JPH06166138A - 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 - Google Patents
無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料Info
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- JPH06166138A JPH06166138A JP4320130A JP32013092A JPH06166138A JP H06166138 A JPH06166138 A JP H06166138A JP 4320130 A JP4320130 A JP 4320130A JP 32013092 A JP32013092 A JP 32013092A JP H06166138 A JPH06166138 A JP H06166138A
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- aluminum material
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- treated aluminum
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来のアルミニウム材料に比べ格段にプレス成
形性と耐食性を向上させることによりプレス工程での塗
油・脱脂なしでの加工を可能とし、しかも工業的に容易
かつ経済的に製造できる有機被覆アルミニウム材料の提
供。 【構成】活性化処理されたアルミニウム材料表面に、有
機樹脂100重量部に対し粉末状潤滑剤2〜40重量部
を含有する有機樹脂混合物で、乾燥膜厚として0.05
〜5.0μmの有機樹脂混合物皮膜を形成してなる無塗
油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料。
形性と耐食性を向上させることによりプレス工程での塗
油・脱脂なしでの加工を可能とし、しかも工業的に容易
かつ経済的に製造できる有機被覆アルミニウム材料の提
供。 【構成】活性化処理されたアルミニウム材料表面に、有
機樹脂100重量部に対し粉末状潤滑剤2〜40重量部
を含有する有機樹脂混合物で、乾燥膜厚として0.05
〜5.0μmの有機樹脂混合物皮膜を形成してなる無塗
油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてプレス成形加
工によりアルミニウム板を加工する自動車、家電、建
材、缶材用等のアルミニウム板の加工性を著しく高めた
表面処理アルミニウム板に関する。
工によりアルミニウム板を加工する自動車、家電、建
材、缶材用等のアルミニウム板の加工性を著しく高めた
表面処理アルミニウム板に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板は自動車、家電、OA機
器、建材、缶材製品等の分野で広く使用されており、こ
れらの製品の製造工程において種々のプレス加工を受け
ることが多い。
器、建材、缶材製品等の分野で広く使用されており、こ
れらの製品の製造工程において種々のプレス加工を受け
ることが多い。
【0003】プレス加工時には通常アルミニウム板表面
に潤滑油を塗布するが、この作業には以下の様な問題点
があった。 (1)潤滑油ではプレス加工時の型かじりの発生を防止
しきれない。 (2)潤滑油はスプレーで塗布されることが多く、潤滑
油が周辺に飛散し作業環境が悪くなる。 (3)プレス加工後製品として組込むために脱脂・洗浄
する必要があるが、この工程で作業環境を低下させた
り、環境問題を発生される危険性の有る溶剤(フロン,
1−1−1トリクロルエタン等)を使用する。
に潤滑油を塗布するが、この作業には以下の様な問題点
があった。 (1)潤滑油ではプレス加工時の型かじりの発生を防止
しきれない。 (2)潤滑油はスプレーで塗布されることが多く、潤滑
油が周辺に飛散し作業環境が悪くなる。 (3)プレス加工後製品として組込むために脱脂・洗浄
する必要があるが、この工程で作業環境を低下させた
り、環境問題を発生される危険性の有る溶剤(フロン,
1−1−1トリクロルエタン等)を使用する。
【0004】そこで塗油なしでプレス成形でき、脱脂工
程も省略できるアルミニウム板の開発が望まれていた
が、缶用材として開発されているワックスを表面に塗布
した従来技術(例えば特開平2−310036、特開平
3−180218ではワックスの塗布量が少ないと加工
性が充分でなく、また塗布量が多いと金型を汚染するた
め、幅広い分野に使用できず、かつ、プレス加工後Al
板の金属表面が露出するためそのまま使用すると耐食性
に問題を生ずる場合もあった。
程も省略できるアルミニウム板の開発が望まれていた
が、缶用材として開発されているワックスを表面に塗布
した従来技術(例えば特開平2−310036、特開平
3−180218ではワックスの塗布量が少ないと加工
性が充分でなく、また塗布量が多いと金型を汚染するた
め、幅広い分野に使用できず、かつ、プレス加工後Al
板の金属表面が露出するためそのまま使用すると耐食性
に問題を生ずる場合もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらワックスを塗布
することによる加工性改善を行う従来法では安定的効果
を種々の異なった成形条件下で得るのは困難でかつ使用
環境によっては加工後塗装その他の防食処理を施さない
と発錆する危険性もあるため、加工後の洗浄工程を省略
したり、完全にプレスオイルを省略することが困難であ
った。
することによる加工性改善を行う従来法では安定的効果
を種々の異なった成形条件下で得るのは困難でかつ使用
環境によっては加工後塗装その他の防食処理を施さない
と発錆する危険性もあるため、加工後の洗浄工程を省略
したり、完全にプレスオイルを省略することが困難であ
った。
【0006】したがって、本発明は、これら従来技術の
欠点を克服するため、より高い加工性を確保するととも
に充分な耐食性を保持し得る表面処理アルミニウム板を
提供することを目的としている。
欠点を克服するため、より高い加工性を確保するととも
に充分な耐食性を保持し得る表面処理アルミニウム板を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これら従
来技術の欠点を克服するため鋭意研究を重ねた結果、ア
ルミニウム板の表面を活性化処理し、その上に潤滑剤を
含む樹脂層を形成することによって充分な加工性を確保
し、かつ、耐食性も保持し得ることを発見し、本発明に
致った。
来技術の欠点を克服するため鋭意研究を重ねた結果、ア
ルミニウム板の表面を活性化処理し、その上に潤滑剤を
含む樹脂層を形成することによって充分な加工性を確保
し、かつ、耐食性も保持し得ることを発見し、本発明に
致った。
【0008】すなわち、本発明の第1の態様によれば、
活性化処理されたアルミニウム材料表面に有機樹脂10
0重量部に対し粉末状潤滑剤2〜40重量部を含有する
有機樹脂混合物で、乾燥膜厚として0.05〜5.0μ
mの有機樹脂混合物皮膜を形成してなることを特徴とす
る無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム
材料が提供される。
活性化処理されたアルミニウム材料表面に有機樹脂10
0重量部に対し粉末状潤滑剤2〜40重量部を含有する
有機樹脂混合物で、乾燥膜厚として0.05〜5.0μ
mの有機樹脂混合物皮膜を形成してなることを特徴とす
る無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム
材料が提供される。
【0009】ここで活性化処理とは、アルカリエッチン
グ処理により表面のアルミナ層を除去する処理または、
鉱酸を含む酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去
する酸洗処理または、アルカリエッチング処理後酸洗処
理を行う処理により表面の酸化物層をほとんど除去する
処理のいずれかの処理である。
グ処理により表面のアルミナ層を除去する処理または、
鉱酸を含む酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去
する酸洗処理または、アルカリエッチング処理後酸洗処
理を行う処理により表面の酸化物層をほとんど除去する
処理のいずれかの処理である。
【0010】また、前記有機樹脂は、エポキシ樹脂、ア
ルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエステル樹脂の1種または2種以上の混合物であるの
が好ましい。なお、ベース樹脂中に、反応促進剤、安定
剤、分散剤等の一般的な添加剤を、本発明の趣旨を損な
わない範囲で適宜添加することは差し支えなく、むしろ
好ましい。
ルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リエステル樹脂の1種または2種以上の混合物であるの
が好ましい。なお、ベース樹脂中に、反応促進剤、安定
剤、分散剤等の一般的な添加剤を、本発明の趣旨を損な
わない範囲で適宜添加することは差し支えなく、むしろ
好ましい。
【0011】また、前記粉末状潤滑剤は、平均粒径が
0.05〜20μmのポリオレフィンワックスおよび/
またはフッ素系樹脂であり、かつその平均粒径が前記乾
燥膜厚の1.0〜10倍であるのが好ましい。
0.05〜20μmのポリオレフィンワックスおよび/
またはフッ素系樹脂であり、かつその平均粒径が前記乾
燥膜厚の1.0〜10倍であるのが好ましい。
【0012】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
におけるアルミニウム材料とは、アルミニウムやアルミ
ニウム合金などのアルミニウム材料を広く包含し、その
形態は、板材、棒材、管材など任意である。本発明にお
いては、上述したアルミニウム材料に、潤滑樹脂との密
着性を確保するために活性化処理を行う。
におけるアルミニウム材料とは、アルミニウムやアルミ
ニウム合金などのアルミニウム材料を広く包含し、その
形態は、板材、棒材、管材など任意である。本発明にお
いては、上述したアルミニウム材料に、潤滑樹脂との密
着性を確保するために活性化処理を行う。
【0013】活性化処理としては、アルカリエッチング
処理により表面のアルミナ層を除去する処理または鉱酸
を含む酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去する
酸洗処理またはアルカリエッチング処理後酸洗処理を行
う処理により表面の酸化物層をほとんど除去する処理の
いずれかが用いられる。
処理により表面のアルミナ層を除去する処理または鉱酸
を含む酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去する
酸洗処理またはアルカリエッチング処理後酸洗処理を行
う処理により表面の酸化物層をほとんど除去する処理の
いずれかが用いられる。
【0014】これらのアルカリエッチング処理、酸洗処
理としては、通常アルミニウム材の処理法として行われ
ている方法で良く、市販の処理液を使用することも可能
である。例えば、アルカリエッチング処理としては、苛
性ソーダ、苛性カリなどを、酸洗処理としては、硫酸、
硝酸、フッ酸、硝酸+フッ酸混合液などを用いることが
できる。
理としては、通常アルミニウム材の処理法として行われ
ている方法で良く、市販の処理液を使用することも可能
である。例えば、アルカリエッチング処理としては、苛
性ソーダ、苛性カリなどを、酸洗処理としては、硫酸、
硝酸、フッ酸、硝酸+フッ酸混合液などを用いることが
できる。
【0015】本発明において、活性化処理後のアルミニ
ウム材料表面上に形成される皮膜は有機樹脂および粉末
状潤滑剤からなるものである。
ウム材料表面上に形成される皮膜は有機樹脂および粉末
状潤滑剤からなるものである。
【0016】有機樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエステル樹脂の1種または2種以上の混合物が用い
られる。
アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリエステル樹脂の1種または2種以上の混合物が用い
られる。
【0017】これら有機樹脂混合物の乾燥膜厚はあまり
過少では樹脂による潤滑性向上の効果が少なく、またあ
まり過大では加工時に皮膜の一部がはく離し加工性を低
下させる原因となる。0.05〜5.0μmの範囲で加
工時に皮膜がはく離することなく潤滑性が向上できる。
より好ましい範囲は0.1〜1.0μmである。
過少では樹脂による潤滑性向上の効果が少なく、またあ
まり過大では加工時に皮膜の一部がはく離し加工性を低
下させる原因となる。0.05〜5.0μmの範囲で加
工時に皮膜がはく離することなく潤滑性が向上できる。
より好ましい範囲は0.1〜1.0μmである。
【0018】粉末状潤滑剤は、ポリオレフィンワックス
またはフッ素系樹脂あるいはこれらの混合物を用いるの
が好ましい。
またはフッ素系樹脂あるいはこれらの混合物を用いるの
が好ましい。
【0019】ポリオレフィンワックスとしては、例えば
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリ
ブテンワックス等を挙げることができる。
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリ
ブテンワックス等を挙げることができる。
【0020】フッ素系樹脂としては、例えばポリ4フッ
化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂等を挙げることができる。
化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂等を挙げることができる。
【0021】これらの潤滑剤の平均粒径が0.05〜2
0μmで、かつ前記乾燥膜厚の1.0〜10倍の範囲で
用いるのが良い。
0μmで、かつ前記乾燥膜厚の1.0〜10倍の範囲で
用いるのが良い。
【0022】潤滑剤の平均粒径が前記乾燥膜厚に比べ過
小では潤滑性が不十分であり、また逆に過大では加工時
に潤滑剤の脱落が起り易くなる。より好ましい範囲は乾
燥膜厚の1.5〜5倍である。
小では潤滑性が不十分であり、また逆に過大では加工時
に潤滑剤の脱落が起り易くなる。より好ましい範囲は乾
燥膜厚の1.5〜5倍である。
【0023】また、粉末状潤滑剤は有機樹脂100重量
部に対して2重量部未満の添加では潤滑性向上の効果が
十分でなく、40重量部超の添加では有機樹脂の凝集力
を低下させる危険性があるので2〜40重量部の範囲に
限定した。
部に対して2重量部未満の添加では潤滑性向上の効果が
十分でなく、40重量部超の添加では有機樹脂の凝集力
を低下させる危険性があるので2〜40重量部の範囲に
限定した。
【0024】前記粉末状潤滑剤の平均粒径は、顕微鏡に
て直接観察測定したものである。
て直接観察測定したものである。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。
明する。
【0026】(実施例)自動車車体材料として使用され
ている代表的な加工用アルミニウム合金である1mm厚
の5182合金板を用い、まずアルミニウム合金板表面
をトリクロールエタンで蒸気脱脂後、表1に示す活性化
処理を施した。
ている代表的な加工用アルミニウム合金である1mm厚
の5182合金板を用い、まずアルミニウム合金板表面
をトリクロールエタンで蒸気脱脂後、表1に示す活性化
処理を施した。
【0027】つぎに、表2に示す割合にボールミルにて
有機樹脂混合物を調製して前記活性化処理した試料表面
上にバーコーターにて塗布し、それぞれ表2に示す乾燥
膜厚の皮膜を形成した。乾燥は熱風循環式乾燥炉によっ
て行った。表中、アルソフトおよびデスマットは奥野製
薬工業社製のものである。
有機樹脂混合物を調製して前記活性化処理した試料表面
上にバーコーターにて塗布し、それぞれ表2に示す乾燥
膜厚の皮膜を形成した。乾燥は熱風循環式乾燥炉によっ
て行った。表中、アルソフトおよびデスマットは奥野製
薬工業社製のものである。
【0028】なお、表2の各有機樹脂は下記のものを用
いた。 エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ株式会社製 エピコ
ート1007 アルキッド樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユリックス アクリル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルマテック
ス749−7 ウレタン樹脂 三井東圧化学株式会社製 オレスター フェノール樹脂 大日本インキ化学工業株式会社製 ス
ーパーベッカサイト メラミン樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユーバン ポリビニルブチラール樹脂 電気化学工学株式会社製
デンカブチラール ポリエステル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルマテ
ックスP645
いた。 エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ株式会社製 エピコ
ート1007 アルキッド樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユリックス アクリル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルマテック
ス749−7 ウレタン樹脂 三井東圧化学株式会社製 オレスター フェノール樹脂 大日本インキ化学工業株式会社製 ス
ーパーベッカサイト メラミン樹脂 三井東圧化学株式会社製 ユーバン ポリビニルブチラール樹脂 電気化学工学株式会社製
デンカブチラール ポリエステル樹脂 三井東圧化学株式会社製 アルマテ
ックスP645
【0029】また、エポキシ+アクリル樹脂はエポキシ
樹脂100重量部に対しアクリル樹脂50重量部、エポ
キシ+ウレタン樹脂はエポキシ樹脂100重量部に対し
ウレタン樹脂100重量部、アクリル+ウレタン樹脂は
アクリル樹脂100重量部に対しウレタン樹脂100重
量部とした。
樹脂100重量部に対しアクリル樹脂50重量部、エポ
キシ+ウレタン樹脂はエポキシ樹脂100重量部に対し
ウレタン樹脂100重量部、アクリル+ウレタン樹脂は
アクリル樹脂100重量部に対しウレタン樹脂100重
量部とした。
【0030】ポリオレフィンワックスはポリエチレンワ
ックスを用い、フッ素樹脂はポリ4フッ化エチレン樹脂
を用いた。これらの混合物の場合の混合比はポリオレフ
ィンワックス100重量部に対しフッ素樹脂100重量
部とした。
ックスを用い、フッ素樹脂はポリ4フッ化エチレン樹脂
を用いた。これらの混合物の場合の混合比はポリオレフ
ィンワックス100重量部に対しフッ素樹脂100重量
部とした。
【0031】(加工性の試験と評価方法)アルミニウム
合金板の加工性は33mmφ平頭円筒絞り(しわ押え力1
000kg、加工速度100mm/sec)での限界絞り比で
評価した。なお、試験は潤滑防錆油(杉松化学社製R3
03P)を塗油(約2g/m2)した場合としない場合の2
条件で行い、樹脂処理材についてはブランク径66mmφ
の塗油なし材で加工後外観を評価し皮膜の脱落や円筒側
面全周にわたってかじりの生じたものを不良(×印)、
部分的にこれらの欠陥が生じたものを普通(△印)、こ
れらの欠陥が生じなかったものを良好(○印)として目
視判定した。
合金板の加工性は33mmφ平頭円筒絞り(しわ押え力1
000kg、加工速度100mm/sec)での限界絞り比で
評価した。なお、試験は潤滑防錆油(杉松化学社製R3
03P)を塗油(約2g/m2)した場合としない場合の2
条件で行い、樹脂処理材についてはブランク径66mmφ
の塗油なし材で加工後外観を評価し皮膜の脱落や円筒側
面全周にわたってかじりの生じたものを不良(×印)、
部分的にこれらの欠陥が生じたものを普通(△印)、こ
れらの欠陥が生じなかったものを良好(○印)として目
視判定した。
【0032】(耐食性の試験と評価方法)試料の耐食性
は各試料から75×150mmの板を切り出し、端面を
シールした後360時間の塩水噴霧試験(5%NaC
l、35℃)を行い、白錆発生および/または黒変した
ものを不良(×印)、変化しなかったものを良好(○
印)とした。
は各試料から75×150mmの板を切り出し、端面を
シールした後360時間の塩水噴霧試験(5%NaC
l、35℃)を行い、白錆発生および/または黒変した
ものを不良(×印)、変化しなかったものを良好(○
印)とした。
【0033】本発明例および比較例を表2にまとめて示
す。これから明らかな様に本発明の表面皮膜を有するア
ルミニウム合金板はいずれも優れた加工性、耐食性を有
し、特に塗油しないで加工した場合、塗油した場合より
も更に加工性に優れることがわかる。
す。これから明らかな様に本発明の表面皮膜を有するア
ルミニウム合金板はいずれも優れた加工性、耐食性を有
し、特に塗油しないで加工した場合、塗油した場合より
も更に加工性に優れることがわかる。
【0034】これに対して比較例1の無処理材は加工
性、耐食性に劣り、特に塗油なしの場合著しく加工性に
劣ることがわかる。比較例2は樹脂皮膜は有するものの
活性化処理されていないため皮膜の密着性が不充分なた
め充分な加工性、耐食性が得られていない。
性、耐食性に劣り、特に塗油なしの場合著しく加工性に
劣ることがわかる。比較例2は樹脂皮膜は有するものの
活性化処理されていないため皮膜の密着性が不充分なた
め充分な加工性、耐食性が得られていない。
【0035】比較例3、4は樹脂厚不足のため充分な加
工性、耐食性が得られていない。比較例5は潤滑剤過多
のため、パウダリングを生じ加工後外観が低下し耐食性
も劣化する。比較例6は潤滑剤過少のため塗油なしでの
加工性が不充分で外観も劣る。
工性、耐食性が得られていない。比較例5は潤滑剤過多
のため、パウダリングを生じ加工後外観が低下し耐食性
も劣化する。比較例6は潤滑剤過少のため塗油なしでの
加工性が不充分で外観も劣る。
【0036】比較例7は潤滑剤過大のため加工後外観と
耐食性が充分でなく、比較例8は過少のため加工性が充
分でない。比較例9は膜厚が厚過ぎてパウダリングを生
じ加工性が充分でない。
耐食性が充分でなく、比較例8は過少のため加工性が充
分でない。比較例9は膜厚が厚過ぎてパウダリングを生
じ加工性が充分でない。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればア
ルミニウム板またはアルミニウム合金板の表面を活性化
処理し、その上に粉末状潤滑剤を含有する有機樹脂混合
物皮膜を形成することによって、プレス加工性および耐
食性は著しく改善される。特に塗油なしでの場合塗油し
た時よりも優れた加工性を示すという著しい効果があ
る。
ルミニウム板またはアルミニウム合金板の表面を活性化
処理し、その上に粉末状潤滑剤を含有する有機樹脂混合
物皮膜を形成することによって、プレス加工性および耐
食性は著しく改善される。特に塗油なしでの場合塗油し
た時よりも優れた加工性を示すという著しい効果があ
る。
【0044】これによって、種々のプレス成形時におけ
る塗油・脱脂工程を省略することが出来、コスト低減、
環境改善の効果が上がる。また、他の材料と混合され、
塗油・脱脂工程を経ても充分な加工性、耐食性を保持す
るためそのような混流工程での使用も妨げるものではな
い。
る塗油・脱脂工程を省略することが出来、コスト低減、
環境改善の効果が上がる。また、他の材料と混合され、
塗油・脱脂工程を経ても充分な加工性、耐食性を保持す
るためそのような混流工程での使用も妨げるものではな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬 渕 昌 樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 橋 口 耕 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 大 和 康 二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 難波江 元 広 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】活性化処理されたアルミニウム材料表面
に、有機樹脂100重量部に対し粉末状潤滑剤2〜40
重量部を含有する有機樹脂混合物で、乾燥膜厚として
0.05〜5.0μmの有機樹脂混合物皮膜を形成して
なることを特徴とする無塗油で良好な加工性を有する表
面処理アルミニウム材料。 - 【請求項2】上記活性化処理が、アルカリエッチング処
理により表面のアルミナ層を除去する処理、または鉱酸
を含む酸性水溶液中で主としてマグネシア層を除去する
酸洗処理またはアルカリエッチング処理後酸洗処理を行
う処理である請求項1に記載の無塗油で良好な加工性を
有する表面処理アルミニウム材料。 - 【請求項3】前記有機樹脂は、エポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
ステル樹脂の1種または2種以上の混合物である請求項
1または2に記載の無塗油で良好な加工性を有する表面
処理アルミニウム材料。 - 【請求項4】前記粉末状潤滑剤は、平均粒径が0.05
〜20μmのポリオレフィンワックスおよび/またはフ
ッ素系樹脂であり、かつその平均粒径が前記乾燥膜厚の
1.0〜10倍である請求項1〜3のいずれかに記載の
無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4320130A JPH06166138A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4320130A JPH06166138A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166138A true JPH06166138A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=18118043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4320130A Withdrawn JPH06166138A (ja) | 1992-11-30 | 1992-11-30 | 無塗油で良好な加工性を有する表面処理アルミニウム材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06166138A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08187818A (ja) * | 1995-01-13 | 1996-07-23 | Nippon Light Metal Co Ltd | プレス成形性および耐食性に優れたアルミニウム板 |
WO2008084839A1 (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-17 | Furukawa-Sky Aluminum Corp. | アルミニウム電解コンデンサケース用樹脂被覆アルミニウム合金板材、アルミニウム電解コンデンサケース、及びアルミニウム電解コンデンサ |
JP2010017979A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 樹脂被覆アルミニウム合金板およびその樹脂被覆アルミニウム合金板を用いたhddケース,hdd及び樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法 |
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1992
- 1992-11-30 JP JP4320130A patent/JPH06166138A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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