JPH06256857A - 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH06256857A JPH06256857A JP6915893A JP6915893A JPH06256857A JP H06256857 A JPH06256857 A JP H06256857A JP 6915893 A JP6915893 A JP 6915893A JP 6915893 A JP6915893 A JP 6915893A JP H06256857 A JPH06256857 A JP H06256857A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 鋼板にAlを0.1〜0.2mass%添加
した亜鉛めっき浴にて亜鉛めっきした後、鋼板を高周波
誘導加熱方式で20℃/s以上の昇温速度で昇温し、鋼
板温度が490〜550℃になった時点で5〜10s保
持した後、室温まで20℃/s以上の冷却速度で冷却す
ることによる加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法。 【効果】 δ1 相単相型のめっき層構造を有する加工性
に優れたGAを安価に、しかも生産性よく製造すること
ができる。
した亜鉛めっき浴にて亜鉛めっきした後、鋼板を高周波
誘導加熱方式で20℃/s以上の昇温速度で昇温し、鋼
板温度が490〜550℃になった時点で5〜10s保
持した後、室温まで20℃/s以上の冷却速度で冷却す
ることによる加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法。 【効果】 δ1 相単相型のめっき層構造を有する加工性
に優れたGAを安価に、しかも生産性よく製造すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、GA
と称す)は耐食性、溶接性、塗装性、塗膜密着性に優れ
ているために、家電製品等の種々の分野に使用されてい
る。特に近年、自動車ボディー用の防錆鋼板としての需
要が急増している。このような用途では、通常、プレス
成形により所定の形状に加工して使用されるため、耐食
性等に加えて加工性に優れていることが重要である。G
Aはめっき直後に加熱による合金化処理を施して製造さ
れるが、めっき直後に合金化処理を施すと合金化の進行
とともにめっき層ではη−Zn相が消失し、Fe−Zn
金属間化合物であるζ相(FeZn13)、δ1 相(Fe
Zn7 )、Γ相(Fe5 Zn21)が順次生成する。
と称す)は耐食性、溶接性、塗装性、塗膜密着性に優れ
ているために、家電製品等の種々の分野に使用されてい
る。特に近年、自動車ボディー用の防錆鋼板としての需
要が急増している。このような用途では、通常、プレス
成形により所定の形状に加工して使用されるため、耐食
性等に加えて加工性に優れていることが重要である。G
Aはめっき直後に加熱による合金化処理を施して製造さ
れるが、めっき直後に合金化処理を施すと合金化の進行
とともにめっき層ではη−Zn相が消失し、Fe−Zn
金属間化合物であるζ相(FeZn13)、δ1 相(Fe
Zn7 )、Γ相(Fe5 Zn21)が順次生成する。
【0003】GAの加工性はこのめっき層構造と密接な
関係にある。めっき層表層に軟質なζ相が厚く残存した
場合、プレス成形時に金型との摺動抵抗が大きくなり、
鋼板の金型への滑り込みが阻害されて板破断やめっき層
が鱗片状に剥離するフレーキング現象が発生する。逆
に、ζ相が消失し、めっき層と鋼板の界面に硬くて脆い
Γ相が厚く成長すると、プレス成形時にめっき層が粉状
に剥離するパウダリング現象が発生し、剥離しためっき
層が金型に蓄積して金型やめっき層表面が損傷を受け
る。また、フレーキング現象やパウダリング現象が著し
い場合、プレス成形作業に悪影響をおよぼすばかりでな
く、めっき層が存在しない状態と近い状態となり、耐食
性も低下する。このように、GAを自動車ボディー等の
加工度の高い部位に使用する場合、ζ相の残存量とΓ相
の生成量を少なくしたδ1 相単層型のめっき構造となる
ように合金化処理する必要がある。
関係にある。めっき層表層に軟質なζ相が厚く残存した
場合、プレス成形時に金型との摺動抵抗が大きくなり、
鋼板の金型への滑り込みが阻害されて板破断やめっき層
が鱗片状に剥離するフレーキング現象が発生する。逆
に、ζ相が消失し、めっき層と鋼板の界面に硬くて脆い
Γ相が厚く成長すると、プレス成形時にめっき層が粉状
に剥離するパウダリング現象が発生し、剥離しためっき
層が金型に蓄積して金型やめっき層表面が損傷を受け
る。また、フレーキング現象やパウダリング現象が著し
い場合、プレス成形作業に悪影響をおよぼすばかりでな
く、めっき層が存在しない状態と近い状態となり、耐食
性も低下する。このように、GAを自動車ボディー等の
加工度の高い部位に使用する場合、ζ相の残存量とΓ相
の生成量を少なくしたδ1 相単層型のめっき構造となる
ように合金化処理する必要がある。
【0004】従来からGAの合金化処理には亜鉛めっき
浴上に設置したバーナー加熱方式の合金化処理炉が用い
られてきた。しかし、バーナー加熱方式による従来の合
金化処理方法では、ζ相の生成、消失挙動およびΓ相の
生成、成長挙動と合金化処理条件(昇温速度、合金化処
理温度、時間)の関係について十分に解明されていなか
った。また、GAを加工度の高い部位に使用する場合、
めっき原板にはTi添加鋼が用いられるが、Ti添加鋼
は他の鋼種に比べて合金化速度が大きく、ζ相を消失さ
せればΓ相が厚く成長した。このため、加工度の高い部
位には耐フレーキング性を重視してζ相を消失させたδ
1 相+Γ相型のめっき層構造のGAが用いられているの
が現状である。また、特に加工度の高い部位では、Γ相
の生成を抑制し、ζ相を残存させためっき層の表面に電
気めっき法により、Feめっきを施して摺動抵抗を小さ
くしたFeめっきGAが用いられている。
浴上に設置したバーナー加熱方式の合金化処理炉が用い
られてきた。しかし、バーナー加熱方式による従来の合
金化処理方法では、ζ相の生成、消失挙動およびΓ相の
生成、成長挙動と合金化処理条件(昇温速度、合金化処
理温度、時間)の関係について十分に解明されていなか
った。また、GAを加工度の高い部位に使用する場合、
めっき原板にはTi添加鋼が用いられるが、Ti添加鋼
は他の鋼種に比べて合金化速度が大きく、ζ相を消失さ
せればΓ相が厚く成長した。このため、加工度の高い部
位には耐フレーキング性を重視してζ相を消失させたδ
1 相+Γ相型のめっき層構造のGAが用いられているの
が現状である。また、特に加工度の高い部位では、Γ相
の生成を抑制し、ζ相を残存させためっき層の表面に電
気めっき法により、Feめっきを施して摺動抵抗を小さ
くしたFeめっきGAが用いられている。
【0005】しかし、FeめっきGAは、耐フレーキン
グ性、耐パウダリング性の両方の特性に優れているもの
の、FeめっきGAを製造するためには、溶融亜鉛めっ
きラインにFeめっき設備を付設するか、あるいは電気
めっきラインにてFeめっきを施さなければならず、製
造設備が高額になるとともに製造コストも高くなる。ま
た、特開昭61−223174号公報は、合金化炉の長
さを短縮するために、550℃以上の合金化処理条件
を、合金化時の1過程として合金化プロセスの中に組み
入れ、生産性を高めることも提案している。このよう
に、従来のGAの合金化処理方法では、δ1 相単相型の
めっき層構造を得るための合金化処理条件が確立されて
おらず、耐パウダリング性と耐フレーキング性の両方の
特性を満足するGAを安価に製造することができなかっ
た。
グ性、耐パウダリング性の両方の特性に優れているもの
の、FeめっきGAを製造するためには、溶融亜鉛めっ
きラインにFeめっき設備を付設するか、あるいは電気
めっきラインにてFeめっきを施さなければならず、製
造設備が高額になるとともに製造コストも高くなる。ま
た、特開昭61−223174号公報は、合金化炉の長
さを短縮するために、550℃以上の合金化処理条件
を、合金化時の1過程として合金化プロセスの中に組み
入れ、生産性を高めることも提案している。このよう
に、従来のGAの合金化処理方法では、δ1 相単相型の
めっき層構造を得るための合金化処理条件が確立されて
おらず、耐パウダリング性と耐フレーキング性の両方の
特性を満足するGAを安価に製造することができなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決し、耐パウダリング性と耐フレーキング性
の両方の特性に優れたGAを安価に提供することを課題
とする。
問題点を解決し、耐パウダリング性と耐フレーキング性
の両方の特性に優れたGAを安価に提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明を図を参照して説
明する。図1はFe−Zn系平衡状態図の一部である。
図1に示すように、Fe−Zn系状態図によればζ相の
包晶点は約530℃であり、それ以上ではζ相は熱力学
的に存在できない。本発明者らが研究の結果、通常の亜
鉛めっき浴には、Γ相の成長を抑制するために、0.1
〜0.2mass%のAlが添加されるが、その場合、
上記包晶点は490℃に低下することが判明した。本発
明者らはこれらの知見をもとに、亜鉛めっき浴にAlを
0.1〜0.2mass%添加した亜鉛めっき浴で鋼板
に亜鉛めっきした後、490〜550℃に20℃/s
(秒)以上の昇温速度で加熱すれば、ζ相の生成量は少
なくなり、490〜550℃で5〜10s(秒)保持す
ればζ相は消失し、その時点で室温まで20℃/s
(秒)以上の冷却速度で急冷すれば、Γ相厚みが1μm
以下のδ1相単相型のめっき層構造となることを究明
し、本発明を完成した。
明する。図1はFe−Zn系平衡状態図の一部である。
図1に示すように、Fe−Zn系状態図によればζ相の
包晶点は約530℃であり、それ以上ではζ相は熱力学
的に存在できない。本発明者らが研究の結果、通常の亜
鉛めっき浴には、Γ相の成長を抑制するために、0.1
〜0.2mass%のAlが添加されるが、その場合、
上記包晶点は490℃に低下することが判明した。本発
明者らはこれらの知見をもとに、亜鉛めっき浴にAlを
0.1〜0.2mass%添加した亜鉛めっき浴で鋼板
に亜鉛めっきした後、490〜550℃に20℃/s
(秒)以上の昇温速度で加熱すれば、ζ相の生成量は少
なくなり、490〜550℃で5〜10s(秒)保持す
ればζ相は消失し、その時点で室温まで20℃/s
(秒)以上の冷却速度で急冷すれば、Γ相厚みが1μm
以下のδ1相単相型のめっき層構造となることを究明
し、本発明を完成した。
【0008】本発明による合金化処理方法を従来法と比
較して図2,及び図3に示す。図2に示す従来のバーナ
ー加熱方式の合金化処理方法では、昇温速度が小さいこ
とや、Γ相の成長を抑制するために昇温速度は10℃/
s以下で合金化処理していた。このため、包晶点以上に
加熱しても、ζ相生成温度領域の滞在時間が長くなり、
昇温過程でζ相が大量に生成する。そして、ζ相を消失
させるために長時間の合金化処理が必要となり、ζ相を
消失させる間にΓ相が生成、成長する。また、ζ相を短
時間で消失させるために、合金化処理温度を高くすれ
ば、昇温時間が長くなり、Γ相が成長する。このため、
従来の合金化処理方法ではζ相を消失させればΓ相が成
長し、逆にΓ相の成長を抑制すればζ相が残存し、δ1
相単相型のめっき層構造が得られなかった。
較して図2,及び図3に示す。図2に示す従来のバーナ
ー加熱方式の合金化処理方法では、昇温速度が小さいこ
とや、Γ相の成長を抑制するために昇温速度は10℃/
s以下で合金化処理していた。このため、包晶点以上に
加熱しても、ζ相生成温度領域の滞在時間が長くなり、
昇温過程でζ相が大量に生成する。そして、ζ相を消失
させるために長時間の合金化処理が必要となり、ζ相を
消失させる間にΓ相が生成、成長する。また、ζ相を短
時間で消失させるために、合金化処理温度を高くすれ
ば、昇温時間が長くなり、Γ相が成長する。このため、
従来の合金化処理方法ではζ相を消失させればΓ相が成
長し、逆にΓ相の成長を抑制すればζ相が残存し、δ1
相単相型のめっき層構造が得られなかった。
【0009】一方、図3に示す本発明法では包晶点以上
に急速加熱するため、ζ相生成温度領域の滞在時間が短
くなり、ζ相の生成量は少なくなる。このため、短時間
の合金化処理でζ相は消失し、ζ相が消失した時点で急
冷するため、Γ相の成長が抑制され、δ1 相単相型のめ
っき層構造となる。また、合金化処理温度を高くして
も、昇温時間が短いため、Γ相の成長は抑制される。な
お、前述のように、亜鉛めっき浴にAlを0.1〜0.
2mass%添加すれば、包晶点は530℃から490
℃まで低下し、適正合金化処理条件範囲が広くなるとと
もに、昇温時間を短縮することができ、生産性を向上さ
せることができる。このため、本発明では亜鉛めっき浴
に添加するAl濃度は前記範囲に限定する。
に急速加熱するため、ζ相生成温度領域の滞在時間が短
くなり、ζ相の生成量は少なくなる。このため、短時間
の合金化処理でζ相は消失し、ζ相が消失した時点で急
冷するため、Γ相の成長が抑制され、δ1 相単相型のめ
っき層構造となる。また、合金化処理温度を高くして
も、昇温時間が短いため、Γ相の成長は抑制される。な
お、前述のように、亜鉛めっき浴にAlを0.1〜0.
2mass%添加すれば、包晶点は530℃から490
℃まで低下し、適正合金化処理条件範囲が広くなるとと
もに、昇温時間を短縮することができ、生産性を向上さ
せることができる。このため、本発明では亜鉛めっき浴
に添加するAl濃度は前記範囲に限定する。
【0010】また、合金化処理温度が550℃以上で
は、δ1 相中のZnと鋼素地のFeの相互拡散が活発と
なり、Γ相のFe濃度が高くなり、Γ相が脆くなって機
械的強度が低下する。その結果、Γ相厚みが1μm以下
でも加工性が低下する。このため、本発明では合金化処
理温度は前記範囲に限定する。さらに、冷却速度が小さ
いと冷却過程でΓ相が成長するため、冷却速度は前記範
囲に限定する。現在、実用化されている加熱方法のう
ち、高周波誘導加熱方式はバーナー加熱方式に比べて昇
温速度が大きく、操作性に優れ、熱効率が高く、しかも
設備がコンパクトである。したがって、本発明では昇温
には高周波誘導加熱炉を用いる。また、保持には高周波
誘導加熱方式、バーナー加熱方式のいずれを用いてもよ
い。さらに、冷却方法は特に限定されるものではない
が、冷却速度の大きい水冷方式あるいは気水冷却方式が
好適である。
は、δ1 相中のZnと鋼素地のFeの相互拡散が活発と
なり、Γ相のFe濃度が高くなり、Γ相が脆くなって機
械的強度が低下する。その結果、Γ相厚みが1μm以下
でも加工性が低下する。このため、本発明では合金化処
理温度は前記範囲に限定する。さらに、冷却速度が小さ
いと冷却過程でΓ相が成長するため、冷却速度は前記範
囲に限定する。現在、実用化されている加熱方法のう
ち、高周波誘導加熱方式はバーナー加熱方式に比べて昇
温速度が大きく、操作性に優れ、熱効率が高く、しかも
設備がコンパクトである。したがって、本発明では昇温
には高周波誘導加熱炉を用いる。また、保持には高周波
誘導加熱方式、バーナー加熱方式のいずれを用いてもよ
い。さらに、冷却方法は特に限定されるものではない
が、冷却速度の大きい水冷方式あるいは気水冷却方式が
好適である。
【0011】本発明を実施するための具体的な方法につ
いて述べる。図4は本発明を実施するための溶融亜鉛め
っきラインを示す図である。図4に示すように、鋼板1
はガス還元・焼鈍炉2にて表面が清浄・活性化された
後、Alを0.1〜0.2mass%添加した亜鉛めっ
き浴3にて亜鉛めっきされた後、ガスワイピング装置4
を経て高周波誘導加熱炉5に導入される。高周波誘導加
熱炉にて鋼板1は490〜550℃に20℃/s以上の
昇温速度で加熱された後、保持炉6に導入されて上記温
度にて5〜10s保持される。合金化処理後、鋼板1は
冷却装置7に導入され、20℃/s以上の冷却速度で室
温まで冷却される。その後、鋼板1は図示されないスキ
ンパス装置、テンションレベラー装置等を経てコイル状
に巻き取られる。
いて述べる。図4は本発明を実施するための溶融亜鉛め
っきラインを示す図である。図4に示すように、鋼板1
はガス還元・焼鈍炉2にて表面が清浄・活性化された
後、Alを0.1〜0.2mass%添加した亜鉛めっ
き浴3にて亜鉛めっきされた後、ガスワイピング装置4
を経て高周波誘導加熱炉5に導入される。高周波誘導加
熱炉にて鋼板1は490〜550℃に20℃/s以上の
昇温速度で加熱された後、保持炉6に導入されて上記温
度にて5〜10s保持される。合金化処理後、鋼板1は
冷却装置7に導入され、20℃/s以上の冷却速度で室
温まで冷却される。その後、鋼板1は図示されないスキ
ンパス装置、テンションレベラー装置等を経てコイル状
に巻き取られる。
【0012】
【実施例】本発明を図4に示した溶融亜鉛めっきライン
で実施した。その場合、合金化処理は高周波誘導加熱方
式のみを用いて行った。比較例として高周波誘導加熱方
式を用いて、本発明の条件範囲以外でも合金化処理し
た。また、バーナー加熱方式でも合金化処理した。
で実施した。その場合、合金化処理は高周波誘導加熱方
式のみを用いて行った。比較例として高周波誘導加熱方
式を用いて、本発明の条件範囲以外でも合金化処理し
た。また、バーナー加熱方式でも合金化処理した。
【0013】めっき原板 鋼種:Ti添加鋼(C:0.002mass%、Si:
0.01mass%、Mn:0.15mass%、A
l:0.02mass%、Ti:0.08mass
%)、 寸法:板厚:0.7mm、板幅1,000mm ラインスピード:100m/min ガス還元・焼鈍条件 雰囲気ガス:50vol.%H2 −N2 温度、時間:800℃×40s めっき条件 めっき浴:0.14mass%Al−Zn 浴 温:460℃ 浸漬温度:480℃ めっき付着量:片面当り60g/m2
0.01mass%、Mn:0.15mass%、A
l:0.02mass%、Ti:0.08mass
%)、 寸法:板厚:0.7mm、板幅1,000mm ラインスピード:100m/min ガス還元・焼鈍条件 雰囲気ガス:50vol.%H2 −N2 温度、時間:800℃×40s めっき条件 めっき浴:0.14mass%Al−Zn 浴 温:460℃ 浸漬温度:480℃ めっき付着量:片面当り60g/m2
【0014】合金化処理条件 合金化処理炉:高周波誘導加熱方式(炉長:7m、出
力:5,000kW)(比較例:バーナー加熱方式) 昇温速度:20、50、100℃/s(比較例:10、
20、100℃/s) 合金化処理温度:490〜550℃(比較例:470〜
590℃) 保持時間:5、10s(比較例:5、10、15s) 冷却速度:20℃/s(気水冷却方式) 上記条件にてGAを作製し、めっき層構造調査用に幅1
0mm、長さ20mmの試験片を採取し、耐パウダリング性
調査用に幅20mm、長さ50mmの試験片を採取し、耐フ
レーキング性調査用に幅25mm、長さ250mmの試験片
を採取し、以下に示す条件および方法にてめっき層構
造、耐パウダリング性、耐フレーキング性を調査した。
力:5,000kW)(比較例:バーナー加熱方式) 昇温速度:20、50、100℃/s(比較例:10、
20、100℃/s) 合金化処理温度:490〜550℃(比較例:470〜
590℃) 保持時間:5、10s(比較例:5、10、15s) 冷却速度:20℃/s(気水冷却方式) 上記条件にてGAを作製し、めっき層構造調査用に幅1
0mm、長さ20mmの試験片を採取し、耐パウダリング性
調査用に幅20mm、長さ50mmの試験片を採取し、耐フ
レーキング性調査用に幅25mm、長さ250mmの試験片
を採取し、以下に示す条件および方法にてめっき層構
造、耐パウダリング性、耐フレーキング性を調査した。
【0015】めっき層構造:採取した試験片のめっき層
の表面組織と断面組織を走査型電子顕微鏡(倍率2,0
00)で観察し、以下に示す基準で判定した。 めっき層構造の判定基準 ζ+δ1 :ζ相残存、Γ相なし ζ+δ1 +Γ:ζ相残存、Γ相生成 δ1 :ζ相なし、Γ相厚み1μm以下(δ1 相単相型) δ1 +Γ:ζ相なし、Γ相厚み1μm以上
の表面組織と断面組織を走査型電子顕微鏡(倍率2,0
00)で観察し、以下に示す基準で判定した。 めっき層構造の判定基準 ζ+δ1 :ζ相残存、Γ相なし ζ+δ1 +Γ:ζ相残存、Γ相生成 δ1 :ζ相なし、Γ相厚み1μm以下(δ1 相単相型) δ1 +Γ:ζ相なし、Γ相厚み1μm以上
【0016】耐パウダリング性:図5に示すように、試
験片11の試験面を内側にし、試験片の板厚tの6倍の
直径の円弧6tが試験面に形成されるように、180度
曲げを行った後、試験片12のように、曲げ戻しを行
い、その部分にセロハン粘着テープを貼り付けた後、剥
してセロハン粘着テープに付着しためっき層の量を次の
基準で目視判定したパウダリング評点 1:曲げ、曲げ戻し時点で大量のめっき層が粉状に剥離 2:めっき層の付着量大 3:めっき層の付着量中 4:めっき層の付着量小 5:めっき層の付着なし
験片11の試験面を内側にし、試験片の板厚tの6倍の
直径の円弧6tが試験面に形成されるように、180度
曲げを行った後、試験片12のように、曲げ戻しを行
い、その部分にセロハン粘着テープを貼り付けた後、剥
してセロハン粘着テープに付着しためっき層の量を次の
基準で目視判定したパウダリング評点 1:曲げ、曲げ戻し時点で大量のめっき層が粉状に剥離 2:めっき層の付着量大 3:めっき層の付着量中 4:めっき層の付着量小 5:めっき層の付着なし
【0017】耐フレーキング性:防錆油を塗布した試験
片13を図6に示す方法、条件でドロービード試験し、
ドロービード試験部にセロハン粘着テープを貼り付けた
後、剥してセロハン粘着テープに付着しためっき層の量
を化学分析法で測定した。
片13を図6に示す方法、条件でドロービード試験し、
ドロービード試験部にセロハン粘着テープを貼り付けた
後、剥してセロハン粘着テープに付着しためっき層の量
を化学分析法で測定した。
【0018】表1に本発明の実施例を示す。また、表2
に本発明の条件範囲外での比較例を示す。なお、GAを
高加工部位に用いる場合、パウダリング評点が3以上、
フレーキング剥離量が5g/m2 以下であれば品質特性
上問題はない。そこで、表1、2ではこの両判定基準を
満足する場合を加工性良好と判定した。
に本発明の条件範囲外での比較例を示す。なお、GAを
高加工部位に用いる場合、パウダリング評点が3以上、
フレーキング剥離量が5g/m2 以下であれば品質特性
上問題はない。そこで、表1、2ではこの両判定基準を
満足する場合を加工性良好と判定した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1に示すように、本発明における合金化
処理条件範囲で製造したGAはその全てがδ1 相単相型
のめっき層構造となり、加工性良好と判定された。しか
し、表2の比較例1〜7のバーナー加熱方式で10℃/
sで昇温した場合では、昇温速度が小さいため、ζ相が
残存するか、あるいはΓ相が厚く成長し、上記判定基準
の両方を満足することができず、加工性不良と判定され
た。また、比較例8〜11および14〜17では、高周
波誘導加熱方式により20、100℃/sで昇温した
が、合金化処理温度と保持時間が本発明の条件範囲以外
であるため、ζ相が残存するか、あるいはΓ相が厚く成
長し、加工性不良となった。なお、比較例12、13、
18ではめっき層構造はδ1 相単相型であるが、合金化
処理温度が本発明の条件範囲よりも高いため、Γ相が脆
くなり、加工性不良となった。
処理条件範囲で製造したGAはその全てがδ1 相単相型
のめっき層構造となり、加工性良好と判定された。しか
し、表2の比較例1〜7のバーナー加熱方式で10℃/
sで昇温した場合では、昇温速度が小さいため、ζ相が
残存するか、あるいはΓ相が厚く成長し、上記判定基準
の両方を満足することができず、加工性不良と判定され
た。また、比較例8〜11および14〜17では、高周
波誘導加熱方式により20、100℃/sで昇温した
が、合金化処理温度と保持時間が本発明の条件範囲以外
であるため、ζ相が残存するか、あるいはΓ相が厚く成
長し、加工性不良となった。なお、比較例12、13、
18ではめっき層構造はδ1 相単相型であるが、合金化
処理温度が本発明の条件範囲よりも高いため、Γ相が脆
くなり、加工性不良となった。
【0022】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれば
従来製造することができなかったδ1相単相型のめっき
層構造を有する加工性に優れたGAを製造することが可
能となる。また、本発明によれば従来行っていたFeめ
っきを施す工程を省略することができ、合金化処理時間
も短縮できるため、加工性に優れたGAを安価に、しか
も生産性よく製造することが可能となる。このように、
本発明の工業的価値は非常に大きい。
従来製造することができなかったδ1相単相型のめっき
層構造を有する加工性に優れたGAを製造することが可
能となる。また、本発明によれば従来行っていたFeめ
っきを施す工程を省略することができ、合金化処理時間
も短縮できるため、加工性に優れたGAを安価に、しか
も生産性よく製造することが可能となる。このように、
本発明の工業的価値は非常に大きい。
【図1】Fe−Zn系平衡状態図の一部を示す図。
【図2】従来法の合金化処理方法を示す図。
【図3】本発明における合金化処理方法を示す図。
【図4】本発明を実施するための溶融亜鉛めっきライン
の概略図。
の概略図。
【図5】パウダリング試験方法、条件を示す図。
【図6】ドロービード試験方法、条件を示す図。
1 鋼板 2 ガス還元・焼鈍炉 3 亜鉛めっき浴 4 ガスワイピング装置 5 高周波誘導加熱炉 6 保持炉 7 冷却装置
Claims (1)
- 【請求項1】鋼板にAlを0.1〜0.2mass%添
加した亜鉛めっき浴にて亜鉛めっきした後、鋼板を高周
波誘導加熱方式で20℃/s以上の昇温速度で昇温し、
鋼板温度が490〜550℃になった時点で5〜10s
保持した後、室温まで20℃/s以上の冷却速度で冷却
することを特徴とする加工性に優れた合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6915893A JPH06256857A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6915893A JPH06256857A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256857A true JPH06256857A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=13394611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6915893A Pending JPH06256857A (ja) | 1993-03-05 | 1993-03-05 | 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06256857A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002220651A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-09 | Nkk Corp | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP2007039756A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Nisshin Steel Co Ltd | 加工性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
JP2010077480A (ja) * | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Nippon Steel Corp | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
WO2014102901A1 (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-03 | 新日鐵住金株式会社 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 |
-
1993
- 1993-03-05 JP JP6915893A patent/JPH06256857A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002220651A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-09 | Nkk Corp | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP4631176B2 (ja) * | 2001-01-29 | 2011-02-16 | Jfeスチール株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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US9725795B2 (en) | 2012-12-25 | 2017-08-08 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Galvannealed steel sheet and method of manufacturing the same |
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