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JPH061894A - スリップ性の改良されたポリプロピレンフィルム - Google Patents

スリップ性の改良されたポリプロピレンフィルム

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Publication number
JPH061894A
JPH061894A JP4186250A JP18625092A JPH061894A JP H061894 A JPH061894 A JP H061894A JP 4186250 A JP4186250 A JP 4186250A JP 18625092 A JP18625092 A JP 18625092A JP H061894 A JPH061894 A JP H061894A
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JP
Japan
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film
slip
weight
slip agent
propylene
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JP4186250A
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JP3384460B2 (ja
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Toshio Hoshino
利夫 星野
Hironobu Matsuo
裕信 松尾
Muneyoshi Maruyama
宗工 丸山
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Tonen Chemical Corp
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製膜直後から加熱処理後、高温保管後及びラ
ミネート後を通して優れたスリップ性を発揮するポリプ
ロピレンフィルムを提供する。 【構成】プロピレン−エチレンランダム共重合体に所定
量の高密度ポリエチレンを配合してなる樹脂成分に、70
〜90℃の融点を有するスリップ剤と、100 〜125 ℃の融
点を有するスリップ剤の2種類のスリップ剤を所定量添
加してなる組成物からなるポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレンフィルム
に関し、特にスリップ性に優れたポリプロピレンフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体
のフィルムは、透明性に優れているとともに、ある程度
のヒートシール性を有することから、各種包装用に広く
用いられている。しかしながら、ポリプロピレンフィル
ムはスリップ性に劣り、特に45℃以上の高温下で保存し
たり、加熱処理を行った場合には、スリップ性が低下
し、印刷や、ラミネート工程等の二次加工を行うときや
包装するときにトラブルを生じやすいという問題があ
る。
【0003】そこで、スリップ性の改良されたポリプロ
ピレンフィルムとして、結晶性ポリプロピレン100 重量
部に対し、融点が100 〜125 ℃の滑剤0.07〜1.0 重量部
を添加してなる組成物から溶融押出して得られたフィル
ム、及び結晶性ポリプロピレン100 重量部に対し、融点
が100 〜125 ℃の滑剤[A] と、融点が70〜90℃の滑剤
[B] との合計が、0.05〜1.0 重量部になるように添加し
てなる組成物から溶融押出して得られたフィルムが提案
されている (特開昭62−265335号、同62−265336号) 。
【0004】上記フィルムは、初期滑り性が0.7 以下
で、かつ60℃加熱処理後の滑り性が1.0 以下であり、ス
リップ性に優れたものである。しかしながら、上記フィ
ルムは、いまだ十分な初期滑り性、及び加熱処理後、高
温保管後及びラミネート後の滑り性を有するものではな
く、特に初期滑り性が良好でないという問題がある。そ
のため、上記フィルムに、製膜直後から加熱処理後、高
温保管後及びラミネート後を通して十分な滑り性を付与
するためには、滑剤の配合量を多めに設定する必要があ
り、そうすると滑剤が多量にブリードアウトしたり、ラ
ミネート強度が低下したりするという問題がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、製膜直後か
ら加熱処理後、高温保管後及びラミネート後を通して優
れたスリップ性を発揮するポリプロピレンフィルムを提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、プロピレン−エチレンランダム
共重合体に高密度ポリエチレンを配合すると、スリップ
剤の相溶性及び表面移行速度が変化し、その変化の度合
いはスリップ剤の種類により異なることを見出した。ま
た、本発明者らは、プロピレン−エチレンランダム共重
合体に所定量の高密度ポリエチレンを配合してなる樹脂
成分に、70〜90℃の融点を有するスリップ剤と、100 〜
125 ℃の融点を有するスリップ剤の2種類のスリップ剤
を所定量添加すると、双方のスリップ剤の表面への滲出
のタイミングが、初期スリップ性と、加熱処理後、高温
保管後及びラミネート後のスリップ性の全てを著しく向
上させるものになるという驚くべき効果を見出した。以
上の発見に基づき本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明のポリプロピレンフィル
ムは、エチレン含量2〜10重量%のプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体99〜10重量%と、高密度ポリエチレ
ン1〜10重量%とからなる樹脂成分100 重量部に対し
て、70〜90℃の融点を有するスリップ剤(a)0.03 〜0.25
重量部と、100 〜125 ℃の融点を有するスリップ剤(b)
0.03 〜0.20重量部とを含有する組成物からなることを
特徴とする。
【0008】本発明を以下詳細に説明する。本発明のポ
リプロピレンフィルムは、エチレン含量2〜10重量%の
プロピレン−エチレンランダム共重合体と、高密度ポリ
エチレンとからなる樹脂成分に対して、70〜90℃の融点
を有するスリップ剤(a) と、100 〜125 ℃の融点を有す
るスリップ剤(b) とを配合してなる組成物からなる。
【0009】以下、本発明のポリプロピレンフィルムの
構成成分について詳述する。プロピレン−エチレンランダム共重合体 プロピレン−エチレンランダム共重合体は、プロレン
と、エチレンとを共存させて共重合したもので、エチレ
ンを2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%含有する共
重合体である。上記プロピレン−エチレンランダム共重
合体のメルトフローレート(MFR 、230 ℃、2.16kg荷
重) は、4〜30g/10 分が好ましく、特に6〜15g/10
分が好ましい。
【0010】高密度ポリエチレン 高密度ポリエチレン (HDPE) は、密度が0.940 g/cm3
上、好ましくは0.945〜0.960 g/cm3 のエチレンから誘
導される繰り返し単位を主な重合成分とするポリマーで
ある。上記高密度ポリエチレン (HDPE) のメルトインデ
ックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重) は、5〜30g/10 分
が好ましく、特に8〜20g/10 分が好ましい。高密度ポ
リエチレン (HDPE) は、例えばエチレンをチーグラ触媒
等の存在下に、低圧法により重合することにより得るこ
とができる。
【0011】樹脂成分の配合割合 上述したような樹脂成分の配合割合は、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体と高密度ポリエチレンとの合計
を100 重量%として、プロピレン−エチレンランダム共
重合体が99〜90重量%、好ましくは98〜92重量%であ
り、高密度ポリエチレンが1〜10重量%、好ましくは2
〜8重量%である。高密度ポリエチレンが1重量%未満
では (プロピレン−エチレンランダム共重合体が99重量
%を超えると) 、製膜直後のスリップ性あるいは加熱処
理後やラミネート後のスリップ性が低下し、また高密度
ポリエチレンが10重量%を超えると (プロピレン−エチ
レンランダム共重合体が90重量%未満では) 、フィルム
の透明性、引裂強度及び衝撃強度が低下する。
【0012】スリップ剤(a) スリップ剤(a) は、70〜90℃の融点を有するものであ
る。スリップ剤(a) の融点が70℃未満では、高温下での
スリップ性の低下が著しく、また90℃を超えると、初期
スリップ性が大幅に低下する。上記融点を有するスリッ
プ剤(a) としては、C18〜C22の不飽和脂肪酸アミド及
びその誘導体を用いることができる。具体的には、オレ
イン酸アミド、エルカ酸アミド、エライジン酸アミド、
N−ステアリルエルカ酸アミド、及びこれらの誘導体等
が挙げられる。これらの中では特にエルカ酸アミド及び
オレイン酸アミドが好ましい。上記スリップ剤は単独で
使用しても併用してもよい。
【0013】上記スリップ剤(a) の配合量は、樹脂成分
(プロピレン−エチレンランダム共重合体+高密度ポリ
エチレン) の合計100 重量部に対して、0.03〜0.25重量
部、好ましくは0.03〜0.20重量部である。スリップ剤
(a) の配合量が0.03重量部未満では、その配合によるス
リップ性の向上効果が十分でなく、また0.25重量部を超
えると、スリップ剤がフィルム表面に多量にブリートア
ウトし、二次加工や包装用等に使用するのが困難とな
る。
【0014】スリップ剤(b) スリップ剤(b) は、100 〜124 ℃の融点を有するもので
ある。スリップ剤(b)の融点が100 ℃未満では、高温下
でのスリップ性の低下が著しく、また125 ℃を超える
と、スリップ性の発現が困難となる。上記融点を有する
スリップ剤(b) としては、C16〜C22の飽和脂肪酸アミ
ド及びその誘導体を用いることができる。具体的には、
ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸
アミド、N−(2−ハイドロキシメチル)ステアリン酸
アミド、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの
中では特にステアリン酸アミド及びベヘニン酸アミドが
好ましい。上記スリップ剤は単独で使用しても併用して
もよい。
【0015】上記スリップ剤(b) の配合量は、樹脂成分
(プロピレン−エチレンランダム共重合体+高密度ポリ
エチレン) の合計100 重量部に対して、0.03〜0.20重量
部、好ましくは0.03〜0.16重量部である。スリップ剤
(b) の配合量が0.03重量部未満では、その配合によるス
リップ性の向上効果が十分でなく、また0.20重量部を超
えると、スリップ剤(b) がフィルム表面に多量にブリー
トアウトし、二次加工や包装用等に使用するのが困難と
なる。
【0016】なお、上述したような各成分の他に、その
改質を目的として、他の添加剤、例えば熱安定剤、酸化
防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。
【0017】本発明のポリプロピレンフィルムの厚さ
は、15〜60μmであるのが好ましく、特に20〜40μmで
あるのが好ましい。フィルムの厚さが15μm未満では、
製膜が困難となり、また60μmを超えると、フィルムの
ヒートシール性が低下するため好ましくない。
【0018】上述したような各成分からなる本発明のポ
リプロピレンフィルムは、Tダイ法、インフレーション
法等の通常のフィルム成形法により製造することができ
るが、例えば、以下のようなキャストフィルム法により
製造するのが好ましい。
【0019】まず、プロピレン−エチレンランダム共重
合体、高密度ポリエチレン、スリップ剤(a) 及びスリッ
プ剤(b) を220 〜250 ℃で溶融混練する。
【0020】次に、フラット状Tダイから、フィルムの
厚さが所望のものとなるように、220 〜250 ℃で溶融混
練した組成物を押し出し、キャストフィルム法で成形す
る。
【0021】上述したような本発明のポリプロピレンフ
ィルムには、必要に応じて30〜50℃及び12〜24時間の加
熱処理 (エージング) を施すことができる。
【0022】また、本発明のポリプロピレンフィルム
は、一方の面にウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等
を塗布し、ドライラミネーション法等により二軸延伸ポ
リプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等のフィ
ルムにラミネートすることができる。なお、上記接着剤
は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィル
ム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフ
ィルム)等のフィルム側に塗布してもよい。
【0023】このような本発明のポリプロピレンフィル
ムは、その表面の摩擦係数(JIS 7218) が製膜直後で1.
0 以下、好ましくは0.9 〜0.7 であり、エージング等の
加熱処理後の摩擦係数が0.4 以下、好ましくは0.15〜0.
3 である。なお、摩擦係数の値は、一般に製膜直後は、
1.0 以下であるのが好ましく、また加熱処理後は、二次
加工や包装等を行うことから0.4 以下であるのが好まし
い。本発明のポリプロピレンフィルムは、上記要件を満
たした十分なスリップ性を有するものとなっている。
【0024】
【作用】本発明のポリプロピレンフィルムは、プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体に所定量の高密度ポリエ
チレンを配合してなる樹脂成分に、70〜90℃の融点を有
するスリップ剤と、100 〜125 ℃の融点を有するスリッ
プ剤の2種類のスリップ剤を所定量添加してなる組成物
からなるので、初期スリップ性、及び加熱処理後、高温
保管後及びラミネート後のスリップ性が極めて向上して
いる。
【0025】このような効果が得られる理由については
必ずしも明らかではないが、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体に、高密度ポリエチレンを添加することに
より、スリップ剤(a) 及び(b) の樹脂成分に対する相溶
性及び表面移行速度が変化し、それに伴いそれぞれのス
リップ剤がスリップ性を発揮するまでの時間、スリップ
性の向上効果、持続性等が変化する。本発明において
は、高密度ポリエチレンの配合割合を、スリップ剤(a)
が製膜直後からスリップ性を発揮し、そのスリップ性が
低下し始めるころ、スリップ剤(b) が良好なスリップ性
を発揮するような範囲のものとしている。しかもスリッ
プ剤(b) は耐熱性にも優れている。これらにより、スリ
ップ剤(a) 及び(b) によるスリップ性が、製膜直後から
熱処理後、高温保管後及びラミネート後を通して、それ
ぞれの場合に必要とされるスリップ性を発揮するのに最
適なものとなるためであると考えられる。
【0026】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、原料となる樹脂及びスリップ剤としては
以下のものを使用した。 [1] プロピレン−エチレンランダム共重合体 RPP:〔メルトフローレート(MFR、230 ℃、2.16kg荷
重) 9g/10 分、エチレン含有量3.6 重量%〕 [2] 高密度ポリエチレン HDPE:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16kg
荷重) 12g/10 分、密度0.958g/cm 3 〕 [3] スリップ剤(a) エルカ酸アミド:EA〔融点83.5℃〕 オレイン酸アミド:OA〔融点73℃〕 [4] スリップ剤(b) ベヘニン酸アミド:BA〔融点112.0 ℃〕 ステアリン酸アミド:SA〔融点102 ℃〕
【0027】実施例1〜4及び比較例1〜3 プロピレン−エチレンランダム共重合体 (RPP)と、高密
度ポリエチレン (HDPE) と、スリップ剤(a) と、スリッ
プ剤(b) とを第1表に示す割合として、40mmφの押出機
にて240 ℃、100 rpm で溶融混練して、Tダイ成形機に
より、押し出し温度240 ℃、冷却ロール温度25℃、引取
り速度30m/min で製膜し、厚さ25μmのポリプロピレン
フィルムを得た。
【0028】得られたポリプロピレンフィルムのスリッ
プ性(摩擦係数)の測定及びブリードアウト特性の評価
を行った。結果を第2表に示す。
【0029】次に、このフィルムに40℃で24時間の加熱
処理(エージング)を施し、その後のスリップ性の測定
及びブリードアウト特性の評価を行った。結果を第2表
に合わせて示す。
【0030】さらに、エージング後のフィルムの一方の
面に、ウレタン系接着剤を塗布した二軸延伸ポリプロピ
レンフィルム(OPPフィルム)を50℃にてドライラミ
ネーションした。続いて40℃で72時間の加熱処理を施
し、その後のラミネーションフィルムのポリプロピレン
フィルム側のスリップ性の測定及びラミネート接着強度
の評価の評価を行った。結果を第2表に合わせて示す。
【0031】 第 1 表 組 成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 RPP 95 95 97 95 HDPE 5 5 3 5 スリップ剤(a) EA 0.05 0.03 0.05 − OA − − − 0.04 スリップ剤(b) BA 0.05 0.06 0.06 − SA − − − 0.06
【0032】 第 1 表 (続 き) 組 成(重量部) 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 RPP 100 95 95 100 100 HDPE − 5 5 − − スリップ剤(a) EA 0.05 0.10 − 0.30 − スリップ剤(b) BA 0.05 − 0.10 − 0.30
【0033】 第 2 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 スリップ性(1) 製膜直後 0.81 0.88 0.86 0.87 加熱処理後 0.18 0.20 0.25 0.28 ドライラミネート+加熱処理後 0.17 0.14 0.23 0.37 ブリードアウト特性の評価(2) 製膜直後の透明性 2.4 2.5 2.5 2.5 加熱処理後の白化度 +0.2 +0.1 +0.2 +0.3 ドライラミネート後のラミネート接着強度の評価(3) 250 270 245 245
【0034】 第 2 表 (続 き) 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 スリップ性(1) 製膜直後 1.14 0.63 1.17 0.35 0.61 加熱処理後 0.30 0.10 0.23 0.06 0.35 ドライラミネート+加熱処理後 0.28 0.73 0.12 0.10 0.40 ブリードアウト特性の評価(2) 製膜直後の透明性 2.5 2.6 2.6 2.8 2.7 加熱処理後の白化度 −0.2 +0.5 +1.0 +2.5 +2.7 ドライラミネート後のラミネート接着強度の評価(3) 250 260 240 80 55
【0035】(1) スリップ性:JIS 7218、摩擦係数試験
に準拠し、製造直後、40℃、24時間の加熱処理後、
フィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP
フィルム)とラミネートし、続いて40℃、72時間の加熱
処理した後についてそれぞれ測定。 (2) ブリードアウト特性の評価:ブリードアウト特性を
フィルムの透明性の変化により評価した。すなわち、ま
ずJIS K7105 に準拠して製膜直後のフィルムの透明性
(ヘイズ) を測定し、次に加熱処理後のヘイズを測定
し、製膜直後と加熱処理後のヘイズ値の差を白化度とし
て表示した。 (3) ドライラミネート後のラミネート接着強度の評価:
ドライラミネート後のフィルム(15mm幅)に対して、オ
ートグラフ引張試験機を用い、剥離速度500m/minで90°
剥離した時の強度を測定 (単位はg/15 mm幅) 。
【0036】第2表から明らかなように、本発明のポリ
プロピレンフィルムは、フィルム製膜直後のブリードア
ウト特性やドライラミネート後のラミネート接着強度が
良好であった。これは、フィルム製膜直後の摩擦係数が
1.0 以下であり、また加熱処理後、及びドライラミネー
ト+加熱処理後の摩擦係数がいずれも0.4 以下であるた
めであると考えられる。これに対し比較例1及び比較例
3のポリプロピレンフィルムは、製膜直後の摩擦係数が
1.0 を超えるため、製膜時の加工性が劣っており、また
比較例2のポリプロピレンフィルムはドライラミネート
後の摩擦係数が0.4 を超えるため、自動製袋、印刷等の
加工時に摩擦による詰まり等が生じやすく、実用性に劣
るものであった。さらに比較例4及び5のポリプロピレ
ンフィルムは、ブリードアウト特性が劣るため、白化度
が大きく、ラミネート接着強度が100 g/15 mm幅以下で
実用が困難なものであった。
【0037】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のポリプ
ロピレンフィルムは、プロピレン−エチレンランダム共
重合体に、所定量の高密度ポリエチレンを配合してなる
樹脂成分に対して、70〜90℃の融点を有するスリップ剤
(a) と、100 〜125 ℃の融点を有するスリップ剤(b) と
を所定量配合した組成物からなるので、製膜直後及び高
温保存後、さらにはドライラミネーション後でも極めて
優れたスリップ性を発揮する。このような本発明のポリ
プロピレンフィルムは、各種包装用に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含量2〜10重量%のプロピレン
    −エチレンランダム共重合体99〜90重量%と、高密度ポ
    リエチレン1〜10重量%とからなる樹脂成分100 重量部
    に対して、70〜90℃の融点を有するスリップ剤(a) 0.03
    〜0.25重量部と、100 〜125 ℃の融点を有するスリップ
    剤(b)0.03 〜0.20重量部とを含有する組成物からなるこ
    とを特徴とするポリプロピレンフィルム。
JP18625092A 1992-06-19 1992-06-19 スリップ性の改良されたポリプロピレンフィルム Expired - Lifetime JP3384460B2 (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0976433A (ja) * 1995-09-18 1997-03-25 Dainippon Printing Co Ltd プロピレン共重合体フィルム
WO1998046672A3 (en) * 1997-04-16 1999-01-14 Dow Chemical Co Compositions containing slip and antiblock agents
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JP2021102307A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 東洋インキScホールディングス株式会社 包装用材料及び包装容器
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