JPH06304719A - 連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置 - Google Patents
連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置Info
- Publication number
- JPH06304719A JPH06304719A JP9772193A JP9772193A JPH06304719A JP H06304719 A JPH06304719 A JP H06304719A JP 9772193 A JP9772193 A JP 9772193A JP 9772193 A JP9772193 A JP 9772193A JP H06304719 A JPH06304719 A JP H06304719A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- magnetic field
- continuous casting
- coil
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブルーム,ビレット用鋳型においても効率良
くかつ効果的に、電磁撹拌力と制御力を付加する。制動
力の方向を規定する磁界方向を設備対応で設定可とす
る。 【構成】 ブルーム,ビレット用鋳型の周りを包囲する
鉄心に、鋳型四辺の背部にあって、それぞれの四辺の幅
とほぼ同じ幅の磁極を、コイルを巻回して設け、その磁
極の高さ方向の中心がメニスカス下方から400mm以
内で、かつ、浸漬ノズル吐出口中心から下方0〜300
mmとなるように配置し、磁極に巻回したコイルに交流
電流および直流電流を給電する交直両用の電源装置を設
けたブレーキ兼用電磁撹拌装置。直交するコイルで直交
する2つの直流磁界を発生させ、これらの直流磁界強さ
を相対的に調整して、鋳型内溶鋼に対して任意の方向の
制動用合成直流磁界を生成する。
くかつ効果的に、電磁撹拌力と制御力を付加する。制動
力の方向を規定する磁界方向を設備対応で設定可とす
る。 【構成】 ブルーム,ビレット用鋳型の周りを包囲する
鉄心に、鋳型四辺の背部にあって、それぞれの四辺の幅
とほぼ同じ幅の磁極を、コイルを巻回して設け、その磁
極の高さ方向の中心がメニスカス下方から400mm以
内で、かつ、浸漬ノズル吐出口中心から下方0〜300
mmとなるように配置し、磁極に巻回したコイルに交流
電流および直流電流を給電する交直両用の電源装置を設
けたブレーキ兼用電磁撹拌装置。直交するコイルで直交
する2つの直流磁界を発生させ、これらの直流磁界強さ
を相対的に調整して、鋳型内溶鋼に対して任意の方向の
制動用合成直流磁界を生成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造鋳型に注入さ
れた溶湯を積極的に制動する制動方法、ならびに、該溶
湯を積極的に水平撹拌しかつ制動するブレーキ兼用電磁
撹拌装置に関する。
れた溶湯を積極的に制動する制動方法、ならびに、該溶
湯を積極的に水平撹拌しかつ制動するブレーキ兼用電磁
撹拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばブルーム,ビレット等の連続鋳造
においては、中心偏析や表面品質の改善を目的として、
鋳型に注入される溶鋼を水平方向に電磁撹拌する方法が
採用されている。従来の電磁撹拌法は、モータの固定子
と同様に作用する複数の磁極を電磁撹拌装置として装備
した鋳型に溶鋼を注入し、前記撹拌装置に3相交流又は
2相交流を給電することにより電磁力を溶鋼に付与し、
0.1〜1.0■/sec程度の水平流動を発生させるものであ
る(例えば特開昭63-252651号公報,特開昭63-286257号
公報等参照)。
においては、中心偏析や表面品質の改善を目的として、
鋳型に注入される溶鋼を水平方向に電磁撹拌する方法が
採用されている。従来の電磁撹拌法は、モータの固定子
と同様に作用する複数の磁極を電磁撹拌装置として装備
した鋳型に溶鋼を注入し、前記撹拌装置に3相交流又は
2相交流を給電することにより電磁力を溶鋼に付与し、
0.1〜1.0■/sec程度の水平流動を発生させるものであ
る(例えば特開昭63-252651号公報,特開昭63-286257号
公報等参照)。
【0003】又、鋳型に注入した溶鋼には微小な介在物
や気泡が含まれており、これが溶鋼中に残留し凝固する
と製品欠陥の原因となる。そこで、これら介在物や気泡
をメニスカスまで浮上せしめ溶鋼中より除去する方法と
して、電磁制動(ブレーキ)が行われている。すなわ
ち、鋳型の長辺背部に配置した永久磁石又は電磁石を用
いて溶鋼に静止磁界を作用させ、溶鋼流速を積極的に減
速することにより、介在物や気泡が鋳片深部に侵入する
のを防ぐと共に、それらが浮力によって浮上することを
促進することがおこなわれている(例えば特開昭57-173
56号公報,特開昭58-188555号公報等参照)。
や気泡が含まれており、これが溶鋼中に残留し凝固する
と製品欠陥の原因となる。そこで、これら介在物や気泡
をメニスカスまで浮上せしめ溶鋼中より除去する方法と
して、電磁制動(ブレーキ)が行われている。すなわ
ち、鋳型の長辺背部に配置した永久磁石又は電磁石を用
いて溶鋼に静止磁界を作用させ、溶鋼流速を積極的に減
速することにより、介在物や気泡が鋳片深部に侵入する
のを防ぐと共に、それらが浮力によって浮上することを
促進することがおこなわれている(例えば特開昭57-173
56号公報,特開昭58-188555号公報等参照)。
【0004】更には、鋳造をストップすることなく異な
る鋼種の溶鋼を連続して鋳造する異鋼種連々鋳時に、上
述の装置によって溶鋼に電磁制動を付与し、異鋼種が混
合する部位の範囲を縮小させ、歩留まりを向上させるこ
とが試みられている。
る鋼種の溶鋼を連続して鋳造する異鋼種連々鋳時に、上
述の装置によって溶鋼に電磁制動を付与し、異鋼種が混
合する部位の範囲を縮小させ、歩留まりを向上させるこ
とが試みられている。
【0005】又、これらの複合技術として、電磁コイル
に交流電源と直流電源を選択的に接続自在とし、電磁撹
拌および電磁制動の両機能を兼ね備えた鋳型も考案され
ている(特開昭63−188461号公報等参照)。
に交流電源と直流電源を選択的に接続自在とし、電磁撹
拌および電磁制動の両機能を兼ね備えた鋳型も考案され
ている(特開昭63−188461号公報等参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭63−18
8461号公報に開示のブレーキ兼用電磁撹拌装置
は、、図6に示すように、鋳型長辺背部にリニアモータ
コイルを設置し、溶鋼を撹拌又は制動するものであり、
スラブ用のブレーキ兼用電磁撹拌装置であった。この装
置では、短辺背部に電磁コイルが無いため、回転磁界を
発生させることは出来ない。そのため、小断面であるブ
ルームあるいはビレットを鋳造する鋳型内の溶鋼を効率
良く撹拌することができない。又、溶鋼を制動させるた
め直流磁界を印加する場合、図6に示すように、磁束は
コア間隔の2倍の空隙を通過しなければならず、磁束が
大幅に減衰する要因となっていた。さらに、直流磁界は
図6のように長辺に対して垂直な磁界しか印加できな
い。仮に、図7の(a)に示すような二孔ノズル(浸漬
ノズル)からの吐出流に対して、長辺に対して垂直な磁
界を印加した場合を想定する。吐出流は短辺に衝突した
後、上昇流と下降流に分かれる。さらに下降流はノズル
に向かう循環流を形成する。この下降流に図7の(b)
の如く磁界を印加すると、溶鋼にはフレミングの法則に
基づき、概念的に図7の(b)のような誘導電流が生じ
る。この場合、短辺近傍では磁界に垂直方向の電流成分
が小さくなるため、短辺近傍の下降流に対しては効率良
く制動力が生じない。この様に、制動力の大きさは、磁
界の方向および溶鋼の流動方向に対して密接な関係があ
る。鋳型内の溶鋼流の方向は、浸漬ノズルの吐出角度,
鋳片サイズ等により複雑に変化するため、各々の設備条
件によって、最適な直流磁界の印加方向が存在すると考
えられる。しかるに、従来の装置では磁界の印加方向を
調整することが出来ない。
8461号公報に開示のブレーキ兼用電磁撹拌装置
は、、図6に示すように、鋳型長辺背部にリニアモータ
コイルを設置し、溶鋼を撹拌又は制動するものであり、
スラブ用のブレーキ兼用電磁撹拌装置であった。この装
置では、短辺背部に電磁コイルが無いため、回転磁界を
発生させることは出来ない。そのため、小断面であるブ
ルームあるいはビレットを鋳造する鋳型内の溶鋼を効率
良く撹拌することができない。又、溶鋼を制動させるた
め直流磁界を印加する場合、図6に示すように、磁束は
コア間隔の2倍の空隙を通過しなければならず、磁束が
大幅に減衰する要因となっていた。さらに、直流磁界は
図6のように長辺に対して垂直な磁界しか印加できな
い。仮に、図7の(a)に示すような二孔ノズル(浸漬
ノズル)からの吐出流に対して、長辺に対して垂直な磁
界を印加した場合を想定する。吐出流は短辺に衝突した
後、上昇流と下降流に分かれる。さらに下降流はノズル
に向かう循環流を形成する。この下降流に図7の(b)
の如く磁界を印加すると、溶鋼にはフレミングの法則に
基づき、概念的に図7の(b)のような誘導電流が生じ
る。この場合、短辺近傍では磁界に垂直方向の電流成分
が小さくなるため、短辺近傍の下降流に対しては効率良
く制動力が生じない。この様に、制動力の大きさは、磁
界の方向および溶鋼の流動方向に対して密接な関係があ
る。鋳型内の溶鋼流の方向は、浸漬ノズルの吐出角度,
鋳片サイズ等により複雑に変化するため、各々の設備条
件によって、最適な直流磁界の印加方向が存在すると考
えられる。しかるに、従来の装置では磁界の印加方向を
調整することが出来ない。
【0007】上述のごとき従来技術をブルーム,ビレッ
ト等を鋳造する鋳型用のブレーキ兼用電磁撹拌装置とし
て適用すると、溶鋼を効率良く撹拌しかつ制動すること
は困難である。
ト等を鋳造する鋳型用のブレーキ兼用電磁撹拌装置とし
て適用すると、溶鋼を効率良く撹拌しかつ制動すること
は困難である。
【0008】本発明は、鋳型内溶湯に効率良くかつ効果
的に制動をかけることを第1の目的とし、効率良くかつ
効果的に電磁撹拌力および制御力を加えるブレ−キ兼用
電磁撹拌装置を提供することを第2の目的とする。
的に制動をかけることを第1の目的とし、効率良くかつ
効果的に電磁撹拌力および制御力を加えるブレ−キ兼用
電磁撹拌装置を提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の制動方法は、連
続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心に、鋳型四辺の背部で
あって、それぞれの四辺の幅とほぼ同じ幅の磁極を、コ
イルを巻回して設け、そのコイルに直流電流を流し、直
交する2つの直流磁界を発生させ、その2つの直流磁界
強さを変化させて鋳片に対して任意の方向の合成直流磁
界を印加することを特徴とする。
続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心に、鋳型四辺の背部で
あって、それぞれの四辺の幅とほぼ同じ幅の磁極を、コ
イルを巻回して設け、そのコイルに直流電流を流し、直
交する2つの直流磁界を発生させ、その2つの直流磁界
強さを変化させて鋳片に対して任意の方向の合成直流磁
界を印加することを特徴とする。
【0010】本発明のブレーキ兼用電磁撹拌装置は、連
続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心;鋳型四辺の背部に、
その高さ方向の中心を連続鋳造鋳型内のメニスカス下方
から400mm以内としかつ浸漬ノズル吐出口中心から
下方0〜300mmとなる位置に配置され前記鉄心に結
合された、鋳型四辺のそれぞれの幅とほぼ同じ幅の磁
極;磁極に巻回されたコイル;および、コイルに交流電
流および直流電流を給電する交直両用の電源装置;を備
える。
続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心;鋳型四辺の背部に、
その高さ方向の中心を連続鋳造鋳型内のメニスカス下方
から400mm以内としかつ浸漬ノズル吐出口中心から
下方0〜300mmとなる位置に配置され前記鉄心に結
合された、鋳型四辺のそれぞれの幅とほぼ同じ幅の磁
極;磁極に巻回されたコイル;および、コイルに交流電
流および直流電流を給電する交直両用の電源装置;を備
える。
【0011】
【作用】本発明のブレーキ兼用電磁撹拌装置は、鋳型四
辺の背部にあって、それぞれの四辺の幅とほぼ同じ幅の
磁極を設けたので、鋳型短辺部にも磁界が十分にいきわ
たり、ブルーム,ビレット等の連続鋳造用鋳型内の溶湯
を効率良く撹拌もしくは制動することができる。磁極の
高さ方向の中心位置をメニスカス下方から400mm以
内としているので、メニスカスでも十分な撹拌流速(0.4
〜0.5m/sec程度)を確保でき、さらに、磁極の中心位
置を浸漬ノズルの吐出口中心から下方0〜300mmとしてい
るので、ノズル吐出流により引き起こされ介在物や気泡
を鋳片深部に侵入させる原因となる下降流に対して、電
磁コイルの発生しうる最大の制動力が作用し、これによ
り介在物や気泡が容易に浮上する。
辺の背部にあって、それぞれの四辺の幅とほぼ同じ幅の
磁極を設けたので、鋳型短辺部にも磁界が十分にいきわ
たり、ブルーム,ビレット等の連続鋳造用鋳型内の溶湯
を効率良く撹拌もしくは制動することができる。磁極の
高さ方向の中心位置をメニスカス下方から400mm以
内としているので、メニスカスでも十分な撹拌流速(0.4
〜0.5m/sec程度)を確保でき、さらに、磁極の中心位
置を浸漬ノズルの吐出口中心から下方0〜300mmとしてい
るので、ノズル吐出流により引き起こされ介在物や気泡
を鋳片深部に侵入させる原因となる下降流に対して、電
磁コイルの発生しうる最大の制動力が作用し、これによ
り介在物や気泡が容易に浮上する。
【0012】そして、コイルに交流電流および直流電流
を給電する交直両用の電源装置を備えるので、電磁撹拌
と電磁ブレーキの2つの機能があり、鋳造速度等の操業
条件に応じて、両機能を使い分けることができる。
を給電する交直両用の電源装置を備えるので、電磁撹拌
と電磁ブレーキの2つの機能があり、鋳造速度等の操業
条件に応じて、両機能を使い分けることができる。
【0013】さらに、鋳型四辺の背部磁極を設けたの
で、直交する磁極で直交する2つの直流磁界を発生さ
せ、その2つの直流磁界の強さを変化させて鋳片に対し
て任意の方向の合成直流磁界を形成することができるの
で、ノズル吐出角度や鋳片サイズ等の設備条件に応じて
溶湯流に最適な電磁制動を与えることができる。
で、直交する磁極で直交する2つの直流磁界を発生さ
せ、その2つの直流磁界の強さを変化させて鋳片に対し
て任意の方向の合成直流磁界を形成することができるの
で、ノズル吐出角度や鋳片サイズ等の設備条件に応じて
溶湯流に最適な電磁制動を与えることができる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1,図2および図3に
示す。図1は本発明のブレーキ兼用電磁撹拌装置を備え
た、ブルーム,ビレット用連続鋳造鋳型の平面図、図2
は図1のA−A断面図、また図3は図2のB−B断面図
である。図1を参照すると、鋳型8,9は、電磁石
(1,2,7,10:図3)の中央開口部に挿入されて
いる。そして、図2および図3を参照すると、電磁コイ
ル1,2の中心がメニスカスから下方400mm以内
で、更に浸漬ノズル6の吐出口中心から下方0〜300
mmとなるように、鋳型の挿入深さを鋳型にとりつけた
アジャストボルト5(図1)にて調整した後、電磁石の
ケーシング3(図1)上に固定される。また、電磁石の
ケーシング3は、振動テーブル4(図1&図2)上に固
定され、鋳型8,9と共に振動する。
示す。図1は本発明のブレーキ兼用電磁撹拌装置を備え
た、ブルーム,ビレット用連続鋳造鋳型の平面図、図2
は図1のA−A断面図、また図3は図2のB−B断面図
である。図1を参照すると、鋳型8,9は、電磁石
(1,2,7,10:図3)の中央開口部に挿入されて
いる。そして、図2および図3を参照すると、電磁コイ
ル1,2の中心がメニスカスから下方400mm以内
で、更に浸漬ノズル6の吐出口中心から下方0〜300
mmとなるように、鋳型の挿入深さを鋳型にとりつけた
アジャストボルト5(図1)にて調整した後、電磁石の
ケーシング3(図1)上に固定される。また、電磁石の
ケーシング3は、振動テーブル4(図1&図2)上に固
定され、鋳型8,9と共に振動する。
【0015】電磁撹拌として使用する場合は、二対の対
向コイル1,2に図4の(a)に示すように、90°位
相の異なる交流電流を通電する。また電磁ブレーキとし
て使用する、場合は図4の(b)に示すように、対向コ
イル1,2に直流電流を通電する。この時コイル1,2
の電流値を変えることにより、鋳型内溶鋼に対する直流
磁界の方向を調整する。
向コイル1,2に図4の(a)に示すように、90°位
相の異なる交流電流を通電する。また電磁ブレーキとし
て使用する、場合は図4の(b)に示すように、対向コ
イル1,2に直流電流を通電する。この時コイル1,2
の電流値を変えることにより、鋳型内溶鋼に対する直流
磁界の方向を調整する。
【0016】図5に、コイル1,2に交流電流と直流電
流を与える交直両用の電源装置17の構成を示す。この
電源装置17が、上述の交流電流又は直流電流をコイル
1,2に通電する。ケーブルの継ぎ変えなしに交流,直
流電流をコイルに通電可能であり、電磁撹拌,ブレーキ
の機能の使い分けができる。
流を与える交直両用の電源装置17の構成を示す。この
電源装置17が、上述の交流電流又は直流電流をコイル
1,2に通電する。ケーブルの継ぎ変えなしに交流,直
流電流をコイルに通電可能であり、電磁撹拌,ブレーキ
の機能の使い分けができる。
【0017】具体的には、電磁撹拌として使用する場合
は、2対の対向コイル1,2に図4の(a)に示すよう
に位相が90°の異なる交流電流V相と交流電流U相の
電流を流す。すると、図に示すように、磁界Buと磁界
Bvが発生し、90°位相差の交流磁界のため、その合
成磁界は回転磁界となり、溶鋼に、それを水平方向に撹
拌する撹拌力が働く。
は、2対の対向コイル1,2に図4の(a)に示すよう
に位相が90°の異なる交流電流V相と交流電流U相の
電流を流す。すると、図に示すように、磁界Buと磁界
Bvが発生し、90°位相差の交流磁界のため、その合
成磁界は回転磁界となり、溶鋼に、それを水平方向に撹
拌する撹拌力が働く。
【0018】また、電磁ブレーキとして使用する場合
は、図4の(b)に示すように、対向コイル1,2に直
流電流を流す。これらの電流により、直流磁界B1及び
直流磁界B2が発生し、これらの直流磁界B1とB2に
より合成磁界B3が発生する。この合成磁界B3の方向
は、直流磁界B1とB2の強さ(コイル1と2に直す電
流値)により定まる。この方向は、操業条件に応じて定
める。例えば、ノズル吐出方向が図4の(b)で左右方
向の場合は、直流磁界B2を殆ど0としたり、逆に、ノ
ズル吐出方向が図4の(b)の上下方向の場合は、直流
磁界B1を0として、各々の電磁ブレーキに有効な方向
成分の直流磁界を発生させる。また、ノズル吐出方向を
短辺及び長辺に直接吐出溶鋼が衝突しないよう対角方向
にする場合は、直流磁界が溶鋼吐出方向と直行する方向
に合成磁界B3を調整すればよい。図5に示す交直両用
の電源装置17において、サイリスタ移相制御部14
は、U相,V相の各々サイリスタ16に、それらの出力
がU相、V相90°位相差の交流電流となるAC用導通
制御信号と、それらの出力が所要レベルの直流電流とな
るDC用導通制御信号を選択的に与える。15は商用3
相交流電源、18は直流リアクトルである。図5には、
電磁撹拌をしている場合のコイルへの相割当てを、コイ
ル符号に付加して示した。図5で左右方向に延びる磁極
10にV相を、上下方向に延びる磁極10にU相の交流
電流が流れている状態を示す。なお、サイリスタ移相制
御装置14により、コイル1,2に直流電流を流せば、
電磁ブレーキとなる。
は、図4の(b)に示すように、対向コイル1,2に直
流電流を流す。これらの電流により、直流磁界B1及び
直流磁界B2が発生し、これらの直流磁界B1とB2に
より合成磁界B3が発生する。この合成磁界B3の方向
は、直流磁界B1とB2の強さ(コイル1と2に直す電
流値)により定まる。この方向は、操業条件に応じて定
める。例えば、ノズル吐出方向が図4の(b)で左右方
向の場合は、直流磁界B2を殆ど0としたり、逆に、ノ
ズル吐出方向が図4の(b)の上下方向の場合は、直流
磁界B1を0として、各々の電磁ブレーキに有効な方向
成分の直流磁界を発生させる。また、ノズル吐出方向を
短辺及び長辺に直接吐出溶鋼が衝突しないよう対角方向
にする場合は、直流磁界が溶鋼吐出方向と直行する方向
に合成磁界B3を調整すればよい。図5に示す交直両用
の電源装置17において、サイリスタ移相制御部14
は、U相,V相の各々サイリスタ16に、それらの出力
がU相、V相90°位相差の交流電流となるAC用導通
制御信号と、それらの出力が所要レベルの直流電流とな
るDC用導通制御信号を選択的に与える。15は商用3
相交流電源、18は直流リアクトルである。図5には、
電磁撹拌をしている場合のコイルへの相割当てを、コイ
ル符号に付加して示した。図5で左右方向に延びる磁極
10にV相を、上下方向に延びる磁極10にU相の交流
電流が流れている状態を示す。なお、サイリスタ移相制
御装置14により、コイル1,2に直流電流を流せば、
電磁ブレーキとなる。
【0019】なお、電磁石開口部に挿入される鋳型8,
9の材質は、コイル1,2に交流電流を通電した際に、
誘導電流が生じるのを抑制するために低電気伝導度のも
のとする。
9の材質は、コイル1,2に交流電流を通電した際に、
誘導電流が生じるのを抑制するために低電気伝導度のも
のとする。
【0020】
(1) 鋳型内溶湯に対して任意の方向の直流磁界を印加す
ることができ、ノズル吐出角度や鋳片サイズ等の設備条
件に応じて、溶湯流に最適な電磁制動を作用できる。
ることができ、ノズル吐出角度や鋳片サイズ等の設備条
件に応じて、溶湯流に最適な電磁制動を作用できる。
【0021】(2) ブルーム,ビレット用連続鋳造鋳型の
溶湯に、効率良くかつ効果的に電磁撹拌力および制動力
を付加でき、しかも鋳造速度等の操業条件に応じて、両
機能を使い分ける事ができる。
溶湯に、効率良くかつ効果的に電磁撹拌力および制動力
を付加でき、しかも鋳造速度等の操業条件に応じて、両
機能を使い分ける事ができる。
【図1】 本発明の一実施例の平面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図2のB−B断面図である。
【図4】 図3に示す電磁石(1,2,7,10)のコ
イル通電パターンを示す、図3相当の水平断面図であ
り、(a)は電磁撹拌時の通電パターンを、(b)は電
磁ブレーキ時の通電パターンを示す。
イル通電パターンを示す、図3相当の水平断面図であ
り、(a)は電磁撹拌時の通電パターンを、(b)は電
磁ブレーキ時の通電パターンを示す。
【図5】 図3に示す電磁石(1,2,7,10)のコ
イルに通電する交直両用の電源装置17の構成を示すブ
ロック図である。
イルに通電する交直両用の電源装置17の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】 従来のブレーキ兼用電磁撹拌装置の平面図で
ある。
ある。
【図7】 (a)は図6に示すブレーキ兼用電磁撹拌装
置により鋳型内溶鋼に加わる磁界の領域を示す縦断面
図、(b)は(a)のA−A断面図(水平横断面図)で
ある。
置により鋳型内溶鋼に加わる磁界の領域を示す縦断面
図、(b)は(a)のA−A断面図(水平横断面図)で
ある。
1,2:電磁コイル 3:電磁石ケ
ーシング 4:振動テーブル 5:アジャスタ
ボルト 6:浸漬ノズル 7:電磁石鉄心 8:鋳型長辺 9:鋳型短辺 10:磁極 11:メニスカ
ス 12:ノズル吐出口中心 13:コイル中
心 14:サイリスタ移相制御装置 15:AC商用
電源 16:サイリスタ 17:交直両用
電源装置 18:U相,V相サイクロコンバータ
ーシング 4:振動テーブル 5:アジャスタ
ボルト 6:浸漬ノズル 7:電磁石鉄心 8:鋳型長辺 9:鋳型短辺 10:磁極 11:メニスカ
ス 12:ノズル吐出口中心 13:コイル中
心 14:サイリスタ移相制御装置 15:AC商用
電源 16:サイリスタ 17:交直両用
電源装置 18:U相,V相サイクロコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神 吉 豊 彦 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地の59 日鐵プラント設計株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 連続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心に、
鋳型四辺の背部であって、それぞれの四辺の幅とほぼ同
じ幅の磁極を、コイルを巻回して設け、そのコイルに直
流電流を流し、直交する2つの直流磁界を発生させ、そ
の2つの直流磁界強さを変化させて鋳片に対して任意の
方向の合成直流磁界を印加することを特徴とする連続鋳
造用鋳型の溶湯の制動方法。 - 【請求項2】連続鋳造鋳型の周りを包囲する鉄心;鋳型
四辺の背部に、その高さ方向の中心を連続鋳造鋳型内の
メニスカス下方から400mm以内としかつ浸漬ノズル
吐出口中心から下方0〜300mmとなる位置に配置さ
れ前記鉄心に結合された、鋳型四辺のそれぞれの幅とほ
ぼ同じ幅の磁極;磁極に巻回されたコイル;および、 コイルに交流電流および直流電流を給電する交直両用の
電源装置;を備える連続鋳造用鋳型の溶湯のブレーキ兼
用電磁撹拌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05097721A JP3102967B2 (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05097721A JP3102967B2 (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06304719A true JPH06304719A (ja) | 1994-11-01 |
JP3102967B2 JP3102967B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=14199762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05097721A Expired - Fee Related JP3102967B2 (ja) | 1993-04-23 | 1993-04-23 | 連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3102967B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100433580B1 (ko) * | 1999-12-21 | 2004-05-31 | 주식회사 포스코 | 빌렛 연속주조공정의 몰드 전자기 교반장치 |
KR20200134309A (ko) | 2018-05-08 | 2020-12-01 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 전자 교반 장치 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102896287B (zh) * | 2011-07-28 | 2015-05-06 | 攀钢集团有限公司 | 用于改善连铸坯内部质量的方法和系统 |
-
1993
- 1993-04-23 JP JP05097721A patent/JP3102967B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100433580B1 (ko) * | 1999-12-21 | 2004-05-31 | 주식회사 포스코 | 빌렛 연속주조공정의 몰드 전자기 교반장치 |
KR20200134309A (ko) | 2018-05-08 | 2020-12-01 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 전자 교반 장치 |
US11478846B2 (en) | 2018-05-08 | 2022-10-25 | Nippon Steel Corporation | Electromagnetic stirring device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3102967B2 (ja) | 2000-10-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3725028B2 (ja) | 連続鋳造用鋳型内の溶融金属の電磁制動装置 | |
US7975753B2 (en) | Method and apparatus for controlling the flow of molten steel in a mould | |
US6712124B1 (en) | Method and apparatus for continuous casting of metals | |
JPH10305353A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
KR20020063897A (ko) | 전자기장을 이용하여 금속들을 수직 및 연속적으로주조하기 위한 방법 및 이를 위한 주조 장치 | |
JPS63188461A (ja) | 連続鋳造鋳型用電磁コイル装置 | |
JP3700396B2 (ja) | 鋼の連続鋳造装置 | |
JP3102967B2 (ja) | 連続鋳造用鋳型の溶湯の制動方法およびブレーキ兼用電磁撹拌装置 | |
US5137077A (en) | Method of controlling flow of molten steel in mold | |
KR100751021B1 (ko) | 연속적인 주조 주괴 주형에 용융 금속을 공급하는 장치 및그것을 사용하는 방법 | |
JPH0333055B2 (ja) | ||
JP2001009559A (ja) | 鋼の連続鋳造方法および装置 | |
JP2005238276A (ja) | 電磁攪拌鋳造装置 | |
JP4669367B2 (ja) | 溶鋼流動制御装置 | |
JPH11123511A (ja) | 電磁攪拌方法および電磁攪拌装置 | |
JP3124217B2 (ja) | 溶融金属の流動制御装置 | |
JP3501997B2 (ja) | 連続鋳造鋳片の製造方法および連続鋳造鋳型における電磁撹拌装置 | |
JP2002120052A (ja) | 鋳型内溶鋼流動制御装置ならびに方法 | |
JP3793384B2 (ja) | 溶融金属の流動制御装置 | |
US6929055B2 (en) | Equipment for supplying molten metal to a continuous casting ingot mould | |
JP2000158108A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JPH084885B2 (ja) | スラブの連続鋳造における鋳型内電磁撹拌方法 | |
JP3145021B2 (ja) | 溶融金属の流動制御装置 | |
JPH10305358A (ja) | 鋼の連続鋳造方法 | |
JPH11347696A (ja) | 連続鋳造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000718 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |