JPH06176705A - カラー陰極線管およびその製造方法 - Google Patents
カラー陰極線管およびその製造方法Info
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- JPH06176705A JPH06176705A JP32311692A JP32311692A JPH06176705A JP H06176705 A JPH06176705 A JP H06176705A JP 32311692 A JP32311692 A JP 32311692A JP 32311692 A JP32311692 A JP 32311692A JP H06176705 A JPH06176705 A JP H06176705A
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- ray tube
- cathode ray
- color cathode
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カラー陰極線管の製造工程中の取扱いや熱処
理による、シャドウ・マスクや支持バネの機械的、熱的
変形で引き起こされる蛍光面の色ズレ等の問題を生じに
くいカラー陰極線管を提供する。また、印刷方式の蛍光
面製造が可能なカラー陰極線管の構造を提供する。 【構成】 本発明のカラー陰極線管では、蛍光面をパネ
ルのフェース・プレート部内面から切離し、別の透明基
板に形成し、映像スクリーンの垂直方向には直線で、水
平方向には一定の曲線を有する展張されたスリット状の
グリルから成るシャドウ・マスクと一体構造とした。透
明基板は蛍光面形成工程では平面状の構造とする。 【効果】 シャドウ・マスクと蛍光面が一体構造である
ため、各部品の変形の影響を殆ど受けず、蛍光面の色ズ
レ等の不具合も生じにくい高品位な陰極線管を得る事が
出来る。印刷方式の蛍光面構造が可能のため、カラー陰
極線管の大幅なコスト低減が可能である。
理による、シャドウ・マスクや支持バネの機械的、熱的
変形で引き起こされる蛍光面の色ズレ等の問題を生じに
くいカラー陰極線管を提供する。また、印刷方式の蛍光
面製造が可能なカラー陰極線管の構造を提供する。 【構成】 本発明のカラー陰極線管では、蛍光面をパネ
ルのフェース・プレート部内面から切離し、別の透明基
板に形成し、映像スクリーンの垂直方向には直線で、水
平方向には一定の曲線を有する展張されたスリット状の
グリルから成るシャドウ・マスクと一体構造とした。透
明基板は蛍光面形成工程では平面状の構造とする。 【効果】 シャドウ・マスクと蛍光面が一体構造である
ため、各部品の変形の影響を殆ど受けず、蛍光面の色ズ
レ等の不具合も生じにくい高品位な陰極線管を得る事が
出来る。印刷方式の蛍光面構造が可能のため、カラー陰
極線管の大幅なコスト低減が可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー陰極線管、特
に色選択電極として、シャドウ・マスクを有するカラー
陰極線管およびその製造方法に関するものである。
に色選択電極として、シャドウ・マスクを有するカラー
陰極線管およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】色選択電極として、シャドウ・マスクを
有する従来のカラー陰極線管の蛍光面およびシャドウ・
マスク部の構造並びに、その製造方法について、図23
〜図27により説明する。
有する従来のカラー陰極線管の蛍光面およびシャドウ・
マスク部の構造並びに、その製造方法について、図23
〜図27により説明する。
【0003】図23は、色選択電極として、スロット型
シャドウ・マスクを有する従来のカラー陰極線管の構造
を示す図であり、構造をわかりやすくするために、一部
断面を示している。図において、27は従来のカラー陰
極線管であり、これはパネル2とファンネル8とで真空
外囲器を構成している。パネル2とファンネル8は通
常、ガラスのプレスで出来ており、両者はカラー陰極線
管の製造工程中で、400〜450℃の温度で溶融、結
晶化するフリット・ガラス10により接合される。パネ
ル2はフェース・プレート部3と側壁部4とから成り、
フェース・プレート部3の内面には、ブラック・マトリ
ックス層、RGB3色蛍光体層、アルミ・バック層等が
形成されており、フェース・プレート部3と共に蛍光面
5を構成している。従って、フェース・プレート部3は
カラー陰極線管27の真空外囲器の一部の役割を担うと
共に、蛍光面5を形成するための基板の役割も果たして
いる。
シャドウ・マスクを有する従来のカラー陰極線管の構造
を示す図であり、構造をわかりやすくするために、一部
断面を示している。図において、27は従来のカラー陰
極線管であり、これはパネル2とファンネル8とで真空
外囲器を構成している。パネル2とファンネル8は通
常、ガラスのプレスで出来ており、両者はカラー陰極線
管の製造工程中で、400〜450℃の温度で溶融、結
晶化するフリット・ガラス10により接合される。パネ
ル2はフェース・プレート部3と側壁部4とから成り、
フェース・プレート部3の内面には、ブラック・マトリ
ックス層、RGB3色蛍光体層、アルミ・バック層等が
形成されており、フェース・プレート部3と共に蛍光面
5を構成している。従って、フェース・プレート部3は
カラー陰極線管27の真空外囲器の一部の役割を担うと
共に、蛍光面5を形成するための基板の役割も果たして
いる。
【0004】この蛍光面5に対して一定の間隔を置い
て、スロット型シャドウ・マスク28が対向配置されて
いる。このスロット型シャドウ・マスク28は0.1〜
0.3mmの厚みの、例えば鉄板に写真製版技術を利用
してパターニングを行い、エッチングにより細かいスロ
ット状の孔29をあけ、プレスにより一定の曲面に形成
され、金属フレーム7により保持されている。この金属
フレーム7は、一端がこの金属フレーム7自身に溶接さ
れた、支持バネ(図示せず)を介して、パネル2の側壁
部4の内面の定位置に埋め込まれた金属製ピン(図示せ
ず)により、懸架されている。この金属フレーム7の底
部にはファンネル8の内部に収納される内部磁気シール
ド25が取り付けられており、地磁気等の外部磁界の影
響によって発生する電子ビームの蛍光面へのミス・ラン
ディングによる蛍光面の色ズレ等の弊害を防止する。
て、スロット型シャドウ・マスク28が対向配置されて
いる。このスロット型シャドウ・マスク28は0.1〜
0.3mmの厚みの、例えば鉄板に写真製版技術を利用
してパターニングを行い、エッチングにより細かいスロ
ット状の孔29をあけ、プレスにより一定の曲面に形成
され、金属フレーム7により保持されている。この金属
フレーム7は、一端がこの金属フレーム7自身に溶接さ
れた、支持バネ(図示せず)を介して、パネル2の側壁
部4の内面の定位置に埋め込まれた金属製ピン(図示せ
ず)により、懸架されている。この金属フレーム7の底
部にはファンネル8の内部に収納される内部磁気シール
ド25が取り付けられており、地磁気等の外部磁界の影
響によって発生する電子ビームの蛍光面へのミス・ラン
ディングによる蛍光面の色ズレ等の弊害を防止する。
【0005】ファンネル8に連なる、ネック部12の内
部には、電子銃9(詳細な構造は図示せず)が封入され
ており、ここから発射されるRGB3色に対応する電子
ビームがスロット型シャドウ・マスク28のスロット状
の孔29を通過して、正確に所望の色の蛍光体に射突す
ることにより、蛍光面の発光が行われる。アノード・ボ
タン11は、ファンネル8に埋め込まれた金属製の電極
で、カラー陰極線管27の蛍光面5等に印加する高電圧
を外部から供給するためのものである。パネル2を構成
するフェース・プレート部3の形状に関しては、従来は
単純な球面の一部を切り出したような形状をとるものが
多かったが、最近はテレビジョン・セットの映像スクリ
ーンすなわち蛍光面5のフェース・プレート部3を出来
るだけフラットに見せ、かつガラス・バルブの真空外囲
器の大気圧に対する強度を維持するために、複雑な曲面
で構成される非球面構造をとるものが多い。すなわち、
図中に示す映像スクリーンの水平方向断面、垂直方向断
面共に複雑な曲線で構成されている。このような蛍光面
5のフェース・プレート部3の形状の複雑化に伴い、色
選択電極としてのスロット型シャドウ・マスク28の形
状も複雑になっており、映像スクリーンの水平方向に対
応する断面、並びに垂直方向に対応する断面共に複雑な
曲線で構成されている。
部には、電子銃9(詳細な構造は図示せず)が封入され
ており、ここから発射されるRGB3色に対応する電子
ビームがスロット型シャドウ・マスク28のスロット状
の孔29を通過して、正確に所望の色の蛍光体に射突す
ることにより、蛍光面の発光が行われる。アノード・ボ
タン11は、ファンネル8に埋め込まれた金属製の電極
で、カラー陰極線管27の蛍光面5等に印加する高電圧
を外部から供給するためのものである。パネル2を構成
するフェース・プレート部3の形状に関しては、従来は
単純な球面の一部を切り出したような形状をとるものが
多かったが、最近はテレビジョン・セットの映像スクリ
ーンすなわち蛍光面5のフェース・プレート部3を出来
るだけフラットに見せ、かつガラス・バルブの真空外囲
器の大気圧に対する強度を維持するために、複雑な曲面
で構成される非球面構造をとるものが多い。すなわち、
図中に示す映像スクリーンの水平方向断面、垂直方向断
面共に複雑な曲線で構成されている。このような蛍光面
5のフェース・プレート部3の形状の複雑化に伴い、色
選択電極としてのスロット型シャドウ・マスク28の形
状も複雑になっており、映像スクリーンの水平方向に対
応する断面、並びに垂直方向に対応する断面共に複雑な
曲線で構成されている。
【0006】図24は、従来のカラー陰極線管27の垂
直方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述したごと
く、パネル2のフェース・プレート部3およびスロット
型シャドウ・マスク28の断面共に複雑な曲線を有して
いる。また、スロット型シャドウ・マスク28を保持し
た金属フレーム7は、一端がこの金属フレーム7自身に
溶接された支持バネ14を介して、パネル2の側壁部4
の内面の定位置に埋め込まれた金属製ピン15により、
懸架されている。ファンネル8の内面には、内部導電膜
17が塗布されており、アノード・ボタン11から供給
された高電圧を導通バネ16を介して、金属フレーム7
およびスロット型シャドウ・マスク28へ導く。金属フ
レーム7へ導かれた高電圧は、また一端がこの金属フレ
ーム7自身に溶接された支持バネ14およびこれに嵌合
する金属製ピン15を経て、この金属製ピン15と蛍光
面5の導電性のブラック・マトリックス層20およびア
ルミ・バック層22を電気的に導通させるピン導通膜3
0を介して、蛍光面5へ印加される。
直方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述したごと
く、パネル2のフェース・プレート部3およびスロット
型シャドウ・マスク28の断面共に複雑な曲線を有して
いる。また、スロット型シャドウ・マスク28を保持し
た金属フレーム7は、一端がこの金属フレーム7自身に
溶接された支持バネ14を介して、パネル2の側壁部4
の内面の定位置に埋め込まれた金属製ピン15により、
懸架されている。ファンネル8の内面には、内部導電膜
17が塗布されており、アノード・ボタン11から供給
された高電圧を導通バネ16を介して、金属フレーム7
およびスロット型シャドウ・マスク28へ導く。金属フ
レーム7へ導かれた高電圧は、また一端がこの金属フレ
ーム7自身に溶接された支持バネ14およびこれに嵌合
する金属製ピン15を経て、この金属製ピン15と蛍光
面5の導電性のブラック・マトリックス層20およびア
ルミ・バック層22を電気的に導通させるピン導通膜3
0を介して、蛍光面5へ印加される。
【0007】この図のC部拡大図では、蛍光面5の構造
がよくわからないが、ブラック・マトリックス層20に
関しては、紙面と垂直な方向に多数の開口部および非開
口部を有する。また、RGB3色蛍光体層21に関して
は、上記ブラック・マトリックス層の開口部に対応し
て、紙面と垂直な方向に連続する多数のRGB3色蛍光
体のストライプを有する。また、内部磁気シールド25
は、ファンネル8のネック側外面に取りつけられる偏向
ヨーク(図示せず)の開口部近辺まで、ファンネル8の
内部を覆うような形で取りつけられる。
がよくわからないが、ブラック・マトリックス層20に
関しては、紙面と垂直な方向に多数の開口部および非開
口部を有する。また、RGB3色蛍光体層21に関して
は、上記ブラック・マトリックス層の開口部に対応し
て、紙面と垂直な方向に連続する多数のRGB3色蛍光
体のストライプを有する。また、内部磁気シールド25
は、ファンネル8のネック側外面に取りつけられる偏向
ヨーク(図示せず)の開口部近辺まで、ファンネル8の
内部を覆うような形で取りつけられる。
【0008】図25は、同様に従来のカラー陰極線管2
7の水平方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述し
たごとく、パネル2のフェース・プレート部3およびス
ロット型シャドウ・マスク28の断面共に複雑な曲線を
有している。この図のD部拡大図では、パネル2のフェ
ース・プレート部3の内面に形成された、ブラック・マ
トリックス層20、RGB3色蛍光体層21およびアル
ミ・バック層22等からなる蛍光面5が示されている。
RGB3色蛍光体層21は紙面と垂直な方向に連続した
細長いストライプ状の構造を有している。また、スロッ
ト型シャドウ・マスク28は紙面と垂直な方向に長いス
ロット状の孔29を持っている。
7の水平方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述し
たごとく、パネル2のフェース・プレート部3およびス
ロット型シャドウ・マスク28の断面共に複雑な曲線を
有している。この図のD部拡大図では、パネル2のフェ
ース・プレート部3の内面に形成された、ブラック・マ
トリックス層20、RGB3色蛍光体層21およびアル
ミ・バック層22等からなる蛍光面5が示されている。
RGB3色蛍光体層21は紙面と垂直な方向に連続した
細長いストライプ状の構造を有している。また、スロッ
ト型シャドウ・マスク28は紙面と垂直な方向に長いス
ロット状の孔29を持っている。
【0009】このような従来のカラー陰極線管27にお
いては、電子銃9から発射されたRGB3色に対応する
電子ビームは、ファンネル8のネック側外面に取りつけ
られた偏向ヨーク(図示せず)により電磁的に偏向され
た後、スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の
孔29を通って、蛍光面5のRGB3色蛍光体層21へ
到達し、電子ビームのエネルギーにより所望の蛍光体を
励起発光させる。このようにして、カラー陰極線管27
の蛍光面5に映像が映し出されるのである。このため、
スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔29
と蛍光面5のRGB3色蛍光体層21との幾何学的位置
関係は非常に重要であり、これがなんらかの原因でズレ
てしまうと、各色に対応する電子ビームが、所望の蛍光
体層に当たらずに他の蛍光体層を励起発光させてしまう
ので、蛍光面5に映し出された映像に色ズレ等の不都合
を生じてしまう。
いては、電子銃9から発射されたRGB3色に対応する
電子ビームは、ファンネル8のネック側外面に取りつけ
られた偏向ヨーク(図示せず)により電磁的に偏向され
た後、スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の
孔29を通って、蛍光面5のRGB3色蛍光体層21へ
到達し、電子ビームのエネルギーにより所望の蛍光体を
励起発光させる。このようにして、カラー陰極線管27
の蛍光面5に映像が映し出されるのである。このため、
スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔29
と蛍光面5のRGB3色蛍光体層21との幾何学的位置
関係は非常に重要であり、これがなんらかの原因でズレ
てしまうと、各色に対応する電子ビームが、所望の蛍光
体層に当たらずに他の蛍光体層を励起発光させてしまう
ので、蛍光面5に映し出された映像に色ズレ等の不都合
を生じてしまう。
【0010】このように、蛍光面5のブラック・マトリ
ックス層20の開口位置、すなわちRGB3色蛍光体層
21の形成位置とスロット型シャドウ・マスク28のス
ロット状の孔29との幾何学的位置関係が非常に重要で
あるため、従来はスロット型シャドウ・マスク28のス
ロット状の孔29を基準にして、写真製版の技術を用い
て、蛍光面5のブラック・マトリックス層20およびR
GB3色蛍光体層21の形成が行われていた。従って、
蛍光面5の形成に使用したスロット型シャドウ・マスク
28と出来上がった蛍光面5とは、以降はカラー陰極線
管27が完成するまで、常に組合わせが固定したペアー
として取り扱われる。以下、図26および27により、
従来の写真製版の技術による蛍光面5の形成方法につい
て詳しく説明する。
ックス層20の開口位置、すなわちRGB3色蛍光体層
21の形成位置とスロット型シャドウ・マスク28のス
ロット状の孔29との幾何学的位置関係が非常に重要で
あるため、従来はスロット型シャドウ・マスク28のス
ロット状の孔29を基準にして、写真製版の技術を用い
て、蛍光面5のブラック・マトリックス層20およびR
GB3色蛍光体層21の形成が行われていた。従って、
蛍光面5の形成に使用したスロット型シャドウ・マスク
28と出来上がった蛍光面5とは、以降はカラー陰極線
管27が完成するまで、常に組合わせが固定したペアー
として取り扱われる。以下、図26および27により、
従来の写真製版の技術による蛍光面5の形成方法につい
て詳しく説明する。
【0011】図27は、従来のカラー陰極線管27のブ
ラック・マトリックス層20やRGB3色蛍光体層21
等の蛍光面5を写真製版法により形成するための露光装
置60の概略断面図を示す。フェース・プレート部3の
内面にブラック・マトリックス層20を形成するための
フォトレジストや蛍光体スラリー等の感光材59等を塗
布、成膜、乾燥されたパネル2は、露光装置60上の定
位置にストッパー65により正確に位置決めして固定さ
れる。この時、パネル2の内面には金属フレーム7によ
り保持されたスロット型シャドウ・マスク28が、支持
バネ14を介してパネル2の側壁部4の内面に埋め込ま
れた金属製ピン15により定位置に懸架、固定されてい
る。
ラック・マトリックス層20やRGB3色蛍光体層21
等の蛍光面5を写真製版法により形成するための露光装
置60の概略断面図を示す。フェース・プレート部3の
内面にブラック・マトリックス層20を形成するための
フォトレジストや蛍光体スラリー等の感光材59等を塗
布、成膜、乾燥されたパネル2は、露光装置60上の定
位置にストッパー65により正確に位置決めして固定さ
れる。この時、パネル2の内面には金属フレーム7によ
り保持されたスロット型シャドウ・マスク28が、支持
バネ14を介してパネル2の側壁部4の内面に埋め込ま
れた金属製ピン15により定位置に懸架、固定されてい
る。
【0012】このような状態で露光用光源64からの紫
外線により、スロット型シャドウ・マスク28のスロッ
ト状の孔29を介して感光材59の露光を行う。この
時、露光用光源64とパネル2との間には、カラー陰極
線管27動作時の電子ビームの飛跡と露光時の光跡とを
一致させるためのメイン・レンズ61や補助レンズ62
並びにパネル2の内面での露光量を、均一化するための
調光フイルター63等が設置される。一定条件での露光
が終了すると、例えば一定温度の脱イオン水によりパネ
ル2の内面の現像を行い、内面を乾燥して1サイクルの
パターニング工程が終了する。従って、従来のカラー陰
極線管27の蛍光面5の製造においては、これらの感光
材59等の塗布、成膜、乾燥から露光、現像、乾燥まで
の工程を合計4回も繰り返すことが必要であり製造工程
的には非常に複雑なものとなっている。
外線により、スロット型シャドウ・マスク28のスロッ
ト状の孔29を介して感光材59の露光を行う。この
時、露光用光源64とパネル2との間には、カラー陰極
線管27動作時の電子ビームの飛跡と露光時の光跡とを
一致させるためのメイン・レンズ61や補助レンズ62
並びにパネル2の内面での露光量を、均一化するための
調光フイルター63等が設置される。一定条件での露光
が終了すると、例えば一定温度の脱イオン水によりパネ
ル2の内面の現像を行い、内面を乾燥して1サイクルの
パターニング工程が終了する。従って、従来のカラー陰
極線管27の蛍光面5の製造においては、これらの感光
材59等の塗布、成膜、乾燥から露光、現像、乾燥まで
の工程を合計4回も繰り返すことが必要であり製造工程
的には非常に複雑なものとなっている。
【0013】図26は、このような従来のカラー陰極線
管27の蛍光面5の製造の過程を図示するものであり、
はパネル2のフェース・プレート部3の内面のブラッ
ク・マトリックス層20の形成を示す。先ずフェース・
プレート部3の内面を弗化水素酸等で洗浄した後、例え
ばPVP(ポリビニル・ピロリドン)に感光化剤として
アジド系の物質を添加したフォト・レジストを塗布、成
膜、乾燥し、パネル2の内面の定位置に、スロット型シ
ャドウ・マスク28を取りつけ露光装置60上の定位置
にセットし、カラー陰極線管27の動作時のRGB3色
の電子ビーム位置に対応させて、露光用光源64の位置
等を変えて、3回の露光を行う。この後、パネル2の内
面に例えば40℃の脱イオン水をスプレイして現像を行
い、乾燥してスロット型シャドウ・マスク28のスロッ
ト状の孔29の1列の開口列あたり3本の硬化フォト・
レジストの仮ストライプを形成する。 この後、パネル
2のフェース・プレート部3の内面の全面に黒色材料を
含む懸濁液の塗布、成膜、乾燥が行われ、リフトオフ法
により、例えば過酸化水素水等の酸化剤により、硬化フ
ォト・レジストの仮ストライプの膨潤、分解を行うと、
スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔29
の一列の開口列あたり3本のストライプ状の開口部を有
する、ブラック・マトリックス層20の形成が完了す
る。
管27の蛍光面5の製造の過程を図示するものであり、
はパネル2のフェース・プレート部3の内面のブラッ
ク・マトリックス層20の形成を示す。先ずフェース・
プレート部3の内面を弗化水素酸等で洗浄した後、例え
ばPVP(ポリビニル・ピロリドン)に感光化剤として
アジド系の物質を添加したフォト・レジストを塗布、成
膜、乾燥し、パネル2の内面の定位置に、スロット型シ
ャドウ・マスク28を取りつけ露光装置60上の定位置
にセットし、カラー陰極線管27の動作時のRGB3色
の電子ビーム位置に対応させて、露光用光源64の位置
等を変えて、3回の露光を行う。この後、パネル2の内
面に例えば40℃の脱イオン水をスプレイして現像を行
い、乾燥してスロット型シャドウ・マスク28のスロッ
ト状の孔29の1列の開口列あたり3本の硬化フォト・
レジストの仮ストライプを形成する。 この後、パネル
2のフェース・プレート部3の内面の全面に黒色材料を
含む懸濁液の塗布、成膜、乾燥が行われ、リフトオフ法
により、例えば過酸化水素水等の酸化剤により、硬化フ
ォト・レジストの仮ストライプの膨潤、分解を行うと、
スロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔29
の一列の開口列あたり3本のストライプ状の開口部を有
する、ブラック・マトリックス層20の形成が完了す
る。
【0014】はパネル2のフェース・プレート部3の
内面に形成された、ブラック・マトリックス層20のス
トライプ状開口部の内、G(緑色)対応の開口部へのG
(緑色)蛍光体層の形成を示す。例えば、PVA(ポリ
ビニル・アルコール)に感光化剤として重クロム酸ナト
リウムを添加した溶液に各種界面活性剤を加えたのち、
平均粒径が5乃至15μmの例えば硫化亜鉛系のG(緑
色)発光蛍光体〔ZnS:Cu,Au,Al等〕を分散
させてG色蛍光体スラリーを調合する。 このG色蛍光
体スラリーをブラック・マトリックス層20が形成され
たパネル2のフェース・プレート部3の内面に塗布、成
膜、乾燥し、パネル2の内面の定位置にスロット型シャ
ドウ・マスク28を取りつけ露光装置60上の定位置に
セットし、カラー陰極線管27の動作時のG(緑色)の
電子ビーム位置に対応させた露光用光源64の位置によ
り露光を行う。この後、パネル2の内面を例えば40℃
の脱イオン水をスプレイして現像を行い、乾燥してブラ
ック・マトリックス層20のG(緑色)に対応するスト
ライプ状開口部にG(緑色)蛍光体層の形成が完了す
る。
内面に形成された、ブラック・マトリックス層20のス
トライプ状開口部の内、G(緑色)対応の開口部へのG
(緑色)蛍光体層の形成を示す。例えば、PVA(ポリ
ビニル・アルコール)に感光化剤として重クロム酸ナト
リウムを添加した溶液に各種界面活性剤を加えたのち、
平均粒径が5乃至15μmの例えば硫化亜鉛系のG(緑
色)発光蛍光体〔ZnS:Cu,Au,Al等〕を分散
させてG色蛍光体スラリーを調合する。 このG色蛍光
体スラリーをブラック・マトリックス層20が形成され
たパネル2のフェース・プレート部3の内面に塗布、成
膜、乾燥し、パネル2の内面の定位置にスロット型シャ
ドウ・マスク28を取りつけ露光装置60上の定位置に
セットし、カラー陰極線管27の動作時のG(緑色)の
電子ビーム位置に対応させた露光用光源64の位置によ
り露光を行う。この後、パネル2の内面を例えば40℃
の脱イオン水をスプレイして現像を行い、乾燥してブラ
ック・マトリックス層20のG(緑色)に対応するスト
ライプ状開口部にG(緑色)蛍光体層の形成が完了す
る。
【0015】その後、同様の手法により、のごとく
硫化亜鉛系のB(青色)発光蛍光体〔ZnS:Ag〕を
分散させたB色蛍光体スラリーによりブラック・マトリ
ックス層20のB(青色)に対応するストライプ状開口
部にB(青色)蛍光体層を、また、希土類系のR(赤
色)発光蛍光体〔Y2 O2 S:Eu〕を分散させたR色
蛍光体スラリーにより、ブラック・マトリックス層20
のR(赤色)に対応するストライプ状開口部にR(赤
色)蛍光体層を形成してRGB3色蛍光体層21が完成
する。
硫化亜鉛系のB(青色)発光蛍光体〔ZnS:Ag〕を
分散させたB色蛍光体スラリーによりブラック・マトリ
ックス層20のB(青色)に対応するストライプ状開口
部にB(青色)蛍光体層を、また、希土類系のR(赤
色)発光蛍光体〔Y2 O2 S:Eu〕を分散させたR色
蛍光体スラリーにより、ブラック・マトリックス層20
のR(赤色)に対応するストライプ状開口部にR(赤
色)蛍光体層を形成してRGB3色蛍光体層21が完成
する。
【0016】このように、写真製版法による従来の蛍光
面5の製造方法は、製造工程的に非常に複雑であり、ブ
ラック・マトリックス層20、G(緑色)蛍光体層、B
(青色)蛍光体層、R(赤色)蛍光体層の各々の形成に
際して、塗布、成膜、乾燥、露光、現像、乾燥の工程を
繰り返す必要がある。これらの工程では、薬液の濃度、
温度、スピン・コート法による成膜の際のパネル2の回
転数や時間や表面温度、膜の乾燥条件、露光の際のパネ
ル2の温度および露光量、現像の際の液温と時間、また
写真製版を行う部屋全体の雰囲気の温度、湿度等プロセ
スのコントロールの善し悪しが出来た製品の品質や歩留
まりに微妙に影響を与える。このため製造設備としても
非常に大がかりなものとなり、初期の設備投資額も大き
い上に、運転コストも高価なものとなり、カラー陰極線
管27のコスト・アップ大きな要因となっている。
面5の製造方法は、製造工程的に非常に複雑であり、ブ
ラック・マトリックス層20、G(緑色)蛍光体層、B
(青色)蛍光体層、R(赤色)蛍光体層の各々の形成に
際して、塗布、成膜、乾燥、露光、現像、乾燥の工程を
繰り返す必要がある。これらの工程では、薬液の濃度、
温度、スピン・コート法による成膜の際のパネル2の回
転数や時間や表面温度、膜の乾燥条件、露光の際のパネ
ル2の温度および露光量、現像の際の液温と時間、また
写真製版を行う部屋全体の雰囲気の温度、湿度等プロセ
スのコントロールの善し悪しが出来た製品の品質や歩留
まりに微妙に影響を与える。このため製造設備としても
非常に大がかりなものとなり、初期の設備投資額も大き
い上に、運転コストも高価なものとなり、カラー陰極線
管27のコスト・アップ大きな要因となっている。
【0017】このような写真版法による蛍光面5の製造
方法に代わる、簡便な方法として印刷法による方法が提
案されている。これは例えばスクリーン印刷法等を利用
して、ブラック・マトリックス層20、G(緑色)蛍光
体層、B(青色)蛍光体層、R(赤色)蛍光体層等を順
番に形成せんとするものである。印刷方式の場合はブラ
ック・マトリックス層や蛍光発光体層等に対応する各々
の版により蛍光面のパターニングが出来るので、製造プ
ロセスとしては非常に簡単である。
方法に代わる、簡便な方法として印刷法による方法が提
案されている。これは例えばスクリーン印刷法等を利用
して、ブラック・マトリックス層20、G(緑色)蛍光
体層、B(青色)蛍光体層、R(赤色)蛍光体層等を順
番に形成せんとするものである。印刷方式の場合はブラ
ック・マトリックス層や蛍光発光体層等に対応する各々
の版により蛍光面のパターニングが出来るので、製造プ
ロセスとしては非常に簡単である。
【0018】しかしながら、カラー陰極線管27の蛍光
面5の印刷の場合は、問題も多く、 (1)通常のカラー陰極線管27の蛍光面5が形成され
るパネル2のフェース・プレート部3の内面は非常に複
雑な形状をしており、印刷用の版をうまく密着させるの
が難しい。 (2)また、このパネル2はガラス材料のプレス加工に
より、製造されているためにフェース・プレート部3の
内面の形状のバラツキが大きいので、(通常、内面のう
ねりの成分としては±300μm程度あると言われてい
る。)上記(1)と同様に版の密着がうまく行かない。 (3)このパネル2は側壁部4を有するために、印刷の
際にパネル2のフェース・プレート部3の内面に密着さ
せる時に、この側壁部4が干渉して邪魔になる。 等の理由によりいまだ実用化には至っていない。
面5の印刷の場合は、問題も多く、 (1)通常のカラー陰極線管27の蛍光面5が形成され
るパネル2のフェース・プレート部3の内面は非常に複
雑な形状をしており、印刷用の版をうまく密着させるの
が難しい。 (2)また、このパネル2はガラス材料のプレス加工に
より、製造されているためにフェース・プレート部3の
内面の形状のバラツキが大きいので、(通常、内面のう
ねりの成分としては±300μm程度あると言われてい
る。)上記(1)と同様に版の密着がうまく行かない。 (3)このパネル2は側壁部4を有するために、印刷の
際にパネル2のフェース・プレート部3の内面に密着さ
せる時に、この側壁部4が干渉して邪魔になる。 等の理由によりいまだ実用化には至っていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来のカラー陰極線管
では蛍光面5の形成時には、写真製版法を使用している
のでスロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔
29と蛍光面5のRGB3色蛍光体層21との幾何学位
置関係は良く合っているが、その後の、取扱いや熱処理
等により、スロット型シャドウ・マスク28や金属フレ
ーム7や支持バネ14が機械的、熱的に変形して、幾何
学的位置関係にズレを生じて、カラー陰極線管27が完
成した後の動作時に色ズレ等の不都合を生じるなどの問
題点があった。
では蛍光面5の形成時には、写真製版法を使用している
のでスロット型シャドウ・マスク28のスロット状の孔
29と蛍光面5のRGB3色蛍光体層21との幾何学位
置関係は良く合っているが、その後の、取扱いや熱処理
等により、スロット型シャドウ・マスク28や金属フレ
ーム7や支持バネ14が機械的、熱的に変形して、幾何
学的位置関係にズレを生じて、カラー陰極線管27が完
成した後の動作時に色ズレ等の不都合を生じるなどの問
題点があった。
【0020】また、従来のカラー陰極線管27では蛍光
面5の形成時に、写真製版法を使用しているので、蛍光
面の製造工程で最低でも合計4回の塗布、成膜、乾燥、
露光、現像、乾燥を繰り返す必要があり、製造工程が非
常に複雑化して、歩留まり面や設備投資面でカラー陰極
線管27の製造上で非常にコスト・アップ要因となる上
に、製造工程のスペースとしても、多大な面積を要する
と言う問題点もあった。また、これに代わる簡便な方法
として印刷法による蛍光面5の製法の提案もあるが、主
としてパネル2の形状的な問題により、実用化には至っ
ていない。
面5の形成時に、写真製版法を使用しているので、蛍光
面の製造工程で最低でも合計4回の塗布、成膜、乾燥、
露光、現像、乾燥を繰り返す必要があり、製造工程が非
常に複雑化して、歩留まり面や設備投資面でカラー陰極
線管27の製造上で非常にコスト・アップ要因となる上
に、製造工程のスペースとしても、多大な面積を要する
と言う問題点もあった。また、これに代わる簡便な方法
として印刷法による蛍光面5の製法の提案もあるが、主
としてパネル2の形状的な問題により、実用化には至っ
ていない。
【0021】また、従来のカラー陰極線管27では真空
外囲器としてのガラス・バルブの内、ファンネル8には
X線防御対策として比較的低コストの鉛(Pb)添加ガ
ラスを使用していたが、パネル2は電子線によるガラス
の着色現象(ブラウニング現象)を緩和する必要性から
鉛(Pb)添加ガラスを使用出来ず、高価なストロンチ
ウム(Sr)添加ガラスを使用していたためにコスト上
の問題もあった。また、2種類の組成の異なるガラスを
カラー陰極線管27の製造工程中でフリット・ガラス1
0により接合する必要が有り、熱膨張係数の一致など技
術的にも微妙で難しい問題を有する。
外囲器としてのガラス・バルブの内、ファンネル8には
X線防御対策として比較的低コストの鉛(Pb)添加ガ
ラスを使用していたが、パネル2は電子線によるガラス
の着色現象(ブラウニング現象)を緩和する必要性から
鉛(Pb)添加ガラスを使用出来ず、高価なストロンチ
ウム(Sr)添加ガラスを使用していたためにコスト上
の問題もあった。また、2種類の組成の異なるガラスを
カラー陰極線管27の製造工程中でフリット・ガラス1
0により接合する必要が有り、熱膨張係数の一致など技
術的にも微妙で難しい問題を有する。
【0022】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、カラー陰極線管の蛍光面のRG
B3色蛍光体層とシャドウ・マスクの孔との幾何学的位
置関係にズレを生じにくいとともに、蛍光面の製造方法
も非常に簡略化、低コスト化出来、また、真空外囲器と
してのガラス・バルブの材質もパネルおよびファンネル
共に比較的低コストの鉛(Pb)添加ガラスにより構成
出来る低製造コストのカラー陰極線管を得る事を目的と
しており、さらにこのカラー陰極線管に適した製造方法
を提供する事を目的とする。
ためになされたもので、カラー陰極線管の蛍光面のRG
B3色蛍光体層とシャドウ・マスクの孔との幾何学的位
置関係にズレを生じにくいとともに、蛍光面の製造方法
も非常に簡略化、低コスト化出来、また、真空外囲器と
してのガラス・バルブの材質もパネルおよびファンネル
共に比較的低コストの鉛(Pb)添加ガラスにより構成
出来る低製造コストのカラー陰極線管を得る事を目的と
しており、さらにこのカラー陰極線管に適した製造方法
を提供する事を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明に係るカラー陰
極線管では、蛍光面をパネルのフェース・プレート部内
面から切離し、別の透明基板に形成し、映像スクリーン
の垂直方向には直線で、水平方向には一定の曲線構造を
有する展張されたスリット状グリルから成るシャドウ・
マスクと一体構造にしたものである。また、真空外囲器
を構成するパネルのガラスの材料をファンネルのガラス
と全く同じ材質の鉛(Pb)添加ガラスにより構成する
ようにしたものである。また、このような透明基板に蛍
光面を形成する際の方法として、従来の写真製版法に代
えて印刷法にて行うようにしたものである。
極線管では、蛍光面をパネルのフェース・プレート部内
面から切離し、別の透明基板に形成し、映像スクリーン
の垂直方向には直線で、水平方向には一定の曲線構造を
有する展張されたスリット状グリルから成るシャドウ・
マスクと一体構造にしたものである。また、真空外囲器
を構成するパネルのガラスの材料をファンネルのガラス
と全く同じ材質の鉛(Pb)添加ガラスにより構成する
ようにしたものである。また、このような透明基板に蛍
光面を形成する際の方法として、従来の写真製版法に代
えて印刷法にて行うようにしたものである。
【0024】
【作用】この発明におけるカラー陰極線管では蛍光面を
パネルのフェース・プレート部内面から切離し、別の透
明基板に形成し、映像スクリーンの垂直方向には直線
で、水平方向には一定の曲線構造を有する展張されたス
リット状グリルから成るシャドウ・マスクと一体構造と
しているので、カラー陰極線管の製造工程中の取扱いや
熱処理等により、シャドウ・マスク面やそれを支えるフ
レームや支持バネ等が機械的、熱的変形を起こしてもシ
ャドウ・マスクと蛍光面が一体で変化するために、カラ
ー陰極線管の完成後の動作時に発光の色ズレ等の不都合
を生じにくい。
パネルのフェース・プレート部内面から切離し、別の透
明基板に形成し、映像スクリーンの垂直方向には直線
で、水平方向には一定の曲線構造を有する展張されたス
リット状グリルから成るシャドウ・マスクと一体構造と
しているので、カラー陰極線管の製造工程中の取扱いや
熱処理等により、シャドウ・マスク面やそれを支えるフ
レームや支持バネ等が機械的、熱的変形を起こしてもシ
ャドウ・マスクと蛍光面が一体で変化するために、カラ
ー陰極線管の完成後の動作時に発光の色ズレ等の不都合
を生じにくい。
【0025】また、この発明におけるカラー陰極線管で
は蛍光面をパネルのフェース・プレート部内面から切離
し、別の透明基板に形成するので、パネルのフェース・
プレート部内面には電子ビームが直接にはあたらない。
従って、比較的低コストの鉛(Pb)添加ガラスをパネ
ルの材料として使用しても、電子線によるガラスの着色
現象(ブラウニング現象)の発生の心配は無く、ファン
ネルと全く同じ材質のガラスでもあるため、カラー陰極
線管の低コスト化が可能となる。
は蛍光面をパネルのフェース・プレート部内面から切離
し、別の透明基板に形成するので、パネルのフェース・
プレート部内面には電子ビームが直接にはあたらない。
従って、比較的低コストの鉛(Pb)添加ガラスをパネ
ルの材料として使用しても、電子線によるガラスの着色
現象(ブラウニング現象)の発生の心配は無く、ファン
ネルと全く同じ材質のガラスでもあるため、カラー陰極
線管の低コスト化が可能となる。
【0026】また、この発明におけるカラー陰極線管で
は蛍光面をパネルのフェース・プレート部内面から切離
し、別の透明基板(蛍光面形成時は平面状)に形成する
ので、従来、パネルの形状や内面の平面精度のために適
用が困難であった印刷方式の蛍光面の製法が適用出来
る。
は蛍光面をパネルのフェース・プレート部内面から切離
し、別の透明基板(蛍光面形成時は平面状)に形成する
ので、従来、パネルの形状や内面の平面精度のために適
用が困難であった印刷方式の蛍光面の製法が適用出来
る。
【0027】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明のカラー陰極線管の構造を示す図
であり、構造を解りやすくするために一部断面を示して
いる。図において1は本発明のカラー陰極線管であり、
これは従来のカラー陰極線管と同様にパネル2とファン
ネル8とにより真空外囲器を構成している。パネル2と
ファンネル8は従来と同様に、ガラスのプレスによる加
工で出来ており、両者はカラー陰極線管の製造工程中で
400〜450℃の温度で溶融、結晶化するフリット・
ガラス10により接合される。この発明によるカラー陰
極線管では、パネル2のフェース・プレート部3の内面
には従来とは異なり、蛍光面は形成されてはいない。従
って、パネル2は純粋に真空外囲器としての役目のみを
担っている。
する。図1はこの発明のカラー陰極線管の構造を示す図
であり、構造を解りやすくするために一部断面を示して
いる。図において1は本発明のカラー陰極線管であり、
これは従来のカラー陰極線管と同様にパネル2とファン
ネル8とにより真空外囲器を構成している。パネル2と
ファンネル8は従来と同様に、ガラスのプレスによる加
工で出来ており、両者はカラー陰極線管の製造工程中で
400〜450℃の温度で溶融、結晶化するフリット・
ガラス10により接合される。この発明によるカラー陰
極線管では、パネル2のフェース・プレート部3の内面
には従来とは異なり、蛍光面は形成されてはいない。従
って、パネル2は純粋に真空外囲器としての役目のみを
担っている。
【0028】18は本発明の心臓部であるシャドウ・マ
スク*蛍光面構造体を示す。5は本発明のカラー陰極線
管の蛍光面であり、パネル2のフェース・プレート部3
とは別の透明基板上にブラック・マトリックス層、RG
B3色蛍光体層、アルミ・バック層等が形成されてい
る。6は、本発明のカラー陰極線管にシャドウ・マスク
として供される、スリット状のグリルであり、金属フレ
ーム7に一定のテンションをかけてシーム溶接等で展
張、固定されており映像スクリーンの垂直方向には直線
で、水平方向には曲線で構成された曲面を有している。
これら蛍光面5とスリット状のグリル6は所定の間隔で
対向配置されており、両者は金属フレーム7を介して一
体化されており、シャドウ・マスク*蛍光面構造体18
を形成している。
スク*蛍光面構造体を示す。5は本発明のカラー陰極線
管の蛍光面であり、パネル2のフェース・プレート部3
とは別の透明基板上にブラック・マトリックス層、RG
B3色蛍光体層、アルミ・バック層等が形成されてい
る。6は、本発明のカラー陰極線管にシャドウ・マスク
として供される、スリット状のグリルであり、金属フレ
ーム7に一定のテンションをかけてシーム溶接等で展
張、固定されており映像スクリーンの垂直方向には直線
で、水平方向には曲線で構成された曲面を有している。
これら蛍光面5とスリット状のグリル6は所定の間隔で
対向配置されており、両者は金属フレーム7を介して一
体化されており、シャドウ・マスク*蛍光面構造体18
を形成している。
【0029】このシャドウ・マスク*蛍光面構造体18
は、一端が金属フレーム7自身に溶接された支持バネ
(図示せず)を介して、パネル2の側壁部4の内面に埋
め込まれた金属製ピン(図示せず)によりパネル2の内
部に懸架されている。この金属フレーム7の底部には、
従来と同様に、ファンネル8の内部に収納される内部磁
気シールド25が取りつけられており、地磁気等の外部
磁界の影響によって発生する電子ビームの蛍光面へのミ
ス・ランディングによる、蛍光面の色ズレ等の弊害を防
止している。ファンネル8に連なるネック部12の内部
には、電子銃9(詳細な構造は図示せず)が封入されて
おり、ここから発射されるRGB3色に対応する電子ビ
ームが、スリット状のグリル6のスリット孔を通過し
て、正確に所望の色の蛍光体に射突することにより、蛍
光面の発光が行われる。
は、一端が金属フレーム7自身に溶接された支持バネ
(図示せず)を介して、パネル2の側壁部4の内面に埋
め込まれた金属製ピン(図示せず)によりパネル2の内
部に懸架されている。この金属フレーム7の底部には、
従来と同様に、ファンネル8の内部に収納される内部磁
気シールド25が取りつけられており、地磁気等の外部
磁界の影響によって発生する電子ビームの蛍光面へのミ
ス・ランディングによる、蛍光面の色ズレ等の弊害を防
止している。ファンネル8に連なるネック部12の内部
には、電子銃9(詳細な構造は図示せず)が封入されて
おり、ここから発射されるRGB3色に対応する電子ビ
ームが、スリット状のグリル6のスリット孔を通過し
て、正確に所望の色の蛍光体に射突することにより、蛍
光面の発光が行われる。
【0030】アノード・ボタン11は、ファンネル8に
埋め込まれた金属製の電極で、従来のカラー陰極線管と
同様に、蛍光面5等に印加する高電圧を外部から供給す
るためのものである。パネル2を構成するフェース・プ
レート部3の形状に関しては、従来とは異なり、蛍光面
の形状とは無関係にある程度自由に選ぶことが可能であ
る。これは本発明のカラー陰極線管の場合、パネル2を
構成するフェース・プレート部3の内面から分離して、
別の透明基板上に蛍光面が形成されているからである。
埋め込まれた金属製の電極で、従来のカラー陰極線管と
同様に、蛍光面5等に印加する高電圧を外部から供給す
るためのものである。パネル2を構成するフェース・プ
レート部3の形状に関しては、従来とは異なり、蛍光面
の形状とは無関係にある程度自由に選ぶことが可能であ
る。これは本発明のカラー陰極線管の場合、パネル2を
構成するフェース・プレート部3の内面から分離して、
別の透明基板上に蛍光面が形成されているからである。
【0031】図2は本発明のカラー陰極線管1の垂直方
向の断面図とその部分拡大図を示す。前述のごとく、シ
ャドウ・マスク*蛍光面構造体18は金属フレーム7に
一定のテンションをかけてシーム溶接等で展張、固定さ
れたスリット状のグリル6と対向して、蛍光面5が配置
されており、両者は金属フレーム7を介して一体化され
ている。スリット状のグリル6は映像スクリーンの垂直
方向に引っ張られているので、垂直断面図としては、直
線になる。A部拡大図では、スリット状のグリル6の構
造は良く解らないが紙面と垂直な方向に多数のスリット
状の開口部と非開口部を有する。このスリット状の開口
部は映像スクリーンの垂直方向の上から下まで連続して
いる。このようなスリット状のグリル6は金属の薄い板
の上に写真製版技術による微細なパターニングを行い、
これに薬品によるエッチング等を施して作られる。
向の断面図とその部分拡大図を示す。前述のごとく、シ
ャドウ・マスク*蛍光面構造体18は金属フレーム7に
一定のテンションをかけてシーム溶接等で展張、固定さ
れたスリット状のグリル6と対向して、蛍光面5が配置
されており、両者は金属フレーム7を介して一体化され
ている。スリット状のグリル6は映像スクリーンの垂直
方向に引っ張られているので、垂直断面図としては、直
線になる。A部拡大図では、スリット状のグリル6の構
造は良く解らないが紙面と垂直な方向に多数のスリット
状の開口部と非開口部を有する。このスリット状の開口
部は映像スクリーンの垂直方向の上から下まで連続して
いる。このようなスリット状のグリル6は金属の薄い板
の上に写真製版技術による微細なパターニングを行い、
これに薬品によるエッチング等を施して作られる。
【0032】蛍光面5が形成されている透明基板19
は、このスリット状のグリル6と一定間隔を保つように
設置されているので、この蛍光面5の断面図の映像スク
リーンの垂直方向には原理的に直線になる。透明基板1
9の材質としては、ガラスが最も一般的ではあるが、真
空中でのガス放出や、製造工程中での熱処理に対する耐
熱性等に問題がなければ、透明なプラスチックの使用も
可能である。蛍光面5は透明基板19上に、ブラック・
マトリックス層20、3色蛍光体層21、アルミ・バッ
ク層22を積層させて構成されている。このA部拡大図
では蛍光面5の構造がよくわからないが、ブラック・マ
トリックス層20に関しては、紙面と垂直な方向に多数
の開口部および非開口部を有する。このシャドウ・マス
ク*蛍光面構造体18は、一端が金属フレーム7自身に
溶接された支持バネ14を介して、パネル2の側壁部4
の内面に埋め込まれた金属製ピン15によりパネル2の
内部に懸架されている。真空外囲器の一部としての役目
を担っているパネル2のフェース・プレート部3の断面
形状は、A部拡大図では蛍光面5の断面図に合わせて直
線にしているが、本発明のカラー陰極線管では、パネル
2のフェース・プレート部3は蛍光面構造と無関係であ
るため、必ずしも直線にする必要はなく、シャドウ・マ
スク*蛍光面構造体18との間に適正な間隔さえとれれ
ば、パネル2のフェース・プレート部3の垂直方向の断
面形状は直線にしなくてもよい。
は、このスリット状のグリル6と一定間隔を保つように
設置されているので、この蛍光面5の断面図の映像スク
リーンの垂直方向には原理的に直線になる。透明基板1
9の材質としては、ガラスが最も一般的ではあるが、真
空中でのガス放出や、製造工程中での熱処理に対する耐
熱性等に問題がなければ、透明なプラスチックの使用も
可能である。蛍光面5は透明基板19上に、ブラック・
マトリックス層20、3色蛍光体層21、アルミ・バッ
ク層22を積層させて構成されている。このA部拡大図
では蛍光面5の構造がよくわからないが、ブラック・マ
トリックス層20に関しては、紙面と垂直な方向に多数
の開口部および非開口部を有する。このシャドウ・マス
ク*蛍光面構造体18は、一端が金属フレーム7自身に
溶接された支持バネ14を介して、パネル2の側壁部4
の内面に埋め込まれた金属製ピン15によりパネル2の
内部に懸架されている。真空外囲器の一部としての役目
を担っているパネル2のフェース・プレート部3の断面
形状は、A部拡大図では蛍光面5の断面図に合わせて直
線にしているが、本発明のカラー陰極線管では、パネル
2のフェース・プレート部3は蛍光面構造と無関係であ
るため、必ずしも直線にする必要はなく、シャドウ・マ
スク*蛍光面構造体18との間に適正な間隔さえとれれ
ば、パネル2のフェース・プレート部3の垂直方向の断
面形状は直線にしなくてもよい。
【0033】蛍光面5を構成する透明基板19は、スリ
ット状のグリル6との幾何学的位置関係を合わせた後
に、導電性フリット・ガラス23により金属フレーム7
に固定する。この時、完成したカラー陰極線管の動作時
に、電子ビームが蛍光面に射突する際のエネルギーによ
り、蛍光面5を構成する透明基板19の温度が上昇し、
透明基板19の熱膨張により透明基板19の変形が起こ
り、蛍光面5とスリット状のグリル6との幾何学的関係
にズレを生じる問題をなくすために、透明基板にテンシ
ョン(引張応力)を付加して、金属フレームに固定する
ことが望ましい。また、蛍光面5を構成する透明基板1
9と金属フレーム7との熱膨張差による透明基板19の
弛み等の変形を緩和するためには、蛍光面5を構成する
透明基板19の材料と金属フレーム7の材料の熱膨張係
数を略同一にすることが望ましい。蛍光面5を構成する
透明基板19の材料としてガラス材を用いる場合は、コ
バール材(28%Ni−17%Co−鉄合金)が変曲点
も含めて、ガラスの熱膨張特性と類似しており、金属フ
レーム7の材料としては最適である。また、コバール材
の金属フレーム7を用いる場合は、ガラス材の透明基板
19との接合固定は導電性フリット・ガラス23により
容易に行うことが可能である。
ット状のグリル6との幾何学的位置関係を合わせた後
に、導電性フリット・ガラス23により金属フレーム7
に固定する。この時、完成したカラー陰極線管の動作時
に、電子ビームが蛍光面に射突する際のエネルギーによ
り、蛍光面5を構成する透明基板19の温度が上昇し、
透明基板19の熱膨張により透明基板19の変形が起こ
り、蛍光面5とスリット状のグリル6との幾何学的関係
にズレを生じる問題をなくすために、透明基板にテンシ
ョン(引張応力)を付加して、金属フレームに固定する
ことが望ましい。また、蛍光面5を構成する透明基板1
9と金属フレーム7との熱膨張差による透明基板19の
弛み等の変形を緩和するためには、蛍光面5を構成する
透明基板19の材料と金属フレーム7の材料の熱膨張係
数を略同一にすることが望ましい。蛍光面5を構成する
透明基板19の材料としてガラス材を用いる場合は、コ
バール材(28%Ni−17%Co−鉄合金)が変曲点
も含めて、ガラスの熱膨張特性と類似しており、金属フ
レーム7の材料としては最適である。また、コバール材
の金属フレーム7を用いる場合は、ガラス材の透明基板
19との接合固定は導電性フリット・ガラス23により
容易に行うことが可能である。
【0034】アノード・ボタン11から供給される高電
圧の蛍光面5への電気的導通に関しては、蛍光面5と金
属フレーム7の電気的導通が重要である。前述のごと
く、蛍光面5を構成する透明基板19は、スリット状の
グリル6との幾何学的位置関係を合わせた後に、導電性
フリット・ガラス23により金属フレーム7に固定され
ている。従って、導電性フリット・ガラス23による接
着部分と蛍光面5のブラック・マトリックス層20また
はアルミ・バック層22の間を導通塗料24により電気
的導通をとることにより、アノード・ボタン11と蛍光
面5の間の電気的導通をアノード・ボタン11→内部導
電膜17→導通バネ16→金属フレーム7→導電性フリ
ット・ガラス23→導通塗料24→蛍光面5(ブラック
・マトリックス層20またはアルミ・バック層22)の
経路にて行うことが出来る。
圧の蛍光面5への電気的導通に関しては、蛍光面5と金
属フレーム7の電気的導通が重要である。前述のごと
く、蛍光面5を構成する透明基板19は、スリット状の
グリル6との幾何学的位置関係を合わせた後に、導電性
フリット・ガラス23により金属フレーム7に固定され
ている。従って、導電性フリット・ガラス23による接
着部分と蛍光面5のブラック・マトリックス層20また
はアルミ・バック層22の間を導通塗料24により電気
的導通をとることにより、アノード・ボタン11と蛍光
面5の間の電気的導通をアノード・ボタン11→内部導
電膜17→導通バネ16→金属フレーム7→導電性フリ
ット・ガラス23→導通塗料24→蛍光面5(ブラック
・マトリックス層20またはアルミ・バック層22)の
経路にて行うことが出来る。
【0035】この金属フレーム7は蛍光面5を構成する
透明基板19とスリット状のグリル6との幾何学的位置
関係を保つ上で非常に重要である。両者の相対的間隔
は、金属フレーム7の透明基板19の支持面とスリット
状のグリル6の支持面との位置関係で決定される。従っ
て金属フレーム7はA部拡大図にて示すごとく、透明基
板19の支持面とスリット状のグリル6の支持面をほぼ
平行にして階段形状にし、両者の間隔寸法精度が重要で
あるため、精度の良い機械加工により作られる。金属フ
レーム7を支持する支持バネ14に関しては、従来のカ
ラー陰極線管では、金属フレーム7の支持機能に合わせ
て、シャドウ・マスクの温度上昇による蛍光面との相対
的間隔のズレを補正するための温度補償機能を持たせる
必要があったので、バイメタル構造がとられていたが、
本発明のカラー陰極線管では金属フレーム7の支持機能
のみでよいために構造は非常に簡略化出来る。
透明基板19とスリット状のグリル6との幾何学的位置
関係を保つ上で非常に重要である。両者の相対的間隔
は、金属フレーム7の透明基板19の支持面とスリット
状のグリル6の支持面との位置関係で決定される。従っ
て金属フレーム7はA部拡大図にて示すごとく、透明基
板19の支持面とスリット状のグリル6の支持面をほぼ
平行にして階段形状にし、両者の間隔寸法精度が重要で
あるため、精度の良い機械加工により作られる。金属フ
レーム7を支持する支持バネ14に関しては、従来のカ
ラー陰極線管では、金属フレーム7の支持機能に合わせ
て、シャドウ・マスクの温度上昇による蛍光面との相対
的間隔のズレを補正するための温度補償機能を持たせる
必要があったので、バイメタル構造がとられていたが、
本発明のカラー陰極線管では金属フレーム7の支持機能
のみでよいために構造は非常に簡略化出来る。
【0036】図3は同様に本発明のカラー陰極線管1の
水平方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述のごと
く、スリット状のグリル6は映像スクリーンの垂直方
向、即ち紙面と直角な方向に引っ張られているので、そ
の断面形状は直線となるが、水平方向には引っ張られな
いために、その断面形状は任意の曲線をとることが出来
る。この図のB図拡大図では、透明基板19の表面に形
成された、ブラック・マトリックス層20、RGB3色
蛍光体層21およびアルミ・バック層22等からなる蛍
光面5が示されている。RGB3色蛍光体層21は紙面
と垂直な方向に連続した細長いストライプ状の構造を有
している。また、スリット状のグリル6は紙面と垂直な
方向に連続した長いスリット状の開口26を持ってい
る。
水平方向の断面図とその部分拡大図を示す。前述のごと
く、スリット状のグリル6は映像スクリーンの垂直方
向、即ち紙面と直角な方向に引っ張られているので、そ
の断面形状は直線となるが、水平方向には引っ張られな
いために、その断面形状は任意の曲線をとることが出来
る。この図のB図拡大図では、透明基板19の表面に形
成された、ブラック・マトリックス層20、RGB3色
蛍光体層21およびアルミ・バック層22等からなる蛍
光面5が示されている。RGB3色蛍光体層21は紙面
と垂直な方向に連続した細長いストライプ状の構造を有
している。また、スリット状のグリル6は紙面と垂直な
方向に連続した長いスリット状の開口26を持ってい
る。
【0037】透明基板19上にブラック・マトリックス
層20、RGB3色蛍光体層21からなる、蛍光面5を
形成する際には、本発明の場合、後述するごとく、印刷
法による方がプロセスの簡略化を図る上で好ましい。印
刷法により蛍光面5を形成する場合は、透明基板19は
平面の状態でブラック・マトリックス層20、RGB3
色蛍光体層21の印刷を行い、しかる後に金属フレーム
7の透明基板支持面に沿わせて、蛍光面5が形成された
透明基板19を曲げて、金属フレーム7上に接合固定す
る。このため、透明基板19としては、かなりの弾力性
を有することが必要となる。透明基板19として、ガラ
ス板を使用する場合は、弾力性を持たせるためには、そ
の厚みを薄くすることが必要である。しかしながら、厚
みをあまり薄くし過ぎると透明基板19の機械的強度の
点で問題を生じる。この場合は蛍光面5のサイズと最適
なガラス板の厚みとの関係があり、蛍光面5のサイズが
10”以下の場合には概略50μm及至100μm、1
0”及至25”の場合には概略100μm及至250μ
m、25”以上の場合には概略250μm及至500μ
mの厚みが好ましいことが実験的に判明した。
層20、RGB3色蛍光体層21からなる、蛍光面5を
形成する際には、本発明の場合、後述するごとく、印刷
法による方がプロセスの簡略化を図る上で好ましい。印
刷法により蛍光面5を形成する場合は、透明基板19は
平面の状態でブラック・マトリックス層20、RGB3
色蛍光体層21の印刷を行い、しかる後に金属フレーム
7の透明基板支持面に沿わせて、蛍光面5が形成された
透明基板19を曲げて、金属フレーム7上に接合固定す
る。このため、透明基板19としては、かなりの弾力性
を有することが必要となる。透明基板19として、ガラ
ス板を使用する場合は、弾力性を持たせるためには、そ
の厚みを薄くすることが必要である。しかしながら、厚
みをあまり薄くし過ぎると透明基板19の機械的強度の
点で問題を生じる。この場合は蛍光面5のサイズと最適
なガラス板の厚みとの関係があり、蛍光面5のサイズが
10”以下の場合には概略50μm及至100μm、1
0”及至25”の場合には概略100μm及至250μ
m、25”以上の場合には概略250μm及至500μ
mの厚みが好ましいことが実験的に判明した。
【0038】このような透明基板19にブラック・マト
リックス層20や3色蛍光体層21等を形成する際には
本発明では後述するように、印刷法を用いる。印刷の工
程では透明基板19は平面上の方が印刷を行い易いの
で、前述したごとく、平面状態で印刷を行った後に、金
属フレーム7の透明基板支持面の形状に沿わせて、蛍光
面5が形成された透明基板19を曲げて、金属フレーム
7に接合固定する。この時、透明基板19を予め、金属
フレーム7の透明基板支持面の形にはぼ合わせて、成形
しておいた方が金属フレーム7への取りつけが簡単に出
来る上に、金属フレーム7の透明基板支持面への接合固
定後に透明基板19にストレスが残らないため、接合固
定部分の信頼性の点からも好ましい。
リックス層20や3色蛍光体層21等を形成する際には
本発明では後述するように、印刷法を用いる。印刷の工
程では透明基板19は平面上の方が印刷を行い易いの
で、前述したごとく、平面状態で印刷を行った後に、金
属フレーム7の透明基板支持面の形状に沿わせて、蛍光
面5が形成された透明基板19を曲げて、金属フレーム
7に接合固定する。この時、透明基板19を予め、金属
フレーム7の透明基板支持面の形にはぼ合わせて、成形
しておいた方が金属フレーム7への取りつけが簡単に出
来る上に、金属フレーム7の透明基板支持面への接合固
定後に透明基板19にストレスが残らないため、接合固
定部分の信頼性の点からも好ましい。
【0039】図10はこのような蛍光面5が形成された
透明基板19を曲げて成形するための方法を示すもので
ある。まず、(a)のごとく、平面上のガラスの透明基
板19上に、後で述べる印刷方法により、ブラック・マ
トリックス層20や3色蛍光体層21等を形成した後
に、アルミ・バック層22を真空蒸着法等により形成す
る。この後、(b)のごとく、蛍光面5が形成されたガ
ラスの透明基板19を加熱成形台76の上に載せて、加
熱成形台76に内蔵した加熱ヒータ77によりガラスの
透明基板19の加熱を行う。通常ガラスは歪み点(約5
00℃近辺)以上に温度を上げていくと徐々に柔らかく
なっていく。従って加熱成形台76の表面形状を前以
て、所望の形状に加工しておくと、図のごとくガラスの
透明基板19は、加熱成形台76の表面形状に沿って曲
がる。この後ガラスの透明基板19を冷却すれば、
(c)のごとく、所望の曲面形状を持ったガラスの透明
基板19を得ることが出来る。上記は透明基板19の材
質として、ガラスについて述べたが、本発明はこれに限
らず、プラスチックス等の他の材質であっても、同様な
方法により形成出来る。
透明基板19を曲げて成形するための方法を示すもので
ある。まず、(a)のごとく、平面上のガラスの透明基
板19上に、後で述べる印刷方法により、ブラック・マ
トリックス層20や3色蛍光体層21等を形成した後
に、アルミ・バック層22を真空蒸着法等により形成す
る。この後、(b)のごとく、蛍光面5が形成されたガ
ラスの透明基板19を加熱成形台76の上に載せて、加
熱成形台76に内蔵した加熱ヒータ77によりガラスの
透明基板19の加熱を行う。通常ガラスは歪み点(約5
00℃近辺)以上に温度を上げていくと徐々に柔らかく
なっていく。従って加熱成形台76の表面形状を前以
て、所望の形状に加工しておくと、図のごとくガラスの
透明基板19は、加熱成形台76の表面形状に沿って曲
がる。この後ガラスの透明基板19を冷却すれば、
(c)のごとく、所望の曲面形状を持ったガラスの透明
基板19を得ることが出来る。上記は透明基板19の材
質として、ガラスについて述べたが、本発明はこれに限
らず、プラスチックス等の他の材質であっても、同様な
方法により形成出来る。
【0040】実施例2.従来のカラー陰極線管27では
真空外囲器としてのガラス・バルブの内、ファンネル8
にはX線防御対策として比較的低コストの鉛(Pb)添
加ガラスを使用していたが、パネル2は電子線によるガ
ラス表面の着色現象(ブラウニング現象)が問題とな
り、鉛(Pb)添加ガラスの使用が出来ない。このブラ
ウニング現象はカラー陰極線管の高電圧、高電流動作化
と共に問題化し始めたものであり、ガラス表面を高エネ
ルギーの電子が叩く際に、ガラス中の鉛(Pb)イオン
が電子エネルギーにより還元されて、金属鉛(Pb)と
なり、このためにガラスの表面に茶色の着色を生じるも
のである。このガラスの電子線による着色現象を緩和す
るために、無鉛ガラスとして、代わりにストロンチウム
(Sr)を添加したガラスがカラー陰極線管のパネル2
として、現在一般に使用されている。
真空外囲器としてのガラス・バルブの内、ファンネル8
にはX線防御対策として比較的低コストの鉛(Pb)添
加ガラスを使用していたが、パネル2は電子線によるガ
ラス表面の着色現象(ブラウニング現象)が問題とな
り、鉛(Pb)添加ガラスの使用が出来ない。このブラ
ウニング現象はカラー陰極線管の高電圧、高電流動作化
と共に問題化し始めたものであり、ガラス表面を高エネ
ルギーの電子が叩く際に、ガラス中の鉛(Pb)イオン
が電子エネルギーにより還元されて、金属鉛(Pb)と
なり、このためにガラスの表面に茶色の着色を生じるも
のである。このガラスの電子線による着色現象を緩和す
るために、無鉛ガラスとして、代わりにストロンチウム
(Sr)を添加したガラスがカラー陰極線管のパネル2
として、現在一般に使用されている。
【0041】ガラスにストロンチウム(Sr)を添加す
る時は、酸化物の形で添加するが、コスト的には鉛(P
b)添加の場合よりも、かなり高くつく上に、ファンネ
ル8のガラス材である、鉛(Pb)添加ガラスと熱的な
物性値を合わせておかないと、後でフリット・ガラス1
0により、両者を接合する時に熱膨張の違い等で信頼性
上の問題を生じる恐れがある。このためストロンチウム
(Sr)添加のパネル2のガラス材は技術的にも微妙な
コントロールを要する。この発明によるカラー陰極線管
1では、蛍光面5をパネル2のフェース・プレート部3
内面から切り離して、別の透明基板19上に形成するた
め、パネル2のフェース・プレート部3面には直接に電
子ビームがあたることはない。
る時は、酸化物の形で添加するが、コスト的には鉛(P
b)添加の場合よりも、かなり高くつく上に、ファンネ
ル8のガラス材である、鉛(Pb)添加ガラスと熱的な
物性値を合わせておかないと、後でフリット・ガラス1
0により、両者を接合する時に熱膨張の違い等で信頼性
上の問題を生じる恐れがある。このためストロンチウム
(Sr)添加のパネル2のガラス材は技術的にも微妙な
コントロールを要する。この発明によるカラー陰極線管
1では、蛍光面5をパネル2のフェース・プレート部3
内面から切り離して、別の透明基板19上に形成するた
め、パネル2のフェース・プレート部3面には直接に電
子ビームがあたることはない。
【0042】従って、本実施例の場合は、パネル2の材
質として、比較的高価なストロンチウム(Sr)添加ガ
ラスの代わりに、ファンネル8の材質と全く同じ、鉛
(Pb)添加ガラスを使用するものである。この場合、
パネル2とファンネル8が全く同じ材質となるために前
述したような両者の材質の違いによる、信頼性上の問題
も全く生じない。また、パネル2とファンネル8の生産
時に原材料の一本化が出来るので、パネル2とファンネ
ル8の生産性の点からも好ましく、更なる低コスト化が
可能となる。また、この場合、蛍光面5を構成する透明
基板19の材質としては、電子線による着色現象(ブラ
ウニング現象)を緩和するために、鉛(Pb)無添加の
無鉛ガラスを使用する必要がある。しかしながら、X線
防御は前面の鉛添加のパネル2により行われるため、ス
トロンチウム(Sr)等の高価な材料を使う必要はな
く、普通の安価なガラス材を使用することが可能であ
る。
質として、比較的高価なストロンチウム(Sr)添加ガ
ラスの代わりに、ファンネル8の材質と全く同じ、鉛
(Pb)添加ガラスを使用するものである。この場合、
パネル2とファンネル8が全く同じ材質となるために前
述したような両者の材質の違いによる、信頼性上の問題
も全く生じない。また、パネル2とファンネル8の生産
時に原材料の一本化が出来るので、パネル2とファンネ
ル8の生産性の点からも好ましく、更なる低コスト化が
可能となる。また、この場合、蛍光面5を構成する透明
基板19の材質としては、電子線による着色現象(ブラ
ウニング現象)を緩和するために、鉛(Pb)無添加の
無鉛ガラスを使用する必要がある。しかしながら、X線
防御は前面の鉛添加のパネル2により行われるため、ス
トロンチウム(Sr)等の高価な材料を使う必要はな
く、普通の安価なガラス材を使用することが可能であ
る。
【0043】また、従来のカラー陰極線管27では、映
像のコントラストを向上させる目的で、パネル2のガラ
ス材の中にマンガン(Mn)やコバルト(Co)等の着
色金属イオンを添加して、ガラスの光学的透過率を制御
して、カラー陰極線管動作時の、外光を有効に除去する
ことが行われる。一方、ファンネル8に関しては、この
様な光学的な制約条件はないため、ガラス材の中にマン
ガン(Mn)やコバルト(Co)等の着色金属イオンを
添加することは行われない。前述したごとく、パネル2
やファンネル8の生産性やコストの観点からは、両者の
材質を全く同一とすることが望ましく、本実施例では、
パネル2のガラス材から、上記のようなストロンチウム
(Sr)のみではなく、マンガン(Mn)やコバルト
(Co)等の着色金属イオンも抜いて、代わりに鉛(P
b)を添加して、材質としては、従来のファンネル8の
材質と全く同じにした。その代わりに、カラー陰極線管
動作時に、外光を有効に除去して、映像のコントラスト
を上げる目的で、蛍光面5を構成する透明基板19のガ
ラス材にマンガン(Mn)やコバルト(Co)等の着色
金属イオンを添加して光透過率の制御を実施する。
像のコントラストを向上させる目的で、パネル2のガラ
ス材の中にマンガン(Mn)やコバルト(Co)等の着
色金属イオンを添加して、ガラスの光学的透過率を制御
して、カラー陰極線管動作時の、外光を有効に除去する
ことが行われる。一方、ファンネル8に関しては、この
様な光学的な制約条件はないため、ガラス材の中にマン
ガン(Mn)やコバルト(Co)等の着色金属イオンを
添加することは行われない。前述したごとく、パネル2
やファンネル8の生産性やコストの観点からは、両者の
材質を全く同一とすることが望ましく、本実施例では、
パネル2のガラス材から、上記のようなストロンチウム
(Sr)のみではなく、マンガン(Mn)やコバルト
(Co)等の着色金属イオンも抜いて、代わりに鉛(P
b)を添加して、材質としては、従来のファンネル8の
材質と全く同じにした。その代わりに、カラー陰極線管
動作時に、外光を有効に除去して、映像のコントラスト
を上げる目的で、蛍光面5を構成する透明基板19のガ
ラス材にマンガン(Mn)やコバルト(Co)等の着色
金属イオンを添加して光透過率の制御を実施する。
【0044】実施例3.図4はこの発明の他の実施例を
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。この場合蛍光面5を構成
する透明基板19を保持する金属フレーム7にスライド
溝66を設けて、このスライド溝66中を透明基板19
をスライドさせながら動かして、蛍光面5とスリット状
のグリル6との幾何学的位置関係を合わせるようにした
ものである。このスライド方式により、両者の幾何学的
位置関係の調整作業は非常に簡単になる。この後、両者
の幾何学的位置関係が合った後に、前述と同様に、導電
性フリット・ガラス23により金属フレーム7への透明
基板19の接着固定が行われる。
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。この場合蛍光面5を構成
する透明基板19を保持する金属フレーム7にスライド
溝66を設けて、このスライド溝66中を透明基板19
をスライドさせながら動かして、蛍光面5とスリット状
のグリル6との幾何学的位置関係を合わせるようにした
ものである。このスライド方式により、両者の幾何学的
位置関係の調整作業は非常に簡単になる。この後、両者
の幾何学的位置関係が合った後に、前述と同様に、導電
性フリット・ガラス23により金属フレーム7への透明
基板19の接着固定が行われる。
【0045】実施例4.図11は蛍光面5が形成された
透明基板19をスリット状のグリル6と幾何学的位置関
係を合わせて、金属フレーム7に導電性フリット・ガラ
ス23により、接着固定する方法を説明するための図で
ある。左右各々、金属フレーム7の垂直方向断面と水平
方向断面が対比して示されている。まずのごとく、金
属フレーム7が準備され、のごとくスリット状のグリ
ル6が金属フレーム7に展張溶接される。この場合スリ
ット状のグリル6の垂直方向にテンション(引張応力)
をかけながら、シーム溶液等で金属フレーム7にスリッ
ト状のグリル6を固定する。次にのごとく、カメラ・
センサー43により、スリット状のグリル6の所定の孔
の位置を読み取る。次にのごとく、蛍光面5を形成し
た透明基板19を金属フレーム7の透明基板19の支持
面に蛍光面5が形成されていない側を、カメラ・センサ
ー43側に向けて載せて、カメラ・センサー43にて読
み取ったスリット状のグリル6の所定の孔の位置に、蛍
光面5上の対応するブラック・マトリックス層20の開
口部が合うように、カメラ・センサー43の映像を見な
がら位置合わせを行う。中央部での位置合わせが完了す
ると、透明基板19を金属フレーム7に沿わせて、の
ごとく、金属フレーム7の透明基板19の支持面に前も
って塗布した導電性フリット・ガラス23を透明基板1
9に接触させるように、透明基板押さえ治具44により
透明基板19を仮固定する。このような状態で400℃
〜450℃の温度で熱処理を行うと導電性フリット・ガ
ラス23が溶融、結晶化して、のごとく金属フレーム
7への蛍光面5を形成した透明基板19の接着固定が完
了する。
透明基板19をスリット状のグリル6と幾何学的位置関
係を合わせて、金属フレーム7に導電性フリット・ガラ
ス23により、接着固定する方法を説明するための図で
ある。左右各々、金属フレーム7の垂直方向断面と水平
方向断面が対比して示されている。まずのごとく、金
属フレーム7が準備され、のごとくスリット状のグリ
ル6が金属フレーム7に展張溶接される。この場合スリ
ット状のグリル6の垂直方向にテンション(引張応力)
をかけながら、シーム溶液等で金属フレーム7にスリッ
ト状のグリル6を固定する。次にのごとく、カメラ・
センサー43により、スリット状のグリル6の所定の孔
の位置を読み取る。次にのごとく、蛍光面5を形成し
た透明基板19を金属フレーム7の透明基板19の支持
面に蛍光面5が形成されていない側を、カメラ・センサ
ー43側に向けて載せて、カメラ・センサー43にて読
み取ったスリット状のグリル6の所定の孔の位置に、蛍
光面5上の対応するブラック・マトリックス層20の開
口部が合うように、カメラ・センサー43の映像を見な
がら位置合わせを行う。中央部での位置合わせが完了す
ると、透明基板19を金属フレーム7に沿わせて、の
ごとく、金属フレーム7の透明基板19の支持面に前も
って塗布した導電性フリット・ガラス23を透明基板1
9に接触させるように、透明基板押さえ治具44により
透明基板19を仮固定する。このような状態で400℃
〜450℃の温度で熱処理を行うと導電性フリット・ガ
ラス23が溶融、結晶化して、のごとく金属フレーム
7への蛍光面5を形成した透明基板19の接着固定が完
了する。
【0046】実施例5.図5はこの発明の他の実施例を
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。完成したカラー陰極線管
の動作時に、電子ビームが蛍光面5に射突する際のエネ
ルギーにより、蛍光面5を構成する透明基板19の温度
が上昇し、透明基板19の熱膨張が生じる。この透明基
板19の熱膨張による、寸法の変化に追随して金属フレ
ーム7も膨張すれば透明基板19の弛み等は生じない
が、通常は金属フレーム7の温度上昇の方が透明基板1
9の温度上昇よりも遅れるために、弛みが生じて蛍光面
5の発光に色ズレ等の弊害を生じる場合がある。従って
透明基板19の温度上昇時の熱膨張による透明基板19
の寸法の変化を逃がすために本実施例では、透明基板1
9を金属フレーム7には固定せずに透明基板19の端部
方向に寸法変化を吸収出来る構造になっている。
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。完成したカラー陰極線管
の動作時に、電子ビームが蛍光面5に射突する際のエネ
ルギーにより、蛍光面5を構成する透明基板19の温度
が上昇し、透明基板19の熱膨張が生じる。この透明基
板19の熱膨張による、寸法の変化に追随して金属フレ
ーム7も膨張すれば透明基板19の弛み等は生じない
が、通常は金属フレーム7の温度上昇の方が透明基板1
9の温度上昇よりも遅れるために、弛みが生じて蛍光面
5の発光に色ズレ等の弊害を生じる場合がある。従って
透明基板19の温度上昇時の熱膨張による透明基板19
の寸法の変化を逃がすために本実施例では、透明基板1
9を金属フレーム7には固定せずに透明基板19の端部
方向に寸法変化を吸収出来る構造になっている。
【0047】本実施例の場合、まず前述と同様に、蛍光
面5とスリット状のグリル6との幾何学的位置関係を蛍
光面5を構成する透明基板19の位置を微調整して合わ
せた後に、透明基板押さえ用弾性体46を介して、押さ
え板45により、透明基板19を機械的に押さえて、金
属フレーム7上に固定する。この時、押さえ板45は金
属フレーム7にスポット溶接やネジ留めのような方法に
より固定される。透明基板押さえ用弾性体46としては
金属バネ等が使用される。この場合、金属フレーム7の
透明基板19取りつけ部分の内径は、隙間gを生じるよ
うに透明基板19の外径よりも少し大きめに作られてお
り、また、前述とは異なり、金属フレーム7への透明基
板19の導電性フリット・ガラスにおける接着固定も行
わず、単に機械的に押さえ込むだけなので、透明基板1
9の温度上昇時の熱膨張による透明基板19の寸法の変
化を逃がすことが出来、透明基板19の弛み等による蛍
光面5の発光の色ズレ等を防止出来る。この時は導電性
フリット・ガラスを介しての蛍光面5への導通がとれな
いため、導通塗料24により、蛍光面5のブラック・マ
トリックス層20或いはアルミ・バック層22とを直接
に接続して電気的導通がとられる。
面5とスリット状のグリル6との幾何学的位置関係を蛍
光面5を構成する透明基板19の位置を微調整して合わ
せた後に、透明基板押さえ用弾性体46を介して、押さ
え板45により、透明基板19を機械的に押さえて、金
属フレーム7上に固定する。この時、押さえ板45は金
属フレーム7にスポット溶接やネジ留めのような方法に
より固定される。透明基板押さえ用弾性体46としては
金属バネ等が使用される。この場合、金属フレーム7の
透明基板19取りつけ部分の内径は、隙間gを生じるよ
うに透明基板19の外径よりも少し大きめに作られてお
り、また、前述とは異なり、金属フレーム7への透明基
板19の導電性フリット・ガラスにおける接着固定も行
わず、単に機械的に押さえ込むだけなので、透明基板1
9の温度上昇時の熱膨張による透明基板19の寸法の変
化を逃がすことが出来、透明基板19の弛み等による蛍
光面5の発光の色ズレ等を防止出来る。この時は導電性
フリット・ガラスを介しての蛍光面5への導通がとれな
いため、導通塗料24により、蛍光面5のブラック・マ
トリックス層20或いはアルミ・バック層22とを直接
に接続して電気的導通がとられる。
【0048】実施例6.図7は本発明のカラー陰極線管
の蛍光面5を透明基板19上に直接印刷法で形成するた
めの印刷方法を示す図である。この場合印刷方式として
スクリーン印刷を用いる場合について説明するが、種々
の印刷方式の適用が可能である。まず平面状態の透明基
板19をスクリーン印刷機78の定位置にセットする。
次にスクリーン枠40に印刷用インクの通過部分と非通
過部分とを表面にパターニングしたメッシュ状スクリー
ンを張った印刷用版41を、透明基板19に対して正確
に位置合わせしてセットする。その後、適当量の印刷用
インク42を印刷用版41上に載せ、印刷用スキージー
39により印刷用版41を透明基板19に押さえつけな
がら印刷用インク42を均一に拡げて、インクの通過部
分から透明基板19上に押し出して印刷を行う。印刷用
インク42としては、ブラック・マトリックス層20の
印刷に際しては、有機質ペーストに例えばグラファイト
粒子を混練して、適当な粘度にしたものを用いる。同様
に蛍光体層の印刷に際しては有機質ペーストに所望の色
の蛍光体粒子を混練して、適当な粘度にしたものを用い
る。このような、印刷方式による蛍光面の構造は、本発
明のように、平面状の透明基板19の使用により、可能
となったものであり、従来の蛍光面を形成するパネル2
のような場合は形状的な問題で不可能である。
の蛍光面5を透明基板19上に直接印刷法で形成するた
めの印刷方法を示す図である。この場合印刷方式として
スクリーン印刷を用いる場合について説明するが、種々
の印刷方式の適用が可能である。まず平面状態の透明基
板19をスクリーン印刷機78の定位置にセットする。
次にスクリーン枠40に印刷用インクの通過部分と非通
過部分とを表面にパターニングしたメッシュ状スクリー
ンを張った印刷用版41を、透明基板19に対して正確
に位置合わせしてセットする。その後、適当量の印刷用
インク42を印刷用版41上に載せ、印刷用スキージー
39により印刷用版41を透明基板19に押さえつけな
がら印刷用インク42を均一に拡げて、インクの通過部
分から透明基板19上に押し出して印刷を行う。印刷用
インク42としては、ブラック・マトリックス層20の
印刷に際しては、有機質ペーストに例えばグラファイト
粒子を混練して、適当な粘度にしたものを用いる。同様
に蛍光体層の印刷に際しては有機質ペーストに所望の色
の蛍光体粒子を混練して、適当な粘度にしたものを用い
る。このような、印刷方式による蛍光面の構造は、本発
明のように、平面状の透明基板19の使用により、可能
となったものであり、従来の蛍光面を形成するパネル2
のような場合は形状的な問題で不可能である。
【0049】図6は前述の直接印刷方式による蛍光面5
の製造過程を示すものである。まずブラック・マトリッ
クス層印刷用版を透明基板19に対して正確に位置合わ
せして設置した後、有機質ペスートとグラファイト粒子
の混練物から成るブラック・マトリックス層印刷用イン
クを使用してスクリーン印刷を行うと、のごとく透明
基板19上にブラック・マトリックス層20が形成され
る。さらにG(緑色)蛍光体層印刷用版を同様にブラッ
ク・マトリックス層20の印刷が完了した透明基板19
に対して正確に位置合わせして設置した後、有機質ペス
ートとG(緑色)蛍光体粒子の混練物から成るG(緑
色)蛍光体層印刷用インクを使用してスクリーン印刷を
行うと、のごとく、透明基板19上に設けられたブラ
ック・マトリックス層20の所定の開口部にG(緑色)
蛍光体層の形成が完了する。その後、同様に、のご
とく、B蛍光体層、R蛍光体層のスクリーン印刷を行
い、RGB3色蛍光体層21の形成が完了する。
の製造過程を示すものである。まずブラック・マトリッ
クス層印刷用版を透明基板19に対して正確に位置合わ
せして設置した後、有機質ペスートとグラファイト粒子
の混練物から成るブラック・マトリックス層印刷用イン
クを使用してスクリーン印刷を行うと、のごとく透明
基板19上にブラック・マトリックス層20が形成され
る。さらにG(緑色)蛍光体層印刷用版を同様にブラッ
ク・マトリックス層20の印刷が完了した透明基板19
に対して正確に位置合わせして設置した後、有機質ペス
ートとG(緑色)蛍光体粒子の混練物から成るG(緑
色)蛍光体層印刷用インクを使用してスクリーン印刷を
行うと、のごとく、透明基板19上に設けられたブラ
ック・マトリックス層20の所定の開口部にG(緑色)
蛍光体層の形成が完了する。その後、同様に、のご
とく、B蛍光体層、R蛍光体層のスクリーン印刷を行
い、RGB3色蛍光体層21の形成が完了する。
【0050】また、後述するような、透明基板19上に
同様に設けるコントラスト増進フィルター層の形成に関
しても、同じようなスクリーン印刷方式により形成する
ことが可能である。このような直接印刷方式による蛍光
面の形成の場合、従来の写真製版方式に比べて、製造プ
ロセスが非常に簡略化される上に、必要な設備投資額も
大幅に少ないので、蛍光面の製造コストを大幅に下げる
事が可能である。また、製造に必要なスペースも大幅に
縮減できる。
同様に設けるコントラスト増進フィルター層の形成に関
しても、同じようなスクリーン印刷方式により形成する
ことが可能である。このような直接印刷方式による蛍光
面の形成の場合、従来の写真製版方式に比べて、製造プ
ロセスが非常に簡略化される上に、必要な設備投資額も
大幅に少ないので、蛍光面の製造コストを大幅に下げる
事が可能である。また、製造に必要なスペースも大幅に
縮減できる。
【0051】実施例7.図8および図9は更に生産性の
向上が可能な転写方式による蛍光面の形成を説明するた
めの図である。この方式も印刷方式の一種であるが、前
述の直接印刷方式とは異なり、透明基板19上に直接印
刷するのではなく、一旦、ポリエステル・フィルム等の
印刷性のよいフィルム上に蛍光面を印刷しておき、その
後、透明基板19上に加熱等により転写するものであ
る。図8はベース・フィルム68への蛍光面の印刷工程
を説明するための図である。まずポリエステル等のベー
ス・フィルムの供給ロール69からベース・フィルム6
8を供給し、スクリーン印刷方式により、ベース・フィ
ルム68上に順次、(a)G(緑色)蛍光体層、(b)
B(青色)蛍光体層、(c)R(赤色)蛍光体層、
(d)ブラック・マトリックス層等を位置合わせを行い
ながら積層して印刷し、各々の印刷が完了すると印刷完
了巻き取りロール70へ巻き取り、ベース・フィルム6
8上への印刷を完了する。この時、実際には、後の転写
を円滑に行うために、(a)G(緑色)蛍光体層の印刷
の前に離型層の印刷を行い(d)ブラック・マトリック
ス層の印刷の後に、接着層の印刷を行う。従って、上記
の例の場合は実際の印刷工程としては6工程になる。
向上が可能な転写方式による蛍光面の形成を説明するた
めの図である。この方式も印刷方式の一種であるが、前
述の直接印刷方式とは異なり、透明基板19上に直接印
刷するのではなく、一旦、ポリエステル・フィルム等の
印刷性のよいフィルム上に蛍光面を印刷しておき、その
後、透明基板19上に加熱等により転写するものであ
る。図8はベース・フィルム68への蛍光面の印刷工程
を説明するための図である。まずポリエステル等のベー
ス・フィルムの供給ロール69からベース・フィルム6
8を供給し、スクリーン印刷方式により、ベース・フィ
ルム68上に順次、(a)G(緑色)蛍光体層、(b)
B(青色)蛍光体層、(c)R(赤色)蛍光体層、
(d)ブラック・マトリックス層等を位置合わせを行い
ながら積層して印刷し、各々の印刷が完了すると印刷完
了巻き取りロール70へ巻き取り、ベース・フィルム6
8上への印刷を完了する。この時、実際には、後の転写
を円滑に行うために、(a)G(緑色)蛍光体層の印刷
の前に離型層の印刷を行い(d)ブラック・マトリック
ス層の印刷の後に、接着層の印刷を行う。従って、上記
の例の場合は実際の印刷工程としては6工程になる。
【0052】図9はベース・フィルム68上への印刷が
完了した蛍光面を、透明基板19上へ転写する工程を説
明するための図である。蛍光面の印刷を完了した印刷完
了巻き取りロール70を転写装置79に、フィルムの印
刷面側が透明基板側になるように取りつける。その後、
転写装置79の蛍光面形成用の透明基板19を供給し
て、ベース・フィルム68上に印刷された蛍光面と透明
基板19の位置合わせを正確に行った後、加熱ヒータ7
3を内蔵する転写用加熱プレス71をベース・フィルム
68の蛍光面形成面とは反対の面から押しつけて、透明
基板19上にベース・フィルム68上の蛍光面を加熱転
写すると透明基板19にブラック・マトリックス層20
やRGB3色蛍光体層21の蛍光面が形成される。転写
後のベース・フィルム68は巻き取りロール72に巻き
取られる。また、後述するような、透明基板19上に同
様に設ける蛍光面に、コントラスト増進フィルター層を
付加する場合も、同様な転写方式で行うことが可能であ
る。このような転写方式による蛍光面の形成の場合は、
蛍光面の印刷としてはロール状のフィルムへの印刷であ
るため、非常に印刷性に優れている上、連続的な印刷が
可能であるので、工程が更に簡略化出来る。また、印刷
スピードも上げることが可能である。従って蛍光面の製
造コストの更なる低減が可能となる。
完了した蛍光面を、透明基板19上へ転写する工程を説
明するための図である。蛍光面の印刷を完了した印刷完
了巻き取りロール70を転写装置79に、フィルムの印
刷面側が透明基板側になるように取りつける。その後、
転写装置79の蛍光面形成用の透明基板19を供給し
て、ベース・フィルム68上に印刷された蛍光面と透明
基板19の位置合わせを正確に行った後、加熱ヒータ7
3を内蔵する転写用加熱プレス71をベース・フィルム
68の蛍光面形成面とは反対の面から押しつけて、透明
基板19上にベース・フィルム68上の蛍光面を加熱転
写すると透明基板19にブラック・マトリックス層20
やRGB3色蛍光体層21の蛍光面が形成される。転写
後のベース・フィルム68は巻き取りロール72に巻き
取られる。また、後述するような、透明基板19上に同
様に設ける蛍光面に、コントラスト増進フィルター層を
付加する場合も、同様な転写方式で行うことが可能であ
る。このような転写方式による蛍光面の形成の場合は、
蛍光面の印刷としてはロール状のフィルムへの印刷であ
るため、非常に印刷性に優れている上、連続的な印刷が
可能であるので、工程が更に簡略化出来る。また、印刷
スピードも上げることが可能である。従って蛍光面の製
造コストの更なる低減が可能となる。
【0053】実施例8.図12は本発明のカラー陰極線
管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面図
とその部分拡大図を示す。今まで述べた実施例では金属
フレーム7は最初から一体物であったが、本実施例では
当初は、シャドウ・マスク即ちスリット状のグリル6の
支持部分〔マスク支持金属枠体33〕と蛍光面5を構成
する透明基板19の支持部分〔透明基板支持金属枠体3
2〕と別々の金属枠体で構成しておき、後で両者の幾何
学的位置関係を正確に合わせた後に、フレーム接合板4
7により接合して一体化し、金属フレーム7としたもの
である。このように最初はスリット状のグリル6と蛍光
面5を構成する透明基板19とを別の金属枠体に固定し
て、後で両方の枠体を接合する方が、製造工程中におけ
るスリット状のグリル6や蛍光面5を構成する透明基板
19の取扱いが簡単になり、シャドウ・マスク*蛍光面
構造体18の量産性の点からは好ましい。
管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面図
とその部分拡大図を示す。今まで述べた実施例では金属
フレーム7は最初から一体物であったが、本実施例では
当初は、シャドウ・マスク即ちスリット状のグリル6の
支持部分〔マスク支持金属枠体33〕と蛍光面5を構成
する透明基板19の支持部分〔透明基板支持金属枠体3
2〕と別々の金属枠体で構成しておき、後で両者の幾何
学的位置関係を正確に合わせた後に、フレーム接合板4
7により接合して一体化し、金属フレーム7としたもの
である。このように最初はスリット状のグリル6と蛍光
面5を構成する透明基板19とを別の金属枠体に固定し
て、後で両方の枠体を接合する方が、製造工程中におけ
るスリット状のグリル6や蛍光面5を構成する透明基板
19の取扱いが簡単になり、シャドウ・マスク*蛍光面
構造体18の量産性の点からは好ましい。
【0054】図13はこのような、蛍光面5を構成する
透明基板19の支持部分〔透明基板支持金属枠体32〕
とシャドウ・マスクの支持部分〔マスク支持金属枠体3
3〕とを別々の金属枠体で構成しておき、後で両者の幾
何学的位置関係を正確に合わせた後に、フレーム接合板
47により接合して一体化し、金属フレーム7とする方
式のシャドウ・マスク*蛍光面構造体18の製法につい
て述べる。
透明基板19の支持部分〔透明基板支持金属枠体32〕
とシャドウ・マスクの支持部分〔マスク支持金属枠体3
3〕とを別々の金属枠体で構成しておき、後で両者の幾
何学的位置関係を正確に合わせた後に、フレーム接合板
47により接合して一体化し、金属フレーム7とする方
式のシャドウ・マスク*蛍光面構造体18の製法につい
て述べる。
【0055】図は一点鎖線の枠内の左側が垂直方向の断
面図であり、右側が水平方向の断面図である。まず
(a)のごとくマスク支持金属枠体33を準備し、次に
(c)のごとくスリット状のグリル6に一定のテンショ
ン(引張応力)をかけながらマスク支持金属枠体33に
シーム溶接等で固定する。また、(b)のごとく透明基
板支持金属枠体32を準備し、次に(d)のごとく印刷
法等により透明基板19上に蛍光面5の形成が完了した
透明基板19を,この透明基板支持金属枠体32に取り
つけ、前述と同様な方法により、この透明基板19を透
明基板支持金属枠体32に固定する。このようにして、
出来上がった両者の枠体を(e)のごとく積み重ね、両
者の幾何学的位置関係をカメラ・センサー43を使用し
て前述と同様な方法で正確に合わせる。その後、フレー
ム接合板47により、両者をスポット溶接等で接合固定
して金属フレーム7として一体化を行う。
面図であり、右側が水平方向の断面図である。まず
(a)のごとくマスク支持金属枠体33を準備し、次に
(c)のごとくスリット状のグリル6に一定のテンショ
ン(引張応力)をかけながらマスク支持金属枠体33に
シーム溶接等で固定する。また、(b)のごとく透明基
板支持金属枠体32を準備し、次に(d)のごとく印刷
法等により透明基板19上に蛍光面5の形成が完了した
透明基板19を,この透明基板支持金属枠体32に取り
つけ、前述と同様な方法により、この透明基板19を透
明基板支持金属枠体32に固定する。このようにして、
出来上がった両者の枠体を(e)のごとく積み重ね、両
者の幾何学的位置関係をカメラ・センサー43を使用し
て前述と同様な方法で正確に合わせる。その後、フレー
ム接合板47により、両者をスポット溶接等で接合固定
して金属フレーム7として一体化を行う。
【0056】実施例9.図14は本発明の他の実施例を
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。本実施例の場合、実施例
8.と同様に金属フレームは透明基板支持金属枠体32
とマスク支持金属枠体33の2体から成るが、両者をフ
レーム接合板で接合固定せずに、間にバイメタル67を
介在させて、このバイメタル67により両者を接合固定
するようにしたものである。完成したカラー陰極線管動
作時に、電子ビームが蛍光面5に射突する際のエネルギ
ーにより、蛍光面5を構成する透明基板19の熱膨張に
よる寸法変化等による、蛍光面5の色ズレ等の不具合
を、このバイメタル67により、温度上昇として感知し
て、バイメタル67の補正作用により、両金属枠体間の
間隔、即ちスリット状のグリル6と蛍光面5との間隔を
調整して、電子ビームの蛍光面5へのランディング状態
を補正して、蛍光面5の色ズレの不具合を補正する。こ
のバイメタル67は高膨張金属板と低膨張金属板を張り
合わせたものであり、温度変化と共に反りが発生するこ
とを利用して、両金属枠体の間隔、即ちスリット状のグ
リル6と蛍光面5との間隔を自動的に調整するようにし
たものである。
示すものであり、本発明のカラー陰極線管1の垂直方向
の断面図の部分拡大図を示す。本実施例の場合、実施例
8.と同様に金属フレームは透明基板支持金属枠体32
とマスク支持金属枠体33の2体から成るが、両者をフ
レーム接合板で接合固定せずに、間にバイメタル67を
介在させて、このバイメタル67により両者を接合固定
するようにしたものである。完成したカラー陰極線管動
作時に、電子ビームが蛍光面5に射突する際のエネルギ
ーにより、蛍光面5を構成する透明基板19の熱膨張に
よる寸法変化等による、蛍光面5の色ズレ等の不具合
を、このバイメタル67により、温度上昇として感知し
て、バイメタル67の補正作用により、両金属枠体間の
間隔、即ちスリット状のグリル6と蛍光面5との間隔を
調整して、電子ビームの蛍光面5へのランディング状態
を補正して、蛍光面5の色ズレの不具合を補正する。こ
のバイメタル67は高膨張金属板と低膨張金属板を張り
合わせたものであり、温度変化と共に反りが発生するこ
とを利用して、両金属枠体の間隔、即ちスリット状のグ
リル6と蛍光面5との間隔を自動的に調整するようにし
たものである。
【0057】実施例10.図15は本発明の他の実施例
を示すものであり、シャドウ・マスク*蛍光面構造体1
8の一部断面形状を示す。本実施例の場合も、実施例
8.および9.と同様に透明基板支持金属枠体32に蛍
光面5を構成した透明基板19を、またマスク支持金属
枠体33にスリット状のグリル6を各々固定した後に、
両者の幾何学的位置関係を正確に合わせて、両者を1対
以上の接合支持体75により接合固定する。この接合支
持体75による両金属枠体の接合は、透明基板支持金属
枠体32の端部において、透明基板支持金属枠体32の
端部に自由な変化を与えられるようにフレキシブル構造
とするために、各金属枠体の長辺中間部近辺にて行うの
が好ましい。この場合透明基板支持金属枠体32は枠体
そのものがバイメタルにより構成されており、蛍光面5
を構成する透明基板19の温度上昇が起こると、その熱
がこの透明基板支持金属枠体32に伝わり、この透明基
板支持金属枠体32のバイメタルの作用により、図のご
とく接合支持体75を支点にして透明基板支持金属枠体
32に反りを生じて、枠体周辺部での両枠体間の間隔、
即ちスリット状のグリル6と蛍光面5との間隔を調整し
て、電子ビーム74の蛍光面5へのランディング状態を
補正して、蛍光面5の色ズレ等の不具合を修正する。
を示すものであり、シャドウ・マスク*蛍光面構造体1
8の一部断面形状を示す。本実施例の場合も、実施例
8.および9.と同様に透明基板支持金属枠体32に蛍
光面5を構成した透明基板19を、またマスク支持金属
枠体33にスリット状のグリル6を各々固定した後に、
両者の幾何学的位置関係を正確に合わせて、両者を1対
以上の接合支持体75により接合固定する。この接合支
持体75による両金属枠体の接合は、透明基板支持金属
枠体32の端部において、透明基板支持金属枠体32の
端部に自由な変化を与えられるようにフレキシブル構造
とするために、各金属枠体の長辺中間部近辺にて行うの
が好ましい。この場合透明基板支持金属枠体32は枠体
そのものがバイメタルにより構成されており、蛍光面5
を構成する透明基板19の温度上昇が起こると、その熱
がこの透明基板支持金属枠体32に伝わり、この透明基
板支持金属枠体32のバイメタルの作用により、図のご
とく接合支持体75を支点にして透明基板支持金属枠体
32に反りを生じて、枠体周辺部での両枠体間の間隔、
即ちスリット状のグリル6と蛍光面5との間隔を調整し
て、電子ビーム74の蛍光面5へのランディング状態を
補正して、蛍光面5の色ズレ等の不具合を修正する。
【0058】実施例11.図16は本発明のカラー陰極
線管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面
図とその部分拡大図である。本発明のように、蛍光面5
を形成する、透明基板19をガラス・バルブのパネル2
とは別に設ける場合は、欠点として従来のカラー陰極線
管27と比較して構造的に外光の反射面が2面増加する
点にある。通常、ガラス〜空気(真空)および空気(真
空)〜ガラスの界面での光の反射は約4%あり本発明の
ごとく、反射面が2面増加するのは、結構大きな影響を
生じる。例えば外光による映り込み等の影響により、ス
クリーンに映し出された映像が非常に見にくくなる等の
弊害を生じる。この対策として、本実施例では、ガラス
・バブルのパネル2のフェース・プレート部3の内外面
および蛍光面5を構成する透明基板19のパネル2側外
面の計3面に表面反射低減光学膜31を設けたものであ
る。
線管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面
図とその部分拡大図である。本発明のように、蛍光面5
を形成する、透明基板19をガラス・バルブのパネル2
とは別に設ける場合は、欠点として従来のカラー陰極線
管27と比較して構造的に外光の反射面が2面増加する
点にある。通常、ガラス〜空気(真空)および空気(真
空)〜ガラスの界面での光の反射は約4%あり本発明の
ごとく、反射面が2面増加するのは、結構大きな影響を
生じる。例えば外光による映り込み等の影響により、ス
クリーンに映し出された映像が非常に見にくくなる等の
弊害を生じる。この対策として、本実施例では、ガラス
・バブルのパネル2のフェース・プレート部3の内外面
および蛍光面5を構成する透明基板19のパネル2側外
面の計3面に表面反射低減光学膜31を設けたものであ
る。
【0059】このような表面反射低減光学膜31は例え
ば酸化チタン(TiO2 )のような高屈折率材料と二酸
化硅素(SiO2 )のような低屈折率材料を一定の膜厚
で交互に積み重ねることにより得られる。層数と材料の
選択をうまく行うことにより、0.5%以下の表面反射
に抑えることが可能である。このような光学膜の成膜方
法としては、真空蒸着法や有機金属の溶液をスピン・コ
ート法で一定膜厚に塗布した後、熱処理して成膜する湿
式法とがある。後者の方が性能的にはやや劣るが、コス
ト的には非常に安く出来る利点がある。また、従来のカ
ラー陰極線管27とほぼ同程度の表面反射に抑えるため
には、ガラス・バルブのパネル2のフェース・プレート
部3の内外面および蛍光面5を構成する透明基板19の
パネル2側外面の計3面の内、少なくとも2面に、この
ような表面反射低減光学膜31を施せばよいことが判っ
た。
ば酸化チタン(TiO2 )のような高屈折率材料と二酸
化硅素(SiO2 )のような低屈折率材料を一定の膜厚
で交互に積み重ねることにより得られる。層数と材料の
選択をうまく行うことにより、0.5%以下の表面反射
に抑えることが可能である。このような光学膜の成膜方
法としては、真空蒸着法や有機金属の溶液をスピン・コ
ート法で一定膜厚に塗布した後、熱処理して成膜する湿
式法とがある。後者の方が性能的にはやや劣るが、コス
ト的には非常に安く出来る利点がある。また、従来のカ
ラー陰極線管27とほぼ同程度の表面反射に抑えるため
には、ガラス・バルブのパネル2のフェース・プレート
部3の内外面および蛍光面5を構成する透明基板19の
パネル2側外面の計3面の内、少なくとも2面に、この
ような表面反射低減光学膜31を施せばよいことが判っ
た。
【0060】実施例12.図17は本発明のカラー陰極
線管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面
図とその部分拡大図を示す。最近、カラー陰極線管の重
量を軽減する方法として、カラー陰極線管のガラス・バ
ルブのパネル2の側壁部4を金属で形成することが提案
されている。しかしながら、この方法は (1)複合パネル34の金属側壁部35とフェース・プ
レート部3のフリット・ガラス36による接合部分に、
図のごとく段差が生じるので、フェース・プレート部3
内面への従来の写真製版法による蛍光面の形成が困難で
ある。 (2)蛍光面5へ印加する高電圧が複合パネル34の金
属側壁部35から外部へ露出するために構造的に非常に
危険である。 等の非常に難しい問題点を有するため、未だ実用化には
至っていない。この実施例はこのようなガラス・バルブ
の軽量化に於ける、種々の問題点を同時に解決する方法
を提示するものである。
線管1の他の実施例を示すものであり、垂直方向の断面
図とその部分拡大図を示す。最近、カラー陰極線管の重
量を軽減する方法として、カラー陰極線管のガラス・バ
ルブのパネル2の側壁部4を金属で形成することが提案
されている。しかしながら、この方法は (1)複合パネル34の金属側壁部35とフェース・プ
レート部3のフリット・ガラス36による接合部分に、
図のごとく段差が生じるので、フェース・プレート部3
内面への従来の写真製版法による蛍光面の形成が困難で
ある。 (2)蛍光面5へ印加する高電圧が複合パネル34の金
属側壁部35から外部へ露出するために構造的に非常に
危険である。 等の非常に難しい問題点を有するため、未だ実用化には
至っていない。この実施例はこのようなガラス・バルブ
の軽量化に於ける、種々の問題点を同時に解決する方法
を提示するものである。
【0061】この実施例では、従来のガラスのパネル2
の代わりに、金属側壁部35とガラスのフェース・プレ
ート部3からなる複合パネル34を使用する。金属側壁
部35とガラスのフェース・プレート部3の接合はフリ
ット・ガラス36により行われている。また、金属側壁
部35の内面の定位置には、セラッミクスのピン37が
従来の金属製ピン15の代わりにピン接着用フリット・
ガラス38により接着されている。その他の構造は前述
の実施例1.で述べた本発明のカラー陰極線管1のもの
と全く同じである。このような構造の場合、複合パネル
34の内面には蛍光面5を形成しないので、前述したよ
うな蛍光面形成上の困難は生じない。
の代わりに、金属側壁部35とガラスのフェース・プレ
ート部3からなる複合パネル34を使用する。金属側壁
部35とガラスのフェース・プレート部3の接合はフリ
ット・ガラス36により行われている。また、金属側壁
部35の内面の定位置には、セラッミクスのピン37が
従来の金属製ピン15の代わりにピン接着用フリット・
ガラス38により接着されている。その他の構造は前述
の実施例1.で述べた本発明のカラー陰極線管1のもの
と全く同じである。このような構造の場合、複合パネル
34の内面には蛍光面5を形成しないので、前述したよ
うな蛍光面形成上の困難は生じない。
【0062】シャドウ・マスク*蛍光面構造体18の構
造は、前述の本発明の各実施例と全く同じであり、蛍光
面5は透明基板19上に印刷方式により、ブラック・マ
トリックス層20、3色蛍光体層21等を形成すること
により行われる。このシャドウ・マスク*蛍光面構造体
18はその一端を金属フレーム7に溶接した支持バネ1
4を介して、セラッミクスのピン37により懸架され
る。また、絶縁性のセラッミクスのピン37により、金
属フレーム7の支持バネ14と金属側壁部35との間の
絶縁が行われるので、前述したような複合パネル34を
使用する場合の欠点である高電圧の露出の問題も生じな
い。この複合パネル34は従来と同様に、フリット・ガ
ラス10により、ファンネル8と接合される。この金属
側壁部35とファンネル8との接合、金属側壁部35と
フェース・プレート部3との接合、金属側壁部35とセ
ラッミクスのピン37との接合の3箇所の接合をうまく
行うためには、これらの材料の熱物性値を合わせる必要
があり、金属側壁部35の材料としてはコバール材(2
8%Ni−17%Cr−鉄合金)が変曲点も含めて、ガ
ラスおよびセラッミクスの熱膨張特性と類似しており、
最適である。
造は、前述の本発明の各実施例と全く同じであり、蛍光
面5は透明基板19上に印刷方式により、ブラック・マ
トリックス層20、3色蛍光体層21等を形成すること
により行われる。このシャドウ・マスク*蛍光面構造体
18はその一端を金属フレーム7に溶接した支持バネ1
4を介して、セラッミクスのピン37により懸架され
る。また、絶縁性のセラッミクスのピン37により、金
属フレーム7の支持バネ14と金属側壁部35との間の
絶縁が行われるので、前述したような複合パネル34を
使用する場合の欠点である高電圧の露出の問題も生じな
い。この複合パネル34は従来と同様に、フリット・ガ
ラス10により、ファンネル8と接合される。この金属
側壁部35とファンネル8との接合、金属側壁部35と
フェース・プレート部3との接合、金属側壁部35とセ
ラッミクスのピン37との接合の3箇所の接合をうまく
行うためには、これらの材料の熱物性値を合わせる必要
があり、金属側壁部35の材料としてはコバール材(2
8%Ni−17%Cr−鉄合金)が変曲点も含めて、ガ
ラスおよびセラッミクスの熱膨張特性と類似しており、
最適である。
【0063】実施例13.図18は本発明のカラー陰極
線管1の他の実施例を示すものであり、水平方向の部分
拡大断面図を示す。この実施例では、蛍光面5のコント
ラスト性能を上げるために、透明基板19上に形成され
た蛍光面5のRGB3色蛍光体層21と透明基板19と
の間に、RGB3色蛍光体層21の各々の蛍光体層の発
光特性に対応した光学的特性を有する、無機材料から成
るコントラスト増進フィルター層(48〜50)を設け
た。このコントラスト増進フィルター層(48〜50)
の光学的特性としては、蛍光体層からの発光は出来るだ
け透過し、外光に関しては出来るだけ多くを吸収するよ
うな透過率特性を有するものであり、RGB3色蛍光体
層21の各々に対して違った透過率特性を有するフィル
ター層を適用する。また、コントラスト増進フィルター
層(48〜50)の材質としては、カラー陰極線管製造
工程に於ける、350〜450℃での3〜4回の熱処理
工程のため、有機系の材料では変質の恐れがあるので無
機材料を使用する。
線管1の他の実施例を示すものであり、水平方向の部分
拡大断面図を示す。この実施例では、蛍光面5のコント
ラスト性能を上げるために、透明基板19上に形成され
た蛍光面5のRGB3色蛍光体層21と透明基板19と
の間に、RGB3色蛍光体層21の各々の蛍光体層の発
光特性に対応した光学的特性を有する、無機材料から成
るコントラスト増進フィルター層(48〜50)を設け
た。このコントラスト増進フィルター層(48〜50)
の光学的特性としては、蛍光体層からの発光は出来るだ
け透過し、外光に関しては出来るだけ多くを吸収するよ
うな透過率特性を有するものであり、RGB3色蛍光体
層21の各々に対して違った透過率特性を有するフィル
ター層を適用する。また、コントラスト増進フィルター
層(48〜50)の材質としては、カラー陰極線管製造
工程に於ける、350〜450℃での3〜4回の熱処理
工程のため、有機系の材料では変質の恐れがあるので無
機材料を使用する。
【0064】図19は印刷法により、コントラスト増進
フィルター層(48〜50)とRGB3色蛍光体層21
を形成するプロセスを説明するための図である。先ず、
のごとく、前述と同様なスクリーン印刷等の方法によ
り、透明基板19にブラック・マトリックス層20を形
成する。次にのごとく、G(緑色)蛍光体層を後の印
刷で設ける位置に予め、G(緑色)コントラスト増進フ
ィルター層49を印刷する。この時の印刷用インクはG
(緑色)顔料とペーストを混練したものである。後、同
様に、のごとく、B(青色)コントラスト増進フィ
ルター層50、R(赤色)コントラスト増進フィルター
層48を印刷する。この後、前述の実施例と同様に、各
々の色のコントラスト増進フィルター層(48〜50)
の上から、、、のごとくRGB3色蛍光体層21
を順番に印刷して蛍光面の印刷が完了する。
フィルター層(48〜50)とRGB3色蛍光体層21
を形成するプロセスを説明するための図である。先ず、
のごとく、前述と同様なスクリーン印刷等の方法によ
り、透明基板19にブラック・マトリックス層20を形
成する。次にのごとく、G(緑色)蛍光体層を後の印
刷で設ける位置に予め、G(緑色)コントラスト増進フ
ィルター層49を印刷する。この時の印刷用インクはG
(緑色)顔料とペーストを混練したものである。後、同
様に、のごとく、B(青色)コントラスト増進フィ
ルター層50、R(赤色)コントラスト増進フィルター
層48を印刷する。この後、前述の実施例と同様に、各
々の色のコントラスト増進フィルター層(48〜50)
の上から、、、のごとくRGB3色蛍光体層21
を順番に印刷して蛍光面の印刷が完了する。
【0065】実施例14.前記、実施例13.の印刷方
法では、透明基板19上にブラック・マトリックス層2
0、コントラスト増進フィルター層(48〜50)およ
びRGB3色蛍光体層21を重ねて印刷するために印刷
の合計の厚みが非常に厚くなってしまう欠点を有する。
この上に実際には、アルミ・バック層22を形成する必
要があり真空蒸着性等に問題を生じる恐れがある。この
対策として、本実施例では、図20に示すごとく、ブラ
ック・マトリックス層20およびコントラスト増進フィ
ルター層(48〜50)を透明基板19のRGB3色蛍
光体層21を設けた面とは反対側の面に設けるようにし
たものである。
法では、透明基板19上にブラック・マトリックス層2
0、コントラスト増進フィルター層(48〜50)およ
びRGB3色蛍光体層21を重ねて印刷するために印刷
の合計の厚みが非常に厚くなってしまう欠点を有する。
この上に実際には、アルミ・バック層22を形成する必
要があり真空蒸着性等に問題を生じる恐れがある。この
対策として、本実施例では、図20に示すごとく、ブラ
ック・マトリックス層20およびコントラスト増進フィ
ルター層(48〜50)を透明基板19のRGB3色蛍
光体層21を設けた面とは反対側の面に設けるようにし
たものである。
【0066】RGB3色蛍光体層21に関しては、電子
ビームで励起発光させる必要性から、必ず電子銃側に設
ける必要があるが、ブラック・マトリックス層20およ
びコントラスト増進フィルター層(48〜50)に関し
ては、透明基板19の厚みが非常に薄い(50〜500
μm)こともあり、視差による悪影響もほとんどないた
め、RGB3色蛍光体層21とは、反対側の面に設けて
も支障はない。本実施例では、ブラック・マトリックス
層20およびコントラスト増進フィルター層(48〜5
0)の両方をRGB3色蛍光体層21とは反対側の面に
設けたが、本発明にはこれに限られるものはなくどちら
か一方だけをRGB3色蛍光体層21とは反対側の面に
設けてもよい。
ビームで励起発光させる必要性から、必ず電子銃側に設
ける必要があるが、ブラック・マトリックス層20およ
びコントラスト増進フィルター層(48〜50)に関し
ては、透明基板19の厚みが非常に薄い(50〜500
μm)こともあり、視差による悪影響もほとんどないた
め、RGB3色蛍光体層21とは、反対側の面に設けて
も支障はない。本実施例では、ブラック・マトリックス
層20およびコントラスト増進フィルター層(48〜5
0)の両方をRGB3色蛍光体層21とは反対側の面に
設けたが、本発明にはこれに限られるものはなくどちら
か一方だけをRGB3色蛍光体層21とは反対側の面に
設けてもよい。
【0067】図20は印刷法により、透明基板19の両
側にRGB3色蛍光体層21並びにブラック・マトリッ
クス層20およびコントラスト増進フィルター層(48
〜50)を形成するプロセスを説明するための図であ
る。まず、、、のごとく、前述と同様なスクリー
ン印刷等の方法により、透明基板19上にRGB3色蛍
光体層21を形成する。次に、のごとく、透明基板1
9のRGB3色蛍光体層21を設けた面とは反対側の面
に同様なスクリーン印刷等の方法によりブラック・マト
リックス層20を形成する。後、前述と同様に、、
のごとくスクリーン印刷等の方法により順次コントラ
スト増進フィルター層(48〜50)を印刷して蛍光面
の印刷が完了する。
側にRGB3色蛍光体層21並びにブラック・マトリッ
クス層20およびコントラスト増進フィルター層(48
〜50)を形成するプロセスを説明するための図であ
る。まず、、、のごとく、前述と同様なスクリー
ン印刷等の方法により、透明基板19上にRGB3色蛍
光体層21を形成する。次に、のごとく、透明基板1
9のRGB3色蛍光体層21を設けた面とは反対側の面
に同様なスクリーン印刷等の方法によりブラック・マト
リックス層20を形成する。後、前述と同様に、、
のごとくスクリーン印刷等の方法により順次コントラ
スト増進フィルター層(48〜50)を印刷して蛍光面
の印刷が完了する。
【0068】実施例15.図22は本発明のカラー陰極
線管1の他の実施例を示すものであり、水平方向の断面
図とその部分拡大図である。本発明のカラー陰極線管1
では、シャドウ・マスクおよび蛍光面共に映像スクリー
ンの水平方向の断面は任意の曲線にて構成出来るが、垂
直方向の断面については、何れも直線である。そのため
にカラー陰極線管の設計上大きな制約条件を有する。通
常カラー陰極線管では偏向ヨーク51の磁界分布がきま
れば、電子銃9から発射された3本の電子ビームのシャ
ドウ・マスク孔通過後の蛍光面5上での並び状態は決定
される。蛍光面5上での電子ビームの並びは等間隔であ
ることが望ましいので、従来は主としてシャドウ・マス
クの曲面を修正してシャドウ・マスク孔通過後の蛍光面
5上での電子ビームの並び状態を均等化していた。これ
はシャドウ・マスクと蛍光面の間隔を修正してシャドウ
・マスク通過後の蛍光面5上での電子ビームの並び状態
を均等化するものである。同様の効果は蛍光面5の曲面
をさわっても得ることが出来る。しかしながら、本発明
のカラー陰極線管1の場合は、前述のごとく、シャドウ
・マスクおよび蛍光面共に映像スクリーンの垂直方向に
は直線であるため、垂直方向の任意の場所で電子ビーム
の並び状態を変える事は不可能である。水平方向に関し
てはシャドウ・マスクおよび蛍光面共に任意の曲線をと
ることが出来るので、電子ビームの蛍光面上での並びは
容易に修正出来る。
線管1の他の実施例を示すものであり、水平方向の断面
図とその部分拡大図である。本発明のカラー陰極線管1
では、シャドウ・マスクおよび蛍光面共に映像スクリー
ンの水平方向の断面は任意の曲線にて構成出来るが、垂
直方向の断面については、何れも直線である。そのため
にカラー陰極線管の設計上大きな制約条件を有する。通
常カラー陰極線管では偏向ヨーク51の磁界分布がきま
れば、電子銃9から発射された3本の電子ビームのシャ
ドウ・マスク孔通過後の蛍光面5上での並び状態は決定
される。蛍光面5上での電子ビームの並びは等間隔であ
ることが望ましいので、従来は主としてシャドウ・マス
クの曲面を修正してシャドウ・マスク孔通過後の蛍光面
5上での電子ビームの並び状態を均等化していた。これ
はシャドウ・マスクと蛍光面の間隔を修正してシャドウ
・マスク通過後の蛍光面5上での電子ビームの並び状態
を均等化するものである。同様の効果は蛍光面5の曲面
をさわっても得ることが出来る。しかしながら、本発明
のカラー陰極線管1の場合は、前述のごとく、シャドウ
・マスクおよび蛍光面共に映像スクリーンの垂直方向に
は直線であるため、垂直方向の任意の場所で電子ビーム
の並び状態を変える事は不可能である。水平方向に関し
てはシャドウ・マスクおよび蛍光面共に任意の曲線をと
ることが出来るので、電子ビームの蛍光面上での並びは
容易に修正出来る。
【0069】従って本発明のカラー陰極線管1の場合、
映像スクリーンの垂直方向に関して、蛍光面上のビーム
並びを修正するためのなんらかの手段が必要である。こ
のような補正のために、本実施例では、偏向ヨーク51
の入口部分に副ヨーク53を設置して、ここから、少な
くとも垂直方向の偏向に同期させて、磁界をかけて、偏
向面52での3本の電子ビームの間隔を変えて、シャド
ウ・マスク孔通過後の電子ビームの蛍光面上での並びを
変えるようにしたものである。
映像スクリーンの垂直方向に関して、蛍光面上のビーム
並びを修正するためのなんらかの手段が必要である。こ
のような補正のために、本実施例では、偏向ヨーク51
の入口部分に副ヨーク53を設置して、ここから、少な
くとも垂直方向の偏向に同期させて、磁界をかけて、偏
向面52での3本の電子ビームの間隔を変えて、シャド
ウ・マスク孔通過後の電子ビームの蛍光面上での並びを
変えるようにしたものである。
【0070】副ヨーク53の部分の紙面に垂直な方向へ
の断面図を、下部のH部断面図にて示す。本実施例のカ
ラー陰極線管1では、ネック部12に内蔵した電子銃9
の頂部のカップ部13のサイド・ビーム55および56
(3本の電子ビームの内、両側のビーム)の出口の部分
にポール・ピース54が設置されており、外部電磁コイ
ル58からの磁界をこのポール・ピース54でサイド・
ビーム55および56を垂直に横切るように導く。この
場合電子ビームは図のごとく水平方向に力を受けて動
く。従って、垂直偏向と同期させて、外部電磁コイル5
8に流す電流を変えてやると、センター・ビーム57に
関しては動かないため、偏向面52でのセンター・ビー
ム57に対する各電子ビームの間隔を変えることが出来
る。この結果、シャドウ・マスク孔通過後の電子ビーム
の蛍光面上での並びを自由に変えることが可能となる。
の断面図を、下部のH部断面図にて示す。本実施例のカ
ラー陰極線管1では、ネック部12に内蔵した電子銃9
の頂部のカップ部13のサイド・ビーム55および56
(3本の電子ビームの内、両側のビーム)の出口の部分
にポール・ピース54が設置されており、外部電磁コイ
ル58からの磁界をこのポール・ピース54でサイド・
ビーム55および56を垂直に横切るように導く。この
場合電子ビームは図のごとく水平方向に力を受けて動
く。従って、垂直偏向と同期させて、外部電磁コイル5
8に流す電流を変えてやると、センター・ビーム57に
関しては動かないため、偏向面52でのセンター・ビー
ム57に対する各電子ビームの間隔を変えることが出来
る。この結果、シャドウ・マスク孔通過後の電子ビーム
の蛍光面上での並びを自由に変えることが可能となる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、カラ
ー陰極線管の蛍光面とシャドウ・マスクとを一体化構造
としたため、カラー陰極線管の製造工程中の取扱いや熱
処理等により、シャドウ・マスク面やそれを支えるフレ
ームや支持バネ等が機械的、熱的変形を起こしても、シ
ャドウ・マスクと蛍光面が一体で変化するため、カラー
陰極線管の完成後の動作時の色ズレ等の不都合の少ない
高品位のカラー陰極線管を得ることが出来る。
ー陰極線管の蛍光面とシャドウ・マスクとを一体化構造
としたため、カラー陰極線管の製造工程中の取扱いや熱
処理等により、シャドウ・マスク面やそれを支えるフレ
ームや支持バネ等が機械的、熱的変形を起こしても、シ
ャドウ・マスクと蛍光面が一体で変化するため、カラー
陰極線管の完成後の動作時の色ズレ等の不都合の少ない
高品位のカラー陰極線管を得ることが出来る。
【0072】また、この発明によれば、蛍光面をカラー
陰極線管のパネルのフェース・プレート部内面から切り
離して別の透明基板上に形成するので、比較的低コスト
の鉛添加ガラスをパネルの材料として、使用出来、カラ
ー陰極線管の低コスト化が可能となる。
陰極線管のパネルのフェース・プレート部内面から切り
離して別の透明基板上に形成するので、比較的低コスト
の鉛添加ガラスをパネルの材料として、使用出来、カラ
ー陰極線管の低コスト化が可能となる。
【0073】また、この発明によれば、蛍光面をカラー
陰極線管のパネルのフェース・プレート部内面から切り
離して別の透明基板上に形成するので、印刷方式の蛍光
面の製法が適用出来、カラー陰極線管の製造コストを大
幅に削減出来る。
陰極線管のパネルのフェース・プレート部内面から切り
離して別の透明基板上に形成するので、印刷方式の蛍光
面の製法が適用出来、カラー陰極線管の製造コストを大
幅に削減出来る。
【図1】本発明によるカラー陰極線管の構造を示す図で
ある。
ある。
【図2】本発明によるカラー陰極線管の垂直方向の断面
図と部分拡大図である。
図と部分拡大図である。
【図3】本発明によるカラー陰極線管の水平方向の断面
図と部分拡大図である。
図と部分拡大図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す図で本発明の垂直方
向の断面図と部分拡大図である。
向の断面図と部分拡大図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図で本発明の垂直方
向の断面図と部分拡大図である。
向の断面図と部分拡大図である。
【図6】直接印刷方式による蛍光面の製造工程を示す図
である。
である。
【図7】本発明のカラー陰極線管の蛍光面を直接印刷法
で形成するための方法を示す図である。
で形成するための方法を示す図である。
【図8】ベース・フィルムへの蛍光面の印刷工程を説明
する図である。
する図である。
【図9】ベース・フィルムへの印刷が完了した蛍光面を
透明基板上に転写する工程の説明図である。
透明基板上に転写する工程の説明図である。
【図10】蛍光面が形成された透明基板を曲げて形成す
る方法を示す図である。
る方法を示す図である。
【図11】蛍光面とスリット状のグリルの位置合わせと
金属フレームへの固定方法を示す図である。
金属フレームへの固定方法を示す図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
【図13】透明基板支持およびシャドウ・マスク支持金
属枠体の位置合わせ、接合方法を示す図である。
属枠体の位置合わせ、接合方法を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
【図15】本発明の他の実施例を示すものでシャドウ・
マスク*蛍光面構造体の一部断面図である。
マスク*蛍光面構造体の一部断面図である。
【図16】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
【図17】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
ー陰極線管の垂直方向の断面図である。
【図18】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の水平方向の断面図である。
ー陰極線管の水平方向の断面図である。
【図19】印刷法によりコントラスト増進フィルター層
とRGB3色蛍光体層を形成する図である。
とRGB3色蛍光体層を形成する図である。
【図20】印刷法により透明基板の両面にフィルター層
とRGB3色蛍光体層を形成する図である。
とRGB3色蛍光体層を形成する図である。
【図21】印刷法により透明基板の両面にフィルター層
と蛍光体層等を形成する工程図である。
と蛍光体層等を形成する工程図である。
【図22】本発明の他の実施例を示す図で本発明のカラ
ー陰極線管の水平方向の断面図である。
ー陰極線管の水平方向の断面図である。
【図23】従来のカラー陰極線管の構造を示す図であ
る。
る。
【図24】従来のカラー陰極線管の水平方向の断面図と
その部分拡大図である。
その部分拡大図である。
【図25】従来のカラー陰極線管の水平方向の断面図と
その部分拡大図である。
その部分拡大図である。
【図26】従来のカラー陰極線管の蛍光面の構造の過程
を示す図である。
を示す図である。
【図27】カラー陰極線管の蛍光面の露光装置の概略断
面図である。
面図である。
1 本発明のカラー陰極線管 2 パネル 3 フェース・プレート部 4 側壁部 5 蛍光面 6 スリット状のグリル 7 金属フレーム 8 ファンネル 9 電子銃 10 フリット・ガラス 11 アノード・ボタン 12 ネック部 13 カップ部 14 支持バネ 15 金属製ピン 16 導通バネ 17 内部導電膜 18 シャドウ・マスク*蛍光面構造体 19 透明基板 20 ブラック・マトリックス層 21 RGB3色蛍光体層 22 アルミ・バック層 23 導電性フリット・ガラス 24 導通塗料 25 内部磁気シールド 26 スリット状の開口 27 従来のカラー陰極線管 28 スロット型シャドウ・マスク 29 スロット状の孔 30 ピン導通膜 31 表面反射低減光学膜 32 透明基板支持金属枠体 33 マスク支持金属枠体 34 複合パネル 35 金属側壁部 36 フリット・ガラス 37 セラッミクスのピン 38 ピン接着用フリット・ガラス 39 印刷用スキージー 40 スクリーン枠 41 印刷用版 42 印刷用インク 43 カメラ・センサー 44 透明基板押さえ治具 45 押さえ板 46 透明基板押さえ用弾性体 47 フレーム接合板 48 Rコントラスト増進フィルター層 49 Gコントラスト増進フィルター層 50 Bコントラスト増進フィルター層 51 偏向ヨーク 52 偏向面 53 副ヨーク 54 ポール・ピース 55 サイド・ビーム 56 サイド・ビーム 57 センター・ビーム 58 外部電磁コイル 59 感光材 60 露光装置 61 メイン・レンズ 62 補助レンズ 63 調光フィルター 64 露光用光源 65 ストッパー 66 スライド溝 67 バイメタル 68 ベース・フィルム 69 ベース・フィルムの供給ロール 70 巻き取りロール 71 転写用加熱プレス 72 巻き取りロール 73 加熱ヒータ 74 電子ビーム 75 接合支持体 76 加熱成形台 77 加熱ヒータ 78 スクリーン印刷機
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本実施例の場合、まず前述と同様に、蛍光
面5とスリット状のグリル6との幾何学的位置関係を蛍
光面5を構成する透明基板19の位置を微調整して合わ
せた後に、透明基板押さえ用弾性体46を介して、押さ
え板45により、透明基板19を機械的に押さえて、金
属フレーム7上に固定する。この時、押さえ板45は金
属フレーム7にスポット溶接やネジ留めのような方法に
より固定される。透明基板押さえ用弾性体46としては
金属バネ等が使用される。この場合、金属フレーム7の
透明基板19取りつけ部分の内径は、隙間gを生じるよ
うに透明基板19の外径よりも少し大きめに作られてお
り、また、前述とは異なり、金属フレーム7への透明基
板19の導電性フリット・ガラスにおける接着固定も行
わず、単に機械的に押さえ込むだけなので、透明基板1
9の温度上昇時の熱膨張による透明基板19の寸法の変
化を逃がすことが出来、透明基板19の弛み等による蛍
光面5の発光の色ズレ等を防止出来る。この時は導電性
フリット・ガラスを介しての蛍光面5への導通がとれな
いため、熱伸縮性のある導通塗料24により、蛍光面5
のブラック・マトリックス層20或いはアルミ・バック
層22とを直接に接続して電気的導通がとられる。
面5とスリット状のグリル6との幾何学的位置関係を蛍
光面5を構成する透明基板19の位置を微調整して合わ
せた後に、透明基板押さえ用弾性体46を介して、押さ
え板45により、透明基板19を機械的に押さえて、金
属フレーム7上に固定する。この時、押さえ板45は金
属フレーム7にスポット溶接やネジ留めのような方法に
より固定される。透明基板押さえ用弾性体46としては
金属バネ等が使用される。この場合、金属フレーム7の
透明基板19取りつけ部分の内径は、隙間gを生じるよ
うに透明基板19の外径よりも少し大きめに作られてお
り、また、前述とは異なり、金属フレーム7への透明基
板19の導電性フリット・ガラスにおける接着固定も行
わず、単に機械的に押さえ込むだけなので、透明基板1
9の温度上昇時の熱膨張による透明基板19の寸法の変
化を逃がすことが出来、透明基板19の弛み等による蛍
光面5の発光の色ズレ等を防止出来る。この時は導電性
フリット・ガラスを介しての蛍光面5への導通がとれな
いため、熱伸縮性のある導通塗料24により、蛍光面5
のブラック・マトリックス層20或いはアルミ・バック
層22とを直接に接続して電気的導通がとられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】図21は印刷法により、透明基板19の両
側にRGB3色蛍光体層21並びにブラック・マトリッ
クス層20およびコントラスト増進フィルター層(48
〜50)を形成するプロセスを説明するための図であ
る。まず、、、のごとく、前述と同様なスクリー
ン印刷等の方法により、透明基板19上にRGB3色蛍
光体層21を形成する。次に、のごとく、透明基板1
9のRGB3色蛍光体層21を設けた面とは反対側の面
に同様なスクリーン印刷等の方法によりブラック・マト
リックス層20を形成する。後、前述と同様に、、
のごとくスクリーン印刷等の方法により順次コントラ
スト増進フィルター層(48〜50)を印刷して蛍光面
の印刷が完了する。
側にRGB3色蛍光体層21並びにブラック・マトリッ
クス層20およびコントラスト増進フィルター層(48
〜50)を形成するプロセスを説明するための図であ
る。まず、、、のごとく、前述と同様なスクリー
ン印刷等の方法により、透明基板19上にRGB3色蛍
光体層21を形成する。次に、のごとく、透明基板1
9のRGB3色蛍光体層21を設けた面とは反対側の面
に同様なスクリーン印刷等の方法によりブラック・マト
リックス層20を形成する。後、前述と同様に、、
のごとくスクリーン印刷等の方法により順次コントラ
スト増進フィルター層(48〜50)を印刷して蛍光面
の印刷が完了する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 英男 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 村上 省自 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 奥村 光弘 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 岩田 修司 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内
Claims (27)
- 【請求項1】 パネルとファンネルとから構成されるガ
ラス・バルブの真空外囲器と、この真空外囲器内に配置
され、3本の電子ビームを発射する電子銃と、上記真空
外囲器のファンネル内部の定位置に、パネルのフェース
・プレート部内面に近接し、かつ上記電子銃に対向する
ように配置されたシャドウ・マスク*蛍光面構造体とを
備え、 上記シャドウ・マスク*蛍光面構造体は、上記フェース
プレート部の垂直方向には直線で、水平方向には所定の
曲線で構成された曲面を有するように金属フレームに展
張保持されたスリット状のグリルからなるシャドウ・マ
スクと、上記金属フレームに上記シャドウマスクと所定
の間隔をおいて一体的に保持され、上記シャドウ・マス
クを通過した電子ビームの射突によって発光する3色蛍
光体層を含む蛍光面が形成された透明基板とによって構
成されていることを特徴とするカラー陰極線管。 - 【請求項2】 透明基板として、厚みが50μm 乃至5
00μm のガラス板を使用したことを特徴とする請求項
1記載のカラ−陰極線管。 - 【請求項3】 透明基板にテンション(引張応力)を付
加したことを特徴とする請求項1または2記載のカラ−
陰極線管。 - 【請求項4】 金属フレームを形成する金属材料と、透
明基板を構成する材料の熱膨脹係数を略同一としたこと
を特徴とする請求項1乃至3記載のカラ−陰極線管。 - 【請求項5】 金属フレームとしてコバール材を、透明
基板としてガラス材を使用したことを特徴とする請求項
4記載のカラ−陰極線管。 - 【請求項6】 金属フレームはシャドウ・マスクの支持
面と、透明基板の支持面とがほぼ平行となった階段形状
の断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至5記
載のカラ−陰極線管。 - 【請求項7】 金属フレームと透明基板との接合を導電
性フリット・ガラスにて行なったことを特徴とする請求
項1乃至6記載のカラー陰極線管。 - 【請求項8】 ガラス・バブルのファンネルに設けられ
たアノード・ボタンと蛍光面との間の電気的導通をアノ
ード・ボタン→内部導電膜→導通バネ→金属フレーム→
導電性フリット・ガラス→導通塗料→蛍光面の経路にて
行なうように構成したことを特徴とする請求項1乃至7
記載のカラー陰極線管。 - 【請求項9】 透明基板を金属フレームに固定せずに、
透明基板の熱膨脹による寸法の変化を逃がすような保持
構造としたことを特徴とする請求項1乃至6記載のカラ
ー陰極線管。 - 【請求項10】 透明基板を透明基板押え用弾性体を介
して押え板により押えて、金属フレーム上に保持したこ
とを特徴とする請求項9記載のカラー陰極線管。 - 【請求項11】 金属フレームは、透明基板をスライド
させながら蛍光面とシャドウ・マスクとの幾何学的位置
関係を合わせる為のスライド溝を具備した保持構造を有
していることを特徴とする請求項1乃至6記載のカラー
陰極線管。 - 【請求項12】 金属フレームは、シャドウ・マスクの
支持部分と透明基板の支持部分を別々の金属枠体で構成
されており、両者の幾何学的位置関係を合わせた後に、
接合固定されていることを特徴とする請求項1乃至11
記載のカラー陰極線管。 - 【請求項13】 シャドウ・マスク支持用金属枠体と透
明基板支持用金属枠体の間に、両者の相対的間隔を透明
基板の温度変化に対応して調整する為のバイメタル機構
を介在させたことを特徴とする請求項12記載のカラー
陰極線管。 - 【請求項14】 シャドウ・マスク支持用金属枠体と透
明基板支持用金属枠とを、両者の幾何学的位置関係を合
わせた後に一対以上の接合支持体で両者を接合固定する
と共に、透明基板支持用金属枠体の端部をフレキシブル
な構造とし、透明基板の温度変化に対応して、端部での
両者の相対的間隔を調整する様になしたことを特徴とす
る請求項12記載のカラー陰極線管。 - 【請求項15】 ガラス・バルブのパネルのフェース・
プレート部内外面と透明基板のパネル側外表面の計3面
の内、少なくとも2面以上に表面反射低減光学膜を形成
したことを特徴とする請求項1乃至14記載のカラー陰
極線管。 - 【請求項16】 透明基板を無鉛ガラスで、またガラス
・バルブを構成するパネルを鉛添加ガラスにより構成し
たことを特徴とする請求項1乃至14記載のカラー陰極
線管。 - 【請求項17】 無鉛ガラスの透明基板に着色金属イオ
ンを添加すると共に、パネルを構成する鉛添加ガラスに
は着色金属イオンを添加しないことを特徴とする請求項
16記載のカラー陰極線管。 - 【請求項18】 ガラス・バルブのパネルの側壁部を金
属にて形成し、フェース・プレート部のガラス板とはフ
リット・ガラスにより接合してパネルを構成するととも
に、側壁部内面にフリット・ガラスにより接合したセラ
ミックスのピンにより金属フレームを支持し、パネルの
側壁部の金属と金属フレームとの間を電気的に絶縁した
ことを特徴とする請求項1乃至17記載のカラー陰極線
管。 - 【請求項19】 ガラス・バルブのパネルの側壁部を構
成する金属をコバール材で形成したことを特徴とする請
求項18記載のカラー陰極線管。 - 【請求項20】 透明基板と3色蛍光体層との間に、各
蛍光体層の発光特性に対応した光化学的特性を各々有
し、無機材料から成るコントラスト増進フィルター層を
設けたことを特徴とする請求項1乃至19記載のカラー
陰極線管。 - 【請求項21】 コントラスト増進フィルター層および
ブラック・マトリッリックス層のうちどちらか一方、又
は両方を、蛍光面の透明基盤の3色蛍光体層を設けた面
とは反対側の面に該3色蛍光体層の形成位置に対応させ
て、形成したことを特徴とする請求項20記載のカラー
陰極線管。 - 【請求項22】 電子銃の3本の電子ビームの偏向ヨー
ク面における、ビーム間隔を3本の電子ビームの少なく
とも垂直方向の偏向位置に同期させて変化させるように
したことを特徴とする請求項1乃至21記載のカラー陰
極線管。 - 【請求項23】 パネルとファンネルとから構成される
ガラス・バルブの真空外囲器と、この真空外囲器内に配
置され、3本の電子ビームを発射する電子銃と、上記真
空外囲器のファンネル内部の定位置に、パネルのフェー
ス・プレート部内面に近接し、かつ上記電子銃に対向す
るように配置されたシャドウ・マスク*蛍光面構造体と
を備え、 上記シャドウ・マスク*蛍光面構造体は、上記フェース
プレート部の垂直方向には直線で、水平方向には所定の
曲線で構成された曲面を有するように金属フレームに展
張保持されたスリット状のグリルからなるシャドウ・マ
スクと、上記金属フレームに上記シャドウマスクと所定
の間隔をおいて一体的に保持され、上記シャドウ・マス
クを通過した電子ビームの射突によって発光する3色蛍
光体層を含む蛍光面が形成された透明基板とによって構
成されているカラー陰極線管の製造方法において、 上記蛍光面を形成するに際に、上記透明基板上に少なく
とも3色蛍光体層を直接印刷法により形成するようにし
たことを特徴とするカラー陰極線管の製造方法。 - 【請求項24】 パネルとファンネルとから構成される
ガラス・バルブの真空外囲器と、この真空外囲器内に配
置され、3本の電子ビームを発射する電子銃と、上記真
空外囲器のファンネル内部の定位置に、パネルのフェー
ス・プレート部内面に近接し、かつ上記電子銃に対向す
るように配置されたシャドウ・マスク*蛍光面構造体と
を備え、 上記シャドウ・マスク*蛍光面構造体は、上記フェース
プレート部の垂直方向には直線で、水平方向には所定の
曲線で構成された曲面を有するように金属フレームに展
張保持されたスリット状のグリルからなるシャドウ・マ
スクと、上記金属フレームに上記シャドウマスクと所定
の間隔をおいて一体的に支持され、上記シャドウ・マス
クを通過した電子ビームの射突によって発光する3色蛍
光体層を含む蛍光面が形成された透明基板とによって構
成されているカラー陰極線管の製造方法において、 上記蛍光面を形成する際に、一旦、プラスチック等のシ
ート上に少なくとも3色蛍光体層を直接印刷法により形
成した後、上記3色蛍光体層を上記透明基板上に転写し
て蛍光面を形成するようにしたことを特徴とするカラー
陰極線管の製造方法。 - 【請求項25】 平面状の透明基板上に、少なくとも3
色蛍光体層を印刷法により形成した後、この透明基板を
加熱して、金属フレームの透明基板支持面に沿う曲面形
状に成形することを特徴とする請求項23または24記
載のカラー陰極線管の製造方法。 - 【請求項26】 印刷法により形成された3色蛍光体層
を有する、請求項23記載のカラー陰極線管の製造方法
に用いる透明基板。 - 【請求項27】 印刷法により形成された3色蛍光体層
を有する、請求項24記載のカラー陰極線管の製造方法
に用いるシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32311692A JPH06176705A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | カラー陰極線管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32311692A JPH06176705A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | カラー陰極線管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06176705A true JPH06176705A (ja) | 1994-06-24 |
Family
ID=18151266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32311692A Pending JPH06176705A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | カラー陰極線管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06176705A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040765A (ja) * | 2014-08-12 | 2016-03-24 | ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド | レーザ光学系とこれを備えた車両用ランプ |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP32311692A patent/JPH06176705A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040765A (ja) * | 2014-08-12 | 2016-03-24 | ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド | レーザ光学系とこれを備えた車両用ランプ |
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