JPH06293956A - 酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲット - Google Patents
酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲットInfo
- Publication number
- JPH06293956A JPH06293956A JP10185593A JP10185593A JPH06293956A JP H06293956 A JPH06293956 A JP H06293956A JP 10185593 A JP10185593 A JP 10185593A JP 10185593 A JP10185593 A JP 10185593A JP H06293956 A JPH06293956 A JP H06293956A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive film
- transparent conductive
- zinc oxide
- zno
- boron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 低抵抗で且つ近赤外領域での透過率が良い酸
化亜鉛系透明導電膜技術の開発。 【構成】 0.1〜10at%アルミニウム及び0.1
〜10at%硼素を同時にドープした酸化亜鉛から成る
スパッタリングターゲットを使用してスパッタ法により
基材上にZnO:Al,B透明導電膜を形成する。Zn
O:Al,B透明導電膜はZnO:Al透明導電膜と同
様低抵抗であり、しかも400〜1000nmの波長領
域において80%水準の良好な透過率を有する。太陽電
池窓材及び電極として有用である。ターゲットは亜鉛、
アルミニウム及び硼素の酸化物等の化合物粉末を混合
し、成形及び焼結により作製する。
化亜鉛系透明導電膜技術の開発。 【構成】 0.1〜10at%アルミニウム及び0.1
〜10at%硼素を同時にドープした酸化亜鉛から成る
スパッタリングターゲットを使用してスパッタ法により
基材上にZnO:Al,B透明導電膜を形成する。Zn
O:Al,B透明導電膜はZnO:Al透明導電膜と同
様低抵抗であり、しかも400〜1000nmの波長領
域において80%水準の良好な透過率を有する。太陽電
池窓材及び電極として有用である。ターゲットは亜鉛、
アルミニウム及び硼素の酸化物等の化合物粉末を混合
し、成形及び焼結により作製する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化亜鉛系透明導電膜
の作製技術に関するものであり、特には太陽電池窓材及
び電極等として有用なアルミニウム及び硼素を同時にド
ープした酸化亜鉛(ZnO:Al,B)から成る透明導
電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリン
グターゲットに関する。
の作製技術に関するものであり、特には太陽電池窓材及
び電極等として有用なアルミニウム及び硼素を同時にド
ープした酸化亜鉛(ZnO:Al,B)から成る透明導
電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリン
グターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】可視光に対して透過率が大きく、且つ大
きな導電性を示す薄膜は透明導電膜と呼ばれ、透明ヒー
ター、帯電防止コーティング、液晶表示素子電極等の分
野で使用されている。中でも、液晶ディスプレイ機器等
において使用される透明電極はこれまで、錫をドープし
た酸化インジウム(ITO)や酸化錫(SnO2 )によ
り作製されてきた。ITOは低抵抗及び高透過率という
長所を持つ反面、高価であるという短所を有しそして酸
化錫は安価ではあるが抵抗率がやや高く、成膜温度が高
いという欠点を有した。
きな導電性を示す薄膜は透明導電膜と呼ばれ、透明ヒー
ター、帯電防止コーティング、液晶表示素子電極等の分
野で使用されている。中でも、液晶ディスプレイ機器等
において使用される透明電極はこれまで、錫をドープし
た酸化インジウム(ITO)や酸化錫(SnO2 )によ
り作製されてきた。ITOは低抵抗及び高透過率という
長所を持つ反面、高価であるという短所を有しそして酸
化錫は安価ではあるが抵抗率がやや高く、成膜温度が高
いという欠点を有した。
【0003】こうした状況において、安価でありそして
抵抗率が比較的低い酸化亜鉛系透明導電膜が最近注目を
浴びている。例えば、特開平4−219359号は、正
3価以上の原子価を有する元素を含有し、そして抵抗率
が10Ωcm以下、焼結体密度が3.4g/cm3 〜
4.5g/cm3 である導電性酸化亜鉛焼結体からなる
スパッタリングターゲット及びそれを用いて透明導電性
薄膜を作製する技術を開示した。正3価以上の元素例と
してはSc、Y、B、Al、Ga、In等多数のものが
列挙されているが、その実施例には、原料として酸化亜
鉛及び酸化アルミニウムを使用するZnO:Al透明導
電膜並びに酸化亜鉛及び酸化インジウムを使用するZn
O:In透明導電膜のみが記載されている。この酸化亜
鉛系導電膜は安価でありそして抵抗率も比較的低く、太
陽電池用透明電極としての使用に期待されている。
抵抗率が比較的低い酸化亜鉛系透明導電膜が最近注目を
浴びている。例えば、特開平4−219359号は、正
3価以上の原子価を有する元素を含有し、そして抵抗率
が10Ωcm以下、焼結体密度が3.4g/cm3 〜
4.5g/cm3 である導電性酸化亜鉛焼結体からなる
スパッタリングターゲット及びそれを用いて透明導電性
薄膜を作製する技術を開示した。正3価以上の元素例と
してはSc、Y、B、Al、Ga、In等多数のものが
列挙されているが、その実施例には、原料として酸化亜
鉛及び酸化アルミニウムを使用するZnO:Al透明導
電膜並びに酸化亜鉛及び酸化インジウムを使用するZn
O:In透明導電膜のみが記載されている。この酸化亜
鉛系導電膜は安価でありそして抵抗率も比較的低く、太
陽電池用透明電極としての使用に期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
ZnO:Al透明導電膜を例にとると、これは低抵抗で
はあるものの、近赤外領域(波長:800〜1800n
m)においての透過率が悪く、近赤外領域にも感度のあ
る太陽電池用透明電極としては機能上充分ではない。こ
のような太陽電池用透明電極においては、電池の変換効
率を向上するために、低抵抗で且つ300〜1800n
m波長範囲全般にわたって透過率が高い透明導電膜が必
要とされる。
ZnO:Al透明導電膜を例にとると、これは低抵抗で
はあるものの、近赤外領域(波長:800〜1800n
m)においての透過率が悪く、近赤外領域にも感度のあ
る太陽電池用透明電極としては機能上充分ではない。こ
のような太陽電池用透明電極においては、電池の変換効
率を向上するために、低抵抗で且つ300〜1800n
m波長範囲全般にわたって透過率が高い透明導電膜が必
要とされる。
【0005】本発明の課題は、酸化亜鉛系の低抵抗の利
点を生かしつつ可視光領域から近赤外領域においての透
過率が良好であり、従って太陽電池用透明窓材及び電極
として使用可能な透明導電膜を得る技術を開発すること
である。
点を生かしつつ可視光領域から近赤外領域においての透
過率が良好であり、従って太陽電池用透明窓材及び電極
として使用可能な透明導電膜を得る技術を開発すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸化亜鉛系
透明導電膜について研究を重ねた結果、アルミニウム及
び硼素を同時にドープした酸化亜鉛から成る透明導電膜
が上記課題を満足しうるとの知見を得た。その作製方法
として、ZnO:Alターゲットを用いて、硼素源とし
てB2 H6 ガスをスパッタリング室内に導入することが
考慮しうるが、B2 H6 ガスは毒性が強く、法令により
危険物として指定されている。そこで、アルミニウムと
硼素を同時にドープした酸化亜鉛スパッタリングターゲ
ットを用いて直流マグネトロンスパッタ法等の方法によ
りスパッタリングすることにより、低抵抗で且つ近赤外
領域においての透過率が良好である透明導電膜がB2 H
6ガスを使用せずに作製可能であることを見出したもの
である。
透明導電膜について研究を重ねた結果、アルミニウム及
び硼素を同時にドープした酸化亜鉛から成る透明導電膜
が上記課題を満足しうるとの知見を得た。その作製方法
として、ZnO:Alターゲットを用いて、硼素源とし
てB2 H6 ガスをスパッタリング室内に導入することが
考慮しうるが、B2 H6 ガスは毒性が強く、法令により
危険物として指定されている。そこで、アルミニウムと
硼素を同時にドープした酸化亜鉛スパッタリングターゲ
ットを用いて直流マグネトロンスパッタ法等の方法によ
りスパッタリングすることにより、低抵抗で且つ近赤外
領域においての透過率が良好である透明導電膜がB2 H
6ガスを使用せずに作製可能であることを見出したもの
である。
【0007】この知見に基づいて、本発明は、(1)
0.1〜10at%アルミニウム及び0.1〜10at
%硼素をドープした酸化亜鉛から成る透明導電膜を提供
する。この導電膜は太陽電池窓材及び電極として有用で
ある。本発明はまた、(2)0.1〜10at%アルミ
ニウム及び0.1〜10at%硼素をドープした酸化亜
鉛から成るスパッタリングターゲットを使用してスパッ
タ法により基材上に酸化亜鉛系透明導電膜を形成するこ
とを特徴とする酸化亜鉛系透明導電膜の作製法並びに
(3)0.1〜10at%アルミニウム及び0.1〜1
0at%硼素をドープした酸化亜鉛焼結体から成るスパ
ッタリングターゲットをも提供するものである。
0.1〜10at%アルミニウム及び0.1〜10at
%硼素をドープした酸化亜鉛から成る透明導電膜を提供
する。この導電膜は太陽電池窓材及び電極として有用で
ある。本発明はまた、(2)0.1〜10at%アルミ
ニウム及び0.1〜10at%硼素をドープした酸化亜
鉛から成るスパッタリングターゲットを使用してスパッ
タ法により基材上に酸化亜鉛系透明導電膜を形成するこ
とを特徴とする酸化亜鉛系透明導電膜の作製法並びに
(3)0.1〜10at%アルミニウム及び0.1〜1
0at%硼素をドープした酸化亜鉛焼結体から成るスパ
ッタリングターゲットをも提供するものである。
【0008】
【作用】アルミニウム及び硼素を各0.1〜10at%
ドープした酸化亜鉛から成るスパッタリングターゲット
を使用することにより、スパッタ法により簡便にZn
O:Al,B透明導電膜を作製することができ、比較的
低温で低抵抗で且つ近赤外領域においての透過率が良好
である透明導電膜の作製を可能とする。アルミニウムが
0.1%未満では、透明導電膜の抵抗値が高く、硼素が
0.1%未満では近赤外領域においての透過率が向上し
ない。他方、いずれも10%を超えると、酸化亜鉛の基
本的透明導電性を損なう。
ドープした酸化亜鉛から成るスパッタリングターゲット
を使用することにより、スパッタ法により簡便にZn
O:Al,B透明導電膜を作製することができ、比較的
低温で低抵抗で且つ近赤外領域においての透過率が良好
である透明導電膜の作製を可能とする。アルミニウムが
0.1%未満では、透明導電膜の抵抗値が高く、硼素が
0.1%未満では近赤外領域においての透過率が向上し
ない。他方、いずれも10%を超えると、酸化亜鉛の基
本的透明導電性を損なう。
【0009】ZnO:Al,Bスパッタリングターゲッ
トは、酸化亜鉛(ZnO)に、酸化アルミニウム(Al
2 O3 )及び酸化硼素(B2 O3 )の粉末を個別に添加
するか或いは化合物の形で添加した混合粉末をボールミ
ルや振動ミル等の乾式及び湿式粉砕・混合装置を使用し
て粉砕・混合し、プレス成形した後600〜1450℃
の温度で焼結することにより作製することができる。こ
の他、熱分解により酸化物となる亜鉛、アルミニウム及
び硼素の水酸化物、塩等の各化合物をも使用することが
できる。
トは、酸化亜鉛(ZnO)に、酸化アルミニウム(Al
2 O3 )及び酸化硼素(B2 O3 )の粉末を個別に添加
するか或いは化合物の形で添加した混合粉末をボールミ
ルや振動ミル等の乾式及び湿式粉砕・混合装置を使用し
て粉砕・混合し、プレス成形した後600〜1450℃
の温度で焼結することにより作製することができる。こ
の他、熱分解により酸化物となる亜鉛、アルミニウム及
び硼素の水酸化物、塩等の各化合物をも使用することが
できる。
【0010】混合粉末の粒径は、成形性、焼結密度等を
勘案して支障のない範囲であればよく、通常0.1〜数
ミクロン範囲とされる。混合粉末を600〜1450℃
の温度で熱処理することにより粒径を管理することもで
きる。
勘案して支障のない範囲であればよく、通常0.1〜数
ミクロン範囲とされる。混合粉末を600〜1450℃
の温度で熱処理することにより粒径を管理することもで
きる。
【0011】得られたZnO:Al,Bスパッタリング
ターゲットはスパッタ装置を使用してスパッタリングさ
れる。中でも、直流マグネトロンスパッタ装置は、高周
波スパッタ装置に代わって近時工業的に普及している有
用なスパッタ装置である。従って、直流マグネトロンス
パッタ装置を使用して透明導電膜を作製しうることは工
業的に非常に有利である。
ターゲットはスパッタ装置を使用してスパッタリングさ
れる。中でも、直流マグネトロンスパッタ装置は、高周
波スパッタ装置に代わって近時工業的に普及している有
用なスパッタ装置である。従って、直流マグネトロンス
パッタ装置を使用して透明導電膜を作製しうることは工
業的に非常に有利である。
【0012】スパッタリング雰囲気は通常アルゴンのよ
うな不活性雰囲気とされるが、アルゴンと共に水をスパ
ッタ室内に導入することにより生成する透明導電膜の表
面のテクスチャ化を図ることができる。表面のテクスチ
ャ化は表面に微細なピラミッド状の突起を形成すること
により表面を粗化したものであり、平坦な表面による乱
反射を防止して透過率の改善に有用である。
うな不活性雰囲気とされるが、アルゴンと共に水をスパ
ッタ室内に導入することにより生成する透明導電膜の表
面のテクスチャ化を図ることができる。表面のテクスチ
ャ化は表面に微細なピラミッド状の突起を形成すること
により表面を粗化したものであり、平坦な表面による乱
反射を防止して透過率の改善に有用である。
【0013】
【実施例】図1は、直流マグネトロンスパッタ装置の概
要を示し、ホルダに支持されたZnO:Al,Bスパッ
タリングターゲット1の背後にマグネット(永久磁石)
3が設置され、そして基板5がヒーター7上にターゲッ
トと対面して支持されている。基板とターゲットの間に
はシャッター9が置かれている。ターゲット及びマグネ
ットは水冷されている。この装置を使用して、いずれも
4インチ直径のZnO:Al,B焼結体ターゲット、Z
nO焼結体ターゲット、及びZnO:Al焼結体ターゲ
ットを使用して、Ar雰囲気中で本発明のZnO:A
l,B透明導電膜と比較例としてのZnO透明導電膜及
びZnO:Al透明導電膜の作製を行った。ターゲット
は、所要比率の酸化亜鉛、酸化アルミニウム及び酸化硼
素の粉末を混合し、プレス成形した後1300℃の温度
で焼結することにより作製した。成膜条件は次の通りと
した: (a)ターゲット:ZnO:Al,B(1at%)、Z
nO、ZnO:Al(2at%) (b)基板:スライドガラス (c)ターゲット−基板間距離:50mm (d)アルゴンガス圧:2.0×10-4Torr (e)スパッタガス圧:2.0×10-2Torr (f)直流電流:0.3〜1.0A (g)直流電圧:330〜410V (h)スパッタ時間:25〜85分 (i)基板温度:室温〜400℃
要を示し、ホルダに支持されたZnO:Al,Bスパッ
タリングターゲット1の背後にマグネット(永久磁石)
3が設置され、そして基板5がヒーター7上にターゲッ
トと対面して支持されている。基板とターゲットの間に
はシャッター9が置かれている。ターゲット及びマグネ
ットは水冷されている。この装置を使用して、いずれも
4インチ直径のZnO:Al,B焼結体ターゲット、Z
nO焼結体ターゲット、及びZnO:Al焼結体ターゲ
ットを使用して、Ar雰囲気中で本発明のZnO:A
l,B透明導電膜と比較例としてのZnO透明導電膜及
びZnO:Al透明導電膜の作製を行った。ターゲット
は、所要比率の酸化亜鉛、酸化アルミニウム及び酸化硼
素の粉末を混合し、プレス成形した後1300℃の温度
で焼結することにより作製した。成膜条件は次の通りと
した: (a)ターゲット:ZnO:Al,B(1at%)、Z
nO、ZnO:Al(2at%) (b)基板:スライドガラス (c)ターゲット−基板間距離:50mm (d)アルゴンガス圧:2.0×10-4Torr (e)スパッタガス圧:2.0×10-2Torr (f)直流電流:0.3〜1.0A (g)直流電圧:330〜410V (h)スパッタ時間:25〜85分 (i)基板温度:室温〜400℃
【0014】得られた3種の透明導電膜(膜厚2μm)
の抵抗値を次に示す。 ZnO透明導電膜: 1.2×10-2Ω・cm(成膜温度:400℃) ZnO:Al透明導電膜: 3.6×10-4Ω・cm(成膜温度:400℃) ZnO:Al,B透明導電膜: 6.4×10-4Ω・cm(成膜温度:150℃) このようにZnOにAlをドープすることによりノンド
ープZnO薄膜の抵抗値のほぼ2桁の低減を図ることが
できる。
の抵抗値を次に示す。 ZnO透明導電膜: 1.2×10-2Ω・cm(成膜温度:400℃) ZnO:Al透明導電膜: 3.6×10-4Ω・cm(成膜温度:400℃) ZnO:Al,B透明導電膜: 6.4×10-4Ω・cm(成膜温度:150℃) このようにZnOにAlをドープすることによりノンド
ープZnO薄膜の抵抗値のほぼ2桁の低減を図ることが
できる。
【0015】図2は、膜厚2μmの場合のZnO:A
l,B透明導電膜と比較例としてのZnO透明導電膜及
びZnO:Al透明導電膜の300〜1800nm範囲
の波長に対する透過率を示す。ZnO:Al透明導電膜
は、1000〜1800nmの近赤外領域の透過率が非
常に悪い。これに対してZnO:Al,B透明導電膜は
全波長領域において良好な透過率を示している。ZnO
にAlに加えてBをドープしても抵抗率はほとんど悪化
しない。また、このZnO:Al,B透明導電膜の移動
度は33.5cm2/V・sであり、良好である。
l,B透明導電膜と比較例としてのZnO透明導電膜及
びZnO:Al透明導電膜の300〜1800nm範囲
の波長に対する透過率を示す。ZnO:Al透明導電膜
は、1000〜1800nmの近赤外領域の透過率が非
常に悪い。これに対してZnO:Al,B透明導電膜は
全波長領域において良好な透過率を示している。ZnO
にAlに加えてBをドープしても抵抗率はほとんど悪化
しない。また、このZnO:Al,B透明導電膜の移動
度は33.5cm2/V・sであり、良好である。
【0016】図3は、ZnO:Al,B(1、2、5a
t%)透明導電膜のシート抵抗の基板温度依存性を示す
グラフである。1at%及び2at%のもでは基板温度
が200℃以下で10Ω/□以下の低いシート抵抗値が
得られることがわかる。5at%の導電膜においても、
室温で10Ω/□以下のシート抵抗値が得られる。
t%)透明導電膜のシート抵抗の基板温度依存性を示す
グラフである。1at%及び2at%のもでは基板温度
が200℃以下で10Ω/□以下の低いシート抵抗値が
得られることがわかる。5at%の導電膜においても、
室温で10Ω/□以下のシート抵抗値が得られる。
【0017】こうして、ZnO:Al,B透明導電膜
は、ZnO透明導電膜の高抵抗の欠点とZnO:Al透
明導電膜の近赤外領域の透過率が非常に悪いという欠点
を解消した優れた透明導電膜であることがわかる。
は、ZnO透明導電膜の高抵抗の欠点とZnO:Al透
明導電膜の近赤外領域の透過率が非常に悪いという欠点
を解消した優れた透明導電膜であることがわかる。
【0018】
【発明の効果】ZnO:Al,Bターゲットを使用した
直流マグネトロンスパッタ法により、 1.簡便にZnO:Al,B透明導電膜が得られること
が確認され、 2.比較的低温で(室温〜200℃)で抵抗率が6×1
0-4のオーダーでありそして移動度が33.5cm2/V
・sの薄膜が得られ、そして 3.10Ω/□以下のシート抵抗値と400〜1000
nmの波長領域において80%水準の良好な透過率が得
られる。太陽電池電極(窓材)として使用するとき、電
池の変換効率を増大する。
直流マグネトロンスパッタ法により、 1.簡便にZnO:Al,B透明導電膜が得られること
が確認され、 2.比較的低温で(室温〜200℃)で抵抗率が6×1
0-4のオーダーでありそして移動度が33.5cm2/V
・sの薄膜が得られ、そして 3.10Ω/□以下のシート抵抗値と400〜1000
nmの波長領域において80%水準の良好な透過率が得
られる。太陽電池電極(窓材)として使用するとき、電
池の変換効率を増大する。
【図1】直流マグネトロンスパッタ装置の概要を示す説
明図である。
明図である。
【図2】ZnO:Al,B透明導電膜と比較例としての
ZnO透明導電膜及びZnO:Al透明導電膜の波長に
対する透過率を示すグラフである。
ZnO透明導電膜及びZnO:Al透明導電膜の波長に
対する透過率を示すグラフである。
【図3】ZnO:Al,B(1、2、5at%)透明導
電膜のシート抵抗の基板温度依存性を示すグラフであ
る。
電膜のシート抵抗の基板温度依存性を示すグラフであ
る。
1 ターゲット 3 マグネット 5 基板 7 ヒーター 9 シャッター
Claims (4)
- 【請求項1】 0.1〜10at%アルミニウム及び
0.1〜10at%硼素をドープした酸化亜鉛から成る
透明導電膜。 - 【請求項2】 請求項1の透明導電膜から成る太陽電池
窓材及び電極。 - 【請求項3】 0.1〜10at%アルミニウム及び
0.1〜10at%硼素をドープした酸化亜鉛から成る
スパッタリングターゲットを使用してスパッタ法により
基材上に酸化亜鉛系透明導電膜を形成することを特徴と
する酸化亜鉛系透明導電膜の作製法。 - 【請求項4】 0.1〜10at%アルミニウム及び
0.1〜10at%硼素をドープした酸化亜鉛焼結体か
ら成るスパッタリングターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10185593A JPH06293956A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10185593A JPH06293956A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293956A true JPH06293956A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14311651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10185593A Pending JPH06293956A (ja) | 1993-04-06 | 1993-04-06 | 酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293956A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100329630B1 (ko) * | 1998-06-08 | 2002-08-21 | 한전건 | 고속전도성세라믹/금속복합재료코팅방법 |
JP2002528888A (ja) * | 1998-09-17 | 2002-09-03 | シーメンス ソーラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 透明な電極層をスタラクチャ化するための方法 |
US6528442B1 (en) * | 1999-01-12 | 2003-03-04 | Nikko Materials Company, Limited | Optical transparent film and sputtering target for forming optical transparent film |
WO2005001155A1 (de) * | 2003-06-30 | 2005-01-06 | FNE Forschungsinstitut für Nichteisen-Metalle Freiberg GmbH | SINTERKÖRPER AUS ZnO |
US7153544B2 (en) * | 2000-12-26 | 2006-12-26 | Bridgestone Corporation | Method of manufacturing transparent electro-conductive film |
WO2009119962A1 (en) * | 2008-03-24 | 2009-10-01 | Sungkyunkwan University Foundation For Corporate Collaboration | Boron-doped zinc oxide based transparent conducting film and manufacturing method of thereof |
JP2009228034A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Iwate Univ | ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜 |
DE102010004991A1 (de) | 2010-01-19 | 2011-07-21 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V., 80686 | Verfahren zum Vakuumbeschichten eines Substrates mit einem transparenten leitfähigen Metalllegierungsoxid sowie eine transparente leitfähige Schicht aus einem Metalllegierungsoxid |
JP2012144409A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Tosoh Corp | 酸化物焼結体、それから成るターゲットおよび透明導電膜 |
JP2014031565A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | Kochi Univ Of Technology | 酸化亜鉛を主成分とする膜構造体及びその製造方法、並びに該膜構造体からなる感受素子 |
-
1993
- 1993-04-06 JP JP10185593A patent/JPH06293956A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100329630B1 (ko) * | 1998-06-08 | 2002-08-21 | 한전건 | 고속전도성세라믹/금속복합재료코팅방법 |
JP2002528888A (ja) * | 1998-09-17 | 2002-09-03 | シーメンス ソーラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 透明な電極層をスタラクチャ化するための方法 |
US6528442B1 (en) * | 1999-01-12 | 2003-03-04 | Nikko Materials Company, Limited | Optical transparent film and sputtering target for forming optical transparent film |
US7153544B2 (en) * | 2000-12-26 | 2006-12-26 | Bridgestone Corporation | Method of manufacturing transparent electro-conductive film |
WO2005001155A1 (de) * | 2003-06-30 | 2005-01-06 | FNE Forschungsinstitut für Nichteisen-Metalle Freiberg GmbH | SINTERKÖRPER AUS ZnO |
JP2009228034A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Iwate Univ | ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜 |
WO2009119962A1 (en) * | 2008-03-24 | 2009-10-01 | Sungkyunkwan University Foundation For Corporate Collaboration | Boron-doped zinc oxide based transparent conducting film and manufacturing method of thereof |
DE102010004991A1 (de) | 2010-01-19 | 2011-07-21 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V., 80686 | Verfahren zum Vakuumbeschichten eines Substrates mit einem transparenten leitfähigen Metalllegierungsoxid sowie eine transparente leitfähige Schicht aus einem Metalllegierungsoxid |
WO2011088875A1 (de) | 2010-01-19 | 2011-07-28 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Verfahren zum vakuumbeschichten eines substrates mit einem transparenten leitfähigen metallegierungsoxid sowie eine transparente leitfähige schicht aus einem metallegierungsoxid |
JP2012144409A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Tosoh Corp | 酸化物焼結体、それから成るターゲットおよび透明導電膜 |
JP2014031565A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | Kochi Univ Of Technology | 酸化亜鉛を主成分とする膜構造体及びその製造方法、並びに該膜構造体からなる感受素子 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Minami et al. | Highly conductive and transparent ZnO thin films prepared by rf magnetron sputtering in an applied external dc magnetic field | |
US6042752A (en) | Transparent conductive film, sputtering target and transparent conductive film-bonded substrate | |
JPH0731950B2 (ja) | 透明導電膜の製造方法 | |
JP2000044236A (ja) | 透明導電性酸化物薄膜を有する物品及びその製造方法 | |
JP2011184715A (ja) | 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法 | |
JPH06293956A (ja) | 酸化亜鉛系透明導電膜及びその作製法並びにそれに使用するスパッタリングターゲット | |
JPH0350148A (ja) | 酸化亜鉛焼結体及びその製造法並びに用途 | |
JP3163015B2 (ja) | 透明導電膜 | |
JP4240928B2 (ja) | 酸化物透明導電膜及びその製法 | |
JP3780932B2 (ja) | 透明導電性薄膜作製用焼結体ターゲットおよびその製造方法 | |
JPH056766B2 (ja) | ||
CN102312201B (zh) | 一种Al掺杂的氧化锌透明导电薄膜的制备方法 | |
JPH04272612A (ja) | 透明電極 | |
JP2005135649A (ja) | 酸化インジウム系透明導電膜及びその製造方法 | |
JPH0784654B2 (ja) | Ito透明導電膜用スパッタリングターゲットの製造方法 | |
CN1600895A (zh) | 一种锑掺杂多元氧化物透明导电膜的制备方法 | |
JPH07335046A (ja) | 導電性透明基材の製造方法 | |
KR101240197B1 (ko) | 열 안정성이 우수한 투명도전막, 투명도전막용 타겟 및 투명도전막용 타겟의 제조방법 | |
JPH0987833A (ja) | 透明導電膜の製造方法 | |
JP2012158825A (ja) | 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法および透明導電性基板 | |
JP2011207742A (ja) | 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法 | |
JP3925977B2 (ja) | 透明導電膜とその製造方法およびスパッタリングターゲット | |
JPH054768B2 (ja) | ||
JP3506390B2 (ja) | 透明酸化物及びそれを用いた透明導電性酸化物 | |
CN115418618A (zh) | 一种氧化铟锡锌靶材、氧化物薄膜及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020305 |