ移動させる。調理する被加熱物を移動台４の上に載
せた後、再び制御装置９は駆動手段５を駆動制御して移
動台４を加熱室１内に収納する。

【００１６】続いてドア２が閉成状態になると、制御装
置９は移動台４に載置された被加熱物の重量を重量検出
手段１１（例えば荷重変化の歪を電気信号に変換するス
トレンゲージ、圧電素子など）で検出し、その重量情報
を基に加熱手段３および回転手段７を駆動制御して加熱
むらを防止すべく被加熱物を回転させながら加熱調理を
実行する。

【００１７】加熱調理が終了すると、移動台４は回転位
置検出手段１２によりドア２側を移動方向とした調理開
始前と同一回転位置（移動可能位置）に停止する。そこ
でドア２が開けられると、ドア２の開閉状態を検出する
開閉検出手段８がドア２全開を検出し、制御装置９は駆
動手段５を駆動制御して被加熱物を載置した移動台４を
加熱室１外部に向かって送り出す。

【００１８】また、移動台４の移動動作においては、加
熱調理終了時間と前記ドアと相対した移動可能位置に移
動台４が回転停止する時間にズレが生じる場合は、加熱
調理終了時刻と同時刻に、前記移動可能位置に移動台４
を回転停止させるように、移動台４の快展開し時間のズ
レを決定して回転動作させるか、加熱調理終了後に移動
台４を前記移動可能位置に停止させた後、調理終了報知
をさせればよい。なお、制御装置９は移動台４が加熱室
１内外に移動する時間をカウントしておくことで、所定
時間で出たり戻ったりしない場合に、故障や誤使用など
の報知をすることも可能である。

【００１９】以上は、移動台４が加熱室１外へ送り出さ
れている状態で被加熱物を移動台４上へ載置した場合の
動作例を説明したものであるが、移動台４が加熱室１内
に収まっている状態で被加熱物を移動台４上へ載置した
場合でも同様に被加熱物を載置した移動台４を加熱室１
外部に向かって送り出すことも出来る。

【００２０】なお、ドア２の開閉状態を検出する開閉検
出手段８はドア２の開閉角度を任意に検出可能としてい
るので、加熱調理中にドア２を開いた場合は加熱手段３
を停止させて安全を確保したり、ドア２を全開した後、
移動台４が加熱室１外へ向かって移動中において、ドア
２が少し持ち上がって移動台４の移動動作に支障を生じ
る角度になった場合は制御装置９で駆動手段５を駆動制
御して移動台４を停止させたり、再度支障のない角度に
なると再駆動して移動台４を加熱室１外へ送り出す動作
を継続するなど実用上の有りうる状態に容易に対応出来
る。しかも、停電時や加熱調理器の電源が切りとなった
ときは、移動台４を手動で加熱室１に出し入れ可能とし
ておけば実用的である。

【００２１】上記では移動手段６はドア２の開閉に対応
して移動台４は自動的に加熱室１から出し入れさせるも
のとしたが、ドア２の開閉と無関係の専用の移動手段６
とし移動台４は必要に応じて手動で加熱室１内あるいは
外に移動可能としても良く、手動でも出し入れ可能とし
ても良い。手動とした場合は移動台４に載置した被加熱
物の移動スピードをドア２の開閉スピードに左右される
ことなく任意に決定出来、不安定な容器でも倒れたりす
ることなくスムースな動作を得ることが出来、ドア開閉
スピードの変化にともなう種々の悪影響を排除出来ると
ともに、仕上がりの確認など被加熱物を取り出さなくて
も良い場合にはそのままにするなど、出し入れの選択が
自由に出来る。

【００２２】また、加熱室１の清掃時においては、移動
台４や回転手段７などは加熱室１から着脱自在としてあ
るため、移動台４や回転手段７などを外してやれば良
く、しかも移動手段６の駆動手段５は加熱室１の外部に
備えているため加熱室１に残るものは無く、清掃性が大
変良好となる。

【００２３】なお、移動台４の移動は調理中は行わせ
ず、ドア開成時のみ行わせるように制御し、移動台４や
前記ターンテーブルなどの移動手段６を加熱室１から取
り外した時は上記駆動手段５の駆動を開始しないように
制御する構成として、例えば重量検出手段１１で移動台
４や上記ターンテーブルの重量検出を行わせるようにし
ておけば、これらの有無を判別し、重量情報が無い場合
は移動台４やターンテーブルを取外したと判定させ、駆
動手段５の駆動をロックする構成の制御をするなどとし
ておけば、清掃中に誤操作して駆動手段５の一部が加熱
室１内に突出した際、駆動手段５の駆動部が手に触れた
りして故障の原因を作ったり、怪我の原因となるような
事態を防止出来る。また、食品の重量が重過ぎて移動台
４の移動に支障が出るような場合は、駆動手段５を駆動
させないように制御すれば実用的である。以上のよう
に、所定重量範囲内は駆動手段５を駆動し、重量オーバ
ーや重量情報が無い場合は、駆動させないように制御す
ることで、安全で動作が円滑で故障の無いようにするこ
とが出来る。

【００２４】また、移動台４がドア２と相対した正面位
置になく移動に支障のある場合や、食品の重量オーバー
で移動に支障のある場合や、ドア２が閉成しかけて移動
に支障のある場合などは、それぞれ、回転位置検出手段
１２、重量検出手段１１、開閉検出手段８などにより支
障の有無を判定し、駆動手段５を駆動させないように制
御すると同時に、必要に応じて音、光、文字などによ
り、異常情報を報知させることで、正常な状態に直させ
たり、故障報知をしたりする場合などは、音、光、文字
を適宜、単独あるいは組み合わせて報知すれば良い。特
に、移動台４が移動中あるいは加熱室１外に突出時は、
ドア２が閉成されないようなロック手段１３を動作させ
るように制御すれば、うっかりドア２が急閉されて移動
台４上の食品をこぼしたり、故障の原因を作ったりする
ことを防止することが出来る。

【００２５】加熱手段３については、メニューに応じて
高周波加熱や電熱加熱を単独あるいは両方同時に加えて
加熱調理しても良く、特に電熱加熱を使用したオーブン
調理などは加熱室１が熱く加熱されるため、調理後加熱
室１内に手を入れて被加熱物を取り出す際は加熱室１壁
に触れての火傷の危険性も有るため、移動台４に載置し
た被加熱物が加熱室１外に出てくる本発明の機能は上記
危険を防止出来る上で意義が大きい。

【００２６】

【発明の効果】以上本発明によると、移動台に載置され
た被加熱物は必要に応じて加熱室から外に出てくるた
め、オーブン調理など加熱室が熱く加熱されている時で
も被加熱物を容易に取り出すことが出来、火傷の危険を
回避出来、調理完了後の清掃時は加熱室を容易に清掃出
来、清掃時の怪我や故障のポテンシャルを除去出来る。
また、調理メニューにかかわらず、被加熱物が重い場合
や加熱調理器が高い位置に設置されている場合などは被
加熱物が加熱室内外に出し入れできるため取り易く大変
利便性が良く実用上の効果が高い。

【００２７】また、移動台を移動させる駆動手段、移動
台の回転手段、被加熱物の重量検出手段、これらの制御
装置などを備えたから、被加熱物の加熱室内外への移動
動作、加熱むらを防止する回転動作、被加熱物の重量検
出など、被加熱物が転倒したりすること無く、加熱調理
および被加熱物の加熱室内外への移動動作など調理動作
における一連の自動化が可能となり、所定重量範囲内は
駆動手段を駆動し、重量オーバーや重量情報が無い場合
は、駆動させないように制御することで、安全で動作が
円滑で故障の無いようにすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す加熱調理器のブロック
図である。

【符号の説明】

１ 加熱室 ２ ドア ３ 加熱手段 ４ 移動台 ５ 駆動手段 ７ 回転手段 ９ 制御装置 １１ 重量検出手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱室（１）と、この加熱室（１）を開
   閉するドア（２）と、加熱室（１）内の被加熱物を加熱
   する加熱手段（３）と、加熱室（１）内の被加熱物を載
   せて加熱室（１）の内外に自在に移動する移動台（４）
   と、この移動台（４）を加熱室（１）の内外に移動させ
   る駆動手段（５）と、移動台（４）を加熱室（１）内で
   回転させる回転手段（７）と、移動台（４）に載置され
   た被加熱物の重量を検出する重量検出手段（１１）を備
   えた加熱調理器において、前記加熱手段（３）、駆動手
   段（５）、回転手段（７）及び重量検出手段（１１）な
   どを制御する制御装置（９）を備え、制御装置（９）は
   前記重量検出手段（１１）が検出する重量情報が所定の
   重量範囲内であれば移動台（４）の駆動手段（５）を駆
   動させ、所定の重量範囲外であれば移動台（４）の駆動
   手段（５）を駆動させないよう制御するものとしたこと
   を特徴とする加熱調理器。