JPH0626799Y2 - 雲 台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は雲台に関するものである。さらに詳しくは、
この考案は、搭載するカメラ等の重量・重心の相異によ
っても適切にバランスをとることのできる可動プレート
を備えた雲台に関するものである。

（従来の技術とその課題） 従来より、カメラ等を固定する雲台にはその頂部に固定
用のプレートが設けられており、雲台の水平および／ま
たは垂直の回動に際してもカメラ等がこのプレートにし
っかりと固定されるようにしている。

しかしながら、従来の雲台においては、搭載するカメラ
等によってはその重量や重心が異なるにもかかわらず、
この重量や重心の変化に応じて適切にバランスをとるこ
とが必ずしも充分に満足できるものとなっていない。

このバランスについては、雲台の垂直回動機構の改良に
よっても若干は対応することができるものの、この機構
の改良によっては、静置時の通常の状態のバランス保持
を可能とすることは難しい。カメラ等を固定支持するた
めの頂部プレート部での工夫がどうしても必要になる。

しかしながら、これまでの雲台ではこの点が充分に検討
されてきていないのが実状である。

この考案は以上の事情に鑑みてなされたものであり、こ
れまでのカメラ等の雲台の上記欠点を改善し、搭載する
カメラ等の重量・重心が異なっても、カメラ等の固定時
にバランスをとることの容易な改良されたカメラ等の雲
台を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） この考案は、上記の課題を解決するものとして、カメラ
等を固定する頂部プレートを有する雲台において、側面
に押圧ロック機構を有するプレート支持板の中央溝部
に、前後に貫通することなく短溝と長溝として左右逆対
称に形成したピン溝と、短溝の端部に形成した傾斜面と
を有する可動プレートを挿脱自在とし、かつ、この長溝
に挿脱自在としたストップピンを配してなることを特徴
とする可動プレートを備えた雲台を提供する。

（作用） この考案においては、カメラ等の搭載時に、頂部におい
てカメラ等を固定するプレートを前後にスライド可動自
在とすることにより、カメラ等の重量・重心が異った場
合でも、このプレートを前方または後方へスライドさせ
て、カメラ等の取付け位置をずらすことができる。

しかもこの考案のプレートは、後述するように、取付け
が容易であるとともに、取付け後に脱落する危険がない
ため、カメラ等の雲台の頂部プレートとして、バランス
保持してのカメラ等の固定に極めて有効なものとなる。

（実施例） 以下、図面に沿ってこの考案の可動プレートを備えたカ
メラ等の雲台についてさらに詳しく説明する。

第１図はこの考案の雲台の全体構成についてその外観を
例示したものである。

たとえばこの第１図に示したような、水平回動装置
（１）および垂直回動装置（２）を有する雲台（３）の
頂部に、この考案の可動プレート装置（４）を装着す
る。この雲台（３）は、カメラ等をこの可動プレート装
置（４）に固定取付けた後に、握手（５）によって水
平、垂直に回転および傾動させることができる。

この雲台（３）において、この考案では、可動プレート
装置（４）について、プレート支持板（６）と可動プレ
ート（７）とから構成し、この可動プレート（７）を、
第１図に示した前方（Ａ）および後方（Ｂ）にスライド
させることができるようにしている。また、可動プレー
ト（７）は、ロックツマミ（８）により、内蔵した押圧
ロック機構を作動させて固定し、またはそれを解除して
スライド可能としている。

以上の雲台の可動プレート装置（４）についてさらに詳
しく示したものが第２図他の図面である。

第２図は、可動プレート装置（４）の平面図を示してい
る。また第３図はその右側面図を示している。

この第２図および第３図に示したように、たとえばこの
考案の雲台に用いる可動プレート装置（４）は、その側
面に押圧ロック機構用のロックツマミ（８）を有するプ
レート支持板（６）と可動プレート（７）とによって構
成し、プレート支持板（６）の中央溝部（９）にこの可
動プレート（７）が挿脱自在に、かつ固定およびスライ
ド自在に装着する。

可動プレート（７）には、前後に貫通することのない短
溝（１０）（１０′）と長溝（１１）（１１′）として
左右逆対称に形成したピン溝を形成し、また一方の、す
なわち、プレート支持板（６）の後端部にはストップピ
ンプッシュボタン（１２）を配設する。またさらに、こ
のストップピンプッシュボタン（１２）の近接位置に
は、ピン溝としての長溝（１１）に挿脱自在としたスト
ップピン（１３）を設け、逆対称の長溝（１１′）に
は、前方ストッパー（１４）を挿入し、プレート支持板
（６）の溝部（９）に固定している。

前記したように、可動プレート（７）は、前方（Ａ）お
よび後方（Ｂ）へスライドできるようにしている。穴部
（１５）（１６）（１７）、およびピン（１８）は、カ
メラ等の固定用として例示したものである。

第４図は、この第２図のα−α断面を示したものであ
り、この第４図から明らかなように、この例において
は、コイルバネ等の弾性体（１９）によってストップピ
ンプッシュボタン（１２）を前後に押圧および反発可能
とし、また、この押圧時に、弾性体（２０）によってス
トップピン（１３）が下に沈み、長溝（１１）の内端
（２１）がストップピン（１３）にひっかかることな
く、可動プレート（７）そのものをプレート支持板
（６）から取りはずすことができるようにしている。

ストップピンプッシュボタン（１２）を押圧しない場合
には、ストップピン（１３）が長溝（１１）内に挿入さ
れているため、可動プレート（７）はある限度だけスラ
イドすることができる。これによって、可動プレート
（７）のスライドと、そのプレート支持板（６）からの
脱落防止を可能としている。

すなわち、後方（Ｂ）への長溝（１１）の長さに応じた
スライドを可能とし、かつストップピン（１３）の内端
（２１）への当接によって、後方（Ｂ）への脱落を防い
でいる。完全に可動プレート（７）を取りはずす場合に
は、ストップピンプッシュボタン（１２）を押して、ス
トップピン（１３）を下方に沈めればよい。

また、可動プレート（７）の短溝（１０）には、端部の
傾斜面（２２）を形成する。この傾斜面（２２）によっ
て、プレート支持板（６）の後方（Ｂ）より、可動プレ
ート（７）を挿着する場合、ストップピン（１３）を自
動的に下方に押し下げることができるため、ストップピ
ンプッシュボタン（１２）の操作に関係なく容易にプレ
ート支持板（６）の溝部（９）に可動プレート（７）を
差し込むことができる。

また、第５図に示したように、この可動プレート（７）
は、前方（Ａ）へも、長溝（１１′）の長さに応じてス
ライド移動できる。この第５図は第２図のβ−β断面を
示したものである。

可動プレート（７）の前方（Ａ）への脱落は、この第５
図に示したように、長溝（１１′）内に挿入される前方
ストッパー（１４）が、長溝（１１′）の内端（２
１′）に当接して阻止されることになる。

短溝（１０′）には、第４図と同様に傾斜面（２２′）
を形成している。すなわち、このことから明らかなよう
に、可動プレート（７）に、完全に左右逆対称に長溝
（１１）（１１′）、短溝（１０）（１０′）、傾斜面
（２２）（２２′）を形成することで、この可動プレー
ト（７）は前後無関係にプレート支持板（６）の溝部
（９）に、雲台の後方（Ｂ）より挿入することができ
る。

以上の構成により、可動プレート（７）は、前方（Ａ）
および後方（Ｂ）へ、同等の距離（ｌ_Ａ）（ｌ_Ｂ）スラ
イド移動させることができ、自然脱落は完全に防止さ
れ、しかもその挿入脱着は極めて容易となる。

可動プレート（７）は、雲台に搭載するカメラ、その他
の光学、あるいは電気、通信、計測、測定等の機器類の
重量や重心の相異に応じて、適宜な距離前方（Ａ）また
は後方（Ｂ）に移動させ、プレート支持板（６）に固定
した後にカメラ等をこの可動プレート（７）に取付ける
ことができる。

可動プレート（７）のプレート支持板（６）への固定
は、たとえば第６図（第２図γ−γ断面）に示した押圧
ロック機構により行うことができる。この押圧ロック機
構は、プレート支持板（６）と可動プレート（７）との
間に押板（２３）を配設し、ロックツマミ（８）を回す
ことによってこの押板（２３）を押圧し、可動プレート
（７）をしっかりと固定できるようにしている。

もちろん、以上の説明は、この考案の一実施例を示した
ものであり、この考案がこの例に限定されないことはい
うまでもない。たとえば、上記の押圧ロック機構はもち
ろんのこと、ピン溝の形状、大きさ、ストップピンの作
動機構など、その細部については様々な態様が可能であ
る。

（考案の効果） 以上詳しく説明した通り、この考案により、搭載するカ
メラ等の重量・重心が相異しても、適切にバランスをと
ることのできる可動プレートを備えた雲台が実現され
る。

しかもこの考案の雲台においては、可動プレートの挿
入、その脱着は極めて容易であり、また、挿入装着した
後のスライド移動とその固定も容易で、かつ、自然脱落
も完全に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の雲台の全体概観を例示した斜視図
である。 第２図および第３図は、この考案の可動プレート装置に
ついて例示した平面図と右側面図である。 第４図、第５図および第６図はこの例の断面図である。 １……水平回動装置 ２……垂直回動装置 ３……雲台 ４……可動プレート装置 ５……握手 ６……プレート支持板 ７……可動プレート ８……ロックツマミ ９……溝部 １０，１０′……短溝 １１，１１′……長溝 １２……ストップピンプッシュボタン １３……ストップピン １４……前方ストッパー １５，１６，１７……穴 １８……ピン １９，２０……弾性体 ２１，２１′……内端 ２２，２２′……傾斜面 ２３……押板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カメラ等を固定する頂部プレートを有する
   雲台において、側面に押圧ロック機構を有するプレート
   支持板の中央溝部に、前後に貫通することなく短溝と長
   溝として左右逆対称に形成したピン溝と、短溝の端部に
   形成した傾斜面とを有する可動プレートを挿脱自在と
   し、かつ、この長溝に挿脱自在としたストップピンを配
   してなることを特徴とする可動プレートを備えた雲台。
2. 【請求項２】可動プレート側部の傾斜面に当接する押板
   とこれを押圧するピンとを有する押圧ロック機構を備え
   てなる請求項（１）記載の雲台。
3. 【請求項３】一方の長溝に挿入する可動プレートの前方
   ストッパーを備えてなる請求項（１）記載の雲台。