JPH0622993A - 踵関節矯正器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、後足を覆うように延び、ベル
ト等によって脹ら脛に取着できる背側のシェルを具備す
る踵関節矯正器の機能及び構造を改良することである。 【構成】本発明は、シェル（１）は、前足シェル部分
（２）が足底領域の下方まで延び、踵関節の外側靭帯領
域（３）で、外側靭帯領域（３）を開放している切欠部
（４）によって背側方向に先細りになり、内側に延びて
いること、及び弾性のある引張りベルト（５）は動的な
引張り作用をもって一方では下方外側で前足シェル部分
（２）に作用し、他方では上方内側でシェル（１）の脹
ら脛領域に作用し、シェル（１）が背屈及び内転におい
て曲げられるが、外転及び底屈は引張りベルト（５）に
よって制限されていることを特徴として構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、後足を覆うように延
び、ベルト等によって脹ら脛に取着できる背側のシェル
を具備する踵関節矯正器に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】踵関節の外側靭帯に新しく
できた外傷を治療するためには、数年前までの旧来の手
当ての枠内では、腫れが著しく退くまでの約２週間の
間、足部を内転及び背屈(Dorsalextension) において調
節すると共に、まずギプス副木を固定し、次に約４週間
下腿部に歩行用ギプスを宛がう。ギプスによるこの種の
治療は、今日では、種々の理由から一般には時代遅れと
見なされる。従って、旧来の手当ては今日では機能的な
治療に向けられている。

【０００３】従来用いられてきた踵関節矯正器は、足底
の先まで達せずに、ほぼ後足のみを有する。血腫及び組
織に溜まる水(Gewebswasser)によって腫れて、損傷を受
けた踵関節外側領域に、固定式の副木構成要素又はベル
トが宛がわれるので、この感じ易い部分が刺激されてし
まう。しかし、主な問題は底屈が通常制限を受けないこ
とである。踵関節補強部材に靴を付けるときは、当該者
は通常足を底屈して滑り込ませるので、治療しつつある
靭帯部分、特に、前距腓靭帯を損なう。

【０００４】機能的な観点からは、テ−プ(Tapeverban
d) が適当なことが認められた。テ−プによって良好な
支えが得られる。しかし、テ−プを宛がうには時間と材
料が掛かり、それが欠点となっている。その他の欠点
は、衛生上の観点でテ−プを繰り返し新しくする必要の
あること、及びテ−プを宛がうには多くの時間を要する
だけでなく、特に、十分な経験も必要なことである。

【０００５】本発明の課題は、後足を覆うように延び、
ベルト等によって脹ら脛に取着できる背側のシェルを具
備する踵関節矯正器の機能及び構造を改良することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題は、シェルは、
前足シェル部分が足底領域の下方まで延び、踵関節の外
側靭帯領域で、該外側靭帯領域を開放している切欠部に
よって背側方向に先細りになり、内側に延びているこ
と、及び弾性のある引張りベルトは動的な引張り作用を
もって一方では下方下側で前足シェル部分に作用し、他
方では上方内側で前記シェルの脹ら脛領域に作用し、シ
ェルが背側の伸展及び内転において曲げられるが、外転
及び底屈は引張りベルトによって制限されていることに
より解決される。

【０００７】

【効果】本発明の踵関節矯正器は機能的な旧来の治療の
要件に適っている。何故ならば足が背側の伸展及び内転
において自由に運動ができるが、運動範囲が広くなると
底屈及び外転は引張りベルトによる動的な引張り作用を
もって益々制限されるからである。踵関節の外側靭帯領
域は全体的に開放されている。

【０００８】矯正器の取付は特に簡単である。この場
合、引張りベルトは同時に足部の回りに巻き付けること
ができる前足固定部材でもある。更に、固定するために
は足部締付固定部材及び脹ら脛用ベルトが必要であり、
両者はマジックテ−プファスナを用いるときには容易に
適合でき、固定される。

【０００９】中足骨頭部分を動かすことができるために
は、前足シェル部分は、前足の下方まで更に足底を囲繞
するにも拘らず、第１の中足骨頭部分を開放しているこ
とが好ましい。

【００１０】公知の例では、例えば、脹ら脛と足を足底
領域に至るまで両側で半シェル状に包摂するシェル(Bei
nschale)によって、足を一定の位置で固定するが、本発
明の解決法では、動的に作用する構造体は、足の姿勢を
崩しても、治療位置の方向に継続的な引張り作用を引き
起こす。これによって、例えば運動選手が（自分の怪我
を）「意識していない」状態でも、運動選手の足に対し
理想的な位置が確保される一方、運動を行なう際に、で
きる限りの自由が保証される。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明を実施例に基づ
いて説明する。図示の踵関節矯正器は後足を覆うように
延びる背側のシェル１を有し、該シェル１は前足シェル
部分２が足底領域の下方まで延び、踵関節の外側靭帯領
域３で、該外側靭帯領域３を開放している切欠部４によ
って背側方向に先細りになり、内側に延びている。更
に、本発明の踵関節矯正器は弾性のある引張りベルト５
を有し、該引張りベルト５は動的な引張り作用をもって
一方では下方外側で前足シェル部分２に作用し他方では
上方内側でシェル１の脹ら脛領域に作用する。従って、
引張りベルト５は腹側で、斜交いに延びている。シェル
１は、その構造に基づいて、背屈及び内転において曲げ
られるが、外転及び底屈は引張りベルト５によって制限
されている。

【００１２】図示の実施例では、引張りベルト５は同時
に足部６の回りに巻き付けることができる前足固定部材
７でもある。踵関節矯正器を更に固定するために足部締
付固定部材８及び脹ら脛用ベルト９が用いられ、両者は
その時々にマジックテ−プファスナ等によって固定され
る。

【００１３】図１では矢印１０は足内縁部を表わし、図
２では矢印１１は足外縁部を表わす。この場合、図１と
図２を互いに比較すると、シェル１が背側かつ内側で脹
ら脛１２を包摂するが、脹ら脛１２の外側を広範囲に自
由にすることが明らかである。踵関節の外側靭帯領域３
に切欠部４が大きく形成されているので、比較的細く形
成され足部内側に宛がわれたシェル結合領域１３が前足
シェル部分２に向かって延びており、シェル結合領域１
３は弾性的に形成され、シェル１２に内部応力(Eigensp
annung) を付与する。

【００１４】シェル１が熱可塑性プラスチックで構成さ
れていることは望ましいので、二次成形でき、個々に適
合できる。足にシェル１を宛がったまま靴を履くことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】脹ら脛又は足に固定された踵関節矯正器の内側
を示す図である。

【図２】図１に基づく踵関節矯正器の外側を示す図であ
る。

【符号の説明】

１…シェル、２…前足シェル部分、５…引張りベルト、
６…足部、７…前足固定部材、８…足締付固定部材、９
…脹脛用ベルト、１２…脹ら脛。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後足を覆うように延び、ベルト等によっ
   て脹ら脛（１２）に取着できる背側のシェル（１）を具
   備する踵関節矯正器において、 前記シェル（１）は、前足シェル部分（２）が足底領域
   の下方まで延び、踵関節の外側靭帯領域（３）で、該外
   側靭帯領域（３）を開放している切欠部（４）によって
   背側方向に先細りになり、内側に延びていること、及び
   弾性のある引張りベルト（５）は動的な引張り作用をも
   って一方では下方外側で前記前足シェル部分（２）に作
   用し、他方では上方内側で前記シェル（１）の脹ら脛領
   域に作用し、前記シェル（１）が足の背屈及び内転にお
   いて曲げられるが、外転及び底屈は前記引張りベルト
   （５）によって制限されていること、を特徴とする踵関
   節矯正器。
2. 【請求項２】 前記引張りベルト（５）は同時に足部
   （６）の回りに巻き付けることができる前足固定部材
   （７）でもあること、を特徴とする請求項１に記載の踵
   関節矯正器。
3. 【請求項３】 前記ベルト部等は前記前足固定部材
   （７）の他に足部締付固定部材（８）及び脹ら脛用ベル
   トを有すること、を特徴とする請求項２に記載の踵関節
   矯正器。
4. 【請求項４】 前記前足シェル部分（２）は、前記前足
   の下方まで更に足底を囲繞するにも拘らず、第１の中足
   骨頭部分を開放していること、を特徴とする請求項１乃
   至３のいずれか１に記載の踵関節矯正器。