JPH0630981B2

JPH0630981B2 - 浮出し箔

Info

Publication number: JPH0630981B2
Application number: JP60135242A
Authority: JP
Inventors: ヘルフリードサンダー
Original assignee: Leonhard Kurz GmbH and Co KG
Current assignee: Leonhard Kurz Stiftung and Co KG
Priority date: 1984-06-20
Filing date: 1985-06-20
Publication date: 1994-04-27
Anticipated expiration: 2009-04-27
Also published as: JPS6192898A; ATE46051T1; EP0166326B1; DE3422911C1; US4631223A; EP0166326A1

Description

【発明の詳細な説明】（発明の背景）本発明は、概略的には浮出し箔（模様、文字、図形等を
浮き出させるエンボシング箔）に関し、より詳細には高
温浮出し箔に関する。

米国特許明細書第４３７６００６号は、浮出し箔構造を
開示しており、この浮出し箔構造は、裏張り箔と移送層
とを備え、前記移送層は前記裏張り箔から取り外し可能
であるとともに、少なくとも磁性層を備え、この磁性層
は、結合剤中の磁化可能な粒子の分散体からなってい
る。前記裏張り箔に向かう前記磁性層の側には、金属層
およびラッカーからなる層が設けられる。同時に、前記
磁性層は、前記移送層を付設すべき基層に同移送層を固
定するため、前記裏張り箔から遠いそれの側に接着層を
設けられることが可能である。そのデザインは、前記磁
性浮出し箔が明るい魅力的な色で製造されることも要求
しており、この目的のため、一般に暗色の前記磁性層が
前記金属層により被覆される。それゆえ、純粋な装飾的
目的がその点で考慮事項である。

例えばチェックカード（小切手）、クレジットカード、
貯金通帳、および同様の保証書類および物品に対し、デ
ータの或る項目を貯蔵することを可能にするため、また
は偽造に対する保護を強化するため、磁性帯片、署名可
能な帯片、または特別な光学的効果を有する構造を設け
ることは、従来の実際的技術である。磁性帯片を用いる
ときの利点は、当該帯片内に関連データを適切に貯蔵す
るのが非常に容易に可能となることである。しかし、普
通の形態の磁性帯片であるため、偽造もしくは抹消が比
較的簡単であるという欠点がある。原理的にそれは前記
磁性帯片が付設される方法に依存する。多くの用途範囲
において、前記磁性帯片は浮出し箔、特に高温処理浮出
し箔により付設されるのが有利であるのが見出されてい
ると言うことは、本当のことである。なぜなら、その場
合前記帯片は保証書類または同様の物品に対して容易に
付設されることが可能であり、また前記磁性帯片が当該
書類またはカードに付設される前に、同磁性帯片に符号
を付すことさえも可能だからである。或る形式の保証書
類または物品、例えばクレジットカードおよびチェック
カードは、その上に署名を保持するための領域もしくは
パネルをさらに備えており、そして前記カードは適切な
領域に署名をなされた後でのみ有効となる。その種の署
名領域は、浮出し箔を用いてすでに作られており、この
関係において、特別な性質の背景材料を有する署名領域
の利点により、前記カードの偽造に関連する保護の改善
をなす企てがすでになされてきた。すなわち、例えば適
宜の押印を行なうことにより、あるいは消去の企てがな
されたときに色が変化する背景材料を用いることによ
り、あるいは色の改変を行なう書き込み流体に反応する
背景材料を用いること等により、前記保護の改善を行な
う企てがなされてきた。しかし、過去において、前記署
名用表面は、特にその目的のみのために用意された箇所
において、別の加工操作によりいつも製造されていた。
なぜなら、署名は、他の目的のためには使用されない箇
所になすべきであると見なされていたからである。同カ
ード上の全ての磁性帯片は、カード保持者の署名を保有
するように意図された領域からいつも完全に分離されて
配置されていた。

（発明の要約）本発明の目的は、種々なデータを担持するためのデータ
担持体として容易に使用することができるとともに、署
名領域を設けることを可能にする浮出し箔を提供するこ
とにある。

本発明の他の目的は、偽造から保護を強化することがで
きる浮出し箔を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、署名記載のためのスペース
と、可変の、もしくは一定のデータを中に貯蔵して担持
する手段とをコンパクトに組合わせることができる浮出
し箔を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、容易に機能し、かつ署名を
記載することができるとともに、魅力的な外観を有し、
また情報を保有するための領域を増大することができる
浮出し箔を提供することにある。

本発明によると、これらの、および他の目的は、高温浮
出し箔のような浮出し箔により達成され、当該浮出し箔
は、裏張り箔と移送層手段とを具備し、前記移送層手段
は、前記裏張り箔から取り外すことができるとともに、
少なくとも磁性層を備え、この磁性層は、結合剤中の磁
性粒子の分散体からなり、また前記磁性層は、前記移送
層手段を付設すべき基層に対して同移送層手段を固定す
るため、前記裏張り箔から遠い方のその側に接着層を選
択的に担持する。前記裏張り箔に向かう前記磁性層の側
において、前記移送層は、少なくとも、書き込みをなす
ことができるラッカーの層を少なくとも部分的にその上
に有しており、それにより署名層を形成し、この署名層
は、浮出し加工および前記裏張り箔の除去の後に、書き
込みもしくは同様のマーク付けを受容するための露出表
面を形成し、同時に、前記署名層および前記磁性層間に
は、前記磁性層内に含まれた溶剤によって前記署名層が
溶解もしくは攻撃されるのを防ぐため、障壁層が設けら
れている。

前記障壁層は、交差結合するラッカーの層により形成さ
れるのが有利であるが、例えば蒸着により付設される非
磁性金属からなる薄い層によって例えば形成することも
できる。

それゆえ、本発明による箔は、一方で磁性層を備え、そ
の結果、当該箔は可変もしくは一定のデータを貯蔵する
ことができ、この場合、前記磁性層のコーディング（ｃ
ｏｄｉｎｇ）は本来既知の方法で行なうことができる。
しかし、重要な考慮すべき事項は、書き込みもしくは同
様のマーク付けを行なうことができ、かつ前記署名層を
形成する層によって、前記磁性層が被覆されることであ
る。前記署名層は前記磁性層の全領域の上にわたって延
在してもよく、あるいは、その部分的区域のみに配置さ
れてもよく、例えば署名を受ける領域を形成するのに充
分な別の表面部分に配置してもよい。前記署名層が前記
磁性層の上に設けられるという事実により、前記磁性帯
片層および署名領域のために、例えばカード上に必要と
するスペースがより少なくて済むという利点が得られ、
これは、一方で、前記カードの寸法を減少させる可能性
という点に関して望ましく、あるいは他方において、署
名のために得られるスペースの量、および前記磁性層内
のデータの貯蔵量を増大させるという点に関して望まし
いものである。また、前記署名層は、一般に比較的暗い
金属層よりも外観がかなり魅力的である。なぜなら、前
記金属層はその中に金属顔料を含有するからであり、そ
れゆえ通常は明色のクレジットもしくはチェックカード
とはかなり対照的となっているからである。さらに、前
記磁性層が存在するにもかかわらず、前記署名層は、今
まで署名領域もしくはパネルのために設計された箔と同
様の方法により、図形的形状のものであることができ、
あるいは、同署名層には、その上の署名の偽造を困難も
しくは不可能にする付加的手段を設けてもよい。それゆ
え、本発明が提供する箔は、一方で、磁性帯片または署
名パネルもしくは領域を前記クレジットカード等へ付設
することに含まれる作業をかなり簡略化するとともに、
他方で、従来の磁気帯片よりも外観がかなり魅力的にな
る。最後に、前記署名層の領域は、従来の同一サイズの
カードに見出される領域よりも大きくすることができ
る。

前記署名層の表面を充分に粗くして、その上に署名もし
くは同様の書き込みを満足に受けるようにするため、前
記署名層は粗いラッカーのにより形成されるのが望まし
く、このラッカーの層は、前記裏張り箔の除去時に自ら
粉砕する。前記署名層を形成しているラッカーは、それ
に顔料を充分に付加されたラッカーであってもよい。

磁性帯片を有する書類もしくは保証物品に関して、前記
磁性帯片内に貯蔵された可変データを操作しようとする
企てが時々なされてきた。例えば、クレジットカードの
場合、前記磁性帯片において、貸借勘定に関する信用貸
しのレベルをより高い方へ直すように、あるいは信用貸
しの限度をより高い方へ直すように企てがなされてき
た。この理由のため、磁性帯片に貯蔵されたデータの偽
造および変造に対する保護を強化するための努力におい
て、種々な方法が提案されてきた。例えば、そのような
方法の１つは、前記磁性帯片のコーディング内に、磁性
顔料からなるパターンを形成することを提案している。
このパターンは、前記帯片の長手方向に関して４５゜の
角度で配置される。前記帯片の磁化に関するその４５゜
の基本的パターンは、そのようなデータの変造を望む人
物の観点から、既知の装置を用いて通常の割に合う費用
で変更することはできないものである。

使用できる他の方法は、２層の磁性帯片を採用すること
であり、この場合、一方の層が高い抗磁力を有し、換言
すると、それは変更の困難な情報の項目を担持し、また
通常は前記最初に述べた層の上に位置する前記他方の層
が、低レベルの抗磁力を以て、消去可能なデータを担持
する。しかし、そのような２層の磁性帯片は、製造が比
較的困難であるとともに、そのエンコーディング（符号
づけ）に関する問題を増大させる。さらに、そのような
磁性帯片が使用されるとき、書き込みをなすことができ
る追加的な層に設けることは不可能である。

今、偽造もしくは変造に対する保護を強化するため、本
発明は、好ましい実施例において、さらに次のような提
案をしている。すなわち、前記移送層が、前記磁性層お
よび前記署名層の間に、少なくとも１つの回折層を備え
ることを提案し、この回折層は、光学的回折効果を有す
る構造、例えばホログラフ的構造を受容するためのもの
であり、この場合、前記署名層は部分的に付設され、こ
の方法により、前記構造は前記裏張り箔の除去後にも、
前記署名層の側から依然として検知可能となる。本発明
による箔において、上記した構造は、前記磁性層内に貯
蔵される可変データに加えて、例えばカードの保持者等
に関する固定されたデータのような不変データの貯蔵も
可能にする。それで、もし上記した固定データを変更し
ようとする企てがなされたとすると、前記構造および、
おそらく前記磁性層でさえも結果的に損傷および破壊に
苦しむことになるであろう。実状はその通りである。な
ぜなら、特に上記構造は前記署名層のそばに設けられて
いるからである。前記回折構造および前記署名層が存在
するにもかかわらず、本発明による箔は、次のような性
質を有することができる。すなわち、前記磁性層の上に
配置される層が充分に薄くて、前記磁性層により発生さ
れる信号がその関連における適切な基準に従うという性
質を有することができる。その関係において、前記署名
層および前記回折層の認容できる厚さは、本質的に前記
磁性層の磁性特性に依存し、さらに詳細には前記磁性層
の性質、分散状態、方向性の関係、着色のレベル、およ
び厚さ、ならびに明らかに使用される顔料に依存する。
テストによると、厚さが１０μｍ以下の比較的薄い磁性
層を使用できることが示され、またその外観が前記箔の
加工性および取扱い性に関して、ならびにその特性、例
えば前記層の凝集力に関して、特に有利な結果を有する
ことが示された。さらに、前記回折層が設けられている
にもかかわらず、前記署名層は充分に滑らかとなること
ができるので、より詳細に説明すると、それは直接前記
裏張り箔に当接するので、前記箔が所定箇所へ浮き出し
を施されたのち、前記箔は表面粗さのレベルが非常に低
くなる。その理由は、実際は前記表面の粗さの度合が前
記裏張り箔の表面に依存するからである。もし、例えば
前記裏張り箔がポリエステル・フィルムからなるとする
と、それの表面粗さの度合か１μｍ以下であると見なす
ことができ、換言すると、磁性箔に関して必要とされる
基準、すなわち最大が２．５μｍである粗さの平均値を
はるかに超える。

本発明によると、前記署名層は、前記浮出し箔の表面部
分のうち、前記回折構造が見出される表面部分から区別
される表面部分のみに設けることができる。例えば、前
記回折構造は、前記署名領域に併設されてもよい。

しかし、前記署名層は、格子状もしくはパターン状の形
態のみにおいて前記回折層を被覆するように構成される
のが特に望ましい。そのような性質の箔を用いると、前
記署名層は、例えばドット格子、線の単一もしくは複数
の格子、または全く特別な形態の記号の形にあるパター
ン等の異なる格子状パターンを選択的に用いて、例えば
押印処理等により、格子状の形態内のみに付設される。
前記署名層が、そのように、格子状のパターンにおいて
前記回折層を被覆するという方法により付設される事実
にもかかわらず、ホログラムのような前記回折構造は、
適宜の機械を用いて依然として全体を確認されること、
あるいは読み取られることさえ可能である。なぜなら、
光学的回折効果を有するホログラムおよび他の特別な構
造に関して、そのようなホログラムおよび構造は、それ
ら一部が被覆あるいは遮蔽されているときでさえも、そ
れらの全情報を依然として提供すると見なされるべきだ
からである。それの理由は、その場合明らか信号・ノイ
ズ比が僅かに低減されるけれども、前記回折構造の表面
の各要素が当該構造内に貯蔵されている情報の全項目を
提供することができるからである。

理解されるように、前記署名層が前記箔の限定された表
面部分のみに付設されるという事実により、前記箔の自
由表面は、前記裏張り箔の除去後に不均一になり、望ま
しくない結果になる。それが生じるのを防ぐため、本発
明は好ましい実施例において、前記署名層により被覆さ
れない前記回折層および／または前記磁性層の表面部分
を、適切な厚さの透明ラッカーからなる層により被覆
し、それにより前記移送層のための平坦で均一な表面を
形成することをさらに提案している。前記透明ラッカー
の層は、解放もしくは剥離ラッカーにより形成されるの
が望ましい。前記透明ラッカーの層は、前記光学的回折
効果を有する構造の読み取り性に干渉しない。もし、前
記透明ラッカーの層が、上記したように、解放ラッカー
により形成されているならば、その場合、前記裏張り箔
および前記署名層間に別の分離もしくは解放層を設ける
必要がない。さらに、そのような性質の構成は、前記署
名層が前記裏張り箔から前記透明ラッカー層よりも容易
には取れないという利点を有し、その結果、前記署名層
からなる片が前記裏張り箔にぴったりくっついたままで
残り、それゆえ前記署名層上への書き込みを容易にする
充分な程度まで、前記署名層の表面を粗くする。

本発明の有利な実施例によると、前記光学的回折効果を
有する構造は、前記磁性層のための保護ラッカーの層の
中へ形成もしくは浮き出され、その結果、前記護ラッカ
ーの層は回折層としての役目をし、したがって前記構造
は、前記磁性層および前記署名層間における例えば障壁
層内に形成される。理解されるように、前記回折構造を
担持するため前記障壁層が用いられるとき、それは、従
来の磁性層浮出し箔と比較して、厚さを何ら増大させる
結果にはならない。さらに、前記箔の製造は非常に簡単
である。なぜなら、前記光学的回折効果を有する構造の
形成もしくは浮き出し作業は別として、他の作業操作を
何ら必要としないからである。また、前記回折構造が、
前記磁性層に向かう前記回折層の側に設けられていると
き、前記構造は、前記裏張り箔が除去された後に依然と
して保護されるという利点が得られ、特に前記箔の露出
された表面の滑らかさの度合が不本意に影響されること
がないという利点が得られる。

光学的回折効果を生じる前記構造は、一般にホログラフ
的回折構造である。そのような構造は、視認可能なホロ
グラムであってもよく、あるいは裸眼もしくは普通の照
明状態の下では視認できないホログラムであってもよ
い。また、用語「光学的回折効果を有する構造」、ある
いは簡単に回折構造というような対応する用語は、本発
明によると、機械により読み取ることが可能な構造と、
機械によるそれの読み取りを許さない構造の両方を包含
する。特に、前記回折構造が裸眼で視認されるべきと
き、あるいは機械により読み取られることができるもの
であるとき、前記磁性層および保護ラッカーの層間にお
いて、前記裏張り箔に向かう前記磁性層の側には、前記
回折構造を用意する非磁性金属の層を設けるのが望まし
い。同金属層は望ましくはアルミニウムもしくはアルミ
ニウム合金であり、これらは蒸着により付設される。そ
のような方法に従い追加の金属が存在することにより、
前記回折構造の視認性が改善されるとともに、保護され
るべき書類の外観に関する他の効果も得られ、これは、
クレジットカードのような或る用途領域に関する重要な
考慮事項となることがある。

最後に、本発明の好ましい特徴によると、前記磁性層お
よび／または前記署名層および／または前記回折層およ
び／または前記透明ラッカーの層および／または前記障
壁層が着色され、それにより特別の装飾的もしくは光学
的効果を生じる。

前記ラッカーの層は、当該使用されるラッカーの粘性お
よび各層の厚さに従い、浮出し箔の製造に関して既知の
処理により付設されることが可能であり、例えばパター
ン・ローラー（凹刻印刷）、ローラータイプのゴムロー
ラーもしくはドクター、逆転ローラー処理、鋳造等によ
り付設されることができる。

前記金属化の作業も、例えば真空蒸着または陰極線スパ
ッタリングのような、顔料なしで作用する既知の処理法
を用いて実施することができる。

本発明の他の目的、特徴、および利点は、本発明による
高温処理浮出し箔である２つの好ましい実施例に関する
以下の説明から明らかになるであろう。

（好ましい実施例の説明）図面を参照すると、それには各浮出し箔の実施例が示さ
れており、それらの各々は担持体もしくは裏張り箔１を
包含し、この裏張り箔１は例えば厚さが約１９μｍであ
るとともに、ポリエチレン・グリコール・テレフサレー
ト（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ、ｇｌｙｃｏｌ、ｔｅｒ
ｅｐｔｈａｌａｔｅ）のような任意の適宜材料からなる
ことができるものである。前記裏張り箔１には、印刷工
程による結果として、移送層２ａ（第１図）または２ｂ
（第２図）が付設され、これらは、これらを固着すべき
基層に対して付設された後、前記裏張り箔から離脱され
ることができる。第１図および第２図の各々に示されて
いる前記箔間の相違は、前記各移送層２ａおよび２ｂの
性質にある。

初めに第１図を参照すると、前記移送層２ａは前記裏張
り箔１から開始するとともに、署名層９を備え、これ
は、符号13により示されるような中間層部分により部分
的に遮蔽され、中間層部分13は例えば印刷処理により付
設され、それにより前記署名層９の表面の凹部に配置さ
れる層部分を構成する。前記署名層９は、前記裏張り箔
１の除去後に、符号11で示されるような露出表面を形成
する。前記移送層２ａは、さらに分離もしくは解放ラッ
カーの層３と、磁性層６とを備えている。前記各層の厚
さは正しい寸法では示されていないことを理解すべきで
ある。例えば、前記ポリエステル・フィルム（裏張り箔
１）の厚さが、約１０〜２５μｍおよび好ましくは１９
μｍであるとき、前記署名層９の厚さは０．５〜２μｍ
および好ましくは約１．５μｍとすることができる。交
差結合するラッカーからなる前記層３の厚さは、０．５
および１μｍ間にあり、好ましくは約０．８μｍであ
る。前記磁性層は、普通の厚さが４〜１３μｍで、好ま
しくは約９μｍである。

前記磁性層６に隣接して接着層を選択的に設けることも
可能であり、その接着層の厚さは０〜４μｍであり、好
ましくは約１．５μｍである。しかし、前記磁性層６の
特別な成分を考慮したところによると、前記接着層はし
ばしば省略することが可能であり、特に第１図に示され
た前記浮出し箔が例えばＰＶＣを備えるカードに付設さ
れるべきであるとき、それを省略することができる。

第１図に示された各層３，６，９および13は、次のよう
な成分を有している。

ラッカーＤ（磁性層６）前記磁性層６は、ポリウレタン結合剤中の針状γ−Ｆｅ
_２Ｏ_３磁気顔料からなる分散体と、種々なラッカー付加
剤と、メチル・エチル・ケトン（ｍｅｔｈｙｌｅｔｈ
ｙｌ、ｋｅｔｏｎｅ）およびテトラハイドロフラン（ｔ
ｅｔｒａｈｙｄｒｏｆｕｒａｎ）を包含する溶剤混合体
とからなっている。このような磁気的分散体は、本来既
知である。しかし、前記磁性層は、必らずしも上記した
成分のものである必要はない。例えば、前記Ｆｅ_２Ｏ_３
顔料の代りに、Ｃ_０−ドープ塗料を塗られた磁性酸化鉄
（Ｃ_０−ｄｏｐｅｄ、ｍａｇｎｅｔｉｃ、ｉｒｏｎ、ｏ
ｘｉｄｅｓ）、またはＳｒもしくはＢａ−ｆｅｒｒｉｔ
ｅのような他の細かく分散された磁性材料のごとき、他
の磁性顔料を使用することも可能である。前記磁性層の
結合剤の組合わせは、前記箔を付設すべき基層に適合さ
れる。

第１図に示されている前記箔を製造するための作業手順
は次の通りである。

前記裏張り箔１を置いて、凹刻印刷処理により、所定パ
ターンの、例えば装飾的配置の前記層部分13を形成する
ため、最初にラッカーＢが付設され、このときのラッカ
ーＢの付設重量は０．４ｇ／ｍ^２とされ、また表面被覆
の度合は０．２と取られる。次に、ラッカーＡが同様の
処理により線の格子またはパターン形に付設され、かつ
その付設重量は５．０ｇ／ｍ^２とされ、さらにこれに
は、前記ラッカーＣが続いて設けられる。ラッカーＣは
同様の処理により線の格子もしくはパターン形に付設さ
れるが、その付設重量は約１．５ｇ／ｍ^２とされる。乾
燥は、各場合において、約１００〜１２０℃で行なわれ
る。

その関係において、前記ラッカーＣは、続いて付設され
る前記磁性層と、前記署名層９を形成する通常は明るい
ラッカーとの間に、障壁層を形成するようなものであ
る。

前記ラッカーＡ，ＢおよびＣの層が乾燥された後、前記
磁性層を形成する磁気的分散体がそれ自体既知の方法で
付設され、その際、前記磁気的分散体の針状体は、前記
ラッカーが未だ濡れている状態の間に、強い磁力により
前記箔の長手方向に整列される。次に、前記箔は、磁性
箔に対する通常の方法によりカレンダーロール機にかけ
られる。

前記移送層２ａの磁気的特性を検査する目的のため、同
移送層は、本来既知の浮き出し加工により（例えば１８
０℃の温度以上で圧延されることにより）、ＰＶＣカー
ドへ付設され、そして書き込み電流強度に関連する信号
読み取り電圧が測定される。テストによると、前記箔
は、信号強度および耐磨滅性、ならびに表面粗さに関連
する通常の基準条件を充たすことが示された。

以下、第２図を参照すると、これはこの発明の原理に従
う箔の第２実施例を示している。同図に示されているよ
うに、第１図に示されている移送層２ａと同様の移送層
２ｂが磁性層６′および表面層８を備え、表面層８には
少なくとも部分的にラッカー９′が設けられ、ラッカー
９′には、書き込みもしくは同様のマーク付けをなすこ
とができる。第２図に示された箔と第１図に示されたそ
れとの間の主な相違は、第２図の箔の移送層２ｂに、光
学的回折効果を有する構造７がさらに設けられているこ
とである。

第２図に示された箔において、前記表面層８は次のよう
な形態のものでなければならない。すなわち、前記箔内
にそれが存在するにもかかわらず、前記箔が、それを固
定すべき基層に対して、浮き出し加工により適切に付設
された後、換言すると前記裏張り箔１が除去されたと
き、前記裏張り箔１の側から、すなわち前記層８の露出
表面上へ注目することにより、前記構造７が依然として
視認されるような形態のものでなければならない。これ
は次のような事実により達成される。すなわち、前記層
８により与えられる実際の署名層は、それの或る領域も
しくは部分のみに設けられるという事実により達成され
る。その目的のため、図示の実施例においては、前記層
８が二種類のラッカーから形成されている。すなわち、
その１つはラッカー９′であって、これは、通常は非透
明であるとともに、例えばドットの格子もしくはパター
ン、および線の格子もしくはパターン等のごとき、格子
状もしくはパターンの形態に付設される。また、他の１
つは透明もしくは半透明のラッカー10であり、これは、
前記ラッカー部分９′間に形成される各スペースもしく
は開口内に設けられる。前記ラッカー９′、および前記
ラッカー９′の部分間のスペースを満たす前記ラッカー
10はほぼ同一厚さのものであり、それゆえ符号11で示さ
れるように、前記裏張り箔１に向かうほぼ平坦な表面を
形成する。したがって、前記表面11は、前記裏張り箔１
が除去されたとき、前記署名層の露出表面を形成する。
前記不透明なラッカー９′が存在するにもかかわらず、
前記構造７は依然として読み取られることが可能であ
り、特にそれがホログラムであるときは、その信号・ノ
イズ比がより貧弱になるとしても、その読み取りが可能
である。なぜなら、ホログラムの場合、その各領域に情
報の全項目を貯蔵することができるからである。

第２図の実施例で使用される前記ラッカーは次の通りで
ある。

磁性層６′（実施例１参照）第２図に示されている箔の製造のための手順は次の通り
である。

一致の不正確度が０．０５ｍｍよりも小さく、かつ２つ
の沈み彫り印刷パターンを持つローラーを有する２色の
印刷機械を用いて、前記ラッカーＦおよびＧが、（前記
ラッカー部分９′および10を形成するため）、互いに精
密かつ密接に係合する状態で、厚さが１９μｍのポリエ
チレン・グリコール・テレフタレート箔（ｐｏｌｙｅｔ
ｈｙｌｅｎｅｇｌｙｃｏｌｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａ
ｔｅｆｏｉｌ）へ印刷により付設される。前記ラッカ
ーＦおよびＧは、初めは上記した条件に従って製造され
るが、溶剤の含有量を減少され、それから、試験印刷の
後、当該２つのラッカーに関連する各乾燥の厚さが、全
く同一の程度すなわち約１．５μｍになる段階まで希釈
される。それゆえ、それは前記箔１上に、ほぼ均一な厚
さの連続的な層８を形成し、これは、前記署名可能なラ
ッカーＧの部分９′と、前記ラッカーＦにより形成され
た他の部分10とからなっている。同時に、前記ラッカー
Ｆは、前記ラッカーＧが前記裏張り箔１に対しておそら
くぴったりくっついている間に、前記裏張り箔１から容
易に離れるという特性を有し、それゆえ、前記裏張り箔
１が剥離されるとき、前記ラッカーＤがその表面で引き
剥がされることを経験し、それゆえ、より容易に書き込
みをなすことができる粗い表面を露呈する。

前記箔に対するラッカーＦ，Ｇの付設作業に続いて、前
記ラッカーＨが、線状パターンまたは格子状沈み彫りを
持つ印刷ローラーを用いて、約１．２ｇ／ｍ^２の重さに
付設され、そして次に１２０℃で乾燥される。次に、こ
の例ではホログラム（ｈｏｌｏｇｒａｍ）である前記構
造７が、例えばニッケルを備えるダイを用いて、約１３
０℃の温度で前記ラッカーＨの中へ浮き出され。あるい
は押印される。その作業は、前記層３′を製造するため
に用いられる前記ラッカーの式に従って、異なる時に行
なわれる。前記構造７が形成された後、前記ラッカーの
層３′が交差結合または何らかの他の方法により設置さ
れる。前記構造７を製造する目的のため、前記ダイは好
ましくは電気的に加熱され、また前記構造７の製造作業
の後、前記ダイが前記ラッカー３′から離れるように上
昇される前に、前記ダイは再び冷却されてもよい。

前記構造７が形成されてすぐ、かつ前記層３′が充分に
硬いとき、アルミニウムが、約１．３・１０^-4mbarの圧
力で、蒸着により前記層３′へ付設され、その付設され
た層の厚さは約２００・１０^-10mAとなる。

次に、前記磁性分散体６′が、約９μｍの厚さで付設さ
れ、そして、カレンダーロール機にかけることと、前記
分散体中の磁性粒子を適切に整列させることにより、通
常の方法で仕上げが施される。

原理的には、前記構造７を直接前記層３′の中へ浮き出
させること、あるいは押印することをせず、初めに前記
金属層４を付設し、次に、その中に前記構造７を形成す
ることも可能である。

通常のテストにおいて、第２図に示された箔は、磁気的
データ搬送体に関する適切な基準の条件を満たすこと、
特に、適切な信号電圧と、摩耗および摩滅に対する充分
な抵抗とに関して、必要な条件を満たすことが示され
た。

第１図の実施例における前記層３と、第２図に示された
実施例における前記層４に関連する前記層３′とは、前
記署名層９または９′および10が、前記磁性層６中に含
まれた溶剤により攻撃もしくは溶解されるのを防止でき
る障壁層層を構成することが、理解されるであろう。

第１図および第２図に関連して上記した各実施例は、端
に本発明の原理の例によって記載されたもので、本発明
の精神および範囲から離れることなく、他の変更および
交換をなし得ることが理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、磁性層および署名層を有する本発明による浮
出し箔の断面図、第２図は、磁性層、回折層、および署名層を有する本発
明による高温浮出し箔の断面図である。１……裏張り箔、２ａ，２ｂ……移送層３……障壁層、３′……回折層４……金属層、６，６′……磁性層７……回折構造、８……表面層９，９′……署名層（非透明ラッカー）１０……透明ラッカー、11……露出表面 13……中間層部分

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１および第２表面を有する裏張り箔と、
前記裏張り箔の前記第１表面から取り外し可能な同第１
表面上の移送層手段とを具備し、前記移送層手段は磁性
層を包含し、この磁性層は、第１および第２側を有する
とともに、結合剤中の磁性粒子の分散体を備え、前記移
送層手段は、前記裏張り箔に向かう前記磁性層の前記第
１側において、その上に、少なくとも１つのラッカーの
層を少なくとも部分的に有しており、前記ラッカーの層
は、前記裏張り箔の除去後に、署名層を構成するため書
き込みをなすことができる表面を形成し、この点におい
て、前記署名層および前記磁性層間には障壁層が設けら
れ、この障壁層は、前記磁性層内に含まれる溶剤により
前記署名層が攻撃されるのを防ぐように構成されている
ことを特徴とする浮出し箔。
【請求項２】前記署名層が、粗いラッカーの層により形
成され、これは、前記裏張り箔の除去の際、自ら破れる
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮出し
箔。
【請求項３】前記障壁層が、交差結合する樹脂の層によ
り形成されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
項記載の浮出し箔。
【請求項４】前記移送層手段が、前記磁性層および前記
署名層間に、光学的回折効果を有する構造を設けるため
の少なくとも１つの回折層を包含し、前記署名層は、前
記構造が前記裏張り箔の除去後にも依然として前記署名
層の側から視認されるように、部分的に付設されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮出し
箔。
【請求項５】前記構造が、ホログラムの効果を発生する
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮出し
箔。
【請求項６】前記署名層が、前記構造の配置されている
表面部分から区別される前記浮出し箔の表面部分に設け
られていることを特徴とする特許請求の範囲第４項記載
の浮出し箔。
【請求項７】前記署名層が、格子状のパターンのみにお
いて前記回折層を被覆するように設けられていることを
特徴とする特許請求の範囲第４項記載の浮出し箔。
【請求項８】前記署名層により被覆されない前記回折層
の表面部分が、前記移送層手段上に平坦な表面を形成す
るため、適宜な厚さの透明なラッカーの層で被覆されて
いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮出
し箔。
【請求項９】前記署名層により被覆されない前記磁性層
の表面部分が、前記移送層手段上に平坦な表面を形成す
るため、適宜な厚さの透明なラッカーの層で被覆されて
いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮出
し箔。
【請求項１０】前記透明なラッカーの層が、解除ラッカ
ーにより形成されていることを特徴とする特許請求の範
囲第８項記載の浮出し箔。
【請求項１１】前記透明なラッカーの層が、解除ラッカ
ーにより形成されていることを特徴とする特許請求の範
囲第９項記載の浮出し箔。
【請求項１２】前記回折層が、前記磁性層のための保護
ラッカーの層により形成され、前記構造が前記保護ラッ
カーの層の中へ浮き出されていることを特徴とする特許
請求の範囲第４項記載の浮出し箔。
【請求項１３】前記構造が、前記磁性層に向かう前記回
折層の側において浮き出されていることを特徴とする特
許請求の範囲第１２項記載の浮出し箔。
【請求項１４】前記裏張り箔に向かう前記磁性層の第１
側に、非磁性金属の層をさらに備え、前記金属層が前記
構造を有していることを特徴とする特許請求の範囲第４
項記載の浮出し箔。
【請求項１５】前記金属層が、蒸着により付設されるア
ルミニウムの層であることを特徴とする特許請求の範囲
第１４項記載の浮出し箔。
【請求項１６】前記金属層が、蒸着により付設されるア
ルミニウム合金の層であることを特徴とする特許請求の
範囲第１４項記載の浮出し箔。
【請求項１７】前記磁性層、前記署名層、および前記障
壁層の少なくとも１つが、着色されていることを特徴と
する特許請求の範囲第１項記載の浮出し箔。
【請求項１８】前記回折層が着色されていることを特徴
とする特許請求の範囲第４項記載の浮出し箔。
【請求項１９】前記透明なラッカーの層が着色されてい
ることを特徴とする特許請求の範囲第８項記載の浮出し
箔。
【請求項２０】前記透明なラッカーの層が着色されてい
ることを特徴とする特許請求の範囲第９項記載の浮出し
箔。
【請求項２１】前記移送層手段の前記第２側に接着層を
さらに備え、この接着層は、前記移送層手段を付設すべ
き基層に対して同移送層手段を固定するように適合され
ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の浮
出し箔。