JPH062944U - 別置型充電器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車推進用の走行用電池を充電する別
置型充電器において、走行用電池へは充電コネクタを介
して高電圧の直流電流が供給されるため、充電器作動中
に充電コネクタを外すとその端子部間に電気アークを発
生するがこの発生を抑制して充電操作者を感電及び火傷
の危険から解放すること。 【構成】 充電コネクタ３を外す操作を検出する手段
（３，５；３；１６，１７）とその検出に応答して充電
器の作動を停止させる手段（５；９）とを備え、充電操
作者が充電コネクタを外した時又は外そうとした時に充
電器の充電作用を停止させるようにしてなるもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は別置型充電器に関し、特に電気自動車の走行用電池を充電するための 充電設備に適用することができる。

【０００２】

【従来の技術】

別置型充電器はたとえば２００Ｖの単相又は三相電源を入力とし、これを整流 してたとえば直流２４０Ｖにし、これを適当な充電コネクタを介して電気自動車 の走行用電池に給電するもので、車両とは別の特定の場所に据え付けられている 充電器である。

【０００３】 走行用電池を充電するには、走行用電池と充電器とを電気的に接続しなければ ならないが、この接続は着脱自在な充電コネクタによって行っている。この充電 コネクタは充電を行う時に接続され、充電が完了すると外される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

別置型充電器で走行用電池を充電するときには、まず充電コネクタで両者を電 気的に接続し、充電器の充電開始スイッチを入れることで充電が開始される。充 電が完了すれば充電器の作動を停止させ、充電コネクタを外すことで、走行用電 池の充電が終了する。

【０００５】 ところで、充電器作動中に充電コネクタを外した場合、充電コネクタの充電器 側及び走行用電池側の端子間に電気アークが発生する。この電気アークは直流の 高電圧を給電の場合連続して発生するもので、走行用電池にたとえば２４０Ｖの 直流の高電圧を給電しているとすれば、端子間の距離が３０ｍｍ程度離れても消 えることがない。つまり充電コネクタの端子を機械的に離しても電気的には切れ ていない状態にあり、電気アークは連続して発生する。このような電気アークは 充電コネクタを外している途中にその端子部より発生するため、充電操作者が感 電したり火傷したりする危険性が非常に大きいのである。

【０００６】 本考案は上記事情にかんがみてなされたもので、充電器が作動した状態で充電 コネクタを着脱しても充電コネクタの端子部より電気アークが発生しない別置型 充電器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的に対し、本考案によれば、車載の走行用電池に充電コネクタを介して 充電する別置型充電器において、前記充電コネクタを外す操作を検出する手段と 、この手段が充電コネクタを外す操作を検出した時この充電器の作動を停止させ る手段とを備えていることを特徴とする別置型充電器が提供される。

【０００８】

【作用】

上記手段によれば、充電コネクタを外す操作を検出する手段が前記操作を検出 すると、充電器の作動を停止させる手段を作動させ、充電器の給電を充電コネク タが外れる前に停止させる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案による別置型充電器の好適な一実施例を示す構成図である。図１ において、別置型充電器１は充電回路２を有し、入力には例えば単相交流２００ Ｖの商用電源が接続され、出力には充電コネクタ３を介して電気自動車の走行用 電池４に接続されて、たとえば直流２４０Ｖで３０Ａの定電流を供給できる構成 となっている。

【００１０】 充電コネクタ３は、充電電流用の１対の端子の他、断線検知用の１対の端子を 有しており、その断線検知用端子の走行用電池側は単にそれらを電気的に接続し た短絡線が設けられている。充電コネクタ３の充電回路側の断線検知用端子は一 方は充電回路のたとえば直流２４Ｖの電源線に接続され、他方は充電回路２の充 電開始及び停止を制御するリレー５の励磁コイルの一端に接続されている。励磁 コイルの他端はそのリレー接点及び充電開始スイッチ６を介して接地されている 。別のリレー接点は充電回路２の充電作動を開始又は停止させる充電制御端子７ 及び充電・停止スイッチ８に接続されている。

【００１１】 走行用電池４の充電を行う場合、充電・停止スイッチ８を投入し、かつ充電コ ネクタ３を接続してその充電電流用端子及び断線検知用端子を同時に接続する。 ここで、充電開始スイッチ６を押すことにより、リレー５が作動し、それらの接 点を閉成する。これにより、リレー５はその励磁コイルの回路が閉成するため自 己保持され、充電回路２の充電作動を開始又は停止させる充電制御端子７が接地 されることにより充電回路２が作動し充電が開始される。充電を停止する場合に は充電・停止スイッチ８を切ることで、充電制御端子７の回路が開成され、充電 回路２は充電作動を停止する。

【００１２】 ここで、充電中に充電プラグ３を外した場合には、リレー５の励磁コイルの回 路が開成されるため、リレー５は消勢され、それらの接点は開成される。これに より、リレー５の自己保持は解除されると共に充電制御端子７の回路が開成され ることで、充電回路２は充電作動を停止する。したがって、充電コネクタ３の充 電電流用端子での電気アークの発生はなくなる。この例では、充電コネクタを外 す操作を検出する手段は充電コネクタ３の断線検知用端子及びリレー５によって 構成され、充電器の作動を停止させる手段は充電回路２の充電制御端子７に接続 されたリレー５の接点によって構成されることになる。

【００１３】 図２は本考案による別置型充電器の他の実施例を示すもので、図中、図１に示 したものと同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

【００１４】 図２の実施例において、充電コネクタ３の断線検知用端子はパワーリレー９の 励磁コイルに接続され、そのリレー接点は充電回路２に交流電源を入力する電源 線に挿入されている。

【００１５】 この実施例では、充電コネクタ３の引き外しに応動してパワーリレー９が消勢 され、充電器１の電源を遮断することによって充電を停止させるもので、充電コ ネクタを外す操作を検出する手段を充電コネクタ３の断線検知用端子で構成し、 充電器の作動を停止させる手段をパワーリレー９で構成している。

【００１６】 図３は充電コネクタを外す操作を検出する手段の別の実施例を示した充電コネ クタの部分断面図である。充電コネクタはたとえば車両に設けられるレセプタク ル１１と充電器の出力ケーブルに設けられるプラグ１２とで構成され、レセプタ クル１１のめすコンタクト１３は走行用電池に接続され、充電回路の出力はプラ グ１２のおすコンタクト１４に接続される。そしてプラグ１２のラッチレバー１ ５には永久磁石１６が設けられ、その対向位置に磁気抵抗素子１７が設けられて いる。すなわち、プラグ１２をレセプタクル１１から外そうとする時の操作であ るラッチレバー１５の動きを磁気抵抗素子１７で検知しようとするもので、永久 磁石１６の磁界の変化を磁気抵抗素子１７の電気抵抗の変化で検知するものであ り、その判別は充電回路内で行われる。磁気抵抗素子１７としては、ホール素子 、磁気ダイオード、磁気トランジスタなどを使用することができる。

【００１７】 又、充電コネクタを外す操作を検出する手段としては、図３のラッチレバー１ ５の動きを機械的に検出するマイクロスイッチとしたり、磁界の変化を検出する リードスイッチ、充電コネクタへの接近を検出する赤外線センサ又は静電容量セ ンサや、外す操作に連動して光路を遮るようにしたフォトカプラなどを使用する ことができる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、充電コネクタを外すと同時に又はそれに先立って充電器の作 用を停止させる手段を設けたことにより、充電中に充電コネクタを外してもただ ちに充電作用が停止され、充電コネクタの端子間での電気アークの発生はなくな り、充電操作者は感電又は火傷の危険から解放されることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による別置型充電器の一実施例を示す構
成図である。

【図２】本考案による別置型充電器の別の実施例を示す
構成図である。

【図３】本考案による別置型充電器の要部の１つの一実
施例を示す充電コネクタの部分断面図である。

【符号の説明】

１ 充電器 ２ 充電回路 ３ 充電コネクタ ４ 走行用電池 ５ リレー ６ 充電開始スイッチ ７ 充電制御端子 ８ 充電停止スイッチ ９ パワーリレー １６ 永久磁石 １７ 磁気抵抗素子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鈴木 浩恭 東京都港区芝五丁目33番８号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)考案者 名取 一雄 東京都調布市西つつじケ丘２丁目４番１号 東京電力株式会社技術研究所内 (72)考案者 藤原 昇 東京都調布市西つつじケ丘２丁目４番１号 東京電力株式会社技術研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車載の走行用電池に充電コネクタを介して
   充電する別置型充電器において、前記充電コネクタを外
   す操作を検出する手段と、この手段が充電コネクタを外
   す操作を検出した時この充電器の作動を停止させる手段
   とを備えていることを特徴とする別置型充電器。