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JPH06200875A - 揺動斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

揺動斜板式可変容量圧縮機

Info

Publication number
JPH06200875A
JPH06200875A JP5002071A JP207193A JPH06200875A JP H06200875 A JPH06200875 A JP H06200875A JP 5002071 A JP5002071 A JP 5002071A JP 207193 A JP207193 A JP 207193A JP H06200875 A JPH06200875 A JP H06200875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
chamber
discharge
swash plate
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5002071A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Ota
太田  雅樹
Sokichi Hibino
惣吉 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP5002071A priority Critical patent/JPH06200875A/ja
Publication of JPH06200875A publication Critical patent/JPH06200875A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出圧力の変動を感知して弁体の開度を制御
する制御特性の調整を感圧室の感圧部材に対する受圧面
積の変更により容易に行う。 【構成】 クランク室2aと吸入室4aを抽気通路21
により連通する。該抽気通路21には吸入室4aの圧力
Psを感知する第1感圧室34の圧力変動により作動さ
れるダイヤフラム28により動作されて、抽気通路21
の開度を調整する弁体25を設ける。さらに、前記弁体
25の内部には第2感圧室35を設け、前記弁体25に
は吐出室4bから第2感圧室35に吐出圧力Pdを作用
させる連通筒37を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は主として車輌空調装置
の冷媒ガスの圧縮等に用いられる揺動斜板式可変容量圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、揺動斜板が収容されたクランク室
内の圧力を調整して該揺動斜板の傾斜角を変化させるこ
とにより、吐出容量を可変するように構成した揺動斜板
式可変容量圧縮機として、例えば特開昭62−2947
81号公報に示すものがある。
【0003】この種の圧縮機におけるそのクランク室内
の圧力形成は、シリンダ内周面とピストン外周面との間
から漏れる圧力、即ちブローバイガス圧力により行われ
るため、クランク室内の圧力は低圧側である吸入圧力よ
りも高くなる。又、高負荷状態、即ち吸入圧力が所定設
定値以上になると、クランク室と吸入室との間の抽気通
路に介装された圧力制御弁が開弁して、クランク室内の
圧力(ブローバイガス)が吸入室内に流出する。このた
めクランク室内の圧力は低下し、これに伴って揺動斜板
の傾斜角が大きくなってピストンのストロークが大きく
なり吐出容量が増加する。一方、熱負荷が減少し(中負
荷状態)、吸入圧力が低下すると、該吸入圧力の低下に
伴って前記圧力制御弁の開弁度が小さくなり、これによ
りクランク室内の圧力が吸入室内に流出する量が減少す
る。このため、クランク室内の圧力が上昇し、これに伴
って揺動斜板の傾斜角が小さくなってピストンのストロ
ークが小さくなり吐出容量が減少する。このような動作
により吐出容量が変化するものである。
【0004】ところで、一般に冷房システムでは、圧縮
機の吸入側と蒸発器の出口側とは吸入配管等で連結され
ており、従って、吸入配管等において流体の圧力損失が
生じる。この圧力損失は流量が多い場合(高流量時)約
0.5Kg/cm2 程度と大きくなる。一方、低流量時
には圧力損失は0.1Kg/cm2 以下となる。そし
て、圧縮機の吸入圧力を一定値、例えば2Kg/cm2
Gに設定しても蒸発器出口圧力は冷房負荷に応じて2〜
2.5Kg/cm2 Gに変化する。従って、高冷房負荷
時に冷媒ガスの流量が増大し、吸入配管での圧力損失が
増大するので、蒸発器の圧力上昇が生じて冷房能力が不
足し、冷房フィーリングを低下するという問題があっ
た。
【0005】上記問題を解決するため、従来、特開平1
−142276号公報に示す可変容量圧縮機が提案され
ている。上記圧縮機においてはクランク室と吸入室とを
連通する抽気通路と、前記クランク室と吸入室との前記
抽気通路を介した連通を制御する制御装置を備えてい
る。この制御装置は、吸入室の圧力又はクランク室の圧
力を検知して前記抽気通路を開閉する開閉弁を備えてい
る。さらに、前記吐出室の圧力によって生じた荷重を前
記開閉弁に与えて前記開閉弁の開閉作動点を移動させる
作動点制御手段とを有するものである。さらに、前記作
動点制御手段は吐出室に連通する弁シリンダと、該弁シ
リンダ内に摺動自在に挿入されたアクチュエーティング
ロッドとを有し、該ロッドによって開閉弁に吐出室の圧
力によって生じた荷重を伝達するようになっている。
【0006】上記従来の圧縮機によれば吸入室又はクラ
ンク室の圧力の変動に応じてこれらの間の抽気通路が開
閉弁によって開閉される。開閉弁の作動点は作動点制御
手段によって吐出圧力に応じて変異する。この結果、ク
ランク室の圧力の調整は吐出室の圧力に応じても行わ
れ、前述した吸入配管での圧力損失を解消し、適正な冷
房を行うことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】使用する車種の冷房シ
ステムに応じて、蒸発器から圧縮機に至る吸入配管が異
なり、配管の圧力損失が異なるので、それに応じて蒸発
器の圧力を適正に調整する必要がある。ところが、上記
従来の圧縮機の容量制御装置は、アクチュエーティング
ロッドの吐出室側端面に対し吐出圧力を作用させるよう
になっているので、吐出圧力が作用する受圧面積を変更
して前述した蒸発器の圧力を適正に調整し、圧力制御弁
の制御性能を変更することが非常に面倒であるという問
題があった。仮に、従来の制御装置において調整を行お
うとするとアクチュエーティングロッドの外径及びそれ
を収容するケースの挿通孔の内径を変更調整しなければ
ならず、多種の部品の製造及び組み付け作業等が必要に
なるという問題があった。
【0008】この発明の目的は上記従来技術に存する問
題点を解消して、吐出圧力が高くなった場合に吸入圧力
を低下して蒸発器から圧縮機に至る吸入配管の圧力損失
を補償して蒸発器の圧力をほぼ一定に保持することがで
きるとともに、圧力制御弁の制御特性の調整を容易に行
うことができる揺動斜板式可変容量圧縮機を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、吸入室と吐出室及びクランク室とを備え、
回転軸に対してピストンを往復動させるための揺動斜板
をヒンジ機構により傾動可能に装着し、クランク室圧力
と吸入圧力との差圧に応じて前記揺動斜板の傾斜角が変
化して、吐出容量を制御するようにした揺動斜板式可変
容量圧縮機において、前記吐出室とクランク室を給気通
路により連通し、クランク室と吸入室を抽気通路により
連通し、該抽気通路には吸入室の圧力を感知する第1感
圧室の圧力変動により作動される感圧部材と、該感圧部
材により動作され、抽気通路の開度を調整する弁体とか
らなる圧力制御弁を設け、さらに前記弁体の内部には第
2感圧室を設け、前記弁体には吐出室と第2感圧室とを
連通し前記感圧部材に吐出圧力を作用させる連通筒を設
けるという手段をとっている。
【0010】
【作用】この発明は冷房負荷が低下して第1感圧室に作
用する吸入室の圧力が低下すると、感圧部材により圧力
制御弁の弁体が抽気通路の弁開度を減少する方向に移動
される。このためクランク室から吸入室へ供給される冷
媒ガスの流量が減少して、クランク室圧力がシリンダボ
ア内作動室からクランク室へブローバイされるガスによ
り増大され、クランク室圧力と吸入圧力との差圧が増大
して揺動斜板の傾斜角が減少してピストンのストローク
が減少し、吐出容量が低減される。反対に、冷房負荷が
増大すると、上述の作用と逆に抽気通路の弁体の開度が
増大され、このためクランク室から吸入室へ供給される
冷媒ガスの流量が増大して、前記差圧が増大し揺動斜板
の傾斜角が増大してピストンのストロークが増大し、吐
出容量が増大される。
【0011】又、冷房負荷が増大して吐出室の圧力が増
大すると、連通筒を通して第2感圧室に作用する吐出圧
力が増大し、このため感圧部材に作用する前記圧力制御
弁の弁体を開放する方向への荷重が増大し、弁体は、抽
気通路をより開放する方向に押動される。このため、ク
ランク室から抽気通路を通して吸入室へ供給される冷媒
ガスが増大され、前記差圧が減少して揺動斜板の傾斜角
が増大されてピストンのストロークが増大され、吐出冷
媒ガス量が増大される。従って、冷房負荷が増大して吐
出圧力が増大するほど吸入圧力が低下し、蒸発器から圧
縮機に至る吸入配管の圧力損失が補償され蒸発器の蒸発
圧力はほぼ一定に保持され、冷房能力が確保される。
【0012】この発明は弁体の内部に第2感圧室を形成
し、該第2感圧室に連通筒を通して吐出圧力が作用する
ようにし、その吐出圧力をダイヤフラム又はベローズ等
の感圧部材に作用するようにしたので、吐出圧力の弁体
への圧力調整を前記第2感圧室による感圧部材への受圧
面積を変更することにより容易に行なうことができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図1〜
図4に基づいて説明する。図2に示すようにシリンダブ
ロック1の前端部にはフロントハウジング2が接合固定
され、後端面にはバルブプレート3を介して吸入室4a
及び吐出室4bを形成するリヤハウジング4が接合固定
されている。前記バルブプレート3には吸入室4aから
シリンダブロック1に形成したシリンダボア1a内作動
室Rに冷媒ガスを吸入し得る吸入弁機構5が設けられ、
前記作動室Rで圧縮された冷媒ガスを吐出室4bに吐出
し得る吐出弁機構6が設けられている。
【0014】前記シリンダブロック1及びフロントハウ
ジング2の中心部には回転軸7がラジアルベアリング8
により支持されている。この回転軸7の中間部にはラグ
プレート9が嵌合固定され、その外周にはヒンジ機構を
構成する支持アーム10が一体に突出形成されている。
又、該アーム10に形成した長孔10aには同じくヒン
ジ機構を構成する連結ピン11を介して回転斜板12が
前後方向の揺動可能に、かつ回転軸7と同期回転可能に
支持されている。この回転斜板12のボス部12aには
揺動斜板13が相対回転可能に、かつシリンダブロック
1及びフロントハウジング2に固定した回転防止ロッド
14により定位置において前後方向への傾動のみ可能に
支持されている。
【0015】前記回転軸7上にはスライダー15が軸線
方向の往復動可能に支持され、該スライダー15は連結
ピン16により前記回転斜板12のボス部12aに連結
されている。前記スライダー15は回転軸7上に装設し
たバネ17により常には揺動斜板13及び回転斜板12
を傾斜角が最大となる位置に付勢されている。前記揺動
斜板13は前記シリンダボア1a内に収容した複数のピ
ストン18とピストンロッド19を介してそれぞれ連節
されている。
【0016】従って、エンジンの動力により回転軸7が
回転されてラグプレート9、連結ピン11及び回転斜板
12が一体となって回転されると、揺動斜板13が非回
転状態で前後方向に揺動され、ピストンロッド19を介
してピストン18がシリンダボア1a内で往復動され
る。このため吸入室4aから作動室Rに吸入された冷媒
ガスが、該作動室R内で圧縮された後、吐出室4bへ吐
出される。この圧縮時にはピストン18の外周面からの
ブローバイガスによりクランク室2a内の圧力Pcが増
大するが、これは次に述べる圧力制御弁22によって調
整される。
【0017】そこで、この圧力制御弁22について説明
すると、前記シリンダブロック1、バルブプレート3及
びリヤハウジング4には、図3に示すように前記吐出室
4bとクランク室2aを連通する絞り20aを有する給
気通路20が形成され、クランク室2aと吸入室4aを
連通する抽気通路21が形成されている。この実施例で
は前記給気通路20はシリンダボア内作動室Rからクラ
ンク室2aに冷媒ガスをブローバイするピストン18と
シリンダボア1aとの隙間のみにより形成されているも
のとする。前記抽気通路21の途中には圧力制御弁22
が介在されている。
【0018】この圧力制御弁22について図1を中心に
説明すると、弁収納ケース23の内部には弁室24が形
成され、該弁室24内においてケース23に形成した弁
座23a、つまり抽気通路21を開閉する弁体25が収
容されている。この弁体25はケース23の内壁に設け
たストッパ26との間に介在したバネ27により前記抽
気通路21を解放する方向に付勢されている。又、前記
弁体25の下方には感圧部材としてのダイヤフラム28
が収納ケース29により取着されている。さらに、前記
収納ケース29の下部にはバネ収納ケース30が取りつ
けられ、その内部に収容したバネ31はバネ受け32,
33によって前記ダイヤフラム28を上方、つまり弁体
25を閉路する方向に付勢している。前記収納ケース3
0内部は大気圧又は密閉された定圧室となっている。前
記ダイヤフラム28の上側は第1感圧室34となってい
て、該感圧室34は弁体25下流側の抽気通路21を通
して作用する吸入圧力Psを感知し、弁体25を開閉動
作する。
【0019】又、前記弁体25の下部には円筒部25a
が一体に形成され、その内部には吐出室4bの圧力Pd
を感知する第2感圧室35が形成されている。前記弁収
納ケース23の上部には挿通孔36が上下方向に貫通形
成され、該挿通孔36には連通筒37が上下方向の往復
摺動可能に挿通支持されている。該連通筒37は前記弁
体25と一体に形成され、前記第2感圧室35は連通筒
37内に形成した連通路38によりケース23の直上に
形成した第3感圧室39と連通されている。この第3感
圧室39はリヤハウジング4に形成した連通路40によ
り吐出室4bと連通されている。従って、吐出室4bの
圧力Pdは連通路40、第3感圧室39、連通路38を
通して第2感圧室35に作用し、前記ダイヤフラム28
の感圧室35と対応する受圧面28aに対し吐出圧力P
dに比例した荷重を作用し、弁体25の開閉動作に関与
する。
【0020】次に、前記のように構成した揺動斜板式可
変容量圧縮機について、その作用を説明する。圧縮機の
停止状態においては、吐出室4b内の圧力Pd、クラン
ク室2a内の圧力Pc、及び吸入室4a内の圧力Psは
ほぼ同圧力となっている。このため、図1に示すように
圧力制御弁22の弁体25はバネ31の付勢力により弁
座23aに当接して抽気通路21を閉鎖する位置に保持
されている。
【0021】車室内の温度が高く冷房負荷が高い状態
で、エンジンにより図2に示す圧縮機の回転軸7が回転
されると、ラグプレート9及び連結ピン11を介して回
転斜板12が回転され、これにより揺動斜板13が前後
方向に揺動され、この揺動運動によりロッド19を介し
てピストン18がシリンダボア1a内で往復動される。
このため、吸入室4aからシリンダボア1a内作動室R
に冷媒ガスが吸入され、圧縮されたガスは吐出室4bに
吐出される。そして、吐出室4b内の圧力Pdが上昇
し、この圧力Pdは連通路40、第3感圧室39及び連
通路38を通して第2感圧室35に作用し、前記ダイヤ
フラム28の感圧室35と対応する受圧面28aに作用
し、弁体25の開閉動作に影響を与える。該弁体25は
前述した吐出圧力Pdの変動の影響を受けつつ、第1感
圧室34の吸入圧力Ps、バネ27,31の付勢力及び
バネ収容室23b内のクランク室圧力Pc等のバランス
する位置への制御が次のようにして行われる。
【0022】圧縮機の起動後暫くの間は、シリンダボア
1a内作動室Rからピストン18の外周面とボア内周面
との隙間を通してクランク室2aにブローバイされる冷
媒ガスによりクランク室2a内の圧力Pcが上昇する。
このクランク室圧力Pcは車室内の冷房負荷が大きく
て、吸入圧力Psが高い場合には、第1感圧室34の圧
力Psも高いので、弁体25が抽気通路21を開放する
方向に移動され、弁体25が図1において開放されて抽
気通路21が解放される。このため、クランク室2aか
ら吸入室4aに前述したブローバイ分に相当する冷媒ガ
スが環流し、クランク室圧力Pcの上昇が抑制される。
従って、ピストン18の背面及び作動面に作用するクラ
ンク室圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧ΔPcsが変化
することはなく、揺動斜板13の傾斜角が最大のまま圧
縮機は大容量状態で運転される。
【0023】そして、圧縮機の運転が継続され、車室内
の冷房負荷が低下し、吸入圧力Psが低下すると、第1
感圧室34がそれを感知して図1においてダイヤフラム
28が上方に変位されるので、弁体25が抽気通路21
を閉鎖する方向に押圧され、クランク室2aから吸入室
4aへの冷媒ガスの排出量が抑制される。このため、ピ
ストン18の背面に作用するクランク室圧力Pcが作動
室Rからのブローバイガスにより増大して、前記差圧Δ
Pcsが増大し、揺動斜板13の傾斜角が減少し、吐出
容量が冷房負荷の低減に応じて減少される。
【0024】ところで、前記弁体25は第2感圧室35
に作用する吐出圧力Pdの影響を受ける。この吐出圧力
Pdが図4において増大するに伴って、第2感圧室35
の圧力Pdが増大すると、図1においてダイアフラム2
8の受圧面28aが下方に押圧され、弁体25は開放方
向により強く押圧されることになる。このため、クラン
ク室2aから抽気通路21を通して吸入室4aへ還元さ
れる冷媒ガスの排出量が増大して、前記差圧ΔPcsが
減少する傾向となり、揺動斜板13の傾斜角が増大し
て、吐出容量が漸増される。従って、吐出圧力Pdの上
昇に比例して吸入圧力Psが減少するので、蒸発器から
圧縮機への吸入配管の圧力損失が吐出圧力Pdの上昇に
伴って増大しても蒸発器の蒸発圧力は圧力損失を補償し
て、ほぼ一定に保持され、このため高負荷時の冷房能力
が確保される。
【0025】さて、前記実施例においては、弁体25に
吐出圧力Pdの影響を付与する連通筒37を設け、弁体
25に吐出圧力Pdを作用させる第2感圧室35を形成
したので、第2感圧室35のダイヤフラム28に対する
受圧面28aの面積の変更により、弁体25の開閉制御
に対する吐出圧力Pdの荷重を冷房システムに応じて容
易に調整することができる。
【0026】図5に示す別例はケース23の上部に固定
連通筒37を一体に形成するとともに、該連通筒37の
外周面に対し弁体25の中心部に形成した貫通孔25b
を摺動可能に嵌合している。この別例では弁体25の重
量が軽減されるので、弁体25の開閉制御動作が円滑に
行われる。
【0027】図6に示す別例は図5に示す別例におい
て、連通筒37をケース23と別体に形成し、該連通筒
37の上端部に形成したフランジ部37aをケース23
の上端面に係止している。さらに、該連通筒37の外周
面とケース23の挿通孔36内周面との間に隙間gを設
けている。この別例では弁体25及び連通筒37、弁座
23a等の同軸度に関して交差の大きい設計が可能とな
る。
【0028】図7に示す別例は前記連通筒37のフラン
ジ部が吐出室4bとクランク室2aを連通する給気通路
20(ピストン18のブローバイガス隙間と異なる)を
開閉する弁体41としての機能を有している。又、バネ
27は弁体25と前記連通筒37の上部に形成した係止
部37bとの間に介在されている。
【0029】この別例では、前記第3感圧室39に作用
する吐出圧力Pdが所定設定値以下になった場合に、バ
ネ27の弾性力により連通筒37が上方に移動されて弁
体41により給気通路20が開放され、吐出室4bから
給気通路20を通してクランク室2aに供給される高圧
の冷媒ガスによりクランク室圧力Pcが増大される。こ
のため、ピストン18に作用する差圧ΔPcsが増大さ
れ、揺動斜板13の傾斜角を低吐出圧域において確実に
小さくし、吐出容量を低減し、蒸発器の凍結を防止する
ことが可能となる。
【0030】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、次のように具体化することもできる。 (1)前記ダイヤフラム28に代えてベローズ(図示
略)を使用すること。
【0031】(2)前記連通筒37を可撓配管にするこ
と。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は吐出圧
力の変動を感知して弁体の開度を制御する制御特性の調
整を感圧室の感圧部材に対する受圧面積の変更により容
易に行うことができるとともに、吐出圧力が上昇した場
合に、吸入圧力を減少して蒸発器の蒸発圧力を吸入配管
の圧力損失に係わらずほぼ一定に制御することができ高
負荷運転時における冷房能力の不足を抑制することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した揺動斜板式可変容量圧縮
機の圧力制御弁を示す縦断面図である。
【図2】揺動斜板式可変容量圧縮機の縦断面図である。
【図3】吐出室、クランク室、吸入室及び圧力制御弁の
関係を示す回路図である。
【図4】吐出圧力、吸入圧力及び蒸発器の圧力の関係を
示すグラフである。
【図5】この発明の圧力制御弁の別例を示す断面図であ
る。
【図6】この発明の圧力制御弁の別例を示す断面図であ
る。
【図7】この発明の圧力制御弁の別例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダブロック、2 フロントハウジング、2a
クランク室、4 リヤハウジング、4a 吸入室、4
b 吐出室、7 回転軸、9 ラグプレート、10 ヒ
ンジ機構を構成する支持アーム、11 ヒンジ機構を構
成する連結ピン、13 揺動斜板、18 ピストン、2
0 給気通路、21 抽気通路、22圧力制御弁、23
弁収納ケース、23a 弁座、25 弁体、27 バ
ネ、28 感圧部材としてのダイヤフラム、34 第1
感圧室、35 第2感圧室、37 連通筒、38,40
連通路、39 第3感圧室。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入室と吐出室及びクランク室とを備
    え、回転軸に対してピストンを往復動させるための揺動
    斜板をヒンジ機構により傾動可能に装着し、クランク室
    圧力と吸入圧力との差圧に応じて前記揺動斜板の傾斜角
    が変化して、吐出容量を制御するようにした揺動斜板式
    可変容量圧縮機において、 前記吐出室とクランク室を給気通路により連通し、クラ
    ンク室と吸入室を抽気通路により連通し、該抽気通路に
    は吸入室の圧力を感知する第1感圧室の圧力変動により
    作動される感圧部材と、該感圧部材により動作され、抽
    気通路の開度を調整する弁体とからなる圧力制御弁を設
    け、さらに前記弁体の内部には第2感圧室を設け、前記
    弁体には吐出室と第2感圧室とを連通し前記感圧部材に
    吐出圧力を作用させる連通筒を設けた揺動斜板式可変容
    量圧縮機。
JP5002071A 1993-01-08 1993-01-08 揺動斜板式可変容量圧縮機 Pending JPH06200875A (ja)

Priority Applications (1)

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JP5002071A JPH06200875A (ja) 1993-01-08 1993-01-08 揺動斜板式可変容量圧縮機

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