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JPH0621329B2 - 銅合金鋳物の製造法 - Google Patents

銅合金鋳物の製造法

Info

Publication number
JPH0621329B2
JPH0621329B2 JP59140565A JP14056584A JPH0621329B2 JP H0621329 B2 JPH0621329 B2 JP H0621329B2 JP 59140565 A JP59140565 A JP 59140565A JP 14056584 A JP14056584 A JP 14056584A JP H0621329 B2 JPH0621329 B2 JP H0621329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatigue strength
nickel
casting
aluminum
seawater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59140565A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6123754A (ja
Inventor
貴 大黒
信太郎 松尾
修二 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP59140565A priority Critical patent/JPH0621329B2/ja
Publication of JPS6123754A publication Critical patent/JPS6123754A/ja
Publication of JPH0621329B2 publication Critical patent/JPH0621329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は銅合金鋳物の製造法に関し、特に海用機材に用
いるニツケルアルミニウム青銅鋳物の製造法の改良に関
する。
(従来の技術) 従来から、ニツケルアルミニウム青銅鋳物は海水中の耐
食性が優れ、かつ機械的性質および海水中の腐食疲労強
度が他の銅合金鋳物に比較して高いことから、舶用推進
器,インペラ等に多く使用されてきた。従つてニツケル
アルミニウム青銅鋳物の海水中の疲労強度は、舶用推進
器設計にとつては重要な要因である。又推進器の翼厚は
腐食疲労強度とは推進性能によつて決定される。
近年、エネルギー省力化の観点から、推進器材料におい
ても、高腐食疲労強度材の開発が望れている。
推進器材の場合、腐食疲労強度だけでなく、引張強さ,
伸びおよび硬さ等の機械的性質もその性能上重要であ
り、これらの機械的性質は、現用ニツケル・アルミニウ
ム青銅鋳物製推進器の場合、翼厚が厚くなる程、即ち冷
却速度が遅くなる程低下する。したがつて作用応力が最
も高い翼根部が最も低い機械的性質を有している。
例えば、比較的、冷却速度の早い小型砂型鋳物材の海水
中腐食疲労強度は繰返し数2×107回で18kg/mm2
度であるが例えば重量が30トン程度の大型推進器翼根
部のような大型鋳物材の腐食疲労強度は約12kg/mm2
にまで低下する。
又、ニツケル・アルミニウム青銅は溶解過程での水素ガ
ス吸収に敏感であり、砂型鋳物ではガス欠陥が発生し易
かつた。これらの機械的性質を改善するため、ニツケル
・アルミニウム鋳物材を900〜1,000℃迄加熱
し、焼入、焼戻しの熱処理をした例はある。しかし、推
進器のような重量が10トンから90トンの重量がある
大型鋳物の場合、再熱処理時の加熱にともなう酸化、変
形が懸念される上、再熱処理したとしても、鋳物の初晶
となるβ相の結晶粒を微細化することはできなかつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は現用ニツケル・アルミニウム青銅鋳物より海水
中腐食疲れ強さが高く、大型鋳物になつても機械的性質
の低下が少なくかつガス欠陥のない健全な銅合金鋳物の
製造法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、アルミニウム9〜11%,ニツケル4〜8
%,鉄4〜8%,マンガン4%以下および通常の不純物
を含み残部銅よりなる合金溶湯を鋳型に注湯し、凝固
後、たゞちに急冷処理を実施し、続いて660〜700
℃の温度範囲で20時間以上保持することを特徴とする
腐食疲労強度の高い銅合金鋳物の製造法である。
本発明はアルミニウム9〜10%,ニツケル4〜8%,
鉄4〜8%,マンガン4%以下および通常の不純物を含
み残部銅よりな合金溶湯を鋳型に注湯し、凝固後、たゞ
ちに水冷,油冷,水噴霧冷,空冷等の急冷処理を実施す
るので、従来の鋳物製造法では得られなかつた水素ガス
欠陥のなく、微細な結晶粒の金属組織の鋳物が得られ
る。
又、従来の熱処理温度の900〜1,000℃迄の再加
熱を必要としないので、高温加熱時の酸化および変形が
ない上、省エネルギーになる。又本発明法による銅合金
鋳物は、従来の製造法のように燃伝導率の低い砂型を通
して、冷却されるのでなく、水冷,油冷,水噴霧冷,空
冷等の急冷処理により強制冷却されるので、鋳物の肉厚
が厚くなつても、従来製造法のように冷却速度が著しく
遅くなるようなことがないため、質量効果による機械的
性質の低下も少ない。
本発明法では凝固後の急冷処理により、アルミニウム,
ニツケルおよび鉄の金属間化合物をマトリツクス中に固
溶させた上、660〜700℃の温度範囲で20時間以上
保持してこれ等金属間化合物を析出させるので析出物は
均一に微細に析出する。このため、機械的性質および腐
食疲れ強さは従来材より優れたものが得られる。
本発明は、舶用推進器,インペラ,海水用機材及び淡水
化プラントや火力プラント用のボール弁材等に有利に適
用できる。
(実施例) 本発明の詳細を実施例に基いて説明する。
第1表は本発明材および従来材の化学組成を示し、第2
表はそれらの機械的性質および腐食疲れ強さを示す。
本発明材の化学成分範囲はアルミニウム9〜10%,ニ
ツケル4〜8%,鉄4〜8%,マンガン4%以下および
通常の不純物を含み残部銅から構成されるものである。
次に本発明材の成分およびその好ましい含有量について
述べる。
ニツケル:海水中での良好な耐食性と金属組織的に脆化
相であるγ2相の精製を避けるためにはニツケル量は4
%以上を必要とする。又、8%を超えるとアルミニウム
との金属間化合物であるκ相の析出形状がラメラー状に
なり、機械的性質が低下する。
鉄:鉄はニツケルと同様、アルミニウムと金属間化合物
のκ相を形成し、結晶粒を微細化すると共に機械的性質
を向上させる作用を有する。鉄4%未満ではラメラー状
析出物を生成し、高い機械的性質が得られないため含有
量を4%以上とした。鉄8%を超えると鉄含有量が多い
析出物が凝集粗大化し、海水中での点食が生じるので8
%以下にした。
アルミニウム:アルミニウムは含有量が多い程密度を下
げ、ニツケルおよび鉄と金属間化合物κ相を形成する重
要な元素で機械的性質の向上をもたらす。しかし、11
%を超えるとγ2相を生成し脆化するので11%以下と
した。9%未満では析出効果作用が少なく機械的性質も
低いので9%以上とした。
マンガン:マンガンは溶解時の脱酸剤として動きがある
が4%を超えると海水中の耐食性が低下するので4%以
下とした。
次に本発明材の製造法について述べる。
銅合金鋳物、特にニツケル・アルミニウム青銅鋳物は通
常砂型に鋳造される場合が多い。砂型鋳物の場合、別取
私権片のような重量7〜8kgの小型鋳物でも冷却速度は
5℃/min 程度であり、重量が20トン以上の大型鋳物
になるとその冷却速度は推進器翼根部の例で0.2℃/
minと遅くなる。
又、金型鋳物でも冷却速度は25℃/min 程度である。
ニツケル・アルミニウム青銅は析出硬化型合金であるた
め析出物の形状および分布によつて、機械的性質および
腐食疲れ強さが左右される。
ニツケル・アルミニウム青銅の析出物は凝固後、析出を
開始し600℃付近で析出を終了する。
砂型鋳物のように冷却速度が遅い場合高温で析出する鉄
成分が多いκ相はロゼツト状を呈し、冷却速度が遅い程
その析出物は粗大化する。
低温側で析出するκ相は細粒であるため、常温での砂型
鋳物の組織は成長したロゼット状と細粒状組織の混合組
織となる。このような析出物を含むニツケル・アルミニ
ウム青銅鋳物の海水中疲労強度は、繰返数2×107
で、小型材は18kg/mm2、大型材は12kg/mm2以上を期待
できない。
本発明材の製造法は前述した化学成分の溶湯を鋳型に注
湯し、凝固後直ちに水冷,油冷,水噴霧冷,空冷等の急
冷処理を行ない、κ相をマトリツクスに固溶させて、冷
却過程でのκ相の析出成長を阻止することにある。
急冷したまゝの状態では急冷時のβ相の残留し、耐食性
を低下させるので腐食疲労強度の向上には効果がない。
又、ニツケルアルミニウム青銅は析出硬化型合金である
ため良好な機械的性質および腐食疲労強度を得るために
は析出物を分散析出させることが必要である。
そのためには急冷処理後、660〜700℃の温度範囲
で20時間以上保持し、析出物を均一に析出させて成長
させなければならない。保持温度の上限を700℃に規
定したのは700℃を超えると、急冷処理してより残留
したβ相をα+κ相を分解させることができずにβ相が
残留して海水中での耐食性が低下し、腐食疲労強度が低
下するからである。又660℃未満では析出物の析出成
長に長時間を要し実用的でないためと耐食性の向上が望
めないからである。
660〜700℃での保持時間を20時間以上と規定し
たのは急冷時に残留したβ相を完全にα+κ相に分解さ
せて耐食性を向上させ、高い腐食疲労強度を得るために
最低必要な時間である。
最長時間は制限はないが、工業上200時間を超えると
実用価値がない。溶湯を注湯する鋳型としては砂型,無
機および有機系硬化鋳型,金型,鋼粒鋳型等鋳物用に使
用されるものが使用できる。
本発明材の実施例を第2表に示す供試材 No 1,No 2,No
3およびNo 4の合金は本発明材で、供試材No 5およびNo
6は比較のための従来材である。供試材No 1は凝固後、
水冷したものでNo 2材は油冷,No 3材は水噴霧冷,No 4
材は空冷処理材である。
No 1〜No 4は急冷処理後660〜700℃で20時間以
上保持したものである。
No 5およびNo 6材は従来の製作法で砂型内冷却したもの
で、参考迄に示すと660〜700℃間の保持時間はそ
れぞれ10分および3.3時間である。No 1〜No 4材の
引張強さは69kg/mm2以上が得られ、海水中の疲労強
度は繰返数2×107回で20kg/mm2以上が確保されてお
り、従来材の引張強さ50.5〜65.8kg/mm2、腐食
疲労強度12〜18kg/mm2と比較して著しく優れてい
る。
なお腐食疲労強度試験はウエラー式回転曲げ腐食疲労強
度試験機を使用し、繰返し速度3,600rpm,試験片
直径6mm,天然海水中、および室温の試験条件で実施し
た。
本発明材で高い海水中腐食疲労強さが得られたのは次の
ような本発明の特徴による。
(1) 化学成分範囲を限定し、耐食性と機械的性質の優
れた範囲の化学成分にしたこと。
(2) 凝固後、たゞちに急冷するため、従来の鋳物では
得られない健全な鋳物が得られる共に結晶粒が微細化さ
れたこと。
(3) 急冷することにより、従来の鋳物にみられた析出
物の粗大成長を防止したこと。
(4) 急冷後660〜700℃の温度範囲に20時間以
上保持して析出物を均一に微細に析出成長させると共に
含有元素を十分に拡散させ安定状態にしたこと。
上述したように、本発明材は海水中の高い腐食疲労強度
を有するだけでなく健全な鋳物が得られる等の特長を有
している。
従つて、本発明材を舶用推進器,舶用インペラ等海水中
で腐食疲労強度を必要とする機器材料に使用すれば、従
来材より腐食疲労強度が高いので、これらの機器の小型
軽量化が可能となり、船舶を推進効率の向上をもたら
し、燃料油の低減になる運航費の節減に大きく寄与でき
る。
又従来の如く熱処理のために再加熱を必要としないの
で、高温加熱による鋳物の酸化や変形がなく、製造コス
トも低減できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム9〜11%,ニツケル4〜8
    %,鉄4〜8%,マンガン4%以下および通常の不純物
    を含み残部銅よりなる合金溶湯を鋳型に注湯し、凝固
    後、たゞちに急冷処理を実施し、続いて660〜700
    ℃の温度範囲で20時間以上保持することを特徴とする
    腐食疲労強度の高い銅合金鋳物の製造法。
JP59140565A 1984-07-09 1984-07-09 銅合金鋳物の製造法 Expired - Lifetime JPH0621329B2 (ja)

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JP59140565A JPH0621329B2 (ja) 1984-07-09 1984-07-09 銅合金鋳物の製造法

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JPS6123754A JPS6123754A (ja) 1986-02-01
JPH0621329B2 true JPH0621329B2 (ja) 1994-03-23

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