JPH06220605A - 高強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法 - Google Patents
高強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06220605A JPH06220605A JP1051993A JP1051993A JPH06220605A JP H06220605 A JPH06220605 A JP H06220605A JP 1051993 A JP1051993 A JP 1051993A JP 1051993 A JP1051993 A JP 1051993A JP H06220605 A JPH06220605 A JP H06220605A
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- corrosion
- strength corrosion
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- Pending
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】耐食性基材の耐摩耗性を高めて、高強度、耐
食、耐摩耗性の部材及びその製造方法を提供する 【構成】Ｃｏ基合金からなる高強度耐食性基材１の内側
に延性部材２を設け、高強度耐食性基材１の外側に部分
的に耐摩耗性複合材からなるライニング層３を設け、前
記高強度耐食性基材の表面にイオン窒化処理を施して、
窒化層４を形成する。
食、耐摩耗性の部材及びその製造方法を提供する 【構成】Ｃｏ基合金からなる高強度耐食性基材１の内側
に延性部材２を設け、高強度耐食性基材１の外側に部分
的に耐摩耗性複合材からなるライニング層３を設け、前
記高強度耐食性基材の表面にイオン窒化処理を施して、
窒化層４を形成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度耐食耐摩耗性部
材及びその製造方法に係り、特にプラスチック機械のス
クリューエレメント及びその製造方法に関する。
材及びその製造方法に係り、特にプラスチック機械のス
クリューエレメント及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】本出願人は、先に特願平３−３１０７１
８号において、Ｃｏ基合金、Ｎｉ基合金、及びＦｅ基合
金の群から選択された少なくとも１種類の合金からなる
高強度耐食性基材と、この基材の内側に設けられた延性
部材と、前記高強度耐食性基材の外側に部分的に設けら
れた耐摩耗性複合材からなるライニング層とを備えた高
強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法を提案してい
る。この部材によれば、耐摩耗性複合材からなるライニ
ング層の耐摩耗性、耐食性を向上することができる。し
かし、耐食性基材の耐摩耗性がライニング層に比べて劣
っており、その対応策は取られていない。すなわち、耐
食性基材にＣｏ基合金を用いた場合、高強度、高耐食性
があり、高硬度にもかかわらず、混練するプラスチック
材に、金属、無基材料が添加された場合、耐食性基材の
摩耗量がライニング層の摩耗量に比べて大きくなる。ま
た、混練物は、ライニング層を避け、磨耗の道筋ができ
ており、耐食性基材の磨耗を加速させる方向に進む。こ
れらを観察すると、エンジニアリングプラスチック用の
プラスチック材の場合、部分的に耐摩耗性を高めたタイ
プのスクリューでは、耐摩耗性の低い部分へ攻撃が激し
くなり、この部分の耐摩耗性化が必要になる。
８号において、Ｃｏ基合金、Ｎｉ基合金、及びＦｅ基合
金の群から選択された少なくとも１種類の合金からなる
高強度耐食性基材と、この基材の内側に設けられた延性
部材と、前記高強度耐食性基材の外側に部分的に設けら
れた耐摩耗性複合材からなるライニング層とを備えた高
強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法を提案してい
る。この部材によれば、耐摩耗性複合材からなるライニ
ング層の耐摩耗性、耐食性を向上することができる。し
かし、耐食性基材の耐摩耗性がライニング層に比べて劣
っており、その対応策は取られていない。すなわち、耐
食性基材にＣｏ基合金を用いた場合、高強度、高耐食性
があり、高硬度にもかかわらず、混練するプラスチック
材に、金属、無基材料が添加された場合、耐食性基材の
摩耗量がライニング層の摩耗量に比べて大きくなる。ま
た、混練物は、ライニング層を避け、磨耗の道筋ができ
ており、耐食性基材の磨耗を加速させる方向に進む。こ
れらを観察すると、エンジニアリングプラスチック用の
プラスチック材の場合、部分的に耐摩耗性を高めたタイ
プのスクリューでは、耐摩耗性の低い部分へ攻撃が激し
くなり、この部分の耐摩耗性化が必要になる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耐食
性基材の耐摩耗性を高めて、高強度、耐食、耐摩耗性の
部材及びその製造方法を提供することにある。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耐食
性基材の耐摩耗性を高めて、高強度、耐食、耐摩耗性の
部材及びその製造方法を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の高強度耐食耐摩
耗性部材は、Ｃｏ基合金からなり、表面に窒化層を形成
した高強度耐食性基材と、この基材の内側に設けられた
延性部材と、前記高強度耐食性基材の外側に部分的に設
けられた耐摩耗性複合材からなるライニング層とを備え
ている。
耗性部材は、Ｃｏ基合金からなり、表面に窒化層を形成
した高強度耐食性基材と、この基材の内側に設けられた
延性部材と、前記高強度耐食性基材の外側に部分的に設
けられた耐摩耗性複合材からなるライニング層とを備え
ている。
【０００５】また、本発明の高強度耐食耐摩耗性部材の
製造方法は、Ｃｏ基合金からなる高強度耐食性基材の内
側に延性部材を設ける工程と、前記高強度耐食性基材の
外側に部分的に耐摩耗性複合材からなるライニング層を
設ける工程と、前記高強度耐食性基材の表面にイオン窒
化処理する工程とを備えている。
製造方法は、Ｃｏ基合金からなる高強度耐食性基材の内
側に延性部材を設ける工程と、前記高強度耐食性基材の
外側に部分的に耐摩耗性複合材からなるライニング層を
設ける工程と、前記高強度耐食性基材の表面にイオン窒
化処理する工程とを備えている。
【０００６】
【作用】本発明部材は、ニーディングディスクやスクリ
ューエレメントなど高強度耐食耐摩耗性を必要とする機
械部材に適用される。例えばプラスチック成形機用スク
リューエレメントに適用した場合、基材には、樹脂混
練、移送により摩耗が起り、大きな曲げ応力がかかる。
従って、この基材の好適な材質は、曲げ強度が１３０ k
gf／mm2 、硬度ＨR Ｃが４０以上で耐食性のあるＣｏ基
合金である。このＣｏ基合金の材質として、例えば、Ｃ
ｒ２５．０〜３０．０重量％、Ｗ４．０〜１４．０重量
％、Ｃ０．６〜２．８重量％、Ｆｅ３．０重量％以下、
Ｎｉ：０．６〜２．０重量％、Ｓｉ：０．８〜１．５重
量％、残部Ｃｏ及び不可避的不純物からなるＣｏ基合金
が挙げられる。この成分範囲のＣｏ基合金は、ライニン
グ層を越える耐食性があり（ライニング層の約１．５倍
の耐食性）、硬度ＨR Ｃ５０を保つため、優れた耐摩耗
性、剛性を有し、この結果、ライニング層の変形を抑
え、圧壊強度を上げ、耐欠け性を増すため、好適であ
る。
ューエレメントなど高強度耐食耐摩耗性を必要とする機
械部材に適用される。例えばプラスチック成形機用スク
リューエレメントに適用した場合、基材には、樹脂混
練、移送により摩耗が起り、大きな曲げ応力がかかる。
従って、この基材の好適な材質は、曲げ強度が１３０ k
gf／mm2 、硬度ＨR Ｃが４０以上で耐食性のあるＣｏ基
合金である。このＣｏ基合金の材質として、例えば、Ｃ
ｒ２５．０〜３０．０重量％、Ｗ４．０〜１４．０重量
％、Ｃ０．６〜２．８重量％、Ｆｅ３．０重量％以下、
Ｎｉ：０．６〜２．０重量％、Ｓｉ：０．８〜１．５重
量％、残部Ｃｏ及び不可避的不純物からなるＣｏ基合金
が挙げられる。この成分範囲のＣｏ基合金は、ライニン
グ層を越える耐食性があり（ライニング層の約１．５倍
の耐食性）、硬度ＨR Ｃ５０を保つため、優れた耐摩耗
性、剛性を有し、この結果、ライニング層の変形を抑
え、圧壊強度を上げ、耐欠け性を増すため、好適であ
る。
【０００７】このＣｏ基合金基材のイオン窒化処理は、
最終仕上工程で行われる。好適なイオン窒化処理条件は
通常の条件でよいが、例えば部材を入れた容器内に窒化
用ガス（ＮとＨ）を通じて１〜１０ Torr 程度とし、部
材を５５０℃〜６００℃、３０時間程度加熱し、部材
（陰極）と容器（陽極）との間に４００Ｖ〜６００Ｖ程
度の電圧をかけて、部材にイオン照射し、Ｃｏ基合金基
材表面にイオン窒化処理層を形成する。処理層の厚さ
は、０．１０μｍ〜０．２０μｍ程度とするのが好適で
ある。Ｃｏ基合金基材自体がＨｖ５００〜６００である
のに対し、イオン窒化処理層の硬度はＨｖ１０００〜１
１００程度となる。
最終仕上工程で行われる。好適なイオン窒化処理条件は
通常の条件でよいが、例えば部材を入れた容器内に窒化
用ガス（ＮとＨ）を通じて１〜１０ Torr 程度とし、部
材を５５０℃〜６００℃、３０時間程度加熱し、部材
（陰極）と容器（陽極）との間に４００Ｖ〜６００Ｖ程
度の電圧をかけて、部材にイオン照射し、Ｃｏ基合金基
材表面にイオン窒化処理層を形成する。処理層の厚さ
は、０．１０μｍ〜０．２０μｍ程度とするのが好適で
ある。Ｃｏ基合金基材自体がＨｖ５００〜６００である
のに対し、イオン窒化処理層の硬度はＨｖ１０００〜１
１００程度となる。
【０００８】延性部材は、この箇所で駆動軸からのトル
クを受けるため、好適な延性部材は、１．０ kgf m／cm
2 以上のシャルピー衝撃値を持つステンレス鋼又は構造
用鋼等の鋼材である。これらの鋼の場合キー溝加工が容
易となる。
クを受けるため、好適な延性部材は、１．０ kgf m／cm
2 以上のシャルピー衝撃値を持つステンレス鋼又は構造
用鋼等の鋼材である。これらの鋼の場合キー溝加工が容
易となる。
【０００９】ライニング層は、バレルとの金属接触及び
樹脂との摩耗で激しく摩耗するので、高耐摩耗性、耐食
性を必要とする。好適なライニング層の組成は、炭化タ
ングステン粒子を２０〜７０重量％含有するＮｉ系サー
メットである。Ｎｉ系サーメットとは、サーメットの金
属成分が、ニッケル又はニッケル合金で、ニッケル合金
として、ＢＮｉ−１、ＢＮｉ−２、ＢＮｉ−３などが挙
げられる。
樹脂との摩耗で激しく摩耗するので、高耐摩耗性、耐食
性を必要とする。好適なライニング層の組成は、炭化タ
ングステン粒子を２０〜７０重量％含有するＮｉ系サー
メットである。Ｎｉ系サーメットとは、サーメットの金
属成分が、ニッケル又はニッケル合金で、ニッケル合金
として、ＢＮｉ−１、ＢＮｉ−２、ＢＮｉ−３などが挙
げられる。
【００１０】この組成で、炭化タングステン粒子の含有
範囲を２０〜７０重量％とした理由は、７０％を越える
と、ライニング層が脆くなり、また製造が困難であり、
また２０％未満では耐摩耗性が低下するためである。
範囲を２０〜７０重量％とした理由は、７０％を越える
と、ライニング層が脆くなり、また製造が困難であり、
また２０％未満では耐摩耗性が低下するためである。
【００１１】本発明では、耐食性基材にイオン窒化処理
を施して、その表面に耐摩耗性のある窒化層を形成する
ので、Ｃｏ基合金耐食性基材の耐摩耗性を高めて、高強
度、耐食、耐摩耗性の部材を得ることができる。
を施して、その表面に耐摩耗性のある窒化層を形成する
ので、Ｃｏ基合金耐食性基材の耐摩耗性を高めて、高強
度、耐食、耐摩耗性の部材を得ることができる。
【００１２】
【実施例】二軸押出機用スクリューエレメントのうち、
ニーディングディスクを図２に示すように最終加工し
た。耐食性基材１はステライト＃１２、延性材２はＳＵ
Ｓ３２９ＪＩで、ライニング層３はサーメット合金（Ｗ
Ｃ＋Ｎｉ）とした。このように製作したニーディングデ
ィスクに対して５５０℃〜６００℃、３０時間イオン窒
化処理を行って、基材表面に窒化層４を得た。この結果
ステライト＃１２の表面硬度はＨｖ１０００〜１１０
０、窒化層厚さは０．１５〜０．２であった。同じく二
軸押出機用スクリューエレメントのうち、ニーディング
ディスクで、イオン窒化を施さないものを作成した。
ニーディングディスクを図２に示すように最終加工し
た。耐食性基材１はステライト＃１２、延性材２はＳＵ
Ｓ３２９ＪＩで、ライニング層３はサーメット合金（Ｗ
Ｃ＋Ｎｉ）とした。このように製作したニーディングデ
ィスクに対して５５０℃〜６００℃、３０時間イオン窒
化処理を行って、基材表面に窒化層４を得た。この結果
ステライト＃１２の表面硬度はＨｖ１０００〜１１０
０、窒化層厚さは０．１５〜０．２であった。同じく二
軸押出機用スクリューエレメントのうち、ニーディング
ディスクで、イオン窒化を施さないものを作成した。
【００１３】両者の基材表面を摩耗試験した結果、その
比摩耗量、耐摩耗比を表１に示す。また、参考のために
ライニング層（（ＷＣ＋Ｎｉ）サーメット）の比摩耗量
を表１に併記する。表１から窒化処理により、Ｃｏ基合
金耐食性基材の耐摩耗性をライニング層と同程度に高め
られることが分かる。図１に示すように、射出成形材用
スクリューについても同様にして製作した。なお、同一
箇所には同一符号を付してその説明を省略する。
比摩耗量、耐摩耗比を表１に示す。また、参考のために
ライニング層（（ＷＣ＋Ｎｉ）サーメット）の比摩耗量
を表１に併記する。表１から窒化処理により、Ｃｏ基合
金耐食性基材の耐摩耗性をライニング層と同程度に高め
られることが分かる。図１に示すように、射出成形材用
スクリューについても同様にして製作した。なお、同一
箇所には同一符号を付してその説明を省略する。
【００１４】
【発明の効果】耐食性基材にイオン窒化処理を施すこと
により、ライニング層と同程度の耐摩耗性が得られ、な
おかつ耐食性基材の特性は保持されたままなので、一段
と耐摩耗性が増したスクリューエレメントが得られた。
また、ライニグン層を必要としない耐食性スクリューエ
レメントについても摩耗特性を高められることが分かっ
た。
により、ライニング層と同程度の耐摩耗性が得られ、な
おかつ耐食性基材の特性は保持されたままなので、一段
と耐摩耗性が増したスクリューエレメントが得られた。
また、ライニグン層を必要としない耐食性スクリューエ
レメントについても摩耗特性を高められることが分かっ
た。
【００１５】
【表１】
【図１】本発明を適用した射出成形材用スクリューの断
面図。
面図。
【図２】本発明を適用したニーディングディスクの断面
図。
図。
１…耐食性基材、２…延性材、３…ライニング層、４…
窒化層
窒化層
Claims (2)
- 【請求項１】 Ｃｏ基合金からなり、表面に窒化層を形
成した高強度耐食性基材と、この基材の内側に設けられ
た延性部材と、前記高強度耐食性基材の外側に部分的に
設けられた耐摩耗性複合材からなるライニング層とを備
えた高強度耐食耐摩耗性部材。 - 【請求項２】 Ｃｏ基合金からなる高強度耐食性基材の
内側に延性部材を設ける工程と、前記高強度耐食性基材
の外側に部分的に耐摩耗性複合材からなるライニング層
を設ける工程と、前記高強度耐食性基材の表面にイオン
窒化処理する工程とを備えた高強度耐食耐摩耗性部材の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1051993A JPH06220605A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 高強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1051993A JPH06220605A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 高強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06220605A true JPH06220605A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=11752486
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1051993A Pending JPH06220605A (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 高強度耐食耐摩耗性部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06220605A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2014069397A1 (ja) * | 2012-10-30 | 2016-09-08 | 日鍛バルブ株式会社 | エンジンバルブ |
| WO2022074904A1 (ja) * | 2020-10-09 | 2022-04-14 | 日本タングステン株式会社 | 粉砕・撹拌・混合・混練機部材 |
-
1993
- 1993-01-26 JP JP1051993A patent/JPH06220605A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2014069397A1 (ja) * | 2012-10-30 | 2016-09-08 | 日鍛バルブ株式会社 | エンジンバルブ |
| WO2022074904A1 (ja) * | 2020-10-09 | 2022-04-14 | 日本タングステン株式会社 | 粉砕・撹拌・混合・混練機部材 |
| JP2022063199A (ja) * | 2020-10-09 | 2022-04-21 | 日本タングステン株式会社 | 粉砕・撹拌・混合・混練機部材 |
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