JPH06137193A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
内燃機関の空燃比制御装置Info
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- JPH06137193A JPH06137193A JP4285923A JP28592392A JPH06137193A JP H06137193 A JPH06137193 A JP H06137193A JP 4285923 A JP4285923 A JP 4285923A JP 28592392 A JP28592392 A JP 28592392A JP H06137193 A JPH06137193 A JP H06137193A
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- Japan
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- air
- internal combustion
- combustion engine
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 理論空燃比付近の検出感度を向上させて、空
燃比を理論空燃比のウインドに確実に制御可能とし、か
つ理論空燃比付近においても実際の空燃比自体を検出可
能として、フィードバック制御に対する適用範囲を拡大
する。 【構成】 切換回路31の出力端子32a,32b間に
抵抗R1及び抵抗R2を接続して、スイッチS1の開閉
に応じて抵抗値を切換可能とし、目標空燃比が理論空燃
比のときにはスイッチS1が開かれるため、出力端子3
2a,32b間に作用する抵抗値が増大して、空燃比の
変動に対する出力電圧値Vの変動のゲインが高められ、
極めて高い感度で空燃比を検出可能となる。また、排気
ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧値Vが得られるた
め、PID制御や現代制御等を実行することが可能とな
る。
燃比を理論空燃比のウインドに確実に制御可能とし、か
つ理論空燃比付近においても実際の空燃比自体を検出可
能として、フィードバック制御に対する適用範囲を拡大
する。 【構成】 切換回路31の出力端子32a,32b間に
抵抗R1及び抵抗R2を接続して、スイッチS1の開閉
に応じて抵抗値を切換可能とし、目標空燃比が理論空燃
比のときにはスイッチS1が開かれるため、出力端子3
2a,32b間に作用する抵抗値が増大して、空燃比の
変動に対する出力電圧値Vの変動のゲインが高められ、
極めて高い感度で空燃比を検出可能となる。また、排気
ガス中の酸素濃度に比例した出力電圧値Vが得られるた
め、PID制御や現代制御等を実行することが可能とな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の空燃比制御
装置に関するものであり、特に、内燃機関が所定の運転
領域にあるときに、空燃比を理論空燃比よりリーン側に
制御して運転させる空燃比制御装置に関するものであ
る。
装置に関するものであり、特に、内燃機関が所定の運転
領域にあるときに、空燃比を理論空燃比よりリーン側に
制御して運転させる空燃比制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費向上やエミッション低減を目
的として、内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリーン側
に制御する所謂リーン制御を採用した空燃比制御装置が
実施されている。このような空燃比制御では、内燃機関
の運転領域に応じて、通常の空燃比制御とリーン制御と
を選択的に実行している。周知のように、通常の空燃比
制御時には、内燃機関の運転領域に応じて燃料噴射量を
設定し、また、リーン制御時には、内燃機関の運転領域
毎にマップ化された定数(<1.0)を燃料噴射量に乗
算して、空燃比をリーン側に補正する。そして、この処
理に並行して、内燃機関の排気通路に設けたリーンセン
サからの排気ガス中の酸素濃度に比例する出力電圧値
と、目標空燃比(通常の空燃比制御時には理論空燃比、
リーン制御時にはよりリーン側の空燃比)に対応する電
圧値とを比較して、前記した燃料噴射量をフィードバッ
ク制御している。
的として、内燃機関の空燃比を理論空燃比よりリーン側
に制御する所謂リーン制御を採用した空燃比制御装置が
実施されている。このような空燃比制御では、内燃機関
の運転領域に応じて、通常の空燃比制御とリーン制御と
を選択的に実行している。周知のように、通常の空燃比
制御時には、内燃機関の運転領域に応じて燃料噴射量を
設定し、また、リーン制御時には、内燃機関の運転領域
毎にマップ化された定数(<1.0)を燃料噴射量に乗
算して、空燃比をリーン側に補正する。そして、この処
理に並行して、内燃機関の排気通路に設けたリーンセン
サからの排気ガス中の酸素濃度に比例する出力電圧値
と、目標空燃比(通常の空燃比制御時には理論空燃比、
リーン制御時にはよりリーン側の空燃比)に対応する電
圧値とを比較して、前記した燃料噴射量をフィードバッ
ク制御している。
【0003】なお、このような空燃比フィードバックに
使用されるリーンセンサとしては、ジルコニア等の酸素
イオン導電性固体電界質を用いたものが公知である。こ
のリーンセンサは、ジルコニア板の一側面に陰極をなす
薄膜をコーティングするとともに、他側面に陽極をなす
薄膜をコーティングして構成されており、陰極を排気通
路内に露出させて内燃機関に装着される。陰極及び陽極
間に電圧が印加されたときのリーンセンサは、陰極に接
触した排気ガス中の酸素濃度に比例した電流を出力し、
従来の一般的な空燃比制御装置では、この出力電流を目
標空燃比の電圧値と比較すべく、単一の抵抗によって電
圧値に変換していた。
使用されるリーンセンサとしては、ジルコニア等の酸素
イオン導電性固体電界質を用いたものが公知である。こ
のリーンセンサは、ジルコニア板の一側面に陰極をなす
薄膜をコーティングするとともに、他側面に陽極をなす
薄膜をコーティングして構成されており、陰極を排気通
路内に露出させて内燃機関に装着される。陰極及び陽極
間に電圧が印加されたときのリーンセンサは、陰極に接
触した排気ガス中の酸素濃度に比例した電流を出力し、
従来の一般的な空燃比制御装置では、この出力電流を目
標空燃比の電圧値と比較すべく、単一の抵抗によって電
圧値に変換していた。
【0004】ところで、リーンセンサに要求される空燃
比の検出領域は、理論空燃比の14.7付近からリーン
側の22付近までの広範囲にわたっている。したがっ
て、全ての領域に適応できるように抵抗値を設定した場
合には、例えば、図4に破線で示す検出特性のように、
空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが全域
にわたって低くなる。しかしながら、通常の空燃比制御
では、空燃比を理論空燃比付近の狭い領域(ウインド)
に制御する必要があるため、空燃比の検出に特に高い感
度が要求され、前記したゲインの低い出力電圧値ではこ
の要求を満たすことができなかった。
比の検出領域は、理論空燃比の14.7付近からリーン
側の22付近までの広範囲にわたっている。したがっ
て、全ての領域に適応できるように抵抗値を設定した場
合には、例えば、図4に破線で示す検出特性のように、
空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが全域
にわたって低くなる。しかしながら、通常の空燃比制御
では、空燃比を理論空燃比付近の狭い領域(ウインド)
に制御する必要があるため、空燃比の検出に特に高い感
度が要求され、前記したゲインの低い出力電圧値ではこ
の要求を満たすことができなかった。
【0005】そこで、理論空燃比付近の検出感度を向上
させた空燃比制御装置として、例えば、特公平4−11
81号公報に記載のものが提案されている。
させた空燃比制御装置として、例えば、特公平4−11
81号公報に記載のものが提案されている。
【0006】図7はこの従来の空燃比制御装置における
リーンセンサの周辺の模式的な回路構成を示す回路図で
ある。
リーンセンサの周辺の模式的な回路構成を示す回路図で
ある。
【0007】図に示すように、リーンセンサ51の一端
には一方の出力端子52aが接続され、リーンセンサ5
1の他端にはスイッチS2の可動接点aが接続されてい
る。可動接点aは一対の固定接点b,cに選択的に切換
可能となっており、その一方の固定接点bは電源53を
介して他方の出力端子52bに接続され、他方の固定接
点cは電源53を迂回して他方の出力端子52bに接続
されている。また、出力端子52a,52b間にはリー
ンセンサ51の出力電流を電圧値に変換する抵抗R3が
接続され、その出力電圧値Vが空燃比制御装置に入力さ
れる。
には一方の出力端子52aが接続され、リーンセンサ5
1の他端にはスイッチS2の可動接点aが接続されてい
る。可動接点aは一対の固定接点b,cに選択的に切換
可能となっており、その一方の固定接点bは電源53を
介して他方の出力端子52bに接続され、他方の固定接
点cは電源53を迂回して他方の出力端子52bに接続
されている。また、出力端子52a,52b間にはリー
ンセンサ51の出力電流を電圧値に変換する抵抗R3が
接続され、その出力電圧値Vが空燃比制御装置に入力さ
れる。
【0008】そして、リーン制御時においては、スイッ
チS2の可動接点aが空燃比制御装置により固定接点b
側に切り換えられる。したがって、リーンセンサ51の
両端に電源53の電圧が印加されて、排気ガス中の酸素
濃度に比例した電流が出力され、出力端子52a,52
b間には抵抗R3により出力電流に応じた電圧値Vが発
生し、その出力電圧値Vに基づいて燃料噴射量をフィー
ドバック制御することが可能となる。つまり、このリー
ン制御時のリーンセンサ51は、前記した空燃比制御装
置のリーンセンサと同様の機能を奏するものであり、所
謂限界電流方式の原理で空燃比を検出する。
チS2の可動接点aが空燃比制御装置により固定接点b
側に切り換えられる。したがって、リーンセンサ51の
両端に電源53の電圧が印加されて、排気ガス中の酸素
濃度に比例した電流が出力され、出力端子52a,52
b間には抵抗R3により出力電流に応じた電圧値Vが発
生し、その出力電圧値Vに基づいて燃料噴射量をフィー
ドバック制御することが可能となる。つまり、このリー
ン制御時のリーンセンサ51は、前記した空燃比制御装
置のリーンセンサと同様の機能を奏するものであり、所
謂限界電流方式の原理で空燃比を検出する。
【0009】また、通常の空燃比制御時においては、ス
イッチS2の可動接点aが空燃比制御装置により固定接
点c側に切り換えられる。したがって、リーンセンサ5
1は電源53の電圧を印加されずに、陰極に接触した排
気ガス中の酸素濃度と、陽極に接触した大気中の酸素濃
度との濃度差により起電力を生じ、出力端子52a,5
2b間には、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリッチ
かリーンかに応じたハイまたはローの電圧値Vが発生す
る。よって、その出力電圧値Vに基づいて燃料噴射量を
フィードバック制御することが可能となる。つまり、こ
の通常の空燃比制御時のリーンセンサ51は、一般的な
O2 センサと同様の機能を奏するものであり、所謂酸素
濃淡電池の原理により、理論空燃比を基準とする空燃比
のリッチまたはリーンを検出する。そして、このように
リーンセンサ51の出力電圧値Vが理論空燃比を境界と
して大幅に変化するため、通常の空燃比制御時に要求さ
れる高感度の空燃比検出を実現して、空燃比を理論空燃
比のウインドに制御することが可能となる。
イッチS2の可動接点aが空燃比制御装置により固定接
点c側に切り換えられる。したがって、リーンセンサ5
1は電源53の電圧を印加されずに、陰極に接触した排
気ガス中の酸素濃度と、陽極に接触した大気中の酸素濃
度との濃度差により起電力を生じ、出力端子52a,5
2b間には、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリッチ
かリーンかに応じたハイまたはローの電圧値Vが発生す
る。よって、その出力電圧値Vに基づいて燃料噴射量を
フィードバック制御することが可能となる。つまり、こ
の通常の空燃比制御時のリーンセンサ51は、一般的な
O2 センサと同様の機能を奏するものであり、所謂酸素
濃淡電池の原理により、理論空燃比を基準とする空燃比
のリッチまたはリーンを検出する。そして、このように
リーンセンサ51の出力電圧値Vが理論空燃比を境界と
して大幅に変化するため、通常の空燃比制御時に要求さ
れる高感度の空燃比検出を実現して、空燃比を理論空燃
比のウインドに制御することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の公報に記載の空
燃比制御装置は、上記のように通常の空燃比制御時のリ
ーンセンサ51に一般的なO2 センサと同様の機能を発
揮させて、理論空燃比を基準とする排気ガスの空燃比の
リッチまたはリーンに応じた電圧値Vを出力させてい
る。つまり、実際の空燃比自体を検出できないため、例
えば、PID制御や現代制御等のように、実空燃比と目
標空燃比との偏差を用いた高応答のフィードバック制御
を積極的に実行することができなかった。
燃比制御装置は、上記のように通常の空燃比制御時のリ
ーンセンサ51に一般的なO2 センサと同様の機能を発
揮させて、理論空燃比を基準とする排気ガスの空燃比の
リッチまたはリーンに応じた電圧値Vを出力させてい
る。つまり、実際の空燃比自体を検出できないため、例
えば、PID制御や現代制御等のように、実空燃比と目
標空燃比との偏差を用いた高応答のフィードバック制御
を積極的に実行することができなかった。
【0011】そこで、本発明は、理論空燃比付近の検出
感度を向上させて、空燃比を理論空燃比のウインドに確
実に制御可能とした上で、リーン側の空燃比のみならず
理論空燃比付近においても実際の空燃比自体を検出可能
として、フィードバック制御に対する適用範囲を拡大す
ることができる内燃機関の空燃比制御装置の提供を課題
とするものである。
感度を向上させて、空燃比を理論空燃比のウインドに確
実に制御可能とした上で、リーン側の空燃比のみならず
理論空燃比付近においても実際の空燃比自体を検出可能
として、フィードバック制御に対する適用範囲を拡大す
ることができる内燃機関の空燃比制御装置の提供を課題
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる内燃機関
の空燃比制御装置は、図1に示すように、内燃機関M1
の排気通路に設けられて、排気ガス中の酸素濃度に略比
例した電流を出力する空燃比検出手段M2と、前記空燃
比検出手段M2の出力電流を電圧値に変換すべく空燃比
検出手段M2の出力端に接続されるとともに、抵抗値を
変更可能な可変抵抗手段M3と、前記内燃機関M1の運
転領域に応じて、理論空燃比からリーン側の空燃比にわ
たって目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段M4
と、前記目標空燃比設定手段M4にて設定された目標空
燃比がリーン側の空燃比のときに、前記可変抵抗手段M
3を低抵抗値に切り換えるとともに、目標空燃比が理論
空燃比のときに、可変抵抗手段M3を高抵抗値に切り換
える出力電圧ゲイン切換手段M5と、前記空燃比検出手
段M2の出力電圧値と前記目標空燃比とに基づいて、内
燃機関M1への燃料噴射量をフィードバック制御する噴
射量フィードバック制御手段M6とを具備するものであ
る。
の空燃比制御装置は、図1に示すように、内燃機関M1
の排気通路に設けられて、排気ガス中の酸素濃度に略比
例した電流を出力する空燃比検出手段M2と、前記空燃
比検出手段M2の出力電流を電圧値に変換すべく空燃比
検出手段M2の出力端に接続されるとともに、抵抗値を
変更可能な可変抵抗手段M3と、前記内燃機関M1の運
転領域に応じて、理論空燃比からリーン側の空燃比にわ
たって目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段M4
と、前記目標空燃比設定手段M4にて設定された目標空
燃比がリーン側の空燃比のときに、前記可変抵抗手段M
3を低抵抗値に切り換えるとともに、目標空燃比が理論
空燃比のときに、可変抵抗手段M3を高抵抗値に切り換
える出力電圧ゲイン切換手段M5と、前記空燃比検出手
段M2の出力電圧値と前記目標空燃比とに基づいて、内
燃機関M1への燃料噴射量をフィードバック制御する噴
射量フィードバック制御手段M6とを具備するものであ
る。
【0013】
【作用】本発明においては、内燃機関M1の運転領域に
応じて、目標空燃比が目標空燃比設定手段M4により理
論空燃比からリーン側の空燃比にわたって設定され、目
標空燃比がリーン側の空燃比のときには、出力電圧ゲイ
ン切換手段M5により可変抵抗手段M3の抵抗値が低い
値に切り換えられ、また、目標空燃比が理論空燃比のと
きには、可変抵抗手段M3の抵抗値が高い値に切り換え
られる。そして、この可変抵抗手段M3により、排気ガ
ス中の酸素濃度に略比例した空燃比検出手段M2の出力
電流が電圧値に変換され、その出力電圧値と前記目標空
燃比とに基づいて、噴射量フィードバック制御手段M6
により内燃機関M1への燃料噴射量がフィードバック制
御される。
応じて、目標空燃比が目標空燃比設定手段M4により理
論空燃比からリーン側の空燃比にわたって設定され、目
標空燃比がリーン側の空燃比のときには、出力電圧ゲイ
ン切換手段M5により可変抵抗手段M3の抵抗値が低い
値に切り換えられ、また、目標空燃比が理論空燃比のと
きには、可変抵抗手段M3の抵抗値が高い値に切り換え
られる。そして、この可変抵抗手段M3により、排気ガ
ス中の酸素濃度に略比例した空燃比検出手段M2の出力
電流が電圧値に変換され、その出力電圧値と前記目標空
燃比とに基づいて、噴射量フィードバック制御手段M6
により内燃機関M1への燃料噴射量がフィードバック制
御される。
【0014】ここで、目標空燃比がリーン側の空燃比の
ときには、可変抵抗手段M3の抵抗値が低いことから、
空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが低め
られて、リーン側の空燃比まで検出可能となる。一方、
目標空燃比が理論空燃比のときには、可変抵抗手段M3
の抵抗値が高いことから、空燃比の変動に対する出力電
圧値の変動のゲインが高められて、極めて高い感度で空
燃比を検出可能となり、かつ、排気ガス中の酸素濃度に
略比例した出力電圧値が得られるため、高応答のフィー
ドバック制御、例えば、PID制御や現代制御等を実行
することが可能である。
ときには、可変抵抗手段M3の抵抗値が低いことから、
空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが低め
られて、リーン側の空燃比まで検出可能となる。一方、
目標空燃比が理論空燃比のときには、可変抵抗手段M3
の抵抗値が高いことから、空燃比の変動に対する出力電
圧値の変動のゲインが高められて、極めて高い感度で空
燃比を検出可能となり、かつ、排気ガス中の酸素濃度に
略比例した出力電圧値が得られるため、高応答のフィー
ドバック制御、例えば、PID制御や現代制御等を実行
することが可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の内燃機関の空燃比制御装置を
具体化した一実施例を説明する。図2は本発明の一実施
例である内燃機関の空燃比制御装置の概略構成図であ
る。
具体化した一実施例を説明する。図2は本発明の一実施
例である内燃機関の空燃比制御装置の概略構成図であ
る。
【0016】図に示すように、本実施例の空燃比制御装
置が適用される内燃機関1は、車両に搭載される4サイ
クル4気筒の火花点火式内燃機関である。内燃機関1の
吸気通路2の上流側にはエアクリーナ3が設けられ、エ
アクリーナ3を経た吸入空気は、吸気通路2及び吸気バ
ルブ4を介して各気筒の燃焼室5内に供給される。吸気
通路2のエアクリーナ3の下流側には吸入空気量を検出
するエアフローメータ6が設けられ、その下流側には運
転者のアクセル操作に応じて吸入空気量を調整するスロ
ットルバルブ7が設けられている。スロットルバルブ7
の下流側には吸気圧を検出する吸気圧センサ17が設け
られ、吸気通路2の最下流側には各気筒毎に燃料噴射弁
8が設けられている。燃料噴射弁8は図示しないクラン
ク軸の回転に同期して燃料を噴射し、その燃料は吸気通
路2内を通過する吸入空気と混合されて、混合気として
燃焼室5内に導入される。
置が適用される内燃機関1は、車両に搭載される4サイ
クル4気筒の火花点火式内燃機関である。内燃機関1の
吸気通路2の上流側にはエアクリーナ3が設けられ、エ
アクリーナ3を経た吸入空気は、吸気通路2及び吸気バ
ルブ4を介して各気筒の燃焼室5内に供給される。吸気
通路2のエアクリーナ3の下流側には吸入空気量を検出
するエアフローメータ6が設けられ、その下流側には運
転者のアクセル操作に応じて吸入空気量を調整するスロ
ットルバルブ7が設けられている。スロットルバルブ7
の下流側には吸気圧を検出する吸気圧センサ17が設け
られ、吸気通路2の最下流側には各気筒毎に燃料噴射弁
8が設けられている。燃料噴射弁8は図示しないクラン
ク軸の回転に同期して燃料を噴射し、その燃料は吸気通
路2内を通過する吸入空気と混合されて、混合気として
燃焼室5内に導入される。
【0017】各気筒の燃焼室5には点火プラグ9が設け
られ、これらの点火プラグ9には、点火コイル10から
の点火電流がクランク軸の回転に同期してディストリビ
ュータ11により分配供給される。燃焼室5内に導入さ
れた混合気は点火プラグ11にて点火されて、燃焼しな
がらピストン12を押し下げてクランク軸にトルクを付
与し、その後、排気バルブ13及び排気通路14を介し
て外部に排出される。排気通路14にはリーンセンサ1
5が設置され、このリーンセンサ15は、排気ガス中の
酸素濃度に比例した電流を出力する。また、ディストリ
ビュータ11にはクランク角センサ16が設けられ、ク
ランク軸の回転に同期して30度毎にパルス信号を出力
する。
られ、これらの点火プラグ9には、点火コイル10から
の点火電流がクランク軸の回転に同期してディストリビ
ュータ11により分配供給される。燃焼室5内に導入さ
れた混合気は点火プラグ11にて点火されて、燃焼しな
がらピストン12を押し下げてクランク軸にトルクを付
与し、その後、排気バルブ13及び排気通路14を介し
て外部に排出される。排気通路14にはリーンセンサ1
5が設置され、このリーンセンサ15は、排気ガス中の
酸素濃度に比例した電流を出力する。また、ディストリ
ビュータ11にはクランク角センサ16が設けられ、ク
ランク軸の回転に同期して30度毎にパルス信号を出力
する。
【0018】内燃機関1の電子制御装置21は、CPU
22、ROM23、RAM24を中心に論理演算回路を
構成し、コモンバス25を介して入出力部26と接続さ
れている。入出力部26には、前記エアフローメータ
6、燃料噴射弁8、点火コイル10、クランク角センサ
16及び吸気圧センサ17がそれぞれ接続されるととも
に、リーンセンサ15が切換回路31を介して接続さ
れ、CPU22はこの入出力部26を経て外部との入出
力を行なう。また、ROM23には内燃機関1の運転状
態を制御するための各種プログラム、例えば、燃料噴射
弁8の噴射量制御や点火プラグ9の点火時期制御等のプ
ログラムが記憶され、CPU22はそれらのプログラム
に従って処理を実行する。また、RAM24はCPU2
2が実行する処理データを一時的に記憶する。
22、ROM23、RAM24を中心に論理演算回路を
構成し、コモンバス25を介して入出力部26と接続さ
れている。入出力部26には、前記エアフローメータ
6、燃料噴射弁8、点火コイル10、クランク角センサ
16及び吸気圧センサ17がそれぞれ接続されるととも
に、リーンセンサ15が切換回路31を介して接続さ
れ、CPU22はこの入出力部26を経て外部との入出
力を行なう。また、ROM23には内燃機関1の運転状
態を制御するための各種プログラム、例えば、燃料噴射
弁8の噴射量制御や点火プラグ9の点火時期制御等のプ
ログラムが記憶され、CPU22はそれらのプログラム
に従って処理を実行する。また、RAM24はCPU2
2が実行する処理データを一時的に記憶する。
【0019】そして、CPU22は内燃機関1の運転領
域に応じて、通常の空燃比制御とリーン制御とを選択的
に実行する。周知のように、通常の空燃比制御時には、
内燃機関1の運転領域に応じて基本燃料噴射時間τ0 を
設定し、また、リーン制御時には、内燃機関1の運転領
域毎にマップ化された定数k(<1.0)を基本燃料噴
射時間τ0 に乗算して、空燃比をリーン側に補正する。
また、この処理に並行して、前記切換回路31を介して
リーンセンサ5からの排気ガス中の酸素濃度に比例する
出力電圧値Vと、目標空燃比(通常の空燃比制御時には
理論空燃比、リーン制御時にはよりリーン側の空燃比)
に対応する目標出力電圧値V0 とを比較して、前記した
基本燃料噴射時間τ0 をフィードバック制御する。
域に応じて、通常の空燃比制御とリーン制御とを選択的
に実行する。周知のように、通常の空燃比制御時には、
内燃機関1の運転領域に応じて基本燃料噴射時間τ0 を
設定し、また、リーン制御時には、内燃機関1の運転領
域毎にマップ化された定数k(<1.0)を基本燃料噴
射時間τ0 に乗算して、空燃比をリーン側に補正する。
また、この処理に並行して、前記切換回路31を介して
リーンセンサ5からの排気ガス中の酸素濃度に比例する
出力電圧値Vと、目標空燃比(通常の空燃比制御時には
理論空燃比、リーン制御時にはよりリーン側の空燃比)
に対応する目標出力電圧値V0 とを比較して、前記した
基本燃料噴射時間τ0 をフィードバック制御する。
【0020】図3は本発明の一実施例である内燃機関の
空燃比制御装置におけるリーンセンサ及び切換回路を示
す回路図である。
空燃比制御装置におけるリーンセンサ及び切換回路を示
す回路図である。
【0021】次に、リーンセンサ15及び切換回路31
の構成を説明すると、図に示すように、リーンセンサ1
5の一端には一方の出力端子32aが接続され、リーン
センサ15の他端には電源33を介して他方の出力端子
32bが接続されている。両出力端子間32a,32b
には一対の抵抗R1,R2が並列に接続されるととも
に、一方の抵抗R1にはスイッチS1が直列に接続さ
れ、これらの電源33、抵抗R1,R2、スイッチS1
により前記切換回路31が構成されている。そして、両
出力端子32a,32b間の出力電圧値Vが入出力部2
6を介してCPU22に入力される。
の構成を説明すると、図に示すように、リーンセンサ1
5の一端には一方の出力端子32aが接続され、リーン
センサ15の他端には電源33を介して他方の出力端子
32bが接続されている。両出力端子間32a,32b
には一対の抵抗R1,R2が並列に接続されるととも
に、一方の抵抗R1にはスイッチS1が直列に接続さ
れ、これらの電源33、抵抗R1,R2、スイッチS1
により前記切換回路31が構成されている。そして、両
出力端子32a,32b間の出力電圧値Vが入出力部2
6を介してCPU22に入力される。
【0022】この切換回路31のスイッチS1はCPU
22により切換制御され、CPU22は、通常の空燃比
制御時には実線で示すようにスイッチS1を開き、ま
た、リーン制御時には破線で示すようにスイッチS1を
閉じる。以下、このようにスイッチS1が開かれた状態
を通常検出状態とし、スイッチS1が閉じられた状態を
リーン検出状態とする。そして、本実施例では以下に説
明するように、通常の空燃比制御及びリーン制御のいず
れの場合でも、リーンセンサ15に所謂限界電流方式の
原理で空燃比を検出させている。
22により切換制御され、CPU22は、通常の空燃比
制御時には実線で示すようにスイッチS1を開き、ま
た、リーン制御時には破線で示すようにスイッチS1を
閉じる。以下、このようにスイッチS1が開かれた状態
を通常検出状態とし、スイッチS1が閉じられた状態を
リーン検出状態とする。そして、本実施例では以下に説
明するように、通常の空燃比制御及びリーン制御のいず
れの場合でも、リーンセンサ15に所謂限界電流方式の
原理で空燃比を検出させている。
【0023】図4は本発明の一実施例である内燃機関の
空燃比制御装置における空燃比からリーンセンサの出力
電圧値を設定するためのマップを示す説明図である。
空燃比制御装置における空燃比からリーンセンサの出力
電圧値を設定するためのマップを示す説明図である。
【0024】前記のようにスイッチS1が開かれた通常
検出状態においては、抵抗R1のみによりリーンセンサ
15の出力電流が電圧値に変換される。このときの出力
電圧値Vは、 V=i×Ra で表すことができる。但し、iはリーンセンサの出力電
流、Ra は抵抗R1の抵抗値である。
検出状態においては、抵抗R1のみによりリーンセンサ
15の出力電流が電圧値に変換される。このときの出力
電圧値Vは、 V=i×Ra で表すことができる。但し、iはリーンセンサの出力電
流、Ra は抵抗R1の抵抗値である。
【0025】そして、このときの出力電圧値Vの特性
は、図4に実線で示すように、検出可能な空燃比の範囲
は理論空燃比付近に限られるものの、空燃比の変動に対
する出力電圧値Vの変動のゲインが高く、極めて高い感
度で空燃比を検出可能となる。なお、この図に示すマッ
プは、予めROM23に格納されており、後述するよう
にCPU22の処理に利用される。
は、図4に実線で示すように、検出可能な空燃比の範囲
は理論空燃比付近に限られるものの、空燃比の変動に対
する出力電圧値Vの変動のゲインが高く、極めて高い感
度で空燃比を検出可能となる。なお、この図に示すマッ
プは、予めROM23に格納されており、後述するよう
にCPU22の処理に利用される。
【0026】また、スイッチS1が閉じられたリーン検
出状態においては、抵抗R1と抵抗R2の合成抵抗によ
りリーンセンサ15の出力電流が電圧値に変換される。
このときの出力電圧値Vは、 V=i×1/(1/Ra +1/Rb ) で表すことができる。但し、Rb は抵抗R2の抵抗値で
ある。
出状態においては、抵抗R1と抵抗R2の合成抵抗によ
りリーンセンサ15の出力電流が電圧値に変換される。
このときの出力電圧値Vは、 V=i×1/(1/Ra +1/Rb ) で表すことができる。但し、Rb は抵抗R2の抵抗値で
ある。
【0027】当然のことながら、このときの抵抗R1と
抵抗R2の合成抵抗は、前記した通常検出状態のときに
用いられた抵抗R1の抵抗値より低いため、出力電圧値
Vも低下する。したがって、出力電圧値Vの特性は、図
4に破線で示すように、空燃比の変動に対する出力電圧
値Vの変動のゲインが低くなり、空燃比の検出感度は低
いものの、検出可能な空燃比の範囲が広くなり、リーン
制御に必要なリーン側の空燃比まで検出可能となる。
抵抗R2の合成抵抗は、前記した通常検出状態のときに
用いられた抵抗R1の抵抗値より低いため、出力電圧値
Vも低下する。したがって、出力電圧値Vの特性は、図
4に破線で示すように、空燃比の変動に対する出力電圧
値Vの変動のゲインが低くなり、空燃比の検出感度は低
いものの、検出可能な空燃比の範囲が広くなり、リーン
制御に必要なリーン側の空燃比まで検出可能となる。
【0028】次に、上記のように構成された内燃機関の
空燃比制御装置のCPU22が実行する空燃比制御を説
明する。
空燃比制御装置のCPU22が実行する空燃比制御を説
明する。
【0029】図5は本発明の一実施例である内燃機関の
空燃比制御装置のCPUが実行する空燃比制御処理を示
すフローチャート、図6は本発明の一実施例である内燃
機関の空燃比制御装置の目標空燃比を設定するためのマ
ップを示す説明図である。
空燃比制御装置のCPUが実行する空燃比制御処理を示
すフローチャート、図6は本発明の一実施例である内燃
機関の空燃比制御装置の目標空燃比を設定するためのマ
ップを示す説明図である。
【0030】図5に示すルーチンは、内燃機関1の回転
に同期して360度CA毎に実行される。まず、CPU
22はステップS1でクランク角センサ16からのパル
ス信号から機関回転数Ne を算出し、その機関回転数N
e と吸気圧センサ17にて検出された吸気圧Pm とから
目標空燃比を設定する。この目標空燃比の設定は、図6
に示す予めROM23に格納されたマップに従って行な
われる。図中の数値は目標空燃比を示し、図から明らか
なように、機関回転数Ne が約1000rpm 未満、及び
約4000rpm 以上の領域では目標空燃比が理論空燃比
に設定され、その間の約1000〜4000rpm の領域
では目標空燃比がリーン側の空燃比に設定される。
に同期して360度CA毎に実行される。まず、CPU
22はステップS1でクランク角センサ16からのパル
ス信号から機関回転数Ne を算出し、その機関回転数N
e と吸気圧センサ17にて検出された吸気圧Pm とから
目標空燃比を設定する。この目標空燃比の設定は、図6
に示す予めROM23に格納されたマップに従って行な
われる。図中の数値は目標空燃比を示し、図から明らか
なように、機関回転数Ne が約1000rpm 未満、及び
約4000rpm 以上の領域では目標空燃比が理論空燃比
に設定され、その間の約1000〜4000rpm の領域
では目標空燃比がリーン側の空燃比に設定される。
【0031】次いで、CPU22はステップS2で機関
回転数Ne と吸気圧Pm とから図示しないマップに従っ
て、実際の空燃比を理論空燃比に制御するために必要な
基本燃料噴射時間τ0 を設定する。更に、ステップS3
で、前記ステップS1で設定した目標空燃比がリーン側
の空燃比であるか否かを判定し、リーン側の空燃比であ
るときには、ステップS4以降の処理でリーン制御を実
行する。まず、ステップS4で内燃機関1の運転領域毎
にマップ化された定数k(<1.0)を基本燃料噴射時
間τ0 に乗算して、空燃比をリーン側に補正する。そし
て、ステップS5で、図3に破線で示すようにスイッチ
S1を閉じてリーン検出状態に切り換え、ステップS6
で図4のマップに破線で示す特性に従って、目標空燃比
に対応する目標出力電圧値V0 を算出する。
回転数Ne と吸気圧Pm とから図示しないマップに従っ
て、実際の空燃比を理論空燃比に制御するために必要な
基本燃料噴射時間τ0 を設定する。更に、ステップS3
で、前記ステップS1で設定した目標空燃比がリーン側
の空燃比であるか否かを判定し、リーン側の空燃比であ
るときには、ステップS4以降の処理でリーン制御を実
行する。まず、ステップS4で内燃機関1の運転領域毎
にマップ化された定数k(<1.0)を基本燃料噴射時
間τ0 に乗算して、空燃比をリーン側に補正する。そし
て、ステップS5で、図3に破線で示すようにスイッチ
S1を閉じてリーン検出状態に切り換え、ステップS6
で図4のマップに破線で示す特性に従って、目標空燃比
に対応する目標出力電圧値V0 を算出する。
【0032】次いで、ステップS7で切換回路31の現
在の出力電圧Vと目標出力電圧値V0 との偏差(DIF
L)を求め、その偏差に応じて基本噴射時間τ0 の補正
係数を算出する。基本噴射時間の補正にはPID(比例
・積分・微分)を用いた高応答のフィードバックを行な
う。フィードバック量の算出はステップS8にてP項
(比例項)、ステップS9にてI項(積分項)、ステッ
プS10にてD項(微分項)を、出力電圧Vと目標電圧
値V0 との偏差DIFLに基づいてそれぞれ行ない、ス
テップS11にてP項・I項・D項の和をフィードバッ
ク量fとし、その後ステップS12にて基本噴射時間τ
0 にフィードバック量fを乗算して燃料噴射時間τを算
出し、一旦このルーチンを終了する。従って、このリー
ン制御時においては、図4のマップに破線で示す特性に
従って燃料噴射時間τのフィードバック制御が実行さ
れ、空燃比がリーン側の空燃比に制御される。
在の出力電圧Vと目標出力電圧値V0 との偏差(DIF
L)を求め、その偏差に応じて基本噴射時間τ0 の補正
係数を算出する。基本噴射時間の補正にはPID(比例
・積分・微分)を用いた高応答のフィードバックを行な
う。フィードバック量の算出はステップS8にてP項
(比例項)、ステップS9にてI項(積分項)、ステッ
プS10にてD項(微分項)を、出力電圧Vと目標電圧
値V0 との偏差DIFLに基づいてそれぞれ行ない、ス
テップS11にてP項・I項・D項の和をフィードバッ
ク量fとし、その後ステップS12にて基本噴射時間τ
0 にフィードバック量fを乗算して燃料噴射時間τを算
出し、一旦このルーチンを終了する。従って、このリー
ン制御時においては、図4のマップに破線で示す特性に
従って燃料噴射時間τのフィードバック制御が実行さ
れ、空燃比がリーン側の空燃比に制御される。
【0033】また、前記ステップS3で目標空燃比が理
論空燃比であるときには、ステップS13以降の処理で
通常の空燃比制御を実行する。まず、ステップS13で
図3に実線で示すようにスイッチS1を開いて通常検出
状態に切り換え、ステップS14で切換回路31の現在
の出力電圧値Vと理論空燃比に対応する目標電圧値V0
である0ボルトとの偏差(DIFS)を求め、その偏差
に応じて基本噴射時間τ0 の補正係数を算出する。基本
噴射時間の補正には、PID(比例・積分・微分)を用
いた高応答のフィードバックを行なう。
論空燃比であるときには、ステップS13以降の処理で
通常の空燃比制御を実行する。まず、ステップS13で
図3に実線で示すようにスイッチS1を開いて通常検出
状態に切り換え、ステップS14で切換回路31の現在
の出力電圧値Vと理論空燃比に対応する目標電圧値V0
である0ボルトとの偏差(DIFS)を求め、その偏差
に応じて基本噴射時間τ0 の補正係数を算出する。基本
噴射時間の補正には、PID(比例・積分・微分)を用
いた高応答のフィードバックを行なう。
【0034】フィードバック量の算出はステップS15
にてP項(比例項)、ステップS16にてI項(積分
項)、ステップS17にてD項(微分項)を、出力電圧
Vと目標電圧値V0 との偏差DIFSに基づいてそれぞ
れ行ない、ステップS18にてP項・I項・D項の和を
フィードバック量fとし、その後ステップS12にて基
本噴射時間τ0 にフィードバック量fを乗算して燃料噴
射時間τを算出し、一旦このルーチンを終了する。従っ
て、この通常の空燃比制御時においては、図4のマップ
に実線で示す特性に従って燃料噴射時間τのフィードバ
ック制御が実行され、空燃比が理論空燃比に制御され
る。そして、前記のように、空燃比の変動に対する出力
電圧Vの変動のゲインが高いことから、極めて高い精度
で空燃比を検出可能となる。
にてP項(比例項)、ステップS16にてI項(積分
項)、ステップS17にてD項(微分項)を、出力電圧
Vと目標電圧値V0 との偏差DIFSに基づいてそれぞ
れ行ない、ステップS18にてP項・I項・D項の和を
フィードバック量fとし、その後ステップS12にて基
本噴射時間τ0 にフィードバック量fを乗算して燃料噴
射時間τを算出し、一旦このルーチンを終了する。従っ
て、この通常の空燃比制御時においては、図4のマップ
に実線で示す特性に従って燃料噴射時間τのフィードバ
ック制御が実行され、空燃比が理論空燃比に制御され
る。そして、前記のように、空燃比の変動に対する出力
電圧Vの変動のゲインが高いことから、極めて高い精度
で空燃比を検出可能となる。
【0035】また、フィードバックの方法には本実施例
で示したPID制御のみならず、現代制御理論を用いた
フィードバックも実施可能であり、また目標空燃比に対
してリッチまたはリーンを判定して燃料噴射時間τを一
律の値で増減する所謂PI制御の実行も可能である。
で示したPID制御のみならず、現代制御理論を用いた
フィードバックも実施可能であり、また目標空燃比に対
してリッチまたはリーンを判定して燃料噴射時間τを一
律の値で増減する所謂PI制御の実行も可能である。
【0036】以上のように本実施例では、内燃機関M1
として内燃機関1が機能し、空燃比検出手段M2として
リーンセンサ15が、可変抵抗手段M3として抵抗R
1、抵抗R2及びスイッチS1が機能する。また、目標
空燃比設定手段M4としてステップS1の処理を実行す
るときのCPU22が、出力電圧ゲイン切換手段M5と
してステップS5及びステップS11の処理を実行する
ときのCPU22が、噴射量フィードバック制御手段M
6としてステップS7乃至ステップS10、ステップS
12乃至ステップS14の処理を実行するときのCPU
22がそれぞれ機能する。
として内燃機関1が機能し、空燃比検出手段M2として
リーンセンサ15が、可変抵抗手段M3として抵抗R
1、抵抗R2及びスイッチS1が機能する。また、目標
空燃比設定手段M4としてステップS1の処理を実行す
るときのCPU22が、出力電圧ゲイン切換手段M5と
してステップS5及びステップS11の処理を実行する
ときのCPU22が、噴射量フィードバック制御手段M
6としてステップS7乃至ステップS10、ステップS
12乃至ステップS14の処理を実行するときのCPU
22がそれぞれ機能する。
【0037】このように本実施例の内燃機関の空燃比制
御装置は、内燃機関1の排気通路14に設けられて、排
気ガス中の酸素濃度に比例して出力電流を増加させるリ
ーンセンサ15と、前記リーンセンサ15の出力電流を
電圧値に変換すべく切換回路31の出力端子32a,3
2b間に接続されて、スイッチS1の開閉に応じて抵抗
値が切り換えられる抵抗R1及び抵抗R2と、前記内燃
機関1の運転領域に応じて、理論空燃比からリーン側の
空燃比にわたって目標空燃比を設定するとともに、目標
空燃比がリーン側の空燃比のときに、前記スイッチS1
を閉じて、出力端子32a,32b間に抵抗R1及び抵
抗R2の合成抵抗を作用させるとともに、目標空燃比が
理論空燃比のときに、スイッチS1を開いて、出力端子
32a,32b間に抵抗R1を作用させ、かつ、前記切
換回路31の出力端子32a,32b間の出力電圧値V
と、前記目標空燃比に対応する目標出力電圧値V0 とに
基づいて、内燃機関1への燃料噴射量をフィードバック
制御するCPU22とを具備している。
御装置は、内燃機関1の排気通路14に設けられて、排
気ガス中の酸素濃度に比例して出力電流を増加させるリ
ーンセンサ15と、前記リーンセンサ15の出力電流を
電圧値に変換すべく切換回路31の出力端子32a,3
2b間に接続されて、スイッチS1の開閉に応じて抵抗
値が切り換えられる抵抗R1及び抵抗R2と、前記内燃
機関1の運転領域に応じて、理論空燃比からリーン側の
空燃比にわたって目標空燃比を設定するとともに、目標
空燃比がリーン側の空燃比のときに、前記スイッチS1
を閉じて、出力端子32a,32b間に抵抗R1及び抵
抗R2の合成抵抗を作用させるとともに、目標空燃比が
理論空燃比のときに、スイッチS1を開いて、出力端子
32a,32b間に抵抗R1を作用させ、かつ、前記切
換回路31の出力端子32a,32b間の出力電圧値V
と、前記目標空燃比に対応する目標出力電圧値V0 とに
基づいて、内燃機関1への燃料噴射量をフィードバック
制御するCPU22とを具備している。
【0038】したがって、目標空燃比を理論空燃比に設
定した通常の空燃比制御時においては、出力端子32
a,32b間に抵抗R1が作用して、空燃比の変動に対
する出力電圧値Vの変動のゲインが高められる。よっ
て、極めて高い感度で空燃比を検出可能となり、実際の
空燃比を理論空燃比のウインドに確実に制御することが
できる。
定した通常の空燃比制御時においては、出力端子32
a,32b間に抵抗R1が作用して、空燃比の変動に対
する出力電圧値Vの変動のゲインが高められる。よっ
て、極めて高い感度で空燃比を検出可能となり、実際の
空燃比を理論空燃比のウインドに確実に制御することが
できる。
【0039】また、排気ガス中の酸素濃度に比例した出
力電圧値Vが得られるため、出力電圧値Vと目標出力電
圧値V0 との偏差を用いた高応答のフィードバック制
御、例えば、PID制御や現代制御等を実行することが
可能であり、フィードバック制御に対する適用範囲を大
幅に拡大することができる。
力電圧値Vが得られるため、出力電圧値Vと目標出力電
圧値V0 との偏差を用いた高応答のフィードバック制
御、例えば、PID制御や現代制御等を実行することが
可能であり、フィードバック制御に対する適用範囲を大
幅に拡大することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の内燃機関の空燃
比制御装置によれば、目標空燃比が理論空燃比に設定さ
れているときには、可変抵抗手段の抵抗値が高いことか
ら、空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが
高められる。したがって、極めて高い感度で空燃比を検
出可能となり、空燃比を理論空燃比のウインドに確実に
制御することができる。また、排気ガス中の酸素濃度に
略比例した出力電圧値が得られるため、高応答のフィー
ドバック制御、例えば、PID制御や現代制御等を実行
することが可能であり、フィードバック制御に対する適
用範囲を大幅に拡大することができる。
比制御装置によれば、目標空燃比が理論空燃比に設定さ
れているときには、可変抵抗手段の抵抗値が高いことか
ら、空燃比の変動に対する出力電圧値の変動のゲインが
高められる。したがって、極めて高い感度で空燃比を検
出可能となり、空燃比を理論空燃比のウインドに確実に
制御することができる。また、排気ガス中の酸素濃度に
略比例した出力電圧値が得られるため、高応答のフィー
ドバック制御、例えば、PID制御や現代制御等を実行
することが可能であり、フィードバック制御に対する適
用範囲を大幅に拡大することができる。
【図1】図1は本発明の一実施例の内容を概念的に示し
たクレーム対応図である。
たクレーム対応図である。
【図2】図2は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置の概略構成図である。
比制御装置の概略構成図である。
【図3】図3は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置におけるリーンセンサ及び切換回路を示す回
路図である。
比制御装置におけるリーンセンサ及び切換回路を示す回
路図である。
【図4】図4は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置における空燃比からリーンセンサの出力電圧
値を設定するためのマップを示す説明図である。
比制御装置における空燃比からリーンセンサの出力電圧
値を設定するためのマップを示す説明図である。
【図5】図5は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置のCPUが実行する空燃比制御処理を示すフ
ローチャートである。
比制御装置のCPUが実行する空燃比制御処理を示すフ
ローチャートである。
【図6】図6は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置の目標空燃比を設定するためのマップを示す
説明図である。
比制御装置の目標空燃比を設定するためのマップを示す
説明図である。
【図7】図7は従来の空燃比制御装置におけるリーンセ
ンサの周辺の模式的な回路構成を示す回路図である。
ンサの周辺の模式的な回路構成を示す回路図である。
M1 内燃機関 M2 空燃比検出手段 M3 可変抵抗手段 M4 目標空燃比設定手段 M5 出力電圧ゲイン切換手段 M6 噴射量フィードバック制御手段 1 内燃機関 15 リーンセンサ R1,R2 抵抗 S1 スイッチ
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられて、排気
ガス中の酸素濃度に略比例した電流を出力する空燃比検
出手段と、 前記空燃比検出手段の出力電流を電圧値に変換すべく空
燃比検出手段の出力端に接続されるとともに、抵抗値を
変更可能な可変抵抗手段と、 前記内燃機関の運転領域に応じて、理論空燃比からリー
ン側の空燃比にわたって目標空燃比を設定する目標空燃
比設定手段と、 前記目標空燃比設定手段にて設定された目標空燃比がリ
ーン側の空燃比のときに、前記可変抵抗手段を低抵抗値
に切り換えるとともに、目標空燃比が理論空燃比のとき
に、可変抵抗手段を高抵抗値に切り換える出力電圧ゲイ
ン切換手段と、 前記空燃比検出手段の出力電圧値と前記目標空燃比とに
基づいて、内燃機関への燃料噴射量をフィードバック制
御する噴射量フィードバック制御手段とを具備すること
を特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4285923A JPH06137193A (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 内燃機関の空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4285923A JPH06137193A (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 内燃機関の空燃比制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06137193A true JPH06137193A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=17697765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4285923A Pending JPH06137193A (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 内燃機関の空燃比制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06137193A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2009069167A (ja) * | 2002-11-08 | 2009-04-02 | Denso Corp | ガス濃度検出装置 |
DE10352064B4 (de) * | 2002-11-08 | 2019-10-31 | Denso Corporation | Gaskonzentrationsmessgerät mit hohem Auflösungsvermögen |
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JPS63168708U (ja) * | 1987-04-22 | 1988-11-02 | ||
JPS646752A (en) * | 1987-06-29 | 1989-01-11 | Mitsubishi Electric Corp | Detector for oxygen concentration |
JPH01152356A (ja) * | 1987-12-09 | 1989-06-14 | Honda Motor Co Ltd | 空燃比検出装置 |
JPH0372368U (ja) * | 1989-11-20 | 1991-07-22 |
-
1992
- 1992-10-23 JP JP4285923A patent/JPH06137193A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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