JPH06132082A - 薄膜電界発光素子および製造法 - Google Patents
薄膜電界発光素子および製造法Info
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- JPH06132082A JPH06132082A JP4788992A JP4788992A JPH06132082A JP H06132082 A JPH06132082 A JP H06132082A JP 4788992 A JP4788992 A JP 4788992A JP 4788992 A JP4788992 A JP 4788992A JP H06132082 A JPH06132082 A JP H06132082A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は従来電界発光素子が必要としていた
シリーングを行なわずに、耐環境性を向上した、電界発
光素子の提供を目的とする。 【構成】 薄膜で構成される下部絶縁層、発光層および
上部絶縁層を有する薄膜電界発光素子において、前記各
薄膜層の密度が該薄膜が単結晶材料で構成される場合の
密度に比較してその相違が5%以内であり、かつ該薄膜
を構成する材料が化合物である場合には、その組成が化
学量論組成であり、さらに所望により前記下部絶縁層、
発光層および上部絶縁層のうちの少なくとも一つの層の
表面に、フッ素原子、炭素原子および硫黄原子のうちの
少なくとも1種の単原子層、あるいは前記原子のうちの
少なくとも1種の原子を含有する化合物の層を設けたこ
とを特徴とする薄膜電界発光素子。
シリーングを行なわずに、耐環境性を向上した、電界発
光素子の提供を目的とする。 【構成】 薄膜で構成される下部絶縁層、発光層および
上部絶縁層を有する薄膜電界発光素子において、前記各
薄膜層の密度が該薄膜が単結晶材料で構成される場合の
密度に比較してその相違が5%以内であり、かつ該薄膜
を構成する材料が化合物である場合には、その組成が化
学量論組成であり、さらに所望により前記下部絶縁層、
発光層および上部絶縁層のうちの少なくとも一つの層の
表面に、フッ素原子、炭素原子および硫黄原子のうちの
少なくとも1種の単原子層、あるいは前記原子のうちの
少なくとも1種の原子を含有する化合物の層を設けたこ
とを特徴とする薄膜電界発光素子。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、耐環境性を向上されたエレクト
ロルミネッセンス素子、およびその製造法の技術分野に
関するものである。
ロルミネッセンス素子、およびその製造法の技術分野に
関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、ZnS:Mn等の半導体発光層を誘
電体層でサンドウイッチした二重絶縁構造EL素子が開
発され発光特性の向上が確認されている。薄膜EL素子
の基本的な素子構成を図1に示す。ガラス基板101上
にITO、SnO2等の透明電極102を形成し、その
上にY2O3,TiO2,Si3N4等の下部絶縁層103
を形成する。次にZnS:Mnからなる発光層104を
形成し、この発光層上にY2O3,TiO2,Si3N4等
の上部絶縁層105を順次形成し、最後にAl等の上部
電極106を形成し完成する。上記、EL素子を形成す
る各層は,通常多結晶膜で構成され積層構成をとること
から、上部層ほど膜中にピンホールやマイクロクラック
等の多くの欠陥を含んでいる。このため、これらの欠陥
を通してZnS:Mn104に水分等が侵入し、素子特
性の劣化や層間はく離等の問題が発生する。
電体層でサンドウイッチした二重絶縁構造EL素子が開
発され発光特性の向上が確認されている。薄膜EL素子
の基本的な素子構成を図1に示す。ガラス基板101上
にITO、SnO2等の透明電極102を形成し、その
上にY2O3,TiO2,Si3N4等の下部絶縁層103
を形成する。次にZnS:Mnからなる発光層104を
形成し、この発光層上にY2O3,TiO2,Si3N4等
の上部絶縁層105を順次形成し、最後にAl等の上部
電極106を形成し完成する。上記、EL素子を形成す
る各層は,通常多結晶膜で構成され積層構成をとること
から、上部層ほど膜中にピンホールやマイクロクラック
等の多くの欠陥を含んでいる。このため、これらの欠陥
を通してZnS:Mn104に水分等が侵入し、素子特
性の劣化や層間はく離等の問題が発生する。
【0003】この問題を解決するために、図2に示すシ
ーリング構造により、湿気保護を図ることが提唱されて
いる(実開平3−32080)。図2を用いてこのシー
リング構造について説明する。ガラス基板201にスペ
ーサー202を介して背面ガラス203を対向配置さ
せ、各部品を接着剤で固定密封させて外囲器を形成す
る。外囲器内にはEL素子204が内蔵されシリコンオ
イル、真空グリス等のEL素子保護流体を充填封入しシ
ーリング構造を完成する。シーリング剤としては、絶縁
層中のピンホールへの浸透性及び耐湿性に優れEL素子
構成膜と反応しないものが使用される。さらに最近、青
色発光EL素子の発光層の母材としてSrSが注目され
ている。このSrSは非常に吸湿性が強い材料であるた
め、以上に示したシーリング構造によるEL素子封止技
術は、前記SrSを母材とする青色発光素子には必要不
可欠なものである。しかし、このシーリング構造をとる
ことによる問題点がいくつかある。まずEL素子作製工
程の複雑化があげられる。つまり、シーリング剤を充填
する外囲器を作製するにはスペーサー、背面ガラスの加
工、各部品の位置出し、接着、乾燥の工程が必要であ
る。外囲器作製後、シーリング剤の充填、真空脱ガス処
理、充填部分の封止の工程が必要となる。以上の様にシ
ーリング構造の作製には、多くの工程が必要となること
から量産化には大きな障害となる。また、素子の大型化
がさけられないといった欠点も有する。分散型EL素子
と比較した場合、薄膜EL素子は、素子の厚さを可及的
に薄くできるといったメリットがある。しかし、シーリ
ング構造の場合、EL素子形成用基板の他にスペーサ
ー、背面ガラスの厚さが加味される。そのため、分散型
EL素子と大差ない素子厚さとなってしまう。さらに、
シーリング剤の構成原子もしくはシーリング剤中の不純
物原子の拡散といった問題点も有している。シーリング
剤は絶縁層中のピンホールを通して発光層付近まで浸透
する。このシーリング剤の構成原子もしくは不純物原子
がEL素子駆動による発熱によって、発光層中に拡散す
る。拡散した原子は発光層中で準位を形成し、EL素子
特性劣化の原因となる。
ーリング構造により、湿気保護を図ることが提唱されて
いる(実開平3−32080)。図2を用いてこのシー
リング構造について説明する。ガラス基板201にスペ
ーサー202を介して背面ガラス203を対向配置さ
せ、各部品を接着剤で固定密封させて外囲器を形成す
る。外囲器内にはEL素子204が内蔵されシリコンオ
イル、真空グリス等のEL素子保護流体を充填封入しシ
ーリング構造を完成する。シーリング剤としては、絶縁
層中のピンホールへの浸透性及び耐湿性に優れEL素子
構成膜と反応しないものが使用される。さらに最近、青
色発光EL素子の発光層の母材としてSrSが注目され
ている。このSrSは非常に吸湿性が強い材料であるた
め、以上に示したシーリング構造によるEL素子封止技
術は、前記SrSを母材とする青色発光素子には必要不
可欠なものである。しかし、このシーリング構造をとる
ことによる問題点がいくつかある。まずEL素子作製工
程の複雑化があげられる。つまり、シーリング剤を充填
する外囲器を作製するにはスペーサー、背面ガラスの加
工、各部品の位置出し、接着、乾燥の工程が必要であ
る。外囲器作製後、シーリング剤の充填、真空脱ガス処
理、充填部分の封止の工程が必要となる。以上の様にシ
ーリング構造の作製には、多くの工程が必要となること
から量産化には大きな障害となる。また、素子の大型化
がさけられないといった欠点も有する。分散型EL素子
と比較した場合、薄膜EL素子は、素子の厚さを可及的
に薄くできるといったメリットがある。しかし、シーリ
ング構造の場合、EL素子形成用基板の他にスペーサ
ー、背面ガラスの厚さが加味される。そのため、分散型
EL素子と大差ない素子厚さとなってしまう。さらに、
シーリング剤の構成原子もしくはシーリング剤中の不純
物原子の拡散といった問題点も有している。シーリング
剤は絶縁層中のピンホールを通して発光層付近まで浸透
する。このシーリング剤の構成原子もしくは不純物原子
がEL素子駆動による発熱によって、発光層中に拡散す
る。拡散した原子は発光層中で準位を形成し、EL素子
特性劣化の原因となる。
【0004】
【目的】本発明は、従来電界発光素子が必要としていた
シーリングを行なわずに素子の耐環境性の向上を図った
ものであり、簡易な作製工程にて、厚さが薄く耐環境性
に優れたEL素子を提供することを目的とする。
シーリングを行なわずに素子の耐環境性の向上を図った
ものであり、簡易な作製工程にて、厚さが薄く耐環境性
に優れたEL素子を提供することを目的とする。
【0005】
【構成】本発明の薄膜電界発光素子は、単結晶半導体層
もしくは絶縁性基板上に形成した単結晶半導体層を基板
として用い、該基板上に、各層の密度がバルク単結晶に
比較してそのズレが5%以内で、かつ各層を構成するも
のが化合物である場合には化学量論組成を有するように
形成したものである。下部絶縁層、発光層および上部絶
縁層の各層を順次設けたものを基本的な構成とするもの
である。本発明の電界発光素子の各層は、その密度は、
バルク単結晶の密度に近く、かつ化学量論組成をとって
いるので、素子の最表面に位置する上部絶縁層中には、
ピンホールやマイクロクラック等の欠陥が少なく、水分
等の侵入が抑制される。この状態であっても従来素子と
比較して、耐湿性に優れた素子構成である。前記の電界
発光素子を構成する各層は、ピンホールやマイクロクラ
ック等の欠陥が非常に少ない薄膜を形成することができ
るエピタキシャル成長法を採用するのが好ましい。
もしくは絶縁性基板上に形成した単結晶半導体層を基板
として用い、該基板上に、各層の密度がバルク単結晶に
比較してそのズレが5%以内で、かつ各層を構成するも
のが化合物である場合には化学量論組成を有するように
形成したものである。下部絶縁層、発光層および上部絶
縁層の各層を順次設けたものを基本的な構成とするもの
である。本発明の電界発光素子の各層は、その密度は、
バルク単結晶の密度に近く、かつ化学量論組成をとって
いるので、素子の最表面に位置する上部絶縁層中には、
ピンホールやマイクロクラック等の欠陥が少なく、水分
等の侵入が抑制される。この状態であっても従来素子と
比較して、耐湿性に優れた素子構成である。前記の電界
発光素子を構成する各層は、ピンホールやマイクロクラ
ック等の欠陥が非常に少ない薄膜を形成することができ
るエピタキシャル成長法を採用するのが好ましい。
【0006】本発明においては、前記のような層構成を
採用することにより、十分な耐環境性を有しているが、
さらに該素子の表面層および/または各層の境界面にフ
ッ素、炭素または硫黄単原子層もしくはフッ素、硫黄ま
たは炭素原子の少なくとも1種の原子を含有する化合物
層を設けることにより、さらに耐環境性を向上させるこ
とができる。このフッ素、炭素あるいは硫黄単原子層も
しくはフッ素、硫黄あるいは炭素原子の少なくとも一種
を含有する化合物で表面処理したEL素子の最表面は、
未結合手等が存在せず非常に不活性な状態となる。した
がって、EL素子への水分や不純物の吸着が防止でき
る。前記フッ素、炭素あるいは硫黄原子の単原子層、も
しくはフッ素、炭素あるいは、硫黄原子のうちの少なく
とも一種の原子を含有する化合物層を設けるための表面
処理は、電界発光素子の表面部分の全体に行うのが好ま
しいが、部分的に、例えば上部絶縁層、下部絶縁層ある
いは発光層部分等の表面、または該素子の表面層だけで
はなく、発光層と上部絶縁層との界面、発光層と下部絶
縁物層との界面あるいは基板と下部絶縁物層との界面、
さらには前記の個所の複数の個所に設けてもよい。前記
処理のうちでもっとも好ましいのはフッ化処理でフッ素
原子層もしくはフッ化物層を形成する。例えば、誘電率
が大きな酸化物をフッ酸蒸気と水蒸気とで処理すること
によって得られる。酸化物材料がPbTiO3である場
合にはβ−PbF2,BaTiO3からBaF2,SrT
iO3からSrF2,Ta2O3からTaF3を形成するこ
とができる。
採用することにより、十分な耐環境性を有しているが、
さらに該素子の表面層および/または各層の境界面にフ
ッ素、炭素または硫黄単原子層もしくはフッ素、硫黄ま
たは炭素原子の少なくとも1種の原子を含有する化合物
層を設けることにより、さらに耐環境性を向上させるこ
とができる。このフッ素、炭素あるいは硫黄単原子層も
しくはフッ素、硫黄あるいは炭素原子の少なくとも一種
を含有する化合物で表面処理したEL素子の最表面は、
未結合手等が存在せず非常に不活性な状態となる。した
がって、EL素子への水分や不純物の吸着が防止でき
る。前記フッ素、炭素あるいは硫黄原子の単原子層、も
しくはフッ素、炭素あるいは、硫黄原子のうちの少なく
とも一種の原子を含有する化合物層を設けるための表面
処理は、電界発光素子の表面部分の全体に行うのが好ま
しいが、部分的に、例えば上部絶縁層、下部絶縁層ある
いは発光層部分等の表面、または該素子の表面層だけで
はなく、発光層と上部絶縁層との界面、発光層と下部絶
縁物層との界面あるいは基板と下部絶縁物層との界面、
さらには前記の個所の複数の個所に設けてもよい。前記
処理のうちでもっとも好ましいのはフッ化処理でフッ素
原子層もしくはフッ化物層を形成する。例えば、誘電率
が大きな酸化物をフッ酸蒸気と水蒸気とで処理すること
によって得られる。酸化物材料がPbTiO3である場
合にはβ−PbF2,BaTiO3からBaF2,SrT
iO3からSrF2,Ta2O3からTaF3を形成するこ
とができる。
【0007】次に、本発明によるEL素子を構成する各
層に使用する材料とその形成方法について、図3に基づ
いて説明する。基板301にはSi,Ge等の単結晶半
導体基板や、石英基板やガラス基板上に、ストライプヒ
ーター法、高周波誘導加熱法、ランプ加熱法、レーザー
加熱法等のZMR法により、単結晶SiもしくはGe薄
膜を形成したSOI基板を用いる。この単結晶基板もし
くはSOI基板はEL素子形成用基板の他に下部電極と
しても用いられるのでSiもしくはGeの抵抗率は、1
0-4〜102(Ω・cm)の範囲にあることが望まし
い。
層に使用する材料とその形成方法について、図3に基づ
いて説明する。基板301にはSi,Ge等の単結晶半
導体基板や、石英基板やガラス基板上に、ストライプヒ
ーター法、高周波誘導加熱法、ランプ加熱法、レーザー
加熱法等のZMR法により、単結晶SiもしくはGe薄
膜を形成したSOI基板を用いる。この単結晶基板もし
くはSOI基板はEL素子形成用基板の他に下部電極と
しても用いられるのでSiもしくはGeの抵抗率は、1
0-4〜102(Ω・cm)の範囲にあることが望まし
い。
【0008】上記基板301上に前記したように、その
密度がバルク単結晶の密度に比較して5%以下、望まし
くは1%以下でかつ、化合物である場合には化学量論組
成を有する下部絶縁物層302を形成する。絶縁物材料
としてはPbTiO3,PLT,PLZT,BaTi
O3,SrTiO3,Y2O3、YSZ,Ta2O3,Sn2
O3,Al2O3,MgO,MgAl2O3等が使用でき
る。形成方法としては、構成原素の組成制御性に優れ、
エピタキシャル成長に適した方法である。有機金属熱分
解法(MOCVD法)、分子線エピタキシャル成長法
(MBE法)等の方法が用いられる。
密度がバルク単結晶の密度に比較して5%以下、望まし
くは1%以下でかつ、化合物である場合には化学量論組
成を有する下部絶縁物層302を形成する。絶縁物材料
としてはPbTiO3,PLT,PLZT,BaTi
O3,SrTiO3,Y2O3、YSZ,Ta2O3,Sn2
O3,Al2O3,MgO,MgAl2O3等が使用でき
る。形成方法としては、構成原素の組成制御性に優れ、
エピタキシャル成長に適した方法である。有機金属熱分
解法(MOCVD法)、分子線エピタキシャル成長法
(MBE法)等の方法が用いられる。
【0009】上記絶縁物302上に発光層を形成する。
該層の密度は、それをバルク単結晶で構成した場合の密
度に比較して、5%以内望ましくは1%以下で、かつ該
層を構成する材料が化合物の場合には、化学量論組成を
有するものである。発光層材料としては、ZnS,Zn
Se,ZnSxSey(y=1−x)等を母材とし、発
光中心としてMnを添加したZnS:Mn,ZnSe:
Mn,ZnSxSey:Mn(y=1−x)等の材料、
もしくは上記母材にCuを添加したZnS:Cu系材
料、もしくは上記母材に希土類フッ化物(TbF3,E
rF3,NdF3,TmF3,PrF3,SmF3,Dy
F3,HoF3等)を添加した材料が用いられる。また、
SrSを母材とし発光中心にCe,Sm,Tb,Dy,
Er,Tm,Pr,Mn等を添加した材料やCaSを母
材とし発光中心にEr等を添加した材料等が発光層とし
て用いられる。上記各材料はMOCVD法、MBE法等
を用いて単層もしくは多層構成で形成する。
該層の密度は、それをバルク単結晶で構成した場合の密
度に比較して、5%以内望ましくは1%以下で、かつ該
層を構成する材料が化合物の場合には、化学量論組成を
有するものである。発光層材料としては、ZnS,Zn
Se,ZnSxSey(y=1−x)等を母材とし、発
光中心としてMnを添加したZnS:Mn,ZnSe:
Mn,ZnSxSey:Mn(y=1−x)等の材料、
もしくは上記母材にCuを添加したZnS:Cu系材
料、もしくは上記母材に希土類フッ化物(TbF3,E
rF3,NdF3,TmF3,PrF3,SmF3,Dy
F3,HoF3等)を添加した材料が用いられる。また、
SrSを母材とし発光中心にCe,Sm,Tb,Dy,
Er,Tm,Pr,Mn等を添加した材料やCaSを母
材とし発光中心にEr等を添加した材料等が発光層とし
て用いられる。上記各材料はMOCVD法、MBE法等
を用いて単層もしくは多層構成で形成する。
【0010】上記発光層303上に、上部絶縁層304
を形成する。同様に該層の密度は、それをバルク単結晶
で構成した場合の密度に比較してズレは5%以下望まし
くは1%以下で、かつ該層を構成する材料が化合物の場
合には化学量論組成を有するものである。材料及び層形
成手段は下部絶縁層と同様なものが使用可能である。
を形成する。同様に該層の密度は、それをバルク単結晶
で構成した場合の密度に比較してズレは5%以下望まし
くは1%以下で、かつ該層を構成する材料が化合物の場
合には化学量論組成を有するものである。材料及び層形
成手段は下部絶縁層と同様なものが使用可能である。
【0011】次に上記上部絶縁層304上に透明電極3
05を形成する透明電極材料としては、ITO,In2
O3,SnO2,ZnO:Al,Au等の薄膜が使用で
き、これらの材料をMOCVD法、MBE法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法、真空蒸着法等を用いて層
形成する。層形成後に、例えばホトリソグラフィーによ
り所望の電極形状に加工する。
05を形成する透明電極材料としては、ITO,In2
O3,SnO2,ZnO:Al,Au等の薄膜が使用で
き、これらの材料をMOCVD法、MBE法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法、真空蒸着法等を用いて層
形成する。層形成後に、例えばホトリソグラフィーによ
り所望の電極形状に加工する。
【0012】
【実施例】次に実施例により本発明の詳細について説明
する。 実施例1 本発明の一実施例を説明する。EL素子形成基板及び下
部電極としてSOI基板401を用いる。SOI基板
は、石英基板上に成膜した多結晶Si薄膜をレーザー加
熱による溶融再結晶化法により形成する。溶融再結晶化
条件を調整し、(100)配向の単結晶Si薄膜とす
る。次に上記基板上にMBE法を用いてSrTiO3薄
膜をエピタキシャル成長し、下部絶縁層402とする。
SrTiO3薄膜の膜厚は3000Åとする。次にSr
TiO3薄膜上にMOCVD法を用いて、SrS:Ce
薄膜403を、4000Åの膜厚でエピタキシャル成長
し、発光層とする。発光中心であるCeの膜中濃度は、
0.2mol%とする。次にSrS:Ce上にMBE法
を用いてSrTiO3薄膜404を3000Åの膜厚で
成長し、上部絶縁層とする。最後に上部絶縁層上にスパ
ッタ法を用いて、ITO薄膜405を1000Åの膜厚
で形成し、EL素子構成を完成する。EL素子を構成す
る各層の組成比とバルク単結晶からの密度の減少率を表
1に示す。組成比は、ラザフォード後方散乱法(RB
S)により、各原子の散乱スペクトルの強度比から求め
た。また、バルク単結晶材料に対する密度の減少率は、
RBS法を用いて測定した。チャンネリング最小収率
(χmin)のバルク単結晶材料との比較から求めたも
のである。表1のごとくいずれの薄膜も化学量論組成と
ほぼ一致し、バルク単結晶材料の密度からの減少率が1
%以内である。以上の様に実施例1のEL素子は、組成
のズレがなく、単結晶の密度に近い状態で粒界等が存在
しない薄膜により構成されている。次にEL素子表面の
処理方法について説明する。処理は、図5に示す装置内
で行なう。処理にはHF溶液及びH2Oを用い、各々N2
ガスでバブリングし真空室中に導入する。H2OとHF
の反応によりHF分子のイオン化が起こりHF2 -イオン
が生成する。HF2 -イオンは非常に活性であるためSr
TiO3と反応し最表面にSrと結合したF単原子層も
しくはSrF2層406を形成する。EL素子表面をF
原子で終端もしくはSrF2膜で被覆することにより、
ほかのガスで置換されることがなく腐食に強い状態が形
成できる。以上の方法により実施例1のEL素子を完成
する。実施例1のEL素子の輝度−電圧特性を図6に、
輝度の経時変化を図7に示す。従来SrS:Ceを発光
層とする青色発光素子は、母材のSrSの耐湿性に問題
があり、十分な素子寿命は得られていなかった。これに
対して、本発明のEL素子は、図7に示すように、長期
間連続駆動後も輝度低下はわずかであり安定性に優れた
特性を示している。
する。 実施例1 本発明の一実施例を説明する。EL素子形成基板及び下
部電極としてSOI基板401を用いる。SOI基板
は、石英基板上に成膜した多結晶Si薄膜をレーザー加
熱による溶融再結晶化法により形成する。溶融再結晶化
条件を調整し、(100)配向の単結晶Si薄膜とす
る。次に上記基板上にMBE法を用いてSrTiO3薄
膜をエピタキシャル成長し、下部絶縁層402とする。
SrTiO3薄膜の膜厚は3000Åとする。次にSr
TiO3薄膜上にMOCVD法を用いて、SrS:Ce
薄膜403を、4000Åの膜厚でエピタキシャル成長
し、発光層とする。発光中心であるCeの膜中濃度は、
0.2mol%とする。次にSrS:Ce上にMBE法
を用いてSrTiO3薄膜404を3000Åの膜厚で
成長し、上部絶縁層とする。最後に上部絶縁層上にスパ
ッタ法を用いて、ITO薄膜405を1000Åの膜厚
で形成し、EL素子構成を完成する。EL素子を構成す
る各層の組成比とバルク単結晶からの密度の減少率を表
1に示す。組成比は、ラザフォード後方散乱法(RB
S)により、各原子の散乱スペクトルの強度比から求め
た。また、バルク単結晶材料に対する密度の減少率は、
RBS法を用いて測定した。チャンネリング最小収率
(χmin)のバルク単結晶材料との比較から求めたも
のである。表1のごとくいずれの薄膜も化学量論組成と
ほぼ一致し、バルク単結晶材料の密度からの減少率が1
%以内である。以上の様に実施例1のEL素子は、組成
のズレがなく、単結晶の密度に近い状態で粒界等が存在
しない薄膜により構成されている。次にEL素子表面の
処理方法について説明する。処理は、図5に示す装置内
で行なう。処理にはHF溶液及びH2Oを用い、各々N2
ガスでバブリングし真空室中に導入する。H2OとHF
の反応によりHF分子のイオン化が起こりHF2 -イオン
が生成する。HF2 -イオンは非常に活性であるためSr
TiO3と反応し最表面にSrと結合したF単原子層も
しくはSrF2層406を形成する。EL素子表面をF
原子で終端もしくはSrF2膜で被覆することにより、
ほかのガスで置換されることがなく腐食に強い状態が形
成できる。以上の方法により実施例1のEL素子を完成
する。実施例1のEL素子の輝度−電圧特性を図6に、
輝度の経時変化を図7に示す。従来SrS:Ceを発光
層とする青色発光素子は、母材のSrSの耐湿性に問題
があり、十分な素子寿命は得られていなかった。これに
対して、本発明のEL素子は、図7に示すように、長期
間連続駆動後も輝度低下はわずかであり安定性に優れた
特性を示している。
【0013】
【表1】
【0014】
【効果】本発明により従来EL素子が必要としてきたシ
ーリング剤による封止構造をとらなくても、従来素子と
同程度もしくはそれ以上の耐湿性が得られる。その結果
素子の厚みは、支持体として用いた石英基板の厚さです
み、素子の薄層化が実現できる。
ーリング剤による封止構造をとらなくても、従来素子と
同程度もしくはそれ以上の耐湿性が得られる。その結果
素子の厚みは、支持体として用いた石英基板の厚さです
み、素子の薄層化が実現できる。
【図1】従来の薄膜EL素子の基本的な素子構成をモデ
ル的に示す図である。
ル的に示す図である。
【図2】従来の薄膜EL素子の基本的な素子構成及びシ
ーリング構造をモデル的に示す図である。
ーリング構造をモデル的に示す図である。
【図3】本発明の薄膜EL素子の基本的な素子構成およ
びその製造工程をモデル的に示す図である。
びその製造工程をモデル的に示す図である。
【図4】本発明の実施例1の薄膜EL素子を示す図であ
る。
る。
【図5】本発明で使用するフッ化処理装置の1例の概略
図を示す。
図を示す。
【図6】本発明の実施例1の薄膜EL素子の輝度−電圧
特性の関係を示す。
特性の関係を示す。
【図7】本発明の実施例1の薄膜EL素子のしきい電圧
+80Vにおける発光輝度の経時変化を示す。
+80Vにおける発光輝度の経時変化を示す。
101 ガラス基板 102 透明電極 103 下部絶縁層 104 発光層 105 上部絶縁層 106 上部電極 201 ガラス基板 202 スペーサー 203 背面ガラス 204 発光素子 205 上部絶縁層 206 上部電極 301 単結晶半導体層 302 下部絶縁物層 303 発光層 304 上部絶縁物層 401 SOI基板 402 SrTiO3薄膜 403 SrS:Ce薄膜 404 SrTiO3薄膜 405 ITO 406 SrF2層 501 N2ガス 502 マスフローコントローラー 503 HF溶液 504 H2O 505 EL素子 506 ロータリーポンプ
Claims (5)
- 【請求項1】 薄膜で構成される下部絶縁層、発光層お
よび上部絶縁層を有する薄膜電界発光素子において、前
記各薄膜層の密度が該薄膜が単結晶材料で構成される場
合の密度に比較してその相違が5%以内であり、かつ該
薄膜を構成する材料が化合物である場合には、その組成
が化学量論組成であることを特徴とする薄膜電界発光素
子。 - 【請求項2】 前記下部絶縁層、発光層および上部絶縁
層のうちの少なくとも一つの層の表面にフッ素原子、炭
素原子および硫黄原子のうちの少なくとも一種の単原子
層あるいは前記原子のうちの少なくとも1種の原子を含
有する化合物の層を設けたことを特徴とする請求項1記
載の薄膜電界発光素子。 - 【請求項3】 発光層と上部絶縁層との界面、発光層と
下部絶縁層との界面および基板と下部絶縁層との界面の
うちの少なくとも一つの界面に、フッ素原子、炭素原子
および硫黄原子のうちの少なくとも一種の単原子層、あ
るいは前記原子のうちの少なくとも一種の原子を含有す
る化合物の層を設けたことを特徴とする請求項1または
2記載の薄膜電界発光素子。 - 【請求項4】 前記下部絶縁層および上部絶縁層のうち
の少なくとも一つの層の表面に設ける層が、フッ化物で
あることを特徴とする請求項2記載の薄膜電界発光素
子。 - 【請求項5】 前記下部絶縁層および/または上部絶縁
層を構成する酸化物層を、フッ酸蒸気および水蒸気を用
いて処理し、該酸化物層の表面にフッ化物層を形成する
ことを特徴とする請求項4記載の薄膜電界発光素子の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4788992A JPH06132082A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 薄膜電界発光素子および製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4788992A JPH06132082A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 薄膜電界発光素子および製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06132082A true JPH06132082A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=12787973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4788992A Pending JPH06132082A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 薄膜電界発光素子および製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06132082A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100335109B1 (ko) * | 2000-03-31 | 2002-05-04 | 구자홍 | 유기 el 디스플레이 패널 |
JP2003332631A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 白色発光素子 |
JP2012216848A (ja) * | 2000-09-14 | 2012-11-08 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置及び電子器具 |
-
1992
- 1992-02-04 JP JP4788992A patent/JPH06132082A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100335109B1 (ko) * | 2000-03-31 | 2002-05-04 | 구자홍 | 유기 el 디스플레이 패널 |
JP2012216848A (ja) * | 2000-09-14 | 2012-11-08 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置及び電子器具 |
JP2003332631A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 白色発光素子 |
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