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JPH06179768A - 発泡性熱可塑性樹脂粒子 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子

Info

Publication number
JPH06179768A
JPH06179768A JP33211792A JP33211792A JPH06179768A JP H06179768 A JPH06179768 A JP H06179768A JP 33211792 A JP33211792 A JP 33211792A JP 33211792 A JP33211792 A JP 33211792A JP H06179768 A JPH06179768 A JP H06179768A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
particles
thermoplastic resin
methacrylate
resin particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33211792A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Kanega
文明 金賀
Kazuhiko Kunitake
和彦 国武
Minoru Suzuki
実 鈴木
Kenji Kanamaru
健二 金丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP33211792A priority Critical patent/JPH06179768A/ja
Publication of JPH06179768A publication Critical patent/JPH06179768A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面を炭素原子数が5以上22以下の脂環式
炭化水素基を有するアルコールにより被覆してなる発泡
性熱可塑性樹脂粒子。 【効果】 上記発泡性熱可塑性樹脂粒子は、成形時間が
短かく、しかも予備発泡時にブロッキングの生成がな
く、成形品の融着、外観共に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な発泡性熱可塑性樹
脂粒子及び発泡成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂発泡体の
製造に広く用いられている方法は、まず発泡性熱可塑性
樹脂粒子を予備発泡装置で撹拌しながらスチームで加熱
し、所望の嵩密度まで発泡膨張(1次発泡)させ、次い
で膨張によって発泡粒子内の減圧状態を常圧あるいは常
圧付近まで回復させることを目的とした熟成工程を踏ま
え、最後に小孔、間隙を有する金型中に充填したのち、
スチームによって加熱(2次発泡)し、金型を冷却して
成形体内部の発泡圧を減少させ、発泡成形体を取り出す
というものである。近年、生産性の向上や材料費の低減
を目的として、成形時間の短縮化や低密度化が指向され
ている。
【0003】成形時間を短縮する方法として、例えば、
特公昭53−97060号公報や特公昭58−5656
8号公報には、発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に融点
50〜110℃のベヘニン酸、ステアリン酸、パルミチ
ン酸、ミリスチン酸およびラウリン酸からなる群から選
ばれた少なくとも一種の脂肪族カルボン酸とグリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ステ
アリルアルコールおよびセチルアルコールからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の脂肪族アルコールとのエス
テルと微粉滑剤との混合物を被覆する方法が記載されて
いる。発泡性ビニル系樹脂粒子の表面に微粉状の飽和脂
肪酸のトリグリセライドなどを被覆する方法は、成形時
間の短縮にとって非常に有効な手段である。しかし、予
備発泡の際、ブロッキングが起き易いという弊害もあ
る。ブロッキングは、予備発泡された粒子の熟成や風乾
を行うための熟成槽への移送や成形装置への移送などを
妨害する原因となる。このような理由から予備発泡した
際にブロッキングしない発泡性ビニル系樹脂粒子が求め
られる。このため、特公昭53−97060号公報や特
公昭58−56568号公報などには金属石ケンや脂肪
酸アミドなどの併用が例示される。
【0004】しかし、この方法では予備発泡時のブロッ
キングの発生は充分に抑制できない。特に、脂肪族カル
ボン酸とグリセリンなどの脂肪族アルコールとのエステ
ル類と併用する場合、その欠点は顕著となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの欠
点を解決するものであり、成形時間が短かく、しかもブ
ロッキングの発生がなく、成形品の融着、外観共に優れ
る発泡性熱可塑性樹脂粒子及び発泡成形品を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における発泡性熱
可塑性樹脂粒子は、その表面が炭素原子数5以上22以
下の脂環式炭化水素基を有するアルコールにより被覆さ
れてなるものである。
【0007】本発明において使用される炭素原子数が5
以上22以下の脂環式炭化水素基を有するアルコールと
しては、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルア
ルコール、メチルシクロヘキシルアルコール、トリメチ
ルシクロヘキシルアルコール、ノルボルニルアルコー
ル、ノルボルニルメチルアルコール、イソボルニルアル
コール、ボルニルアルコール、メンチルアルコール、ア
ダマンチルアルコール、ジメチルアダマンチルアルコー
ル、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イル
アルコール、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−
3−メチルアルコール、トリシクロ〔5,2,1,0
2,6〕デカ−4−メチルアルコール、シクロドデシルア
ルコール等がある。これらの中でも、シクロペンチルア
ルコール、シクロヘキシルアルコール、ノルボルニルア
ルコール、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8
−イルアルコールが好ましい。
【0008】炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭化
水素基を有するアルコールの樹脂粒子表面の被覆量は、
未被覆の発泡性熱可塑性樹脂粒子に対して0.05重量
%〜0.5重量%が好ましく、特に0.1〜0.3重量
%が好ましい。成形時間の短縮効果を充分に得るために
は、上記アルコールの被覆量が0.05重量%以上であ
ることが好ましい。一方、0.5重量%を超えると成形
時間の短縮の面からのみ評価すれば満足する結果が得ら
れるが、ブロッキングが発生したり、成形品の外観が悪
化しやすくなる傾向がある。
【0009】炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭化
水素基を有するアルコールを樹脂粒子表面に被覆するに
は、例えばこれらを液体、またはペースト状のまま加
え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の容器固
定式高速流動型混合機、ダブルコーン型ミキサー、ナフ
ター型ミキサー、V−ブレンダー、ローラー等を用いて
混合し、処理する。また、少量の発泡性熱可塑性樹脂粒
子を被覆処理する場合、ビニール袋など身近にある袋、
容器などに樹脂粒子と炭素原子数が5以上22以下の脂
環式炭化水素基を有するアルコールとを加えて混合処理
することもできる。
【0010】被覆する際に用いる炭素原子数が5以上2
2以下の脂環式炭化水素基を有するアルコールの量(添
加量)は、所望の被覆量よりも多く用いられるのが好ま
しい。これは被覆に使用する装置の容器内にも該アルコ
ールが付着し、被覆量は添加量より約20〜40重量%
少なくなる為である。従って、これらの減少分を踏まえ
て添加量が決定される。
【0011】得られる被覆された発泡性熱可塑性樹脂粒
子の実際の炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭化水
素基を有するアルコールの被覆量は、ガスクロマトグラ
フィーや高速液体クロマトグラフィー等の公知の方法に
より定量することができる。
【0012】発泡性熱可塑性樹脂粒子に炭素原子数が5
以上22以下の脂環式炭化水素基を有するアルコールを
被覆する場合、必要に応じて融着改良剤、帯電防止剤、
汎用のブロッキング防止剤等を同時に併用してもよい。
【0013】融着改良剤としては、ジペンタエリスリト
ール高級脂肪酸エステル、ソルビタン高級脂肪酸エステ
ル、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪
酸アミド、ステアリルアミン、硬化牛脂アミンなどの脂
肪族アミン、エチレンビスステアリルアミド、メチレン
ビスステアリルアミドなどの高級脂肪酸ビスアミドなど
が挙げられる。
【0014】帯電防止剤としては、エチレングリコー
ル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、あるいはカチオン系、
アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤が挙げら
れる。
【0015】ブロッキング防止剤としては、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸カドミウム等の金属石ケン、ロジ
ン、ロジンのカルシウム塩、炭酸カルシウム、タルク、
カオリン、硫酸バリウム等の無機物粉末等が挙げられ
る。
【0016】本発明における発泡性熱可塑性樹脂粒子の
樹脂成分そのものとしてはビニル系単量体の単独重合
体、2種類以上のビニル系単量体からなる共重合体、ま
たは、これらビニル系重合体をブレンドしてなるビニル
系樹脂が好ましく用いられる。具体的には、ビニル芳香
族炭化水素化合物、不飽和脂肪酸エステル、シアノビニ
ル化合物、不飽和2塩基酸、不飽和脂肪酸等の単独重合
体、これらの共重合体、これらの重合体をブレンドして
なる樹脂、エチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル
の如きエチレン共重合体、プロピレン単独重合体等が挙
げられる。これらの中でも特に本発明においてはスチレ
ンなどのビニル芳香族炭化水素化合物の単独、これらの
2種類以上の単量体との共重合体、ビニル芳香族炭化水
素化合物と共重合可能なその他の単量体を共重合した共
重合体、これら重合体のブレンド物等のスチレン系樹脂
が好ましい。
【0017】前記ビニル芳香族炭化水素化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−シ
クロヘキシルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ジメ
チルスチレン、α−ビニルナフタレン、β−ビニルナフ
タレン、α−イソプロペニルナフタレン、β−イソプロ
ペニルナフタレン、メトオキシスチレン、ヒドロオキシ
スチレン、カルボメトキシスチレン、アセトキシスチレ
ン、シアノスチレン等が挙げられる。これらの中では、
特にスチレンが好ましい。
【0018】不飽和脂肪酸エステルとしては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエス
テル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシ
クロヘキシル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸イソボ
ルニル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸シクロ
アルキルエステル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸ナフチル等のアクリル酸芳香族エス
テル、アクリル酸フルオロフェニル、アクリル酸クロロ
フェニル、アクリル酸ブロモフェニル、アクリル酸フル
オロベンジル、アクリル酸クロロベンジル、アクリル酸
ブロモベンジル等のアクリル酸置換芳香族エステル、ア
クリル酸フルオロメチル、アクリル酸フルオロエチル、
アクリル酸クロロエチル、アクリル酸ブロモエチル等の
アクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、アクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、ア
クリル酸エチレングリコールエステル、アクリル酸ポリ
エチレングリコールエステル、アクリル酸アルキルアミ
ノアルキルエステル、アクリル酸シアノアルキルエステ
ル等のアクリル酸エステル、α−フルオロアクリル酸エ
ステル、α−クロロアクリル酸エステル、α−シアノア
クリル酸エステル等のα−置換アクリル酸エステル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリ
ル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸ナフチル等のメタクリル
酸芳香族エステル、メタクリル酸フルオロフェニル、メ
タクリル酸クロロフェニル、メタクリル酸ブロモフェニ
ル、メタクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸クロ
ロベンジル、メタクリル酸ブロモベンジル等のメタクリ
ル酸置換芳香族エステル、メタクリル酸フルオロメチ
ル、メタクリル酸フルオロエチル、メタクリル酸クロロ
エチル、メタクリル酸ブロモエチル等のメタクリル酸ハ
ロゲン化アルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸エチレングリコールエステル、メタクリル酸ポリエチ
レングリコールエステル、メタクリル酸アルキルアミノ
アルキルエステル、メタクリル酸シアノアルキルエステ
ル等のメタクリル酸エステル、メタクリル酸シクロペン
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチ
ルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキ
シル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボ
ルニルメチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル
酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェ
ンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメ
チルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ〔5,2,
1,02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ
〔5,2,1,02,6〕デカ−9−イル、メタクリル酸
トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−3−メチル、
メタクリル酸トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−
4−メチル、メタクリル酸シクロドデシル等のメタクリ
ル酸脂環式エステルなどを挙げることができる。
【0019】シアノビニル化合物の例としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることが出来
る。
【0020】不飽和2塩基酸、その誘導体としては、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロ
ピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチ
ルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミ
ド、N−カルボキシフェニルマレイミドなどのN−置換
マレイミド、マレイン酸、フマル酸等を挙げることが出
来る。
【0021】不飽和脂肪酸、その誘導体としては前述の
不飽和脂肪酸エステルの外、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジエチル
アクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−
ジエチルメタクリルアミドなどのアクリル酸アミドもし
くはメタクリル酸アミド類、アクリル酸カルシウム、メ
タクリル酸カルシウム、アクリル酸バリウム、メタクリ
ル酸バリウム、アクリル酸鉛、メタクリル酸鉛、アクリ
ル酸スズ、メタクリル酸スズ、アクリル酸亜鉛、メタク
リル酸亜鉛等のアクリル酸もしくはメタクリル酸の金属
塩、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることが出来
る。
【0022】スチレン系樹脂を用いる場合、ビニル芳香
族炭化水素化合物と共重合可能な他の単量体としては、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、N−置換
マレイミドが好ましく、特にメチルメタクリレート、メ
チルアクリレート、メタクリル酸ノルボルニル、メタク
リル酸トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イ
ルが好ましい、また、この場合、ビニル芳香族化合物
と、それと共重合可能な他の単量体との比率は、後者/
前者の重量比で50/50〜/100であることが好ま
しく、特に好ましくは30/70〜0/100である。
【0023】ビニル系樹脂を製造する方法としては、ラ
ジカル重合法、イオン重合法、配位重合法等の公知の方
法が適用できる。粒子状の重合体を得る方法としては、
懸濁重合法によって直接球状の粒子を得る方法や塊状重
合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法によって得られ
た重合体を押出し機によってペレット状の粒子にする方
法などが用いられる。
【0024】熱可塑性樹脂粒子に発泡性を付与する発泡
剤としては、常温常圧下に液体または気体であり、か
つ、上記重合体を溶解しない易揮発性有機化合物が使用
できる。このようなものとしては、例えば、プロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の脂肪族
炭化水素、シクロヘキサン等の環状炭化水素、塩化メチ
レン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロジフル
オロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素が挙げられ
る。これら発泡剤の熱可塑性樹脂粒子への含浸量は、熱
可塑性樹脂粒子100重量部に対して1〜20重量部の
範囲であることが好ましく、特に2〜12重量部である
ことが好ましい。
【0025】本発明において、易揮発性有機化合物を発
泡剤として、これを熱可塑性樹脂粒子に含浸させるに
は、本発明における熱可塑性樹脂粒子を水性媒体中に懸
濁させ、これに易揮発性有機化合物を添加する方法があ
る。懸濁下での含浸は90〜130℃で行うのが好まし
い。熱可塑性樹脂粒子を懸濁重合により製造する場合、
この重合の後半に上記と同様にして発泡剤を含浸させ、
さらに重合を進めることができる。また、別の方法とし
ては、本発明における熱可塑性樹脂粒子と易揮発性有機
化合物を溶融混合してもよい。この場合、押出機を使用
することが好ましい。
【0026】熱可塑性樹脂粒子への発泡剤の含浸時に必
要に応じて可塑剤を存在させることができる。可塑剤と
しては、熱可塑性樹脂粒子を溶解または膨潤させること
ができる有機溶剤が使用でき、その沸点が、熱可塑性樹
脂の軟化点より約10℃低い温度以上で150℃以下の
ものが好ましい。可塑剤としては、エチルベンゼン、ト
ルエン、スチレン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化
水素、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレ
ン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素などが
ある。可塑剤は熱可塑性樹脂粒子に対し0〜5重量%使
用されるのが好ましく、使用する場合、熱可塑性樹脂粒
子に対し0.5重量%以上が好ましい。
【0027】また、発泡剤としては、熱分解によりN2
ガス、CO2ガス等のガスを発生する熱分解型化学発泡
剤を使用してもよい。このようなものとしては、アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾ
アミノベンゼン、N,N′−ジニトロペンタメチレンテ
トラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドロ
ラジノトリアジン等がある。このような発泡剤は熱可塑
性樹脂粒子に対して0.5〜5重量%含まれるのが好ま
しい。
【0028】熱分解型発泡剤を使用するときは、本発明
における熱可塑性樹脂と該発泡剤の分解温度以下で溶融
混合される。このとき、押出機を使用することが好まし
い。
【0029】なお、本発明に用いられる未被覆の発泡性
熱可塑性樹脂粒子は、顔料、難燃剤、酸化防止剤等の公
知の添加剤を含有させてもよい。以上のようにして得ら
れる本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子は、常法に従い発
泡成形し、発泡成形品とされる。
【0030】
【作用】炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭化水素
基を有するアルコールの樹脂粒子表面への被覆によって
粒子表層部の可塑化を促し、表層部中に含まれる発泡剤
の逸散を促進し、成形時間の短縮、成形品の融着と外観
を良くし、しかも1次発泡時でのブロッキング生成を抑
制しているものと推測している。発泡性熱可塑性樹脂粒
子に炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭化水素基を
有するアルコールを被覆する場合、必要に応じて融着改
良剤、帯電防止剤、汎用のブロッキング防止剤等を同時
に併用できる。
【0031】
【実施例】
実施例1 スチレン500gにベンゾイルパーオキサイド0.6g
を溶解した後、その溶液をイオン交換水600g、燐酸
三カルシウム1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.5%水溶液3gおよび硫酸ソーダ0.3gをそれぞ
れ分散または溶解し加えてあるオートクレーブ内に27
0rpmの撹拌下で投入した。次いで、85℃迄昇温
し、同温度で5時間重合し、引き続き105℃まで反応
温度を高め3時間重合した。この反応温度工程で、シク
ロヘキサンを10.5g(対スチレンモノマー2.1重
量%)、液状のブタンガスを65ml圧入した。その後
115℃まで反応温度を高め、重合率99.5重量%以
上となるように1時間ほどこの温度に保持し続けた。そ
の後、0.5℃/分の速度で冷却し、反応液の温度が4
5℃に到達した段階で過剰のブタンガスを除いた。この
操作が終了した後、ポリスチレン粒子を取り出し、塩酸
で粒子表面に付着している燐酸三カルシウムを溶解、除
去し、水洗を繰り返し行い、その後、脱水、乾燥した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定
したポリスチレンの重量平均分子量は22.5×104
であった。このブタン含有ポリスチレンを23℃の雰囲
気下に3日間放置した。この時の発泡剤の含有量はは
6.9重量%であった。この発泡性ポリスチレン粒子4
00gに、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8
−イルアルコール0.96g(対ポリスチレン0.24
重量%)、ステアリン酸亜鉛0.4g(対ポリスチレン
0.1重量%)、ジメチルシリコーンオイル(信越化学
工業(株)製、商品名KF96、25℃における粘度1
00cs)0.16g(対ポリスチレン0.04重量
%)をポリエチレン容器に加え、これをローラーに設置
し、30分間撹拌、混合した。得られた発泡性ポリスチ
レン粒子のトリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8
−イルアルコールの被覆量は、ガスクロマトグラフィー
法により測定した結果、未被覆の粒子に対し0.19重
量%であった。この混合物をスチームによって100℃
に加熱されたバッチ式小型予備発泡機に投入し予備発泡
させ、見掛密度20g/lの予備発泡粒子を得た。この
中にブロッキング物はなかった。予備発泡粒子をナイロ
ン製網袋に入れ、20時間熟成した。熟成された予備発
泡粒子を成形機(ダイセン工業(株)製、VS−300
型)に圧送し、スチーム圧力13.7×104Paの条
件で成形した。予備発泡粒子を圧送してから成形品の発
泡残圧が9.8×102Paと低下し、脱型するまでの
成形時間は43秒であった。成形品の融着度(成形品の
破断面において、破断されている発泡粒子と破断されて
いない発泡粒子のうち破断されている発泡粒子の割合)
は95%であり、成形品表面の粒子と粒子との境界面に
は凹部の形成はなく、外観良好な成形品が得られた。
【0032】実施例2 単量体の組成としてスチレン475g、メタクリル酸ト
リシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イル25g
の2成分とする以外は、実施例1と同様な方法に従い、
発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。この粒子400g
に、シクロペンチルアルコール0.68g(対スチレン
系樹脂0.17重量%)、ステアリン酸亜鉛0.32
g、ジメチルシリコーンオイル0.16gをポリエチレ
ン容器に加え、ローラーで30分間、混合した。得られ
た発泡性スチレン系粒子のシクロペンチルアルコールの
被覆量は、未被覆の粒子に対し0.58重量%であっ
た。これを予備発泡し、見掛密度19.2g/lの発泡
粒子を得た。この中にブロッキング物はなかった。これ
を実施例1と同様に成形したところ、成形時間は48秒
であり、融着度は90%、成形品表面の粒子と粒子との
境界面には凹部の形成はなく外観良好な成形品が得られ
た。
【0033】実施例3 スチレン500gにアジピン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)2.5gを溶解した他は、実施例1と同様な方法に
よって発泡性ポリスチレン粒子を得た。この発泡性ポリ
スチレン粒子400gにシクロヘキシルアルコール0.
96g、ステアリン酸亜鉛0.2gを加え、ローラーで
30分間撹拌、混合した。得られた発泡性ポリスチレン
粒子のシクロヘキシルアルコールの被覆量は、未被覆の
粒子に対し0.18重量%であった。これを予備発泡
し、見掛密度20.4g/lの発泡粒子を得た。この中
にブロッキング物はなかった。これを実施例1と同様に
成形したところ、成形時間は47秒であり、融着度は9
2%、成形品表面の粒子と粒子との境界面には凹部の形
成はなく外観良好な成形品が得られた。
【0034】実施例4 スチレン500gにエチレンビスステアリルアミド(日
本化成(株)製)0.25gを溶解し、他は実施例1と
同様な方法によって発泡性ポリスチレン粒子を得た。こ
の発泡性ポリスチレン粒子400gにノルボルニルアル
コール0.96g、ステアリン酸マグネシウム0.4g
を加え、ローラーで30分間撹拌、混合した。得られた
発泡性ポリスチレン粒子のノルボルニルアルコールの被
覆量は、未被覆の粒子に対し0.18重量%であった。
これを予備発泡し、見掛密度18.7g/lの発泡粒子
を得た。ブロッキング物はなかった。これを実施例1と
同様に成形したところ、成形時間は51秒であり、融着
度は89%、成形品表面の粒子と粒子との境界面には凹
部の形成はなく外観良好な成形品が得られた。
【0035】比較例1 実施例1と同様な方法によって発泡性ポリスチレン粒子
500gを得た。この粒子400gに牛脂極度硬化油
(日本油脂(株)製)0.96g、ステアリン酸亜鉛
0.4g、ジメチルシリコーンオイル0.16gを加え
ローラーで30分間撹拌、混合した。これを予備発泡
し、見掛密度18.9g/lの発泡粒子を得た。ブロッ
キング物が3.8g発生した。ブロッキング物を除き、
これを実施例1と同様に成形したところ、成形時間は4
8秒であり、融着度は90%であったが、成形品表面の
粒子と粒子との境界面には多数の凹部が形成され、外観
の良くない成形品が得られた。
【0036】比較例2 実施例1と同様な方法によって発泡性ポリスチレン粒子
500gを得た。この粒子400gにステアリン酸亜鉛
0.4g、ジメチルシリコーンオイル0.16gをポリ
容器に加え、ローラーで30分間撹拌、混合した。これ
を予備発泡し、見掛密度19.2g/lの発泡粒子を得
た。この中にブロッキング物はなかった。これを実施例
1と同様に成形したところ、成形品表面の粒子と粒子と
の境界面に凹部の形成はなく、外観良好な成形品が得ら
れたが、成形時間が64秒と長く、しかも融着度が25
%と低かった。なお、融着度は、得られた成形品を割っ
た時に、粒子界面で剥離せず粒子自身が割れるものの割
合をいう。
【0037】
【発明の効果】請求項1又は請求項2における発泡性熱
可塑性樹脂粒子は、予備発泡時にブロッキング物を発生
せず、成形した際の成形時間が短かく、しかも発泡成形
品の粒子間の融着と外観に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 健二 千葉県市原市五井南海岸14番地 日立化成 工業株式会社五井工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が炭素原子数が5以上22以下の脂
    環式炭化水素基を有するアルコールにより被覆されてな
    る発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 炭素原子数が5以上22以下の脂環式炭
    化水素基を有するアルコールの被覆量が、未被覆の発泡
    性熱可塑性樹脂粒子に対して0.05〜0.5重量%で
    ある請求項1記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003507513A (ja) * 1999-08-17 2003-02-25 ザ ダウ ケミカル カンパニー 易流動性ポリマー組成物

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JP2003507513A (ja) * 1999-08-17 2003-02-25 ザ ダウ ケミカル カンパニー 易流動性ポリマー組成物

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