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JPH06260680A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子

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JPH06260680A
JPH06260680A JP7087393A JP7087393A JPH06260680A JP H06260680 A JPH06260680 A JP H06260680A JP 7087393 A JP7087393 A JP 7087393A JP 7087393 A JP7087393 A JP 7087393A JP H06260680 A JPH06260680 A JP H06260680A
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Japan
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light emitting
gallium nitride
compound semiconductor
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修二 中村
Shigeto Iwasa
成人 岩佐
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 p−n接合の窒化ガリウム系化合物半導体を
用い、発光素子の輝度、および発光出力を向上させる。 【構成】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層とp型窒
化ガリウム系化合物半導体層との間に、SiおよびZn
がドープされたn型InXGa1-XN(但し、Xは0<X<
1の範囲である。)を発光層として具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化ガリウム系化合物半
導体を用いた発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN、GaAlN、InGaN、In
AlGaN等の窒化ガリウム系化合物半導体は直接遷移
を有し、バンドギャップが1.95eV〜6eVまで変
化するため、発光ダイオード、レーザダイオード等、発
光素子の材料として有望視されている。現在、この材料
を用いた発光素子には、n型窒化ガリウム系化合物半導
体の上に、p型ドーパントをドープした高抵抗なi型の
窒化ガリウム系化合物半導体を積層したいわゆるMIS
構造の青色発光ダイオードが知られている。
【0003】MIS構造の発光素子として、例えば特開
平4−10665号公報、特開平4−10666号公
報、特開平4−10667号公報において、n型GaY
Al1-YNの上に、SiおよびZnをドープしたi型G
YAl1-YNを積層する技術が開示されている。これら
の技術によると、Si、ZnをGaAl1-YNにドープ
してi型の発光層とすることにより発光素子の発光色を
白色にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術のように、p型ドーパントであるZnをドープし、さ
らにn型ドーパントであるSiをドープした高抵抗なi
型GaYAl1-YN層を発光層とするMIS構造の発光素
子は輝度、発光出力共低く、発光素子として実用化する
には未だ不十分であった。
【0005】従って本発明はこのような事情を鑑みて成
されたものであり、その目的とするところはp−n接合
の窒化ガリウム系化合物半導体を用いて発光素子の輝
度、および発光出力を向上させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】我々は、窒化ガリウム系
化合物半導体の中でも特にInGaNに着目し、InG
aNにZnとSiをドープしても従来のように高抵抗な
i型とせず、抵抗率を10Ω・cm以下の低抵抗なn型と
し、このn型InGaNを発光層としたp−n接合のダ
ブルへテロ構造の発光素子を実現することにより上記課
題を解決するに至った。即ち、本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体発光素子はn型窒化ガリウム系化合物半導
体層とp型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、S
iおよびZnがドープされたn型InXGa1-XN(但
し、Xは0<X<1の範囲である。)を発光層として具備
することを特徴とする。
【0007】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光
素子において、n型およびp型窒化ガリウム系化合物半
導体層とはGaN、GaAlN、InGaN、InAl
GaN等、窒化ガリウムを含む窒化ガリウム系化合物半
導体に、n型であれば例えばSi、Ge、Se、Te等
のn型ドーパントをドープして、n型特性を示すように
成長した層をいい、p型であれば例えばZn、Mg、C
d、Be、Ca等のp型ドーパントをドープして、p型
特性を示すように成長した層をいう。n型窒化ガリウム
系化合物半導体の場合はノンドープでもn型になる性質
がある。また、p型窒化ガリウム系化合物半導体層の場
合、p型窒化ガリウム系化合物半導体層をさらに低抵抗
化する手段として、我々が先に出願した特願平3−35
7046号に開示するアニーリング処理を行ってもよ
い。
【0008】また、ZnおよびSiをドープしたn型I
XGa1-XNのX値は0<X<0.5の範囲に調整するこ
とが好ましい。X値を0より多くすることにより、発光
色はおよそ紫色領域となる。X値を増加するに従い発光
色は短波長側から長波長側に移行し、X値が1付近で赤
色にまで変化させることができる。しかしながら、X値
が0.5以上では結晶性に優れたInGaNが得られに
くく、発光効率に優れた発光素子が得られにくくなるた
め、X値は0.5未満が好ましい。
【0009】また、n型InGaN中のZnおよびSi
の濃度は両者とも1×1017/cm3〜1×1021/cm3
範囲に調整することが好ましい。1×1017/cm3より
も少ないと十分な発光強度が得られにくく、1×1021
/cm3よりも多いと、同じく発光強度が減少する傾向に
ある。さらに、Zn濃度よりもSi濃度の方を多くする
ことによりInGaNを好ましくn型とすることができ
る。
【0010】
【作用】図1に、Znを1×1018/cm3ドープしたn
型In0.15Ga0.85N層と、Znを1×1019/cm3
よびSiを5×1019/cm3ドープしたn型In0.15G
a0.85N層とにHe−Cdレーザーを照射して、室温で
フォトルミネッセンス(PL)を測定し、それらの発光
強度を比較して示す。なお、ZnのみをドープしたIn
GaN層のスペクトル強度は実際の強度を10倍に拡大
して示している。この図に示すように、Znのみをドー
プしたn型InGaNのPLスペクトル(b)、Siお
よびZnをドープしたn型InGaNのPLスペクトル
(a)はいずれも490nmにその主発光ピークを有す
る。しかしながら、その発光強度は(a)の方が10倍
以上大きい。これは、ZnをドープしたInGaNに、
さらにSiをドープすることによりドナー濃度が増え、
ドナー・アクセプタのペア発光により発光強度が増大し
ていると推察される。なぜなら、ノンドープのInGa
Nは成長条件により電子キャリア濃度が、およそ1×1
17/cm3〜1×1022/cm3ぐらいのn型を示す。これ
は、ある程度の数のドナーがノンドープの状態でInG
aN中に残留していることを示している。そこで、この
ノンドープのInGaNにZnをドープすると、前記残
留ドナーと、ドープしたZnアクセプターとのドナー・
アクセプターのペア発光が青色発光となって現れる。し
かしながら、前記のように、残留ドナーによる電子キャ
リア濃度は1×1017〜1×1022/cm3ぐらいまで成
長条件によりばらつき、再現性よく一定のドナー濃度の
InGaNを得ることは困難であった。そこで、新たに
Siをドープしてこのドナー濃度を多くすると共に、安
定して再現性よく一定のドナー濃度を得るのが、Siド
ープの効果である。実際、Siをドープすることによ
り、電子キャリア濃度がおよそ1×1018/cm3のもの
が2×1019/cm3まで1桁増加し、ドナー濃度が増加
していることが判明した。従って、ドナーが増加した分
だけドープするZnの量も増やすことができ、ドナー・
アクセプタのペア発光の数が増加することにより青色発
光強度が増大すると推察される。
【0011】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光
素子は、このSiとZnをドープしたn型InGaNを
発光層としたダブルへテロ構造とすることにより、従来
のSiとZnをドープしたi型GaAlNを発光層とす
るMIS構造の発光素子に比して発光効率、および発光
強度を格段に向上させることができる。
【0012】
【実施例】以下有機金属気相成長法により、本発明の発
光素子を製造する方法を述べる。
【0013】[実施例1]よく洗浄したサファイア基板
を反応容器内にセットし、反応容器内を水素で十分置換
した後、水素を流しながら、基板の温度を1050℃ま
で上昇させサファイア基板のクリーニングを行う。
【0014】続いて、温度を510℃まで下げ、キャリ
アガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアとTMG
(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板上に
GaNよりなるバッファ層を約200オングストローム
の膜厚で成長させる。
【0015】バッファ層成長後、TMGのみ止めて、温
度を1030℃まで上昇させる。1030℃になった
ら、同じく原料ガスにTMGとアンモニアガス、ドーパ
ントガスにシランガスを用い、Siを1×1020/cm3
ドープしたn型GaN層を4μm成長させる。
【0016】n型GaN層成長後、原料ガス、ドーパン
トガスを止め、温度を800℃にして、キャリアガスを
窒素に切り替え、原料ガスとしてTMGとTMI(トリ
メチルインジウム)とアンモニア、ドーパントガスとし
てシランガスとDEZ(ジエチルジンク)とを用い、S
iを5×1019/cm3、Znを1×1019/cm3ドープし
たn型In0.15Ga0.85N層を100オングストローム
成長させる。
【0017】次に、原料ガス、ドーパントガスを止め、
再び温度を1020℃まで上昇させ、原料ガスとしてT
MGとアンモニア、ドーパントガスとしてCp2Mg
(シクロペンタジエニルマグネシウム)とを用い、Mg
を2×1020/cm3ドープしたp型GaN層を0.8μ
m成長させる。
【0018】p型GaN層成長後、基板を反応容器から
取り出し、アニーリング装置にて窒素雰囲気中、700
℃で20分間アニーリングを行い、最上層のp型GaN
層をさらに低抵抗化する。
【0019】以上のようにして得られたウエハーのp型
GaN層、およびn型In0.15Ga0.85N層の一部をエ
ッチングにより取り除き、n型GaN層を露出させ、p
型GaN層と、n型GaN層とにオーミック電極を設
け、500μm角のチップにカットした後、常法に従い
発光ダイオードとしたところ、発光出力は20mAにお
いて300μW、輝度900mcd(ミリカンデラ)、
発光波長490nmであった。
【0020】[実施例2]実施例1において、n型In
0.15Ga0.85N層のSi濃度を2×1020/cm3、Zn
濃度を5×1019/cm3とする他は、同様にして青色発
光ダイオードを得たところ、20mAにおいて発光出力
300μW、輝度920mcd、発光波長490nmで
あった。
【0021】[実施例3]実施例1において、n型In
0.15Ga0.85N層のSi濃度を5×1018/cm3、Zn
濃度を1×1018/cm3とする他は、同様にして青色発
光ダイオードを得たところ、20mAにおいて発光出力
280μW、輝度850mcd、発光波長490nmで
あった。
【0022】[実施例4]実施例1において、n型In
GaNのInのモル比をIn0.25Ga0.75Nとする他
は、同様にして青色発光ダイオードを得たところ、20
mAにおいて発光出力250μW、輝度1000mc
d、発光波長510nmであった。
【0023】[比較例1]実施例1において、Siをド
ープせず、Zn濃度1×1018/cm3のZnドープIn
0.15Ga0.85Nを成長させる他は同様にして発光ダイオ
ードとしたところ、20mAにおいて、発光出力180
μW、輝度400mcdでしかなく、発光波長は490
nmであった。
【0024】[比較例2]実施例1のSi、Znドープ
n型In0.15Ga0.85N層を成長させる工程において、
原料ガスにTMG、アンモニア、ドーパントガスにシラ
ンガス、DEZを用いて、Siを1×1018/cm3とZ
nを1×1020/cm3ドープしたi型GaN層を成長さ
せる。i型GaN層成長後、同様にしてi型GaN層の
一部をエッチングし、n型GaN層を露出させ、n型G
aN層とi型GaN層とに電極を設けて、MIS構造の
発光ダイオードところ、発光出力は20mAにおいて1
μW、輝度0.1mcdしかなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子は、SiおよびZnをドー
プしたn型InGaNを発光層とするダブルへテロ構造
としているため、従来のMIS構造の発光素子に比し
て、格段に発光効率、発光強度が増大する。しかも、主
発光波長はInGaN中のInのモル比を変えることに
よって赤色から紫色まで自由に調節することができ、そ
の産業上の利用価値は大きい。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ZnのみをドープしたInGaN層(b)
と、ZnおよびSiをドープしたInGaN層(a)と
の室温でのフォトルミネッセンス強度を比較して示す
図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層とp
    型窒化ガリウム系化合物半導体層との間に、Siおよび
    Znがドープされたn型InXGa1-XN(但し、Xは0
    <X<1の範囲である。)を発光層として具備すること
    を特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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