JPH06173336A

JPH06173336A - 建築物の躯体構造

Info

Publication number: JPH06173336A
Application number: JP32583692A
Authority: JP
Inventors: Takashi Sato; 隆志佐藤
Original assignee: Shimizu Construction Co Ltd; Shimizu Corp
Current assignee: Shimizu Construction Co Ltd; Shimizu Corp
Priority date: 1992-12-04
Filing date: 1992-12-04
Publication date: 1994-06-21

Abstract

(57)【要約】【目的】純鉄骨造における複雑な仕口部分の溶接作業
を低減するとともに、純ＲＣ造における柱、梁型枠の組
み立て・解体作業をほとんど必要せずに、施工コストの
低減および工期の短縮化を図ることができ、かつ優れた
安定性を付与する建築物の躯体構造を提供することを目
的としている。【構成】鉄筋コンクリート造とされた外壁３、４、５
および区画壁１７と、鋼管型枠またはＰＣＦ型枠からな
る柱１６…と、鉄骨からなる大梁６…および小梁７…と
を具備してなり、小梁７…が大梁６…または壁３、４、
５、１７に架設して設けられるとともに、その配置方向
が大梁６または壁３、４、５、１７で区画される一架設
区画ごとに、隣接する一区画と直交する方向とされた構
成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート壁柱
および鉄骨梁を取り入れた建築物の躯体構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、建築物の躯体には、鉄骨
構造、鉄筋コンクリート構造、あるいは鉄骨鉄筋コンク
リート構造等の各種の構造があり、その建築物の規模、
立設環境等に応じて適切な躯体構造が採用されている。
一般に、構築する建築物が中低層の場合には、主として
鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造が採用されている。

【０００３】前記の躯体構造のうち、鉄骨構造は、構造
上主要な部分に鋼材が用いられる構造で、この鋼材はコ
ンクリートに比べて軽量で靭性が高い材料特性を有する
ので内部に広い空間を必要とする倉庫や、長大スパン構
造物に適用されている。

【０００４】鉄筋コンクリート構造は、脆性材料である
コンクリート内に靭性材料である鉄筋を配筋させるとと
もに、両者を付着させて、圧縮強度の高いコンクリート
に鉄筋の引張強度を付与した構造で、その耐久性、耐震
性等の特性を活かして中低層建築物や一般住宅等に適用
されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た鉄骨構造あるいは鉄筋コンクリート構造には次のよう
な課題が存在する。すなわち、従来の鉄骨構造では、そ
の施工の大部分は複雑な仕口部分の溶接作業であり、こ
の作業は重機などを必要とするほか、熟練作業員による
ところが多く、この作業員の雇用に伴う人件費の増大
は、鉄骨素材の単価と相まって施工コストの増大を来た
す上で重要な問題となっていた。一方、鉄筋コンクリー
ト構造は、その内部の柱、梁などの構築に複雑な型枠の
組み立て作業を必要とし、コンクリート打設後の型枠の
解体作業と相まって工期が長期化するといった問題があ
る。

【０００６】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、純鉄骨造における複雑な仕口部分の溶接作業を低
減するとともに、純ＲＣ造における柱、梁型枠の組み立
て・解体作業を低減し、施工コストの低減および工期の
短縮化を図ることができる建築物の躯体構造を提供する
ことを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
鉄筋コンクリート造とされた外壁と区画壁、鋼管型枠ま
たはＰＣＦ型枠からなる柱と、鉄骨からなる大梁および
小梁とを具備してなり、前記小梁が前記大梁または前記
壁に架設して設けられるとともに、その配置方向が前記
大梁または前記壁で区画される一架設区画ごとに、隣接
する一区画と直交する方向とされていることを特徴とし
ている。

【０００８】請求項２に係る発明は、請求項１記載の建
築物の躯体構造において、前記外壁または区画壁の少な
くとも一方がハーフプレキャストコンクリートで形成さ
れていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】前記請求項１または請求項２記載の発明によれ
ば、建築物に地震による力が作用した場合に、その力は
外壁、区画壁、鋼管型枠柱またはＰＣＦ型枠柱、大梁に
伝達される。また、前記大梁または前記壁に架設した小
梁の配置により、該小梁にかかる荷重が前記大梁を支持
する各柱または壁に均等に伝達される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照ながら
詳細に説明する。図１ないし図３は本発明を倉庫に適用
した例を示したものである。図において符号１は倉庫、
２は基礎、Ｇは地盤である。図１に示したように、地盤
Ｇ上には基礎２が構築され、この基礎２上には鉄筋コン
クリート造の壁柱３（外壁）が構築されている。壁柱３
の上端部には左右に延びる鉄筋コンクリート造の壁梁４
（外壁）が構築され、その端部４ａが紙面に直交する方
向の壁柱（外壁）５に接合されている。また、壁柱３
と、充填鋼管コンクリート柱１６…および大梁６（とも
に図２参照）間には紙面に垂直な方向にそれぞれ大梁
６、６および小梁７…が架設されており、大梁６、６と
壁柱５、５間には小梁７、７が架設されている。さら
に、これら壁柱３、壁梁４、４、大梁６、６および小梁
７…上には床８が形成されている。

【００１１】また、壁梁４、４と基礎２の間にはＨ型鋼
９…が一定距離ごとに離間状態に立設されており、この
Ｈ型鋼９…の間にはＡＬＣ板１０…が嵌め込まれてい
る。また、床８上にはＨ型鋼１１、１１が立設されてお
り、このＨ型鋼１１、１１および壁柱５、５上に鉄骨梁
が１２…が固定されている。この鉄骨梁１２…上には屋
根材１３が配設されている。さらに、床８上にはＨ型鋼
１４…が一定距離ごとに離間状態に立設されており、こ
のＨ型鋼１４…間にはＡＬＣ１５…板が嵌め込まれてい
る。

【００１２】図２に示したように、倉庫１内には充填鋼
管コンクリート柱１６…（鋼管型枠からなる柱）が所定
の箇所に立設されるとともに、所定の間隔ごとに区画壁
１７が設けられている。充填鋼管コンクリート柱１６…
間あるいは、充填鋼管コンクリート柱１６と壁梁４また
は壁柱３、５間にはそれぞれ大梁６…が架設されてい
る。大梁６間あるいは、大梁６と、壁梁４、壁柱３、５
または区画壁１７との間には、それぞれ一定間隔をおい
て小梁７…が架設されている。小梁７…の配置方向は、
大梁６のみ、あるいは大梁６と、壁梁４、壁柱５または
区画壁１７とで区画される一架設区画ごとに、隣接する
一区画と直交する方向とされている。

【００１３】図３に示したように、大梁６の端部６ａの
ウエブ６ｂには紙面に垂直方向にスタッドジベル６ｃ…
が取付けられており、壁柱５と大梁６の取り合いは、こ
のスタットジベル６ｃ…を壁柱５内に配置させて接合す
る構成となっている。なお、図には示していないが、壁
柱３、壁梁４および区画壁１７と、大梁６および小梁７
…の取り合いについても上記の取り合いと同様の構成と
なっている。

【００１４】次に、上記実施例の倉庫１の構築手順につ
いて説明する。まず、地盤Ｇに基礎２を構築するととも
に、壁柱３、５、壁梁４、区画壁１７を所定の高さまで
コンクリートの現場打設により鉄筋コンクリート造で構
築し、充填鋼管コンクリート柱１６を立設する。そし
て、大梁６…を支保工により支持し、これら壁柱３、
５、壁梁４、区画壁１７、充填鋼管コンクリート１６間
に架設する。そして、大梁６、壁柱、３、５、区画壁１
７で区画される一区画ごとに、所定の間隔をおいて小梁
７…を架設する。この際、小梁７…の配置方向は、隣接
する一区画ごとに直交する方向とする。次に、架設した
大梁６…、小梁７…上にフラットデッキプレート（図示
せず）を載置し、鉄筋の配筋を行い、床板コンクリート
を打設して床８を構築する。さらに、壁柱５を打ち継い
で所定の高さまで構築するとともに、床８にＨ型鋼１１
を立設する。そして、壁柱５およびＨ型鋼１１上に鉄骨
梁１２を架設し、この鉄骨梁１２上に屋根材１３を固定
する。なお、壁柱５以外の外壁については、基礎２およ
び床８構築後に所定の間隔をおいてＨ型鋼９…、１４…
を立設した後に、ＡＬＣ板１０…、１５…を嵌め込んで
構築する。

【００１５】上記の構成において、倉庫１に地震による
力が作用した場合に、その力は壁柱３、５、壁梁４、区
画壁１７、充填鋼管コンクリート柱１６…または、大梁
６…に伝達される。また、大梁６間あるいは、大梁６
と、壁梁４、壁柱５または区画壁１７との間に架設した
小梁７…により、小梁７…にかかる荷重が大梁６…を支
持する壁柱３、５、壁梁４、区画壁１７、および充填鋼
管コンクリート柱１６に均等に伝達される。

【００１６】上記の実施例によれば、倉庫１の壁柱３、
５、壁梁４、区画壁１７を鉄筋コンクリート造として構
築するとともに、倉庫１内の大梁６…、小梁７…を鉄骨
で構築し、倉庫１に地震による力が作用した場合に、そ
の力が壁柱３、５、壁梁４、区画壁１７、充填鋼管コン
クリート柱１６または、大梁６に伝達されるようにした
ので、純鉄骨造における複雑な仕口部分の溶接作業を低
減するとともに、純ＲＣ造における柱、梁型枠の組み立
て・解体作業を低減し、施工コストの低減および工期の
短縮化を図ることができ、しかも倉庫１に純鉄骨造の倉
庫に比べて優れた耐震性を付与することができる。ま
た、小梁７…の配置方向を大梁６…あるいは大梁と壁
柱、３、５、壁梁４、または区画壁１７で区画される一
架設区画ごとに、隣接する一区画と直交する方向とし、
小梁７…にかかる荷重が大梁６…を支持する壁柱３、
５、壁梁４、区画壁１７、充填鋼管コンクリート柱１６
に均等に伝達されるようにしたので、倉庫１を安定性の
高い構造とすることができる。

【００１７】なお、上記実施例では、倉庫１内の独立柱
に充填鋼管コンクリート柱５を使用したが、ＰＣＦ型枠
を使用してもよいことは言うまでもない。また、壁柱
３、５、壁梁４および区画壁１７を現場でコンクリート
を打設して構築するようにしたが、これらを予め工場で
製造したプレキャストコンクリート製品で構築すること
もできる。これらのプレキャストコンクリート製品によ
れば、上記の効果を奏する倉庫をさらに簡易な手順で構
築することができ、施工期間の短縮、施工の省力化をよ
り一層図ることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の建築物の躯体構造によれば、以
下の効果を奏することができる。請求項１記載の建築物
の躯体構造によれば、純鉄骨造における複雑な仕口部分
の溶接作業を軽減するとともに、純ＲＣ造における柱、
梁型枠の組み立て・解体作業をほとんど行わなくてよい
ので、施工コストの低減および工期の短縮化を図ること
ができる。また、建築物に地震による力が作用した場合
に、その力は外壁、区画壁、鋼管型枠柱またはＰＣＦ型
枠柱、大梁に伝達されるので、純ＲＣ造に比べて優れた
耐震性を付与することができる。また、前記小梁が前記
大梁に架設して設けられるとともに、その配置方向が前
記大梁または前記壁で区画される一架設区画ごとに、隣
接する一区画と直交する方向とされているので、該小梁
に係る荷重が前記大梁を支持ずる各柱または壁に均等に
伝達されるので、建築物の安定性をより高めることがで
きる。

【００１９】請求項２記載の建築物の躯体構造によれ
ば、外壁または区画壁の少なくとも一方をハーフプレキ
ャストコンクリートで形成するので、現場における型枠
の組立・解体作業を軽減することができ、上記効果を奏
する建築物の施工に際して、工期の短縮化、施工の省力
化を図ることができ、総じて施工コストの低減を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例として示した倉庫の側断面図
（図２のＡーＡ’断面図）である。

【図２】同倉庫の平断面図である。

【図３】同倉庫における壁と大梁の取り合い部分の詳細
を示す断面図である。

【符号の説明】１建築物３、５外壁６… 大梁７… 小梁１６柱１７区画壁

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鉄筋コンクリート造とされた外壁および
区画壁と、鋼管型枠またはＰＣＦ型枠からなる柱と、鉄
骨からなる大梁および小梁とを具備してなり、前記小梁
が前記大梁または前記壁に架設して設けられるととも
に、その配置方向が前記大梁または前記壁で区画される
一架設区画ごとに、隣接する一区画と直交する方向とさ
れていることを特徴とする建築物の躯体構造。
【請求項２】請求項１記載の建築物の躯体構造におい
て、前記外壁または区画壁の少なくとも一方がハーフプ
レキャストコンクリートで形成されていることを特徴と
する建築物の躯体構造。