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JPH06192291A - 新規ペプチドとそれを用いた血小板凝集抑制剤及び血液凝固抑制剤 - Google Patents

新規ペプチドとそれを用いた血小板凝集抑制剤及び血液凝固抑制剤

Info

Publication number
JPH06192291A
JPH06192291A JP5203962A JP20396293A JPH06192291A JP H06192291 A JPH06192291 A JP H06192291A JP 5203962 A JP5203962 A JP 5203962A JP 20396293 A JP20396293 A JP 20396293A JP H06192291 A JPH06192291 A JP H06192291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
acid
group
derivative
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5203962A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Sato
吉美 佐藤
Yoshio Hayashi
良雄 林
Atsushi Katada
淳 片田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP5203962A priority Critical patent/JPH06192291A/ja
Priority to EP93919619A priority patent/EP0628571A4/en
Priority to PCT/JP1993/001262 priority patent/WO1994005696A1/ja
Priority to KR1019940701533A priority patent/KR950701645A/ko
Priority to CA002122912A priority patent/CA2122912A1/en
Priority to US08/232,261 priority patent/US5498601A/en
Publication of JPH06192291A publication Critical patent/JPH06192291A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin or cold insoluble globulin [CIG]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血小板凝集阻害作用と血液凝固阻害作用とを
有する新規ペプチド、並びに当該ペプチドを有効成分と
して含有する、血栓崩壊治療中と治療後の血小板血栓
症、血栓閉塞症に対して有効な、更には再閉塞や心筋梗
塞の予防も可能な血小板凝集抑制剤、及び体外循環時の
血栓形成の主原因である血液凝固を抑制し得る血液凝固
抑制剤の提供。 【構成】 RGDを基本骨格として有する血小板凝集阻
害作用と血液凝固阻害作用とを有する新規ペプチド誘導
体、並びに当該ペプチドを有効成分として含む血小板凝
集抑制剤及び血液凝集抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血小板凝集抑制作用を有
する新規ペプチド等、並びに当該ペプチド等を有効成分
として含む血小板凝集抑制剤及び体外循環用血液凝固抑
制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血液中において、血小板は、損傷した血
管の表面に相互に吸着して、出血を防止するという大き
な役割を演じている。しかしながら、病的な環境下にお
いては、血小板の凝集は血栓が形成される主要な原因と
なり、この血栓が原因で血管が閉塞することが知られて
いる。そしてこの閉塞は、組織や臓器への酸素や栄養分
の十分な供給を妨げ、これが心筋梗塞や脳卒中に代表さ
れる循環器の虚血性疾患の重大な原因となる。そして、
今日においてかかる虚血性疾患は癌に次ぐ死亡率を示
し、大きな社会問題になっている。
【0003】外科手術時における人工心肺の使用や腎不
全患者の腎透析のように、体外への血液の循環を伴う医
学的処置を行う場合、血液が体外に循環する際にも血小
板活性化と血小板凝集に起因する血液凝固が起こること
があり、これらの処置を実施する上で大きな障害となっ
ている。よって、これらの血栓あるいは血液凝固を防止
することは、上記虚血性疾患の発生、あるいは安全な体
外循環の実施のためには非常に重要な事項である。
【0004】ところで血小板は、血管損傷等により露出
される内皮下組織に存在するコラーゲン等の結合組織蛋
白質や血漿中に存在するトロンビン等の血小板膜受容体
への結合によって活性化される。また、血小板内に存在
するアデノシンジフォスフェイト(ADP)、アドレナ
リン、セロトニン、トロンボキサン(TX)A2等の放
出による自己分泌的な膜受容体への結合によっても活性
化される。そして、フィブリノーゲン受容体を構成する
2種の糖蛋白質ユニットが細胞表面に提示され、会合
し、受容体複合体(gpIIbIIIa)を形成することに
よって、フィブリノーゲン架橋を介する凝集が惹起され
る。
【0005】かかるgpIIb及びgpIIIaを先天的に
欠如した血小板無力症(thrombasthenia) においては、
血小板凝集能が認められない。よって、gpIIbIIIa
複合体のフィブリノーゲンとの結合が血小板凝集におい
て必須であることは明かである(Ruoslahti et al.,Sci
ence, 238, 491(1987)) 。上記のgpIIbIIIa複合体
の性質に着目して、血小板の凝集を抑制して血栓の生成
を妨げようとする試みがなされている。
【0006】例えば、コラー(Coller) らは、gpIIb
IIIa複合体に対するモノクローナル抗体のF(ab')2
ラグメントに強力な血小板凝集抑制作用があることを報
告しており(Blood,68,783,(1986))、かかる作用を利用
して、血小板凝集抑制剤の開発が可能であることを明ら
かにしている。しかしながら、当該モノクローナル抗体
は、確かに血小板凝集を抑制する治療薬としての潜在性
は認められる。しかしながらその反面、それ自体が高分
子蛋白質であるため、繰り返し投与する場合は、当該モ
ノクローナル抗体自体に作用する抗体が産生されること
が懸念される。
【0007】従って、gpIIbIIIa複合体に対するア
ンタゴニストとして性質を有し、かつ免疫原性のない低
分子化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤の開発が
期待されている。また、gpIIbIIIa複合体とフィブ
リノーゲンの結合に関する研究も精力的に行われてい
る。すなわち、Ruoslahti らによる一連の研究により導
かれた、細胞接着分子に共通のアミノ酸配列である、ア
ルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)の発見
(Ruoslahti et al.,Nature,309,30-33(1984))に始まっ
て、RGD配列を認識するレセプターの研究により、今
日ではgpIIbIIIa複合体は、RGD配列を認識する
インテグリンファミリーに属する受容体であり(Philll
ips et al.,Blood,71,831-843(1988))、当該複合体とフ
ィブリノーゲンとの結合においては、特にフィブリノー
ゲン分子中に存在する2 つのRGDF(−フェニルアラ
ニン)配列を認識して結合することが明らかにされてい
る(Andrieux et al.,J.Biol.Chem.,264,9258-9265(198
9)) 。
【0008】さらに、フィブリノーゲンと同様にRGD
配列を有する、フォンビルブラント因子、フィブロネク
チン、ビトロネクチンやトロンボスポンジンもgpIIb
IIIa複合体と結合することが知られている(Pytela et
al.,Science.,231,1559(1986) あるいは、Cell,42,43
9,(1985)) 。かかる知見から、RGD配列を含む合成ペ
プチドがgpIIbIIIa複合体とフィブリノーゲンの結
合を阻害して血小板の凝集を抑制することが予想され、
現実に400μMの合成ペプチドGRGDSPが、ADPで
活性化された血小板の凝集を完全に阻害したことが報告
されている(Plow et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,8
2,8057-8061(1985)) 。またRGDSについては、46-50
μMの濃度で濃度依存的に80〜90%の血小板の凝集を阻
害することが判明しており、さらにペプチドRGDF
は、RGDSの4〜5倍強い血小板凝集抑制活性を示す
ことが判明している(Plow et al.,Blood,70,110-115(1
987)あるいは、Harfinest et al.,71,132-136(1988))。
【0009】RGDペプチドを有するテトラペプチド誘
導体に関しては、特開平1-190699号公報、特開平2-6289
2 号公報、EPO 422937 A1号公報、及び米国特許4952
562号に記載されている。ペプチドからなる誘導体に関
してはさらに、特開昭63-215696 号公報に記載されてい
る。また、RGDペプチドの環状構造の誘導体について
は、特開平3-118331号公報、及び特開平2-62892 号公報
あるいはWO91/01331号公報に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年、高活性で生体内
安定性の優れた薬剤を開発するために、RGDペプチド
を鍵化合物として、天然には存在しない構造を有する化
合物へ誘導する合成研究が盛んに行われている(Hartma
n et al.,J.Med.Chem.,35,4640-4642(1992) あるいはCa
llahan et al.,ibid,35,3970-3972(1992))。この様な化
合物は蛋白分解酵素による影響を受け易い経口投与型の
血小板凝集抑制剤として有用であるが、同時に、非天然
構造への誘導に伴う毒性の発現や、体内において薬剤が
消失せずに蓄積されてしまう等の副作用が予想され、安
全性についての問題が強く懸念されている。
【0011】また、化合物の生体内安定性の向上は、血
小板凝集抑制作用の持続につながり、出血傾向を惹起す
る等、本来血小板の有する重要な生理作用を長時間にわ
たり停止させてしまう可能性がある。体外循環時等にお
いて、実際に血液凝固を抑えるために投与されている生
体由来の医薬品であるヘパリンにおいてさえも、その作
用が適度な薬効時間を超えてしまい、出血傾向を惹起す
る重篤な副作用が報告されている[秋沢忠男ら、日本臨
床、43巻、377-391 頁(1985年)]。
【0012】従って、特に体外循環や外科手術時等にお
いて、血小板の凝集能力を一時的にのみ抑える目的で血
小板凝集抑制剤を使用する場合には、当該薬剤は血小板
凝集抑制能力に優れていることが望ましいことは言うま
でもないが、それと同時に使用目的に応じた適度な薬効
時間を有し、なおかつ当該薬剤の失活後は副作用のない
化合物に速やかに代謝される安全性に優れた特性を有す
ることが必要である。
【0013】前記「従来の技術」で述べたように、RG
Dペプチドそのものの有する血小板凝集抑制活性や血液
凝固抑制活性は実用に耐えられるほど高くはない。しか
しながら、このRGDペプチドはもともと生体内に存在
する蛋白分解酵素によって、生体にとって安全でかつ有
益なアミノ酸に分解される優れた特徴がある。本発明者
はこの特徴を大いに利用し、血小板凝集抑制能力又は血
液凝固抑制能力に優れ、天然のペプチドに可能な限り近
い構造を有し、かつ高活性である誘導ペプチドを造り出
し、これを有効成分として含む血小板凝集抑制剤の提供
を企図する。そして、さらに体外循環時や手術時等に適
する副作用の少ない血液凝固抑制剤の提供を企図する。
【0014】すなわち本発明は、使用目的に応じた様々
な生体での保持時間を有し、血小板凝集抑制能力及び血
液凝固抑制能力に優れ、かつ天然ペプチドに可能な限り
近い構成の安全性に優れた特性に優れるペプチド等及び
当該ペプチド等を有効成分とする血小板凝集抑制剤及び
体外循環用血液凝固抑制剤の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】体外循環に適した、副作
用の少ない血小板凝集抑制薬の開発には、上記のごとく
天然のペプチドに可能な限り近い構造を有することが必
要である。そこで、本発明者は、実用に耐え得る高活性
化合物を得る際に、アミノ酸やビタミン等の副作用の少
ない生体に有用な化合物をRGD様の配列に付加するこ
とによって、高活性で適度な作用時間を有するペプチド
等を創製した。本ペプチド等が分解されると、当該付加
部分は本来の有用な物質として生体に受け入れられる。
すなわち、その構造中に生体内で速やかに分解されるペ
プチド骨格をほぼ完全に残しながら、高い血小板凝集抑
制活性を持ち、生体内での分解時間が概ね短く、かつ作
用時間が異なる一群の化合物を見出した。
【0016】即ち、本願は以下の事項をその要旨とする
ものである。 (1) 一般式
【0017】
【化6】 A−B−Arg−Gly−Asp−C−D (I) (式中、Aはアミノ酸、アミノ酸誘導体、ビタミン、ビ
タミン誘導体、ビタミン様作用物質、ビタミン様作用物
質の誘導体、核酸の塩基、核酸の塩基の誘導体及びヒダ
ントイン酢酸よりなる群の中から選ばれた化合物;Bは
アミノ酸;Cは疎水性官能基を有するアミノ酸;Dは水
酸基又はアミノ基を示す)で表される、ペプチド、ペプ
チド誘導体又はそれらの塩。 (2) Aにおけるアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体が、プ
ロリン、チオプロリン、ハイドロキシプロリン、デヒド
ロプロリン、2−オキソ−4−チアゾリジンカルボン
酸、N−アルキルグリシン又は次の一般式
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、R1 は、水素原子、一般式
【0020】
【化8】
【0021】又は一般式
【0022】
【化9】
【0023】(式中、pは0〜5の整数である)、mは
2〜5の整数、nは0〜2の整数である〕で表されるイ
ミノ酸誘導体、トリプトファン又は次の一般式
【0024】
【化10】
【0025】(式中のR2 は水素原子又はアルキル基、
3 は水素原子又はO−アルキル基、R4 は水素原子又
はアルキル基、R5 は水素原子、アミノ基又はアミノア
シル基、qは0〜3の整数である)で表されるトリプト
ファン誘導体、ピログルタミン酸又は2−アゼチジノン
−4−カルボン酸である、前記(1) 記載のペプチド、ペ
プチド誘導体又はそれらの塩。 (3) ビタミン様作用物質又はビタミン様作用物質の誘導
体が、オロチン酸又はハイドロオロチン酸である、前記
(1) 記載のペプチド、ペプチド誘導体又はそれらの塩。 (4) Bがセリン、グリシン、バリン、アラニン、スレオ
ニン又はβ−アラニンである、前記(1) 〜(3) 記載のペ
プチド若しくはペプチド誘導体又はそれらの塩。 (5) Cがトリプトファン若しくはフェニルアラニンであ
る、前記(1) 〜(4) 一つに記載されたペプチド若しくは
ペプチド誘導体又はそれらの塩。 (6) 前記(1) 〜(5) のいずれか一つに記載されたペプチ
ド、ペプチド誘導体又はそれらの塩を有効成分として含
む、血小板凝集抑制剤。 (7) 前記(1) 〜(5) のいずれか一つに記載されたペプチ
ド、ペプチド誘導体又はそれらの塩を有効成分として含
む、体外循環用血液凝固抑制剤。
【0026】以下、本発明に関し詳細に説明する。 一般式(I)において、Aはアミノ酸、アミノ酸誘
導体、ビタミン、ビタミン誘導体、ビタミン様作用物
質、ビタミン様作用物質の誘導体、核酸の塩基、核酸の
塩基の誘導体及びヒダントイン酢酸よりなる群の中から
選ばれた化合物である。 a)本発明において、アミノ酸とは分子内にアミノ基とカ
ルボキシル基を有する分子のことをいう。
【0027】そして、当該アミノ酸又はアミノ酸誘導体
Aとして本発明において好ましいものとしては、プロリ
ンを含むイミノ酸、分子内にペプチド結合(ラクタム)
を有するアミノ酸、トリプトファン、そしてこれらのア
ミノ酸の誘導体を挙げることができる。Aの部位にプロ
リンが存在することは、式(I)に示すペプチド等(以
下、本発明ペプチド等と記載する。)の血小板凝集抑制
活性及び血液凝固抑制活性を顕著に増幅させ得る故に好
ましい。
【0028】さらに、Aがプロリンである場合は当該プ
ロリンのイミノ基を修飾すると本発明ペプチド等の血小
板凝集抑制活性及び血液凝固抑制活性が、当該イミノ基
を修飾しない場合に比べて低下することを本発明者は明
らかにした。すなわち、実施例16の化合物と実施例20の
化合物とを比較することによって、ここで述べているプ
ロリンの存在による血小板凝集抑制活性増幅効果はプロ
リン中のイミノ基に起因することは明白である。従っ
て、Aがプロリン以外であってもイミノ基を有するアミ
ノ酸であることによって、本発明ペプチド等は高い血小
板凝集抑制活性を示し得る。
【0029】プロリン誘導体としては、その環構造内に
他のヘテロ原子を有するものや環に官能基が付加したも
のを挙げることができる。例えば具体的には、チオプロ
リン、ハイドロキシプロリン、デヒドロプロリン、オキ
ソチアゾリジンカルボン酸、N−メチルプロリン、N−
アセチルプロリン等を挙げることができる。イミノ酸と
しては、好ましくはN−アルキルグリシンや環の大きさ
の異なる一般式(II)で示される環状イミノ酸を挙げる
ことができる(R1 は水素原子)。なお、N−アルキル
グリシンのアルキル部分は、低級アルキル鎖であること
が好ましい。具体的には、N−メチルグリシン(ザルコ
シン)、N−エチルグリシン、N−エチルグリシン、N
−プロピルグリシン、N−イソプロピルグリシン等を挙
げることができる。また、一般式(II)において、R1
が水素原子以外である場合、すなわちイミノ基が修飾さ
れている場合には、本発明ペプチド等の血小板凝集抑制
能力は低下する傾向にある。しかしながら当該修飾は、
生体内における酵素によるペプチドのN端からの分解を
遅らせる効果があり、分解速度の異なる誘導体の入手に
は必要なものである。かかる場合、R1 はアルキル基又
はCO−アルキル基であるが、いずれも低級アルキル基
又は低級CO−アルキル基であるのが好ましい。さらに
pが0〜5の整数であるものが適当な塩基性度を有し、
かつ立体障害性が低いという点で好ましい。
【0030】当該環状イミノ酸の環構造の大きさは、m
を2〜8の範囲で選択することが可能であるが、当該環
自身の立体障害性を低く押さえることの必要性から、m
は好ましくは2〜5である。また、一般式(II)中のカ
ルボン酸の位置は、直接的には本発明ペプチド等の血小
板凝集抑制活性には影響しないが、塩基性部位であるイ
ミノ基の向きを考慮すれば、好ましくはイミノ基に隣接
する2位をあげることができる。また、環と当該カルボ
ニルの間にアルキル鎖を導入し得る。当該アルキル鎖の
鎖数を示すnは0〜6の範囲で選択し得るが、カルボニ
ルからイミノ基までの適当な距離を保つ必要性を考慮す
れば、好ましくは0〜2である。
【0031】すなわち、当該環状イミノ酸の好ましい具
体例としては、例えばL−2−アゼチジンカルボン酸、
o−,m−,p−の各ピペリジンカルボン酸、ピロリジ
ン−3−カルボン酸、ピロリジン−2−酢酸等を挙げる
ことができる。Aを血液中において酵素による分解を受
け易い化合物とするか、当該分解を受け難い化合物にす
るかによって、本発明ペプチド等を有効成分として含む
本発明血小板凝集抑制剤及び血液凝固抑制剤を使用目的
に応じた作用時間を確保することができる。
【0032】主に、体外循環用血液凝固抑制剤を企図す
る場合には、Aを血液中において酵素による分解を受け
易い化合物とすることにより、生体内での作用時間を短
縮することが可能である。当該化合物としては、例えば
4員環化合物のアゼチジンカルボン酸や5員環化合物の
プロリンを挙げることができる。上記以外の一般的な血
小板凝集抑制剤を企図する場合には、逆にAを分解を受
け難い化合物とすることにより、生体内での作用時間を
延長することが可能である。当該化合物としては、例え
ば6員環化合物であるL−ピペコリン酸等を挙げること
ができる。
【0033】なお、一般式(II)においてイミノ基が、
イミド基に変わった構造(ラクタム)であっても良い。
かかる構造も、分解酵素に対する適度な安定性と高活性
を有するペプチド化合物を与える。好ましくはピログル
タミン酸や2−アゼチジノン−4−カルボン酸などを挙
げることができる。Aがトリプトファン又はその誘導体
である場合も、本発明ペプチド等の血小板凝集抑制活性
の向上が認められる。これは、トリプトファン中のイン
ドール環による疎水的な作用によるものとの考えられ
る。
【0034】一般式(III )で示されるトリプトファン
誘導体において、R2 は水素原子又はアルキル基、好ま
しくは水素原子又は低級アルキル基;R3 は水素原子又
はO−アルキル基、好ましくは水素原子又は低級O−ア
ルキル基;R4 は水素原子又はアルキル基、好ましくは
水素原子又は低級アルキル基;R5 は水素原子、アミノ
基又はアミノアシル基である。アミノアシル基としては
例えば、アミノアセチル基やアミノカプロリル基を代表
的なものとして挙げることができる。
【0035】さらにAがヒダントイン酢酸である場合も
活性の向上がみられる。 b)本発明において、Aとして用いられるビタミンの種類
はとくに限定されない。例えば、ニコチン酸、p-パント
テン酸、ビオチン、プテロイルグルタミン酸等を挙げる
ことができる。また、本発明においてビタミン様作用物
質とは、その生理作用はビタミンに近いが、一般に、こ
とにヒト及び哺乳動物では必ずしも栄養素として外部か
ら摂取する必要がない、すなわち生体内において自己合
成のできる一群の化合物をいう。具体的には、オロチン
酸、リポ酸等を挙げることができる。
【0036】ビタミンもビタミン様作用物質もペプチド
骨格に共有結合で結合していることを特徴とするが、ペ
プチド骨格に結合するために、相応する官能基を有する
ことが必要で、その官能基としては、例えばカルボキシ
ル基等を挙げることができる。また、相応する官能基を
持たないビタミン等においても、簡単な処理で相応する
官能基を誘導できるものであれば良い。当該例として
は、ニコチン酸アミド分子内のアミドの加水分解により
カルボン酸を誘導する場合等を挙げることができる。こ
れらのペプチド骨格との結合は、生体内に存在する酵素
によって容易に分解され、その結果生体に有用なビタミ
ン若しくはビタミン様作用物質又はその中間代謝産物或
いは毒性の殆ど無い化合物に変わるようなものであれば
良く、例えば、アミド結合、エステル結合等がある。
【0037】また、ビタミンやビタミン様作用物質の誘
導体としては、これらの化合物の中間代謝物、あるいは
生化学データブック(日本生化学会編、東京化学同人)
等に記載されている関連化合物、あるいは部分的に1あ
るいは2箇所の構造を修飾した化合物であり、その例と
しては、5−ピリドキシン酸、ビオチンp-,L- スルホキ
シド、ビオチンスルホン、ビオシチン、プテロイン酸、
10−ホルミルプテロイン酸、7,8-ジヒドロ葉酸、(-)L-
H, 葉酸、ホモプロテイン酸、6-カルボキシプテリン、
ジヒドロリポ酸、ビタミン様作用物質のオロチン酸の二
重結合が還元されたハイドロオロチン酸などがある。 c)さらに、本発明における核酸の塩基またはその誘導体
とは、一般にヌクレオチドを構成する塩基成分およびそ
の誘導体を指すが、上記ビタミンやビタミン様作用物質
またはそれらの誘導体に関して述べたことと同様な構造
的特徴を有するものである。好ましくはピリミジン誘導
体等、例えば5−カルボキシメチルウラシル、5−カル
ボキシチオウラシル等を例示することができる。 Bはアミノ酸であり、その種類は特に限定されな
い。しかしながら、立体障害の大きなアミノ酸あるいは
酸性のアミノ酸は活性を低下させる傾向がある故に、比
較的小さなアミノ酸がBとしては好ましく、例えばセリ
ン、グリシン、バリン、アラニン、スレオニン又はβ−
アラニンであるのが好ましい。特にセリンが高活性を示
す故に好ましい。 Cは受容体に結合する疎水的ドメインとして、疎水
性官能基を有するアミノ酸を指す。好ましくはトリプト
ファン又はフェニルアラニンを挙げることができる。 Dは水酸基又はアミノ基である。なお、Dが水酸基
の場合はアミノ基の場合に比べ活性が高い傾向がある。
しかし、作用時間はアミノ基である方が長く、目的に応
じて選択することができる。 これらの本発明ペプチド等は各々異なった半減期を有
する。すなわち、血漿中での本発明ペプチド等の半減期
の範囲は約10分から長いものでは4時間以上である。し
かし、体内では速やかに分解される特性があるものが多
く、本発明ペプチド等の大部分の体内半減期は短すぎて
特定できないもの(約2分以内)から10分以内である。
従って、これらのペプチド等を体外循環に適用した場合
には、装置内を循環している血液中では安定であるが、
体内に入ると各種分解酵素により、すばやく生体に有益
な化合物に分解されて血液凝固活性を失う。
【0038】よって、従来から問題とされている体外循
環時の抗血栓剤ヘパリンによる出血傾向が増加する重篤
な副作用を、ヘパリンを本発明のペプチド等で代替する
ことで克服することが可能である。すなわち、本発明ペ
プチド等は体外循環用の血液凝固抑制剤の有効成分とし
て非常に有用である。さらに体外循環では、循環装置や
使用目的に依って、血液凝固抑制剤の好ましい作用時間
が異なるが、本発明ペプチド等各々の作用時間(半減
期)の違いを利用すれば、体外循環時間の長さや使用目
的の違いに応じて使い分けることが可能である。
【0039】本明細書において、アミノ酸、ペプチド、
保護基、活性基、その他に関して略号で表示する場合、
国際純正および応用化学連合(IUPAC)、国際生化
学連合(IBU)の規定或いは該当分野における慣用記
号に従うものとする。また、遺伝制御に直接関連のある
α−アミノ酸に関して光学異性体がありうる場合は、特
に明示しなければL体を示すものとする。以下にその例
を示す。 Alaまたは A : アラニン Argまたは R : アルギニン Aspまたは D : アスパラギン酸 Glyまたは G : グリシン Serまたは S : セリン Valまたは V : バリン Thrまたは T : スレオニン Trpまたは W : トリプトファン Pheまたは F : フェニルアラニン Proまたは P : プロリン Boc : t−ブトキシカルボニル But : t−ブチル OBut : t−ブチルエステル Mtr : 4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルフォニル Pmc : 2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマ
ン-6-スルフォニル Fmoc : 9-フルオレニルメトキシカルボ
ニル 本発明のペプチドおよびその類似化合物は、市販のアミ
ノ酸を利用して、簡単な操作で容易に合成することがで
きる。すなわち、ペプチド化学において通常用いられる
方法、例えば、「ザ ペプチド(The Peptides) 」第1
巻〔Schroder and Luhke著,Academic Press, New Yor
k, U.S.A.(1966 年)〕、「ペプチド合成の基礎と実
験」〔泉屋信夫ら著丸善(株)(1985年)〕等に記載さ
れている方法によって製造することが可能であり、液相
法及び固相法のいずれによっても製造できる。さらに、
カラム法、バッチ法のいずれの方法も用いることができ
る。
【0040】ペプチド結合を形成するための縮合方法と
して、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、カルボ
ジイミド法、カルボジイミド−アディティブ法、活性エ
ステル法、カルボニルイミダゾール法、酸化還元法、酵
素法、ウッドワード試薬Kを用いる方法等を例示するこ
とができる。なお、固相法での縮合反応は上記した方法
のうち、酸無水物法、カルボジイミド法、及び活性エス
テル法が主な方法として挙げられる。
【0041】さらに、固相法でペプチド鎖を延長すると
きは、C末端アミノ酸を用いる有機溶媒に対して不溶な
樹脂等の支持体に結合する。ここでは、アミノ酸を樹脂
に結合させる目的で官能基を導入した樹脂や、樹脂と官
能基の間にスペーサーを挿入したもの、更に条件によっ
て種々の箇所で切断できるハンドル(handle)と称する
鎖を導入した樹脂を目的に応じて用いることもできる。
このような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂な
どのハロメチル樹脂、オキシメチル樹脂、4−(オキシ
メチル)−フェニルアセトアミドメチル樹脂、4−(オ
キシメチル)−フェノキシメチル樹脂、C末アミド化用
樹脂などを挙げることができる。
【0042】なお、これらの縮合反応を行なう前に、通
常公知の手段によって当該縮合反応に関与しないカルボ
キシル基やアミノ基やアルギニン残基中のグアニジド基
等の保護手段を施すことができる。また逆に当該縮合反
応に直接関与するカルボキシル基やアミノ基を活性化す
ることもできる。保護手段に用いる保護基としては、有
機化学の分野において通常用いられている保護基、例え
ば「プロテクティブ グループス イン オーガニック
シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesi
s)〔Greene著,John Wiley & Sons,Inc.(1981)〕等に記
載されている保護基によって保護することが可能であ
る。
【0043】セリン残基等の水酸基を含むアミノ酸残基
中の水酸基の保護基としては、例えばt-ブチル基、ベン
ジル基、トリメチルシリル基、テトラハイドロピラニル
基等を挙げることができる。カルボキシル基の保護基と
しては、例えば、各種のメチルエステル、エチルエステ
ル、ベンジンエステル、p−ニトロベンジンエステル、
t−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル等の通常
公知の保護基を挙げることができる。
【0044】アミノ基の保護基としては、例えば、ベン
ジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、
イソボルニルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメ
トキシカルボニル基等を挙げることができる。アルギニ
ン残基中のグアニジノ基の保護基としては、例えば、ニ
トロ基、トシル基、メシチレンスルフォニル基、4−メ
トキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルフォニル
基、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−
スルフォニル基等を挙げることができる。
【0045】カルボキシル基の活性化されたものとして
は、例えば、当該カルボキシル基に対応する酸無水物;
アジド;ペンタフルオロフェノール、2,4−ジニトロ
フェノール、シアノメチルアルコール、p−ニトロフェ
ノール、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキ
シ−5−ノルボルネン−2,3ジカルボキシミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール等との活性エステル等を挙げられる。
【0046】アミノ基の活性化されたものとしては、当
該アミノ基に対応する燐酸アミド等を挙げることができ
る。ペプチド合成の際の縮合反応は、通常溶媒中で行な
われる。当該溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジ
クロロメタン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、水、メタ
ノール等、又は、これらの混合物を挙げることができ
る。また、当該縮合反応の反応温度は、通常の場合と同
様に、−30℃〜50℃の範囲で行なうことができる。
【0047】さらに、本発明のペプチド製造工程におけ
る保護基の脱離反応の種類は、ペプチド結合に影響を与
えずに保護基を離脱させることができる限りにおいて、
用いる保護基の種類に応じて選択することができる。例
えば、塩化水素、臭化水素、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸、又はこれらの混合物等による酸処理、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、ヒドラジン、ジエチルアミ
ン、ピペリジン等によるアルカリ処理;、液体アンモニ
ア中におけるナトリウム処理やパラジウム炭素による還
元;及び、トリメチルシリルトリフラート、トリメチル
シリルブロマイド等のシリル化処理等が挙げられる。な
お、上記の酸又はシリル化剤処理による脱保護基反応に
おいては、アニソール、フェノール、クレゾール、チオ
アニソール、エタンジチオールの如きカチオン補足剤を
添加するのが脱保護基反応が効率的に実行されるという
点において好ましい。
【0048】なお、固相法で合成した本発明ペプチドの
固相からの切断方法も通常公知の方法に従う。例えば、
上記の酸又はシリル化剤による処理等を当該切断方法と
して挙げることができる。このようにして製造された本
発明ペプチドに対しては、上記の一連の反応の終了後に
通常公知の分離、精製手段を駆使することができる。例
えば、抽出、分配、再沈殿、再結晶、カラムクロマトグ
ラフィー等によって、より純粋なかたちで本発明ペプチ
ドを収得することができる。
【0049】また、本発明ペプチドは、製造工程におけ
る反応条件によって塩の形で得ることができる。ここで
当該塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機
酸塩類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コ
ハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、トリフルオロ酢
酸等の有機酸類;ナトリウム、カリウム、等のアルカリ
金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩類;アン
モニウム、エタノールアミン、トリエチルアミン、ジシ
クロヘシルアミン等の有機アミン類等を挙げることがで
きる。
【0050】上記で得た本発明ペプチド等を血小板凝集
抑制剤として用いる場合には、その有効成分として、本
発明ペプチド等を固体若しくは液体の医薬用担体又は希
釈剤と共に、すなわち賦形剤や安定剤等と共に含む製剤
とするのが好ましい。該医薬製剤において、前記有効成
分の担体成分に対する割合は、1〜90重量%の間で変動
させることができる。当該製剤の剤形及び投与形態とし
ては、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、丸剤
若しくは液剤等の剤形にして用いることができる。また
さらに、原末のまま経口投与することも可能であり、さ
らに、注射剤として、静脈内投与、筋肉内投与、又は皮
下投与することもできる。なお、注射剤として用いる場
合には、本発明ペプチド等を注射用の粉末として、用時
調製することもできる。
【0051】経口、経腸もしくは非経口投与に適した有
機又は無機の、さらに固体又は液体の医薬用に用いられ
る担体か希釈剤を、本発明血小板凝集抑制剤を調製する
ために用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、デン
プン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動植物油
脂、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリコ
ール、石油樹脂、やし油、ラノリンその他医薬に用いら
れる他の担体は全て、本発明の血小板凝集抑制剤の担体
若しくは希釈剤として用いることができる。また、安定
剤や湿潤剤や乳化剤を加えたり、浸透圧調製剤又はpH
調整剤として塩を補助薬として、適宜用いることができ
る。
【0052】さらに、本発明血小板凝集抑制剤は、種々
の疾患の治療において、前記有効成分の他に、必要に応
じて他の医薬として有効な成分、例えば他の種類の血小
板凝集抑制成分を含有させることもできる。顆粒剤、細
粒剤、散剤、錠剤、またはカプセル剤の形態をとる場合
には、前記有効成分を5〜80重量%含有させるのが好ま
しい。液剤の場合には、前記有効成分を1〜30重量%の
割合で含有させるのが好ましい。さらに、非経口投与剤
のうち、注射剤として用いる場合には、前記有効成分を
1〜10重量%の割合で含有させるのが好ましい。
【0053】臨床投与量は、経口投与の場合、成人に対
し上記有効成分として、1日当たり500 〜1000mgを内服
するのが好ましい。しかしながら、患者の年令、症状等
によって適宜投与量を増減させることもできる。前記の
本発明の血小板凝集抑制剤は、1日1回投与も可能であ
るが、適当な間隔を2〜3回に分けて投与することもで
きる。さらに、注射剤として用いる場合には、上記有効
成分として、成人に対し1回当たり量1〜数100mg 投与
するのが好ましい。
【0054】また、本発明ペプチド等には体内での高分
解性を特徴とするものも含まれており、それらの化合物
について、数時間から数日間連続して血中濃度を高く保
つ必要がある場合には、点滴等の手段により持続的に注
入すればよい。かかる場合、注入量は1時間当たり50〜
500mg/Kg程度が目安となるが、他の薬剤との併用時には
さらに使用量を減らすことも可能である。
【0055】なお、体外循環用に本発明ペプチド等を用
いる場合には、上記の注射剤あるいは点滴剤の形態で用
いることができる。投与場所及び投与量は、体外循環シ
ステムの違い、及びシステムの持続時間等により異なる
が、例えば体外循環システムへの入口の部分から1時間
当たり1〜100mg/Kgを持続的に注入することができる。
投与量は、単独投与においても、また他の薬剤との併用
においても、分解酵素が多量に存在する体内に比べ、体
外循環システム中では少量で有効である。
【0056】体外循環用血液凝固抑制剤として従来から
用いられているヘパリンと本発明ペプチド等とを併用す
ることにより、血液凝固に関係する血小板凝集・凝固系
という二つの重要な経路を抑制し、より完全に血液凝固
を抑制することができると考えられる。また、両者の相
乗的効果も期待できるので、前述したような副作用が問
題になっているヘパリンの使用量を減らすことができ
る。さらに、クエン酸や蛋白質分解酵素阻害剤(例えば
フサン)、あるいはt-PAのような血栓溶解剤等と本発明
ペプチド等との併用も有効であると考えられる。
【0057】
【実施例】以下、実施例等により本発明をより具体的に
説明する。しかしながら本実施例によって本発明の技術
的範囲が限定解釈されるものではない。 [化合物の合成] 〔実施例1〕
【0058】
【化11】Trp-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(1) の合成:p-alkoxybenzyl alcolhol 型(式(2)) (Trpの導
入量:0.87meq/g;BACHEM社製)樹脂
【0059】
【化12】 HOCH2-Ph(1,4)-OCH2-Ph(1,4)-Polymer 式(2) の0.275g(0.25mmol)を反応容器に移し、DMAP存在下Fmoc
-Trpを活性エステルで導入後、表1に示す振盪、瀘過ス
テップを繰り返し、
【0060】
【化13】 Trp-Arg(Mtr)-Gly-Asp(OBut)-Trp-樹脂 式(3) を得た。
【0061】
【表1】 得られた保護ペプチド樹脂を0℃のトリフルオロ酢酸中
で、m-クレゾール、エタンジチオール存在下、1M トリ
メチルシリルブロマイドと1M チオアニソールで1時間
処理を行った。窒素気流中でトリメチルシリルブロマイ
ドを留去後、樹脂を濾去し、濾液にジエチルエーテルを
氷冷下において加え、樹脂から切断されたペプチドを粉
末として得た。そして、当該粉末をジエチルエーテルで
洗浄した。当該洗浄物をセファデックスG−10(ファ
ルマシア社製)を支持体としたゲル濾過クロマトグラフ
ィーにより脱塩し、これを凍結乾燥して粗ペプチドを得
た。この粗ペプチドを高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)[カラム:ODS 5C 18 (μbondasphere,φ20×15
0mm)、移動相:(A)0.1%TFA, (B)100%CH3CN/0.1%TFA、gr
adient:(A):(B)=80:20 から (A):(B)=70:30、20分間、
流速 17ml/min]にて精製し、更にセファデックスG−
25を支持体とするゲル瀘過により酢酸塩として、凍結
乾燥することにより表題のペプチド
【0062】
【化14】Trp-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(1) を100mg 得た。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) 本検出法ではトリプトファンは酸加水分解中に分解され
るために検出できない。また、定量のために外部標準と
して用いたアミノ酸は標準アミノ酸であるために、標準
アミノ酸に含まれていないアミノ酸に関しても検出でき
ない。
【0063】Asp 0.90 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.11(1) Trp − (2) Arg 1.03(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで、保持時間29.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値806.3、実測値806
【0064】〔実施例2〕
【0065】
【化15】Trp-Val-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(4) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg を合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.95 (1) Val 1.07(1) Gly 1.24(1) Trp − (2) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラムを用い、流速
1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセトニトリル10〜40%(40
分) のgradient溶出での分析HPLCで保持時間24.0分
の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値818.4、実測値814 〔実施例3〕
【0066】
【化16】 CH3CO-Trp-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-NH2 式(5) の合成:C末アミド化(式(6))樹脂
【0067】
【化17】 CH3O-Ph(1,4)-CH(NH-Fmoc)-Ph(1,4)-O(CH2)3CONH-CH(CH3)-CONH-CH2-Ph-polyme r 式(6) 樹脂(Trp の導入量:0.6meq/g;BACHEM 社製) 0.45g(0.2
5mmol) を反応容器に移し、前記表1に示す振盪、瀘過
を経るステップを繰り返し、
【0068】
【化18】 NH2 -Trp-Ser(tBu)-Arg(Mtr)-Gly-Asp(OBut)-Trp-C末アミド化樹脂 式(7) を得た。この樹脂1当量に対して、3当量の無水酢酸を
N-ハイドロキシベンゾトリアゾール (HOBT, 3当量) 存
在下に、ジメチルホルムアミド(DMF) 中で縮合させ、
【0069】
【化19】CH3CO-Trp-Ser(tBu)-Arg(Mtr)-Gly-Asp(OB
ut)-Trp-C末アミド化樹脂 式(8) を得た。得られた保
護ペプチド樹脂を実施例1と同様の方法によって、表題
のペプチドを20mg得た。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.95 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.14(1) Trp − (2) Arg 0.96(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR( φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(40分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間25.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値847.4、実測値847 〔実施例4〕
【0070】
【化20】 5-Methoxyindole-3-acetyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(9) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.89 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.12(1) Trp − (1) Arg 0.99(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラムを用い、流速
1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセトニトリル10〜40%(40
分) のgradient溶出での分析HPLCで保持時間28.0分
の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値807.3、実測値807 〔実施例5〕
【0071】
【化21】 2-Methylindole-3-acetyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(10) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.88 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.12(1) Trp − (1) Arg 0.99(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(40分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間28.5分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値791.4、実測値791 〔実施例6〕
【0072】
【化22】 Indole-3-butanoyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(11) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.87 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.13(1) Trp − (1) Arg 1.01(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(40分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間33.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値805.4、実測値805 〔実施例7〕
【0073】
【化23】 Indole-3-acetyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(12) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.93 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.08(1) Trp − (1) Arg 1.12(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(40分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間27.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値777.3、実測値777 〔実施例8〕
【0074】
【化24】 Phe-Ser-Arg-Gly-Asp-Phe-OH 式(13) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 1.00 (1) Ser 1.01(1) Gly 1.00(1) Phe 1.83(2) Arg 1.04(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間21.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値728.3、実測値728 〔実施例9〕
【0075】
【化25】 Orotyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(14) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題のペプチ
ドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.86 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.26(1) Trp − (1) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値758.3、実測値758 〔実施例10〕
【0076】
【化26】 Hydroorotyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(15) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 1.35 (1) Ser 0.87(1) Gly 1.00(1) Trp − (1) Arg 0.97(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値760.3、実測値760 〔実施例11〕
【0077】
【化27】 Pyroglutamyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(16) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.86 (1) Ser 1.00(1) Glu 1.12(1) Gly 1.22(1) Trp − (1) Arg 1.13(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間14.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値731.3、実測値731 〔実施例12〕
【0078】
【化28】 Trp-Ala-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(17) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.92 (1) Ala 1.00(1) Gly 1.00(1) Trp − (2) Arg 1.13(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間30.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値790.3、実測値790 〔実施例13〕
【0079】
【化29】 Trp-βAla-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(18) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.90 (1) βAla − (1) Gly 1.00(1) Trp − (2) Arg 1.07(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間30.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値790.3、実測値790 〔実施例14〕
【0080】
【化30】 Trp-Gly-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(19) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.90 (1) Gly 2.06(2) Trp − (2) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間30.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値776.3、実測値776 〔実施例15〕
【0081】
【化31】 2-Oxo-4-thiazolidine carboxyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(20) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを100mg 合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.90 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.06(1) Trp − (1) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製)を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間24.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値749.3、実測値749 〔実施例16〕
【0082】
【化32】 Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(21) の合成:p-alkoxybenzyl alcohol型(式(2)) (Trpの導入
量:0.87meq/g;BACHEM社製) 樹脂0.275g(0.25mmol)を反
応容器に移し、DAMPの存在下でFmoc-Trpを活性エステル
でこれに導入した後、表1に示す振盪、瀘過ステップを
繰り返し、保護ペプチド樹脂
【0083】
【化33】 Pro-Ser(But)-Arg(Pmc)-Gly-Asp(OBut )-Trp-O-Resin 式(22) を得た。次に、得られた保護ペプチド樹脂を0℃のトリ
フルオロ酢酸中でm−クレゾール、エタンジチオール及
びチオアニソール存在下に1時間処理を行った。エバポ
レーターでトリフルオロ酢酸を留去後に、樹脂を瀘去
し、瀘液にジエチルエーテルを氷冷下で加え、樹脂から
切断されたペプチドを粉末として得た。そして、当該粉
末をジエチルエーテルで洗浄した。当該洗浄物をセファ
デックスG−10 (ファルマシア社製) を支持体とした
ゲルクロマトグラフィーにより脱塩し、これを凍結乾燥
して粗ペプチドを得た。得られた粗ペプチドを高速液体
クロマトグラフィー (HPLC) [カラム:ODS 5C18
(μbondasphere, 20×150mm)、移動相:(A)0.1%TFA,
(B)100%CH3CN/0.1%TFA、gradientは、(A):(B)=90:10か
ら(A):(B)=70:30 、流速17ml/min]で精製し、更にセフ
ァデックスG−25 (ファルマシア社製) を支持体とし
たゲル瀘過クロマトグラフィーにより酢酸塩とし、これ
を凍結乾燥することによりPro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH
で示される本発明ペプチドを40mg得た。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.85 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.23(1) Trp − (1) Arg 1.13(1) Pro 1.31(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラムを用い、流速
1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセトニトリル10〜40%(60
分) のgradient溶出での分析HPLCで、保持時間18.0
分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値717.3、実測値717 〔実施例17〕
【0084】
【化34】 (L-2-Azetidinecarboxyl)-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(23) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.93 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.19(1) Trp − (1) Arg 1.15(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム( ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間18.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値703.3、実測値703 〔実施例18〕
【0085】
【化35】 (L-Pipecolinyl)-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(24) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.91 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.15(1) Trp − (1) Arg 1.11(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム( ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値731.3、実測値731 〔実施例19〕
【0086】
【化36】 5-Hydantoinacetyl-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(25) の合成:実施例1と同様の方法によって、表題に示すペ
プチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 1.19 (1) Ser 1.00 (1) Gly 1.26(1) Trp − (1) Arg 1.13(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間16.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値760.3、実測値760 〔実施例20〕
【0087】
【化37】 (N-CH3)Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(26) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.84 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.16(1) Trp − (1) Arg 1.11(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム( ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間21.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値731.3、実測値731 〔実施例21〕
【0088】
【化38】 ThioPro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(27) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.84 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.16(1) Trp − (1) Arg 1.11(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ4.6 ×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値735.3、実測値735 〔実施例22〕
【0089】
【化39】 (N-Acetyl)Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(28) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.90 (1) Ser 1.00(1) Gly 1.17(1) Trp −(1) Arg 1.10(1) Pro 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間22.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値759.3、実測値759 〔実施例23〕
【0090】
【化40】Pro-Gly-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(29) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.84 (1) Gly 1.96(2) Trp −(1) Arg 1.06(1) Pro 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値687.3、実測値687 〔実施例24〕
【0091】
【化41】 (4-hydroxy)Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(30) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.88 (1) Ser 0.93 (1) Gly 1.04(1) Trp −(1) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間17.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値733.3、実測値733 〔実施例25〕
【0092】
【化42】 (3,4-Dehydro)Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(31) の合成 実施例16と同様の方法によって、表題に示すペプチド
を40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.94 (1) Ser 0.94 (1) Gly 1.06(1) Trp −(1) Arg 1.00(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間20.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値715.3、実測値715 〔実施例26〕
【0093】
【化43】 Pro-Ser-Arg-Gly-Asp-Phe-OH 式(32) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 1.04 (1) Ser 0.90 (1) Gly 1.04(1) Phe 1.03(1) Arg 1.00(1) Pro 1.08(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間17.0分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値678.3、実測値678 〔実施例27〕
【0094】
【化44】 Sar-Ser-Arg-Gly-Asp-Trp-OH 式(33) の合成:実施例16と同様の方法によって、表題に示す
ペプチドを40mg合成した。アミノ酸分析 (6N HCl+phenol, 24hr, 110℃) Asp 0.87 (1) Ser 1.00 (1) Gly 1.14(1) Trp − (1) Arg 1.04(1)HPLC分析 Cosmosil 5C18-AR(φ 4.6×200mm)カラム(ナカライテ
スク社製) を用い、流速 1.0ml/minで、 0.1%TFA中アセ
トニトリル10〜40%(60分) のgradient溶出での分析HP
LCで保持時間17.5分の単一ピークを示した。FAB−MS : M+H 計算値691.3、実測値691 〔試験例1〕本発明の化合物の血小板凝集抑制能合成ペプチドの活性測定 PRPを用いたin vitroヒト血小板凝集 少なくとも2週間以上いかなる薬も服用していない健康
な男性を被験者とした。採血は、19号の注射針と1/10容
量の3.8%のクエン酸ナトリウム溶液を予め入れておいた
プラスチックシリンジを用い、空腹時に下はく部の静脈
から採血を行った。採血後速やかに、シリンジを軽く攪
拌して両液を混合した。この血液を室温で15分間遠心分
離し(1100rpm, 250g) 、ブレーキをかけずに回転を止め
た後、上清を駒込ピペットで取り、多血小板血漿 (PR
P) とし室温で保存した。遠心後の残りの血液をさらに
室温で15分間遠心分離し(3500rpm, 1500g)、ブレーキを
かけずに停止させた後の上清を取り、寡血小板血漿 (P
PP) とした。PRP調整後血小板数を計測し、血小板
数が2×108/ml以上のものについてのみ以下に述べる
実験を行った。
【0095】血小板の凝集は、8チャンネルの血小板凝
集測定機(Hematracer, Nikoh Bioscience, Tokyo, Japa
n)を用いてPRPの光の透過度の変化から測定した。ま
ず、200μl のPPP, PRPをガラスキュベットに入
れ、37℃でインキュベート後、透過度を測定しPPPの
透過度を 100%、PRPの透過度を0%とした。次に、
生理食塩水またはサンプルを含む生理食塩水をPRPに
10μl加え37℃で1分間インキュベートした後、さらに
100μg/mlのコラーゲン溶液を10μl 加え (終濃度5μ
g/ml) 凝集を誘発し、以後7分間透過度を測定した。実
験は、最初にコラーゲンとADPを用いて凝集が起こる
ことを確認し、コラーゲンの最大凝集率が70%以上のも
のについてのみ、実験に用いた。
【0096】サンプルは2.2 ×10-2 Mになるように生理
食塩水に溶解し、これを基に2倍の希釈系列を調整し実
験に用いた。生理食塩水に不溶のサンプルについては10
%のDMSO (Dimethyl sulfoxide) を含む生理食塩水
に溶解した。結果は次のように計算する。
【0097】
【数1】
【0098】サンプルの濃度に対し凝集抑制率をプロッ
トした図を作図し、この図から凝集を50%抑制する濃度
(IC50) を計算した。表2に各サンプルのIC50を示す。
【0099】
【表2】
【0100】この表2により、フィブリノーゲン分子中
に存在するアミノ酸配列であるRGDSに比べ (表2、
比較例1) 、RGD配列の両端にTrpなどの疎水性の基
を持つ分子を導入することにより血小板凝集阻害活性が
大きく上昇することが判明した。 比較例として表2に
挙げたフィブリノーゲン分子中のアミノ酸配列であるR
GDS−OH( ペプチド研究所 (箕面市) より購入) に
比べて、本発明ペプチドの血小板凝集抑制能力が著しく
向上していることが判明した。 〔試験例2〕合成ペプチドの血漿中および生体内での安
定性 (1) 全血・血漿中での安定性評価 〔方 法〕少なくとも2週間以上いかなる薬も服用して
いない健康な男性を被験者とし、採血を行なった。予め
1/10容量の3.8 %クエン酸ナトリウム溶液を入れておい
たプラスチックシリンジを用い、空腹時に下はく部の静
脈から血液を採取した。採血後速やかにシリンジを攪拌
して両液を混合した。全血中での安定性は、この血液を
そのまま用いて実験を行なった。一方、血漿中での安定
性は、この血液を10分間遠心分離し (800g) 、ブレーキ
をかけずに回転を止めた後の上清を血漿画分とし、実験
を行なった。
【0101】試験管に全血又は血漿を 225μl 入れ、37
℃に加温した。合成ペプチドは、生理食塩水 (pH7.4)
に溶解し1mMの溶液とした。この合成ペプチドの溶液を
全血又は血漿に25μl 添加し (最終濃度100μM)、一定
時間インキュベートした。インキュベート後、当該溶液
を氷冷して分解反応を停止した。血漿はこのまま−20℃
で凍結保存した。一方、全血は 2000gで4℃で5分間遠
心分離し、上清のみを凍結保存した。
【0102】サンプルは、逆相のHPLCで分析を行な
った。各合成ペプチドのピーク面積を計算し、ピーク面
積の変化を指標に血液又は血漿中での安定性を評価し
た。 結 果 図1〜図3は、一般式
【0103】
【化45】 A−Ser−Arg−Gly−Asp−Trp−OH で表されるペプチド及びその類似化合物(式中、Aはア
ミノ酸又はアミノ酸誘導体、ビタミン・ビタミン様作用
物質又はそれらの誘導体、核酸の塩基又はその誘導体)
の血漿中での安定性を比較した図である。また、表3は
それらの半減期をまとめたものである。
【表3】 Aが天然のアミノ酸であり、かつ一級のアミノ基をもつ
トリプトファンの場合は非常に早い分解を受け、その半
減期は11.5分であった。これに対してAが天然のアミノ
酸であるが、二級のアミノ基(イミノ基)を持つプロリ
ンの場合には、血漿中ではプロリンに比べて安定にな
り、半減期は74.5分であった。一方、同じ二級のアミノ
基(イミノ基)を持つプロリン誘導体でも、ヘテロ環の
炭素数あるいは側鎖の存在により、血漿中の安定性は大
きく異なった。ヘテロ5員環構造を有するプロリンに対
し、ヘテロ4員環構造を有するアゼチジンカルボン酸を
導入した化合物は、半減期が49分でありプロリンよりも
血漿中の分解性が高かった。これに対し、ヘテロ6員環
構造を有するピペコリン酸を導入した化合物の血漿中で
の半減期は120 分以上であり、非常に安定であった。
【0104】これに対し、Aにオロチン酸やピログルタ
ミン酸など、ヘテロ環構造にカルボニル基を持つアミノ
酸、核酸、ビタミン誘導体を導入した化合物は共に血漿
中で極めて安定であり、半減期は240 分以上であった。
全血中での安定性も血漿中での安定性とほぼ同様に傾向
を示し、半減期にも違いは見られなかった。
【0105】このように、合成ペプチドの両端に導入す
る化合物を様々なものに変えることにより、血漿中での
安定性の異なる様々な化合物を得ることができる。そし
て、このような血液中での安定性が異なる化合物は、例
えば体外循環用血液凝固抑制剤への応用等を考えたとき
に、人工透析や人工心肺等の体外循環システムの違い・
手術時の出血量の違い、等様々な状況の違いに応じた使
い分けを可能にし、適用目的によって最適の化合物を適
用できるという点で大きな意味があると考えられる。
【0106】(2) 生体内での安定性評価 〔方 法〕安定性の評価には、MCH (ICR) 系のマ
ウス (オス、体重28〜32g)を用いた。各合成ペプチドを
滅菌した生理食塩水に10mM〜20mMの濃度で溶解した物を
サンプル溶液とし、尾静脈からマウス1匹当たり0.15ml
ずつ静脈内投与を行なった(1〜2mg/mouse) 。一定時
間後に、腹部静脈からヘパリン処理した注射器で採血を
行なった。採血後、血液はすぐに4℃で遠心分離し (15
00g,3分) 、上清を−20℃で凍結保存した。各上清は、
前述の血漿中での安定性評価の場合と同様に、逆相のH
PLCで分析を行なった。
【0107】図3及び表4は、一般式
【0108】
【化46】 A−Ser−Arg−Gly−Asp−Trp−OH で表されるペプチド及びその類似化合物(式中、Aはア
ミノ酸又はアミノ酸誘導体、ビタミン・ビタミン様作用
物質又はそれらの誘導体、核酸の塩基又はその誘導体)
の生体内での安定性について調べた結果を示している。
【表4】 Aにトリプトファン、プロリン等天然のL−アミノ酸を
導入した化合物は、生体内での高分解性という特徴を有
し、静脈内投与後、採血までの時間でほぼ完全に分解さ
れた(生体内半減期2分以下)。これに対し、プロリン
類似物質であるアゼチジンカルボン酸を導入した化合物
は半減期3.3 分、ビタミン様作用物質であるオロチン酸
を導入した化合物は半減期6.9 分であり、天然のL−ア
ミノ酸を導入した化合物に比べ、ある程度の高分解性を
有していた。
【0109】このように、前述の一般式で表されるペプ
チド性化合物は、全体的に生体内の高分解性という特徴
を有している。これは、体外循環用血液凝固抑制剤への
本発明ペプチド等の応用を考慮したときに、極めて意義
深い点である。すなわち、これらの化合物は、体外で循
環中には数分から数時間半減期を保ち血小板凝集を抑制
するに対し、血液が体内に戻ると数分以内に分解され
る。つまり、体外循環システム中では抗血栓作用がある
にもかかわらず、体内での止血時間延長作用がないとい
う非常に優れた特徴を有する化合物である。。 〔試験例3〕本発明ペプチド等に体外循環用血液凝固抑
制剤としての有用性 (1) 本発明ペプチド等と現在抗凝固剤として用いられて
いるヘパリンが体内でどの位の期間、分解あるいは排出
されずに残り、その作用が持続するかを調べるために、
ビーグル犬を用いた静脈内投与の実験を行った。
【0110】本発明ペプチド等は、血小板凝集を抑制す
る作用を有しているので、化合物を体内に静脈から投与
した後、経時的に血液を採取し、各時点での血液の血小
板凝集抑制活性を測定することで、当該ペプチド等が分
解されずに体内どの位残存しているかを知ることができ
る。すなわち、当該ペプチド等の体内における安定性を
推定することができる。
【0111】実験には、体重約10Kgの雄のビーグル犬を
用いた。実施例9で得た本発明ペプチド等を生理食塩水
に溶解し、とう側皮静脈より21G の注射針を装着した注
射筒を用いて投与した。投与前及び投与後、5,15,30,6
0,120,180,360分に無麻酔下でビーグル犬のとう側皮静
脈から20G の注射針に延長チューブを装着したものを用
いて自然流血により、3.8 %クエン酸ナトリウム1容、
全血9容の割合で採血を行った。採取した血液は、1000
rpm で10分間の遠心分離を行い、多血小板血漿(PRP) を
分取し、さらに3000rpm で15分間の遠心分離で乏血小板
血漿(PPP) を分取した。
【0112】血小板凝集能の測定は、上記のPRP を用
い、コラーゲン及びADPによる血小板凝集をaggregom
eterで測定した。ADP及びコラーゲンの添加濃度は、
ADPで最終濃度7.5 〜10.0μM 、コラーゲンで最終濃
度7.5 〜10.0μg/mlとした。図4のAは、実施例9の本
発明ペプチド等をビーグル犬の体重1Kg当たり5mg投与
した時の、血小板凝集活性の回復の時間経過を示す。凝
集素は、10μg/mlのコラーゲンである。投与直後の5分
後には血小板凝集は完全に抑制されるが、時間経過と共
に血小板凝集活性の回復が見られ、45〜60分後には完全
に投与前のレベルにまで回復した。コラーゲンの濃度を
変えた場合、あるいは凝集素としてADPを用いた場合
にも全く同様の結果が得られた。このことは、当該ペプ
チド等が、長くても60分以内に体内で分解あるいは腎臓
から体外に排出され、血液中の濃度が低下したことを示
している。 (2) 現在抗凝固剤として用いられているヘパリンを、本
発明ペプチド等に対する比較例として用いた。
【0113】しかしヘパリンは、血小板に対しては作用
を持たない物質であり、上記(1) のような方法では、体
内での安定性を測定することができない。そこで、ヘパ
リンの主作用である抗凝固作用の変化を経時的に測定す
ることで、体内における安定性を推定した。実験は、生
理食塩液に溶解したヘパリンを、上記(1) と同様の方法
で静脈内に投与し、経時的に血液を採取し、PPP を調製
した。
【0114】抗凝固作用の測定は常法に従い、上記のPP
P を用いて、試験管内での血液凝固活性の指標であるプ
ロトロンビン時間と活性化部分トロンボプラスチン時間
を測定することで行った。それぞれの測定は、37℃で3
分間のプレインキュベーション条件下で行った(AMELUN
G KC-10A, バクスター株式会社製) 。プロトロンビン時
間及び活性化部分トロンボプラスチン時間の延長(すな
わち、凝固までの時間の延長)が投与後どれ位継続する
かで、ヘパリンが体内からどれ位の速度で消失するかを
知ることができる。
【0115】図4のBは、ビーグル犬に体重1Kg当たり
200Uのヘパリンを静脈内投与した時の、プロトロンビン
時間の延長傾向の経時的変化を示した図である。ヘパリ
ン投与直後には、プロトロンビン時間は投与前に比べ1.
5 〜2.0 倍にまで延長したが、時間を経るに従い、プロ
トロンビン時間は投与前のレベルに徐々に戻った。しか
し、完全に投与前のレベルに回復するまでには、2〜3
時間を要した。活性化部分トロンボプラスチン時間につ
いても同様の結果が得られた。このことは、ヘパリンは
体内での分解あるいは体内からの排出が遅く、数時間は
その作用が残存することを示している。
【0116】このようにして、従来から体外循環時の抗
凝固剤として用いられているヘパリンに比べ、実施例9
において調製した本発明ペプチド等は非常に早くその作
用を消失した。このことは、人工透析等の体外循環シス
テム使用終了後も出血傾向が数時間続くという問題点を
有する現在の抗凝固剤であるヘパリンの欠点を補うもの
であり、かかるヘパリンに代わる新しい血液凝固抑制剤
として当該ペプチド等が十分に期待できるものであるこ
とを示している。
【0117】(3)ビーグル犬を用いた体外循環モデルで
の実験 本発明ペプチド等が、体外循環システム中での血液凝固
を抑制する作用があることを確認するため、体外循環モ
デルの一つであるビーグル犬の人工透析モデルを用いた
実験を行った(Hamano,et al.,Thromb.Res.55(1989)438-
449 を参照のこと) 。
【0118】実験には、体重約10〜12Kgのビーグル犬を
用いた。ペントバルビタール( 約30mg/Kg)で麻酔したビ
ーグル犬の右後肢を切開し、大腿動脈と大腿静脈を露出
させた。動脈及び静脈それぞれにカニューレを挿入し、
図5に示すような回路構造の実験用人工透析器(Kurara
y,Osaka,Japan)に連結した。透析膜としては、中空糸膜
型(RENAK-A,RA-04,0.4m2,Kawasumi Laboratories,Toky
o)を使用した。大腿動脈と透析器の間には血液用のポン
プを入れ、体外循環システムの中の血流量が常に25ml/m
inになるようにして実験を行った。
【0119】実験時の測定パラメーターは、透析膜上
流部での圧力(灌流圧),血小板粘着率,全血凝固
時間,の3項目である。の圧力の測定は、図5に示す
ように、透析回路中、透析膜上流部に組み込んだ圧力計
を用いて行った。透析膜部位は異物との接触が多く、ま
た狭い空間を血流が通るため、透析回路中で一番血液凝
固が起こりやすい部分であり、ここで血液凝固が起こる
と、透析膜が目詰まりを起こして上流部の血圧が上昇す
る。すなわちこの部分の灌流圧の変化は、透析回路での
血液凝固の程度の指標となる。一方,については、
透析部分への入口、出口の部分で一定時間おきに少量の
血液をサンプリングし、常法に従い測定した。それぞれ
に血小板の機能()、血液凝固の機能(活性化の程
度、)が、実験の進行と共に、どのように変化するか
を知るためのパラメーターである。
【0120】実験は回路装着後すぐに、動脈側(透析回
路入り口側)から、生理食塩水に溶解した本発明ペプチ
ド等の連続注入を開始した。注入量は10mg/ 個体又は30
mg/個体であり、全量を1時間かけて徐々に注入した
(注入量1ml/min) 。対照実験においては、生理食塩水
のみを同様の方法で連続注入した。60分後に薬物の注入
を中止し、以後180 分まで、血液を循環させ上記のパラ
メーターについてさらに測定を継続した。ただし、圧力
が500mmHg を越えたものについては、その段階で実験を
終了した。
【0121】図6に、実施例9の化合物の灌流圧上圧に
対する抑制効果について調べた実験の結果を示す。横軸
は薬物投与開始後の時間を、縦軸は灌流圧を示してい
る。灌流圧は、回路装着直後には0mmHgであり、血液凝
固が起こるとこの値が大きくなる。生理食塩水のみ注入
した対照群では、10分以降急激な灌流圧の上昇が認めら
れ、25分で500mmHg を越え、測定不能となった。このよ
うに、薬剤を何も投与しないと、急速に透析回路中で、
特に透析膜部位で血液の凝固が起こる。これに対し、実
施例9の本発明ペプチド等を添加した場合には、明らか
な血液凝固の抑制作用が見られた。投与量が10mg/ 個体
のときには、灌流圧の上昇の仕方が明らかに遅くなり、
その効果は、注入終了後も持続した。さらに、薬剤投与
量を30mg/個体に増加した場合には、薬物注入中はほと
んど、灌流圧の上昇が見られなかった。
【0122】血小板凝集能、全血凝固時間についても灌
流圧の上昇パターンとほぼ平行した変化を示した(図示
せず)。すなわち、対照群では、時間と共に血小板凝集
能の上昇、全血凝固時間の短縮が起こった。これは血小
板が活性化され、さらに血液凝固系も活性化されている
ことを示しており、血液凝固が非常に起こりやすい状態
であった。
【0123】一方、実施例9の本発明ペプチド等を投与
した例では、連続注入中、血液の粘着能がほぼO%まで
下がり、完全に血小板活性が抑制された状態であること
が判明した。また、この期間全血凝集時間も有意に延長
した。このように本発明ペプチド等は、体外循環システ
ム中での血液凝固をほぼ完全に抑制した。このことは、
現在使用されているヘパリンの代替物として、本発明ペ
プチドが十分に使用可能であることが示されている。前
述したように、ヘパリンは体外循環システム中での血液
凝固を完全に抑える反面、体内からの排出速度が遅く、
システム脱着後も数時間は、血液凝固を抑制し、出血傾
向を助長してしまうという大きな欠点を有する。かかる
点で本発明ペプチド等は、図4に既に示したごとく、ヘ
パリンとは異なり体内での分解性が極めて良好で、注入
を止めれば比較的速やかに血液凝固は薬物投与前の正常
なレベルに回復するという利点を有する。また、本発明
ペプチド等は極めて低毒性であることから、前記ヘパリ
ンの欠点を補う全く新しい血液凝固抑制剤として極めて
有望である。
【0124】上記に示すように、本発明ペプチド等は生
理食塩水あるいはクエン酸溶液に溶解して1時間当たり
3mg程度を体外循環システムの入口付近から点滴等で連
続注入すれば、十分な血液凝固効果が期待できる。実際
にヒトに適用する際には、さらに投与量を減らすことも
可能であると考えられる。また、クエン酸溶液、ヘパリ
ン、フサン、血栓溶解剤等の作用機序の全く異なる抗凝
固剤と併用すれば、相乗的な効果が期待でき、両者の使
用量を減らすことが可能であり、より安全性を高めるこ
とができる。 〔試験例4〕急性毒性試験 本発明ペプチド等をマウスに100mg/Kgの割合で静脈投与
を行ったが、何らの毒性も観察されなかった。 〔製剤例1〕各実施例で得られた本発明ペプチド等100m
g を生理食塩水100ml に溶解し、得られた溶液を無菌的
に2.5ml 容のアンプルに充填、封入し、注射液製剤とし
た。 〔製剤例2〕各実施例で得られた本発明ペプチド500mg
、結晶セルロース50mg、乳糖450mgからなる混合物に、
エタノールと水の混液1mlを加え練合した。当該混合物
を常法に従って造粒して顆粒剤とした。
【0125】
【発明の効果】本発明により、血小板凝集阻害作用と血
液凝固阻害作用とを有する新規ペプチド、並びに当該ペ
プチドを有効成分として含有する、血栓崩壊治療中と治
療後の血小板血栓症、血栓閉塞症に対して有効な、更に
は再閉塞や心筋梗塞の予防も可能な血小板凝集抑制剤、
及び体外循環時の血栓形成の主原因である血液凝固を抑
制し得る血液凝固抑制剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト血漿中での合成ペプチドの安定性(1) を示
した図。
【図2】ヒト血漿中での合成ペプチドの安定性(2) を示
した図。
【図3】マウス体内での合成ペプチドの安定性を示した
図。
【図4】血小板凝集抑制活性及びプロトロンビン時間の
検討図。
【図5】ビーグル犬を用いた人工透析モデル透析回路の
模式図。
【図6】ビーグル犬を用いた人工透析モデルにおける血
液凝固効果を示した図。
フロントページの続き (72)発明者 林 良雄 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内ライフサ イエンス研究センター内 (72)発明者 片田 淳 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内ライフサ イエンス研究センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 A−B−Arg−Gly−Asp−C−D (I) (式中、Aはアミノ酸、アミノ酸誘導体、ビタミン、ビ
    タミン誘導体、ビタミン様作用物質、ビタミン様作用物
    質の誘導体、核酸の塩基、核酸の塩基の誘導体及びヒダ
    ントイン酢酸よりなる群の中から選ばれた化合物;Bは
    アミノ酸;Cは疎水性官能基を有するアミノ酸;Dは水
    酸基又はアミノ基を示す)で表される、ペプチド、ペプ
    チド誘導体又はそれらの塩。
  2. 【請求項2】 Aにおけるアミノ酸若しくはアミノ酸誘
    導体が、プロリン、チオプロリン、ハイドロキシプロリ
    ン、デヒドロプロリン、2−オキソ−4−チアゾリジン
    カルボン酸、N−アルキルグリシン又は次の一般式 【化2】 〔式中、R1 は、水素原子、一般式 【化3】 又は一般式 【化4】 (式中、pは0〜5の整数である)、mは2〜5の整
    数、nは0〜2の整数である〕で表されるイミノ酸誘導
    体、トリプトファン又は次の一般式 【化5】 (式中のR2 は水素原子又はアルキル基、R3 は水素原
    子又はO−アルキル基、R4 は水素原子又はアルキル
    基、R5 は水素原子、アミノ基又はアミノアシル基、q
    は0〜3の整数である)で表されるトリプトファン誘導
    体、ピログルタミン酸又は2−アゼチジノン−4−カル
    ボン酸である、請求項1記載のペプチド、ペプチド誘導
    体又はそれらの塩。
  3. 【請求項3】 ビタミン様作用物質又はビタミン様作用
    物質の誘導体が、オロチン酸又はハイドロオロチン酸で
    ある、請求項1記載のペプチド、ペプチド誘導体又はそ
    れらの塩。
  4. 【請求項4】 Bがセリン、グリシン、バリン、アラニ
    ン、スレオニン又はβ−アラニンである、請求項1乃至
    請求項3記載のペプチド若しくはペプチド誘導体又はそ
    れらの塩。
  5. 【請求項5】 Cがトリプトファン若しくはフェニルア
    ラニンである、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの
    請求項に記載されたペプチド若しくはペプチド誘導体又
    はそれらの塩。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一つの
    請求項に記載されたペプチド、ペプチド誘導体又はそれ
    らの塩を有効成分として含む、血小板凝集抑制剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一つの
    請求項に記載されたペプチド、ペプチド誘導体又はそれ
    らの塩を有効成分として含む、体外循環用血液凝固抑制
    剤。
JP5203962A 1992-07-09 1993-08-18 新規ペプチドとそれを用いた血小板凝集抑制剤及び血液凝固抑制剤 Pending JPH06192291A (ja)

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