[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH0625240A - 2,3‐不飽和‐1‐シクロペンタニルプリノンからの3,4‐ジヒドロキシ‐1‐シクロペンタニルプリノンの合成法 - Google Patents

2,3‐不飽和‐1‐シクロペンタニルプリノンからの3,4‐ジヒドロキシ‐1‐シクロペンタニルプリノンの合成法

Info

Publication number
JPH0625240A
JPH0625240A JP4292042A JP29204292A JPH0625240A JP H0625240 A JPH0625240 A JP H0625240A JP 4292042 A JP4292042 A JP 4292042A JP 29204292 A JP29204292 A JP 29204292A JP H0625240 A JPH0625240 A JP H0625240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
purine
represented
triol
amino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4292042A
Other languages
English (en)
Inventor
Brian L Bray
ブライアン、ルイス、ブレイ
Maynard E Lichty
メイナード、エマヌエル、リヒティー
John J Partridge
ジョン、ジョゼフ、パートリッジ
John P Turnbull
ジョン、ピーター、ターンブル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glaxo Group Ltd
Original Assignee
Glaxo Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glaxo Group Ltd filed Critical Glaxo Group Ltd
Publication of JPH0625240A publication Critical patent/JPH0625240A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/02Heterocyclic compounds containing purine ring systems with oxygen, sulphur, or nitrogen atoms directly attached in positions 2 and 6
    • C07D473/18Heterocyclic compounds containing purine ring systems with oxygen, sulphur, or nitrogen atoms directly attached in positions 2 and 6 one oxygen and one nitrogen atom, e.g. guanine

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 式(I)で表されるトリオールまたはアミン
が保護されたその誘導体の合成法を提供する。 【構成】 式(II)で表されるシクロペンテンまたはア
ミンが保護されたその誘導体から、アルデヒドへの酸
化、二重結合の移動、アルデヒド部分のアルコール基へ
の還元および二重結合の1,2−シス−ジヒドロキシル
化を経ておこなわれる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]ヨーロッパ特許出願公報第
345、076号(1989年12月6日)には、ウイ
ルス、特にヘルペトウイルス、性疾患の治療薬として有
効であるとして、ヌクレオシドの炭素環式類似体が記載
されている。具体的に記載されている化合物は、下記の
式(I):
【化19】 で表される、(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ
−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3
−ヒドロキシメチル−1−シクロペンチル〕−6H−プ
リン−6−オンである。
【0002】ヨーロッパ特許出願公報第349、242
号(1990年1月3日、WellcomeFoundation )に
は、6−置換プリン炭素環式ヌクレオシドが示唆されて
おり、実施例45には(±)−9−〔3−(ヒドロキシ
メチル)−3−シクロペンテン−1−イル〕グアニン
(式(V)の化合物のラセミ体)の合成についての記載
がある。
【0003】[発明の概要]本発明は、下記の式(I
I)で表されるカルボビール(例えば英国特許出願公報
第2、217、320A号に記載されている(−)−カ
ルボビルあるいは(+)−カルボビルまたは(±)−カ
ルボビル)を、下記の式(I)で表されるトリオールに
転換するための全ての反応スキームに含まれる合成工程
および中間体である。
【0004】
【化20】 個々の工程には、(II)のアミノ基の保護、アルコー
ルの酸化によるアルデヒドの生成、シクロペンテンの二
重結合の移動によるアルデヒド結合の形成、アルコール
への還元、および二重結合のシス−ヒドロキシル化が含
まれる。
【0005】[発明の具体的説明]本発明は、式(I
p)で表されるトリオールの合成法であって、
【0006】
【化21】 (ここで、Proはアミノ保護基を表す) i)下記の式(IIp)で表されるシクロペンテン:
【0007】
【化22】 を酸化して、式(IVp)で表されるアルデヒド:
【0008】
【化23】 を生成し、 ii)このアルデヒド(IVp)を還元して、式(V
p)で表されるモノアルコール:
【0009】
【化24】 を生成し、 iii)このモノアルコール(Vp)をシス−ヒドロキ
シル化して、式(Ip)で表されるトリオールを生成す
る工程を含んでなる方法を含む。
【0010】次に記す反応スキームIは、本発明を実施
するにあたり必要な工程の全体的な筋道を示すものであ
る。まず、この反応スキーム中の式(II)で表される
化合物をアミン保護剤と反応させ、それによりアミノ部
が次の工程における反応体、たとえば(COCl)
反応できなくなようにした。よって、式(Ip)、(I
Ip)、(IIIp)、(IVp)および(Vp)中の
Proは、側鎖アミノ窒素に二重結合により結合されて
いる一つの残基、または二つの単結合により結合されて
いる二つの残基、たとえば=CN(CHまたは−
Hと−CHOを表す。種々のアミン保護基を用いること
ができるが、アミジンまたはホルムアミドとしても知ら
れているアミナールを使用すると、有機溶剤に分子がよ
り溶解しやすくなり、次に続く反応がより容易に進むと
いう利点がある。アミナールは、式(II)の化合物
を、式AlkNCHOで表されるホルムアミドのジア
ルキルアセタールと反応させて製造する。アセタール反
応体には式AlkNCH(OAlk)(ここでAl
kは独立してアルキル、特に炭素数が1から6程度のア
ルキルを表す)で表されるものが含まれる。他のアミン
保護の例としては、アミンと、たとえば式ClCOOC
CHで表されるクロロギ酸エステルとの反応によ
り得られるウレタンが挙げられる。アミン保護剤との反
応は、25℃から100℃程度の温度で、メタノール、
ベンゼンまたはジメチルホルムアミドのような有機溶剤
中でおこなうことができる。
【0011】反応スキームI
【0012】
【化25】 アミン保護基の除去は、酸または塩基触媒を用いた加水
分解または水素化物還元のような手法により行うことが
できる。更に詳しくは、加水分解は塩酸や硫酸のような
酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメ
トキシドのような塩基、またはピリジンやトリエチルア
ミン等を用いて、水、メタノール、エタノール等のプロ
トン性溶媒中で行うことができる。アミン保護基(Pr
o=CNMe)は、ホウ水素化ナトリウムのような金
属水素化物を用いて、水、メタノール、エタノール等の
プロトン性溶媒中で水素化物還元を行うことによっても
除去できる。水素化物還元を特に穏やかな条件下で行え
ば、アミン保護基Pro=CNMeをもつ(Vp)
を、(V)およびアミン保護基Pro=H、CHOをも
つ(Vp)とに転換することができる。
【0013】式(IVp)で表される化合物は、式(I
Ip)から酸化、特に不安定な中間体(IIIp)を経
るSwern酸化により生成される。(IIp)のアル
コール部がアルデヒドとなるときに、(IIIp)中の
二重結合が自動的に移動してアルデヒドのカルボニルを
形成する。Swern酸化は、通常過剰モル当量の塩化
オキサリル、DMSOおよびトリエチルアミンを使用
し、約−78℃から+25℃の温度下で行う。Swer
n酸化については、A. J. Mancuso およびDanielSwern
による論文(Synthesis, pp. 165-185, March 1981)に
記載されている。
【0014】次に式(IVp)の化合物を、対応するア
ルコール(Vp)に還元するかあるいは還元と同時に脱
保護して(V)を生成する。(Vp)への還元は、メタ
ノールのようなアルコール中で、−10℃から0℃程度
の温度下、NaBHやNaBHCNのようなホウ水
素化アルカリ金属を、たとえばNaBHならば0.2
5モル当量、NaBHCNならば1.5モル当量用い
ておこなう。還元、脱保護された(V)を直接得たい場
合は、エタノールまたはそれより高級なアルコール中
で、0℃から25℃程度の温度下、NaBHを少なく
とも1当量用いて還元を行えばよい。
【0015】次に式(Vp)の化合物および式(V)の
化合物を、四酸化オスミウム(OsO)のような触媒
および酸素源を用いて1,2−シス−ヒドロキシル化す
る。四酸化オスミウムを用いる酸化については、Chemic
al Reviews, 1980, 80, pp.187-213 (Martin Schroder)
やTetrahedron Letters, No. 23, pp. 1973-1976 (V.
Van Rheenen) に記載されている。通常(Vp)から
(Ip)への反応、または(V)から(I)への反応
は、混合比が1:1から50:1の水−アセトン混合溶
媒中、0℃から100℃程度の温度、たとえば室温で、
約0.008から1当量の四酸化オスミウム、および、
過酸化水素、N−メチルモルホリンN−オキシド、金属
の塩素酸塩、t−ブチルヒドロペルオキシド、過ヨウ素
酸ナトリウム、酸素ガスまたは次亜塩素酸ナトリウムの
ような酸素源を用いて行う。
【0016】新規中間体、たとえば、式(Ip)、(I
Ip)、(IIIp)、(IVp)および(Vp)で表
される中間体、そのすべてのエナンチオマーおよびジア
ステレオマー、ならびに(V)の(1’R)および
(1’S)エナンチオマーも本発明に包含される。
【0017】i)塩酸塩、ii) 塩酸塩一水和物およびiii)
半塩酸塩一水和物の状態にある式(I)で表されるトリ
オールもまた本発明に包含される。塩酸塩一水和物は他
の塩に比べて比較的低い融点をもち、吸湿性がなく、再
結晶を繰り返すことにより純度を増すため、医薬製剤の
有効成分として使用するのに適するので特に重要であ
る。本発明による他の態様によれは、ヌクレオシドから
オスミウム汚染を除去する方法であって、 a)ヌクレオシドを溶媒に溶解して溶液を調製し、 b)この溶液を沈澱剤と接触させ、 c)オスミウムを含む残差を溶液から沈澱させ、そして d)この残差を溶液から除去すること からなる方法が提供される。具体的な沈澱剤としては、
硫化水素、ピリジン、たとえばピリジンそのものあるい
はメチルモノ−、ジ−またはトリ−置換ピリジンのよう
な芳香族π塩基、または、塩酸のような鉱酸を用いるこ
とができる。硫化水素とピリジンと水、硫化水素と塩酸
と水のような組合せで、最長7日間かけて沈澱させるの
が効果的である。
【0018】
【実施例】以下の実施例および明細書を通して下記の略
号を用いることがある:mg(ミリグラム)、g(グラ
ム)、ml(ミリリッター)、mp(融点)、mmol
e(ミリモル)、MeOH(メタノール)、ICP−A
A(高周波誘導結合プラズマ−原子吸光)およびDMS
O(ジメチルスルホキシド)。特に記載のない限り温度
の単位は全て℃(摂氏度)である。
【0019】実施例1 a.(1’R−シス)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテ
ン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミ
ナール(式(IIp)) ガス導入口に接続した冷却器を取りつけた250mlの
丸底フラスコに、式(II)で表される(1’R−シ
ス)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒ
ドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル〕−
6H−プリン−6−オン11.61g(0.047mo
le)およびメタノール110mlを、窒素雰囲気中で
導入した。65℃に加熱後、ジメチルホルムアミドジメ
チルアセタールを9.8ml(8.39g、0.070
mole)添加した。この混合物を加熱して還流し、ジ
メチルホルムアミドジメチルアセタールを更に3.2m
l(2.74g、0.023mole)添加した。還流
下20分間加熱した後室温に冷却し、減圧濃縮して体積
を30mlとした。これにジエチルエーテル110ml
を全量添加し、結晶質のスラリーを軽く攪拌した。この
混合物を濾過し、得られた結晶性の固体をジエチルエー
テル30mlで洗浄した後、重量が一定となるまで真空
乾燥させたところ、(1’R−シス)−2−アミノ−
1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−
2−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−
オンジメチルアミナールが白色の固体として13.27
g得られた。mp211−213℃;〔α〕D 22−17
0°(c0.21、MeOH)。
【0020】b.(1’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔4−ホルミル−3−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール
(式(IVp)) ガス導入口およびゴム製の隔膜を備えた5mlのフラス
コに、塩化オキサリル0.050g(0.0004mo
le)および塩化メチレン1.0mlを導入し、窒素雰
囲気中で−48℃に冷却した。これに、ジメチルスルホ
キシド0.056ml(0.062g、0.0008m
ole)を塩化メチレン0.050mlに溶解して得た
溶液をシリンジで添加し、−48℃で5分間攪拌した。
実施例1aの生成物である(1’R−シス)−2−アミ
ノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチ
ル)−2−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン
−6−オンジメチルアミナール0.10g(0.000
3mole)をジメチルスルホキシドと塩化メチレンの
1:1混合液0.60mlに溶解して得た溶液をシリン
ジで更に添加し、−48℃で10分間攪拌した。この後
混合物を−18℃に温め、トリエチルアミン0.275
ml(0.0020mole)をシリンジで添加した。
この混合物を−18℃で10分間攪拌した後、0℃に温
めて1時間攪拌した。この間に、初めに生成した式(I
IIp)の(1’R−シス)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔4−ホルミル−2−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール
中の二重結合が、塩基触媒により移動した。混合物を飽
和重炭酸ナトリウム水溶液25ml中に注ぎ入れ、塩化
メチレンを25mlづつ用いて3回抽出した。有機層を
合わせて無水硫酸マグネシウム1.0g上で乾燥させた
後、濾過し、減圧濃縮して油状物を0.148g得た。
これを40−63μmのシリカゲルを用いたフラッシュ
カラムクロマトグラフィーにかけ、クロロホルム−メタ
ノール(9:1)で溶離、精製したところ、泡状の
(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−ホルミル−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−
プリン−6−オンジメチルアミナールが0.082g得
られた。〔α〕D 22+26°(c0.41、CHC
3 )。
【0021】c.(1’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロ
ペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチ
ルアミナール(式(Vp))および(1’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチ
ル)−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン
−6−オン(式(V)) 25mlのフラスコに、無水エタノール10mlに溶解
した実施例1bの(1’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔4−ホルミル−3−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール
0.223g(0.00074mole)を入れ、0℃
に冷却した。これに、無水エタノール2mlに溶解した
ホウ水素化ナトリウム0.028g(0.00074m
ole)を全量シリンジで滴下し、0℃で25分間攪拌
した。この混合物を水1.0mlで急冷した後、室温で
30分間攪拌した。この反応混合物を230−400メ
ッシュのシリカゲル3gと混ぜ合わせ、減圧濃縮してほ
ぼ乾燥させた。得られた固体をシリカゲル8gのカラム
に入れてカラムクロマトグラフィーにかけ、クロロホル
ム−メタノール(9:1)で溶離、精製して極性の小さ
い(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール
0.137gを白色の泡状物として得た。NMR(20
0MHz、CDCl3 )δ9.4(s,1H)、8.6
(s,1H)、7.7(s,1H)、5.7(s,2
H)、5.2(m,1H)、4.3(s,2H)、3.
2(s,3H)、3.1(s,3H)および3.2−
2.4ppm(m,4H)。上記のカラムから極性の大
きい(1’R−シス)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテ
ン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンも白色の泡状
物として0.048g得られた。NMR(200MH
z、 6d−DMSO)δ10.5(s,1H)、7.6
(s,1H)、6.5(s,2H)、5.6(s,1
H)、4.9(m,1H)、4.8(t,J=6Hz,
1H)、4.0(d,J=6Hz,2H)、2.8
(m,2H)および2.5ppm(m,2H)。
【0022】d.(1’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロ
ペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンホルム
アミド(式(Vp)) 脱イオン水34ml、36%の塩酸水溶液0.09ml
(0.00112mole)、および実施例1cの
(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール3.
40g(0.0112mole)の入った100mlの
丸底フラスコを、あらかじめ68℃に加熱しておいた油
浴中に入れ、この温度で45分間攪拌した。この68℃
の溶液に36%の塩酸水溶液0.84ml(0.010
1mole)を添加し、更に35分間攪拌を続けた。こ
の後溶液を23℃に冷却し、1Nの水酸化ナトリウム水
溶液11.2mlを用いてpHを7に調整した。すぐに
結晶が生成しはじめた。スラリーを0℃に冷却して結晶
化を終了させ、減圧濾過して暗色の固体を集めた。この
固体をエタノール−アセトニトリル(1:1)150m
lで洗浄した後、23℃(0.5mm)で5時間乾燥さ
せた。得られた黄褐色の固体2.1gを65℃のメタノ
ール−脱イオン水(1:1)250mlに溶解した。こ
の温かい溶液をDarcoG−60カーボン2gで処理
し、1/2インチのけい藻土床を通して熱濾過した。濾
過中に濾液中で結晶が生成しはじめた。濾液を0℃に冷
却して結晶化を終了させた。生成した固体を減圧濾過に
より集め、23℃(0.5mm)で12時間乾燥させた
ところ、(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−
9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン
−1−イル〕−6H−プリン−6−オンが約20%混じ
った(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンホルムアミドが白色
の固体として1.8g得られた。mp230−245℃
(分解)。この固体1.12gを60℃のメタノール5
0mlで倍散し、減圧濾過により固体を集め、23℃
(0.5mm)で5時間乾燥させたところ、純粋な
(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オンホルムアミドが白色の固
体として0.80g得られた。mp247−250℃
(分解);〔α〕D 22+14.1(c0.21、DM
F) 1H−NMR(200MHz、 6d−DMSO)δ
8.0(s,1H)、5.6(s,1H)、5.1
(m,1H)、4.9(bt,1H)、4.1(bt,
2H)、2.9(m,2H)および2.6ppm(m,
2H)。
【0023】e.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール(式(I
p)) 冷却器およびガス導入管を取りつけた500mlの三つ
口丸底フラスコに、実施例1cの生成物である式(V
p)の(1’S−シス)−2−アミノ−1,9−ジヒド
ロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペン
テン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルア
ミナール2.70g(0.0089mole)、97%
のN−メチルモルホリンN−オキシド2.09g(0.
0179mole)、脱イオン水115mlおよびアセ
トン1mlを導入した。フラスコをあらかじめ70℃に
加熱しておいた油浴中に入れ、四酸化オスミウム水溶液
(4%w/w、8.2ml、1.34mmol)を1分
かけて滴下した。この混合物を70℃で2時間攪拌した
後0℃に冷却し、更に重亜硫酸ナトリウム0.46g
(0.0044mole)を添加して急冷し、20分間
攪拌した。この不均質混合物を濾過し、得られた固体を
メタノールを30mlづつ用いて2回倍散した後濾過し
た。濾液を合わせて濃縮して乾燥させ、残っている水分
を減圧下アセトニトリルと共沸させて除去した。得られ
た固体を、エーテルを50mlづつ用いて2回倍散した
後濾過した。濾液を蒸発乾燥させたところ4.57gの
固体が得られた。この物質をメタノール40mlとシリ
カゲル6gとに懸濁させて得た不均質混合物を蒸発乾燥
させた。得られた固体をシリカゲル10gのカラム上に
置き、カラムをクロロホルム−メタノール(97:3→
75:25)で溶離した。所望の分画を合わせ蒸発乾燥
させたところ2.25gの固体が得られた。これを熱湯
15mlに溶解し、濾過した後0℃に冷却して結晶を生
成させた。生成物として(1’S,3’S,4’S)−
2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒド
ロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタ
ニル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナールが
白色の固体として1.65g得られた。mp263−2
68℃(分解);〔α〕D 22+77.6(c0.14、
MeOH)。
【0024】f.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オン無水塩酸塩(式(I)) 50mlのフラスコに、実施例1eの生成物である
(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オンジメチルアミナール1.48g(0.0044
mole)、脱イオン水7.5mlおよび濃塩酸1.1
mlを入れ、窒素雰囲気中、50℃で45分間攪拌し
た。この熱溶液を濾過し、濾液を減圧濃縮して4mlと
した。これに無水エタノール15mlを全量添加し、更
に無水エタノール5mlを添加しながら均一になるまで
加熱した。この混合物をゆっくり室温に冷却し、2時間
攪拌した後無水エタノール4mlを添加して充分に結晶
化させた。得られた固体を濾過により単離し、100℃
(0.2mm)で12時間乾燥させたところ、(1’
S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチ
ル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オ
ン無水塩酸塩が吸湿性のある白色の固体として1.05
g得られた。mp229−230℃(分解);〔α〕D
22+14.5°(c0.11、H2 O); ICP−AA
によるオスミウム残差は50ppm。
【0025】g.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オン(式(I)) (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン塩酸塩0.273g(0.00086mol
e)、脱イオン水2mlおよび1Nの水酸化ナトリウム
水溶液0.86mlからなる混合物を、窒素雰囲気中で
均一になるまで加熱した。この溶液を室温に冷却して結
晶化し、得られた固体を二回に分けて単離した。これら
の固体を濾過により集め、熱メタノール80mlに溶解
した。この熱溶液を濾過し、約10mlに濃縮して結晶
化させたところ、(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オンの遊離塩基が灰白色の固体と
して二回に分けて合計0.170g得られた。mp>2
80℃(分解);〔α〕D 22+13.3°(c0.1
7、H2 O)。
【0026】h.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オンナトリウム塩(式(I)) 1. (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,
9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒ
ドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プ
リン−6−オン塩酸塩0.78g(0.0025mol
e)、脱イオン水5ml、および脱イオン水0.5ml
に溶解した水酸化ナトリウム0.245g(0.006
1mole)からなる混合物を室温で5分間攪拌した。
脱イオン水5mlを更に加え、次に無水エタノールを添
加して溶液を濁らせた。この混合物を加熱して均一にし
た後室温に冷却し、油性の二相からなる溶液を生成し
た。これを減圧下アセトニトリルとの共沸により蒸発乾
燥させた。残ったオイルを80mlの熱メタノールで倍
散し、固体塩残差は濾過により除去した。混合物を濃縮
して15mlとし、曇点までアセトニトリルを添加し
た。これを均一になるまで加熱した後室温に冷却して結
晶を生成させた。一回目の結晶化により得られた固体を
集めた後、濾液を濃縮して体積を半分にし、これに同体
積の熱エタノールを添加して二回目の結晶化を行った。
得られた固体を合わせて熱メタノールに溶解し、15m
lに濃縮して室温で攪拌したところ、(1’S,3’
S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−
1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オンナト
リウム塩が白色の固体として0.420g得られた。m
p>265℃;〔α〕D 22+6.6°(c0.24、H
2 O)。
【0027】2. 水酸化ナトリウム0.491g
(0.0123mole)をメタノール250mlに溶
解して得た溶液を64℃に加熱した。この熱溶液を、5
00mlの丸底フラスコ中に入れた純度98+%の
(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン3.90g(0.0123mole)に添加し
た。白色の固体は瞬時に溶液と混じり合い、すぐにさら
さらした白色の粉末が沈澱した。このスラリーを30分
間攪拌した後、室温に冷却した。減圧下で溶媒の体積を
35mlに減じた後、直ちにジエチルエーテルを60m
l添加した。スラリーを30分間攪拌した後、窒素ガス
シールしながら白色の沈澱物を減圧濾過により集めた。
得られた吸湿性の固体を真空乾燥(0.5mm、65
℃、24時間)させたところ、(1’S,3’S,4’
S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−
ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロ
ペンタニル〕−6H−プリン−6−オンナトリウム塩が
3.72g得られた。mp>278℃(分解);〔α〕
D 22+9.86°(c0.21、H2 O);ICP−A
Aによるオスミウム残差は1.6ppm。
【0028】実施例2 a.(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1
−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール
(式(Vp)) 以下の実施例は、実施例1bおよび1cの手順と単一生
成物の単離とを組み合わせたものである。
【0029】自動攪拌器、ガス導入管、温度計、均圧化
した滴下漏斗、およびゴム製の隔膜を取りつけた1リッ
ターの四つ口丸底フラスコに、塩化メチレン200ml
を窒素雰囲気中で導入して−48℃に冷却した。これに
塩化オキサリル4.0ml(5.35g、0.041m
ole)をシリンジで直接添加した。滴下漏斗にジメチ
ルスルホキシド−塩化メチレンの1:1混合液11.8
mlを入れ、反応混合物の温度が−35℃以上にならな
いような速度で滴下した。この混合物を再び−48℃に
冷却しながら5分間攪拌した。滴下漏斗に、ジメチルス
ルホキシド−塩化メチレンの1:1混合液100mlに
溶解した式(IIp)の(1’R−シス)−2−アミノ
−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)
−2−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6
−オンジメチルアミナール10.0g(0.033mo
le)を入れ、15分かけて反応混合物に添加した。−
48℃で5分間攪拌した後、塩化メチレン21.0ml
に溶解したトリエチルアミン21.0ml(0.015
mole)を4分かけて滴下した。この反応混合物を氷
−水浴中で0℃に温め、0℃で2.5時間攪拌した。そ
の後反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液200m
l中に注ぎ入れ、塩化メチレンを150mlづつ用いて
三回抽出した。有機抽出物を合わせて無水硫酸マグネシ
ウム10.0g上で乾燥させ、濾過した後減圧濃縮して
体積を30mlとし、粗(1’S)−2−アミノ−1,
9−ジヒドロ−9−〔4−ホルミル−3−シクロペンテ
ン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミ
ナールを含有する濃縮物を得た。これをメタノール30
mlで希釈し、0℃に冷却した。これに、無水エタノー
ル15mlにホウ水素化ナトリウム0.63g(0.0
17mole)を溶解して得た溶液を3分かけて滴下し
た。0℃で25分間攪拌した後、水を1.0ml添加し
て過剰のホウ水素化ナトリウムを急冷した。この溶液を
230−400メッシュのシリカゲル30.0gと混合
し、ほとんど乾燥するまで真空中で蒸発乾固した。得ら
れた固体を230−400メッシュのシリカゲル80.
0gのカラムに入れ、カラムクロマトグラフィーにか
け、クロロホルム−メタノール(95:5→85:1
5)で溶離、精製したところ、(1’S)−2−アミノ
−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)
−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6
−オンジメチルアミナールが白色の固体として6.77
g得られた。mp108−110℃、固化、194−1
95℃で再溶解。〔α〕D 22−10.2°(c0.1
9、MeOH)。
【0030】b.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール(式(I
p)) 空気圧駆動攪拌器、還流冷却管、窒素ガス/温度計差し
込み口を備えた500mlの四つ口丸底フラスコに、式
(Vp)の(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテ
ン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミ
ナール20.0g(0.0662mole)、N−メチ
ルモルホリン−N−オキシド15.5g(0.128m
ole)、脱イオン水240ml、およびアセトン48
mlを導入した。このスラリーを窒素雰囲気中で70℃
に加熱したところ、均一な溶液となった。この溶液に四
酸化オスミウム水溶液(4%wt/wt)10ml
(1.6mmole)をシリンジで添加し、70℃で1
時間攪拌した後10℃に冷却した。暗緑色の溶液を減圧
濾過し、濾液を減圧濃縮したところ、暗色の半固体が得
られた。これを60℃のメタノール1.0リッターで倍
散した後濾過した。この倍散工程を二回繰り返した。濾
液を合わせ、減圧濃縮して褐色の固体30.2gを得
た。これをフラッシュクロマトグラフィー(40−63
μmのシリカゲルを300g、混合比9:1:0.1か
ら4:1:0.1のクロロホルム−メタノール−酢酸を
使用)で精製したところ油状物が得られた。この油状物
はトルエン(2x250ml)で倍散すると固化した。
得られた固体を真空乾燥(0.5mm、63℃、12時
間)させたところ、(1’S,3’S,4’S)−2−
アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキ
シ−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニ
ル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナールが白
色の固体として18.9g(収率85%)得られた。m
p234−236℃(分解);〔α〕D 22+68°(c
0.05、MeOH)。
【0031】c.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オン水和物(式(I)) 空気圧駆動攪拌器、サーモスタット制御加熱マントル、
漂白トラップに通気した還流冷却器、およびガス導入細
管を取りつけた3リッターの四つ口丸底フラスコに、式
(Ip)の(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−
1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−
(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H
−プリン−6−オンジメチルアミナール42.7g
(0.127mole)および脱イオン水1.14リッ
ターを導入した。このスラリーを攪拌しながら65℃に
加熱して均一な溶液とした後、硫化水素ガスを穏やかに
2時間吹き込み、不純物を含むオスミウムを沈澱させ
た。ガス導入管を取り外し、冷却器を窒素ガス雰囲気に
接続して反応混合物を65℃で攪拌した。22時間後、
無水エタノールを600ml添加し、蒸気ジャケット付
保温漏斗中の2インチのケイ藻土パッド(100g)を
通して熱濾過した。パッドはエタノール−水(1:1)
500mlで洗浄した。濾液を合わせて25℃に冷却
し、更に1.5時間かけて0℃に冷却して結晶を生成さ
せた。得られた結晶を減圧濾過により集めた。減圧下で
濾液の体積を150mlに減じ、二回目の結晶化により
得られた結晶を減圧濾過により集めた。一回目と二回目
の結晶化により得られた湿り気のある結晶47.0g
を、空気圧駆動攪拌器、漂白浴に通気した還流冷却器、
温度計、およびガス導入細管を取りつけた3リッターの
四つ口丸底フラスコ中のメタノール−脱イオン水(6
0:40)1.95リッターと混合した。この溶液を6
0℃に加熱し、攪拌しながら硫化水素ガスを穏やかに3
0秒間吹き込んだ。この後60℃で30分間攪拌し、次
いで蒸気ジャケット付保温漏斗中の2インチのケイ藻土
パッド(100g)を通して熱濾過した。パッドはエタ
ノール−水(1:1)250mlで洗浄した。減圧下で
濾液の体積を550mlとした後0℃に冷却して結晶を
生成させた。この結晶を減圧濾過により集め、無水エタ
ノール250mlで洗浄し、その後乾燥しやすくさせる
ためにアセトニトリル−エタノール(9:1)350m
lで洗浄した。この結晶を500mlの丸底フラスコに
移して真空乾燥(0.5mm、25℃、5時間)させた
ところ、(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−
1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−
(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H
−プリン−6−オン水和物が32.2g(収率90%)
得られた。NMR(200MHz、 6d−DMSO)δ
10.6(s,1H)、7.8(s,1H)、6.4
(s,2H)、4.9(m,1H)、4.8(m,2
H)、4.3(s,1H)、4.2(t,J=6Hz,
1H)、3.4(m,2H)および2.1ppm(m,
4H)。
【0032】d.(1’S,3’S,4’S)−2−ア
ミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ
−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕
−6H−プリン−6−オン水和物(式(I)) 以下の実施例は、実施例2bおよび2cの手順と単一生
成物の単離とを組み合わせたものである。
【0033】空気圧駆動攪拌器、漂白トラップに通気し
た還流冷却器、ガス導入細管、および温度計を取りつけ
た5リッターの四つ口丸底フラスコに、脱イオン水2.
4リッターおよびアセトン0.6リッターを導入して、
70℃に加熱した。この70℃の溶液に、N−メチルモ
ルホリンN−オキシド72.6g(0.620mol
e)および式(Vp)の(1’S)−2−アミノ−1,
9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−
シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−オン
ジメチルアミナール75.0g(0.248mole)
を添加し、次いで四酸化オスミウム1.0g(0.00
39mole)を添加した。70℃で35分間攪拌した
後、ピリジン500mlを添加した。この溶液を硫化水
素ガスで飽和させ、70℃で96時間攪拌してオスミウ
ム酸塩エステルを減らし、不純物を含むコロイド状のオ
スミウムを除去した。この溶液を24時間毎に硫化水素
ガスで再飽和させた。反応混合物に活性化したカーボン
(20g、DarcoG60)を添加して、不純物を含
むオスミウム沈澱物および硫黄元素を除去した。熱溶液
を濾紙を通して減圧濾過し、濾液をそのまま濃縮して暗
色の粘着性のあるスラリーを約75ml得た。この半固
体のスラリーを23℃のアセトニトリル700mlで希
釈し、12時間攪拌した。得られた固体を減圧濾過によ
り集めたところ、湿り気のある物質が76g得られた。
この黄褐色の固体を80℃の脱イオン水2.6リッター
に溶解し、溶解性を保つために、無水エタノールを70
0ml加えた。この均一な熱溶液を活性化したカーボン
20g(DarcoG60)で脱色した後、蒸気ジャケ
ット付濾過用漏斗中の1インチのケイ藻土パッド(10
0g)を通して熱濾過した。濾液の体積を真空蒸留によ
り1.5リッターに減じて結晶を生成させた。スラリー
を23℃で12時間攪拌し、次いで0℃で2時間攪拌し
て充分に結晶を生成させた。結晶化を開始させるため
に、得られた固体を減圧濾過により集めた。得られた固
体を減圧濾過により集め、無水エタノール200mlで
洗浄した後真空乾燥(0.5mm、23℃、12時間)
させたところ、(1’S,3’S,4’S)−2−アミ
ノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−
3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−
6H−プリン−6−オン水和物が白色の固体として5
4.0g得られた。この固体は、ICP−AA測定によ
り、オスミウム残差を8.4ppm含むことが分かっ
た。前述のように装置を取りつけた5リッターの四つ口
丸底フラスコに、脱イオン水1.2リッター、36%の
濃塩酸48.5ml、および(1’S,3’S,4’
S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−
ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−1−シクロ
ペンタニル〕−6H−プリン−6−オン水和物54.0
gを導入した。これを70℃に加熱し、硫化水素ガスで
飽和させて24時間攪拌した。熱溶液を濾紙(What
manP3)を通して減圧濾過して、不純物を含むオス
ミウムおよび硫黄元素を除去した。濾液を前述のように
装置を取りつけた5リッターの四つ口丸底フラスコに戻
して80℃に加熱し、30%の水酸化アンモニウム水溶
液約40mlを用いてpHを7に調整した。溶解性を保
つために、この80℃の溶液にエタノールを500ml
加えた。この熱溶液を活性化したカーボン20gで脱色
した後、蒸気ジャケット付濾過用漏斗中の1インチのケ
イ藻土床(10g)を通して熱濾過した。濾液の体積を
そのまま900mlに減じて結晶を生成させた。スラリ
ーを23℃で3時間、次いで0℃で1時間攪拌して結晶
化工程を完了させた。得られた固体を減圧濾過により集
め、0℃の水100ml、0℃の水−無水エタノール
(1:1)100ml、室温の無水エタノール100m
lで洗浄した。得られた白色の結晶を真空乾燥(0.5
mm、65℃、24時間)させたところ、(1’S,
3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9
−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)
−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オン水
和物が46.3g(収率66%)得られた。mp>19
9−204℃(分解);〔α〕D 22+13°(c0.1
7、H2 O)、ICP−AAによるオスミウム残差は
0.8ppm。
【0034】実施例3 (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン (式(I)) 電磁攪拌器および窒素雰囲気に通気した還流冷却器を取
りつけた250mlの丸底フラスコに、式(V)の
(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オン1.0g(0.0040
mole)、N−メチルモルホリンN−オキシド1.1
8g(0.0101mole)、脱イオン水32ml、
およびアセトン8mlを導入した。あらかじめ70℃に
加熱しておいた油浴中にフラスコを入れ、反応混合物中
に四酸化オスミウム水溶液(4%wt/wt)1.25
ml(0.000202mole)をシリンジを用いて
1分かけて添加した。添加後、溶液の色が薄黄色から濃
琥珀色に変化した。70℃で50分間攪拌した後、重亜
硫酸ナトリウム2.1g(0.0202mole)を添
加して70℃で2時間攪拌した。これをケイ藻土8gを
通して減圧濾過した。濾液を250mlの丸底フラスコ
に戻して減圧濃縮し、得られた固体を50mlのアセト
ニトリル−エタノール(9:1)で倍散した。液相をデ
カントし、固体を真空乾燥させた。この固体を70℃の
脱イオン水30mlに溶解した後濾過した。濾液を0℃
に冷却して結晶を生成させ、得られた結晶を減圧濾過に
より集めた。固体をアセトニトリル50mlで洗浄し、
100mlの丸底フラスコに戻して真空乾燥(0.5m
m、25℃、12時間)させたところ、(1’S,3’
S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−
1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オンが
0.824g得られた。mp>265℃(分解);
〔α〕D 22+13.7°(c0.07、MeOH);I
CP−AAによるオスミウム残差は336ppm。
【0035】実施例4 (1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オン (式(V)) 式(Vp)の(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒド
ロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペン
テン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジメチルア
ミナール2.25g(0.00744mole)、1N
の水酸化ナトリウム水溶液8.3ml(0.0083m
ole)、および脱イオン水12mlからなる溶液を、
電磁攪拌棒および還流冷却器を取りつけた100mlの
丸底フラスコに入れた。23℃で30分間攪拌した後、
65℃に温めて80分間攪拌した。この溶液を23℃に
冷却した後、脱イオン水10mlに溶解した氷酢酸0.
5mlを用いてpHを7に調整し、結晶を生成させた。
このスラリーを0℃に冷却し、生成した結晶を減圧濾過
により集めた。湿り気のある白色の結晶をアセトニトリ
ル10mlで洗浄し、100mlの丸底フラスコに移し
て真空乾燥(0.5mm、23℃、12時間)させたと
ころ、(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9
−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−
1−イル〕−6H−プリン−6−オンが1.43g得ら
れた。mp260−265℃(分解);〔α〕D 22+1
2.5°(c0.12、MeOH)。
【0036】実施例5 (1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オンジメチルアミナール (式
(Vp)) メタノール25mlに溶解した式(IVp)の(1’
S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4−ホル
ミル−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン
−6−オンジメチルアミナール1.16g(0.003
86mole)を、電磁攪拌棒および窒素雰囲気に通気
した還流冷却器を取りつけた100mlの丸底フラスコ
に入れた。この溶液を−10℃に冷却後、ホウ水素化ナ
トリウム粉末0.039g(0.0010mole)を
直ちに添加した。溶液を−10℃で20分間攪拌した
後、230−400メッシュのシリカゲル1g上で減圧
濃縮した。得られた固体を230−400メッシュのシ
リカゲルの小さなカラム上に置き、クロロホルム−メタ
ノール(9:1)を溶離剤として用いたクロマトグラフ
ィーにかけたところ、(1’S)−2−アミノ−1,9
−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シ
クロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンジ
メチルアミナールが白色の泡状物質として0.86g得
られた。NMR(200MHz、 6d−DMSO)δ1
1.3(s,1H)、8.6(s,1H)、7.8
(s,1H)、5.6(s,1H)、5.2(m,1
H)、4.9(t,J=6Hz,1H)、4.1(d,
J=6Hz,2H)、3.1(s,3H)、3.0
(s,3H)、2.8(m,2H)および2.5ppm
(m,2H)。
【0037】実施例6 (1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1−イ
ル〕−6H−プリン−6−オン水和物 (式(V)) 無水エタノール15mlに溶解した式(IVp)の
(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔4
−ホルミル−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−
プリン−6−オンジメチルアミナール0.400g
(0.00133mole)を、電磁攪拌棒および窒素
雰囲気に通気した還流冷却器を取りつけた100mlの
丸底フラスコに入れた。この溶液を0℃に冷却後、ホウ
水素化ナトリウム粉末0.051g(0.00133m
ole)を直ちに添加した。これを23℃に温め、3.
5時間攪拌した。この溶液に36%の塩酸水溶液0.1
1ml(0.00133mole)を添加して23℃で
30分間攪拌した後、230−400メッシュのシリカ
ゲル2g上で減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフ
ィー(230−400メッシュのシリカゲルを4g使
用、クロロホルム−メタノール(4:1)で溶離)で精
製したところ、(1’S)−2−アミノ−1,9−ジヒ
ドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペ
ンテン−1−イル〕−6H−プリン−6−オンがガラス
状の固体として0.32g得られた。この固体を熱エタ
ノール10mlに溶解した後、減圧下で体積を4mlに
したところ結晶化した。この混合物にアセトニトリル2
5mlを添加し、得られたスラリーを0℃に冷却した。
結晶を減圧濾過により集め、真空乾燥(0.5mm、2
3℃、5時間)させたところ、(1’S)−2−アミノ
−1,9−ジヒドロ−9−〔4−(ヒドロキシメチル)
−3−シクロペンテン−1−イル〕−6H−プリン−6
−オン水和物が白色の固体として0.24g得られた。
mp148−160℃(分解);〔α〕D 22+14°
(c0.20、MeOH)。
【0038】実施例7 (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン塩酸塩一水和物塩 (式(I)) 三角フラスコ中に濃塩酸(Baxter、Baker analyzed)2
30ml(2.76mole)および脱イオン水645
mlを入れて塩酸溶液を調製した。この溶液を攪拌し、
20℃から25℃に冷却した。ガラス棒空気圧攪拌器、
温度計、温度計差し込み口、冷却器、および粉末用漏斗
を取りつけた5リッターの四つ口丸底フラスコに上記の
塩酸溶液625mlを入れ、これに式(I)の(1’
S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチ
ル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オ
ン258.3g(0.918mole)を添加した。こ
の際、塩酸溶液50mlを別に用いて、式(I)の化合
物を完全にフラスコに移した。添加後5分から10分で
完全な溶液となった。この溶液を濾紙(Whatman
P4)を通して濾過して粒状の不溶物を除去し、残りの
物質を塩酸溶液100mlで洗浄した。洗浄液と濾液と
を合わせ、前述のように装置を取りつけた清浄な5リッ
ターの四つ口丸底フラスコに戻した。この際、塩酸溶液
を別に100ml用いて完全にフラスコに移した。この
溶液を20℃から25℃で攪拌しながら、30分かけて
無水エタノールを3.5リッター添加して結晶化させ
た。アルコールの添加終了後、白色のスラリーを20℃
から25℃で30分間攪拌した。これを30分かけて0
℃から5℃に冷却した後、0℃から5℃で1時間攪拌し
た。濾紙(WhatmanP4)を用いて濾過して生成
物を単離し、得られた固体を0℃から5℃の無水エタノ
ール(2x125ml=250ml)で洗浄した。これ
を63℃の真空オーブン(1mm)中で重量が一定にな
るまで乾燥させたところ、白色の結晶状の(1’S,
3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9
−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)
−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オン塩
酸塩一水和物塩が263.9g得られた。
【0039】電磁攪拌棒を取りつけた2リッターの三角
フラスコに、36%の濃塩酸138.4ml(1.66
mole)および脱イオン水553mlを入れた。この
塩酸溶液のアリコート250mlをすすぎ用に確保し
た。塩酸溶液を45℃に加熱した後、式(I)の(1’
S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチ
ル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オ
ン塩酸塩一水和物塩263.0g(0.783mol
e)を添加した。この際、化合物(I)を塩酸溶液25
0mlですすぎ落として完全にフラスコに移した。添加
後5分から10分で完全な溶液となった。この溶液を6
5℃に加熱した後、濾紙(WhatmanP4)を通し
て濾過して粒状物質を除去し、残りの物質を脱イオン水
(2x50ml=100ml)で洗浄した。洗浄液と濾
液とを合わせて、ガラス棒空気圧攪拌器、温度計差し込
み口、温度計、冷却器、および添加用漏斗を取りつけた
5リッターの四つ口丸底フラスコに戻した。この際、脱
イオン水を38ml用いて完全にフラスコに移した。こ
の溶液を50℃で攪拌しながら、30分かけて無水エタ
ノールを3.5リッター添加して結晶を生成させた。白
色の濃いスラリーを1時間攪拌した後、濾紙(What
manP4)を用いて濾過して生成物を単離した。これ
を0℃から5℃の無水エタノール(2x250ml=5
00ml)で洗浄し、63℃の真空オーブン(1mm)
中で重量が一定になるまで乾燥させたところ、(1’
S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ
−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチ
ル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オ
ン塩酸塩一水和物塩が白色の固体として232.0g得
られた。mp172−179℃(分解);〔α〕D 22
15.8°(c0.50、H2 O)。
【0040】実施例8 (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン半塩酸塩一水和物塩 (式(I)) 電磁攪拌棒を取りつけた2リッターの三角フラスコに、
脱イオン水27mlおよび式(I)の(1’S,3’
S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−
〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−
1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−6−オン塩酸
塩一水和物塩9.0g(0.027mole)を入れ
た。このスラリーを65℃に加熱したところ45℃で完
全な溶液となった。熱溶液を濾紙(WhatmanP
4)を通して濾過して粒状の不溶物を除去した。この
際、脱イオン水9mlを別に用いて完全に溶液を濾紙に
移し、残差を洗浄した。洗浄液と濾液とを合わせて、ガ
ラス棒空気圧攪拌器、温度計差し込み口、温度計、冷却
器、および添加用漏斗を取りつけた500mlの四つ口
丸底フラスコに移した。この熱溶液を攪拌しながら無水
エタノール130mlを30分かけて添加した。このス
ラリーを20℃から25℃に冷却しながら2時間攪拌し
た後、攪拌しながら30分かけて0℃から5℃に冷却し
た。更に、0℃から5℃で2時間攪拌した後、生成物を
濾過により単離した。得られた固体を0℃から5℃の無
水エタノール(2x15ml=30ml)で洗浄し、6
3℃の真空オーブン中で重量が一定になるまで乾燥させ
たところ、(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−
1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−
(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H
−プリン−6−オン半塩酸塩一水和物塩が7.0g得ら
れた。mp241−243℃(分解);〔α〕D 22+1
4.7°(c0.41、H2 O)。
【0041】実施例9 (1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−1,9−ジ
ヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキ
シメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H−プリン−
6−オン無水塩酸塩 (式(I)) 式(I)の(1’S,3’S,4’S)−2−アミノ−
1,9−ジヒドロ−9−〔3,4−ジヒドロキシ−3−
(ヒドロキシメチル)−1−シクロペンタニル〕−6H
−プリン−6−オン塩酸塩一水和物塩1.24g(0.
0037mole)を全量蒸発皿にのせ、真空オーブン
(103℃、0.5mm)中で12時間乾燥させた。得
られた吸湿性の固体1.16gは(1’S,3’S,
4’S)−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−〔3,
4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−1−シ
クロペンタニル〕−6H−プリン−6−オン無水塩酸塩
であること同定された。mp229−230℃(分
解);〔α〕D 22+16.2°(c0.28、H
2 O)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン、ジョゼフ、パートリッジ アメリカ合衆国ノースカロライナ州、チャ ペル、ヒル、ミュール、レーン、109 (72)発明者 ジョン、ピーター、ターンブル イギリス国ミドルセックス、グリーンフォ ード、グリンフォード、ロード、361

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(Ip)で表されるトリオールの合
    成法であって、 【化1】 (ここで、Proはアミノ保護基を表す) i)下記の式(IIp)で表されるシクロペンテン: 【化2】 を酸化して、式(IVp)で表されるアルデヒド: 【化3】 を生成し、 ii)このアルデヒド(IVp)を還元して、式(V
    p)で表されるモノアルコール: 【化4】 を生成し、 iii)このモノアルコール(Vp)をシス−ヒドロキ
    シル化して式(Ip)で表されるトリオールを生成する
    工程からなる、方法。
  2. 【請求項2】酸化工程i)がSwern酸化である、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】Swern酸化を、塩化オキサリル、ジメ
    チルスルホキシドおよびトリエチルアミンを用いて行な
    う、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】Swern酸化を約−78℃から+25℃
    で行う、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】還元工程ii)をホウ水素化アルカリ金属
    を用いて行う、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】還元工程ii)を約−10℃から0℃で行
    う、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】シス−ヒドロキシル化工程iii)を、四
    酸化オスミウム触媒および酸素源を用いて行う、請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】シス−ヒドロキシル化工程iii)を約0
    ℃から100℃で行う、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】トリオール(Ip)を脱保護して、下記式
    (I)で表されるプリン: 【化5】 あるいはその酸または塩基付加塩を生成する工程iv)
    を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】下記式(I)で表されるプリンあるいは
    その酸または塩基付加塩の合成法であって、 【化6】 a)下記の式(IIp)で表されるシクロペンテン: 【化7】 (ここで、Proはアミン保護基を表す)を酸化して、
    式(IVp)で表されるアルデヒド: 【化8】 を生成し、 b)このアルデヒド(IVp)を還元して、式(Vp)
    で表されるモノアルコール: 【化9】 を生成し、 c)このモノアルコール(Vp)をシス−ヒドロキシル
    化して、式(Ip)で表されるトリオール: 【化10】 を生成し、 d)このトリオール(Ip)を脱保護して式(I)で表
    されるプリンを生成する工程、 あるいは工程b)、c)およびd)の代わりに e)アルデヒド(IVp)を還元して、式(V)で表さ
    れるアルケノール: 【化11】 を生成し、 f)このアルケノール(V)をシス−ヒドロキシル化し
    て、式(I)で表されるプリンを生成する工程からな
    る、方法。
  11. 【請求項11】還元工程b)をホウ水素化アルカリ金属
    を用いて約−10℃から0℃で行うか、あるいはその代
    替工程である還元工程e)をホウ水素化アルカリ金属を
    用いて約0℃から25℃で行う、請求項10に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】下記式(IVp)で表されるアルデヒド
    の合成法であって、 【化12】 (ここで、Proはアミン保護基を表す)下記の式(I
    Ip)で表されるシクロペンテン: 【化13】 を酸化する工程からなる、方法。
  13. 【請求項13】下記式(I)で表されるプリンの合成法
    であって、 【化14】 式(V)で表されるアルケノールまたは式(Vp)で表
    されるその保護された誘導体: 【化15】 (ここで、Proはアミン保護基を表す)をシス−ヒド
    ロキシル化し、続いて(Vp)をシス−ヒドロキシル化
    する場合には、生成したトリオール(Ip): 【化16】 を脱保護して、式(I)で表されるプリンを生成するこ
    とからなる、方法。
  14. 【請求項14】下記式(IIp)、(IIIp)、(I
    VP)、(Vp)、(Ip)または(V)で表されるプ
    リン、およびそのすべてのエナンチオマーおよびジアス
    テレオマー。 【化17】 (ここで、Proはアミン保護基を表し、(V)は1’
    R−または1’S−配置をとる)
  15. 【請求項15】プリンが式(IIp)で表されるもので
    ある、請求項14に記載のプリン。
  16. 【請求項16】プリンが式(IIIp)で表されるもの
    である、請求項14に記載のプリン。
  17. 【請求項17】プリンが式(IVp)で表されるもので
    ある、請求項14に記載のプリン。
  18. 【請求項18】プリンが式(Vp)で表されるものであ
    る、請求項14に記載のプリン。
  19. 【請求項19】プリンが式(Ip)で表されるものであ
    る、請求項14に記載のプリン。
  20. 【請求項20】プリンが1’R−または1’S−エナン
    チオマーとして式(V)で表されるものである、請求項
    14に記載のプリン。
  21. 【請求項21】プリンが式(Ip)で表されるものであ
    り、Proが=CN(CHまたは−H、−CHO
    である、請求項14に記載のプリン。
  22. 【請求項22】i)塩酸塩、 ii) 塩酸塩一水和物、または iii)半塩酸塩一水和物 である、下記の式(I): 【化18】 で表されるトリオール。
  23. 【請求項23】トリオールがi)塩酸塩である、請求項2
    2に記載のトリオール。
  24. 【請求項24】トリオールがii) 塩酸塩一水和物であ
    る、請求項22に記載のトリオール。
  25. 【請求項25】トリオールがiii)半塩酸塩一水和物であ
    る、請求項22に記載のトリオール。
  26. 【請求項26】a)ヌクレオシドを溶媒に溶解して溶液
    を調製し、 b)この溶液を沈澱剤と接触させ、 c)オスミウムを含む残差を溶液から沈澱させ、そして d)この残差を溶液から除去すること からなる、ヌクレオシドからオスミウム汚染を除去する
    方法。
  27. 【請求項27】沈澱剤が硫化水素を含んでなるものであ
    る、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】沈澱剤が芳香族π塩基を含んでなるもの
    である、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】芳香族π塩基がピリジンである、請求項
    28に記載の方法。
  30. 【請求項30】沈澱剤が鉱酸を含んでなるものである、
    請求項26に記載の方法。
JP4292042A 1991-10-07 1992-10-06 2,3‐不飽和‐1‐シクロペンタニルプリノンからの3,4‐ジヒドロキシ‐1‐シクロペンタニルプリノンの合成法 Pending JPH0625240A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US772738 1991-10-07
US07/772,738 US5233041A (en) 1991-10-07 1991-10-07 Synthesis of a 3,4-dihydroxy-1-cyclopentanylpurinone from a 2,3-unsaturated-1-cyclopentanylpurinone

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0625240A true JPH0625240A (ja) 1994-02-01

Family

ID=25096073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4292042A Pending JPH0625240A (ja) 1991-10-07 1992-10-06 2,3‐不飽和‐1‐シクロペンタニルプリノンからの3,4‐ジヒドロキシ‐1‐シクロペンタニルプリノンの合成法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US5233041A (ja)
EP (1) EP0537833A3 (ja)
JP (1) JPH0625240A (ja)
CA (1) CA2079960A1 (ja)
MX (1) MX9205716A (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5233041A (en) * 1991-10-07 1993-08-03 Glaxo Group Limited Synthesis of a 3,4-dihydroxy-1-cyclopentanylpurinone from a 2,3-unsaturated-1-cyclopentanylpurinone
US5329008A (en) * 1993-04-07 1994-07-12 Glaxo Inc. Synthesis of a 3,4-dihydroxy-1-cyclopentanylpurinone
US5703058A (en) * 1995-01-27 1997-12-30 Emory University Compositions containing 5-fluoro-2',3'-didehydro-2',3'-dideoxycytidine or a mono-, di-, or triphosphate thereof and a second antiviral agent
US6391859B1 (en) 1995-01-27 2002-05-21 Emory University [5-Carboxamido or 5-fluoro]-[2′,3′-unsaturated or 3′-modified]-pyrimidine nucleosides
US6559309B2 (en) 1996-11-01 2003-05-06 Osi Pharmaceuticals, Inc. Preparation of a camptothecin derivative by intramolecular cyclisation
CA2508479A1 (en) * 2002-12-03 2004-06-17 Baylor University Compounds resistant to metabolic deactivation and methods of use
US20100255162A1 (en) 2009-04-06 2010-10-07 Cryovac, Inc. Packaging with on-demand oxygen generation
US20110311688A1 (en) 2010-06-22 2011-12-22 Cryovac, Inc. Package comprising on-demand collapsible support member
US8357414B2 (en) * 2010-08-25 2013-01-22 Cryovac, Inc. Package with on-demand product elevation

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4621140A (en) * 1984-02-23 1986-11-04 Syntex (U.S.A.) Inc. Process for preparing 2,6-substituted-9-(1,3-dihydroxy-2-propoxymethyl)-purines and certain derivatives
IT1196261B (it) * 1984-09-20 1988-11-16 Pierrel Spa Derivati nucleosidici e purinici 8-sostituiti
GB8926623D0 (en) * 1989-11-24 1990-01-17 Glaxo Group Ltd Chemical compounds
US5155112A (en) * 1988-06-03 1992-10-13 Glaxo Group Limited Cyclopentane derivatives
GB8813148D0 (en) * 1988-06-03 1988-07-06 Glaxo Group Ltd Chemical compounds
GB8815265D0 (en) * 1988-06-27 1988-08-03 Wellcome Found Therapeutic nucleosides
JP3164361B2 (ja) * 1989-06-27 2001-05-08 ザ ウエルカム ファウンデーション リミテッド 治療用ヌクレオシド
US5233041A (en) * 1991-10-07 1993-08-03 Glaxo Group Limited Synthesis of a 3,4-dihydroxy-1-cyclopentanylpurinone from a 2,3-unsaturated-1-cyclopentanylpurinone

Also Published As

Publication number Publication date
MX9205716A (es) 1993-12-01
US5233041A (en) 1993-08-03
CA2079960A1 (en) 1993-04-08
US5438132A (en) 1995-08-01
EP0537833A2 (en) 1993-04-21
EP0537833A3 (en) 1993-05-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5840891A (en) 2-(2-amino-1,6-dihydro-6-oxo-purin-9-yl) methoxy-1,3-propanediol derivative
US5756736A (en) Process for preparing a 2-(2-amino-1,6-dihydro-6-oxo-purin-9-yl)methoxy-1,3-propanediol derivative
JPH0737460B2 (ja) ピラノインドリジン誘導体及びその製造法
EP0269378A1 (en) Quinazolinone derivative and processes for preparing the same
NZ229040A (en) Process for the preparation of 2',3'-dideoxycytidine (ddc), and intermediates used therein
JP4451066B2 (ja) 4,6−ジアミノピリミド[5,4−d]ピリミジンを製造する方法
JPH0625240A (ja) 2,3‐不飽和‐1‐シクロペンタニルプリノンからの3,4‐ジヒドロキシ‐1‐シクロペンタニルプリノンの合成法
US6040446A (en) Process for preparing a 2-(2-amino-1,6-dihydro-6-oxo-purin-9-yl) methoxy-1,3-propanediol derivative
KR100573859B1 (ko) 9-[4-아세톡시-3-(아세톡시메틸)부트-1-일]-2-아미노푸린의제조방법
DE68920648T2 (de) Verfahren zur Herstellung von O2,2'-anhydro-1-(beta-D-arabinofuranosyl)Thymin.
JPH0570437A (ja) 1−カルバモイルピラゾールの製造方法
JP7379381B2 (ja) リナグリプチンおよびその塩の製造のための中間体およびプロセス
DE69714971T2 (de) Verfahren zur herstellung von purin-derivaten
GB2036744A (en) Eburnane derivatives
JP4138883B2 (ja) アクリドン誘導体及び8―ヒドロキシイミダゾアクリジノン誘導体の製造方法
JPH0121828B2 (ja)
JP2022535112A (ja) 4-フェニル-5-アルコキシカルボニル-2-チアゾール-2-イル-1,4-ジヒドロピリミジン-6-イル]メチル]-3-オキソ-5,6,8,8a-テトラヒドロ-1H-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-2-イル]-カルボン酸を調製するための代替方法
JPH0269476A (ja) ピリミジン誘導体の製法
EP0806425B1 (en) An improved regiospecific process for synthesis of acyclic nucleosides
FI94959B (fi) Menetelmä valmistaa 2,3,4,5-tetrahydro-5-metyyli-1-/(5-metyyli-1H-imidatsol-4-yyli)-metyyli)/-1H-pyrido/4,3-b/-indol-1-onia
US5821367A (en) Regiospecific process for synthesis of acyclic nucleosides
US5576430A (en) 1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-1(7)-enium cyanide and method of making thereof
US20030069423A1 (en) Novel processes for the preparation of adenosine compounds and intermediates thereto
JPH0778062B2 (ja) D−ノル−7−エルゴリン誘導体、その製法、薬剤組成物及び使用
JP2641879B2 (ja) 光学活性を有するヒダントイン誘導体の製法