[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH06195705A - 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH06195705A
JPH06195705A JP9753993A JP9753993A JPH06195705A JP H06195705 A JPH06195705 A JP H06195705A JP 9753993 A JP9753993 A JP 9753993A JP 9753993 A JP9753993 A JP 9753993A JP H06195705 A JPH06195705 A JP H06195705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
protective film
magnetic recording
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9753993A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Itaya
大 板谷
Hiroyuki Wakasugi
弘幸 若杉
Kazunobu Chiba
一信 千葉
Kenichi Sato
研一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9753993A priority Critical patent/JPH06195705A/ja
Publication of JPH06195705A publication Critical patent/JPH06195705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】保護膜の形成後または形成前後に光線反射率の
測定により膜厚を測定制御することにより、膜厚のばら
つきの少ない品質の安定した磁気記録媒体を製造できる
ようにする。 【構成】非磁性支持体2上に真空中での薄膜形成法によ
り磁性薄膜を形成し、その後保護膜を形成する磁気記録
媒体の製造方法において、前記保護膜の形成後または形
成前後に光線反射率測定計15、16を設置し、光線反
射率の測定により膜厚を測定制御することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層となる磁性薄膜
を真空蒸着やCVD、スパッタ等の真空薄膜形成手段に
より非磁性支持体上に形成した磁気記録媒体の、該磁性
薄膜上に真空蒸着、CVD、スパッタ等の真空薄膜形成
法により保護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法、及
び、この磁気記録媒体の製造過程に於て、保護膜の膜厚
を光線反射率の変化を用いて測定する光線反射率測定計
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、磁気記録媒体としては、非磁性支持体上に酸化物磁
性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩化ビ
ニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレ
タン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダ−中に分
散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥することにより作成さ
れる塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレ−ティン
グ法等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体
は抗磁力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に
優れるばかりでなく、磁性層の厚さをきわめて薄くでき
る為、記録減磁や再生時の厚さ損失が著しく小さいこ
と、磁性層中に非磁性材であるそのバインダ−を混入す
る必要が無いため磁性材料の充填密度を高めることが出
来ることなど、数々の利点を有している。
【0004】更に、この種の磁気記録媒体の電磁変換特
性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよう
にするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
【0005】これら、金属薄膜型の磁気記録媒体は耐久
性、耐錆性に問題があると言われており、従来よりコ−
ティングによる潤滑剤、防錆剤などの有機材料の検討や
微粒子を磁性層形成前に非磁性支持体上に塗布するいわ
ゆる下塗技術の検討がなされてきた。しかし、これらの
技術では、特殊な環境下に於ける使用や業務用のような
苛酷な仕様に充分に満足できる特性を実現できないた
め、新たな手法として真空蒸着、スパッタ、プラズマC
VD等の真空薄膜形成手段による表面保護膜の検討が行
われてきた。
【0006】このような状況の中で我々は、スパッタ法
による保護膜作成技術により耐久性、耐蝕性にすぐれた
磁気記録媒体の開発に成功したが量産時の保護膜の品質
の安定性に欠け問題となっていた。
【0007】この原因を調査した結果、スパッタ時のエ
ロ−ジョン形状の変化に伴う形成時の厚さむらにあるこ
とが判明し、この現象の対策を実施する必要が発生し
た。従来の厚さ測定法は、光線透過率を測定しその値か
ら換算する方法や、X線を利用する方法などがあるが、
前者は多層の場合に下層の厚さのむらにより上層の保護
膜厚の結果が影響され、保護膜の制御の安定性に欠け
る。後者は設備が高価でかつ大規模になり、大面積の保
護膜厚の平均値しか得られない点からインラインで真空
中の巻取り走行系に設置することは不適当である。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、真空薄膜形成手段により非磁
性支持体上に磁性膜、中間膜、保護膜等の積層膜を形成
する磁気記録媒体の製造方法において、前記保護膜形成
後あるいは形成前後の磁気記録媒体の光線反射率から保
護膜の膜厚測定することにより、
【0009】または、前記磁気記録媒体の製造装置にお
いて、保護膜形成後あるいは形成前後の磁気記録媒体の
光線反射率から保護膜の膜厚を測定するための光線反射
率測定計を備えてなることにより、前記保護膜の膜厚の
測定精度の向上を図ることが可能となり、安定した前記
保護膜の膜厚が得られ、電磁変換特性及び信頼性の安定
した「ばらつき」の少ない磁気記録媒体を提供する。
【0010】一方、上述したように、磁気記録媒体の電
磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることが出
来るようにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成
する場合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が
提案され実用化されている。
【0011】これら、金属薄膜型の磁気記録媒体は耐久
性に問題があると言われており、従来から、磁性薄膜形
成時に酸素を導入して磁性薄膜表面に酸化層を形成する
ことにより耐久性を改善する技術の検討がなされてき
た。
【0012】しかし、この磁性薄膜表面の酸化層の厚さ
が適正値以上であるとスペ−シングロスが増加して磁気
記録媒体の電磁変換特性を劣化させることがわかってい
る。そこで、製造時にこの磁性薄膜表面の酸化層の厚さ
を測定管理する必要が発生した。従来は酸化層の厚さの
測定法としては、AES(オ−ジェ電子分光分析)によ
る方法があるが、非破壊検査ではなく、またリアルタイ
ムの測定も不可能である。これよりインラインの走行系
に設置することは不適当である。
【0013】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、真空薄膜形成手段により非磁
性支持体上に磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製造方
法において、前記磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光
線反射率から磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定するこ
とにより、
【0014】または、前記磁気記録媒体の製造装置にお
いて、磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光線反射率か
ら磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定するための光線反
射率測定計を備えてなることにより、前記磁性薄膜表面
の酸化層の厚さの測定精度の向上を図ることが可能とな
り、安定した前記磁性薄膜表面の酸化層の厚さが得ら
れ、電磁変換特性及び信頼性の安定した「ばらつき」の
少ない磁気記録媒体を提供する。
【0015】また、上述したように、我々は、スパッタ
法による保護膜作成技術により耐久性、耐蝕性にすぐれ
た磁気記録媒体の開発に成功したが、量産時の保護膜の
品質の安定性に欠け問題となっていた。
【0016】この原因を調査した結果、スパッタ時のエ
ロ−ジョン形状の変化に伴う形成時の厚さむらにあるこ
とが判明し、この現象の対策を実施する必要が発生し
た。従来の厚さ測定法は、光線透過率を測定しその値か
ら換算する方法や、X線を利用する方法などがあるが、
前者は多層の場合に下層の厚さのむらにより上層の保護
膜厚の結果が影響され、保護膜の制御の安定性に欠け
る。後者は設備が高価でかつ大規模になり、大面積の保
護膜厚の平均値しか得られない点からインラインで真空
中の巻取り走行系に設置することは不適当である。
【0017】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、真空薄膜形成手段により非磁
性支持体上に金属磁性薄膜、中間膜、保護膜等の積層膜
を形成する製造方法において、保護膜の形成後、または
保護膜の形成前後に透明焦点補償板を持った光学ピック
アップを有する光線反射率測定計を設置し、磁気記録媒
体の光線反射率を計測することにより、保護膜厚を測定
する膜厚測定方法及び装置を提供するものである。
【0018】また、本発明は、真空薄膜形成手段により
金属磁性薄膜媒体上に磁性膜、中間膜、保護膜等の積層
膜を形成する製造方法において、保護膜の形成前後に光
線反射率測定装置を設置し、磁気記録媒体の光線反射率
で膜厚を測定する保護膜の膜厚測定装置、さらに測定値
を用いることにより作成された保護膜層の厚さの安定性
に優れた磁気記録媒体を実現する為の製造装置を提供す
るものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に真空中での薄膜形成法により磁性薄膜を形成し、そ
の後保護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法におい
て、前記保護膜の形成後あるいは形成前後の磁気記録媒
体の光線反射率から保護膜の膜厚を測定することを特徴
とする。
【0020】または、非磁性支持体上に真空中での薄膜
形成法により磁性薄膜を形成し、その後保護膜を形成す
る磁気記録媒体の製造装置において、前記保護膜の形成
後あるいは形成前後の磁気記録媒体の光線反射率から保
護膜の膜厚を測定するための光線反射率測定計を備える
ことを特徴とする。
【0021】本発明に係わる保護膜の厚さ測定は、保護
膜形成後に、光線反射率測定計を用い、磁気記録媒体の
光線反射率を測定し、その値により保護膜厚を測定する
ことを特徴とする。また、さらに精度を安定させる手段
としては、保護膜形成前後に、光線反射率測定計を用
い、保護膜形成前の磁気記録媒体の光線反射率と保護膜
形成後の磁気記録媒体の光線反射率の比較から保護膜厚
を測定することを特徴とする。
【0022】本発明が適用される磁気記録媒体の製造方
法としては、前記膜厚測定方法により測定された保護膜
厚値を利用して保護膜形成条件を制御することを特徴と
する。本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持
体上に磁性層として金属磁性薄膜を設けてなる金属薄膜
型の磁気記録媒体に関する方法である。
【0023】該非磁性支持体上には、強磁性金属材料を
直接被着することにより金属磁性薄膜が磁性層として形
成されているがこの金属磁性材料としては通常の蒸着テ
−プに使用されるものであれば如何なるものであっても
よい。例示すれば、Fe、Co、Niなどの強磁性金
属、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe
−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn−
Bi、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−C
r、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co
−Ni−Cr等の強磁性合金があげられる。これらの単
層膜であってもよいし多層膜であってもよい。さらに
は、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、あるいは多層膜の
場合には、各層間の付着力向上、並びに抗磁力の制御等
のため、下地層または、中間層を設けてもよい。また、
例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改善等のために酸化物と
なっていてもよい。
【0024】金属磁性薄膜形成の手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレ−ティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロ−放電を起こし生じたアルゴンイオンでタ−
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。
【0025】また、該非磁性支持体上に形成された強磁
性金属材料上には保護膜層が形成されているがこの材料
としては、通常の金属磁性薄膜用保護膜として一般に使
用されるものであれば如何なるものであってもよい。例
示すれば、カ−ボン、CrO2 、Al2 O3 、BN、C
o酸化物、MgO、SiO2 、Si3 O4 、SiNX、
SiC、SiNX −SiO2 、ZrO2 、TiO2 、T
iC等があげられる。これらの単層膜であってもよいし
多層膜であってもよい。
【0026】もちろん、本発明にかかる磁気記録媒体の
構成はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲での変更、例えば必要に応じてバックコ
−ト層を形成したり、非磁性支持体上に下塗層を形成し
たり、潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差
し支えない。この場合、バックコ−ト層に含まれる非磁
性顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑剤、防錆剤層に含まれ
る材料としては従来公知のものがいずれも使用できる。
【0027】光線反射率測定計としては、光源装置及び
受光装置からなり、被測定物への投光量と反射光量の比
から反射率を測定する装置で、光ファイバ−方式や焦点
光学系方式など従来公知の装置を利用することができ
る。
【0028】また、本発明は、真空薄膜形成手段により
非磁性支持体上に磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製
造方法において、前記磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体
の光線反射率から磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定す
ることを特徴とする。
【0029】または、真空薄膜形成手段により非磁性支
持体上に磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製造装置に
おいて、磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光線反射率
から磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定するための光線
反射率測定計を備えてなるものである。
【0030】本発明に係わる磁性薄膜表面の酸化層の厚
さの測定は、磁性薄膜形成後に、光線反射率測定計を用
い、磁気記録媒体の光線反射率を測定し、その値により
磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定することを特徴とす
る。
【0031】本発明が適用される磁気記録媒体の製造方
法としては、前記酸化層の厚さ測定方法により測定され
た酸化層の厚さの値を利用して磁性薄膜形成条件を制御
することを特徴とする。本発明の磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を設
けてなる金属薄膜型の磁気記録媒体に関する方法であ
る。
【0032】また、本発明に係わる保護膜の厚さ測定方
法は、保護膜形成後に透明焦点補償板を持った光学ピッ
クアップを有する光線反射率測定計を配設し、磁気記録
媒体の光線反射率を測定し、その値により保護膜厚を測
定することを特徴とする。
【0033】また、さらに精度を安定させる手段として
は、保護膜形成前後に透明焦点補償板を持った光学ピッ
クアップを有する光線反射率測定計を配し、保護膜形成
前の磁気記録媒体の光線反射率と保護膜形成後の磁気記
録媒体の光線反射率の比較から保護膜厚を測定すること
を特徴とする。
【0034】本発明が適用される磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を設
けてなる金属薄膜型の磁気記録媒体に関する方法であ
る。
【0035】金属磁性薄膜形成の手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレ−ティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロ−放電を起こし生じたアルゴンイオンでタ−
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。また、化学的な金属磁性薄膜
形成の手段として、いわゆるCVD技術を利用してもよ
い。
【0036】また、本発明に係わる保護膜の厚さ測定方
法は、保護膜形成前後に光線反射率測定装置を配し、保
護膜形成前の磁気記録媒体の光線反射率と保護膜形成後
の磁気記録媒体の光線反射率の比較から保護膜厚を測定
することを特徴とする。
【0037】製造方法としては、上記膜厚測定方法によ
り測定された保護膜厚値を利用して保護膜形成条件を制
御することを特徴とする。
【0038】本発明が適用される磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を設
けてなる金属薄膜型の磁気記録媒体に関する方法であ
る。
【0039】光線反射率測定装置としては、光源装置及
び導光用光ファイバ、受光装置からなり、被測定物への
投光量と反射光量の比から反射率を測定する装置であ
る。
【0040】
【作用】本発明は、非磁性支持体上に真空中での薄膜形
成法により磁性薄膜を形成し、その後保護膜を形成する
磁気記録媒体の製造方法において、前記保護膜形成後あ
るいは形成前後の磁気記録媒体の光線反射率から保護膜
の膜厚測定することにより、または、前記磁気記録媒体
の製造装置において、保護膜形成後あるいは形成前後の
磁気記録媒体の光線反射率から保護膜の膜厚を測定する
ための光線反射率測定計を備えてなることにより、前記
保護膜の膜厚の測定精度の向上を図ることが可能とな
り、安定した前記保護膜の膜厚が得られ、電磁変換特性
及び信頼性の安定した「ばらつき」の少ない磁気記録媒
体が得られる。
【0041】また、本発明は、真空薄膜形成手段により
非磁性支持体上に磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製
造方法において、前記磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体
の光線反射率から磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定す
ることにより、または、真空薄膜形成手段により非磁性
支持体上に磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製造装置
において、磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光線反射
率から磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定するための光
線反射率測定計を備えてなることにより、前記磁性薄膜
表面の酸化層の厚さの測定精度の向上を図ることが可能
となり、安定した前記磁性薄膜表面の酸化層の厚さが得
られ、電磁変換特性及び信頼性の安定した「ばらつき」
の少ない磁気記録媒体が得られる。
【0042】また、本発明は、非磁性支持体上に真空中
での薄膜形成法により磁性薄膜を形成し、その後保護膜
を形成する磁気記録媒体の製造装置において、保護膜形
成後あるいは形成前後の磁気記録媒体の光線反射率から
保護膜の膜厚を測定するための透明焦点補償板を持った
光学ピックアップを有する光線反射率測定計を備えてな
ることにより、前記保護膜の膜厚の測定精度の向上を図
ることが可能となり、安定した前記保護膜の膜厚が得ら
れ、電磁変換特性及び信頼性の安定した「ばらつき」の
少ない磁気記録媒体が得られる。
【0043】また、本発明は、非磁性支持体上に真空中
での薄膜形成法により磁性薄膜を形成し、その後保護膜
を形成する磁気記録媒体の製造装置において、保護膜形
成後あるいは形成前後の磁気記録媒体の光線反射率から
保護膜の膜厚を測定するための光線反射率測定計を備
え、この光線反射率測定計の磁気記録媒体に相対する端
面には光ファイバ束を備え、また、この光ファイバ端面
には防塵キャップを取り付けることにより、保護膜の膜
厚の測定精度の向上を図ることが可能となり、安定した
前記保護膜の膜厚が得られ、電磁変換特性及び信頼性の
安定した「ばらつき」の少ない磁気記録媒体が得られ
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものではな
い。
【0045】実施例1
【0046】本実施例において使用したスパッタ製造装
置の構成について説明する。図1に示すように、この製
造装置においては、頭部と底部にそれぞれ設けられた排
気口13から排気されて内部が真空状態となされた真空
室1内に、図中の時計回り方向に回転する送りロ−ル3
と、図中の時計回り方向に回転する巻取りロ−ル4とが
設けられ、これら送りロ−ル3から巻取りロ−ル4にフ
ィルムテ−プ状の非磁性支持体2が順次走行するように
なされている。
【0047】これら送りロ−ル3から巻取りロ−ル4側
に該非磁性支持体2が走行する中途部には、該送りロ−
ル3、巻取りロ−ル4の径よりも大径となされた円筒キ
ャン5が設けられている。この円筒キャン5は、該非磁
性支持体2を図中下方に引き出すように設けられ、図中
の時計回り方向に回転する構成とされる。尚、該送りロ
−ル3、巻取りロ−ル4、及び、円筒キャン5は、それ
ぞれ非磁性支持体2の幅と略同じ長さからなる円筒状を
なすものであり、また該円筒キャン5には、内部に図示
しない冷却装置が設けられ、該非磁性支持体2の温度上
昇による変形等を抑制し得るようになされている。
【0048】従って、該非磁性支持体2は、送りロ−ル
3から順次送り出され、さらに該円筒キャン5の周面を
通過し、巻取りロ−ル4に巻取られていくようになされ
ている。尚、該送りロ−ル3と該円筒キャン5との間及
び該円筒キャン5と該巻取りロ−ル4との間にはそれぞ
れガイドロ−ル6、7、8、9が配設され、該送りロ−
ル3から円筒キャン5、及び該円筒キャン5から巻取り
ロ−ル4にわたって走行する非磁性支持体2に所定のテ
ンションをかけ、該非磁性支持体2が円滑に走行するよ
うになされている。また、該真空室内には、該円筒キャ
ン5の下方にスパッタカソ−ド10が設けられ、このス
パッタカソ−ド10表面に保護膜材料タ−ゲット11が
接着されている。このスパッタカソ−ド10は、該円筒
キャン5の長手方向の幅と略同一の幅を有してなる。
尚、本実施例では、円筒キャン5は冷却されているが、
保護膜と磁性膜の接着強度をあげるため、適宜加熱した
状態でもよい。
【0049】ここで非磁性体2の走行速度を制御するこ
とにより、保護膜厚を制御することができる。また該ガ
イドロ−ル6、9の周面を観察する位置には、光線反射
率測定計15が設置されている。この光線反射率測定計
15により保護膜形成前の該非磁性支持体2の光線反射
率を測定できるようになっている。また光線反射率測定
計16により形成後の該非磁性支持体2の光線反射率を
測定できるようになっている。
【0050】本実施例において使用した、測定した光線
反射率により保護膜厚を制御するための制御系の構成に
ついて説明する。図2に該制御系のブロック図を示す。
光線反射率測定計15から保護膜形成前の光線反射率信
号17が出力されている。光線反射率測定計16から保
護膜形成後の光線反射率信号18が出力されている。
【0051】保護膜形成前の光線反射率信号17は信号
遅延回路19に入力される。信号遅延回路19は、該真
空室1内の該非磁性支持体2の走行速度を制御する走行
制御装置20より走行速度信号21を入力して、光線反
射率計15と光線反射率計16の間を該非磁性支持体2
が走行する時間だけ保護膜形成前の光線反射率信号17
を遅延させて信号比較回路22へ出力する。これにより
信号比較回路22は、該非磁性支持体2の同じ場所の保
護膜形成前の光線反射率信号17と保護膜形成後の光線
反射率信号18を比較する。
【0052】信号比較回路22は保護膜形成前の光線反
射率信号17と保護膜形成後の光線反射率信号18を比
較して、検量線に基づき保護膜厚信号23を走行制御装
置20に出力する。走行制御装置20は保護膜厚信号2
3に基づき、適切な保護膜厚が形成されるように走行制
御信号24を出力することにより、該真空室1内の該非
磁性支持体2の走行速度を制御する。
【0053】本実施例において使用した光線反射率測定
計の構成について説明する。図3に示すように、この測
定計については光源装置25から発せられた光線が、投
光用光ファイバ−26により該非磁性支持体2の保護膜
形成面に照射される。また該非磁性支持体2の保護膜形
成面における反射光線が、受光用光ファイバ−27によ
り受光装置28に導かれる。この受光装置28は光源光
量と反射光線光量の比較により、光線反射率信号を電気
信号として出力する構造を持つ。
【0054】光線反射率の測定値と保護膜厚は実用的な
範囲において相関を持っているので、検量線を用いるこ
とにより光線反射率の測定から保護膜厚を測定すること
が可能である。この光線反射率と保護膜厚の相関につい
ての実測例を表1に示す。
【0055】
【表1】 蒸着層 :Co100 単層 スパッタパワ− :4kW キャリアガス :Arガス 流量 300ccm 光源 :ハロゲンランプ・コ−ルドライト 多成分ガラスライトガイド 使用 検出素子 :フォトダイオ−ド 保護膜厚 反射率 0nm 34% 10nm 28% 20nm 23% 30nm 18%
【0056】この光線反射率を測定することから保護膜
厚の変化を検出して、これを補正するように該非磁性支
持体2の走行速度を制御する制御系を構成する。この装
置により、保護膜層の厚さの安定性に優れた磁気記録媒
体を製造することが可能となる。
【0057】実施例2
【0058】本実施例において使用した蒸着製造装置の
構成について説明する。図4に示す様に、この製造装置
においては、頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口1
7から排気されて内部が真空状態となされた真空室1内
に、図中の時計回り方向に回転する送りロ−ル3と、図
中の時計回り方向に回転する巻取りロ−ル4とが設けら
れ、これら送りロ−ル3から巻取りロ−ル4にフィルム
テ−プ状の非磁性支持体2が順次走行するようになされ
ている。
【0059】これら送りロ−ル3から巻取りロ−ル4側
に該非磁性支持体2が走行する中途部には、該送りロ−
ル3、巻取りロ−ル4の径よりも大径となされた冷却キ
ャン5が設けられている。この冷却キャン5は、該非磁
性支持体2を図中下方に引き出す様に設けられ、図中の
時計回り方向に回転する構成とされる。尚、該送りロ−
ル3、巻取りロ−ル4、及び、冷却キャン5は、それぞ
れ非磁性支持体2の幅と略同じ長さからなる円筒状をな
すものであり、また該冷却キャン5には、内部に図示し
ない冷却装置が設けられ、該非磁性支持体2の温度上昇
による変形等を抑制し得るようになされている。
【0060】従って、該非磁性支持体2は、送りロ−ル
3から順次送り出され、さらに該冷却キャン5の周面を
通過し、巻取りロ−ル4に巻取られていくようになされ
ている。尚、該送りロ−ル3と該冷却キャン5との間及
び該冷却キャン5と該巻取りロ−ル4との間にはそれぞ
れガイドロ−ル6、7、8、9が配設され、該送りロ−
ル3から冷却キャン5、及び該冷却キャン5から巻取り
ロ−ル4にわたって走行する非磁性支持体2に所定のテ
ンションをかけ、該非磁性支持体2が円滑に走行するよ
うになされている。また、該真空室内には、該冷却キャ
ン5の下方にルツボ10が設けられ、このルツボ10に
金属磁性材料11がおさめられている。このルツボ10
は、該冷却キャン5の長手方向の幅と略同一の幅を有し
てなる。
【0061】該金属磁性材料11に電子銃12より電子
ビ−ム13をあてることにより、該金属磁性材料11を
加熱蒸発させ該非磁性支持体2に蒸着させる。この際に
シャッタ15により斜方蒸着条件の制御等を行なう。ま
たガス導入口16より酸素ガスを導入することにより、
磁性薄膜表面に酸化層を形成する。
【0062】ここでガス導入口16において酸素ガス導
入量を制御することにより、磁性薄膜表面の酸化層の厚
さを制御することができる。
【0063】また該ガイドロ−ル9の周面を観察する位
置には、光線反射率測定計18が設置されている。この
光線反射率測定計18により磁性薄膜形成後の該非磁性
支持体2の光線反射率を測定できるようになっている。
【0064】本実施例において使用した光線反射率測定
計の構成について説明する。図3に示すように、この測
定計については光源装置25から発せられた光線が、投
光用光ファイバ−26により該非磁性支持体2の磁性薄
膜形成面に照射される。また該非磁性支持体2の磁性薄
膜形成面における反射光線が、受光用光ファイバ−27
により受光装置28に導かれる。この受光装置28は光
源光量と反射光線光量の比較により、光線反射率信号を
電気信号として出力する構造を持つ。
【0065】光線反射率の測定値と磁性薄膜表面の酸化
層の厚さは実用的な範囲において相関を持っているの
で、検量線を用いることにより光線反射率の測定から磁
性薄膜近傍の酸化層の厚さを測定することが可能であ
る。この光線反射率と磁性薄膜表面の酸化層の厚さの相
関についての実測例を表2に示す。
【0066】
【表2】 蒸着層 :Co100 単層 厚さ200nm 光源 :ハロゲンランプ・コ−ルドライト 多成分ガラスライトガイド 使用 検出素子 :フォトダイオ−ド 酸素導入量 AESによる測定から推測される 反射率 (l/min) 磁性層表面の酸化層の厚さ 0.0 3nm 59% 0.3 9nm 42% 0.6 26nm 25% 1.0 68nm 8%
【0067】この光線反射率を測定することから磁性薄
膜表面の酸化層の厚さの変化を検出して、これを補正す
るように酸素導入量を制御する制御系を構成する。この
装置により、磁性薄膜表面の酸化層の厚さの安定性に優
れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。
【0068】実施例3
【0069】本実施例において使用したスパッタ製造装
置の構成について説明する。図5に示すスパッタ製造装
置のうち実施例1と重複する部分については説明を省略
する。
【0070】ここで、ガイドロ−ル6、9の周面を観察
する位置には、光学ピックアップ15が設置されてい
る。この光学ピックアップ15により、保護膜形成前の
該非磁性支持体2の光線反射率を測定できるようになっ
ている。また、光学ピックアップ16により保護膜形成
後の該非磁性支持体2の光線反射率を測定できるように
なっている。
【0071】本実施例において使用した、測定した光線
反射率により保護膜厚を制御するための制御系の構成に
ついて説明する。図6に該制御系のブロック図を示す。
光学ピックアップ15から保護膜形成前の光線反射率信
号17が出力されている。光線反射率測定計16から保
護膜形成後の光線反射率信号18が出力されている。
【0072】保護膜形成前の光線反射率信号17は信号
遅延回路19に入力される。信号遅延回路19は、該真
空室1内の該非磁性支持体2の走行速度を制御する走行
制御装置20より走行速度信号21を入力して、光ピッ
クアップ15と光ピックアップ16の間を該非磁性支持
体2が走行する時間だけ保護膜形成前の光線反射率信号
17を遅延させて信号比較回路22へ出力する。これに
より信号比較回路22は、該非磁性支持体2の同じ場所
の保護膜形成前の光線反射率信号17と保護膜形成後の
光線反射率信号18を比較する。信号比較回路22は保
護膜形成前の光線反射率信号17と保護膜形成後の光線
反射率信号18を比較して、検量線に基づき保護膜厚信
号23を走行制御装置20に出力する。走行制御装置2
0は保護膜厚信号23に基づき、適切な保護膜厚が形成
されるように走行制御信号24を出力することにより、
該真空室1内の該非磁性支持体2の走行速度を制御す
る。
【0073】本実施例において使用した光線反射率測定
計の構成について説明する。図7に光線反射率測定計と
して使用した光学ピックアップ15(16)の構造につ
いて示す。光学ピックアップ15(16)としては、通
常のCD(コンパクト・ディスク)プレ−ヤ搭載のCD
ピックアップを使用した。レ−ザ−ダイオ−ド25より
発したレ−ザ光はハ−フミラ−28を通って対物レンズ
26で集光され透明焦点補償板27を通って磁気記録媒
体2の表面に合焦する。透明焦点補償板27は屈折率:
n=1.5のポリカ−ボネ−ト(PC)製で1.2mm
厚さであり、磁気記録媒体2と対物レンズ26との間に
配設される。これはCDの光路設計上、対物レンズ26
を通過した光が1.2mm厚のポリカ−ボネ−ト基板を
通り抜けて、焦点面で収差が出ないように対物レンズ設
計されているためで、本発明の場合、適切にフォ−カス
を合わせるため、透明焦点補償板27を挿入した。本発
明の透明焦点補償板27はポリカ−ボネ−トの板を円形
に加工して、対物レンズを有する2軸アクチュエ−タの
カバ−に取り付けたが、透明焦点補償板27の材質とし
ては屈折率が約n=1.5程度の透明体であれば何でも
よく、例えば1.2mm厚のBK−7などのガラスであ
ってもよい。
【0074】磁気記録媒体2から反射した光は、ハ−フ
ミラ−28で反射され集光レンズ29、シリンドリカル
レンズ30を通ってサ−ボディテクタ31に入射する。
サ−ボディテクタ31より出た信号は、サ−ボアンプ3
2内で演算され、焦点合わせのためフォ−カスコイル3
4を駆動するフォ−カスコイル駆動信号33と、光線反
射率信号17(18)として出力される。レ−ザダイオ
−ド25は、LD駆動部35によって駆動されており、
レ−ザ出力を一定に保つためリアAPC(オ−ト・パワ
−・コントロ−ル Auto Power Control )回路が付属し
ている。以上により、光学ピックアップ15(16)を
磁気記録媒体2に対して適当な位置に配設しフォ−カス
サ−ボをかけることにより、磁気記録媒体上の保護膜厚
さに起因する光線反射率を、電圧として計測することが
可能となる。
【0075】図8にサ−ボディテクタ31の構造につい
て示す。サ−ボディテクタ31は4分割ディテクタ36
で構成されており、対物レンズ26が磁気記録媒体2の
表面に合焦するようフォ−カスサ−ボをかけるため、非
点収差法を利用している。図8(a)のように対角の出
力の和のそれぞれの差分、つまり{(A+C)−(B+
D)}を測定する。対物レンズ26が焦点外れの状態に
ある時にはレ−ザスポット37の形状が楕円形になり、
合焦した位置にある時には4分割ディテクタ36上のレ
−ザスポット37の形状が円形になる。よって、焦点外
れの状態にある場合には、上記{(A+C)−(B+
D)}出力が0ではなくなり、例えば正の電圧であれば
対物レンズ26が磁気記録媒体2より離れており、反対
にレ−ザスポット37の形状が90゜傾いた状態であれ
ば、負の電圧出力となり対物レンズ26が磁気記録媒体
2に近づき過ぎているとサ−ボアンプ32で判断され、
フォ−カスコイル34で対物レンズ26を駆動して合焦
するように動かす。また、図8(b)のようにサ−ボデ
ィテクタの4つの出力の総和(A+B+C+D)が光線
反射率として出力される。
【0076】光学ピックアップ15(16)はSONY
製CDプレ−ヤ:CDP−555ESの光学ピックアッ
プをサ−ボアンプも含めて流用したが、光学ピックアッ
プとしてはMO(光磁気)ピックアップやWO(ライト
・ワンス Write Once )ピックアップを使用してもよ
い。保護膜の形成された磁気記録媒体の反射率は20%
程度あり、本発明に使用した光学ピックアップも出力ゲ
インの調整により、十分なフォ−カスサ−ボ特性と光線
反射率信号を得ることができた。光学ピックアップ15
(16)は非常に小型であり、光ファイバ束を使った光
線反射率測定装置と比較して非常に安価に装置を構成す
ることができた。
【0077】光線反射率の測定値と保護膜厚は実用的な
範囲において相関を持っているので、検量線を用いるこ
とにより光線反射率の測定から保護膜厚を測定すること
が可能である。この光線反射率と保護膜厚の相関につい
ての実測例を表3に示す。
【0078】
【表3】 蒸着層 :Co100 単層 スパッタパワ− :4kW キャリアガス :Arガス 流量 300ccm 光源 :レ−ザダイオ−ド λ=780nm 検出素子 :PINフォトダイオ−ド(4分割) 保護膜厚 反射率 0nm 34% 10nm 28% 20nm 23% 30nm 18%
【0079】この光線反射率を測定することから保護膜
厚の変化を検出して、これを補正するように磁気記録媒
体2の走行速度を制御する制御系を構成する。この装置
により、保護膜層の厚さの安定性に優れた磁気記録媒体
を製造することが可能となる。
【0080】実施例4
【0081】本実施例において使用したスパッタ製造装
置、並びに、本実施例において使用した、測定した光線
反射率により保護膜厚を制御するための制御系の構成に
ついては、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0082】本実施例において使用した光線反射率測定
計の構成について説明する。図9に示すように、この測
定計については光源装置25から発せられた光線が、投
光用光ファイバ26に入り、円筒状にまとめられた光フ
ァイバ端29より非磁性支持体2の保護膜形成面に照射
される。また該非磁性支持体2の保護膜形成面における
反射光線が光ファイバ端29に戻り、受光用光ファイバ
27から出射して受光装置28に導かれる。この受光装
置28は光源光量と反射光線光量の比較により、光線反
射率信号を電気信号として出力する構造を持つ。
【0083】本実施例における光ファイバ端29の構造
を図10に示す。該光ファイバ端29は、中心部光ファ
イバ束27、その外周の不感帯30、最外周の光ファイ
バ層26の同心円3重リング構造を成す。本実施例にお
いては、該中心部光ファイバ束27を受光ファイバ、最
外周光ファイバ層26を投光ファイバとしたが、投受光
ファイバを逆にして用いてもよい。また、該光ファイバ
端29を同心円構造にすることにより、機械のメンテナ
ンス時に光ファイバを取り外し、光ファイバが多少回転
して取り付けても光ファイバ内を透過する光量に異方性
がでない利点を有する。
【0084】本実施例で使用された中心部光ファイバ束
27と最外周の光ファイバ層26は、クラッド径φ23
0μm、コア径φ200μmの三菱電線工業(株)製H
PCSハ−ドクラッド石英光ファイバを、中心部光ファ
イバ束27、最外周の光ファイバ層26ともそれぞれ数
百本束ねて使用した。また、光ファイバの開口数(N.
A.=Numerical Aperture)は0.37である。光ファ
イバ束全体は耐真空構造になっており、光ファイバ束の
中間に日電アネルバ規格のICF70フランジを配し、
耐真空性は真空度5×10-5Paに於て漏洩度10-6
tm・cc/秒以下を保証している。
【0085】磁気記録媒体の製造上、磁気記録媒体2を
ガイドロ−ラ6、9に通し易くするため、磁気記録媒体
2と光ファイバ端29の間隔は10mm程度離す必要が
ある(図11参照)。このため、中心部光ファイバ束2
7のバンドル径はφ2mm、中間の不感帯30のバンド
ル径はφ7mm(材質はSUS304)、最外周の光フ
ァイバ層26のバンドル径はφ10mmのものを使用し
た。中間の不感帯30の幅を増加させると該磁気記録媒
体2と該光ファイバ端29の間隔を広げられるが、光フ
ァイバの芯数が減り透過光量が減少して外乱光に弱くな
る。また、透過光量を増加させるため光ファイバ束の各
バンドル径を太くすると、光ファイバの芯数が増加し光
ファイバ自体が高価になる。以上より、本光ファイバ束
はコストと実用光量域を考慮して上記のバンドル径とし
た。なお、図12に示すように、光ファイバ端29にお
ける、投光ファイバと受光ファイバとの組み合わせの仕
方は、3重リング型構造が最も適している。すなわちフ
ァイバ先端とワークまでの距離を10mm確保するのに
最も適したものといえるのである。
【0086】次に、真空室1は仕切板14でスパッタカ
ソ−ド10のあるスパッタ室と、送りロ−ル3、巻取り
ロ−ル4のある巻き取り室に分けられるが、仕切板14
と円筒キャン5の間が1mm程度空いてスパッタ室と巻
き取り室の差圧を確保している。前記隙間が存在するた
め、巻き取り室側にスパッタ金属が飛散する可能性があ
る。また、光ファイバ端29の端面はスパッタ粒子など
で汚れた場合、アセトン、アルコ−ル、水などで洗浄を
行うが、光ファイバを充填しているシリコン樹脂は溶剤
に弱く、水などでも膨潤することが考えられ、前記のよ
うな湿式の洗浄はできない。そのため、図11に示され
るように光ファイバ端29にスパッタ粒子が付着しない
ように、防塵キャップ31をかぶせてネジで固定した。
防塵キャップ31の先端に取り付けてある防塵ガラス3
2は、BK−7のφ15mm、厚さ1mmのものを使用
した。防塵ガラス32が汚れた場合は防塵キャップ31
を取り外し、前記のような湿式の洗浄を行って光ファイ
バ端29に再装着する。
【0087】光線反射率の測定値と保護膜厚は実用的な
範囲において相関を持っているので、検量線を用いるこ
とにより光線反射率の測定から保護膜厚を測定すること
が可能である。この光線反射率と保護膜厚の相関につい
ての実測例は、実施例1の表1に示す通りである。
【0088】この光線反射率を測定することから保護膜
厚の変化を検出して、これを補正するように該非磁性支
持体2の走行速度を制御する制御系を構成する。この装
置により、保護膜層の厚さの安定性に優れた磁気記録媒
体を製造することが可能となる。
【0089】ここで、光線反射率と膜厚の関係について
考えてみる。図14は、磁性層の上に酸化層を形成させ
た場合の反射光(R)の様子を模式的に示したものであ
る。図14に示すように、R(酸化層)は、酸化層より
もほんの少し入った磁性層における反射光が主成分であ
ると考えられる。実際には、この反射光の他に、酸化層
の表面における反射光も加わり、これらの複合反射と考
えられる。よって、磁性層が200nmと酸化層(20
nm)に対して、十分厚いため、磁性層膜厚が多少変化
してもR(酸化層)には影響がなく、また磁性膜質の変
化は無視できるものと考えられる。
【0090】また、図15に示すように、カ−ボン保護
膜厚は20nmと光にとっても十分薄いので、保護層と
酸化層の膜厚が変化するとR(保護層+酸化層)が変化
するものと考えられる。実際には、この反射光の他に、
酸化層の表面における反射光も加わり、これらの複合反
射と考えられる。カ−ボン保護層の厚さまたは酸化層の
厚さと、反射率Rとの関係は図16に示すとおりであ
る。
【0091】
【発明の効果】非磁性支持体上に真空中での薄膜形成法
により単層または多層構造の磁性薄膜を形成し、その後
保護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法において、保
護膜の形成後または形成前後に光線反射率測定計を設置
し、光線反射率の測定により膜厚を測定制御する保護膜
の膜厚測定方法を用いることにより、膜厚の「ばらつ
き」の少ない品質の安定した磁気記録媒体を製造するこ
とが出来る。
【0092】また、非磁性支持体上に真空中での薄膜形
成法により単層または多層構造の磁性薄膜を形成する磁
気記録媒体の製造方法において、磁性薄膜の形成後に光
線反射率測定計を設置し、光線反射率の測定により磁性
薄膜表面の酸化層の厚さを測定制御する酸化層の厚さの
測定方法を用いることにより、磁性薄膜表面の酸化層の
厚さの「ばらつき」の少ない品質の安定した磁気記録媒
体を製造することが出来る。
【0093】また、非磁性支持体上に真空中での薄膜形
成法により単層または多層構造の磁性薄膜を形成し、そ
の後保護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法におい
て、保護膜の形成後または形成前後に透明焦点補償板を
持った光学ピックアップを有する光線反射率測定計を設
置し、光線反射率の測定により膜厚を測定制御する保護
膜の膜厚測定方法を用いることにより、膜厚のばらつき
の少ない品質の安定した磁気記録媒体を製造することが
出来る。
【0094】また、非磁性支持体上に真空中での薄膜形
成法により単層または多層構造の磁性薄膜を形成し、保
護膜の形成前後で保護膜の膜厚を測定する光線反射率測
定装置において、磁気記録媒体に相対する端面がファイ
バ束を有し、この光ファイバ端面に防塵キャップを取り
付けた保護膜の光線反射率測定装置を設置し、光線反射
率の測定により膜厚を測定制御する保護膜の測定方法を
用いることにより、保護膜厚のばらつきの少ない品質の
安定した磁気記録媒体を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した製造装置の一実施例に使用し
たスパッタ製造装置の要部構成を示す概略前面図であ
る。
【図2】本発明を適用した製造装置の一実施例の保護膜
厚を制御するための制御系のブロック図である。
【図3】本発明を適用した製造装置の一実施例の光線反
射率測定計の概略構成図である。
【図4】本発明を適用した製造装置の一実施例の要部構
成を示す概略前面図である。
【図5】本発明を適用した製造装置の一実施例の要部構
成を示す概略前面図である。
【図6】本発明を適用した製造装置の一実施例の保護膜
厚を制御するための制御系のブロック図である。
【図7】本発明を適用した製造装置の一実施例の光学ピ
ックアップの概略構成図である。
【図8】本発明を適用した製造装置の一実施例の光学ピ
ックアップ内のサ−ボディテクタの概略構成図である。
【図9】本発明を適用した製造装置の光線反射率測定装
置の概略構成図である。
【図10】本発明を適用した製造装置の光ファイバ端面
の概略構成図である。
【図11】本発明を適用した製造装置の光ファイバ端と
円筒キャンの概略構成図である。
【図12】本発明を適用した製造装置の光ファイバ端の
構成による反射受光光量の変化を示した説明図である。
【図13】本発明を適用した製造装置の防塵キャップの
概略構成図である。
【図14】本発明を適用した製造装置における反射光の
説明図である。
【図15】本発明を適用した製造装置における反射光の
説明図である。
【図16】本発明を適用した製造装置のカ−ボン保護層
厚さと反射率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 真空室 2 非磁性支持体 (非磁性支持体上には、磁性層が形成されている。) 3 送りロ−ル 4 巻取りロ−ル 5 円筒キャン 6〜9 ガイドロ−ル 10 スパッタカソ−ド 11 タ−ゲット 12 キャリアガス導入口 13 排気口 14 仕切板 15、16 光線反射率測定計 17 保護膜形成前の光線反射率信号 18 保護膜形成後の光線反射率信号 19 信号遅延回路 20 走行制御装置 21 走行速度信号 22 信号比較回路 23 保護膜厚信号 24 走行制御信号 25 光源装置 26 投光用光ファイバ− 27 受光用光ファイバ− 28 受光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 研一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に真空中での薄膜形成法
    により磁性薄膜を形成し、その後保護膜を形成する磁気
    記録媒体の製造方法において、 前記保護膜の形成後あるいは形成前後の磁気記録媒体の
    光線反射率から保護膜の膜厚を測定することを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に真空中での薄膜形成法
    により磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、 前記磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光線反射率から
    磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定することを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に真空中での薄膜形成法
    により磁性薄膜を形成し、その後保護膜を形成する磁気
    記録媒体の製造装置において、 前記保護膜の形成後あるいは形成前後の磁気記録媒体の
    光線反射率から保護膜の膜厚を測定するための光線反射
    率測定計を備えてなることを特徴とする磁気記録媒体の
    製造装置。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体上に真空中での薄膜形成法
    により磁性薄膜を形成する磁気記録媒体の製造装置にお
    いて、 前記磁性薄膜の形成後の磁気記録媒体の光線反射率から
    磁性薄膜表面の酸化層の厚さを測定するための光線反射
    率測定計を備えてなることを特徴とする磁気記録媒体の
    製造装置。
  5. 【請求項5】 光線反射率測定計は、透明焦点補償板を
    持った光学ピックアップを有する請求項3または請求項
    4記載の磁気記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 光線反射率測定計は、磁気記録媒体に相
    対する端面が光ファイバ束を有する請求項3または請求
    項4記載の磁気記録媒体の製造装置。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体に相対する端面に防塵キャ
    ップを取り付けた請求項6記載の磁気記録媒体の製造装
    置。
JP9753993A 1992-10-27 1993-04-23 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 Pending JPH06195705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9753993A JPH06195705A (ja) 1992-10-27 1993-04-23 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-288589 1992-10-27
JP28858992 1992-10-27
JP9753993A JPH06195705A (ja) 1992-10-27 1993-04-23 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06195705A true JPH06195705A (ja) 1994-07-15

Family

ID=26438699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9753993A Pending JPH06195705A (ja) 1992-10-27 1993-04-23 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06195705A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000311334A (ja) * 1999-04-27 2000-11-07 Victor Co Of Japan Ltd 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体
JP2012132876A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Ihi Corp カーボン薄膜の膜厚評価方法及びカーボン薄膜の膜厚評価装置
JP5319856B1 (ja) * 2012-06-13 2013-10-16 株式会社シンクロン 膜厚測定装置及び成膜装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000311334A (ja) * 1999-04-27 2000-11-07 Victor Co Of Japan Ltd 磁気記録媒体の特性評価方法及び磁気記録媒体
JP2012132876A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Ihi Corp カーボン薄膜の膜厚評価方法及びカーボン薄膜の膜厚評価装置
JP5319856B1 (ja) * 2012-06-13 2013-10-16 株式会社シンクロン 膜厚測定装置及び成膜装置
WO2013186879A1 (ja) * 2012-06-13 2013-12-19 株式会社シンクロン 膜厚測定装置及び成膜装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5961105A (ja) 磁気記録媒体
US8007887B2 (en) Optical information recording medium and method for manufacturing the same
JPH06195705A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置
US6110584A (en) Magnetic recording medium
US8208217B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing system
US7462409B2 (en) Magnetic recording medium
US5296989A (en) High density dual gap magnetic head using polar Kerr effect
JP2000207736A (ja) カ―ボン保護膜の膜厚測定方法
US6760279B1 (en) Magneto-optical storage apparatus having the relation between numerical aperture and recording medium
KR100448966B1 (ko) 자기기록테이프카세트
JP2001143236A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2002150541A (ja) 磁気記録媒体
JP2000161925A (ja) カーボン保護膜の膜厚管理方法及びカーボン保護膜の膜厚管理装置
JPH06176354A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP4423483B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS6079519A (ja) 磁気記録媒体
JP2002092862A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2002100026A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JPH09176525A (ja) 磁気記録媒体
JPH044648B2 (ja)
JP2005196913A (ja) 磁気記録媒体
JPH01303623A (ja) 磁気記録媒体
JPH09293239A (ja) 金属磁性薄膜型磁気記録媒体の製造方法
JPH0820865A (ja) 薄膜形成装置
JPH10320739A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法