JPH06139631A - 情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents
情報記録媒体および情報記録方法Info
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- JPH06139631A JPH06139631A JP860793A JP860793A JPH06139631A JP H06139631 A JPH06139631 A JP H06139631A JP 860793 A JP860793 A JP 860793A JP 860793 A JP860793 A JP 860793A JP H06139631 A JPH06139631 A JP H06139631A
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Abstract
電体の層とを有し、この強誘電体の分極の方向により情
報を記録する情報記録媒体において、再生操作によって
記録情報が消失することを防止した上で、十分高レベル
の再生信号が得られるようにする。 【構成】 半導体層11の上に設ける有機強誘電体層13
を、有機強誘電体から形成する。
Description
に詳細には、強誘電体の層を有し、この強誘電体の分極
の方向により情報を記録する情報記録媒体に関するもの
である。
に情報を記録する方法に関するものである。
したり、さらにはコンピュータ用データメモリとして使
用される情報記録媒体として、従来より磁気記録媒体や
光磁気記録媒体等が広く実用に供されている。
高密度記録可能な情報記録媒体として、特開昭57−2
7447号公報に示されるように、半導体層とこの半導
体層上に形成された強誘電体の層とを有し、この強誘電
体の分極の方向により情報を記録するものが知られてい
る。この情報記録媒体への記録は、導電性ヘッドを強誘
電体層上で移動させつつ該層に電圧を印加することによ
り、この強誘電体層の所定部分のみを選択的に所定方向
に分極させて行なわれる。またこの情報記録媒体からの
情報再生は、上記強誘電体の分極のために半導体層中に
形成される空乏層による記録媒体の静電容量変化を、導
電性ヘッドで検出することにより行なわれる。
理上は、いわゆるVHD方式と称されるビデオディスク
システム(以下、VHDシステムと称する)の再生用ヘ
ッドが使用可能である。すなわちこのシステムのビデオ
ディスクは、上述のような空乏層が形成されるものでは
ないが、その代りにピットの有無により静電容量変化を
得るものであるから、その記録情報を再生するためのヘ
ッドも、記録情報に応じた静電容量変化を検出するよう
に構成されている。
に強誘電体の分極の向きによって記録された情報の安定
性は、抗電界Ec を1つの指標として考えられる。以
下、この抗電界Ec の点から、上記情報記録媒体におけ
る記録情報の安定性を検討してみる。
従来の情報記録媒体において、強誘電体として具体的に
適用が考えられているのは、無機のチタン酸鉛のみであ
る。このチタン酸鉛のような無機のペロブスカイト型構
造を有する強誘電体の抗電界Ec は、概ね数MV/mの
オーダーである。これを超高密度記録に用いる場合を考
えると、強誘電体層は記録スポット長とほぼ同じ厚みに
まで薄くする必要があり、概ね0.1 μm程度の膜厚とな
る。この場合の抗電界Ec を電圧に換算すると、0.1 V
のオーダーとなる。すなわち、それ以上の電圧が強誘電
体層に加わると、記録信号が消失することになる。
る。情報記録媒体の静電容量を検出するために、導電性
ヘッドを介して、記録媒体を含む共振回路に印加される
RF(高周波)電圧の振幅が一般に1Vを下回ると、再
生信号はS/Nが著しく低くて実用には供し得ないもの
となる。つまり、この再生信号の出力は、上記RF電圧
の振幅に比例するからである。参考に、公知の静電容量
型ビデオディスク・システムにおいては、ディスクに印
加するRF電圧の振幅は一般に4V前後とされている
が、これも再生信号のS/Nを考慮してのことである。
するRF電圧の振幅を、再生信号のS/Nを考慮した上
での最低値つまり概ね1Vに設定したとしても、それは
前述の0.1 Vを大きく上回っており、記録情報が消失し
てしまうことになる。
を再生する装置をより安価に作製するためには、従来よ
り確立されている前述のVHDシステムに用いられる導
電性ヘッドをそのまま利用するのが望ましいが、空乏層
を形成する従来の情報記録媒体では変調度ΔC、つまり
空乏層の有無による静電容量変化が小さいために、この
従来の再生用ヘッドをそのまま利用することができな
い。
圧を印加して記録を行なう系では、記録電圧が高くなり
すぎると強誘電体層が絶縁破壊を起こして、情報記録媒
体が破損してしまうという問題がある。絶縁破壊を起こ
す電界の強さは、材料の種類、構造あるいはそのときの
条件等により異なるが、一般には概ね1MV/cmが目
安になる。他方、本発明の情報記録媒体における記録層
の厚さは、概ね1μm程度以下である。したがって、絶
縁破壊による情報記録媒体の破損を回避するには、外部
から印加する電圧を100 V以下として記録を行なうのが
望ましいが、従来、そのような記録方法は確立されてい
なかった。
たものであり、十分高レベルの再生信号出力が得られ、
その一方、再生操作によって記録情報が消失することの
ない超高密度記録可能な情報記録媒体を提供することを
目的とするものである。
で、高速記録が可能な情報記録媒体、記録情報の誤消失
の恐れが少ない情報記録媒体、作成が容易な情報記録媒
体を提供することを目的とするものである。
用いられる導電性ヘッドをそのまま利用して記録情報を
再生することができる情報記録媒体を提供することを目
的とするものである。
招かないで情報を記録することができる情報記録媒体、
および情報記録方法を提供することを目的とするもので
ある。
もに、高レベルの再生信号出力が得られる情報記録方法
を提供することを目的とするものである。
記録媒体は、請求項1に記載の通り、前述したように半
導体層とこの半導体層上に形成された強誘電体の層とを
有し、この強誘電体の分極の方向により情報を記録する
情報記録媒体において、前記強誘電体として有機強誘電
体が用いられたことを特徴とするものである。
リデン(VDF)ポリマーもしくはそれを含む共重合
体、奇数次のナイロン、あるいはシアン化ビニリデンも
しくはそれを含む共重合体等が望ましく、さらに望まし
いものとしては、フッ化ビニリデンを含む共重合体で、
3フッ化エチレン(TrFE)、4フッ化エチレン(T
FE)との共重合体等が挙げられる。このときの組成と
しては、フッ化ビニリデンを50〜80mol %とするのが望
ましい。奇数次ナイロンでは、ナイロン−11、ナイロン
−7が望ましい。
板をそのまま用いてもよい。あるいは、予め案内溝ある
いはピットや、セクタ情報を示すピット等が設けられた
プラスチック、ガラス、金属を基板として用いて、該基
板上に半導体層を形成するようにしてもよい。この場合
の半導体としては、良く知られているように、Si、G
e、あるいはGaAsに代表される III−V属化合物半
導体、さらにはZnSe等のII−VI属化合物半導体等が
用いられ得る。また、有機物半導体としてポリピロー
ル、ポリチオフェン等も用いられ得る。これらは、単結
晶、多結晶あるいはアモルファスでもよい。また半導体
の抵抗率は0.01Ωcm〜1000Ωcm程度とするのが良く、好
ましくは0.1 Ωcm〜100 Ωcmである。
物をドープしたn型もしくはp型シリコンであり、シリ
コン中の不純物濃度は1019〜1024m-3程度、好ましくは
1020〜1023m-3である。
請求項2に記載の通り、有機強誘電体の中でも特にフッ
化ビニリデンポリマーもしくはそれを含む共重合体から
強誘電体層が形成され、この強誘電体層と半導体層との
間にはSiO2からなる絶縁層が形成され、そしてこの
強誘電体層の厚さxと絶縁層の厚さyが、前者を横軸、
後者を縦軸に取った座標系において、点(x=0.4 μ
m,y=25nm)と点(x=0.1 μm,y=40nm)と
を結ぶ直線上あるいはその下側で、かつ0<x≦0.4 μ
m、y≧20nmの領域内にあることを特徴とするもので
ある。
請求項3に記載の通り、特に上記第2の情報記録媒体を
用いた上で、この情報記録媒体に対して、記録電圧を10
0 V以下にして強誘電体層に分極を生じさせることを特
徴とするものである。
請求項4に記載の通り、上記第1の情報記録媒体におけ
る強誘電体層が、フッ化ビニリデン組成が50〜65mol %
の範囲にあるフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重
合体からなることを特徴とするものである。
請求項5に記載の通り、上記第1の情報記録媒体におけ
る強誘電体層が、フッ化ビニリデン組成が65〜80mol %
の範囲にあるフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重
合体からなることを特徴とするものである。
請求項6に記載の通り、上記第1の情報記録媒体におい
て、前記強誘電体層がフッ化ビニリデンポリマーもしく
はそれを含む共重合体からなり、該強誘電体層と前記半
導体層とが絶縁層を介さずに直接接していることを特徴
とするものである。なお、上記のように「強誘電体層と
半導体層とが絶縁層を介さずに直接接している」という
ことは、半導体層の表面が自然酸化膜に被覆されてその
上に強誘電体層が形成されている、という状態も含むも
のとする。
請求項7に記載の通り、上記第5の情報記録媒体に対し
て、印加時間を0.1 s以下にして記録電圧を印加するこ
とを特徴とするものである。
れるようにして分極反転するため、抗電界Ec が通常数
10MV/m〜100 MV/m弱と、無機強誘電体に比べて
非常に大きい。そこでこの有機強誘電体を前述のように
0.1 μm程度の膜厚にして用いても、10V程度の反転電
位を要する。この値は、再生信号のS/Nを考慮した上
での最低値1Vに比べれば十分に大きい。したがって、
この有機物強誘電体を用いた情報記録媒体に一般的な4
V前後のRF電圧を印加して信号再生を行なっても、記
録情報が消失することはないし、さらにはRF電圧を4
Vよりも高く設定して、再生信号のS/Nをなお一層高
めることも可能となる。
は、半導体層と強誘電体層との間に絶縁層が形成されて
いるため、強誘電体へのキャリア注入等の問題を回避可
能となる。
り、強誘電体層が特にフッ化ビニリデンポリマーもしく
はそれを含む共重合体からなる第2の情報記録媒体にお
いては、これらの層の各厚さを上記の領域内に設定する
と、前述した従来のVHDシステム用の導電性ヘッドを
情報再生用にそのまま使用する上での必要最小限の変調
度ΔCが確保され、その一方記録電圧を、強誘電体層の
絶縁破壊の恐れが少ない100 V以下にすることも可能と
なる。以下、その理由を説明する。
って、記録に要する電圧はより高くなる傾向がある。そ
して本発明者の研究によると、このSiO2 からなる絶
縁層の厚さyが前述の直線上あるいはその下側にあるほ
どに薄ければ、記録電圧を100 V以下にできることが分
かった。
なると、強誘電体層へのキャリア注入が生じ、そのた
め、記録電圧を上げれば増大するはずの変調度ΔCが、
記録電圧がある程度まで高くなると逆に小さくなる傾向
に転じてしまう。
を情報再生用に使用可能とするためには、記録媒体は通
常、ΔC=1fF/μm2 =0.1 μF/cm2 の静電容
量変化を生じる必要があると考えられているが、上記の
ように記録電圧の上昇にともなって変調度ΔCが低下す
るようでは、このΔC=0.1 μF/cm2 以上の変調度
を実現することは到底不可能である。本発明者の研究に
よると、SiO2 からなる絶縁層の厚さyを20nm以上
に設定すれば、記録電圧の上昇に応じて変調度ΔCが低
下してしまうという現象はほぼ無くなることが分かっ
た。
それを含む共重合体からなる強誘電体層が厚くなるのに
従って、変調度ΔCが次第に小さくなる傾向にあること
も分かった。この強誘電体層の厚さxと変調度ΔCとの
関係を調べたところ、この厚さxを0.4 μm以下にすれ
ば、先に述べた0.1 μF/cm2 以上の変調度ΔCが確
保され得ることが分かった。
しくはそれを含む共重合体からなる強誘電体層の厚さx
と、SiO2 からなる絶縁層の厚さyを、点(x=0.4
μm,y=25nm)と点(x=0.1 μm,y=40nm)
とを結ぶ直線上あるいはその下側で、かつ0<x≦0.4
μm、y≧20nmの領域内に設定すれば、VHDシステ
ム用の導電性ヘッドを情報再生用に利用可能となり、そ
して記録電圧を100 V以下に設定して情報を記録できる
ようになる。
ば、本発明の第1の情報記録方法におけるように記録電
圧を100 V以下に設定しても、正常な記録を行なうこと
ができる。こうして記録電圧を100 V以下に設定すれ
ば、情報記録媒体を絶縁破壊で破損することなく情報記
録が可能となる。
ば、先に述べた第1の情報記録媒体と同様の作用、効果
を得た上でさらに、高速記録が可能になるという効果も
得られる。その詳しい理由は後述する。
ば、先に述べた第1の情報記録媒体と同様の作用、効果
を得た上でさらに、環境温度によって記録情報が消失す
る事態を防止できるという効果も得られる。その詳しい
理由は後述する。
体層と半導体層との間に絶縁層を備えないものであるか
ら、この種の絶縁層を有する情報記録媒体と比較すれ
ば、より容易に作成可能である。
半導体層から強誘電体層へのキャリア注入が発生し、そ
れにより強誘電体分極の効果が相殺されて、変調度(静
電容量変化)ΔCがすぐにピークを作って小さくなって
しまう、ということが知られていた(例えばサイエンス
フォーラム「強誘電体薄膜集積化技術」の第261 頁参
照)。変調度ΔCが小さければ、当然、大きな再生出力
を得ることは不可能である。しかし、本発明の第2の情
報記録方法によれば、このような絶縁層を持たない情報
記録媒体を用いても、大きな再生出力が得られることが
分かった。
前述した通り、上記第5の情報記録媒体に対して、印加
時間を0.1 s以下にして記録電圧を印加するものである
が、本発明者等の研究によると、この程度まで記録電圧
印加時間を短くすると上記のキャリア注入の効果がなく
なり、大きな変調度ΔCが得られることが分かった。こ
うして変調度ΔCが大きくなれば、大きな再生出力が得
られることになる。また、このように絶縁層を設けない
と、記録電圧を低くできることも判明した。
詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例による情
報記録媒体10の側断面形状を概念的に示すものである。
この情報記録媒体10は、半導体層11とその上に絶縁層12
を介して形成された有機強誘電体層13とからなる。本実
施例では半導体基板をそのまま半導体層11としており、
この基板としては、抵抗率10Ωcmで不純物濃度5×1021
m-3のp型シリコン・ウエファが用いられている。また
絶縁層12は、上記シリコン・ウエファ上に熱酸化法によ
り酸化ケイ素(SiO2 )を膜厚50nmに層成してなる
ものである。そしてその上に、有機強誘電体であるフッ
化ビニリデン(VDF)と3フッ化エチレン(TrF
E)との共重合体(フッ化ビニリデンが65mol %)の薄
膜を形成して、有機強誘電体層13が形成されている。
して行なわれる。まず上記の共重合体(以下、VDF/
TrFE共重合体と称する)をメチル・エチル・ケトン
(MEK)に3wt%にて溶解し、この溶液を市販のス
ピンコータを用いて回転数5000rpmで10秒間振り切り
の条件で、シリコン・ウエファ上に塗布する。次いでこ
の塗布膜を、オーブンを用い大気雰囲気で145 ℃×2時
間の条件でアニールし、膜厚0.1 μmのVDF/TrF
E共重合体の薄膜が形成される。
間に絶縁層12を設けることは必ずしも必要ではないが、
この絶縁層12を設ければ強誘電体へのキャリア注入等の
問題を回避できるので、より好ましい。本実施例のよう
に半導体としてシリコンを用いる場合は、絶縁層12はS
iO2 から形成するのが望ましく、その膜厚は100 nm
以下とするのが望ましい。
録および再生を行なった結果を、以下に記す。この場
合、情報記録媒体10は図2に示されるようにターンテー
ブル20にエアチャック等で固定し、そしてこのターンテ
ーブル20は記録時の電圧印加用の一方の電極とする。ま
たこの電圧印加用の他方の電極として、可動の針状電極
21を用いる。この針状電極21は例えば特開昭52−12
3205号公報に開示されているものであり、図3に示
す通り、ダイヤモンド、サファイヤ等からなる支持体22
の背部に取り付けられている。この針状電極21の幅Wは
記録トラック幅に依存するが、本例では1μmであり、
またその厚みは0.5 μmとされている。
電極21を情報記録媒体10の有機強誘電体層13側に摺動さ
せつつ、該針状電極21とターンテーブル20を介して有機
強誘電体層13に電圧を印加すれば、針状電極21に対向す
る部分の有機強誘電体が所定の向きに分極する。それに
より、この分極の向きで情報を記録することができる。
本例では情報記録媒体10の記録、再生性能を評価するた
め、ターンテーブル20を900 rpmで回転させ、針状電
極21およびターンテーブル20間にゼロ・トゥ・ピーク振
幅20V、パルス幅0.1 μsの正負交互パルスを印加し
て、有機強誘電体層13に分極が上向き/下向きで交互に
繰り返すパターンを記録した。なお、記録トラックはス
パイラル状とされてもよいし、あるいは同心円状とされ
てもよい。
記録の際に用いたものと同じターンテーブル20および針
状電極21を用い、そしてこの針状電極21に接続するピッ
クアップ回路として、従来より静電容量型ビデオディス
ク・システムに用いられている公知の静電容量ピックア
ップ回路を用いる。すなわち、前述のようにして有機強
誘電体層13に電気的分極を生じさせると、図1に示すよ
うにその分極の向きが下向き(半導体層11側を向く方
向)となっている部分に対応して、半導体層11に空乏層
14が生じるので、この空乏層14による静電容量変化を上
記ピックアップ回路で検出することにより、記録情報を
読み取ることができる。
電極21およびターンテーブル20を介して情報記録媒体10
に印加するRF電圧を4Vとし、ターンテーブル20を90
0 rpmで回転させたとき、振幅1mVの良好な再生信
号が得られた。また、同じトラックの記録情報を複数回
再生しても、該記録情報は消失しないことが確認され
た。
記以外の記録方式も適用可能である。例えば、特開昭6
3−193349号公報に開示されている走査トンネル
顕微鏡に広く用いられているプローブ移動用ピエゾアク
チュエータに針状電極21を搭載してもよいし、あるいは
磁気ディスクドライブ装置等でなされているように、針
状電極21を空力的に浮上させて情報記録媒体10に非接触
とし、それにより高速走査を図ることもできる。
について説明する。なおこの図4において、図1中のも
のと同等の要素については同番号を付してあり、それら
についての重複した説明は省略する(以下、同様)。こ
の第2実施例の情報記録媒体30においては、半導体層11
の上に直接有機強誘電体層13が形成され、第1実施例で
設けられたような絶縁層12は省かれている。
について説明する。この第3実施例の情報記録媒体40に
おいては、基板15上に半導体層11が形成され、その上に
有機強誘電体層13が形成されている。基板15はプラスチ
ック、ガラスあるいは金属等から形成することができ
る。またこの基板15としては、予めトラッキング制御の
ための案内溝(グルーブ)や案内ピット、さらにはセク
タ情報を示すピット等が設けられた、いわゆるプレフォ
ーマット基板を用いることができる。
アニール温度は一般に100 ℃前後とすれば十分である。
したがって、上記のように基板15をプレフォーマット基
板とする場合には、その材料として、案内溝やピット等
を容易かつ低コストで射出成形できるプラスチックが適
用可能となる。それに対して、無機強誘電体を用いる場
合は、一般に500 ℃以上のアニール温度が必要となるの
で、基板材料としてプラスチックを用いることは現状で
は不可能である。したがって本発明によれば、プレフォ
ーマット基板を用いる場合に、その作成コストを従来よ
りも低く抑える効果が得られる。
確認するために作成した比較例の情報記録媒体について
説明する。前記第1実施例と同様の半導体層11および絶
縁層12を形成し、そしてその上にチタン酸鉛の薄膜を形
成して、比較例の情報記録媒体を作成した。つまりこの
比較例の情報記録媒体は、第1実施例の情報記録媒体と
比べると、VDF/TrFE共重合体に代えて無機強誘
電体であるチタン酸鉛が用いられている点のみが異な
る。
により行なった。すなわち、まず5×10-7Torr 以下ま
で排気した真空チャンバー内に酸素40%、アルゴン40%
の混合ガスを導入して、10mTorr とした。次にこの真
空チャンバー内に収めたPbTiO3 ターゲットにRF
電力500 Wを印加して、膜厚0.1 μmのチタン酸鉛の薄
膜を形成した。その後この薄膜が形成されたシリコン・
ウエファを真空チャンバー内から取り出し、電気炉にて
大気雰囲気で600 ℃×1時間の条件でアニールし、情報
記録媒体を得た。
録媒体に、第1実施例と全く同様にして記録を行ない、
次いで信号再生を行なった。この場合、再生信号は得ら
れなかった。つまりこの比較例としての情報記録媒体に
おいては、記録操作によりチタン酸鉛薄膜に生じた分極
が、再生過程において失われたものと考えられる。
絶縁層をSiO2 から形成するとともに強誘電体層をフ
ッ化ビニリデンポリマーもしくはそれを含む共重合体か
ら形成し、それら両層の厚さを前述の範囲に限定する情
報記録媒体の実施例(第4実施例)について説明する。
p型シリコン(p−Si)・ウエファ(直径2インチ)
を高周波マグネトロンスパッタ装置に保持し、全ガス
圧:1mTorr、高周波パワー:100 W、処理時間:
1分間の条件で表面を逆スパッタリングによりエッチン
グしてクリーニングした。
置内に保持したまま、その表面上に、SiO2 ターゲッ
トを用いて絶縁層としてのSiO2 膜を形成した。なお
この際、スパッタ成膜時間を制御することにより、膜厚
が15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nmお
よび45nmと相異なる7種のものを作成し、各膜厚のも
のを複数ずつ作成した。
たシリコン・ウエファ上に、VDF/TrFE共重合体
をメチル・エチル・ケトン(MEK)に溶解してなる溶
液を、スピンコータを用いて回転数5000rpmで10秒間
振り切りの条件で塗布した。次いでこの塗布膜を、145
℃×2時間の条件でアニールし、VDF/TrFE共重
合体からなる有機強誘電体層を形成した。
合体の濃度を3.0 wt%、4.0 wt%、5.0 wt%、6.
0 wt%および7.0 wt%と変えることにより、強誘電
体層の膜厚をそれぞれ0.1 μm、0.2 μm、0.3 μm、
0.4 μmおよび0.5 μmと5通りに設定した。この強誘
電体層の膜厚は、前述した7通りの膜厚の絶縁層の各々
に対して5通りに設定されるものであり、したがって全
体では、これら両層の膜厚の組合せが35通りに亘る試料
が得られることになる。
トし、電子ビーム蒸着により直径0.5 mm、厚さ200 n
mのAl(アルミニウム)電極を形成した。一方基板側
はIn(インジウム)によりオーミックコンタクトを取
った。以上のようにして作成された情報記録媒体の概略
側断面形状を図7に示す。図中11がp−Siからなる半
導体層、12がSiO2 からなる絶縁層、13がVDF/T
rFE共重合体からなる強誘電体層、16がAl電極、そ
して17がIn電極である。なおAl電極16を上記のよう
に直径0.5 mmとする場合は、0.2 nFの静電容量変化
が得られれば、前述のように望まれる変調度ΔC=0.1
μF/cm2 が実現される。
対して、表の電極(Al電極)16にはプローブを当て、
下部電極(In電極)17はアースに落として、下記の1.
〜4.の手順で印加電圧(記録電圧Vw)と静電容量との
関係を調べた。
ーブに+150 Vを1秒間印加する。 2.プローブに所定の記録電圧Vwを各々1秒間印加す
る。 3.LCRメータにより試料の静電容量を、ゼロバイア
ス、1MHzで測定する。 4.上記2.および3.の手順を、2.における記録電圧Vwを
0から−150 Vの範囲でマイナス側に増大させながら繰
り返し、記録電圧Vwと変調度(静電容量変化)ΔCと
の関係を測定する。
図8の測定結果は、VDF/TrFE共重合体からなる
強誘電体層13の厚さが0.3 μmの場合のものであり、図
中斜線を付して示す領域が、記録電圧Vwが100 V以下
でかつ変調度ΔCが0.1 μF/cm2 の範囲である。
12の厚さが薄すぎると(この場合は15nm)、本来記録
電圧Vwを高くするのにつれて変調度ΔCが向上するは
ずであるのに、逆に変調度ΔCが低下してしまう。これ
は、絶縁層12が薄いとそこを通して強誘電体層13へのキ
ャリア注入が生じ、強誘電体の分極が中和されてしまう
ためと考えられる。
厚すぎると(この場合は35nm)、記録に必要な電圧が
高くなるとともに、飽和したときの変調度ΔCが小さく
なってしまう。
も反対に薄すぎても、記録電圧Vwと変調度ΔCとの関
係が図8の斜線部領域に入ることが難しくなる。このよ
うな状況に基づいて、絶縁層12と強誘電体層13の厚さの
組合せについて適否を判断した結果を下表に示す。
13へのキャリア注入により変調度ΔCが記録電圧Vwの
増大にともなって大きくなる前に減衰してしまう場合を
示し、記号「Y」は変調度ΔCが飽和しても0.1 μF/
cm2 まで達しない場合を示し、そして記号「Z」は10
0 Vよりも高い記録電圧Vwが求められる場合を示す。
そして記号「OK」は、上記のような3つの好ましくな
い事態のいずれをも招かない場合を示している。
厚さxと絶縁層12の厚さyとの組合せを、前者を横軸、
後者を縦軸にした座標系で示すと、図6の斜線を付した
領域内、つまり点(x=0.4 μm,y=25nm)と点
(x=0.1 μm,y=40nm)とを結ぶ直線上あるいは
その下側で、かつ0<x≦0.4 μm、y≧20nmの領域
内に存在する。したがって、両層12、13の厚さがこの領
域内に存在すれば、従来のVHDシステム用の導電性ヘ
ッドを情報再生用にそのまま使用でき、しかも記録電圧
を100 V以下にできるので、情報記録媒体の破損の恐れ
がなくなる。
/TrFE共重合体から形成されているが、この強誘電
体層13はフッ化ビニリデンポリマーのみから形成されて
もよい。
共重合体から形成する場合のフッ化ビニリデン(VD
F)の望ましい組成を、記録速度の観点から調べた結果
を説明する。前述の第1実施例等により、半導体層11の
上にVDF/TrFE共重合体からなる有機強誘電体層
13を形成した情報記録媒体が、情報の記録および再生に
使用可能であることは確認された。そこでこの場合は、
VDF/TrFE共重合体そのものの分極反転速度を評
価するために、半導体層は形成せずに、アルミニウム
(Al)基板上に直接VDF/TrFE共重合体を塗布
して有機強誘電体層とした評価試料を作成した。
%のVDF/TrFE共重合体をメチル・エチル・ケト
ン(MEK)に10wt%にて溶解し、この溶液を市販の
スピンコータを用いて回転数5000rpmで10秒間振り切
りの条件で、Al基板上に塗布する。次いでこの塗布膜
を、オーブンを用い大気雰囲気で145 ℃×2時間の条件
でアニールし、膜厚1μmのVDF/TrFE共重合体
の薄膜からなる有機強誘電体層を形成する。この試料を
第1評価試料とする。図9は、この評価試料50の側断面
形状を概念的に示すものである。図中、51がAl基板、
13が有機強誘電体層である。
録装置にかけ、VDF/TrFE共重合体の分極反転速
度を測定した。なおこの図10の装置において、52が試料
台であり、評価試料50はその上にエアチャック等により
固定される。また53は一例として底面直径が50μmのタ
ングステン製可動針状電極、54は針状電極53と試料台52
を介して有機強誘電体層13にパルス電圧を印加するパル
ス電源である。本例においては、図11に示すようにまず
有機強誘電体層13にパルス幅100 msの負の初期化パル
スを印加した後、パルス幅10msの正の記録パルスを印
加し、この記録パルス印加により図10の容量Caに溜ま
る電荷Vaの時間変化を測定する。そして分極反転時間
は、上記の電荷Vaがその飽和値の90%に達するのに要
する時間で定義する。該第1評価試料50では、この分極
反転時間は2×10-8s(秒)であった。
するVDF/TrFE共重合体としてVDF組成が65mo
l %のものを用いる以外は、第1評価試料と同様にして
第2評価試料を作成した。この第2評価試料について上
記と同様にして有機強誘電体層の分極反転時間を測定し
たところ、1×10-7sであった。
するVDF/TrFE共重合体としてVDF組成が75mo
l %のものを用いる以外は、第1評価試料と同様にして
第3評価試料を作成した。この第3評価試料について上
記と同様にして有機強誘電体層の分極反転時間を測定し
たところ、1×10-6sであった。
になる。
記録時間であり、それが短いほどより高速の記録が可能
となる。画像信号や音声信号等の各種情報を記録した
り、さらにはコンピュータ用データメモリとして使用さ
れる情報記録媒体にあっては、記録時間が1×10-7s程
度以下であれば、十分高速の記録が可能であると言え
る。
共重合体から形成する場合、このVDF/TrFE共重
合体としてVDF組成が65mol %以下のものを用いれ
ば、十分高速記録が可能な情報記録媒体が得られること
になる。しかし、VDF組成が50mol %を下回ると、V
DF/TrFE共重合体が強誘電性を示さなくなるとい
う不具合を招くので、本発明において上記のようにして
高速記録を図る場合、VDF組成の下限値は50mol %と
する。
共重合体から形成する場合のフッ化ビニリデン(VD
F)の望ましい組成を、環境温度に対する耐性の観点か
ら調べた結果を説明する。この場合も、VDF/TrF
E共重合体そのもののD−Eループ(ヒステリシス・ル
ープ)を評価するために、半導体層は形成せずに、アル
ミニウム(Al)基板上に直接VDF/TrFE共重合
体を塗布して有機強誘電体層とした評価試料を作成し
た。
%のVDF/TrFE共重合体をメチル・エチル・ケト
ン(MEK)に10wt%にて溶解し、この溶液を市販の
スピンコータを用いて回転数5000rpmで10秒間振り切
りの条件で、Al基板上に塗布する。次いでこの塗布膜
を、オーブンを用い大気雰囲気で145 ℃×2時間の条件
でアニールし、膜厚1μmのVDF/TrFE共重合体
の薄膜からなる有機強誘電体層を形成する。そしてこの
有機強誘電体層の上にさらに真空蒸着法により、例えば
直径0.5mm、厚さ100 nmのAlからなる上部電極を
形成する。この試料を第4評価試料とする。図12は、こ
の第4評価試料60の側断面形状を概念的に示すものであ
る。図中、51がAl基板、13が有機強誘電体層、55が上
部電極である。
キュリー点を測定するために、該試料60を図13に示すよ
うな測定装置にかけ、そのD−Eループを測定した。な
おこの図13の装置において、61は50Hzの正弦波電流を
発生する交流電源、62は積分キャパシタ、63はアンプで
ある。有機強誘電体層13に加わる電界の強さEは、そこ
に加わる電圧をV、その厚さをdとするとE=V/dに
より求められ、一方電束密度Dは端子a、b間の電圧V
abを測定し、D=Vab・C/A[ただしCは積分キャパ
シタ62の容量、Aは試料60の電極面積]として求められ
る。
温度を所定値ずつ上昇させる毎に行ない、各々の場合の
残留分極Prを求めた。そして、この残留分極Prが無
くなる温度をキュリー点とする。この第4評価試料60の
キュリー点は、110 ℃であった。
するVDF/TrFE共重合体としてVDF組成が65mo
l %のものを用いる以外は、第4評価試料と同様にして
第5評価試料を作成した。この第5評価試料について上
記と同様にしてキュリー点を測定したところ、90℃であ
った。
するVDF/TrFE共重合体としてVDF組成が52mo
l %のものを用いる以外は、第4評価試料と同様にして
第6評価試料を作成した。この第6評価試料について上
記と同様にしてキュリー点を測定したところ、65℃であ
った。
するVDF/TrFE共重合体としてVDF組成が82mo
l %のものを用いる以外は、第4評価試料と同様にして
第7評価試料を作成した。この第7評価試料について上
記と同様の測定を行なったが、D−Eの関係においてヒ
ステリシスは得られず、情報記録媒体として使用できな
いことが明らかである。
結果に鑑み、VDF組成を80mol %とした第8評価試料
を作成した。この第8評価試料も、VDF組成以外はす
べて第4評価試料と同様である。該第8評価試料につい
ては、図14に示すようにD−Eの関係においてヒステリ
シスが得られ、そしてキュリー点は120 ℃であった。な
おこの図14には、ヒステリシスが得られなかった上記第
7評価試料の測定結果を併せて示してある。
なり、またVDF組成とキュリー点との関係は図15のよ
うになる。
キュリー点はVDF組成に応じて変化する。このVDF
/TrFE共重合体からなる強誘電体層を有する情報記
録媒体がキュリー点以上の環境温度にさらされると、強
誘電体層の自発分極が無くなり、記録情報が消失するこ
とになる。例えば、電子材料の代表的なテスト方法JI
S:C0021の温度テストでは、85℃まで加熱される
ことがある。したがって、本発明の情報記録媒体を、広
く実用に供され得る高価値のものに形成するためには、
強誘電体層のキュリー点が低くても85℃以上であること
が望まれる。
る強誘電体層を有する情報記録媒体において、VDF組
成の点から環境温度に対する耐性を高める場合、キュリ
ー点は5℃の余裕を見て低くても90℃以上となるように
し、したがってVDF組成の下限値は65mol %とする。
またこの情報記録媒体において、前述した通りVDF組
成を80mol %とすればD−Eの関係においてヒステリシ
スが得られ、VDF組成をそれよりも大きくするとヒス
テリシスが得られない恐れがあるので、VDF組成の上
限値は80mol %とする。
について説明する。この第5実施例の情報記録媒体は、
強誘電体層と半導体層との間に絶縁層が設けられず、こ
れら両層が直接接する構造のものである。
p型シリコン(p−Si)・ウエファ(直径2インチ)
上に、VDF/TrFE共重合体をメチル・エチル・ケ
トン(MEK)に溶解してなる溶液を、スピンコータを
用いて回転数5000rpmで10秒間振り切りの条件で塗布
した。次いでこの塗布膜を、145 ℃×2時間の条件でア
ニールし、VDF/TrFE共重合体からなる有機強誘
電体層を形成した。この際、上記溶液のVDF/TrF
E共重合体の濃度を4.0 wt%、5.0 wt%、6.0 wt
%および7.0 wt%と変えることにより、強誘電体層の
膜厚をそれぞれ0.2 μm、0.3 μm、0.4 μmおよび0.
5 μmと4通りに設定した。
ットし、電子ビーム蒸着により直径0.5 mm、厚さ200
nmのAl(アルミニウム)電極を形成した。一方基板
側はIn(インジウム)によりオーミックコンタクトを
取った。以上のようにして作成された情報記録媒体の概
略側断面形状を図16に示す。図中11がp−Siからなる
半導体層、13がVDF/TrFE共重合体からなる強誘
電体層、16がAl電極、そして17がIn電極である。
電体層と半導体層との間に絶縁層を有する比較例として
の情報記録媒体を作成した。抵抗率10Ωcmで不純物濃度
5×1021m-3のp型シリコン(p−Si)・ウエファ
(直径2インチ)を高周波マグネトロンスパッタ装置に
保持し、全ガス圧:1mTorr、高周波パワー:100
W、処理時間:1分間の条件で表面を逆スパッタリング
によりエッチングしてクリーニングした。
置内に保持したまま、その表面上に、SiO2 ターゲッ
トを用いて絶縁層としてのSiO2 膜を形成した。なお
この際のスパッタ条件は、全ガス圧:1mTorr、真
空チャンバー内の酸素/アルゴン比:10%、SiO2 タ
ーゲットサイズ:4インチ、RF電力:400 W、基板温
度:350 ℃である。またSiO2 膜厚は、スパッタ成膜
時間を制御することにより、20nmとした。
たシリコン・ウエファ上に、第5実施例と同様にして、
VDF/TrFE共重合体からなる有機強誘電体層を形
成した。この場合も、強誘電体層の膜厚は0.2 μm、0.
3 μm、0.4 μmおよび0.5μmの4通りに設定した。
次いでこれも第5実施例と同様にして、Al電極および
In電極を形成した。以上のようにして作成された、比
較例としての情報記録媒体の概略側断面形状は、図7と
同様である。
対して、表の電極(Al電極)16にはプローブを当て、
下部電極(In電極)17はアースに落として、下記の1.
〜4.の手順で印加電圧(記録電圧Vw)と静電容量との
関係を調べた。 1.強誘電体層の分極を揃えるため、プローブに+150 V
を1s(秒)印加する。 2.プローブに所定の記録電圧Vwを1s印加する。 3.LCRメータにより試料の1MHzの交流での静電容
量を、ゼロバイアスで測定する。 4.上記2.および3.の手順を、2.における記録電圧Vwを
マイナス側に増大させながら繰り返し、記録電圧Vwと
変調度(静電容量変化)ΔCとの関係を測定する。
Vwの印加時間を0.5 s、0.2 s、0.1 s、0.01sに変
えて、同様の測定を行なった。この測定の結果の一例を
図17に示す。この図17の測定結果は、VDF/TrFE
共重合体からなる強誘電体層13の厚さが0.2 μmの試料
に関するものであり、絶縁層(SiO2 膜)を備えない
試料については、記録電圧印加時間τ=1s、0.5 s、
0.2 s、0.1 s、0.01sの場合の結果を、絶縁層(Si
O2 膜)を備えた比較例としての試料については、τ=
0.1 sの場合の結果を示してある。
Cmax 、および記録に必要な電圧を表4に示す。なお記
録に必要な電圧は、ΔCが最大値ΔCmax の90%に達す
るのに必要な電圧とした。
から形成する場合、この強誘電体層13と半導体層11との
間にある程度厚い絶縁層を設けないと、先に述べたよう
に強誘電体層13へのキャリア注入が生じることがある。
しかしここで、上記図17に示されるように、絶縁層を設
けなくても記録電圧印加時間τを0.1 s以下と特に短く
すれば、SiO2 からなる絶縁層を設けた場合よりもか
えって大きな変調度ΔCが得られることが分かった。こ
れは、上記程度に記録電圧印加時間τを短くした場合
は、強誘電体層13へのキャリア注入の効果が無くなるた
めと考えられる。それに対して、絶縁層を設けない場合
に記録電圧印加時間τを1sとかなり長めに設定する
と、変調度ΔCがすぐにピークを作って小さくなってし
まう。
と、次第に変調度ΔCが大きくなり、τ=0.1 sのとき
に最大となる。それ以上記録電圧印加時間τを短くして
も、変調度ΔCは増大しない。そこで、本発明におい
て、絶縁層を設けないで記録電圧印加時間τを短くする
ことでキャリア注入を防止する場合、τの最大値は0.1
sとする。
けないでτ=0.1 sとした場合、ΔCmax すなわち再生
出力は絶縁層を設ける場合よりも大きくなり、その一
方、記録に必要な電圧は絶縁層を設ける場合よりも低く
て済む、という好ましい結果が得られる。そしてこの場
合、強誘電体層13が薄いほどΔCmax は大きくなり、記
録に必要な電圧は低下する。
とすればキャリア注入の効果がさらに抑制され、それに
より記録電圧の許容範囲が拡大して、より好ましい。
面形状を示す概略図
なう装置を示す概略側面図
面形状を示す概略図
面形状を示す概略図
電体層厚さと絶縁層厚さの範囲を示すグラフ
面形状を示す概略図
記録電圧Vwと得られる変調度ΔCとの関係を示すグラ
フ
状を示す概略図
す概略側面図
料の反転電荷波形を示すグラフ
断面形状を示す概略図
装置の回路図
一例を示すグラフ
ュリー点との関係を示すグラフ
断面形状を示す概略図
録電圧印加時間τと記録電圧Vwと得られる変調度ΔC
との関係を示すグラフ
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体層とこの半導体層上に形成された
強誘電体の層とを有し、この強誘電体の分極の方向によ
り情報を記録する情報記録媒体において、前記強誘電体
として有機強誘電体が用いられたことを特徴とする情報
記録媒体。 - 【請求項2】 前記半導体層と強誘電体層との間に絶縁
層が形成され、 この絶縁層がSiO2 からなる一方、前記強誘電体層が
フッ化ビニリデンポリマーもしくはそれを含む共重合体
からなり、 この強誘電体層の厚さxと絶縁層の厚さyが、前者を横
軸、後者を縦軸に取った座標系において、点(x=0.4
μm,y=25nm)と点(x=0.1 μm,y=40nm)
とを結ぶ直線上あるいはその下側で、かつ0<x≦0.4
μm、y≧20nmの領域内にあることを特徴とする請求
項1記載の情報記録媒体。 - 【請求項3】 請求項2に記載の情報記録媒体に対し
て、記録電圧を100 V以下にして前記強誘電体層に分極
を生じさせることを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項4】 前記強誘電体層が、フッ化ビニリデン組
成が50〜65mol %の範囲にあるフッ化ビニリデン−3フ
ッ化エチレン共重合体からなることを特徴とする請求項
1記載の情報記録媒体。 - 【請求項5】 前記強誘電体層が、フッ化ビニリデン組
成が65〜80mol %の範囲にあるフッ化ビニリデン−3フ
ッ化エチレン共重合体からなることを特徴とする請求項
1記載の情報記録媒体。 - 【請求項6】 前記強誘電体層がフッ化ビニリデンポリ
マーもしくはそれを含む共重合体からなり、 該強誘電体層と前記半導体層とが絶縁層を介さずに直接
接していることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒
体。 - 【請求項7】 請求項6に記載の情報記録媒体に対し
て、印加時間を0.1 s以下にして記録電圧を印加するこ
とを特徴とする情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00860793A JP3217513B2 (ja) | 1992-01-28 | 1993-01-21 | 情報記録媒体および情報記録方法 |
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JP1294092 | 1992-01-28 | ||
JP4-244370 | 1992-09-14 | ||
JP24437092 | 1992-09-14 | ||
JP4-12940 | 1992-09-14 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06139631A true JPH06139631A (ja) | 1994-05-20 |
JP3217513B2 JP3217513B2 (ja) | 2001-10-09 |
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JP00860793A Expired - Fee Related JP3217513B2 (ja) | 1992-01-28 | 1993-01-21 | 情報記録媒体および情報記録方法 |
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JP (1) | JP3217513B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100379415B1 (ko) * | 2000-01-13 | 2003-04-10 | 엘지전자 주식회사 | 강유전체 기록 매체 및 그 제조 방법 |
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KR102498417B1 (ko) * | 2020-09-15 | 2023-02-13 | 충청북도(관리부서:충청북도 농업기술원) | 팽이버섯을 이용한 가공식품 제조방법 |
-
1993
- 1993-01-21 JP JP00860793A patent/JP3217513B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100379415B1 (ko) * | 2000-01-13 | 2003-04-10 | 엘지전자 주식회사 | 강유전체 기록 매체 및 그 제조 방법 |
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